羅列

「なんとなく」という言葉を使うことが多い。本当になんとなく過ごしているからなのだろう。ベンチなどで休んでいる人を見るとホッとする。私が本当にしたいことは、ぼんやりと風を感じたり季節の移ろいをただ眺めたり、今だと初夏の匂いを思い切り嗅ぐことなのではないか。それ以外に何かあるっけ。ふとそんなことを思った。川面の光の粒子はどうしてあんなに綺麗なのだろう。日本一汚い川と日本一のラブホ街がある町を、自転車だけでぐんぐん進んでいた日を思い出す。確か17歳くらい。帰ると親は喧嘩していてケーキが潰れていた。あれは私が買ったケーキなんだっけ。どういう経緯で潰れていたのかどうしても思い出せない。ものすごく遠くまで冒険に行った気がしていたが、距離にして10キロそこそこだったということをつい最近知った。

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