Tumgik
scenaritrpg · 4 years
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SW2.5シナリオ 『タポの神隠し』
シナリオ名 : 『タポの神隠し』 推奨人数  : 3-5人 推奨レベル : 2-3 ジャンル  : はじめてのばんぞくたいじ 難易度   : ★★★☆☆ メモ    : 百番煎じ
●概要  “導きの港”ハーヴェス王国から北に向かって約一日。タポの村と呼ばれる農村で、ここ数か月謎の失踪事件が起きているという。  滅多に蛮族の被害も無い平和な村に一体何が起きたのか。新米冒険者達はその謎を解き明かす為、タポの村の奥地へと赴いた──。
●GM向けシナリオ概略  タポの村周辺に、レッサーオーガが率いる蛮族の小さな集団が隠れるようにして居座っていた。初めは狼や猪などの害獣や森の木のみを食べて過ごしていたが、群れが大きくなるにつれ、食料が足りなくなっていく。  そこで群れのボスであるレッサーオーガはタポの村に目を付け、ある日の夜に村長であるライアンを食い殺す。  その後村長ライアンに成りすましたレッサーオーガは、月に一度の頻度で村人を森へ誘導し、子分たちの食料としていた。  更なる群れの巨大化を目指すレッサーオーガは、これ以上に無い餌場を手にしたのだった。
●シナリオの流れ 1.導入 2.タポの村へ~村を散策 3.東の森 4.蛮族の洞窟 5.報告 6.レッサーオーガとの決戦 7.結末
●1.導入
 PC達の関係性はご自由に。朝8時に、ハーヴェス王国にある水龍の逆鱗亭の店内から描写が始まります。
 多様な冒険者が集う“導きの港”ハーヴェス王国。絢爛豪華な湾岸都市の一画にある、【水龍の逆鱗亭】にてこの物語は始まる。  木製の暖かな店内を、二メートル以上の巨体を持つ男が見渡す。  手に持った依頼書に見合った実力を持つのであろう、君達○人に大声を張り上げた。 「おい、そこの新米達! 仕事を探してるならこっちに来てくれないか!」 「まずは自己紹介をしておこう。俺の名前はナッシュ・ヴァルター」 「この水龍の逆鱗亭の店主だ」 「経験を積みたいってなら丁度いい仕事があるぜ? 話だけでも聞いてみないか」
 元々一流の冒険者であったナッシュ(熊リカント/男性/57歳)は、ハーヴェス王国でも有名な冒険者の宿の店主です。  彼の指導の下、大成した冒険者も数多くいる事から、彼は信頼に足る人物であるという事はPCも知っていて良いでしょう。  承諾すれば、ナッシュは仕事の内容について話してくれます。
「お前達にやって貰いたいのは、“人探し”だ」 「このハーヴェス王国から北に一日かけて向かった所に、タポの村と呼ばれる農村がある」 「タポの村では四か月程前から、月に一人くらいの感覚で人が消えているらしい」 「──そこでお前達冒険者の出番ってわけさ」 「依頼内容は行方が知れなくなった四人の村人の捜索」 「村の近場には魔物も出ないって聞くし、お前らみたいな新米には丁度いいだろう」 「報酬は前金一人300ガメル、達成で更に一人700ガメル支払われる」 「どうだ、受けてみないか」
 ここでナッシュが語る依頼の達成とは、「居なくなった四人の安否の確認」という事になります。  全員が生きている必要はなく、最悪死体の確認だけでも問題はありません。勿論、生きている事に越した事はないと併せて伝えて下さい。  本来であれば「失踪の謎の解明、及び解決」も必要となりますが、あくまでも村からの依頼は失踪した村人の捜索となります。  この依頼に了承したPC達に、ナッシュは一人300ガメルの前金を支払ってくれます。
●2. タポの村へ~村を散策
 ここから自由に探索が可能になります。GMは、日数計算に気をつけて下さい。  前金が支払われた段階から、72時間。それまでにPC達が囚われた村人を解放出来なければ、村人は食べられてしまいます。  タポの村へはナッシュの言葉通り、24時間で辿りつけます。それまでに買い物を行ったり、何か調べ物をしたりした分の時間はざっくり計算すると良いでしょう。
 タポの村は大きな畑が広がっており、牧歌的な空気が村を包み込んでいる。  村の東には深い森、北には鉱山としても使われている切り立った山がある。
 タポの村に着けば、見張り番である男、ベッポ(人間/男性/25歳)がPC達を出迎えてくれます。
「おお、こんな村に客人とは珍しい」 「……まさかその出で立ち、アンタ達が依頼を引き受けてくれた冒険者様かい?」 「ああ、やっぱり! アンタ達を呼んだのは俺だ!」 「俺はベッポ、この村の見張り番だ。よろしく頼むよ!」
 好青年であるベッポは、十日前に最愛の妹アンジェが神隠しにあっています。村長に扮したレッサーオーガが上手く時間稼ぎをしましたが、遂に痺れを切らしたベッポを始めとする村人達が独断で冒険者に依頼を出しているのです。  ベッポは村の立ち入りの為には村長への挨拶が必要とし、冒険者達をタポの村村長、ライアンの家へと案内します。  ライアンの家は小屋とも呼べる程度の他の村人の家とは異なり、立派な木製の家です。ベッポはその扉をノックし、大声で来客を伝えるとPC達を家の中に招き入れます。
 一人で暮らすには少々広めの空間に、木製の椅子に腰かける老人の姿がある。  何処か険しい表情を浮かべた老人は、君達を睨み付けるように覗き見た。 「……ようこそ御出でなすった」 「儂はライアン、この村の村長です」
 勿論、この時は既にライアンは死亡しており、家の中で白骨化しています。  レッサーオーガは用心深く、粗を出さない為にも率先して冒険者と話をしようとはしません。  あくまで邪険に扱い、さっさと村から出ていって貰おうとします。PC達から質問を受けても、「知らない、分からない、覚えていない」の三種類くらいしか喋りません。さっさと家から追い出そうとまでします。
 このシーン以降、ライアンと同じ場所にいる状態で、PLがライアンを怪しむ発言を行った際には、真偽判定を振らせましょう。  村で情報を集める前に行った場合の達成値は「12」。後述する情報を取得した場合は「8」になります。  もしこの真偽判定を達成した場合、一気にシーンは「●  6.レッサーオーガとの決戦 」へと移ります。
 上記のライアンとの話を終え、村長の家を追い出されたPC達をベッポが迎えます。
「アンタ達には期待してるぜ、冒険者さん」 「消えた中には俺の妹アンジェも居るんだ」 「よろしく頼むよ!」
 これ以降、PC達は自由に行動する事が出来ます。  ベッポを含む、他の村人達に聞き込み等を行う場合は以下の中から必要な項目を拾い、応えて下さい。  この辺りはGMのさじ加減で、上手くPC達を誘導してあげると良いでしょう。  特に重要になるのは、「村長の様子がおかしくなった」事と、「村長ではなく村人(ベッポ)達が依頼を出した」という事です。
「アンジェは二週間前、森へ果物を取りにいったんだ」 「…だがそれから返ってくる事はなかった」 「もう我慢ならないと、他の村人からカンパを募ってアンタ達冒険者を呼んだのさ」
「村人が居なくなってから、村長の元気が無くなっちまったんだよな」 「お疲れなんだろう」
「そういえば最近、夜に村長が出歩いてる所見てないなぁ」 「ついこの間までは、村の見回りを日課にしてたんだが」
「村の男達で森や鉱山を探したんだが、何も見つからなかった」
「この村は貧乏だから、アンタ達冒険者を呼ぶのに時間がかかっちまったんだ」 「村長は結構金を持ってるって聞いてたから期待してたんだけど、実際は無一文だったみたいでね」
 森、鉱山に向かう場合は、片道一時間かかります。  鉱山では特にイベントはありません。
●3.東の森
 東の森までは、一時間も掛ければたどり着く事が出来る。  森の木々たちの背は高く、陽が出ていてもどこか薄暗い印象を受けるだろう。
 森では足跡追跡判定、もしくは探索判定を行う事が出来ます。  足跡追跡判定は達成値7、探索判定は達成値8で判定を行い、成功した場合は以下の描写を読んでください。
 大小様々な足跡が伸びている。  その中でも特段小さな足跡が正規の道から外れて、巧妙に隠されていた獣道へ続いている事がわかる。  また、その足跡のすぐ傍に、何かを引きずったような跡も続いている。
 これは蛮族が村人を襲い、自分達の洞窟へ攫った跡です。  もし判定に失敗した場合、5時間の探索を経て自動で獣道を発見する事が出来ます。その���合は足跡などの描写は不要です。
 更に一時間ほど獣道を進めば、岩場にぽっかりと口をあけた洞窟に辿り着きます。  洞窟の内部は暗く、暗視が無ければ光源が無い限り見渡す事は出来ません。
● 4.蛮族の洞窟
 レッサーオーガの群れの子分である蛮族達の住処です。群れはゴブリン(『Ⅰ』439p)、ダガーフッド (『Ⅰ』438p)、アローフッド (『Ⅰ』437p)で構成されています。  数はゴブリンが二匹で固定、ダガーフッドとアローフッドは(PC数-1)として下さい。
 蛮族は二つのグループに分かれており、それぞれゴブリンを隊長としてダガーフッドとアローフッドが半分づついます。  半分は洞窟で待機、もう半分は狩りに出かけています。  PC達がこの洞窟の内部に侵入を試みた瞬間から、丁度30分後に狩りにでた蛮族が戻って来ます。GMはここでも時間管理を行って下さい。
 まず洞窟の入口には早速罠が配置されています。  罠感知判定、達成値8に失敗すると、5mの落とし穴に落ち15点の物理ダメージが入ります。更に穴の下には小石が散りばめられており、大きな音が響きます。  その音で蛮族の待機グループが穴から這い出し、即時戦闘となります。穴に落ちたPC達の処遇はGMに任せます。  この罠を回避すれば、蛮族の待機グループは洞窟の内部に居る状態になります。
 洞窟は一本道になっており、5分もあるけば分かれ道に出ます。  分かれ道では北、西、東に進む事が出来ます。  狩りに出かけた蛮族が戻ってきた場合、彼らは真っ直ぐに北の道を目指します。
・洞窟西:奴隷置き場  依頼承諾から48時間以内であれば、PC達の耳に金属音が聞こえます。  その奥では、壁に鎖でつながれた村人アンジェ(人間/女性/20歳)の姿があるでしょう。  彼女は蛮族に連れ去られて以降、何とか生き延びていました。  アンジェはそれ以降、PC達に同行を申し入れます。戦闘などが入る場合、蛮族は彼女を含めた中からランダムで攻撃対象を決定して下さい。  アンジェの能力はHP12、他は全て0です。  もし依頼承諾から48時間以上が経過している場合、この場所には鎖があるだけで他には何も見当たりません。
・洞窟東:ゴミ捨て場  この場所には蛮族達の生活ゴミが捨てられています。  基本的には動物の骨などです。この場所では探索判定を試みる事が出来ます。  自動成功で、獣の骨に混じって人骨も見つかります。  更に冒険者レベル+器用で判定を行い、8以上が出ればその人骨が三人分(アンジェ死亡時、四人分)である事がわかります。  この探索判定を行えば、依頼は完了したとみなされます。PC達に伝えてあげると良いでしょう。  達成値5以上で「ピアス」「指輪」「ネックレス」(売却値100G)が見つかります。これは既に死亡した村人達の遺品です。
・洞窟北:居住区  ここは蛮族達の寝床として使われており、広い地面には藁が乱雑に敷かれています。更に部屋の奥には宝箱が一つあります。また、壁には松明が掛けられており視界は良好です。  もし最初の罠で戦闘になっていない場合、蛮族の待機グループはこの場所で寝そべっています。  蛮族退���後、この場所では探索判定を行う事が出来ます。  達成値5以上で、敷かれた藁の数が確認出来ます。小さな藁の束が(ダガーフッドの数+アローフッドの数)分、中くらいの藁の束が二つ(ゴブリンの数)分ある事を伝えて下さい。  達成値8以上で、洞窟の壁に文字が刻まれている事が分かります。汎用蛮族語で書かれています。
『女 未だ 食うな』 『人族 警戒 しろ』 『次 満月 戻る』
 宝箱には鍵が掛かっています。解除判定、達成値は10です。  中には「能力増強の指輪」(『Ⅰ』329p)が一つ入っています。指輪の内容はダイスで決めるか、GMが決めて下さい。
●5.報告
 洞窟の蛮族を倒せば報告を行う事になります。この際、「誰に報告をするか」、「アンジェを連れているか」、「遺品をどうするか」で分岐があります。  ライアンに報告した場合、「お疲れ様でした」と短く言うだけで、特に労う事もせずに冒険者達を返そうとします。  ベッポに報告した場合、アンジェを連れ帰れば泣きながらお礼を言います。アンジェが死体となっていれば、ベッポはがっかりとした様子でPC達を見送ります。  どちらにせよ、「村人の安否が決定」した時点で、彼らは冒険者を見送ろうとするでしょう。
 遺品の三種類は売却する事も可能ですが、それぞれの家族に返す事も出来ます。  返した場合、エンディングで更に報酬500ガメルが追加されます。
●6.レッサーオーガとの決戦
 村長ライアンに成りすましたレッサーオーガに対し、真偽判定を試みて成功した場合、レッサーオーガは本性を顕します。  基本的には家から出る事はないので、家の中での描写となるでしょう。  見破った際、即座に戦闘を仕掛ければ奇襲を掛けたと見なせます。先制判定に確実に成功し、ライアンは自分の手番でようやく人化を解除出来ます。  ご丁寧に見破った旨をライアンに伝えた場合は、正々堂々戦う事になります。
 ライアンの瞳が怪しく輝く。 「ほう、私の姿を見破ったか」 「村人共め、勝手に冒険者なんぞ送り込みよって……全く面倒な事を」 「ここは貴重な餌場だ、簡単に手放すつもりもなければ──この事を知った貴様らを、生かして帰す道理もない」
 ここではライアンに扮するレッサーオーガ(『Ⅰ』p442)との戦闘です。PCの数が4人以上の場合は、剣の欠片を(人数-3個)持たせましょう。   レッサーオーガ は一人で、援軍等はありません。家の中といえども容赦なく魔法をぶっ放してきます。   レッサーオーガ を倒せば、最後に彼は恨み言を残します。
「馬鹿な……!」 「だが、これで終わったと思うな……!」 「私という歯止めがなくなった以上、もう、この村は……」
 更に洞窟攻略後、それをPC達が伝えた場合は更に悔恨に満ちた顔を浮かべ、呟きます。
「な、何だと!?」 「クソ、忌々しい人族共め!」 「貴様らさえ、居なければ……!」
  レッサーオーガ死亡後、ライアンの家で探索判定を行えます。  自動成功として、家の隅から人骨が一人分見つかります。これは勿論、本物のライアンの物です。  達成値9以上で、ライアンの隠し財産が見つかります。宝石が箱に入っており、全て売却すれば500ガメル相当になるでしょう。
●7. 結末
 PCが洞窟攻略(蛮族全討伐)してなおかつレッサーオーガを倒した場合は自動でエンディングを迎えます。  やり残したことがある場合、PC達にどうするか尋ね、自発的にハーヴェス王国に戻る事を選択した場合でもエンディングを迎えます。
 エンディングは特定の要素によって変化します。
【エンディングA】…レッサーオーガを倒し、蛮族を全て討伐  君達の依頼完了から数か月後。  タポの村では作物が大豊作となり、君達宛てにたくさんの野菜が届く事になる。  そこに添えられた手紙には、君達への感謝が所せましと並べられていた。  もうあの村で人が消えるような事件は起こらないだろう。  君達が、あの悪しき蛮族を討伐したのだから。
【エンディングB】…レッサーオーガを倒すも、蛮族を打ち残す。  君達の依頼完了から数週間後。  君達の耳に、驚くべきニュースが飛び込んでくる。  タポの村、蛮族により崩壊。  次に改訂されるであろう地図から、タポの村は永遠に消失した。
【エンディングC】…レッサーオーガを倒していない。  君達の依頼完了から数か月後。  水龍の逆鱗亭に、新たな依頼が舞い込んだ。  ──タポの村にて、人探しをお願いします。  タポの村では月に一回、誰かが消える。  その恐ろしい事件は、終わらなかった。
 また、上記に加えて遺品を村人に返したかの有無で、報酬金額が500ガメル変動します。
 報酬として一人1000ガメル(前金300、達成700)が支払われます。  そのほかの戦利品や、物資の売却品、遺品返却による報酬などはプレイヤーの頭数で割って下さい。  
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scenaritrpg · 7 years
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SW2.0シナリオ 『レプリカ=ループ』
シナリオ名 :「レプリカ=ループ」 推奨人数  :3人 推奨レベル :6-7 ジャンル  :ノンストップエンディングアドベンチャー 難易度   :★★★☆☆
製作者    :しょーぐん
 ●概要  テラスティア大陸北部。ザルツ地方の北に位置する、城塞都市バーレスにある冒険者の店にてPC達が依頼を受ける事で物語は始まります。  約90年前から現在にかけて、段々と目立つようになってきた一つの事件。 それは、"ナイトメアの誘拐事件"である。しかし、産まれながらにして差別の対象となり、迫害され、親に見捨てられるナイトメアを保護する必要が無くなった各国は、その事件を有難く思い、笑みを浮かべながら目を瞑っているのだ。 故に、その事件は永遠に解決されない。表面上では調査を行う国はあるかもしれない。 しかし、その調査結果は語るまでもない――。 そんななか、君達は誘拐された依頼人の娘を救い出すべく、その奇妙な事件へと足を踏み入れて行く事となる――。
 ●導入  PC達の関係性はご自由に。朝9時に、PC達が城塞都市バーレスにある冒険者の店にいる事を前提に始めていきましょう。  テラスティア大陸北部。ザルツ地方の北に位置する、城塞都市バーレスより物語りは始まります。  春のそよ風が君達の頬を撫でる。暖かな日差しは眠気を誘い、澄んだ空気が体全体に染み渡り心地よい。  そんなことを感じながら君達は武具やポーション類を補充する、冒険者たちで賑わいを見せる市場を抜け、冒険者である君達は、その街にある冒険者の店に訪れることだろう。  同時に街では、朝9時をさす協会の鐘の音が鳴り響いた。  君達が店の中でしばらく滞在していると、店の扉が開かれ、一人の緑髪のエルフの青年が数十枚の紙を抱えながら店内へとやってきては、店主である人物にその紙を手渡し、なにやら話をしている。 聞き耳判定(6)  「はいこれ、今月の被害者達ね。うーん被害者ってのは間違っているかな? まっいっか。あっそれからこんなものも渡されたよ」  そう言って青年は上質な一枚の紙を店主に手渡し、再び口を開ける。  「こっちは依頼書ね。まったく悪い冗談だよねー。ほっとけば良いのにさー。まぁ僕はこれを貴方に渡してって頼まれただけだし? 関係ないんだけどさ。これ見てよ!報酬金すごくない!? でもナイトメアにこんな大金をはたくなんて相当な金持ち――」  そこまで青年が言うと、ずっと口を閉じていた店主が机を勢いよく叩きつけ、その青年を酷く睨みつけながら小さく、端的に呟く  「帰りな、クソガキが」  その言葉を聞き終えた青年は汗をダラダラと流しながら逃げるように冒険者の店を飛び出していきました。
 店主は額に手を当て「はぁ」と深くため息を吐きながら店内を見渡し、カツカツと足音を立てながらPC1に近づき、声を掛けてきました。 【依頼を受ける様に促して下さい。PC1が了承すれば、同じようにPC2にも声を掛けてあげて下さい。】
 そうして〇人を集めた店主はカウンターへと戻り、ふぅと一度深呼吸をした後に口を開ける。  「これから話す依頼は、その、まぁ、あれだ。今ザルツをちょっこし騒がせている例の事件だ。あんたらも冒険者なら知ってんだろ?」 【ここで見識判定を降らせても、降らせなくても構いません。失敗しても店主が説明してあげて下さい。達成値は(8)です。】 『例の事件』について ・約90年前から少しづつ現在にかけて、段々と目立つようになってきた一つの事件。 ・簡単に概要をまとめると、ナイトメアが誘拐される事件である。 ・誘拐されるナイトメアの年齢層は生まれたての者も居れば、少年と呼ばれるまでに成長した者。青年と様々である。 ・しかし、産まれながらにして差別の対象となり、迫害され、親に見捨てられるナイトメアを保護する必要がなくなった各国は、その事件を有難く思い、笑みを浮かべながら、目を瞑っている。 ・故に、その事件の解決は永遠にされない。表面上では調査を行う国はあるかもしれない。しかし、その現状は――語るまでもない。  一通り説明を終えた後に、店主はまた新たに一枚の紙を取り出し、君達に見せる。それは依頼書でした。
~依頼書~
条件 ・誘拐された子供。ケラソス=エスペランサの救出。 目的地 ・エテルニータの村
依頼主 ・ベディヴィア=ケラソス
内容 娘が誘拐されてしまいました。お願いします。娘を取り戻してください。
 「少し大きな仕事にはなるが、そのぶん報酬も沢山でる。しかし一つ条件があってだなぁ。その依頼は極秘裏に遂行してほしいんだ。国になに言われるか、わかんねーからな。どうだ?危険だけど莫大な報酬が出る依頼。受けてみる気はないか?」  ここで依頼を引き受ける様に促して下さい。  「エテルニータの村。ここが奴等の本拠地だ。気を付けてくれよ。その村にナイトメア以外の種族は入れさせないって噂を聞く。潜入するときはくれぐれも慎重にな」 「あとそれから、これを持っていくと良い。エテルニータまでの地図だ。ライダーギルドの人に見せるなりなんなりしてくれ。」 「さてと、これで俺の仕事はお終いだ。報酬金の受け渡しやお子さんを連れて帰る場所はここじゃなく、依頼人ご本人さんとやってくれ。それが依頼人さんのご希望らしいからな。ほら、その依頼書の裏に依頼人の家の地図が載ってるだろ?それを頼りな。まぁ挨拶ぐらいはしといたらどうだ?」  「それじゃあな。頼りにしてるぜ冒険者さん達。」
 ●ケラソス邸  君達は地図を頼りにケラソス邸にまで足を運ぶ。  そこは高さ約9メートル、横は約11メ―トル。そして家を囲むようにして建設されている外壁は2メートルほどで、その真ん中には正門がある西洋風の家が建てられてあります。  そして、君達は正門を潜らずとも、それに目が付くでしょう。  その家の庭には西洋風の家には、あまり似合わないピンク色の花を満開に咲かせている大きな木が一つ植えられており、春風が吹くたびに、ピンク色の葉が、空に舞っています。
 君達が正門を潜り、扉をノックすると、中から一人の女性が出てきました。  その女性は酷くやつれており、虚ろな目で君達を見て尋ねます。  「はい、なにかしら...?」 「〇〇〇です」  君達がそう答えると、女性は目に輝きを取り戻し  「あぁ!貴方達が!そう、引き受けてくれたのね・・・!! ありがとう・・ありがとう・・!!お茶を用意するわ!上がって頂戴!」  そう誘われ、君達は玄関を潜り、家の中へと入っていきます。  入って左に進んでいくと、暖炉や椅子などが用意された大き目の部屋があり、「そこらへんの適当な椅子に腰かけて待っていて。すぐにお茶を用意してくるわ」女性はそう言ってその場から離れました。  しばらくすると、優雅な臭いと、甘い匂いを漂わせながら、女性が戻ってきました。  その手にはふわふわと湯気がたつハーブティーと、ほのかにオレンジ色をしたクッキーを両手に持っていました。  「おまたせしてしまって、ごめんなさい。」  女性はそう言いながら君達にお茶とお菓子を配り、腰かけます。  「申し遅れてごめんなさい。私の名前はケラソス=ベディヴィアよ。よろしくね」
・ケラソス=エスペランサについて 君達がそのことに触れると、ベディヴィアの顔は暗く沈みました。そして小さく「なにについて聞きたいのかしら?」と尋ねます。 ※ケラソス=エスペランサ 14歳のナイトメアの女性。 明るい性格で、とても優しい。 ピンク色の髪を持つ。 ・父親は・・・? 「父は私がエスペランサを産んだのを憎み、ナイトメアの赤子を産みやがって!と吐き捨てられ、そのままどこかへ行ってしまいました。だからこそ私はこの子を守らなきゃと思ったのです。それなのに・・・。それなのに・・・。」 ・庭の木について 「あれは私とエスペランサで植えたものなんです。桜と呼ばれる木でして、今の時期になると、ああやってピンク色の花を咲かせるのです。それでエスペランサは私の髪の毛と同じだと毎年喜んでくれました。それがとても嬉しくて・・・」
 ●エテルニータの村へ向かう ・エテルニータへは徒歩で16時間 馬車で4時間  君たちが馬車を借りるべく、ライダーギルドへと足を運ぶと、緑色の鮮やかな鱗が目立つガタイが大きなリルドラケンが出迎えてくれます。  「おう、らっしゃい。」 エテルニータまで行きたいんだけど・・・。  「エテルニータ…ねぇ…。あそこの村に入る為には、村から発行される許可証を持った荷台しか入れねぇんだよ。だから連れて行けるのは村の近くまでだな。そこからは30分程は歩いてもらうが構わないか?」 「それじゃあすぐ用意するから、街の正門でちょい待っといてくれ。」
 君達が馬車に乗り込むと、鞭をうつ音が鳴り響き、動き出す。  街を抜け、平地の草原を抜け、木製の端を渡り、馬車は深い森へと入っていく。  人工的に造られた大きな一本道を進み続けること約15分。馬車は減速していき、そして停車する。 「俺が連れて行けるのはここまでだ。ここからは歩いて行ってもらうぜ」 待っていてくれるかな?  「あぁ?仕方ねーな。今晩まで待っといてやるよ。」 これ以上は進める?  「バーレスを出る際にも行ったが、そいつはできねぇ。わりぃな」
ここから先は歩くよ。 「おう、くれぐれも気をつけてな。」
 君達が、大樹に囲まれた大きな一本道を歩くこと約25分後。  視線の先に見えてきたのは、木造でできた高さ約5m近くある大きな柵だった。  しかし、この一本道の最終地点にその柵は立てられてはおらず、変わりに幅約4m程の開けた場所があるだけだった。
・進む  君達が更に歩みを進めていくと、幅約4mの開けた場所は正門であり、同時にその正門の両端には、腰に剣を掲げている者が一人ずつ立っている事に君達は目がいくだろう。
・隠れて進む  君達は一本道から外れ、大樹に身を潜めながら、その場所へと歩を進めていく。  すると幅約4mの開けた場所は正門であり、同時にその正門の両端には、腰に剣を掲げている者が一人ずつ立っている事にも君達は目がいくだろう。
・門番に声をかける  「何者だ」 冒険者なのですが・・・  「冒険者がこの村になんの様がある。立ち去れ」 【ナイトメア以外の種族には厳しいです。しつこく迫られた場合はダークナイト*2と戦闘にしちゃいましょう】
・しばらく様子を伺う  君達が大樹に身を潜めながら、様子を伺っていると、鞭の音を鳴らしながら一台の荷馬車が君達を横切り、正門で停車する。そして何やら門番と会話をしているようです。
聞き耳判定(9) 君達が聞き耳を立てると、どうやらこんな会話をしているようでした。 「許可証は?」  「はい、これをどうぞ」 「荷台の中身はなんだ?」  「主にポーション類だ」 「なるほど。わかった。通ってよし」 「数分後に、武具を乗っけた荷馬車がもう一台来るから、そのときもよろしくなー」 と言って、荷馬車の運転手は正門を潜り、中へと入って行きました。
※この聞き耳に成功している場合、下記のイベントが発生。
・そのまま身を潜め続ける。  君達が更に木蔭で身を潜めていると、先ほどの運転手が言っていた通り、荷馬車がやってきては、数回、門番と会話をした後に、また中へと入っていきました。
・もう一台の荷馬車に乗り込む ○○の理由があって、荷馬車に乗せてくれませんか?  「どういう理由があるかはしらねぇが、乗車代さえ頂けりゃ、別にかまわんよ」 ※ここで正直に依頼を話せば金次第で協力し、降車する際に頭を隠す帽子を貸し与えてくれる。 一人100G 値切り不可  ※金を出せば友好的に接する。
 君達が荷馬車に乗り込んだ事を見届けると、鞭をうつ音が森に鳴り響き、ごとごとと揺れながら動き出す。  数分後、その揺れは無くなり、声が聞こえてきます。 「許可証は?」  「はい、これをどうぞ」 「荷台の中身はなんだ?」  「武具類だ」 「なるほど。わかった。通ってよし」  その言葉を聞き終えると同時に、鞭を打つ音と共に荷馬車は動き出す、先ほどに比べて揺れが激しくなり、数分後、荷馬車は停車した。  「ほら、着いたぜ。荷降ろしの邪魔になる、さっさと降りな。」 依頼内容を正直に話していた場合下記のイベント発生。 「あ、それからこの村じゃナイトメア以外の種族は歓迎されない。これを持っていきな」 と言い、フード付きのローブを貸し与えてくれる。 「ほらほら、それを被ったら人目が無い今の内にさっさと降りな」
 ●エテルニータの村。  君達が荷馬車を降りると、��こは石畳の上であった。辺りを見渡すと、木造の家が多くあり、爽やかな春の風が君達の頬を撫でる。  君達は確かにエテルニータの村に忍び込むことに成功したのだった。 ※ここでハンドアウトの公開 ・宿 ・広場 ・武器屋 ・道具屋 ・料亭/酒場 ・村長の家 【宿】  君達が宿に入ると、その扉が開く音を聞いてか、奥から「なんだ、なんだ、珍しく客人か?」と言いながら、カウンターの方にナイトメアの男性がやってきました。
 「なんだあんたら?泊りに来たのか?」  「――まぁ、こっちも商売だ。深入りはしないさ。ほら、このカギを持ってきな。部屋は左にある階段を上った場所にあるよ。それじゃあな」  ナイトメアの男性はそう言って、また奥のほうへと消えていきました。
【広場】  君達が広場に向かうと、そこには陽気な音楽を引きならす者や、追いかけっこ等をして遊ぶ子供たちの姿を見る事ができます。
【武器屋】  君達が武器屋にまで足を運ぶと、そこに扉などはなく、カウンターの前に立つ受付の女性と、その奥には多種多様の武器が見えるようにして陳列されていました。
【道具屋】  君達が道具屋にまで足を運ぶと、そこも武器屋と同じく扉などは無く、カウンターの奥に果物やポーション類が見えるようにして陳列されています。
【料亭/酒場】  君達が酒場の方へと向かうと、中から賑やかな声が外にまで響いています。 少し上を見上げると、木造の看板が取付けられており、そこには【飯屋】と掘られていました。
 扉を開け中に入ると、それはまぁ賑やかな場所でした。  酒を飲みあかし語り合う者達や、陽気な雰囲気に飲まれて歌いだす者など、そこにいる者が思い思いの時間を過ごしています。
【村長の家:外】  君達は村長の家に向かうべく、歩を進める。
 君達が木製の扉をノックするも中から返事は聞こえてきません。 ※スケジュール的に荷馬車の納品業務に出ているため。
・ドアノブをひねる  君達はドアノブをひねってみますが、どうやら鍵がかけられている様で、開きません。
・辺りをぐるっと一周する。  君達が辺りをぐるりと一周すると、一つだけ開けっぱなしにされている窓があることに気が付くでしょう。  人間一人ぐらいは余裕で入れそうな窓です。 【村長の家:内部】  君達が村長の家の中に入ると、外観の大きなの割には、そこが吹き抜けのワンルームであることに気が付きます。  そこには書類が沢山積まれている机や、人間二人が入れるような大きさのベッド。いくつもの本が綺麗に整頓されている本棚。見るからにふかふかのソファ等があります。
《 机 》  君が机に近づいてみると、机の真ん中。書類が詰まれていない場所に《今日のスケジュール》と記載されている紙が置かれていることに気が付きます。
【今日のスケジュール】 ※共有メモ 9時00分 朝の見回り 〇時〇分 荷馬車の荷降ろし ※ここを軸に時間調整 〇時〇分 昼の見回り 〇時〇分 奴隷地下区の見回り ※このメモをも見た辺りの時間に設定。対面を回避。 〇時〇分 夕の見回り 18時00分 帰宅 ※これを見たら(奴隷地下区の情報を得たら)、ハンドアウトに奴隷地下区の情報を追加。
《 ベッド 》  そのベッドは中々に大きく、かけ布団等も綺麗に敷かれています。 良い匂い。
《 本棚 》  その本棚には、冒険譚や哲学本、絵本など、様々な本がきっちりと種類別に整頓されて置かれてあります。 探索判定(4)  君が本棚を探索すると、綺麗に整頓された本棚から微かに前にはみ出ている本を見つけることが出来ます。 【取る】  それはごく一般的な本です。※この本に意味はない。 【直す】  君が手に取った本を直そうとすると、その奥にもう一冊、まるで隠すように直されてある本を見つける事が出来ます。 【見る】  その本のタイトルには【永久幸福革命譚】と記されており、その下に小さく【著者:ルヴァンシュ】と記されています。
永久幸福革命譚 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 多くの悲しみを見た。多くの嘆きを耳にした。 数え切れぬ屍を見続けた。数え切れぬ終わりを見続けた。 永遠に癒えぬナニかを背負いながら、私は――七百八四年目の桜を見た。 私はそこそこ裕福な家に産まれ、そして、すぐに父に捨てられた。理由なんてただ一つ。それは私がナイトメアだからである。多種多様な生命が生きるこの世界では、其々が長所と短所と特徴を持っている。それは互いが認め合い、共に手を取り合えば素晴らしく真価を発揮するもの…だったのだと思う。しかし神は、人間に運命に愛された種族などとばかげた特徴を与え、更につけ加えるとこの世界で最も繁栄を果たした生命体となったソレは、この世界の天秤の針を大きく傾かせた。運命に愛されただと?馬鹿を言うな。何かに長けている訳でもなく、寿命も七十年やそこらしかないあの愚かな種族が?人間はこの世界で最も愚かな生命体であり、そして。この世界で一番の神の失敗作だ。 永遠の命を持つ究極生命体、ナイトメアこそ最高傑作。一寸の狂いなんてなし。なのに、それなのに――。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 時に我々は、伝染病の元凶とされ 時に我々は、国民の不満のはけ口にされ、 時に我々は――。
実に百六十年。私はその苦痛に耐え続けた。
なぜより良い世界を目指そうとしないのか。 文明の発展を、種族特徴の研究を、道徳の進展を。 我々は、背負っていける。 何年、何十年、何百年、何千年。否、永遠に語り継いで行ける。 なのに、それなのに――!! ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 終着点が定められている限りある命など無駄でしかない。 命の終わりは悲しい。 命の終わりは恐ろしい。 なぜ神は、我々以外に生命活動の終着点を与えたのだ・・・。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 命に終わりが無いのは嬉しい。 命に終わりが無いのは喜ばしい。 我々は恵まれている。どんな種族よりも、どんな生命よりも。 それ故に許せない。 なぜ永遠に、迫害され続けなければならない。 なぜ永遠に、癒えぬ傷を背負わなくてはならない。 それはおかしい。 それは間違っている。 我々ナイトメアだって――他の生命が感じているような幸福や幸せが欲しい。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 永遠の苦痛などうんざりだ。 永遠の悲しみなど狂っている。 永遠の恐怖なんてものは必要ない。 私は、ただ欲しいだけなんだ。 笑いあって、喜び合える、永遠の幸福が――。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 我々、ナイトメア以外の種族はみな、死に別れる。 それは、実に悲しい。 それは、実に愚かだ。 それは、実に無駄なこと。 ならば、誰かが作るしかない。 永久に”死”の概念が存在しない楽園を。 誰も悲しみ、嘆くことのない理想郷を。 誰が、誰が――。
――私が今ここに、革命の狼煙を上げよう。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 我々はもう迫害される恐れは無く 我々はもう死に怯えることも無い。 我々は誰もが平等であり 我々は誰もが幸福である。 我々が、我々のみで統一された この世界でただ一つの楽園。
永久の理想郷:エテルニータ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
 《 ソファ 》  ふかふかです。
【奴隷地下区まで】  君達は奴隷地下区まで向かうため大道理を歩く。しかし奇妙なことに、その大通りを進めば、進んでいくほど人の気配はなくなっていき、数分歩くと、いよいよ人の気配は全く感じられなくなった。そんな奇妙な場所に、その奇妙な建物はあった。それはコンクリートのみで築き上げられた、大きさは約5メートルほどの、あまりにも綺麗な正方形の建築物であった。
・ドアノブをひねる  君達はドアノブをひねってみますが、どうやら鍵がかけられている様で、開きません。
 しばらくすると、遠いところから微かに足音と金属音らしき物音が君達は聞えてくるだろう。  それは段々とこちらに向かってきている様だ。
聞き耳判定(9) 地下区の業務は楽できるから最高だぜー。なぁ?」 「あぁ、ストレス発散にもなるしな」 「ちがいねぇ」「がははは」「がははは」 と言う会話が聞こえてきます。
【隠れる】  君達が物陰に身を潜めていると、その足音と金属音は段々と大きくなり、そして。  その奇妙な建築物の前で足を止める。 「おい、周りに異状が無いか確認しておけよー」 「大丈夫大丈夫、どうせ誰も居ないって」 「まぁそりゃそうか」  その会話が終わると、かちゃりと言う音と共に、再び足音と金属音が鳴らしながら、その音は消えていきました。
【戦う】 「おいおい。なんだあんたらこんなところに」 「見ない顔だな・・・」 「ここは安易に坊ちゃん達が来ちゃいけない場所ってことぐらい知ってんだろー?さっさと立ち去りな」
【エネミー】 ダークナイト*2
戦利品判定orスリ判定で、奴隷地下区の鍵を入手。  君達が入手した鍵を、鍵穴に差し込むと、かちゃりと音をたてました。扉を開けると、中とても暗く、下へと続く階段だけが伸びており、4段目より先は、暗視を持っていない者は見ることが出来ません。君達が階段を下り進めていくこと約1分。段差はなくなり、先へと続く道がまっすぐに伸びていました。その道を更に進むと、その奥には重々しい雰囲気を漂わせる鉄扉が一つ。取り付けられています。
・ドアノブをひねる  君達はドアノブをひねってみますが、どうやら鍵がかけられている様で、開きません。
・地下奴隷区の鍵を使用する。 先程入手した鍵を使用すると、かちゃりと音をたてました。 聞き耳判定(8)  君はその冷たい鉄の扉に耳を当て、聞き耳を立てる。  そんな君に聞こえてきたのは、うめき声や嘆き声。罵声と怒号。そして。鞭のようなものが打たれる音であった。
・扉を開ける。  君達がその扉を開けると、そこには奇妙な光景が広がっていた。  簡潔に言うと、ソレは巨大な空洞であった。自然で作られたものなどではない、明らかに人の手によって作られたものだ。  もちろんのこと太陽の光などは差し込んではおらず、代わりに松明の炎がメラメラと淡い光を灯しているのみである。  大きなピッケルを担ぐ人族の男性や石炭や魔晶石を運ぶ人族の子供たち。  そして、木製の木の板に永久繁栄労働者と彫られたプレートを首から下げ、葉巻やエール等を飲み散らかす女性たち。  なによりその空間で一番恐ろしいこと。それは。  蛮族と少数のナイトメアがソレらを監視していることである。
※君達が今いる場所から、大体を見渡せるため、地図を更新します。
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【GM情報】 PC達は左下にいます。右橋の長方形は鉄格子の檻。主に人族が収容。 上四つの正方形は魔晶石や鉱石を補完する場所です。 上四つ、右上端の空白部分は奴隷が堀り進めている穴です。 【地下奴隷区:内部】
・少し様子を見る  君達が少し様子を見続けていると、魔晶石を運び続けていた一人の少年がふらふらとよろめき、そして。倒れる。  起き上がる気配はなく、ただその場で地に伏せ続けている。  しばらくすると辺りはざわめきだし、その様子を見てかナイトメアが二人その場に歩み寄り、口を開く。  「生命活動、残りわずか。処分一名。」  端的に、そして機械的にその言葉を口にすると、そのナイトメアは腰にぶら下げていた鞘から剣を抜刀する。  「お前は魔晶石を永��に運ぶだけの家畜だ。それすらもできねえ生命体は――ただのゴミだ」  そう吐き捨てると同時に、少年の首元に剣先を向け、そして――。 【何も行動を起こさない】  無情にも、その剣は少年を貫いた。 【行動を起こす】  「ん?なんだ!?侵入者か!?」
【エネミー】 ダークナイト*2 前衛 オーガ* 後衛 コボルドシューター*2 後衛
 君達が戦闘に勝利すると、辺りがざわめきだす。  「どうなってる・・・。」  「なにが起きたんだ・・・。」  その声は段々と大きくなっていき、奴隷地下区の者たちは君達に迫りより、説明を求めてきます。
君達を開放する。  「だけど、ここを出ることは重罪だ。死刑にされちまう・・・。」  「外の世界に出ると俺達、人間は迫害されちまう」  「人間は産まれながらにして穢れてんだ。外に出ても居場所なんか――」 ※この人間たちの正体は産まれながらにしてここで育ち、労働を強いられ、洗脳された者達です。
ケラソス=エスペランサを探しに来た。  「ケラソスなら、あそこだよ」  と言って、檻の中を指さす。するとそこには綺麗なピンク色の髪をした女の子が膝を抱え座り込んでいました。
●ケラソス=エスペランサ 君を開放しに来た。  「私を――? おうちに帰れるの?」
●クライマックスフェイズへ  「ねぇ待って、冒険者さんたち」  「これから、どうするの?」 君を家に送り届ける  「ありがとう・・・。でもね冒険者さん。助けてあげて欲しい人がいるの」  「私がここに収容された理由は他の人とは少し違うの」  「私は、この村の勉強をする為にここに入れられた」  「この村の在り方を、私たちナイトメアはどう生きなければならないのか。とかね」  「私ね、少し思ってしまったんです。村長の理想は間違えていないと。でも、こうしてナイトメア以外の種族が苦しむのは間違えている。だから、止めて欲しいんです。お国の騎士はきっと耳を傾けてはくれない。でも私たちを救ってくれた冒険者さん達なら!きっと」  それ以上の言葉を発することはなく、唇をかみしめ、エスペランサは俯く。 村長を止めに行く。  「やっぱり、そうなんですね・・・。」  「実は私、ここに収容された理由は他に人とは少し違うの」  「私は、この村の勉強をする為にここに入れられた」  「この村の在り方を、私たちナイトメアはどう生きなければならないのか。とかね」  「私ね、少し思ってしまったんです。村長の理想は間違えていないと。でも、こうしてナイトメア以外の種族が苦しむのは間違えている。だから冒険者さんがそう言ってくれて私は嬉しい。でも、一つだけ。お願いを聞いてくれませんか?」  「私も連れて行ってください。絶対に足は引っ張りません。お願いします!」
【村長の自宅へ】  君達は村長の家に向かうため、走り出すこと、約数分。君達は二度目である村長の家に着くことが出来る。 ・ノックする  君達が木製の扉をノックするも中から返事は聞こえてきません。
・ドアノブをひねる  君達はドアノブをひねってると、かちゃりと音をたてました。 どうやら空いているようです。
・辺りをぐるっと一周する。  君達が辺りをぐるりと一周すると、一つだけ開けっぱなしにされている窓は開けたままなことに気が付くでしょう。
【村長の家:内部】  君達が村長の家の中に入ると、その異様な光景がまず目に行くだろう。  綺麗に整頓されていた本達、机の上に積まれていた書類などは全て床に散らばっており、机の上には、ナイフが突き刺された一冊の本と、一枚の紙が置かれています。
《 机 》  君が机に向かうと、その上には、ナイフが突き刺された一冊の本と、一枚の紙がある。
 ナイフが突き刺さったその本には【永久幸福革命譚】と記されています。
 一枚の紙には、ただ一言「広場で待つ」とだけ、まるで殴り書きの様に書き記されていました。
【広場に向かう】  血のように赤かった夕日は沈み、君達は街の街頭だけを頼りに広場まで向かう。  目標地点に近づいていくにつれて、空間が汚れていくような感覚に陥る。  そして見えてきたのは、広場の中心に立つ二体の影。  そうして君達が広場に辿り着くと同時に、その声は村に木霊する。  「そう。貴方達なのね。この理想郷をこそこそと嗅ぎまわっていた奴等ってのは」  「充分に満喫できたかしら?ここは素敵なところだったでしょ?」  「でも、この村はもっと凄くなるのよ」  「迫害されているナイトメアを保護し、産まれると同時に捨てられるナイトメアを保護し、そして、この理想郷の人間には、永久に哀れな生を産み続けてもらい、ナイトメア以外の生命は処分する。そうして傾いた天秤を修復させていくと同時に、この村は街となり、国となるの。永遠の命を持つナイトメアのみで統一された、不老不死の王国!この世界でただ一つの理想郷を建国させるのよ!」
【お前は間違っている!】  「間違っている・・・。ねぇ。確かに。選択肢は何万通りもある。それでも選べるものはただ一つ。何万通りもある選択肢を全て試すには――貴方達の生命は短すぎる。」  「でも私は違う。私は永遠の命を持っている!もし仮に、今の方法が間違っていたとしても!それを正せる時間が、私には無限にある!永遠の命をもつナイトメアこそがこの世界を正しく導ける!より優れた種族が、そうでない者たちを管理せねばならない!」
 「私が掲げた理想は!正義は!決して!間違いなどではないっ!」
 そう高らかに宣言した、永遠の理想郷の不死王マリー=ルヴァンシュは鞘から剣を勢いよく抜刀し、君達に剣先を向ける。  同時に後方から響くのは鼓膜を破るかのような大地をも揺るがす強烈な咆哮。戦闘です。 【エネミー】 マリー=ルヴァンシュ*1 前衛 ミノタウロスキャスター*1 後衛 真悟魔法&神聖魔法
【勝利】 「――ウッ・・・。またこの結末なのか・・・。」  折れかけの剣を杖代わりに未だ立ち上がろうとするルヴァンシュは虚ろな目で君達を見ながら小さく掠れた声で続ける。  「私は、私は・・・。間違っていたのだろうか・・・?」
 その言葉を最後にルヴァンシュはゆっくりと瞼を閉じ、杖代わりにしていた剣を捨てるようにして、何百年と蓄積させた思いと共に、その体を大地に預ける。
 そんなルヴァンシュに近づく一人の影。それは同じく永遠の命を持つナイトメアの少女。ケラソス=エスペランサの姿だった。  その少女は倒れこむ女性に手を差し伸べ、口を開けた。  「私は悲しかった。生まれながらにして、穢れを持ち。差別の対象となり。この世界の、どこにも居場所なんて無い。どこにいっても私は一人だった。寂しかった。辛かった。だから、私は美しいと思いました。私達ナイトメアが幸福で、幸せで、笑いあえる場所を。それはきっと理想郷に違いありません。でも、それでもね。きっといるはずなんです。私達ナイトメアにも手を差し伸べてくれる方が――きっと。」  「それぞれの種族が、それぞれの長所と短所を認め合い、共に手を取り合って、共にに大地を踏みしめて、最後は自分の力で一日一日を一生懸命に、精一杯、生きることができれば、その場所は。いいえ、この世界は。――みんなの理想郷になる。」  エスペランサは、目を輝かせながら、そんな理想を語った。  ルヴァンシュは、目を曇らせながら、そんな幻想を遮った。  「そんなものは夢物語だ。何百年、何千年生き続けたこの私こそが証人だよ」  そう、悲しげに語るルヴァンシュに対し、エスペランサは再び彼女の手をギュっと握りしめ、口を開いた。  「なんだって実現するまでは夢物語だよ!ルキスラの飛行船も、マギテック協会の錬金術だって!昔は夢物語でした。だからこそ私は信じ続けたい。いつか、いつの日か。みんなが笑いあえる世界になることを――。ずっと、いつまでも、見届けたい。」
 それはまるで、古い鏡を見ているような気分だった。  ルヴァンシュが遠い過去に忘れてきたものを、目の前の彼女は全て持っていたのだ。  不思議と口角が緩む。  こんな結末もあったのだなと・・・。心の奥底で小さく呟き、そして。
 「あぁ、そうだな。そうだったよ。」  「君の後ろにいる冒険者が、君の夢物語を実現させる何よりの証人と言うわけか。」  「悔しいが、負けを認めよう。」  「優れた者などどこにも居なかったのだな。間違えずに生きられる生命など、どこにも居ない。だからこそ、生命は、共に――」  そうしてルヴァンシュは最後の言葉を口にすることは無く、するりと少女の手を離れ、軽くなったその体を大地に預けた。  永遠の理想郷を創り上げようとしたした、その女性の最後の寝顔は、とても。とても。幸せそうに眠っていた。
 「〇〇さん。この村は無くな���てしまうのですかね...?」 無くなるね。/無くならないよ。/わからない・・・。  そうですよね・・・。それでは私は皆さんを開放してきます。冒険者さん達はこれからどうされるのですか?」 君を送り届けるよ  「本当ですか!?ありがとうございます!」  「良かった。これでちゃんと、はっきりと自信を持つことが出来ました」  「皆さんのような、優しい人がいれば、きっと!絶対!叶いますよね!夢物語!」
 君達冒険者とエスペランサの活躍により、奴隷地下区の者たちは無事に解放され、それぞれが帰るべき場所へと戻っていった。  肝心のナイトメアだが、彼等には帰る場所などない。  「なぁ冒険者さんよう。この村こそが俺達にとっちゃ帰る場所なんだ。アンタらに言うのはお門違いかもしらねえけどよう。この報告は必ずバーレスにする。だからあと数日だけ、ここに居ても構わねえか?」 構わないさ。/好きにしろ。  「あぁ、、、あぁ!!ありがとう!ありがとう!」
 「よし!これで全部終わりですね!」  「私も帰らないとなー」  「そこそこ歩くことになりますけど、冒険者さん達が付いていてくれれば安心です!」
 ●クライマックス  君達はエスペランサと共に何気ない会話や、やり取りを交わしながら、帰るべき場所へと確実に一歩ずつ踏みしめて歩いていく。  そうして長く、永遠にも思えるその道の辿り着く先に、その家はあった。  突如、少し強めの春風が君達の頬を撫で、雲一つない青空には、その春風にのせられるようにして、沢山の桜の花びらが空を舞う。  暖かな日差しは君達の眠気を誘い、澄んだ空気が体全体に染み渡って心地よい。  大きく立派に咲き誇る満開の桜を横切り、君達はエスペランサに連れられ正門を潜り、そして。  コンコンコンと茶色く塗装された扉をノックする。  ゆっくりと開かれた扉と共に、少女は満面の笑みで扉を開けた者に勢いよく抱き着き、そして。その言葉を噛みしめるようにして口にした。 「ただいま!」と――。
 ●エピローグ ――春風に乗せられ、雲一つない青空に、その春風にのせられるようにして、沢山の桜の花びらが空を舞う。
失ってはいけない悲しみと引き換えに 一体どれだけの絆を失ったのだろう。
認めてはならない結末と引き換えに 一体どれだけの感情を失ったのだろう。
もう、何をなくしたのかさえも分からない。
――ただ、私は知っている。 最後に差し伸べられた、あの光を。 あれは紛れもなく遠い過去に忘れてきたものだった。
つまるところ 武器を向けていた標的は、自分だったと言う訳だ。 まったく...哀れな話だ。
だからこそ、どうか最後に願おう。 あの少女は、私のようにならないようにと。 どうか、私の過ちが繰り返されぬようにと。 私が正しいと感じていたオリジナルは、今ここに終わりを告げる。 これから始まるのは――。
「ルヴァンシュの霊体は完全に無と化していく。そして、全てが終わる最後の時。突如、少し強めの春風が吹く。」
「ルヴァンシュは、ゆっくりと瞼を閉じ、その春風に乗せられて、最後の言葉の続きを、小さく、蒼天に舞う桜の花びらと共に呟いた」
レプリカ=ループ。
  ●GM情報 ・PC達がナイトメア以外の人族と話す機会があれば、みなナイトメアに対して嫌悪感を抱いている演出を入��てください。 例:「ナイトメアなんて生きてる価値ないんだよ」「ナイトメアの村・・・。想像しただけでも吐気がするぜ」 ・エテルニータの村に住むナイトメアはみな《思想教育》と言う名目の洗脳教育を受けています。永久幸福革命譚のような内容を最初に叩き込まれます。 故に、エテルニータの村民ほとんどが人族に対して嫌悪感を抱いています。これを序盤の演出と反転させればgood。 ・エテルニータの村の村民は70名程度。奴隷地下区の人数は15名程度。 ・奴隷地下区について そこで産まれ、偽りの知識を植え付けられた人間たちで統一された場所。 男性は永久に鉱石や魔晶石を掘り進めることを強いられ、女性は永久に繁殖を強いられる。 使い物にならなくなった者は、殺されるか奴隷商人に売られるかの二択である。ナイトメア曰く、ゴミに薬を与えるだけ無駄。とのこと。
●NPCデータ ・マリー=ルヴァンシュ(1286歳)♀ この世に生を授かったと同時に、差別や迫害を受け続けたナイトメア。 家族や友人と呼べる者は存在せず、平凡な幸せさえもろくに与えられぬまま、ただ孤独に生き続けた。 ――ナイトメアに産まれたからには"仕方がない"と。その人生を受け入れようともした。だがしかし。彼女は耐えることができなかった。 同時に、長く生きた彼女は気づいてしまったのだ。 人間は、同じ過ちを繰り返すと――。 正してやりたい。でもどうやって? 導いてやりたい。でもどうすれば? 人並みの幸福を得ることもなく、人並みの交流を持つことが無かった、彼女には、人の気持ちがわからない。非人間である。 模索した、苦悩した、過ちを正せるように頑張り続けた。 だけど、いつも結末は決まっている。 そう。彼女は――ナイトメアなのだ。 余談ではあるが、"ルヴァンシュ"はフランス語で"復讐"の意味を持つ。 ・ケラソス=エスペランサ(14歳)♀ エスペランサもまた、ルヴァンシュと同じくナイトメアである。 だがエスペランサには家族が居た。 自分を育て、自分を愛してくれるたった一人の人間が――。 故に彼女は知っている。 人並みではないかもしれない。 それは人にとって当たり前のことかもしれない。 けれども、確かに知っている。 共にご飯を食べれる喜びを 共に言葉を交わしあう幸せを。 季節が廻り、再び花を咲かせた時の感情を。 差別や迫害をうけることは悲しくて、辛いこと。 でもそれは私がナイトメアで産まれたからには"仕方がない"こと。 その人生を受け入れるしかない。 それでも私は知っている ナイトメアの私を愛してくれた人を。私を助けてくれた人を。 私は――夢を追いかけて生きていける。 余談ではあるが、"ケラソス"はラテン語で"桜"。"エスペランサ"はスペイン語で"希望"の意味を持つ。
没エピローグ 永遠に廻り続ける、この小さな世界。 果てしなく遠い君の近くで、落ちた種をもう一度、育ててみようと思う。 違う場所で君が気づいてくれることを、ただ信じて――。 永遠に廻り続ける、この小さな世界。 それは景色を変えていく。私が愛した花が、また咲き誇ること信じてみよう。 ――いま、小さな種は植えられた。 その日の空は雲一つなく、爽やかな春風が幾つもの桜の花びらを旅立たせたのだった。
 ●最後に このシナリオのタイトル「レプリカ=ループ」の意味は様々です。 正解などはありません。気に入った解釈をしていただければ幸いです。 ここまで長々と読んでいただき、ありがとうございました。
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scenaritrpg · 8 years
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SW2.0シナリオ 『第三避難壕<生命>』
PCシナリオ名  :「第三避難壕<生命>」 推奨人数    :2-3人 推奨レベル :3-4 ジャンル     :初心者向けお手軽ダンジョン探索アドベンチャー 難易度       :★★★★☆
製作者    :ちゃっしー
●概要
 テラスティア大陸ザルツ地方ルキスラ帝国。同名首都にある「蒼き雷の剣亭」に探し屋である“葉っぱをのせた”マイエルがやってくる。  ザルツ地方北部にある黒い砂に覆われた通称“漆黒の砂漠”──大破局以前にピルクスと呼ばれたその廃墟地で、未探索のダンジョンが見つかったという。  冒険者達は元避難壕へと赴き、砂漠に似つかわしくない緑化したダンジョンを進んでいく。その先で、冒険者を待つものとは。
●導入
 PC達の関係性はご自由に。朝8時に、首都ルキスラにある「蒼き雷の剣亭」にいることを前提に初めていきましょう。
 導入はほとんどルールブックⅠに記載されているサンプルシナリオ「バルトゥーの屋敷」と変わらないので、GMが初心者の場合はそちらを参考にしていただいても構いません。もしくは先にバルトゥーの屋敷をこなしてしまえば、こちらの導入はスムーズに進むでしょう。  マイエルはPC達に、新しい遺跡の情報を売りたい旨を説明します。遺跡の場所はザルツ地方北部にある“漆黒の砂漠”。三百年以上前はピルクスと呼ばれた、今では人どころか植物さえも生きていけない廃墟郡です。その特性上、蛮族の姿も見当たりませんが、毒を含んだ黒い砂により、進入する冒険者を危険に陥れることで有名でしょう。これらの情報は見識判定、もしくは図書館などで文献判定でだしてあげてください。  遺跡の情報は前金として300Gを請求します。また、以下の項目を注意点、契約内容として提示します。
遺跡の中にある遺品やお宝は全て見つけた冒険者に譲る 遺跡は地下にあるので、漆黒の砂漠の砂は避けられる ピルクスでこういった遺跡はとても珍しい。帰ってきたら、遺跡の内部の様子を詳しく教えて欲しい。 実は、一時間前に他の二人組みの新米冒険者にも同じ条件で情報を売っている
 これに承諾すれば、マイエルは更に以下の情報を分け与えてくれます。
遺跡は大破局以前、ピルクスの民が避難壕として遣っていた場所だった 遺跡の内部に、魔動機文明語で「第三避難壕<生命>」と書かれていた 遺跡のエントランス部分には避難壕の地図が記されていた 漆黒の砂漠までは馬車で一日かけて近づき、そこからは徒歩になる 避難壕まで道案内はできないが、小石で印をつけてきたからすぐにわかる
 ということです。ここでGMはPC達にザルツ地方の地図(ルールブックⅠ)を広げさせ、首都ルキスラから西にのびるローラ河を北上し、漆黒の砂漠の南部分まで馬車で向かう旨を説明してあげてください。  この距離を馬車で移動する場合、時間は約二十四時間。馬車代は720Gになるでしょう。徒歩で向かうのならそれでも構いませんが、一応「街道からそれると危ない」という旨だけは伝えてあげてください。まあ、今回に関しては歩いても問題は無いのですが。
●避難壕までの道
 避難壕までは先に述べた通り、馬車と徒歩(もしくは徒歩のみ)を使います。漆黒の砂漠の南側に位置しているので、ルキスラから来る冒険者は入りやすいでしょう。
 漆黒の砂漠まで近づけば、石が点々とのびていることがわかります。あと複数人の足跡も。足跡追跡判定で、それらが極最近のものであり、何れも人族のものであるとわかります。これはマイエルと、マイエルが先に情報を売った二人組みの冒険者のもの。それらは砂漠の中へと入っていっているようです。こちらの描写を行い、PC達にこの砂漠を進んでいくか否かを聞いて下さい。  砂漠は外敵からの危険性はほぼ皆無ですが、その代わり毒を含んだ砂が舞っています。時間をかければ時間をかけるほど、その毒はじわじわと冒険者を蝕んでいくでしょう。
 小石をつたって先に進むと、PC達に三回生命抵抗判定(8)を振らせてください。そしてこれに失敗した場合、即座に冒険者は7点の毒属性魔法ダメージを受け、<毒>状態となり、今後ダメージを受けた際、追加で2点の毒属性魔法ダメージを受け続けます。この効果は累積しません。  また、生命抵抗判定を振っている途中で、神聖魔法などで治癒することも可能です。このへんの細かい処理はGMに任せます。  生命抵抗判定を三度振り終わると、PC達は件の避難壕の前に辿り着けるでしょう。
 瓦礫が崩れて山になっているこの場所で、PC達が辿ってきた小石と足跡は途絶えている。見れば、その瓦礫の山に隠れるようにして、地下へ続く階段がのびているのに気がつくだろう。  階段の傍には石の蓋のようなものがあるが、既に開けられている。
 この避難壕の中は、基本的にとても暗いです。光源を用意して下さい。
●第三避難壕<生命>
  階段を下りきると、広い空間へと辿り着きます。部屋のようなものではなく、屋敷のロビーやエントランスに似たようなものであるとわかるでしょう。  ここの空間に入った直後、PC達は謎の生物達に襲われます。不意打ち等の判定はないので、そのまま普通に戦闘処理を行って下さい。  【戦闘:キラークリーパー*1】
 戦闘を勝利すれば、PC達は落ち着いてこの広間を見渡すことができるでしょう。そして気づきます。この空間が、異質であることに。  部屋全てを多い尽くすほどの緑──この場所には、植物が茂っていました。壁や床に蔦のようなものが伸び、空気が澄んでいることにも気がつきます。
 ここでは探索判定を振らずとも、更にもう一つの情報を得ることができます。それは、この空間の床に刻まれた大きな文字と何かの図。  文字は魔動機文明語を取得していることで解読が可能です。そこには大きく「第三避難壕<生命>」と記述されていました。そして図は、どうやらこの避難壕の地図になっているようです。
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 PC達にはこちらを配布してあげて下さい。★印が現在地点になっています。この避難壕には一つの隠し扉もありますので、便宜上、ここでは以下の地図を使って説明を続けます。
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A.大広間  現在地です。ここでは、探索判定(8)を振ることによってある一枚のメモを見つける事ができます。メモは少し黄ばんでおり、見識判定などを振ることで、100年ほど前のものである事がわかるでしょう。  このメモには共通交易語で以下の事が記されています。
大発見だ!僕はついに見つけた! <大破局>以降、荒れ果ててしまったこの世界を救う鍵を!
嬉しい、嬉しい! これできっと、誰も悲しむ事なんかないんだ!
 ここで得られる物はこれで全てです。名称と地図は自動、メモは探索判定が必要なことに注意して下さい。
A2.通路  廊下もまた、広間と同じように蔦が床や壁、天井にまで張り付いています。また、壁の蔦に血痕が付着している事にも気がつくでしょう。ここではただの通路としての役割のほかに、北側の壁に隠し部屋に通じる扉が隠されていますが、蔦でよく見えません。他の部屋に続く扉は、全て木製の扉で、蔦には隠されていません。また、東側の地下へ行くための階段の前には鉄格子があり、南京錠により鍵が掛かっています。  この通路に出たとき、探索判定(10)を成功させることで、PC達はその隠し扉に気がつくことができます。アルファベットがおかしいですが、先に隠し部屋のJから記述します。
J.隠し部屋  ここの隠し部屋は、伸びた蔦によって隠されているだけで、何の変哲も無い部屋です。しかし、既にこの部屋には先客がいます。PC達よりも先にこの避難壕に辿り着いた冒険者の片割れ、エルフの女性です。  彼女もまた、この部屋に潜む植物達の餌食になっています。  この部屋に入れば、蔦に絡まり、亡くなっている女性の遺体を発見できます。その死体を見た直後、植物達は一斉にPC達に襲い掛かってくるでしょう。  【戦闘:キラークリーパー*1 ニードルアーチャー*1】
 勝利後、女性の遺体を探索することで、武器やポーションなどのアイテムをあげましょう。もし地下室への鍵を入手する前にこの部屋を探しきれなかった場合、女性の遺体は蔦の奥深くへとしまい込まれ、発見できなくなります。
B.小部屋1  木製の扉を開けばまず、中に人が倒れていることがわかります。若い人間の男性です。近づけば彼が既に息絶えていることがわかるでしょう。男性に外傷はありませんが、首筋に締められた縄のような跡があります。彼の身ぐるみをはがせば、適当な鎧や武器をあげて下さい。彼はPC達より早くこの場所に辿り着いた冒険者です。  彼の死体を捜し終わる、もしくは併用しながら他の場所を探そうとしたとき、この部屋に先ほど出会った植物、キラークリーパーがいる事に気がつきます。こちらもまた不意打ち等はなく、そのまま戦闘処理に入って下さい。  【戦闘:キラークリーパー*2】  この部屋には死体以外、特に何もありません。
C.小部屋2  部屋の中には錆びきったフライパンなどの生活用品が乱雑に置かれています。  ここで探索判定(8)を成功させることで、広間で見つけたようなメモが見つかります。
どうやら先客が居たらしい。 彼は、ずっとアレを育み続けているそうだ。
僕もとても興味がある、と説得したら、何と受け入れてくれた。 彼のような植物は、とても珍しいだろう。
 この部屋には以上です。
D.小部屋3  この部屋には等間隔に白骨死体が並べられています。以前、死体安置所の役割を果たしていたのでしょう。  探索判定(7)で、300Gが入った小袋を得られます。
E.小部屋4  他の部屋と同じく、一見して緑が茂るボロボロの部屋ですが、綺麗に物が整頓されている事がわかります。この部屋にはベッドと机が配置されているようです。
a.ベッド  ボロボロに黒ずんだベッドです。使われなくなって久しい事は、一目瞭然でしょう。  探索判定(8)に成功することで、ベッドの下からメモを見つけられます。
彼の話を聞けば、彼はこの施設で唯一、意思を持っている者らしい。 彼以外に知性を持つ者はいない。
ふと気になり、彼に寂しくはないかと聞いてみた。 彼は微笑んだあと、僕がいるから寂しくない、と言ってくれた。
彼のためにも、守り抜かなければ。
b.机  ボロボロに黒ずんだ木製の机です。  こちらは判定も何もいらず、机の上に小さな錆びた鍵がおいてある事がわかります。
A3.通路  鍵を入手した段階でまだ隠し部屋を見つけていない場合、B2へ降りようとする探索者は危機感知判定(12)を振らせましょう。失敗すると、ニードルアーチャーの能力で不意打ちを受けての戦闘になります。成功すれば、通常の戦闘です。  【戦闘:キラークリーパー*1 ニードルアーチャー*1】
 この戦闘に勝利すれば、隠し部屋の扉が開かれており、中に入ることができます。しかし、既に女性の遺体は無く、この部屋では血痕だけが付着していることがわかるだけです。
 階段は特に問題なく降りれます。ここの避難壕はB3以外は全て光源が必要なことに注意してください。  また、B2ではB1よりも緑が深く、更に空気も澄み、遠くからは水の流れる音さえも聞こえます。
F.小部屋5  B2に降り、すぐ左手にある部屋です。  この部屋は家具ひとつ無い質素な部屋である事がわかります。しかしB1よりも生い茂った草花が存在し、この避難壕がどれだけ異質な空間であるかを教えてくれるでしょう。  探索判定(8)に成功することで、以下のメモを取得します。
愚かなのは蛮族だけではない。人族も等しくそうなのだ。 彼らはこの奥にあるものが、いかに大切なものかと説いてもわかってくれない。
するとどうだ、木々たちが動き出し、奴らを追い払ってくれたではないか! 植物以外の生き物を排除しようとする、彼らの防衛本能のようなものなのだろう。
こういった聖地に、土足で踏み込むなんて全くもって愚かしい! 人族も、少しは木々を見習うべきだ。
G.小部屋6  突き当りを左手に進むことで辿り着けます。この部屋には扉がありません。  ここでもまた、緑が茂っています。そして、この空間に入った瞬間、植物達が一斉にPCたちに襲い掛かってくるでしょう。  【ニードルアーチャー*3】
 勝利することで、この部屋を安全に見渡すことができます。ここでは探索判定は必要ありません。PC達はすぐ、この部屋の異変に気づくことができます。  蔦が生い茂り、見たことも無いような花々が咲いている点は変わりませんが、ただ一つ。北側の壁に這っている蔦が、不自然に盛り上がっています。──それこそ、人が一人入りそうな大きさに。
 この蔦を斬ることで、中から白骨死体を見つける事ができます。それはメモの書き手、ルシールの遺体です。この白骨死体の手には、片方にはペン、片方には紙が握られています。そのどちらも、簡単に取ることができるでしょう。以下���メモの内容です。
きっとこれが最後の日記になるだろう。 成長を重ねた木々たちは、聊か暴走しているようだ。
植物以外の生き物を狙うのなら、僕だってその対象になるに決まっているじゃないか。 今、身体中の血が失われていくのを感じている。
最後に過ぎるのは、彼の顔だ。 僕がいなくなった後も、ずっとアレを守り続けるのだろうか。
願わくば、この地が平穏である事を。
すまない、バヘル。最後にお別れを言いたかった。
H.B2広間  この部屋の扉を開ければ、そのありえない光景にPC達は驚くことでしょう。日光は完全に遮断されているこの場所で、まるで亜熱帯のように草木が生い茂っているのです。そこら中から虫の鳴き声が聞こえ、完全に別世界にいるような気さえするでしょう。  PC達が身の丈ほどもある草木を掻き分けながら進むと、大きな木の前に出ます。その木にPC達が不用意に近づいたなら、オーバーイーターの能力で危機感知判定(12)を振らせましょう。失敗ならば不意打ちです。  【オーバーイーター*1 ニードルアーチャー*2】
 戦闘に勝利すれば、この部屋の南東部分に、更に地下へ下る階段を見つける事ができます。
I.B3  階段を下れば、PC達は更に驚くべき光景を目にします。  どこよりも深いはずのこの場所が、うっすらと明るいのです。澄んだ水が穏やかに流れ、発光する小さな虫が楽しそうに宙を舞い、草木の他には色とりどりの花が咲き乱れています。まるで、楽園。そう表現するに相応しい空間でした。  そしてこの部屋の奥には、高さ2mほどの大木と、その隣に30cmほどの木の苗のようなものがあります。
 PC達がこの二つに近づけば、前方から声が響きます。「おや、お客さんかね」、と。大木がゆっくりと動き出し、そしてPC達と“目”が合います。そう、その大木には無いはずの目と口が存在していました。ここで魔物知識判定を振り、成功すれば植物【エントレット】である事がわかります。
 そしてそのエントレットは自らをバヘルと名乗り、PC達に名前を尋ねるでしょう。そして、聞かれれば自らの境遇を語りだします。
この空間で、ユグドラシルという神聖な植物を育てている 自分達はこのユグドラシルの影響で突然変異的にここで生まれたものであり、 この避難壕の中で生まれてからずっと親であるこの木を育て続けている
 と、話してくれます。  PCたちが友好的に接してくれるのであれば、バヘルは自分の唯一の友人であるルシールの事を訪ねるでしょう。そしてPC達がルシールの事を正直に伝えれば、バヘルは水をやる手を止め、泣き出します。  自らの仲間の植物が、自分の唯一の友人を殺めてしまった。その事に、ただ涙するだけです。PC達から率先したRPが無い場合、ここでバヘルはPC達に「一人になりたいから」と立ち去るように求めます。
 もしこの場で、「自分が新たな友人になる」という旨の言葉をバヘルにかければ、イベントは進行します。もしくは励ましの言葉でもいいでしょう。
ああ、そうか。それは凄く嬉しいよ ルシールの事は無念だが、こうして新たな友が出来た事は本当に喜ばしい ああ、良かった。ああ、嬉しい
 その言葉を最後に、バヘルの身体が段々と灰色に染まっていきます。葉は枯れ、幹は萎れ、段々と土に還っていくでしょう。
忘れていた。私はとっくに寿命を迎えていたんだった こうしてルシールの安否を知れて安心した 苗を守り、育み、そして新たな友ができた。私はそれだけで嬉しい 私の代わりがもうすぐ生まれるだろう。どうか、どうかその子にも……
 バヘルはそう遺し、完全に枯れてしまいます。  すると、PC達の後ろの草むらが突然ガサガサと動き出しました。そこにひょっこりと現れたのは小さな苗のような──幼いエントレットの姿。
 彼はバヘルが死した事で生まれた、新たなユグドラシルの守護者です。記憶も経験も全くありませんが、流暢な共通交易語で、自らが苗を守り続けなければならないと自覚しています。  そして、彼はバヘルを「お父さん」と呼び、PC達とバヘルの関係性を尋ねます。友や、知人と答えたら、彼は嬉しそうに「自分とも友達になってほしい」とPC達に懇願するでしょう。  それを受けてあげれば、彼は大層喜びます。そして冒険者に、「世界樹の小さな実」を一つくれるでしょう。
 また、この時点で彼は戦闘力を持ちません。戦闘を仕掛ける場合、一撃でも当てれば即座に死亡します。その際は、「世界樹の小さな実」は発見できません。  世界樹の苗は、抜く事もできますが、この避難壕から外に持ち出した瞬間、枯れてしまいます。
 このイベントをこなせばこの避難壕でする事はありません。スキップさせて、蒼き雷の剣亭に戻りましょう。
●エンディング
 蒼き雷の剣亭に戻ったPC達を出迎えるのはマイエルです。興奮したように、PC達に避難壕の内部について聞いてきます。
 ここでマイエルに、避難壕が緑化していたことや、ユグドラシルの事を話せば大層驚きます。そして、すぐにでも騎士団に報告に向かうでしょう。そもそも漆黒の砂漠が緑化していただけで大事件ですので、少しでもそれを臭わせるような事を言えば、マイエルは報告に向かいます。  何も無かった、そう伝えれば、「残念だったなあ」と溢して、また新たな遺跡を探しに出かけていきます。
 最終的なエンドロールでは、マイエルに真相を伝えたか伝えなかったかで変化します。
◇伝えた場合  第三避難壕<生命>に、ルキスラの騎士や学術ギルドの学者達が派遣された。調査を重ねた結果、最奥にいたエントレットの幼体を駆除。貴重なユグドラシルの苗木を持ち帰ろうとしたが、漆黒の砂漠に出た途端枯れてしまった。  この世紀の大発見をした冒険者は、帝国から更に一人5000Gを渡され、名誉点に+50されます。
◇伝えなかった場合  その後、PC達も皆死亡した遠い、遠い未来の話。  いつか漆黒の砂漠と呼ばれた場所には、天にも届く巨大な木が聳え立っている。  その樹の周りでは、いつまでも、いつまでも平和に動物達が暮らしていた。
●総評
 シナリオは以上になります。  報酬がぶっ壊れているので、ここらへんはGMのさじ加減で別の物に変更して下さい。我々の卓では、エントレットの幼体に名前をつけてあげたりして、キャッキャウフフしてました。
 色々と細かい所が書ききれてませんが、何気に私が書いた最初のシナリオでもあるので、なんだかんだお気に入りです。
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scenaritrpg · 8 years
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SW2.0シナリオ 『雨が降る街に』
シナリオ名  :「雨が降る街に」 推奨人数    :2-3人 推奨レベル :6-7 ジャンル   :マルチエンディングアドベンチャー 難易度     :★★★★☆
製作者   :しょーぐん
●概要  テラスティア大陸北部。ザルツ地方の北に位置する、城塞都市バーレスにある冒険者の店「紅蓮の威信亭」にてPC達が依頼を受ける事で物語は始まります。  その依頼とは、舞台となる街で起きている【記憶が無くなる事件の解明】と【記憶を無くし、バーレスまで来てしまった少女の身元を探し家まで送り届ける】という物でした。  その舞台となる街にはバーレスから馬車で向かうこと約三時間で到着する「スーニア」と言う人口約600人の街になります。  スーニアは、多くの種族が住む街であり、治安も良い街ですが、その街の雰囲気はどこか暗く沈んでいます。  なぜならこの街は数日前に領主が謎の失踪を遂げ、更には雨が降る夜に街を出歩くと「記憶」が無くなる事件が発生したからです。  君達、冒険者は記憶を無くした少女と共に暗く沈んだスーニアの街に繰り出したのであった――。
●導入  PC達の関係性はご自由に。朝9時に、PC達が城塞都市バーレスにある冒険者の店にいる事を前提に始めていきましょう。
 突然、扉は勢い良く開かれる。  そこに姿を見せたのは、高貴な鎧と剣を抱えるバーレスに属する騎士と思わしきリルドラケンが一人と、白いローブを全身に羽織った身長約140cm程の人間が一人。合計二人の人物がカウンターにまで歩を進めていく。  そのリルドラケ��は店主や冒険者達とは何も言葉を交わさずに、一枚の紙をそっと店主に手渡しすると、一礼を行い、白いローブを全身に羽織った人間を置いて立ち去って行ってしまいました。  店主は、その紙を拝見した後に額に手を当て 「はぁ、またこの事件か・・・。」と深くため息を吐く。  同時に店内を見渡すとカツカツと足音を立てながらPC1に近づき、声を掛けてきました。 【依頼を受ける様に促して下さい。PC1が了承すれば、同じようにPC2にも声を掛けてあげて下さい。】
 そうして〇人を集めた店主はカウンターへと戻り、ふぅと一度深呼吸をした後に、一枚の紙を君達に見せ、この事件は知っているかと尋ねてきます。  その紙には『雨が降る夜。記憶を失う者が多発』と記載されてある紙でした。 【ここで見識判定を降らせても、降らせなくても構いません。失敗しても店主が説明してあげて下さい。】
『記憶が無くなる事件について』         ※現時点で公開できる情報です。 ・事件が起きる場所は、バーレスを出て少し南西に向かった所にある人口約600人の街スーニアで起きている。 ・スーニアでは2週間程前から、雨が降る夜にアンデットが街を徘徊するようになった。 ・同時期に雨が降る夜のスーニアを出歩くと、記憶がすっぽり無くなってしまう事件が発生。 ・バーレスの騎士団も4名が調査に向かったが、音信不通のまま帰っては来ず、発見された時には既に記憶が失われていた。それ以降、バーレス騎士団は腰を抜かしてしまい、冒険者の店に依頼を頼む様になった。
 一通り説明を終えた後に、店主はまた新たに一枚の紙を取り出し、君達に見せる。それは先程訪れたリルドラケンの依頼書でした。
~依頼書~ 条件 ・記憶を失った少女をスーニアにまで送り、身元を調べ、親の元へと返す。 ・記憶が無くなる事件の解明 目的地 ・スーニア 依頼主 ・バーレス騎士団:ドリアーナ・ガレアス 内容 バーレス騎士団、第三騎士団長のドリアーナ・ガレアスだ。 スーニアで起きている例の事件は深刻な問題であると我々バーレス騎士団も重々承知している。 だがしかし、我々はこの事件よりも深刻で重要な任務を遂行中だ。 そこでこの事件の解決を優秀な冒険者諸君等に頼みたい。 宜しく頼む。
 ここで依頼を引き受ける様に促して下さい。
『バーレスでPC達ができる行動』
・記憶が無くなる事件について詳しく聞く⇒雨が降る夜にアンデットが徘徊 ・今日の天候⇒天候に詳しい人に聞くと【午後から雨が降りそう】と言う情報 ・少女を知っているか聞く⇒ほとんどが知らない ・馬車でスーニアに行く⇒3時間 ・徒歩でスーニアまで行く⇒12時間 ・少女に話を聞く⇒名前も年齢も何も覚えていません。ただ一般的常識は多少あり、交易共通語も話せます。しかし自ら何かを発言することはほぼ無く。無口です。記憶を失った影響で発声が少し困難で掠れた声を出します。 【!】少女にディスペルマジックをしても効果はありません。
  ●スーニア
 馬車に揺られること約三時間。
 君たちを乗せた馬車は街の門の前で停車する。
 馬車を降り、門を潜るとそこには立派な街が広がっていた。  地面には立派な石レンガが引かれており、目に入る住宅はレンガや石で作られた建築物が多く、通行人達の種族は人間からエルフにナイトメアと、幅広く生活をしているようであった。  噴水がある広場や、大きな鐘がある塔、綺麗に手入れがされてある花壇があったり、綺麗な水が流れる小川があったりと、とても豊かで治安も良い街であると見て取れるであろうが、そこに住まう住民たちの顔は、とても暗く沈んでおり、市場で物を売る商人さえも活気無く物を売っていました。  時刻は○(+3馬車)時ごろ。君達は暗く沈んだ美しい街スーニアへと足を踏み入れたのであった。 【この街で探索可能な場所】 ・民家 ・宿 ・噴水のある広場 ・市場 ・鍛冶屋 ・酒場 ・役場 ・墓地 《!》エリア移動は全て統一して5分or10分【GMの判断】を必要とします。 《!》探索判定には10分の時間を必要とします
【上記の探索情報】 ・墓地 墓地に向かったPC達。その墓地はとても綺麗に整備が祖されてある墓地でした。 辺り一面に花が植えられており、石造りの墓が点々と設置されています。 〔探索判定〕 墓地を探索した貴方は、一つの墓に沢山の花や手紙などが添えられている事に気が付きます。 君がその墓に近づいてみると【クリストファー・アーウェン ここに眠る】と彫られていました。
・噴水のある広場 君達は噴水のある広場へと足を運んでいく。 その広場は円形の形をしており周りには沢山の花やベンチが設置されています。 〔探索判定〕 広場周辺を探索した君達は、一つの木造の掲示板に目が行く事でしょう。 その掲示板に近づき、掲示物を見ると、釘を打ち貼り付けられている一枚の紙を見つけます。そこには【探し人:ユーリアス・アーウェン】と記されていました。
・鍛冶屋 そこは平凡的な鍛冶屋でおり、リルドラケンが出迎えてくれます。 〔情報収集〕アンデット対抗の銀武器情報&銀武器購入
・酒場 そこはオシャレな民謡音楽が流れる酒場です。 ハープの様な楽器を弾きならすグラスランナーや、酒を飲み顔を真っ赤にするナイトメアなど、色々な者が思い思いの時間を過ごしています。 〔情報収集〕
・市場 その市場はバザーの様になっており、野外にテントを立て、リンゴやニンジン。ポーションや果物ナイフなど、テントによって様々な物を売っています。〔道具購入、情報収集〕
・役場 そこはごく一般的な役場です。窓口のカウンターが設置されており、無理して笑顔を作っている受付のエルフが立っています。 〔情報収集〕屋敷の場所・少女について等々
・宿 君達が宿に入ると、その足音を聞いてか、奥から人族の老人がカウンターの方へとやってきては「おや、旅のお方ですかな?」と声を掛けてきました。
「ええ、開いておりますとも。なんせ例の事件が起きて以来、この街を立ち寄る者達も少なくなりましたからねぇ。では、こちらのカギを。部屋は右手にある階段を上って頂いた場所にあります。では、どうぞごゆっくり」 老人はそう言って、また奥のほうへと消えていきました。 【この街でPCが行える情報収集】 《出現場所》 どこに出るかなんて分からないわ。ただ、雨の夜に徘徊するアンデット達は建物や民家には決して入ろうとはせず、ただ街を徘徊しているわ。まるで何かを探し求めているかの様に・・・。
《時間帯》 時間帯ねぇ...。奴等が行動を始めるの雨が降る夜。18時以降だな。だから俺達スーニアの者達は18時以降は出歩かない様にしてんだ。
《被害者の数》 今まで俺達が見てきた被害者は全部で9人だ。中には嫁さんの記憶が無くなって自殺した奴も居たよ。あんた達も気をつけな。
《過去に記憶を取り戻した人はいるのか》 うーん、好きな食べ物や場所などを思い出したりする人は僅かに居るみたいだな。でも完全に記憶が戻ったて話はまだ聞いてねぇな。 《次期領主について》 次期領主様ねぇ。まだ決まっていないみたいだな。次期領主様はクリストファー様みてぇに優しくて心の広い方だと嬉しいのだがなぁ。
《少女について》 ・うん...?この少女、どこかで見た気がするなぁ。んー。すまねえ、思い出せねぇな。 ・この顔どこかで・・・。確か良く立派な身なりをしている人族の老人と歩いていたような・・・。うーん。 ・あぁ、この子知ってるぞ。前に一度だけこの店に来たことがあったんだ。そん時は全身にローブを羽織っていて、なんか誰かから隠れている...逃げてるか...まあ良いか。そんでリンゴをくれてやったら目を輝かせて喜んでいたな。 ・あら可愛らしい女の子ねぇ。だけどごめんなさいね。分からないわ。ただ、とても綺麗な手をしているから、高家の子なんじゃないかしら・・・。お屋敷の子だったりしてね。 ・あぁ!!この嬢ちゃんは向こうの屋敷の子だな!!
 ●屋敷
 君達が屋敷に向かうと、大きな門が立ち塞がっていました。  すると、そんな君達を見てか人族の老人が君達に近づいてきます。 「なにか御用ですかな」
「な、なんと、お戻りになられたのですね、お嬢様!!」  そう老人は言うと、その少女に駆け寄りボロボロと涙を流し、少女を抱きしめる。  だがしかし、少女はそんな老人を突き放し、PCの背に隠れます。少女の体は小刻みに震えており、怯えた表情をしています。  そんな表情を見た老人は察したのか、君達に視線を向け、ただ茫然と立ち尽くしている。
「そうですか。そうでございましたか。お嬢様の記憶は・・・。」  老人は俯きながら、信じられないと言った表情で何度もそう呟いた後に、その大きな門を開け、君達に少し振り返り小さく口を開く。 「ここまでお嬢様を連れて来てもらったお礼をさせて頂きたい。どうぞ、お屋敷の中へ。きっとヒストリア様もお喜びになられますことでしょう」  老人はそう言って、君達を屋敷へと誘う。  そうして綺麗に整備された大きな庭園を横目に、屋敷内へと入るとそこは立派な屋敷であった。至る所に高級そうな花瓶や絵画が飾られており、君達は赤い絨毯が引かれた階段を上り、客間へと案内される。  そこには大きなソファーや机、などがあり。奥にある窓からは街をある程度見渡せることができていた。
 しばらく待つこと数分。君達の前に姿を見せたのはやつれた女性であった。まともな食事を取っていないのだろう。皮膚はシワクチャに、女性の命とも言える髪にツヤはなく、酷く荒れていた。  女性は少女を見ると同時に大粒の涙を流し、少女を抱きしめ何度も「おかえり、おかえり」とただただ呟く。  だが少女が取った行動は「首をかしげる」ただそれだけだった。  女性は先に老人から事情を聞いていたのだろう。そのまま抱きしめるのを止め、君達に何度もお礼をする。 「娘を見つけてくれてありがとうございます」 「本当にありがとうございます」「なんとお礼をしたら良いのやら...。」
「ずっと、ずっと帰りを待ってたのです・・・。本当に良かった。」
「あ、そうだわ。良ければユリアと共に屋敷内も好きに見て回ってもらっても問題ないですわ。もしかしたら記憶が蘇るかもですし・・・。」 女性はそう言うと、扉を開けて出ていきました。出た所には先ほどの従者が居たらしく、何かを少し話したのちに、階段を駆け足で下りる足音が君達には聞こえました。 【この屋敷で探索可能な場所】 ・大きな庭 ・書物庫 ・倉庫 ・お風呂 ・トイレ ・グレートホール ・従者の部屋 ・クリストファーの部屋 ・ヒストリアの部屋 ・ユーリアスの部屋 《!》エリア移動は全て統一して5分or10分【GMの判断】を必要とします。 《!》探索判定には10分の時間を必要とします 《!》17時を過ぎると鐘の音が鳴り響きます。タイムリミットが近づいているヒントとしてお使い下さい。
【屋敷の探索】 ・大きな庭 君達が大きな庭に出ると、そこは綺麗に手入れの施さている立派な庭園でした。 花壇には赤、青、黄色と色鮮やかな花が至る所に植えられており、丁寧に整備もされているようです。他にも白い机が二つと、白い椅子が四脚設置されています。
・書物庫 そこは書物子です。壁一面に本が収納されており、表紙の内容は様々です。 〔探索判定〕 周辺を探索した君は、本棚から落ちている一冊の本を見つけます。 その本には「奇跡の聖杯」と書かれていました。
「奇跡の聖杯」
 むかしむかし、この国には悪い魔法使いが���んでいました。  その悪い魔法使いは、双子のお姫様の妹に永遠に目を覚ます事の無い、悪い魔法をかけました。  眠りについた妹の目を覚まさせる為に、国はあらゆる事を試みましたが、どれも報われる事はありませんでした。  悲しんだ妹は、最後の希望として、この国に伝わる伝説。  どんな病や呪いも治すことができる奇跡の聖杯を求めました。  お姉さまは国中の冒険者を集め、奇跡の聖杯の探索を命じました。  そこで――人の冒険者が―――(これ以降は文字が掠れて読めない)
この本を少女に読ませる、聞かせる、見せると少女は微笑みながら夢中で本に食いつきます。 そして小さく「このお話し、、好き。」と言います。 《!》このシーンの後に従者や母にユーリアスの好きな本を訪ねると、奇跡の聖杯だと答えてくれます。 ・倉庫 君達は暗い倉庫に足を運んだ。だが明かりが無く真っ暗で何も見えない。 〔光源を作る・暗視持ち〕 倉庫を見渡すことが可能な君は気が付くだろう。 一つの木箱に沢山のおもちゃが入っていることに。 〔それを少女に見せる〕 そのおもちゃを見た少女は突如苦しみ出し、頭を抑え、掠れた声で言いました 「おもちゃ・・。昔・・。ぐっ・・。」 《!》記憶を取り戻しかけているヒントとしてお使い下さい。
・お風呂 そこは大きなお風呂場です。 中心には円形の大きな風呂があり、四隅には訳のわからない女神像が設置されています。
・トイレ トイレです。
・グレートホール 君達が大きな扉を開けると、そこは長方形の大きな広間でした。 広間の中心には真っ白テーブルクロスがひかれた長机があり、そこには合計12脚の椅子も同時に設置されており、壁には高級そうな絵画などが飾られています。
・従者の部屋 鍵が掛かっており、扉は開きません。 《!》この室内には本当に何も用意してません。 この部屋に関してはTRUEEND条件の【屋敷全てを少女と共に探索】には含まれていません。 ・クリストファーの部屋 《鍵を所持していない場合》 君達はドアノブをひねりますが、扉は開きません。 《鍵を所持している場合》 君達は鍵穴に鍵を差し込みひねる。するとカチャリと音を立て、扉の鍵を開けることができました。 ドアノブをひねると、扉を開くことができ、中を確認することができます。 中には机に椅子、暖炉、本棚、その他諸々が設置されています。 〔机〕 机を見に行った君は、その机に何枚もの紙や本が山積みになって置かれていることや、ペンやハンコなどが乱雑に置かれてるのに目が行きます。 《探索判定》 そして、机を探索した君は、机の引き出しを開ける。するとそこには、クリストファーの日記と書かれた一冊の本が置かれていました。
「クリストファーの日記」
6月17日 最近、胸の苦しみが治まらない。 呼吸も困難になって来た。 まともに歩くことすらも出来ない。 あぁ昔みたいに、ヒストリアとユーリアス、ユアンと共にお茶でも嗜みながら 話したいものだ。
6月18日 どうやら私の身体は、もう限界らしい。 なので私は、遺書を残した。 だがしかし隠せる場所が無い。 どうしたものか・・・。 また追々考えることにしよう。 あと何回、私は皆の顔を見れるのだろうか。
6月19日 最悪だ。 残り僅かな命だと言うのに私はユーリアスを怒らせてしまった。 でも仕方ないだろ・・・。私はただ、分かって欲しかったんだ。 それだけだったんだ・・・。いいや、言い訳は止しておこう。 娘と一言も話せないと言うのは、こんなにも辛いことなんだな。 明日はちゃんと謝ろう。 この世を去る時ぐらい、笑って、悔いなく、迎えたいものだ。
〔椅子〕 木製の椅子です。高そう。 〔暖炉〕 暖炉です。高そう。 〔本棚〕 本棚です。高そう。 ・ヒストリアの部屋 君達がドアノブをひねり、中に入ると、そこには机とベットとクローゼットと暖炉と椅子のみと言う至ってシンプルな部屋が目に映ります。 〔机〕 君が机に近づくと、一冊の開いたままの本が目に入ります。
「日記」
6月19日 どうして・・・。どうして・・・。 悲しい、辛い。 でもユリアの為に頑張らないとね。 私が、私が頑張らないと。 クリストファー。私、強く生きるわ。 貴方の分まで、私が。
6月20日 あぁ、無慈悲。 どうして神は、私から全てを奪っていくの。 お願い、顔を見せてユリア。 どこに行ってしまったの?お願い、出てきて。 私はもう、、、耐えられない。
6月22日 楽しかった。幸せだった。 思い出話を語るのは、とても良い。 ユアンが居てくれて助かったわ。 ああ、楽しい。私は幸せね。 写真にユリアがいる、私の懐にユリアが居る。 ユリアはどこにでも居たのよ。そうよね、ユリア。
6月23日 私はとても幸せな人間なんだ。 クリストファーもユリアも傍にいる。 思い出話を語るとね、あの頃に戻れるの。 楽しいわ。幸せよ。
6月25日 楽しい、幸せ。 辛くない、悲しくない。 あの頃と何も変わらない日々。 楽しい、幸せ。 辛くない、悲しくない。
〔ベット〕 そのベットはとても綺麗で、高級そうなベットだと君は思います。 〔クローゼット〕 そのクローゼットは木製で作られており、取っ手が二つ備え付けられています。 【開く】 開くとそこは、女性用の服が沢山入っていました。ダンス服や礼服と様々な種類の洋服が収納されています。 〔暖炉〕 暖炉を探索した君は、その暖炉がここ数日間使われた痕跡が無いことに君は気が付きます。 〔椅子〕 《探索判定》 椅子とその周辺を探索した君は気が付くだろう。その椅子のすぐ傍の絨毯の上に一つの鍵が落ちていることに。 《!》クリストファーの部屋の鍵を入手 ・ユーリアスの部屋 君達がドアノブを開くと、扉はすんなりと開き、中に入ることができます。 その部屋には、ベットと机と本棚とクローゼット、その他諸々が配置されていました。 〔ベット〕 そのベットは通常のベットよりも一回り小さなサイズであると君は気が付きます。 布団のシーツも、ヒマワリの柄と少し幼さを感じさせる物です。 〔机〕 机の上には、特に何も無く、鉛筆と消しカスがその上にはあります。 〔本棚〕 《探索判定》 本棚を探索していた君は、ふと君は一冊のノートに目が行きます。 そのノートを手に取り、表紙を見るとそこには【ユリアの日記6】と書かれていました。
「ユリアの日記 6」
6月17日 今日はユアンのお手伝いを沢山したの! お花にお水をあげたり、それからお皿洗いもしました! お花、綺麗に咲くと良いなぁ~
6月18日 ユリア、良いこと思いついたんだ! お父様とお母さまとユアンを誘って街にお出かけするの! そこでユリアが皆にたっくさんお手伝いしてあげるんだ! ユアンが言ってたもん!お手伝いしてるユリアの姿を見るとね お父様とお母さまが喜ぶって! だからユリア頑張るんだ―!
6月19日 もうユリアお父様の事なんて知りません! せっかく良い事だと思ったのに! 街に行けないなんて絶対嘘よ! だってお父様は街の偉い人なんだよ! 街に居て当然なのに! お父様が謝るまでユリアは絶対にお父さんと口を利かないんだから!
―日記はここで終わっている―
〔クローゼット〕 そのクローゼットは木製で作られており、取っ手が二つ備え付けられています。 【開く】開くとそこは、子供用の服が沢山入っていました。ダンス服や礼服と様々な種類の洋服が収納されています。 【この屋敷内で行える情報収集】 〔少女について〕 従者に聞く 「お嬢様は大変活発な女の子でございました。何事にも全力で、特に読み書きが好きだったらしく、良く教えたものです・・。好奇心旺盛なお嬢様は良く街に行きたいとも仰っていました。ですがヒストリア様とクリストファー様に厳しく止められておりまして・・・。ここだけの話、お二人が外出なされている際には良く二人で市場などに行ったものです・・・。ふふ。」 ヒストリアに聞く 「ユリアはとっても活発な女の子だったわ。編み物や料理をしていると、いつも横で私も手伝うんだ!て言ってくれてたものね・・・。それとユリアはアップルパイが大好物でね。何かお祝い事があった日には良く作ったわ・・。」
〔ヒストリアについて〕 従者に聞く 「・・・。ヒストリア様の精神はとても不安定でございます。クリストファー様を亡くされ、ユーリアスお嬢様の失踪、帰ってきたと思えば記憶を失っている・・・。無理もありません。ヒストリア様は私目を呼び出しては、過去の思い出話を何度も聞かされました。何度も何度も、同じ話を・・・。ですがヒストリア様は毎回嬉しそうに楽しそうに語っており、私目の胸はとても苦しみました。お嬢様の帰宅で少しでもヒストリア様の精神が安定すれば良いのですが・・・。」
〔従者について〕 ヒストリアに聞く 「あぁ、ユアンのことかしら?彼の名はユアン・ツロギアートよ。私がこのアーウェン家に嫁ぐ前からここで働いてた方みたいね。なんともクリストファーのお父上と仲が良かったらしいわよ。」
【GM情報】 ・少女の記憶に関する情報が開示された際に少女に何らかのアクションを起こしてあげると、PLは(少女に関する記憶を集めれば良いのか?)と気づきやすいので、積極的に取り入れてみて下さい。 《例》 ・頭痛が起きる。 ・何か思い出したかのようにポツリと何かを呟く⇒聞き耳とかすると面白い。 ・「ここにこれがあるかも知れない・・・」的なニュアンスで探索に協力。 ・思い出の品を強く抱きしめ、離そうとしない。
 ●屋敷を出る
 君達が帰ろうとすると、女性も立ち上がり、君達を見送るため、共に階段を下り、屋敷を出ます。 「くれぐれもアンデットにはお気をつけて」
 そして君達が去ろうとすると、少女は女性の手を放し、君達に駆け寄りPCの手を強く握る。  そして少女は小さく、掠れた声で、そして今までに見せたことの無いような、覚悟や決意を決めた必死の表情で、必死の声で、君達につぶやく。 「私も、行きたい」と...。
 その声は女性には聞こえなかったらしく、女性は少女の元へと駆け寄り 「もうどこにも行っちゃダメよ。ずっと一緒にお母さんと暮らすのよ」と目に涙をためながら少女に言う。
 少女は喉に手を当て、何度も何度も声を出そうと試みるが、声はでないらしく少女は君達の方へと熱い視線を向ける。  少女は君達冒険者の答えを待つようにして、じっと君達の顔を強く見つめる。  そして少女は掴んでいた、PCの手を再び強く握りしめ。  口を開き、声にならない声をだす。その口はしっかりと、そして力強くこう告げられていた。『おねがい』と。
【連れていく場合】 そう君達が答えると女性は、目に溜めていた涙をボロボロと流し重たい口を開く 「お願い、これ以上、私から大切な物を奪っていかないで・・・。お願い・・・。」 そう悲痛の嘆きを語る女性に少女は近づき 「泣かないで。この人達なら大丈夫だよ。この人達の心は、とても...暖かい。」 そう掠れた声を出し、女性の頭を数回撫でた後に、君達の方へと向き直り、君達に手を差し出してきました。
君達がその手を取ると、少女は満面の笑みを見せ 「いってきます」と女性には聞こえない程の声を出したのであった。
【連れて行かない場合】 そう君達が答えると女性は少女を抱きしめる。 「もうどこにも行っちゃダメ。これ以上、私の大切な物を失いたくない...。」そう呟き、女性は少女を抱きしめたまま、君達に一礼をすると、背を向け、そのまま屋敷の中へと入って行きました。 君達が見た少女の最後の表情は、どこかとても悲しみに満ちており、少女は最後に小さく口を動かしていた。 声は聞こえないが、その口はハッキリとこう告げられていた 『どうして・・・。』と。  すると街にはゴーンゴーンと重たい鐘の音が響いた。  (17時になっていなくても自動スキップ)  だがしかし、その鐘の音が何を意味するのかは、君達が知る由も無いだろう。  青かった空は、オレンジ色に染まっていた。
【GM情報】 ここでPC達は天候予測判定を行う事が出来ます。 この判定に成功すると、今晩の天候が分かります。 《成功》 PCが天候を予測すると、君は約一時間後に雨が降るのではと思います。 《失敗》 君達は天候を予測しようと試みますが、わかりません。  君達が街に戻ると、そこにはもう街の住民たちの姿はなく、民家の明かりや、街灯の明かり。流れる川の音。どこからか聞える楽器の音。それだけが街の外にはあった。  時刻は17時を少し過ぎていた。
 オレンジ色だった空は、闇に飲まれていく。  昼間の雰囲気とは打って変わり、人気のない街。ゆらゆらと揺らめく街灯。街には不気味な雰囲気が醸しだされていた。  そして君達の頭に一滴の水がピチョンと着くと同時に、それは一気に加速し、街には大粒の雨が降り出してくる。  すると、民家や、宿などの建物の明かりは一斉に全て消され、まるで、その街には君達しか存在しないような不気味な感覚に陥ることだろう。
【少女が居る場合】 大粒の雨に打たれている少女は、突然身体を小刻みに震わし、荒い呼吸を上げる。すると、その場に腰を下ろし、膝を抱え、まるで小動物の様に、何かに怯えるかのような表情を浮かべていた。 《助ける》 少女に○○をした君に、少女は強く抱き着く。 そして少女は、また震える声で、掠れた声で、こう言う。 「もうじき・・・来るよ」 その少女の言葉通り君達の目の前には、黒い霧が人の形を成したソレが現れる。輪郭などは常にぼやけており、それが魔物であると言うことは一目瞭然である。その黒い霧の魔物の周りには、鎧や、ローブなどを羽織った人族が一緒に雨の町を徘徊していた。だがしかし、その人族たちの身体も半透明に透けており、この世に存在していてはならぬ者だと君達は瞬間的に察することだろう。 その魔物達は、ゆっくり、ゆっくりと君達に近づいていっている。 どうしますか?
【少女が居ない場合】 その強い雨に打たれながら待つこと約数分、君達の目の前には、黒い霧が人の形を成したソレが現れる。輪郭などは常にぼやけており、それが魔物であると言うことは一目瞭然である。そして、その黒い霧の魔物の周りには、鎧や、ローブなどを羽織った人族が一緒に雨の町を徘徊していた。だがしかし、その人族たちの身体も半透明に透けており、この世に存在していてはならぬ者だと君達は瞬間的に察することだろう。 その魔物達は、ゆっくり、ゆっくりと君達に近づいていっている。 どうしますか?
〔戦う〕 君達が戦う事を決意すると、対する魔物達も戦闘体形に入る。 降りしきる雨の街で、両者は激突する。 【VSイビルヘイズ×1 レブナント��2(LV5憑依)】 ��戦闘に勝利した君達の前に魔物の姿は消滅する。  再び、街に響く音は地面に打たれる雨の音のみだけであった。
 すると突然、辺りに霧が充満する。その霧は徐々に増していき、周りの景色さえも遮る程であった。  そんな中で、君達は恐ろしいモノを目撃する。  深い霧の中で一つ。周りの霧とは明らかに違う、霧の塊。そして驚くことに、その霧の塊からは人間の腕が二本、伸びているのである。  その得体の知れない気味の悪い魔物は、わけのわからない言語を淡々と、どこかから発していた(魔法文明語) 【魔法文明語を持っている場合】 その声を君は理解することができる。その声は、ハッキリとこう告げていた。 「記憶...。カエせ...。記憶...。ホしい...。ラクになりたい、ツらい、クルしい、ナにも感じない、ナにも分カラない、あぁ、あッた。記憶だ。記憶が...タクサン、ある。貰オう、そうダ、それでラクになれる。貰オう、貰オう、貰オう。ウバおう。それガ、イイ。」
そして、その霧の塊は君達に襲い掛かってきます。 VSブランク×1 レブナント×2(MOBのLV7聖騎士憑依) スペクター×1 【少女を連れて勝利】 君達が霧の塊に最後の一撃を放つと、霧の塊は行動を停止させ、がくりと二本の腕は垂れ落ち、霧は徐々に晴れていく。
そして、その霧の中から姿を見せたのは一人の成人男性だった。男性はその場でバタリと倒れると同時に、一つのロケットと一冊の書記を落とす。 その書記の表紙には「親愛なるヒストリアとユーリアスへ」と書かれていました。
「親愛なるヒストリアとユーリアスへ」
ヒストリア、ユーリアス。 どうやら私の命はあと僅かみたいだ。 息が苦しくて、今こうしてペンを持つことさえ難しいんだ。 死ぬのが怖くない...。と言えば嘘になるが、私には死よりも怖いものがある。 それは、お前たちの涙だ。
私が遠い空に行けば、もうお前たちを支えてやることは出来ない。 お前たちが倒れても、起こしてやることもできない。 だからこそ、お前たちには強く生きてほしいと願っている。 沢山の出会いを、沢山の感情を、沢山の思い出を作っていって欲しい。 例えそれが、いつか無くしてしまう記憶であったとしても、また新たに作っていって欲しい。 過去に捕らわれず、未来に向かって歩いて行って欲しい。 涙を流さず、笑顔で、新たな一歩を踏みしめて欲しい。 次期の領主はユアンに託したいと考えている。 彼は断るだろうが・・・。 そしてユアンの次はユーリアスに託したい。 ユアン、ヒストリア。ユーリアスを頼むよ。
さようなら、ヒストリア、ユーリアス。 あぁ、私はあと何回お前たちの名前を呼べるのだろうか。
お前たちは私を忘れるかも知れない。 だけど私はお前たちを永遠に忘れはしないさ。
それでは、ヒストリア、ユーリアス。 さようなら、いつまでも愛しているよ。
             クリストファー・アーウェン
〔ロケット〕 ロケットには、三人が笑顔で写っている写真がありました。
《!》ここでエンディングが分岐します。 下記に掲載している【マルチエンディング表】を参考に分岐のED描写をお願いします。 【少女に書記を見せない場合】 そうして雨は止み、夜空には美しい満点の星と美しい満月が闇を明るく照らしており、目の前の男性の遺体は、夜空に帰るかのようにキラキラとサラサラと消えていったのだった。
【少女に書記を見せた場合】《TRUE END描写》  そうして雨は止み、夜空には美しい満点の星と美しい満月が闇を明るく照らしており、目の前の男性の遺体は、夜空に帰るかのようにキラキラとサラサラと身体が透明になっていく。  そんな男性に少女は駆け寄り、その半透明の身体を強く、精一杯の力で抱きしめ、大粒の涙を流し、少女は口を開ける。 「ごめんね。本当にごめんね。私、お父様の事、全然分かってあげられなくて。苦しかったね、辛かったね。ごめんね。それから、ありがとう。私のたった一人のお父様。全部思い出せた。好きなご飯も、好きな本も、大好きなこの街も、お父様やお母さまやユアンと過ごした大切な日々も、全部。私、この大切な思い出、全部、全部、絶対に忘れないから。いつまでも大切にするから。そしてまた笑いながら、新たしい思い出も沢山作っていくから・・・。本当にありがとう・・・。」  そう少女が言うと、その遺体はどこか微笑んだ様な表情を見せ、星空へと消えていったのだった。  少女はその後、歳相応に泣いた後に、泣きつかれたのか、その場で書記とペンダントを抱えながら眠り込んでしまった。
【少女に書記を見せた場合】《GOOD END描写》  そうして雨は止み、夜空には美しい満点の星と美しい満月が闇を明るく照らしており、  目の前の男性の遺体は、夜空に帰るかのようにキラキラとサラサラと身体が透明になっていく。  そんな男性に少女は駆け寄り、その半透明の身体を強く、精一杯の力で抱きしめ、大粒の涙を流し、少女は口を開ける。 「ありがとう。ありがとう。私のたった一人のお父さん。私がお父さんと過ごした記憶はもうどこにも無いけれど、私もずっと、お父さんのこと忘れないから。ありがとう。ありがとう...。」  そう少女が言うと、その遺体はどこか微笑んだ様な表情を見せ、星空へと消えていったのだった。  少女はその後、歳相応に泣いた後に、泣きつかれたのか、その場で書記とペンダントを抱えながら眠り込んでしまった。 【少女を連れずに勝利】《NORMAL END描写》  君達が霧の塊に最後の一撃を放つと、霧の塊は行動を停止させ、がくりと二本の腕は垂れ落ち、霧は徐々に晴れていく。  そうして雨は止み、夜空には美しい満点の星と美しい満月が闇を明るく照らしていた。  そうして時刻は21時を回る。 【少女を屋敷にまで送る】 少女を抱えながら屋敷に向かうと、門は締まっており、屋敷の前にも誰も居なかった。 呼び鈴らしき物は無く、屋敷の明かりも消えており、ただただ施錠された大きな門のみが君達の前に立ちふさがっている。
【少女と共に宿に泊まる】 宿の明かりは完全に消えていたが、幸い扉の鍵は開いており、君達は宿の中へ入ることが出来るだろう。 すると奥から老人がカウンターの方へとやってきては少し驚いた表情を見せては「ご、ご無事でしたか・・・。」と声を掛けてくれます。  君達が床に就き、深い眠りにつくまで早々時間は掛からないだろう。  そうして君達は、スーニアでの長い一日を終えたのだった――。  眠りについている君達の頬に、太陽の光が差し込む。  時刻は8時。朝を迎えたのだ。 【ここからED分岐です】
●TRUE END 〔少女を屋敷まで送り届ける〕  少女と共に屋敷に向かうと、そこには昨日の老人が出迎えてくれます。 「おお!お嬢様に冒険者の方々!ご無事だったのですね!」  老人は心底安心したかの様な表情を浮かべながら、門を開けるべく君達に背を向け、門に近づく  すると唐突に、少女は口を開く 「えぇ、ただいま。ユアン。沢山心配かけてごめんね。」  そう言う少女に老人はすぐさま振り返る。  その老人の顔は豆鉄砲を食らった鳩のような顔をしており、そんな老人を見た少女はクスリと笑みを浮かべ、門を開け、中へと入っていく。  庭園を見た少女は、満面の笑みで老人に続けて言う 「そうだわ、ユアン。またお花にお水をやらなくちゃね!」  そう少女は言うと、屋敷の玄関へと先に歩いて行き「早く早く~!」と君達を手招きします。  老人は口をパクパクしながら、君達の方を見て、言う 「こ、これは一体・・・?」
「さ、さようでございましたか!な、なるほど、お、おぉ、これは失礼しました。ではさあさぁ屋敷のほうへ」  そう言って老人は、君達を屋敷に入るようにうながす。  昨日も通った、大きな庭を横目に君達は屋敷内の扉を開き足を踏み入れ、客間へと案内される。 「で、では少々お待ちを・・・」  そう言って老人は、少女を置いて客間を去る。
 数分後、客間の奥から女性が姿を見せます。  その女性は、どこか怯えている様な表情で、少女を見ようとはしません。  そんな女性の表情を見た、少女は君達に視線を向けます。  どうやら少女は君達の言葉を待っているようです。
 君達の言葉を聞いた少女は椅子からピョンと飛び降り、女性に駆け寄り、強く抱きしめる。  女性は驚きの表情を見せ、信じられないのか、女性の身体は硬直していた。  そんな女性から少女は、ほんの少し離れると、少女はゆっくりと口を開く。 「お母さま。たくさん心配かけてごめんなさい。でもねお母さま。私、全部思い出したの!好きな食べ物も、好きな服も場所も。��母さまとお父様とユアン達で過ごした大切な日々も・・・。全部思いだしたの!でも同時に辛かった事も思い出したよ。お父様がもう居ないことも。でもねお母様。私、教えてもらったんだ。大切なものを亡くして、とても辛くても、今から、ゼロから、また新しい大切なものを作って行けば良いよね・・・。笑って、みんなで!そうだよねっ!!お母さん!!」  少女はそう言って満面の笑みを見せると同時に女性に手を差し伸べる。女性は涙と笑顔が入り混じった表情で何度も 「うん。うん。」と呟き、その手を掴み、クイッと強く引っ張り娘を強く、けれども優しく抱きしめたのだった。  その母と娘には、満面の笑みが広がっていたのでした・・・。
 君達が屋敷を出ようとすると、女性と少女が見送るために、扉の方へと近づく 「本当に、本当にありがとうございます。その・・・報酬は、今はご用意できないので、また日を改めて、バーレスにある冒険者の店、紅蓮の威信亭にお渡しさせて頂きます。では、どうぞこちらに」  そう言って女性が客間の扉を開けると、そこには鼻水をダラダラと流し、目を真っ赤にしながらも尚、大粒の涙を流している老人の姿があり、老人は白いハンカチで何度も鼻をかむと同時に「うぅ、申し訳ありません。私、嬉しくて嬉しくて」  そう言いながら、鼻水を垂らしながら涙を流す老人に少女は手を差し伸べる 「も~ユアンは本当に泣き虫さんなんだから・・・ほら、一緒に行くよ?」  そう言って少女は老人の手を掴み、君達を見送るために、共に階段を下りていく。  屋敷の玄関を開け、大きな庭を通り過ぎ、大きな門を抜ける。
 するとそこには一台の馬車が停車しておりました。 「せめてものお礼にと、馬車を手配させて頂きました」  そう老人は言うと、ちょっとしたドヤ顔で君達を見る。だが鼻水と真っ赤にはらした目で、そのドヤ顔はあまりに酷いものであった。
 そんな老人を横目に口に手を当てクスリと笑う女性は再び君達を見ては口を開く。 「この度は、本当にありがとうございました。貴方達は私たちにとっての・・・。いいえ、貴方達はこのスーニアでの大英雄です!!」  そう語る女性の顔は、ヒマワリの様に輝いており、そんな女性を見た少女もまた、満面の笑みを君達に見せて言う。 「私、貴方達に出会えて本当に良かったです。私はこの思い出をずっとずっと、絶対に忘れません!!だから・・・その・・・。良ければ・・・。で、構いませんので・・・。貴方達も、どうか。私達の事を忘れないで下さいねっ!!」  少女は少し頬を赤らめそう言った後に、お母さんの背中に隠れるようにしてチラリと君達の顔色を窺う
 そして君達は手配された馬車に乗り込み、この屋敷までの道を抜け、噴水広場を抜け、街の門を抜けるだろう。  爽やかな風と、暖かい日の光。  そうして、君達はふと遠ざかっていく街を馬車の中から振り返るだろう。 するとそこには――。
『雨が降る街に、綺麗な虹が掛かっていたのでした・・・。』
 ●GOOD END 〔少女を屋敷まで送り届ける〕  少女と共に屋敷に向かうと、そこには昨日の老人が出迎えてくれます。 「おお!お嬢様に冒険者の方々!ご無事だったのですね!」  老人は心底安心したかの様な表情を浮かべながら、門を開けるべく君達に背を向け、門に近づく 「では、さあさあ、屋敷のほうへ」  そう言って老人は、君達を屋敷に入るようにうながします。  昨日も通った、大きな庭を横目に君達は屋敷内に足を踏み入れ、客間へと連れられる。 「では少々お待ちを」 そう言って老人は、少女を置いて客間を去る。
 数分後、客間の奥から女性が姿を見せます。  その女性は、どこか怯えている様な表情で、少女を見ようとはしません。  そんな女性の表情を見た、少女は君達に視線を向けます。  どうやら少女は君達の言葉を待っているようです。
 君達の言葉を聞いた少女は椅子からピョンと飛び降り、女性に駆け寄り、強く抱きしめる。  女性は驚きの表情を見せ、信じられないのか、女性の身体は硬直していた。 そんな女性から少女は、ほんの少し離れると、少女はゆっくりと口を開く。 「ごめんね。私、記憶が無いの。好きな食べ物も、好きな服も思い出せないの。お父さんとお母さんの記憶も・・・。でもね、私、教えてもらったんだ。記憶を無くしたのなら、今から、ゼロから、また新しく作って行けば良いよね・・・。そうだよねっ!!お母さん!!」  少女はそう言って満面の笑みを見せると同時に女性に手を差し伸べる。女性は涙と笑顔が入り混じった表情で何度も 「うん。うん。」と呟き、その手を掴み、クイッと強く引っ張り娘を強く、けれども優しく抱きしめたのだった。 その母と娘には、満面の笑みが広がっていたのでした・・・。
 君達が屋敷を出ようとすると、女性と少女が見送るために、扉の方へと近づく。「本当に、本当にありがとうございます。その・・・報酬は、今はご用意できないので、また日を改めて、バーレスにある冒険者の店、紅蓮の威信亭にお渡しさせて頂きます。では、どうぞこちらに」  そう言って女性が客間の扉を開けると、そこには鼻水をダラダラと流し、目を真っ赤にしながらも尚、大粒の涙を流している老人の姿があり、老人は白いハンカチで何度も鼻をかむと同時に「うぅ、申し訳ありません。私、嬉しくて嬉しくて」  そう言いながら、鼻水を垂らしながら涙を流す老人も共に、君達を見送るために、階段を下りていく。  屋敷の玄関を開け、大きな庭を通り過ぎ、大きな門を抜ける。
 するとそこには一台の馬車が停車しておりました。 「せめてものお礼にと、馬車を手配させて頂きました」  そう老人は言うと、ちょっとしたドヤ顔で君達を見る。だが鼻水と真っ赤にはらした目で、そのドヤ顔はあまりに酷いものであった。
 そんな老人を横目に口に手を当てクスリと笑う女性は再び君達を見ては口を開く。 「この度は、本当にありがとうございました。貴方達は私たちにとっての・・・。いいえ、貴方達はこのスーニアでの英雄です!!」  そう語る女性の顔は、ヒマワリの様に輝いており、そんな女性を見た少女もまた、満面の笑みを君達に見せ、言う。  「私、貴方達に出会えて本当に良かったです。私にとって新たに始まった、この最初の思い出の1ページを私はずっと、絶対に忘れません!!だから・・・その・・・。良ければ・・・。で、構いませんので・・・。貴方達も、どうか。私の事を忘れないで下さいねっ!!」  少女は少し頬を赤らめそう言った後に、お母さんの背中に隠れるようにしてチラリと君達の顔色を窺う。
 そして君達は手配された馬車に乗り込み、この屋敷までの道を抜け、噴水広場を抜け、街の門を抜けるだろう。  爽やかな風と、暖かい日の光。  そうして、君達は遠ざかっていく街を馬車の中から振り返る。 するとそこには――。
『雨が降る街に、綺麗な虹が掛かっていたのでした・・・。』
  ●NORMAL END
 全ての依頼を達成させた君達。  君達はこれから街を少し見て回っても良いですし、バーレスに戻って依頼達成の報告しても構いません。
【バーレスに戻る】  君達がバーレスに戻り、冒険者の店に入ると、店主が出迎えてくれます。 「おぉ!おかえり!どうだった!?」  君達の報告を聞いた店主は君達の背をバンバンと叩き 「おお!おお!やるじゃねえかお前さんたち!これからもよろしく頼むな!」  そう言って君達に報酬金を渡し、店主はまた店内へと戻っていき、自身の業務に戻ったのでした。
  ●BAD ENDⅠ  雨が降りしきる夜。君達は奮闘した。頑張った。  しかし、君達は目撃する。二本の腕が少女の首を絞め、骨を折る、その瞬間を・・・。  少女の首は折れ、腕と足はダランと垂れ落ちる。  少女が死んだ。その事実が君達冒険者の心を襲う。  そうして二本の腕は少女をパッと離すと、少女は壊れた人形の様に地面に落ちる。  同時にブランクは、そのまま闇に消えていくようにして、姿を消したのだった・・・。  雨は降り続け、霧は止む。君達の目の前にあるのは少女の遺体。ただ、それのみだ。
【アウェイクンを行う】 君は蘇生魔法を少女に唱える。しかし首の骨を折られた少女が目を覚ますことは無かった。
【屋敷に連れて行く】 雨が降りしきる中、君達が屋敷へと向かうと、そこには一人の老人が待っていました。 一瞬、老人の顔は明るくなりますが、君達が抱えている少女の手足や首がダラリト垂れていることに気が付き 老人の身体は震え、そのまま立ち尽くしている。
「そうでございましたか・・・。最後までお嬢様の意見を尊重して頂き、ありがとうございます。それでは・・・」  老人はそう言うと、少女を抱える。そしてそのまま、屋敷の中へと入っていったのだった。
 君達はこれから街に残っても良いし、依頼を報告しに行っても良いですし、どこか違う所に逃げてもらっても構いません。
【再びブランクを倒す】  君達がブランクを討伐するべく、雨が降る夜を待ちますが、いくら待っても    その日が訪れることは無かった。  もうダメかと諦めかけたその時、雨が降る夜が訪れる。  しかし、そこに霧の魔物が現れることは無く。アンデットが街を徘徊することも無くただただ、雨が降る夜の街であった。
【依頼を報告しに行く】 君達がバーレスに戻り、冒険者の店に入ると、店主が出迎えてくれます。 「おぉ!おかえり!どうだった!?」
「・・・。そうか。まぁーその、なんだ、重い仕事を預けて悪かったな。責任は俺にもある。お前たちが、その・・ビビったりすることはねぇよ。本来は騎士様がやる仕事だったしな・・・。まっ、その・・・。なんか食うか?」
 君達が食事を頼むと店主は「はいよ」と言って、奥へと入っていく。  店主が居ない、冒険者の店。ふと君達が辺りを見渡してみると、周りの冒険者達は君達の事を冷ややかな目で見ていました。  君達、一人一人が何を感じ、何を思ったか・・・。それは自分にしか分からない。  ただ、君達が共通して目に焼き付いたもの。  あの少女の死に顔を、君達は一生忘れることはできないだろう・・・。
  ●BAD ENDⅡ  雨が降りしきる夜。君達は奮闘した。頑張った。  しかし、君達は奴を倒すことが出来なかった。  君達は奴に殺された。  地面に倒れ、体全体が雨に打たれる。  視界は無だ。しかし、耳だけは機能している。  君達の耳に入る音は、夜の街に降りしきる雨の音。  そして、誰かの首がゴキリと折られる音。  冒険者たちは全滅した。なのに聞こえた、嫌な音。  君達は失っていく意識の中で、最後に思うだろう。  そう、君達は――何も救えなかったのだと...。
 そして無の世界で君達は、声を聴く  生あってこその記憶だった。  死ねば記憶も何も関係なかった。  生あるうちに記憶を亡くしたのであるならば  また新たに、ゼロから、作っていけばいい。  ただ、それだけだったのだ・・・。
 その言葉を最後に君達は、無と化した。
  ●BAD ENDⅢ  雨が降りしきる夜。君達は奮闘した。頑張った。  しかし、君達は奴を倒すことが出来なかった。  君達は奴に殺された。  地面に倒れ、体全体が雨に打たれる。  視界は無だ。しかし、耳だけは機能している。  君達の耳に入る音は、夜の街に降りしきる雨の音。  君達は失っていく意識の中で、最後に思うだろう。  そう、君達は――何も救えなかったのだと...。
 そして無の世界で君達は、声を聴く  生あってこその記憶だった。  死ねば記憶も何も関係なかった。  生あるうちに記憶を亡くしたのであるならば  また新たに、ゼロから、作っていけばいい。  ただ、それだけだったんだ・・・。
 そうして君達の視点は上空から見下ろすものと化す。  上空から見える景色は、君達が良く知る屋敷だ。  その屋敷に向かって、霧の塊は進撃していく。  扉をぶち破り、屋敷内に侵入すると、すぐさま、君達の脳内には女性の悲鳴が聞こえ老人の怒号が響く。  何かの骨が折られる音や、ギチギチと体内から鳴ってはならない音を君達は聞く。  数分後、何もかもが聞こえなくなると。  男性の声が小さく聞こえた 「迎えに来たよ、ユーリアス」  その言葉を最後に君達は何も感じなく、何も聞こえず、何も見えず ただ、無と化した。
 【マルチエンディング表】
・TRUE END 1.少女とバーレスで出会う。 2.少女と共にスーニアへ 3.スーニアで少女の記憶に関する基本情報を『全て』収集。 4.屋敷に場面が変わったとき、屋敷を探索する。【重要】 5.従者に少女についての話を聞く⇒性格、好きな本や料理等(少女が共にいるor後々伝える必須) 6.従者に母についての話を聞く⇒思い出話等(少女が共にいるor後々伝える必須) 7.屋敷を出る際、少女を置いていくか、連れて行くかで「連れて行くを選択」 8.少女と共にブランクを討伐。 9.少女に遺書とペンダントを見せる。 10.全ての記憶を取り戻し、父に泣いて謝る。 11.翌朝、屋敷に記憶を取り戻した少女を連れて行く。
・GOOD END 1.少女とバーレスで出会う。 2.少女と共にスーニアへ 3.【TRUE END】条件の4~6のどれか一つでも欠けていればGOODに分岐 4.屋敷を出る際、少女を置いていくか、連れて行くかで「連れて行くを選択」 5.少女と共にブランクを討伐。 6.少女に遺書とペンダントを見せる。 7.少女が親を信頼する。 8.翌朝、屋敷に親を信頼した少女を連れて行く。
・NORMAL END 1.少女とバーレスで出会う。 2.少女と共にスーニアへ 3.【TRUE END】条件の4~6のどれか一つでも欠けていればGOODに分岐 4.屋敷を出る際、少女を置いていくか、連れて行くかで「置いて行くを選択」でNORMALに分岐 5.ブランクを討伐 6.ブランクからドロップアイテムは無し 7.依頼を達成したプレイヤーはバーレスに帰還する。
・BAD ENDⅠ 1.少女とバーレスで出会う。 2.少女と共にスーニアへ 3.【TRUE END】条件の4~6のどれか一つでも欠けていればGOODに分岐 4.屋敷を出る際、少女を置いていくか、連れて行くかで「連れて行くを選択」 5.ブランクと戦闘、少女を護衛しきれず少女が殺される。BADに分岐 6.屋敷の信頼、スーニアでの信頼、依頼を達成できなかった君達はすべての信頼を失う事になる。
・BAD ENDⅡ 1.少女とバーレスで出会う。 2.少女と共にスーニアへ 3.【TRUE END】条件の4~6のどれか一つでも欠けていればGOODに分岐 4.屋敷を出る際、少女を置いていくか、連れて行くかで「連れて行くを選択」 5.ブランクと戦闘、君達が殺される、必然的に少女も。BADに分岐 6.死亡。
・BAD ENDⅢ 1.少女とバーレスで出会う。 2.少女と共にスーニアへ 3.【TRUE END】条件の4~6のどれか一つでも欠けていればGOODに分岐 4.屋敷を出る際、少女を置いていくか、連れて行くかで「置いて行くを選択」でNORMALに分岐 5.ブランクと戦闘、君達が殺される。 6.少女を求めて、ブランク(父)は屋敷に向かい、屋敷がブランクに襲われる。 7.君達も、アーウェン家も、従者も殺される。 8.あぁ~絶望~。
●NPCデータ
クリストファー・アーウェン(43歳)♂
スーニアの領主を務めてあり、街民からの信頼も厚く、誰よりも街と家族を愛している人物であった。 それ故に彼の死には多くの街民が悲しんだ。 彼がこの世を去る日、夕方のこと。彼と、その娘は喧嘩をしたのであった。 結果、彼は娘と仲直りを果たせぬまま、この世を去る形となった。
ヒストリア・アーウェン(41歳)♀
20歳の時にクリストファーからプロポーズされ結婚。 その後は、クリストファーが行う領主としての仕事を手伝いつつ、家事に育児を果たした。 しかし、クリストファーがこの世を去り、ユーリアスまで行方不明になったことから 精神不安定状態に陥ってしまう。 その後は、一切屋敷を出ることはなく、ただただ家族写真を眺めたり、従者に同じ思い出話を何度もしたそうだ・・・。
ユーリアス・アーウェン(11歳)♀
スーニアの領主であるクリストファーの一人娘。 彼女は父や母の言いつけで、あまり無暗に街を出歩かないことと言われていた。 しかし年頃の少女の好奇心を抑えることはできず、一番信頼していた従者と共に時たま街で遊んでいた。 上述もした喧嘩だが、彼女もまた父と仲直りできぬまま、父と別れた。
ユアン・ツロギアート(62歳)♂
アーウェン家に仕える従者。 冷静沈着な面構えをしているが、その実は非常に涙もろく、アーウェン家のことは大体泣く。 クリストファーの父と、とても親しい仲であったらしく、今ではアーウェン家に絶対服従を誓っている。 飴と鞭の使い分けが非常に厳しいが、基本【過保護】
【クリストファーがブランクになるまで】 ・記憶が無くなる事件は数週間前から起きていた。 ・喧嘩した少女が家を飛び出す。 ・雨が降り出す。 ・少女がブランクに襲われ、記憶を失う。 ・それを心臓病を患ったクリストファーがかばう。 ・クリストファーがブランクとなる。
 【タイトル画像】 左下のスペースはGM名やPL名など、ご自由にお使いください。
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scenaritrpg · 8 years
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SW2.0シナリオ 『湖の怪』
シナリオ名  :「湖の怪」 推奨人数    :2-3人 推奨レベル :3-4 ジャンル     :ゼルダ式ダンジョン探索 難易度       :★★☆☆☆
製作者    :ちゃっしー
●概要
 テラスティア大陸ザルツ地方ルキスラ帝国。同名首都にある「蒼き雷の剣亭」に、ザルツ地方北東にあるルマ湖畔に住むエルフから一つの依頼が舞い込んだ。  ルマ湖畔の南西部に位置する湖に寄り添う集落、レポンの村。そこでは太陽神ティダンを祀る神殿があるのだが、どうやら近頃様子がおかしいらしい。  今までは聞こえなかった恐ろしい獣の咆哮。更には動植物まで暴れだした。このままでは太陽神を崇める儀式に間に合わない。  冒険者達は見事神殿の謎を解き、平穏をもたらす事ができるのだろうか──。
●導入
 PC達の関係性はご自由に。物語は「蒼き雷の剣亭」の店主、ルーサー・エレルデンから仕事を斡旋される所から始まります。
 ルーサーは店中を見渡し、手頃な冒険者を選別し声をかける。そしてその御眼鏡に叶ったのはPC達だった。ルーサーはPC達に声を掛け、依頼を持ちかける。ザルツ地方の北東、クーデリア公爵領の下部にあるルマ湖畔から依頼が入っていると。  内容は単純。ルマ湖畔のエルフの集落、レポンの村にある太陽神を祀る神殿に近頃異変が起きている。今まで聞こえなかった獣の咆哮が木霊し、大人しかった動植物達がエルフに牙を剥くようになったのだ。PC達に、この事件の原因の解明、解決を求めたいという。
 報酬は前金500G、事が無事に済めば1500Gと、新米の冒険者にとって高額を提示してくれる。これに難色を示すようであれば、ルーサーの口から現在店に頼めるような人物がいないなど、どうにかして行かせる様に仕向けて下さい。
 ルマ湖畔まではライダーギルドの馬車が送り迎えをしてくれる。馬車で四日、約3,000Gかかる交通費も、レポンの村が負担してくれるようだ。  前金を受け取ったPL達は、首都ルキスラの正門で待つライダーギルドに直行してもいいし、街の中で買い物を済ませてもいい。
●レポンの村
 ルマ湖畔南西の湖に寄り添う形で建てられたこの集落はレポンの村と呼ばれて��る。村は分厚い木製の柵で囲われており、円状に住宅が建てられているようだ。  PC達はライダーギルドの馬車の運転手から、この村には主要な施設として道具屋や武器屋など、大抵の物資は揃っている事を聞かされる。  また、住宅区の奥にある大きな木製の屋敷に、レポンの村のエルフの族長である「エドガー・ルーフィン」という人物が住んでいる事を伝えてくれるだろう。
 PC達が住宅区域の奥へ向かえば、門番である青年が気持ちよく出迎えてくれる。そしてすぐにでもエドガーのいる屋敷の応接室に通してくれるだろう。その部屋にはエドガーのほかに、彼の息子「ロボス・ルーフィン」も立っている。  エドガーはPC達に対して挨拶をするくらいで、依頼の詳しい説明などはロボスが行ってくれる。伝える情報は以下の通りだ。
この村は豊穣の神、太陽神ティダンを信仰している。 ルマ湖に隣接する湾岸部に、件の神殿は建てられている。 ここ一ヶ月程、神殿の様子がおかしい。 元々神殿にはある程度の生態系が成っており、様々な動植物が居た。 しかし、神殿から謎の獣の咆哮が聞こえるようになってから、動植物達がエルフに牙を剥くようになった。
神殿を警邏する村一番の腕自慢がいたのだが、半年前の狩りの際、不慮の事故で亡くなっている。 それは自分の兄、エドガーの長男であった「ウィル・ルーフィン」という人物。 彼が亡くなって以降、この半年間誰も神殿に近づいていない。 また、一週間後にあの神殿を使った豊穣を願う祭りが開催される。 PC達には一刻も早い対処を願いたい。
 長いですが、以上の説明をロボスからPC達に伝えてあげましょう。  ロボスや村の人物は魔物に詳しくないので、ここで話だけで魔物知識判定は行えません。PC達からの質問は、答えられる範囲なら教えてあげましょう。
 そしてPC達がその話を飲み込めれば、ロボスは神殿の鍵と地図を取りに、共に兄の部屋に向かうことを提案します。行きすがらにでも、ロボスの口から遺品整理以降、ウィルの部屋には立ち入っていない旨を教えてあげましょう。
●ウィル・ルーフィンの部屋
 応接室を出て廊下を渡れば、すぐにウィル・ルーフィンの部屋はあります。ロボスがその部屋の鍵を開け、PC達を中に招き入れるでしょう。  部屋の中には、机、ベッド、ラック、本棚があります。この部屋に着けばロボスを、「鍵と地図を探すので、一緒に探して欲しい」という事をPC達に伝えながら机に向かわせてください。この部屋は全て探索判定を使用します。
A.ベッド  探索判定(8)  ベッドの下から、銀貨が見つかる。換金すれば300Gにはなるだろう。  これを見つけたPCに、ロボスに「兄の遺品。よければ差し上げますよ」と伝えさせます。
B.ラック  探索判定(10)  様々な小物などが配置されているこの棚に、小動物用のドライフードがある事を見つける。  これを見つけたPCに、ロボスに「ドライフード? 兄が動物を飼っているなんて話、聞いたこと無いですね」と不思議そうに伝えさせます。
C.本棚  探索判定(12)  この木製の本棚の中に、エルフ語で書かれたウィルの日記を見つける事ができます。エルフ語を取得しているPCが居ない場合、代わりにロボスに読ませても構いません。  日記には神殿警邏についてや、日々の狩りにおける事など、取り止めも無いことが記されています。ですが、最後のページだけ破られています。  日記をロボスに見せれば、以下の旨を伝えさせてください。
とても懐かしい。確かに兄の字だ。 この筆圧が異常に強くて読み難い字、いつ見ても懐かしい。 兄はその筆圧の強さから指にタコができていた。 破られたページについては知らない。亡くなる少し前だと思うのだが……。
 本シナリオの何気に一番重要なシーンです。ここで重要なのが、「筆圧が異常に強いところ」。日記のような紙が重なったものに、強く力を入れてペンを走らせれば、後ろの白紙にうっすらと跡が残ることをご存知でしょうか。そこに黒鉛などで薄く色をつけることによって、その跡が浮かび上がります。  このシナリオ上で破られたページを見つけることはできず、上記の方法をRPで言わない限り見ることはできません。この世界にこの技術は適用できるのか、など、少しでも悩んでいるようならヒントをあげてもいいと思います。とにかくGMは、「筆圧が強いこと��を少し強調させる気づくPCもいるかもしれません。  件のページには、以下の事が記述されています。
『何度も書くか書かないかに迷ってきたが…』 『ぺトラの事を、誰にどう説明すればいいのかまったく思いつかない』 『少しずつ成長しているし、隠し続けることはできるのだろうか』 『ああ駄目だ。こんなこと、日記になんか書けないな』 『あいつの好きな、オレンジの実をまた食べさせてやりたい』
 これに関し、ロボスは「ペトラなど聞いたことが無い。この村の女性にそんな名前のエルフはいないはずだ」と教えてくれます。  またこの文章の最後に記述されている「オレンジの実」ですが、この村では一般的に取引されているという事にして下さい。2Gもすれば購入できるでしょう。
D.机  ロボスには、PC達が各所を全て一度以上探し終わった時、初めて探索判定を降らせて下さい。ボーナスはありません。万が一ロボス、そしてPC達が全員この探索判定に失敗した場合、ロボスに自動的に鍵と地図を見つけさせてください。  探索判定(5)  成功で、机の上に古い鍵と、一枚の地図がたたまれていることがわかります。
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 神殿は地下三階構成のダンジョンのような構成をしています。  ロボスは地図をPC達に見せてくれますが、鍵は自分が開けると言い、渡してはくれません。
●神殿へ
 準備が整えば、ロボスは神殿に向かうことを提案します。PC達が何か準備をしたいのであれば、村で好きなだけ買い物をさせてあげましょう。  神殿は村から歩いて三十分ほどの距離にあります。道中は迷うこと無く、そして何かに出会うこともなく行けるでしょう。
 ティダンを祭る神殿は、石を積み上げることで建てられています。その様式は複雑で、少なくとも魔動機文明以前のものであると推察できます。神殿に二階以上の階層はありませんが、横に広い建物です。すぐ後ろにルマ湖が広がっており、神殿の後方部分は湖に着水しています。  扉は石製の重そうな扉に、幾重にも鎖がまかれ、無骨な南京錠がかけられています。ロボスが持っているであろう鍵を使用すれば、その錠前は簡単に外れるでしょう。
 そして神殿に入る時、初めてPC達のパーティに、ロボスが「自分も着いていく」と伝えます。ロボスは部外者を神聖な神殿に入れるため、その監視の意味を込めて派遣されています。  ロボスは指示されれば戦闘や探索にも協力します。GMは以下のステータスでロボスをパーティに参加させて下さい。戦闘において、ロボスはGMが動かしても構いませんし、PCの誰かに頼んでもよいです。
名称:ロボス・ルーフィン 先制:2d+3 移動速度:20 生抵:2d+6 精抵:2d+6 HP:26 MP:23 命中:2d+6 打撃:+4 回避:2d 防護点:3 
○弓攻撃:射程30m以内にいる対象を攻撃できる。 ○精密射撃 ○エルフの種族特徴 メモ:矢は20本持っています。
●神殿内部
A.エントランス  神殿内部に入ると最初に顔をだすのはエントランスホールです。エントランスと名称はついているものの、中は床の土や壁の石がむき出しになっており、雰囲気は遺跡そのものです。湖と隣接しているためか、若干の湿度も感じられるでしょう。壁や天井の隙間から光が漏れており、十八時以前であれば光源なしで活動が可能です。  通路の奥、そして左右に石制の扉が見えます。
B.倉庫  この扉に聞き耳判定(7)を振れば、虫の羽音が聞こえることに気がつきます。  扉を少しだけ開けば、中はまるで黒色のインクをぶちまけたかのように真っ黒であることがわかります。人が通れるほど扉を開けば、中の様相をうかがい知ることができるでしょう。  それは数えるほどもできない数の、ゴキブリの群れでした。PC達が扉をあけるとそのゴキブリたちは一斉に飛び上がり、PC達が開けた扉をくぐりだします。そして部屋に残ったのは五匹の巨大なゴキブリ。それらはPC達めがけ、襲い掛かってくるでしょう。  【戦闘:ジャイアントコックローチ*5 (MC or BT)】
 戦闘に勝利すれば、この部屋には三つの棚がある事がわかります。それぞれ赤色、青色、黄色と色付けをして区別して下さい。
a.赤色の棚  探索判定(10)  成功で、ウィルの部屋にあったものと同じドライフードを見つける事が出来ます。
b.青色の棚  探索判定(10)  成功で、エルフ語で「好物」と書かれたメモが貼り付けられた木箱が見つかります。  中を開けば、大量の小バエが飛び上がるでしょう。箱を除けば、そこには「腐りきった何か」がある事がわかりますが、それが何なのかうかがい知ることはできません。  中身はオレンジなのですが、臭いを嗅いだり、最悪食べたりしたPCにはヒントをあげましょう。毒属性魔法ダメージと共に(笑)
c.黄色の棚  探索判定(10)  成功で、指輪を見つける事ができます。  宝物鑑定判定に成功すれば、それが知性の指輪であることがわかるでしょう。ご褒美です。
C.神殿  比較的広い空間になっています。部屋の真ん中が通路としてあり、その両サイドは湖になっています。壁側にはティダンを祭る祭壇が在り、手入れされなくなってから久しいことは見るだけでわかるでしょう。空気が澄んでおり、PC達は神聖な空気を感じ取ることができます。
 奥の祭壇には探索判定(10)をかけることができます。成功で、五点分の魔昌石を手に入れられます。ロボス曰く、昨年度の贄らしいですが、望めばPC達に譲ってくれます。祭壇に探索判定を振れば、後ろから何かが近づいてくる気配がするでしょう。PC達が入ってきた扉から、数匹の動物達が襲い掛かってきます。  【戦闘:ジャイアントリザード*1(ルルブ1) ジャイアントバッド*2(ルルブ1)】
E.階段  エントランス通路の東側に向かえば、地下三階に下る階段があります。  ここから下に下りた場合、光源がないと見渡すことはできません。
F.B3通路  長い廊下があります。地図を見れば、ここがL字状になっていることがわかるでしょう。天井や壁からは水が滴り落ち、水音が響き渡っていることから、すでにこの場所は湖の中であることも察することができます。  奥まで行ききれば、石製の扉があるでしょう。
G.B3ホール  この扉に対し、「開く」の前に「中に入る」と宣言したPCには危機感知判定(12)を振らせて下さい。  神殿���でも有数の広さを持つこの部屋は、床が一切ありません。下は十メートルほど彫られており、下調べなしで中に入ろうとし、危機感知に失敗したPCは十メートル分の落下ダメージを受けます。受身判定を振らせてげましょう。  上からロープをたらせばまた上にのぼれます。宝物庫側に続く小部屋も、入り口と同じ高さに扉がある為、下から上に上る術を見つけない限りは渡ることができません。
 この部屋の扉を開けた場合、ロボスから以下の情報を渡しましょう。また、地図を以下のものに更新して下さい。
忘れていたが、たった今思い出した この部屋は上の階層から水を引き、溜めない限り先へは進めない 一階の祭壇がある部屋にある、東側の湖から地下二階の貯水庫へ通じていたはずだ 貯水庫のレバーを引けば、ここに水が溜まるだろう
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C2.神殿  神殿の東側の湖は潜ることで、B2の貯水庫に向かうことができます。  これはロボスの話を聞かなくても、潜れば下に続く横穴のようなものが続いている描写をいれてあげることで伝えてあげて構いません。その際、ロボスからレバーの話も出しちゃっていいです。
 地上から湖に入り、貯水庫のレバーまでは普通なら三分、エルフのような水中を自由に動ける人物で一分を所用します。PCの中にエルフが居ない場合、ロボスがレバーを引きにいってくれるでしょう。
H.貯水エリア  ただ湖の水が溜まっているだけの空間です。貯水エリアの東側には、B3ホールに水を溜める為のレバーがあります。  レバーは判定なども必要なく、簡単に引けるでしょう。僅かな振動と共に、水が流れる音が聞こえます。このとき神殿にいるPCもまた、その水流の音を聞くことができます。
 また、このレバーを引くとイベントが起こります。レバーを引きに言ったPC、もしくはロボスを神殿で待っているPC達は、突如襲い掛かる動物達と戦闘になります。レバーを引きに言った者は、10R目から途中参加することができるでしょう。  【戦闘:ジャイアントスパイダー*3(ルルブ2)】
G2.B3ホール  上記のイベントをこなした後、B3ホールに向かえば先ほどと大きく様相が変わっていることに気がつきます。  先ほどまで地面が無く、断崖絶壁だった部屋がまるで湖のようになっているでしょう。PC達は判定を振ることなく、隣の部屋に向かうことができます。
 ここで探索判定(12)を成功させれば、北側の壁際に宝箱が配置されている事がわかります。水の底にありますが、これはエルフでなくとも取りに行くことができるでしょう。また、水を溜める前(10mを落下してしまった)時点で探索判定を振った場合、達成値は8ほどに減少させて構いません。  宝箱の中には純金が入っています。全て売り払えば5000ガメルにはなりそうだとわかります。が、これをロボスの前で開けると、「僕の一存でお譲りすることはできかねる」といって、まず宝箱の中に戻すよう指示を受けます。
H.B3部屋  宝物庫の南側に位置するこの部屋は、このシナリオのゴールでもあります。  この部屋には、この神殿の生態系を狂わせている、そしてエルフ達から聞いていた謎の咆哮の持ち主、キプロクスがいます。
 部屋の扉を開ければ、キプロクスはPC達に向かって襲い掛かってくるでしょう。ボスはキプロクスのみ。苦戦はしないと思います。  【戦闘:キプロクス(ルルブ1)】
 この戦闘において、キプロクスのコアのHPが0以下になった時、GMはPC達が「オレンジの実」を所有しているか否かで、次の通りの描写と処理を行って下さい。
○オレンジの実を一つ以上所有している  傷ついたキプロクスは敵意を無くしたように、小さく呻く。そして、その頭を○○(オレンジの実を持っているPC)にこすり付けた。小動物のようなその鳴き声は、嬉しそうにも、悲しそうにも聞こえるだろう。
 戦闘終了です。  ロボスの口から、「これでもう神殿は安心だ」という旨を伝えさせてください。
○オレンジの実を持っていない  傷ついたキプロクスが、この神殿を揺らすほどの咆哮を上げる。
 全ての部位のHPが5回復。戦闘続行。  再度キプロクスのコアのHPが0以下になった時、キプロクスは小動物のような小さな悲鳴をあげ、その二つの瞳から涙を一滴流した後、動かなくなります。  ロボスの口から、「これでもう神殿は安心だ」という旨を伝えさせてください。
I.宝物庫  ここは基本的に来る必要が無い場所です。ですが、PC達が望んだら、ロボスはしぶしぶ彼らをこの部屋に入れてくれるでしょう。  鍵がかかったこの扉を開けるには、ロボスの持っているこの神殿の鍵が必要になります。ロボスは鍵を開けば、「勝手なことはしないように」とPC達に一言添えて、扉を開きます。  しかしこの扉には罠が掛かっています。危機感知判定(12)をロボスに振らせて下さい。失敗で、前方から投石器から石が射出され、ロボスの頭に命中します。ここのイベントはただロボスを気絶させる為に存在しているので、ロボスのHPを生死判定を振らない程度まで減らしましょう。
 この宝物庫には他に罠は仕掛けられていません。つまり、ロボスは気絶しているのでPC達はやりたい放題行えるわけですね。
 宝物庫にあるのは宝箱一つだけ。  その中にはマジックアイテム「祈りのアミュレット」が入っています。宝物鑑定判定で成功したら教えてあげましょう。
 ここでロボスが気絶している事をいいことに、アミュレットを盗むか否かでエンディングが変化します。
●エンディング
 キプロクスとの戦闘を終えた時点でここに戻ってくることができます。勿論、宝物庫を探索し終えれば、自由なタイミングでスキップし、村まで戻らせてあげていいでしょう。
 エンディング条件は、以下の二つで変化します。
キプロクスの生死
アミュレットを盗んだか盗んでいないか
 キプロクスが死亡していた場合、エドガーからお礼を言われて終了です。特にウィルの事に触れる必要はありません。  もしもキプロクスが生きていた場合は、エドガーはPC達に最大限のお礼を言うでしょう。息子の遺したこの生物を、大切に育てることをPC達に誓います。  これはGM次第ですが、そのキプロクスをPCに譲ってもいいかもしれません。卓によっては許してくれない場合もあるので、受け取ったPCは今後留意するようにして下さい。
 また、アミュレットを盗んでいた場合、このエンディングが終了した後、レポンの村からPC達の元へアミュレットを早急に返すようにと便りが来ます。また、名誉点が得られないばかりか-20点されます。そのPC達は永久的にレポンの村への立ち入りを禁止されるでしょう。  アミュレットを盗んでいなかった場合、かつB3ホールで純金を発見していた場合は、PC達にその半分を譲ってくれます。  最終の報酬に、更に2500G/人数分の値を追加して下さい。
●総評
 シナリオは以上になります。  今回重要なのは、先にも述べた通り「筆圧」のトリックに気づけるか否かです。二回回して、どちらも気づきませんでした。まあ無理もないよネ!
 ゼルダ風の謎解きを入れてみたんですが、ぜひレバーを引いた暁にはあのSEを入れてみて下さい(笑)
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scenaritrpg · 8 years
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SW2.0シナリオ 『弔いの灯』
シナリオ名  :「弔いの灯」 推奨人数    :2-3人 推奨レベル :4-5 ジャンル     :鬱系ノンアドベンチャー 難易度       :★★★★☆
製作者    :ちゃっしー
●概要
��テラスティア大陸ザルツ地方中心に位置する城塞都市ディザ。そこから南にローラ河を渡り、二日程歩いた先にある「トートの村」が舞台になる。トートの村は葬儀がまるで祭りのように盛大に行われるその特異性から、ルキスラに住まう者ならその名を耳にした事もあるはずだ。  その日たまたま複数人の冒険者が村に立ち寄った。この農村では部外者を厚くもてなす慣わしがあり、PC達はカイラと名乗る一人の未亡人の女性の家に数泊する事になる。  カイラの夫は一週間程前、近くの森にある洞窟で謎の死を遂げた。カイラは冒険者達に、夫の死の真相について、解明を依頼するのだった。
※注意:胸糞、かつ万人受けは絶対にしないシナリオです
●導入
 PC達の関係性はご自由に。夜20時に、それぞれの冒険者達がトートの村に辿り着く所から物語は始まります。事前にスカウト取ってると楽だよーくらいは言ってあげると親切かもしれないです。  この村では前述した通り、二つの特徴を持ちます。一つ目は葬儀が盛大に行われること。二つ目は、部外者に対してとても親切な事です。  PC達は村に辿り着くと、この村が祭祀中である事がわかるだろう。そして、親切な村人に連れられ、この村の村長であるマーシュの元へ連れて行かれる。
 マーシュは冒険者達に、以下の情報を与えてくれる。
この村が「弔いの村」と呼ばれている事
葬儀は「慰霊祭」と呼ばれ、村中に五百個の松明を灯し、二日かけて死者を弔うこと
今日はその前夜祭で、明日の夜には倍の千個の松明を灯すこと
そしてこの村の慣わしで、客人が泊まる際は村人の家に泊まってもらい、礼を尽くすこと
 この村は人口四百余名の小さな農村なので、移住者を目的に礼を尽くします。冒険者や旅の者、遠征の兵士など、この村を気に入って移住する者も中にはいるでしょう。  またこの村の特徴として、ナイトメアへの偏見もありません。街中には、祭りに参加する彼らの姿も見ることができるでしょう。
 そしてマーシュはPC達の宿を貸してくれる女性を入室させる。その女性はカイラと名乗り、一週間程前に夫を亡くしてしまったらしい。今日、そして明日行われる慰霊祭はその夫、ラクターのものである事も併せて教えてくれる。  一人きりになり、寂しそうにしているカイラをどうか元気付けてやってくれ。マーシュはそういって、彼女の家を勧めます。もしPCがそれを拒んだ場合、何回かはマーシュ、そしてカイラにお願いさせて下さい。それでも拒むようなら、マーシュの屋敷に泊めさせてもいいです。その場合、後述するシナリオ展開からはズレますが、翌日カイラが冒険者を呼び出す事で軌道修正して下さい。
●カイラの家
 PC達はカイラと共に、マーシュの屋敷からカイラの家へと向かう。村は夜遅くでも、松明が灯されており、まるで昼間のように明るい。PC達は少しあるけば、道を行く様々な村人に声をかけられる。ようこそ、祭祀を楽しんで、旅の御武運を! それは人間だけでなく、エルフやドワーフ、リルドラケンやナイトメアの姿もあるだろう。  村の温かみに触れたPC達は、そこからすぐにでもカイラの家に辿り着く。平屋だが、それなりの敷地を持つ木造の建物。新築なのか、木々に着色されたペンキはまだ鮮やかな色を保っている。  カイラに促され、PCは家の中へ。この家は、「ダイニング」「寝室」「空室二部屋」があるという。PC達はダイニングへ通され、カイラの手作りの夕飯を食べさせてもらうことができる。
 食後、カイラはPL達に相談があるといって、以下の事を話し始める。
商人だった両親は幼い頃、行商中に狼に殺されている
夫のラクターは八日前に、この村から東に向かった森にある洞窟で死んでいた
村の狩人が数人で捜索したが、証拠も何も得られなかった
天涯孤独の身になり、もう生きる希望も湧かない
どうか夫の死の真相を探ってもらえないだろうか
 頼みを承諾すれば、カイラは泣いて喜んでくれる。そして明日、PC達に、森や洞窟に詳しい狩人の幼馴染を紹介してくれるという。また、カイラから色々聞き出す場合は以下の情報を渡すこと。
誰にも言わなかった事だが、ラクターは時折、夜に出歩く習慣があった
頻度は一週間に一度ほど。明くる朝にはベッドに戻っていた
どこに行っていたのか、何をしていたのかは全く知らない
一週間前、朝になっても家に戻らなかった
狩人が派遣され、件の洞窟の中で遺体で発見された
 更に、死因は「心臓部分に穴が空いていた」ことも教えてくれる。夫の死のショックで、よく見れなかったらしい。ここまで話したカイラは、冒険者達にもうこの日は休むことを提案するだろう。
 ここでカイラの寝室の探索を願い出た場合、カイラは「遺品整理も全て済んだので」「流石に寝室をお見せするのは」と、何かと理由をつけて拒むだろう。深夜や力づく、何らかの方法でカイラの部屋を見る場合は、下部にある「●カイラの部屋」を参照すること。
●カイラの部屋
 何かしらの方法でカイラの寝室に入った場合、その部屋に机、本棚、ドレッサー、洋服ダンス、ベッドが家具として配置されている事がわかる。  夜に忍び込んだ場合は、ベッドでカイラが寝息を立てている。この部屋で探索判定を振る場合、その度にカイラに聞き耳判定を振らせましょう。ボーナスはありません。カイラの達成値が、PCの探索判定の達成値を上回った場合、カイラは物音で起きます。その時に部屋を探る探索者を見た場合、追い出させましょう。
ドレッサー:探索判定(10)  化粧用具に隠れるようにして、一冊の手帳がある。それを開けば、以下の文章を入手できる。
『おおかみが とうさんと かあさんを たべちゃった』 『おおかみ の せい で』 『わたし は ひとりきり』 『ずっと ずっと』 『おおかみの』 『せいで』
『嘘よ』 『嘘よ嘘よ嘘よ』 『日記なんてみるんじゃなかった』 『じゃあ彼は…』 『ああ、汚らわしい』 『一層の事、私が殺してしまいたい』
『殺す』 『殺す殺す殺す』 『汚らわしい狼も、いやらしい眼で見てくるあの男も!』 『……あの人も』
 ドレッサー以外はダミーなので、探索を振っても何もありません。
●狩人との出会い
 翌朝、甲斐甲斐しくカイラはPC達に冷えた水や、野菜が入ったスープを出してくれる。PC達の食事が済めば、カイラは隣の家に住む狩人の幼馴染の下まで案内してくれるだろう。  森の中などの地図はないので、土地勘がある人物をというカイラの勧めだ。これを拒否すると、カイラは何が何でも食い下がる。諦めることはない。
 カイラの隣には、スルートというエルフの狩人が住んでいる。スルートはラクターの捜索にも同行した狩人で、ラクター、カイラとは長い付き合いだ。スルートはカイラの申し出に一瞬の驚きを見せるが、すぐに了承してくれる。そしてPC達に挨拶し、共に洞窟へ向かうことを提案してくれるだろう。以降、スルートが同行するが、戦闘には一切参加しない。また、探索判定なども「一度探してるから」という理由で協力は望めないだろう。
●洞窟へ
 森は村から歩いて三時間ほどの場所にある。あまり広くは無いが、土地勘が無い者が迷わないほど狭くは無い。森の中を一時間ほど歩くことで、スルートとPC達は切り立った崖に辿り着く。そこには洞窟のように、横穴が口を開けていた。スルートはここで、ラクター発見時の情報を与えてくれる。
ラクターはこの洞窟の奥地で発見された
捜索し、見つけ出したのはスルートを含めた五人の狩人
森から点々と血が続いており、気づいたのだ
洞窟は地図を作った
 これ以上、ラクターの死に関する情報はスルートからも得られない。  スルートに促され、PC達は天然の洞窟へと入っていく。
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 黄色い☆が出入り口、赤い星がラクターの死体があった場所。中心の黒い楕円形は大きい岩の柱だと思って下さい。ここでは便宜上、入り口からすぐ左の箇所をA。東側をB。地図左上の場所をC。ラクターの死体があった場所をDとして扱います。  この洞窟は真っ暗で、光源が必要です。
A.入って西側  向かえばすぐに行き止まりにぶつかる。スルートは「前に探したときは何も見当たらなかったが、探してみたら?」とPC達を促すだろう。  探索判定(10)  成功で、エンゲージリングを取得。水色の宝石が嵌められた指輪だ。指輪を調べるRPを行えば、その指輪に共通交易語で「カイラ」と「ラクター」の名前が彫られている事がわかる。
B.東側  ここに向かえば、少し広い空間に辿り着く。大小様々な岩が転がっており、どれもこれもひっくり返された跡がある。  スルートが、「ここも一応探したんだけどな」「冒険者なら何か見つかるかも」と横から言うだろう。
 ここで罠感知判定の前に探索判定を振った冒険者は、何かを踏み抜いたような感触を覚える。その瞬間、目の前にあった岩がPCに向かって一人でに転がりだす。回避判定(15)。失敗で、PCは岩に巻き込まれ、30点の物理ダメージを受ける。岩はそのまま壁にぶつかり、砕け散るだろう。スルートは驚きながら「俺達が来た時は無かったのに!」「不運な奴だな、天然の罠にかかるなんて」と皮肉を言う。
 また、罠を発動させた場合、洞窟から足音が響く。そしてPC達の前に顔を出したのは、恐ろしい顔をした動物達だった。  【戦闘:ゴルゴル*2(ルールブックⅡ)、ジャイアントタランチュラ*2(BT)】
 戦闘勝利後、探索判定を振ってもここでは何も見つからない。
C.北��側  ここに向かえば、少し広い空間に辿り着く。大小様々な岩が転がっており、どれもこれもひっくり返された跡がある。  スルートが、「ここは捜索に入ったとき、狼が根城にしていた」と教えてくれる。もう狼は討伐済みであり、襲い掛かってくるような生物はいない。
 ここでもスルートは探索判定を勧める。だが罠感知判定の前に探索判定を振った冒険者は、足に糸のようなものが引っかかる感触を覚える。危機感知判定(15)。失敗で、岩の陰から何かが弾ける様な音が鳴ったかと思えば、素早い速度で二本の矢が放たれる。それをまともに受けた冒険者は20点の物理ダメージと、10点の毒属性魔法ダメージを受ける。その事にスルートは驚きながら、「俺達が来た時は無かったのに!」「それにしても冒険者ってのは頑丈だな」と驚きつつ、皮肉を言うだろう。  これ以外の罠は無く、探索判定(10)で以下の「破られた紙」を入手。紙には、以下の事が共通交易語で書かれている。
『────(塗潰されている)が、困ったことはないかと聞いてくれた』 『もしかして、彼は私が悩んでいる事を感づいている……?』 『相談したい。話を聞いてもらいたい。どうするべきか……』
  見つけると、スルートは戸惑ったように「何かのメモか?」「文字だけじゃ誰のものかわからない」と横から口を挟む。
D.ラクターの死体発見場所  ここは洞窟の中でも一番広い空間だ。この場所には他のように岩なども無い。真ん中にはどす黒い血の跡が残っている。ここに辿り着けば、スルートに以下の文章を読ませてください。
「ラクターはここで発見されたんだ」 「ったく……美人な奥さんを貰っておいて、こんな所に毎週何の用事で来てたのかね」
 PLがここで「ラクターの外出癖」を突っ込んでも、「ラクター本人から聞いた」と言い訳をします。  この空間を見れば、血の跡のほかに一つ、これ見よがしに宝箱が配置されている事もわかるだろう。スルートはこの宝箱に関しては「前には無かった」の一点張りです。  宝箱は罠が仕掛けられている。罠感知(15)。気づかずに開ければ、四方八方から矢が飛んでくる。回避(15)をPL全員が振る。失敗した者は20点の物理ダメージと10点の毒属性魔法ダメージが入る。
 無事宝箱を開く事ができれば、中に一冊の手帳が入っていることがわかる。中には共通交易語で以下の事が記されている。
『私は、「人間」としての記憶がない』 『気づけば「狼」として育てられていた』 『親も知らない。兄弟も、生まれも──自分が何なのかも、全て』
『彼らの里を抜け出した。私は、世界を旅しようと思う』 『自らの不幸に悲観するのは後だ』 『私は、幸せになりたい』
『満月が怖い』 『あの醜い姿を人に晒したくない』
『全身に流れる血のせいか、妙に狼に懐かれる』 『お前達に罪はないよな』
『トートの村。通称、弔いの村』 『ここは流れ者の私にも優しくしてくれる』 『もしかしたら、ここならば…』
『狼を西の洞窟に住ませ、時折餌を与える』 『今のところ、私の素性は誰にもバレていないみたいだ』
『久しぶりに日記を開いた。最近、毎日が幸せだ』 『私によくしてくれるカイラも、その幼馴染のスルートもいい奴だ』 『いつか打ち明ける日がくるのだろうか……?』
『人ならざる私が、ようやく人並みの幸せを手に入れる事ができる』 『……だが、この身体を打ち明けられずにいる』 『忌々しい、「ライカンスロープ」の血を』
(ページが破れている)
『カイラから、やはりスルートが私の事を気にかけてくれていると聞いた』 『スルートなら、私の話を聞いてくれるはずだ……!』 『来週、森へと誘ってみよう』
 この文章をPC達が読みきった辺りで、更に以下の描写を行って下さい。
途端、君達の後ろから、プシューっと空気が抜けるような音がする。
 そしてPC達に精神抵抗判定(17)を。回避が難しい数値を設定してください。  これは毒性のガスで、PC達の後ろにいるスルートが吹きかけたもの。スルートはマスクをしています。
●最終戦
 スルートに以下の旨をPCに伝えさせましょう。
ラクターは自らが殺したこと 自分は昔からカイラの事を愛していたが、ぽっと出のラクターに取られたこと 祝福しようと努力はしたが、ラクター本人から彼がライカンスロープの狼男である事を知ったこと 薄汚い狼の分際で、人並のシアワセを願うなど赦せない カイラを守るため、ラクターを手にかけた
 そして、スルートとの戦闘に入ります。  【戦闘:スルート (ページ下部)】
 少し特殊で、以下の事項を適用して下さい。
先制判定に自動失敗
全ての判定に-3のペナルティ
3R以降、-2に
7R以降、-1に
10R以降に毒が完全に抜け切る
 この毒はプリーストの【キュア・ポイズン】で解毒を行う場合、達成値は18に設定して下さい。中々難しく、だが運が良ければ…くらいの調整をお願いします。スルートの戦闘スタイルは、各個撃破。死にかけから確実に排除していきましょう。
 そして、スルートのHPが10を切ると以下の行動を行います。またもし0以下になってしまっても戦闘特技の不屈を持っているので、生死判定に失敗しない限りは行って下さい。  スルートは「このままでは……!」「だがこの薬で!」といい、懐からキャップをされた薬がはいった瓶を取り出し、そして開けます。  その刹那、スルートを中心に大爆発が起こり、スルートの半径10m以内のPCは10点の炎属性魔法ダメージ、スルート本人は50点の炎属性魔法ダメージが入ります。勿論、スルートはここで死ぬでしょう。
 スルートは何か声を挙げるわけでもなく、そのまま倒れこむ。どさりと音を立てて地に落ちたスルートだった物は、一度大きく身体を痙攣させると動かなくなるだろう。  これに対し、脈を計るなどで完全に死んでいる事を確認できます。
 PCがこの洞窟で出来ることはもう何もありません。後は村に戻って、この事を報告するだけです。スルートの死体は、持ち帰っても持ち帰らなくてもどちらでも構いません。ただ、最後の描写は少し変動します。
●エンディング
 PC達が村に戻れば、村人達は皆今夜の慰霊祭の準備を行っている。まだ火が灯っていないが、その数は前日よりも大きく上回っていることが一目でわかるだろう。  このままカイラの元へ行き、ラクターの死について語りだす際、カイラは村長のマーシュの下へ行くことを促してください。または真っ直ぐマーシュの元へ向かった場合は、カイラを呼び出しましょう。
 PC達にRPで事の顛末を話させましょう。すると、カイラは涙ながらに冒険者に礼を言います。マーシュもまた、スルートの非礼を侘び、巻き込んだ君達に最大限の謝罪と解決した礼を尽くします。  だが曲がりにも村人の一人を殺害したPC達を慰霊祭に参加させるわけにはいかないので、PC達に何度も謝りながら、ディザへと連れて行ってくれる馬車を手配してくれるでしょう。村の追放を言い渡されたPC達に、カイラは泣きながら何度も、何度も礼を言います。
 そして夜、千の松明に火が灯り、この村はまるで太陽のように輝きだす。  丁度馬車の迎えが来た頃、最後の見送りに来たのは村の青年だった。青年は、PC達に大きな袋を手渡す。話は全て村長から聞いた、せめてもの礼として、村長からあなた達へお礼の品です。と。
 袋の中には、スルートの遺品が入っている。  これを売れば、いくらか金になるはずだ。PCが受取を拒否しても、何とか貰ってくれるよう説得して下さい。青年、村長は、PC達に少しでも礼を尽くしたい気持ちで一杯です。
 そして受け取った際、PC達に馬車の運転手が早く乗るように急かします。  馬車に乗ったPC達に、袋の中身を教えてあげましょう。中には下記のものが入っています。
本が五冊
三千ガメルが入った袋
 この本は、宝物鑑定判定(7)をする事で、識別可能。四冊は弓術に関する本であり、売れば全部で二千ガメルにはなるだろう。  また、最後の一冊は、スルートの日記。どうやら、中に紛れ込んでいたようだ。
 PCがこの中身を見ることを宣言したとき、以下の文章を読んでエンディングとして下さい。
君達は街道を、ゆっくりと進む馬車の中で過ごしている。 ディザに向かって北上する馬車の中は、ひんやりとしていて、昨晩の温かみが嘘のようだ。 馬車の後方に見えるは千ものともし火。弔いの炎は風に揺れながら、馬車の進行にあわせて段々と小さく、小さくなっていく。
急に、君達の頬を風が拭った。 手元にある日記のページが、まるで鎮魂を謳うかのように、静かにパタパタと鳴り響いた。
 これでシナリオは以上です。最後に、PC達に日記の内容を渡して、終わりとして下さい。
『結論から入ろう』 『渡された手帳から察するに、そう』 『ラクターはライカンスロープの狼男だった』
『森に行った僕は、ラクターの静止を振り切り、殺した』
『ラクターの荷物は箱に入れ、来週時間があれば全て燃やす予定だ』 『一応何かあった時の為に、洞窟中に罠をしかけておいた』 『受け取ったガスは素晴らしい効果を持っていた』 『ガスを使っても仕留めきれなかった時にと渡された薬は開けなかった』
『…今だから思うが、ラクターは殺される事を覚悟していたのだろうか』 『いや、ガスのせいで抵抗できなかっただけだろう』
『少し罪悪感はあるが、蛮族にかける情けはない』
『それよりもこれから始まる、僕とカイラの生活が楽しみだ』 『君から全てを奪った狼は、しっかりと始末したよ』 『約束通り、結婚してくれるんだろう?』
●エネミーデータ
名称:スルート 10/- 先制:15 移動速度:20 生抵:10(17) 精抵:9(16) 【武器】 HP:42 MP:14 命中:11(18) 打撃:+8 回避:10(17) 防護点:7  ○弓攻撃:射程30m以内にいる対象を攻撃できる。 ○精密射撃&鷹の目 ○エルフの種族特徴(Lv6上昇分) ○治癒適正 ○不屈 メモ:その他持ち物として、ポーション等を持たせても良い。
●総括
 終わりです。
 物語のまとめとしては、
両親を狼に殺されたカイラが、狼人間であるラクターと結婚する。 しかし結婚後、ラクターが狼人間である事に手帳を見て気がつく。 幼馴染のスルートに、ラクターの殺害を依頼。 ガスを用いた跡に薬のキャップを開ければ爆発する仕掛けは、ラクター殺害時に共にスルートも殺そうとしていたカイラの策略。 しかしラクター殺害後、生き残ったスルートは約束通りカイラに求婚。そこに現れた冒険者達を使い、カイラは真実を永遠に葬ろうとした。
 となります。  カイラの日記を見て、それを本人に問い詰める、またはスルートに報告するなどによって大幅にシナリオが変更します。…が、個人的にそこのルートを書く気は無いです。  正直カイラの部屋に関しては丸ごと削除をして運用することを推奨します。
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scenaritrpg · 8 years
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SW2.0シナリオ 『珍味を探して』
シナリオ名  :「珍味を探して」 推奨人数    :4-5人 推奨レベル :6-7 ジャンル     :お使いアドベンチャー 難易度       :★★★☆☆
製作者    :ちゃっしー
●概要    テラスティア大陸ザルツ地方北西にある、“彩の港”ロシレッタ。その街の冒険者の宿「タッフド・パフィン」から急な依頼を受けることで物語りは始まる。  依頼はロシレッタでも有名な“彩の豪商”ダン・シャイロウが主催するパーティーで出す珍味とされる食材の調達だ。PC達は用意された船でファルブレイム島へと出向き、見事珍味を集めきる事はできるのだろうか。  時間制限付きの、ある意味王道のお使いシナリオです。
●導入
 PC達の関係性はご自由に。朝8時に、PC達がロシレッタにある「タッフド・パフィン」にいる事を前提に始めていきましょう。
 朝八時、タッフド・パフィンに慌しく扉を開ける音が響き渡ります。外からやってきたのはコボルドの青年。店の主であるエトピリカは、その顔見知りであろうコボルドから、一枚の依頼書を受け取った。  依頼書に目を通していると、コボルドは急いでいたのか「後はよろしくお願いします」と言い残してすぐさま店を出て行ってしまう。依頼書を読んだエトピリカは、困ったように店内を見渡し、PC達に声を掛けた。  どうやら依頼主は巷で有名な“彩の豪商”ダン・シャイロウのようだ。あのコボルドは彼の使いの者らしい。依頼の内容は、ロシレッタから小船で六時間かけて向かう、“燃える水の島”ファルブレイム島。ここで捕れる珍味を3種類調達し、明日の朝六時までにタッフド・パフィンに届けること。残された時間は二十二時間。更に往復の船旅の計十二時間を割けば、島で自由に動けるのは僅か十時間程度──。契約を重んじるエトピリカは、冒険者達を急かしながらも応援するのだった。
 冒険者達が依頼された珍味は以下の三種。
ギルマンの視神経/1000G
グリフォンの卵/2000G
羽の無い巨鳥の頭部/3000G
 報酬として上記の三つの珍味をそれぞれの値段で買い取ってくれる。羽の無い巨鳥とはラプテラスの事。  このタイミングで魔物知識判定をすれば、エネミーの情報を渡しても問題無し(勿論この場合は弱点値は無効)。
 最期にPC達はエトピリカから島の地図を貰う。  ファルブレイム島へはシャイロウが手配してくれた船があるので、港まで行き、暇そうにしている船首に依頼書を見せればすぐにでも連れて行ってくれる。
 もし町で買い物などをする場合は、30分程度時間が掛かる旨を伝えましょう。
●“燃える水の島”ファルブレイム島
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 ファルブレイム島まではロシレッタから乗る船で六時間。船は、地図下部の船着場に停泊するでしょう。  島での活動の基礎事項として、線で繋がれている隣のエリアに向かうには一時間かかります。走って向かう等のRPをした場合、時間短縮の変わりに息切れによるペナルティ等を考慮してあげてください。
A.船着場兼駐屯地
 この島は冒険者達がお宝を求めて足繁く通う場所である事でも有名だろう。故に、ある程度舗装された船着場、駐屯地として展開されているキャンプ場がPC達を出迎えてくれる。  駐屯地では主に三つの施設が展開されている。
赤色のテントの宿屋。
青色のテントの剣や盾が並んだ武具屋。
黄色のテントのポーションや雑貨が並んだ道具屋。
 それぞれはこの島で利用できる施設として説明してあげて下さい。  ここでは買い物の他に、望めば下部の情報を1d6で出してあげるとよいでしょう。
何もわからない。
山道にはアンデッドが出る。
湖には蛮族が出る。
林には幻獣が出る。
山の頂上付近で、巨大な鳥の影を見た。
採掘場では、過去のドワーフ達の希少な鉱石が発掘できるかもしれない。
 どんどん情報を欲しがる場合は何か買わせる事を催促してもいいかもしれません。  この情報はどれも無くても支障は無いので、NPCから言わせてもOK。
B.険しい道
 この島について最初に辿り着く場所。ここでは冒険の最中に死んでしまった冒険者のアンデッドが徘徊している。戦闘は事前に情報を得ていれば隠れる判定などでやり過ごす事も可能です。  【戦闘:スケルトンソルジャー*5 (ルールブックⅢ)】  ここからは山頂に向かう北側の道と、森や採掘場に向かえる東側の道がある。
C.採掘場
 この島がまだグロスブレイム島と呼ばれていた時代に、ドワーフ達が鉱石を採取していた場所だ。彼らはここから摂れる珍しい鉱石を用い、それによって繁栄したと言われている。しかし、現在は冒険者達によって無秩序に乱獲され、現在は物悲しい岩山がむき出しになっているだけだ。採掘場には他に、壊れた採掘道具や数多のゴミ、いくつもの焚き火の跡がそのまま残っている。  事前情報から採掘道具を持ってきた、もしくは一般技能などを用いて壊れた道具を復元した場合、ここで採掘を行う事ができる。かかる時間は一時間。  ボーナス無しの達成値10。成功で、一つ400Gで売却できる鉱石を1d6個見つける事ができる。
D.林
 ファルブレイム島自体が山の頂上付近で成り立っている場所だが、大破局以降は独自の生態系を築いてきた。山道を東に沿えば、陽の光も入らない鬱蒼と茂る雑木林に辿り着くことができる。  この先では、拙いながらも共通交易語を話す、傷ついたグリフォンと出会うことができる。このグリフォンは冒険者達を歓迎しない。だが上手くRPをこなせば自身が林にいる他の幻獣達を守るボスのような存在で、数ヶ月前に突如現れたラプテラスに林を荒らされているのだという情報をくれる。自分以外のグリフォンはみな殺され、林中の幻獣達もラプテラスを怖がっているらしい。  ここでPC達はこのグリフォンを卵の為に倒してもいいし、見逃してもいい。
 卵の話をしても、グリフォンが譲ることは無い。剣を抜くなどの敵対行動をとれば、すぐにでも戦闘することができる。  【戦闘:グリフォン*1 (ルールブックⅠ)】  HPが0以下になったグリフォンは、生死判定に成功すればそのまま林の奥深くへと逃げ出す。追えばそこは採掘場の裏手へと繋がっており、切り立った岩場の横穴へ入っていく。中に入れば、絶命した血だらけのグリフォンが卵を守るように死んでいることがわかるだろう。こちらのルートに入れば、『グリフォンの卵』を二つ取得できる。  もしくはこのグリフォンにラプテラスを倒す旨を伝えれば、グリフォンはPC達に協力を申し出る。傷ついている為戦闘は行えないが、他の幻獣(ヒポグリフ)を呼び、その背中にPC達を乗せて運んでくれる。こちらのルートに入れば、PC達はエリア移動を自由にかつ片道三十分で行えるようになる(この時間計算はお好みで)。グリフォンは他の幻獣達は、決して戦闘には参加しないので、その旨も伝えてあげると良いでしょう。
E.湖
 ここではまずPC達に危機感知判定を振ってもらいます。出目が一番低かった人物は、足首を急に何かに掴まれ、湖に引きずりこまれるでしょう。  湖では水中戦闘を採用してます。他の冒険者も水中に飛び込むことで戦闘に参加できるようにしています。  【戦闘:ギルマン*4 (ルールブックⅠ)】  勝利後、ギルマンの死体に対して戦利品判定を行う事で一匹につき2個ずつ自動で『ギルマンの視神経』を取得できます。
F.山道
 ここでもPC達に危機感知判定を振ってもらいます。ここでは出目が一番低い者と高い者を選び、以下の処理を行って下さい。もし同列ができれば、その数名だけを更に振りなおしさせ、優劣を決めて下さい。
・一番出目が低かった者  急な坂道を登っている君はある事に気がつく。そう、目の前から直径一メートルほどの岩が君に向かって転がってきているのだ。君は突然の事に避けることも出来ず、その岩の衝撃を身体で感じるだろう。更に1d6。出目によって与えられる物理ダメージに変化。この値からさらに防護点を差し引いて喰らって下さい。 1:35点 2:30点 3:25点 4:20点 5:15点 6:10点 ・一番出目が高かった者  急な坂道を登っている君はある事に気がつく。そう、目の前から拳ほどの小さな石が転がってくるのだ。君がそれを咄嗟に拾いあげると、それが魔昌石である事に気がつくだろう。更に1d6。出目によって、魔昌石の大きさが変わります。 1:5点分 2:5点分 3:5点分 4:5点分 5:10点分 6:10点分
G.火口
 火口ではボス戦闘です。羽の無い巨鳥、ラプテラスと出会う事ができるでしょう。  ここでエンカウントするのはラプテラスだけなので、パーティーが揃っていれば死ぬことは無いはず。多分。  グリフォンに乗って来た場合、ラプテラスに体当たりをうけるなりなんなりしてご退場願いましょう。テストプレイ時は、その際に冒険者ご一行に10mの落下ダメージをプレゼントしました。パーティーの強さを見てこの辺は調整してもいいかもです。  【戦闘:ラプテラス*1 (ルールブックⅢ)】
 勝利すれば、戦利品判定時に自動で『羽の無い巨鳥の頭部』を取得できます。
●エンディング
 ここでは大まかに二つのルートに分かれます。
翌日の朝六時以内に珍味を三つ揃え、タッフド・パフィンに戻る
時間に間に合わなかった、もしくは珍味を揃えきれていない
 依頼達成ルートの場合、エトピリカはPC達を褒めちぎります。ダン・シャイロウに貸しが出来た旨を伝えてもいいでしょう。  依頼未達成ルートの場合、エトピリカはとても残念そうにしています。契約を重んじるシャドウですので、「目が曇ったのかしら」程度の小言を言わせてもいいかもしれません。
 また、上記とは別に、グリフォンと協力しているか否かでも最期に変化します。  グリフォンと共闘し、かつ危害を加えていない場合。後日、PC達宛てに、差出人不明の大きな荷物が届きます。中にはファルブレイム島でしか採掘できない特殊な鉱石の塊。これを売却したPC達は更に、6000Gもの大金を手に出来ます。
 最終的な報酬は以下の通り。 経験点:1000点 ボーナス: 報酬:珍味分を換金+(グリフォンの特殊鉱石)/人数 名誉:10(依頼未達成の場合は無し)
●総括
 シナリオは以上です。  このシナリオで重要なのは「依頼達成」と「グリフォン」です。  依頼を達成すればエトピリカ、ダン・シャイロウの信用が手に入り、冒険者としての名が上がるでしょう。逆にグリフォンと協力している場合は、名声が手に入らない代わりにお礼としての鉱石、そして善い事をしたという満足感を手に出来ます。
●シナリオブック
 自分で肉付けするのが面倒な方の為に、筆者が回した台本をそのまま公開する予定です。ちょっと待ってね。
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