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#アフロディーテの試練
rajisuke · 2 months
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elle-p · 6 months
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P3xP4 World Analyze pages 36-37 transcription.
停滞する時の中で過去を垣間見る “時の狭間”
異なる時空の歪み
ニュクスとの戦いが終わって2ヶ月。リーダーを失った特別課外活動部は影時間がなくなったことでその活動目的も喪失していたが、別の異変によって寮に閉じ込められることとなった。
3月31日が延々と繰り返され、“次の日” がこない。寮は外界と時空そのものが隔絶した状態となり、外にも出られない。寮のロビーに出現した階段を降りると砂漠のような空間が広がり、いくつも立ち並ぶ扉からは “時の狭間” と呼ばれる不可思議な空間へと繋がっており、進んでゆくと特別課外活動部のメンバーそれぞれがペルソナ能力を獲得した過去の記憶を目の当たりにすることとなる。
異変の始まりとともに現れた自称 “アイギスの妹” メティスとともに、特別課外活動部は探索を始める。そこにはやはりシャドウたちが存在し、彼らは再び戦いに身を投じることになったのである。
“時の狭間” は、扉を通じて7つの異なる時空へと通じている。階段で降りていくことで、先へと進むことができる。
異変の原因
リーダーの立場となって、特別課外活動部を率いることになるのは、アイギスである。リーダーを失ったことで悲しみを感じていた彼女は、ただのロボットでいたほうがよかったとさえ思っていた。そこに現れた “妹” と戦いになったとき、出現したペルソナはリーダーと同じオルフェウスであり、“ワイルド” の力に目覚めた者としてベルベットルームにも招待される。メティスの協力もあって、アイギスは新たな装備を追加されるが、オルギアモードは使えなくなった。その代わり、同行するメティスにリーダーとしてオルギアモードを指示することができるようになった。
“妹” メティスが現れたことがこの探索行の始まりであり、ベルベットルームの主人イゴールが言った通り “命のこたえ” を見つけることが目的となる。“時の狭間” はアイギスに起こったさまざまな変化と繋がった、いわばアイギス自身が原因となって生まれた空間である。
寮から出ることはできないが、ポロニアンモールと直結していて、アイテムなどを購入することはできる。
ダンテ『神曲』
行く先々の名称などはメティスが教えてくそれらは13世紀イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリの『神曲』が元になっている。この三部構成の長編叙情詩では、著者であるダンテ自身が地獄、煉獄、天国を巡る旅をする。ダンテが幼少期に出会ったあこがれの少女ベアトリーチェが案内役として登場するが、実在したベアトリーチェは『神曲』が書かれたときすでに死んでおり、その悲しみから神格化し、登場させたとされている。“時の狭間” でアイギスたちが感じる、リーダーを失った悲しみと符合する要素である。
ダンテは敬虔なカトリック教徒であり、キリスト教神学をベースに地獄を描いているが、その描写にはギリシア神話からの影響も強い。地獄の入口はギリシアに実在するアケロン川を渡ったところにあり、渡し守はニュクスの子であるカロン。ミノス王やケルベロスなども登場している。“時の狭間” では9つある地獄の8番目以降の名称が使われている。
造られた “姉妹”
アイギスは桐条のラボで造られた最後の対シャドウ兵器であり、その完成とともに開発計画は終了している。アイギス以降に新たなタイプは造られていないし、アイギスより前に実働可能な機体も存在しなかった。アイギス以上の性能を持ち、しかもより人間的な感情も持ったメティスは、同型機種としての姉妹ではありえない。アイギスの心から生まれた分身 (シャドウ)と言うべき存在である。
[プシュケイ]
人間の王の娘でありながら、美の女神アフロディーテに嫉妬されるほどの美しさを持つプシュケイ。母を裏切り、身分を隠して愛し合った夫クピドを自らの手で殺してしまい、取り戻すため冥界へ下ることになる。こうしたタイプの神話には珍しく、プシュケイは冥界の協力を受け、夫を取り戻すことに成功する。神々の王ゼウスやアフロディーテらにも認められ、プシュケイ自身も神に等しい永遠の命を得たとされる。
時の狭間より接続された8つの “時空”
古の路マレボルゼ
ボルサとはイタリア語でカバンを意味する言葉で、『神曲』に描かれる8つ目の地獄には10の “悪の袋 (マレボルゼ)” があって、罪人は罪の種類によって振り分けられ焼かれたり切り裂かれるなどの責め苦を受ける。その中には、聖職売買などで神聖なるものを目流した者が入れられる袋もある。
罪の路コキュトス
ギリシア神話の異界を取り巻くように流れる川のひとつで、三途の川ステュクスの支流。冥界の最下層を流れ “嘆き悲しむ” という意味の名を持っている。『神曲』では9つ目の地獄として最も重い罪 “裏切り” を罰する場所となる。カイーナからジュデッカまでは、それぞれコキュトスの一部。
力の路カイーナ
コキュトスは4重の円で構成されていて、一番外側にあるのがカイーナ。肉親に対する裏切りを罰する地獄で、『創世記』で弟アベルを殺害したカインから名付けられた。『神曲』では、父アーサー王を殺したモードレッドの名も挙げられ、氷漬けになっている悪人の罪状が語られる。
夜の路アンテノラ
コキュトスの2番目の円で、祖国に対する裏切りを罰する地獄。ギリシア神話の『トロイア戦争』で、トロイア王の助言役でありながら門を開いてギリシア軍を手引きした人物が、裏切り者として地獄の名前の元となった。ただし、本当に裏切っていたのかは神話上はっきりとは描かれていない。
哀の路トロメイア
コキュトスの3番目の円で、客人に対する裏切りを罰する地獄。迎え入れた客 (マレビト) を眠らせてから殺すという物語は日本でも “ヤマンバ” と呼ばれる存在としてよく描かれるが、古代パレスチナのエリコの王が客として訪れたイスラエルの祭司シモン・マカパイを殺したことに由来する。
業の路ジュデッカ
コキュトスの4番目の円で、主人に対する裏切り者を罰する地獄。イエス・キリストの弟子でありながら裏切ったイスカリオテのユダの名がつけられており、最も重い罪として地獄の最奥部にある。この中心には、悪魔ルシフェルが氷漬けになっており、ユダはその口に咥えられている。
王居エンピレオ
地獄と煉獄を巡ったダンテが最後に訪れた場所で、天国の中でも至高の場所。キリストをはじめ数多くの聖人や聖母マリアが暮らす平和な地で、ダンテは神が空に描いた光の文字で “愛” を知る。ダンテの愛したベアトリーチェが “愛” そのものであったように、リーダーもそうだったのだろうか。
コロッセオ・プルガトリオ
『神曲』第二部の煉獄にあたる場所で、罪人たちが浄罪の炎で清められる山のこと。“七つの大罪” それぞれを浄罪する場所があり、それぞれの罪に応じた責め苦を負わされ、罪を悔い改める。山頂は天国にもっとも近い楽園で、アダムとイヴが無垢な時代に暮らした場所とされる。
繋ぎ留められた “記憶”
トロメイアでは、幼き美鶴がペルソナ能力を獲得し、父親とともに浄罪を始める姿を見ることができる。
カイーナでは、中学生時代の美鶴と明彦が出会った時を見ることができる。美鶴の過去は “時の狭間” の鍵でもある。
最後の試練の扉 “エレボス”
“暗黒” を意味するギリシア神話の神のひとり。ニュクスの兄弟であると同時に夫でもあり、夜の空であるニュクスに対する地の闇にあたる。ギリシア神話において “地獄” の意味で使われる言葉のひとつでもあり、地獄の最も深い部分を指すとされることが多い。神々の系統上の役割を考えると、“大地” ガイアや “冥府” ハデスとともに、“奈落” タルタロスをも含めた “地の領域” 全体を表すものとも取れる。
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raka0103 · 5 years
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2019/01/12-2019/01/18 ひとり旅(Russia,Italia)⑤
 このペースだとあと3記事くらいかかりそう。
 ロシア3日目、2回目の朝。
 目が覚めたのは昨日より少し遅い午前8時ごろ。疲れもあるのかもしれないけど、慣れない土地で慣れない交通機関を使ったり、コミュニケーションの末に滞在許可証を入手したりと諸々のクエスト達成によりロシアに慣れてきた証拠、でもあるような気がする。しかし早いもので、今日がサンクトペテルブルク観光できる最後の一日になってしまった。早い…後悔しないように好きなところをまわろう。
 ホテル目の前のネフスキー・プロスペクトという大通りを西へまっすぐ進んで徒歩10分程度、途中血の上の救世主協会へ回り道をしながら今日の最初の目的地に到着。
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 めちゃくちゃクリスマス感!ハッピ~!!ここでの目的は朝ごはん。エリセエフスキー(http://www.kupetzeliseevs.ru/)は高級食材店がメインかつカフェ営業もしている由緒あるお店。らしい。日本でいえば紀伊国屋みたいな位置づけなのかなぁ。帰りにここでお土産買いこもうかと思っていたので、下見のつもりで朝訪れてみたのだった。でも覗き込んだ各種商品の価格帯は成城石井のそれよりも高かったので、目論見はそっと胸にしまい込んでおくことにする。ショーウィンドウを眺めていたらウェイターさんが声をかけてきてくれたので、コーヒーとパンケーキを注文した。
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 席に着くと比較的すぐに注文の品があつあつで出てきた。ロシアやっぱりサービス悪くないよね??「パンケーキ」は、いわゆる日本のものとはちょっと違ったチーズin小麦粉の薄焼きという感じで、見た目は完全におやき。まぁ、多少イメージと違かろうがあったかくてもちもちしているものは美味しいと相場が決まっている。特に躊躇もせず口に放り込むと、レアチーズケーキの、あのレモン風味のチーズらしきものが入っていて、当然のように美味しかった。ていうかロシアって今のところ食べ物のハズレがない。美味しい~。写真の通り練乳とジャムもついてきてたけど、ちょっと舐めたら「「「「「甘」」」」」だったので味わうのは控えめにしておく。エスプレッソで口の中を落ち着かせてしばしゆっくりしつつ、次の目的地へ出発。ちなみにほかにはおばあちゃんと孫っぽい二人組のお客さんがいた。この日は月曜日。これから幼稚園にでも行くのかもしれない。
ファベルジェ美術館
 サンクトペテルブルクの美術館はエルミタージュだけじゃない!実はロシア美術館こそ見ておくべきハイライト、という口コミもネット上ではちらほら見かけたんだけど、どうしても行きたいところと天秤にかけて今回はパス。美術館、1回入ったら最低2時間はうろついてしまうから���っぱり行きたい場所を絞らないとどっちつかずで後悔してしまう予感がすごい。そんなわけで今日のメインはここ。
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 みんな大好きインペリアル・イースターエッグがた~くさん展示されてるファベルジェ美術館だよ!建物も新しくて小綺麗で、比較的こじんまりしていて…正直とても居心地が良い。あと展示物が宝石とか細工とかなので、そもそもが華やか。
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 こんな感じになんとなく作品の色合いごとに展示が分けられていたりするの、本当さぁ…""馴染む""んだよな…。いつまでも見ていられる。アンティークモチーフで埋め尽くされたセピア色の豪奢な空間だって非日常で嫌いじゃないけど、洗練されたこの感じ、やはり「現代」っぽい圧を感じて落ち着く気がする。なんて、ファベルジェだって充分に歴史はあるはずなので、ここは内装の問題か。ところでチケットをもぎられる時、スーツ着たガタイのいいお兄さんに"Where are you from?"と話しかけられた。日本、と答えると満面の笑みで「Oh!コニチワ!!エンジョイしていってください」。ロシアで初めて耳にした日本語になんだか一気に笑顔になってしまった。おかげで最後まで心地よく鑑賞できた。 お兄さんСПАСИБО~~!
 ところでここの美術館には細工物だけじゃなくて絵画もいくつか展示されていた。そのうちのひとつになぜかふと目が留まり、足を止めてみる。絵のタイトルなんて普段チェックしないんだけど、確認してみると"Judgment of Paris"。…パリってフランスのパリのことか。いや~それにしては描かれてる人たちの服装とかピンとこないけど…とその場でググると、「パリス」というのは人名のようで。Wikipediaで専用記事もあるから有名なモチーフなのかな?とページを開いて、「あ、ああーーー!!!!」となる。トロイア戦争の!ヘラとアテナとアフロディーテのやつだ!!黄金の林檎の!パリスの審判!!!
***~以下自分語り~***
 私は古代史を含む世界史にはあまり明るくないけど、かつて某学習漫画シリーズを愛読していたおかげで局所的に知っているエピソードはいくつかある。今回のパリスの審判のように。ちなみにこのシリーズ、"ミイラ"をキーワードに世界各地の遺跡やそれらにまつわる歴史的出来事にスポットを当てて紹介していくもので、幼稚園時代から"生死"とか”死後の世界”というテーマに惹かれていた私は夢中になって読み返した記憶がある。結果、「エジプトの3大有名ピラミッドはギザ、クフ、メンカウラそれぞれの王のものであること」、「クフのピラミッド表面にはまだ綺麗に化粧岩が残っていること(今どうなのかは知らないけど…)」、「ツタンカーメンの黄金製のマスクが重すぎてその下のミイラの鼻先は潰れていること」なんかを常識レベルの知識として捉える小学3年生が爆誕した。そういえばパリスの審判の内容は当時の私にとってはメチャクチャ不可解だったな。「史上最強の権力・絶対不敗を導く知能・至上の美女」からどれでも好きなものをおひとつ、という状況下でなぜ最後を選ぶ?!マジで謎。いや今でも謎すぎるけど。私なら絶対にアテナ選ぶのに…。(今改めて調べたら若干記憶違いで、"史上最強の権力"→"アシアの君主の座"、"絶対不敗を導く知能"→”戦いにおける勝利”とのこと。確かにだいぶ限定的ではあるけども…)   そしてそのエピソードから芋づる式に、神話として語り継がれていたトロイアの実在を少年時代から信じて追いかけ続けたシュリーマンというドイツの考古学者と資産家のおじさん二人組がいたこととか、トロイの木馬の逸話、アガメムノンという人物や顔をかたどったマスクが存在したこと、さらにはマヤが太陽信仰でマチュピチュが階段状のピラミッドの神殿であること、独自の超正確な暦を持っていたこと、改宗を大義名分として黄金略奪のためにスペインがインカ帝国に攻め入ったことやら日本の藤原家から即身仏になった僧の存在や、その弟子に鉄門海という人物がいたこと。遺体を安置する入れ物"厨子"なんて言葉もそこで知った。  ミイラというキーワードを伏せてしまえばあまりにも偏りまくりの断片的な知識すぎる。まぁこのへんの影響で世界ふしぎ発見!とか一時期結構ちゃんと見てたんだと思う。吉村先生とかちょっと憧れてた。
***~自分語り終わり~***
 思わぬところで自分のルーツに出会ったことになんとなくウォーッとなって、しばらくまじまじとその絵を眺めてしまった。ていうか絵画って神話や史実をもとにした作品だと、結局描き手の解釈を反映した二次創作になるんだろうな~。そう思って絵を見ると色々なところに思いを馳せることができる。きっとこういう背景知識があればあるほど、美術館というのはエンタメの宝庫と化すんだと思う。まぁ、自分の身の丈に合ったところに行くほうが楽しめるということか。興味が湧けば、それをモチベーションに世界史をなぞってみるとよいかもしれない。いつか私にもそういう波が来るかもしれないと思うと、少しだけ楽しみでもある。
再び街中散策
 美術館を一通り巡って満足したので再度街中をうろうろ。直近twitterでバズってたロシアのやばい粉(https://togetter.com/li/1299985)が無いか探してみたり、デパートで初代プレステのワゴンセールを見て笑ったり。スタバを覗いてご当地限定:マトリョーシカタンブラーが"在る"ことを「見て」満足するなどした。タンブラーな~…かわいいんだけど、数買っちゃうと結局使いこなせないので…。さくらモチーフとか、台湾で買ったメチャカワのものがあるので今のところはそれで満足することにするね。 
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 道を歩けばマトリョーシカに当たるってくらいたくさんいた。個性あふれててみんなかわいい!しかし3枚目の子があまりにも不遇すぎるのでなんとか助けてあげたい。
 マトリョーシカがお出迎えしてくれているのはたいてい土産物屋。何の気なしに覗いたそのうちのひとつで、大学生くらいでは?という若いねーちゃんからむちゃくちゃアツいマトリョーシカのプレゼンを受けた。あまりにも接客熱心なその姿勢に観念して、じゃあ1つは商品買うね、と決めたロシア伝統柄スカーフの試着にも延々付き合ってくれたので、なんだろう…暇だったのかな。単純にいい人だったのかもしれない。ところでパーソナルカラー診断なるものがtwitterをはじめとするSNSで流行りだして久しいけど、瞳の色に合わせてコーデを意識するといいとか、海外の人はよくそうするものだ、とも併せて聞いたことがある。いや言うて日本人の瞳なんてほぼほぼ黒でしょ…と思っていたけど、このよく笑いよく喋るねーちゃんは私がスカーフをまとって鏡の前に立った時にはスッ…と黙って私の眼と色柄とを見比べて、あなたにはこっちのほうがいいと思う、なんてコメントをしてくれたりした。単なるリップサービスかもしれないけど、あーそういうところやっぱ見てるんだな~という気づき。そもそも欧米の人は眼が大きい=顔全体に与える瞳の色のインパクトが強い、というのはあるんだろうけど。でも、黒だと思い込んでいた自分の眼も"こげ茶"だという診断を以前プロから受けたりもしたので、見る人が見れば違うのかもしれない。なんだか半ば押し売りで買わされたみたいになってしまったけど、試着にそれなりに時間をかけて選んだこと、"これはあなたにすごく似合ってると思う!"と言ってもらえたこともあり、最終的には結構しっかりこのスカーフのことを気に入っていた。顧客満足度はこうして上げるものなのかもしれない。(にごりのない青色とピンクの組み合わせはかわいくて好きだし、日本に帰ってから早速使っている)  ここであんまりにも長く話し込んでしまったので、次の目的地までめっちゃ小走りした。ねーちゃんは"サンクトペテルブルクの出身としてはあなたにぜひこれを買って帰ってほしい"、と最後までマトリョーシカを勧めてきたけど、道端の土産物屋にしては結構な額買ったからもう許してくれ。ごめん。
異国にて"異国"料理
 行きたかったのはここ、メヌア(http://www.menua.spb.ru/)!地球の歩き方に載っていたアルメニア料理のお店。  昨晩ボルシチをひとくち食べてからというもの「ロシアにいる間の食事は全部ボルシチにすっぞ!」と決めてたんだけど、「日本人にはなじみの薄いアルメニア料理を提供するお店」という紹介文を見て一気に心が揺らいでしまった。あー…そういえばアルメニア料理なんて食べたことないし、そもそも味付けだってまったく想像もつかない。ていうか言われるまでアルメニアという国の存在を意識したことが無かった。まぁ…でも23区内のどっかでは食べられるんじゃ?と「アルメニア料理 都内」でググってみてもまったくヒットしない。マジで?東京でこうなの?これここで帰国しちゃったら一世一代の機会を逃すのでは?そう思うと居ても立っても居られなくなり、お手軽な量とお値段のビジネスランチが提供されるギリギリの時間にお店に滑り込んだ。
 お昼時をだいぶ過ぎていたこともあり、会計を済ませたらしいひとりと入れ替わるようにして席に着くとお客さんは私だけ。うわ…ランチタイム終了直前に仕事増やしてごめん…募る申し訳なさ。それでもお店の人には案外嫌な顔はされなかったのでちょっと安心。ビジネスランチをお願いします、というと英語表記のメニューは用意が無かったようで、ロシア語表記のものを手渡された。
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 マジでねえ、わかってはいたけど何一つ読めない。
 ウエイトレスさんもこちらが観光客だということは察してくれて、指差ししながら”Um..., This is a fried Chicken, and this is a fried fish.”みたいな説明をしてくれる。あっそもそもなんか選択制なんだねこれ。丁寧な説明ありがとう!(CV:鈴木千尋)  うーん、いつもだったら間違いなく鶏肉にするんだけど…ざっとググった情報では、アルメニアは内陸国で、セヴァン湖という大きな湖を有している。滋賀県では? あと、全体的にめちゃくちゃ標高が高いとか。つまり魚料理を選ぶと淡水魚が出てくる可能性が高いのかな。日本だとなんとな~くいい印象の少ない淡水魚(というか海の魚が美味しすぎるよね)、海外の味付けってばどんなもんよとは思いつつ、よりオリジナリティ溢れる味付けのものが出てくるかも!と一か八かでオーダーしてみた。
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 これがアルメニア料理だ!!(ドン!!!!!)
 …見た目には思った以上に何の変哲もないフィッシュフライ。なるほど説明は間違っていなかった(後から思えば"ビジネスランチ"なので、可能な限り無駄を省いた内容になってるんだろうなとは思う)。ナイフで切ってみると、正体はやはりというかなんというか、白身魚。結論から言えばフライ本体は限りなく無難な、よく言えばとても安心感のある味。ていうかこれ衣自体に味がついてるんだな~。単体でも全然美味しいわ。  で、こうなると白いソースと添えられた米が普段の食文化圏のものとどう違うか、を味わってみるのがいいか…とソースの味を確かめてみる。予想はサワークリーム!…だったんだけど酸味はほぼなくて、どちらかと言えばチーズっぽさ。でもチーズほどの独特のにおいもなく、もっと言えば塩気もハーブの香りもあまり感じない…。これはなんなんだろう。”まろやかな何か”であるのは間違いないけど…。フライと一緒に食べるのがやっぱ正解なのかな。  ともあれ全体が食べられる味であったことに安心したところで、店員さんに"何の魚ですか?"と聞いてみた。向こうも不意を突かれたのか「えっ?!」という表情になって、相当程度の低い英会話が約2名の間で繰り広げられた挙句うやむやで終了。そーだよねえ。私だって仮に寿司屋でバイトしてたとして「これは鯵です」「ハマチです」「しめ鯖です」を日本語では言えるけど、英語で何て言うの?ってそんなん答えられない。正解を言ってもらったところでこっちも英語名わからんしな。結局何の魚かは不明のままだけど、そういえば臭みとかは全然感じなかった。というか、散々淡水魚について推測を働かせてはみたけど知っている中で一番近しい食感と味は”鱈”ですね…。川魚?にしては随分とふっくらしていた。  お米に関しては、うーん、タイ米とかと同じ類かな?コメ、と思って食べるから始めこそ強烈な違和感があるけど、慣れてしまえばあ~こういうやつよねという感じ。海外のお米にありがちなパラパラとした食感に、やや軟らかめ?という印象。これは炊き方の問題かもしれないけど。めちゃくちゃ偉そうな物言いになってしまった。まぁ、やっぱりわたしには慣れたジャポニカ米が一番かも。  一緒に出てきたベリー色のジュースは見た目通りさわやかに甘酸っぱくて、デザート感覚で一気にいただける。たぶんだけど、ロシアではポピュラーだと聞いていたクランベリージュース "モルス(морс)" ではなかろうか。メニュー一切読めないから何もわからないけど。
宗教施設
 お腹も満たされたので16:00前くらいにお店を後にした。朝からの曇天についに雪がちらつきはじめ、辺りは一気にもう日が落ちたような暗さ。まだまだ夕方と呼ぶのも微妙な時刻に感じるけど、この日の日の入りは16:30ごろらしいので、間違いなく夕闇は迫っている。なんとなく旅の終わりを感じて足を急がせたくなってしまうけど、ふと、そう言えばロシアに来てから一回も教会・聖堂のたぐいをまだちゃんと見ていなかったなと思い至る。そこで、外観だけは往来の行き来で目に入れていたカザン大聖堂を目指してみることに。敷地内の庭を抜け、重い扉を開けると外の人気のなさとは打って変わって多くの人でにぎわっていた。もしや皆、救いだけじゃなく暖を求めてここに…?  これまで欧州へ出かけてはそこそこ結構な数の教会を見てきたけど、東方正教の教会に入るのは初めて。ぐるっと見回してみたけど、天井が高く、荘厳な雰囲気はほかの地域と変わらず。ガイドブックなんかを熟読すればきっと細かい点が違うことがはっきりわかるのかな。そんな私でも唯一すぐにわかる、カトリック・プロテスタントの教会と違う点といえば、4本の線で構成された十字架が掲げられていること。まぁ…成り立ちから言えば十字と言わないのかもしれないけど…。そんなところからも漂う異国情緒。  ちなみに東方正教においては宗教施設の中で女性が髪を出すことがNGとのことだったので、その辺で調達したラビットファーの帽子を着用してみた。毛を隠す素振りさえしていれば、一応その辺はお目こぼしいただけるようで。でもほかの本には”失礼に当たるから帽子は脱ぐこと”とか書いてあったしどっちやねん…とびくびくしつつ最初は端っこに縮こまっていたけど、東洋人の地味ないち旅行者に注意を払う人なんてそこにはいなかったのであった。そもそも案外その辺緩そうな感じで、アジア系・中央アジア系・ヨーロッパ系エトセトラ、めいめいがわりと自由な格好で過ごしている。総毛皮のコートを着こなす(おそらくは)ロシア人のおばあちゃん達にはさすがの貫録を感じた。  ひととおり教会内を歩いて眺めて、祀られている"ご本尊"、イコンへ挨拶していくかと思ったところで長い長い列を目の当たりにする。巡礼に来た人達がこんなにも。こうなると興味本位で並ぶのも失礼かな…という気もして、何となくお参りはやめておいた。それでもしばらく壁にもたれて様子を眺めていたけど、行列はいつまでも途切れる様子がない。こちらのクリスマス…というか聖なる日?が1月7日ということもあり、いつもよりも巡礼者の数が多かったりするのかもしれない。  正教会におけるイコンは祈り、口付けする、聖なるものであるとのこと。wikipediaに記載されているまさにその通りにイコンに向けて何度も頭を下げて祈り、口付けをしていく人、その後ろでただじっと自分の番を待つほかの参拝者を見ながら、なんとも言えない不思議な気持ちを噛み締める。  かたちを持たない何かをここまで信じることのできる彼らの気持ちは、ある意味"わたし"にもわかる気はする。それでもこの縋りつくような切実さまでは、どうもわかるような、わからないよう���。
最後の晩餐
 ドム・クニギという本屋で現地の絵本を物色しつつ紅茶やチョコなんかの軽いお土産を買って、ロシア最後の晩餐をダチニキ(https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g298507-d3198193-Reviews-Dachniki-St_Petersburg_Northwestern_District.html?m=19905)にて。ホテルから徒歩1分だし、口コミも高いし、何より値段もお手頃とのことで1度は入ってみようと思っていた。
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 佇まい、こんな感じ。パッと見はバーか?といった派手な電飾で彩られている上、お店の入口は地下なので階段を降りきるまではアングラな店じゃないだろうな?!でドキドキ。滞在中唯一読めるようになったロシア語「Кафе(cafe)」の文字を信じて扉を開けてみれば、家族連れと暇そうなおじさんたち、2グループのお客さんがワイワイやっていてムチャクチャ平和。照明も明るくて、ファミレスみたいな雰囲気。ウエイターさんから愛想よく渡されたメニューも、個人の居酒屋というよりはどうもチェーンのそれっぽかったので、ほんとに日本で言うジョナサンとかデニーズとかそのたぐいなのかも。わかんないけど。
 いざボルシチ!と入店前は思っていたんだけど、ロシア料理のルーツをよくよく調べてみたところ、ボルシチはもともとウクライナ発祥の料理らしい。マジか。昨日あれだけありがたがって食べてたのに。ロシアがルーツのスープとなると魚の澄まし汁のようなウハー、もしくはスパイシーで酸味のきいたサリャンカが代表格だということ。言われてみれば確かにメニューのスープリスト、トップに来てるのはボルシチじゃなくてサリャンカだ…!!!さて、どっちを頼もうか。一応考えるフリはしてみたけど、答えは一瞬で決まっていた。
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 サリャンカ、ください!!
 ま~~~~もう見た目からして圧倒的に美味しそう。飾らない素朴なお皿に盛られているのも相まって「いつもの一品」感が最高。味のベースはやっぱりブイヨンなので美味しくないわけがなかった。結構しっかりスパイスが使われたサラミソーセージ(?)がてんこ盛りになっていて、これについてもポイント高い。薬味はまたしてもローズマリーとスメタナだったので味が濃い目の食べ物と組み合わせるのはこの辺が定番なのかも。味噌汁に白米的な?最高だな。もしこの先日本が沈没でもしたらロシアでスープを飲む職業に就きたい。
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 そう言えばロシア料理の代表格であるピロシキ、ようやくここで口にしてみた。なんとなくこっちは味の想像がつくので後回しにしてきてしまったんだけど、せっかく本場に来たし1回は食べておきたいしね。中身を何種類かから選べたので絶対に外さないだろうポテトを選択し、ほかほかの状態で出てきたのを待ってましたとすぐ一口。あー…うーん、こういう感じかぁ。あったかくて美味しい。美味しいんだけど、個人的にはもう一押し味にパンチがあってもよかったかも…なんて。あんまり塩やバターを生地に練り込んでないのかな。ポットパイの上に載っているアレと同じ舌触りと味だったように思う。というかもしかしてこれ何かと一緒に食べるものだったのか?!それにしちゃ単品で先に出てきたしなぁ。よくわからん。
 ところでロシアで何気にありがたく感じるのは、グランデのさらに上、みたいなトンデモサイズで提供される料理にぶち当たってこなかったこと。逆に、あれだけ体が大きいロシア人、こんだけ冬の寒さ厳しい土地に住むのに摂取カロリーこんな量で足りんの?と疑問符。そのへんは全体的にアルコールでまかなっているんだろうか。そんなことを考えていたらあっという間に2品を食べ終わってしまい、テーブルにはデザートが運ばれてくる準備が整った。メインは敢えて頼まなかったので、この後にもしまだお腹に入りそうだったらボルシチかウハーを頼んでみてもいいかもしれない。
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 いや何事?
 最後の最後で出てきた超弩級の一皿。別にこのナイフとフォークが小さいとかなくて、普通に魚とか切る用の大きさのものなので、つまり……めちゃくちゃにデカい。まぁ、お値段高めだとは思ったよ。どうりで…。そういえばオーダーの時「こ��”アンナ・パブロワ”ください!」って言った時にウエイターさんが一瞬止まったんだよな。その前に「え~、サリャンカ1つと、ピロシキ…これって一気に3つ来たりします?あ、1ピースから頼めるんだ。お願いします」とかやり取りしてたので、今思えば「こいつサラダもメインも頼まないのにデザートだけそんなに食うのか?!」とか思ってたのかもしれない。え~そんなん言ってよ!!(被害妄想)  呆然としつつもとりあえず切る、恐る恐る口に運ぶ。美味しい。でもそれ以上にむちゃくちゃ甘い。本体もそうだけどこのブルーベリージャムが信じられないほど甘い。薄々思っていたけどロシアのジャム、日本のものより1.6倍くらいは甘いような気がする。  そもそもなんでこの”アンナ・パブロワ”なるものをデザートに頼んだのか。実はこれ、発祥はオーストラリアだとかニュージーランドだとかでロシア自体は一切関係ないお菓子。丸亀製麺みたいなもんか。それなのにロシアの歴史上の人物の名前がついていたり、なみいる「ロシア料理」の面々に並んでメニューに鎮座しているということは、そうさせるほどの”何か”があるのでは?→つまり…””美味しい””のでは?!?!?という連想ゲームで頼んでみたんだよね…。調べてみたらメレンゲ菓子って書いてあったし。メレンゲを焼いた、あのサクッホロッてやつ、好きだし。。結構期待値高かったんだ実は…。  衝撃から立ち直れないままこのどでかい物体を数口食べ進めてハッ…と気づいたんだけどこいつ、ただのマカロンですね…。マカロンは嫌いじゃない。味によっては好きの部類に入ることだってある。でもマカロンて10個一気食いするとか有り得ないじゃん。しかもこれ10個どころか30個分くらいあるからね。しつこいようだけどたぶん日本で食べるやつより甘い。なんとか粘ってはみたもののさすがに完食は無理だった。ボルシチorウハーの追加が夢と消えたのも無念だけど、おのこしは…本当にごめん。でも私が手を止めてからわりとすぐウエイターさん笑いながらお皿回収に来てくれて、やっぱ無理だってわかってたんじゃねーか!!!!!
 そんなふうにしてロシアの夜は更けていく。最初こそ少し委縮してしまっていたけど、時間があればあったなりにきっともっと楽しめただろうなー。何より本当にご飯が美味しい。次に来るときはもっとたくさんスープを味わいたい。
 ロシア、楽しかった!
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