nagi-sea - Tumblr blog

nagi-sea · 5 years

Text

雑記 2019 5/8 12:24

□映像制作(主としてモーショングラフィックス)をしていると「Adobeに頼らないと結局何も出来ないのか……」という気持ちになってきて、最終的にツール制作に走る人の気持ちがわかってくる。

モーショングラフィックスをやっている身としてYoutuberのことを何もバカにできなくて、Youtuberがバカにされがちなのって「Youtubeという既存のサービスを利用しておきながら職業と名乗る」というところにあると思うのだけれど、モーショングラフィッカーだってAfter Effectsがないと何も出来ない。でもそれを言ったら、たとえば映画を撮る人たちだってどこかの会社が売っている撮影機材を使わないと何も出来ないし、という思考の無限回廊に陥り、最終的にはB to Bという構造そのものに対して否定的になってしまう。

でもやっぱり美容師とか料理人とか、人間の根源的な営みに関わる職業の人は強い。

本当の意味で「イチから創造する」ことは不可能とはわかっているけど……。

0 notes

nagi-sea · 5 years

Text

グリーティングカード

彼は薄ら笑いをまとっている

何万行と費やした詩の一片たりとも

伝わらぬ結果なのだと宣告を受けたらしい

翠色のとがったものでおこなったのは

うつくしい理想の描画などでなく

膿の切開に過ぎぬと

たとえば雨の降るように

訥々と告げられつづける心持ちは

果たしてどうだろうか

冷たい雲が空に膜を張って

賛美歌をとじこめている

骨を電車に轢かせよう

グリーティングカードの赤緑には

霜焼けになった思いやりが混入している

薄ら笑いをまとっている

諦めている

あまつさえ冬であるのに

痕跡ひとつものこせないまま

絶え絶えになる心音ごと抱きかかえ

ふるえながら

最後に部屋の鍵をかけたのだ

#poems

0 notes

nagi-sea · 6 years

Text

平成30年度短歌研究新人賞応募作品｢youth｣

velleity‪たとえばきみの告白は雨がやんでも聞こえない声‬

患者にもわざと描きあげない絵にも同じシーツをかける屋上

人間を食べた国には朝靄のオブジェクトだけそこに残った

真っ白な立て看板のあるホーム雲が広告を出したのだろう

六月にアイスクリーム掬うときスプーンに張った膜こそが嘘

更衣室の床がいちばんやさしいとなぜわかるのかは聞けずじまいに

冱つこころ死者が両手を拱いているような波うち際に立つ

すがるべきよすがもなくて眼を閉じる海はつめたいつかればもっと

Take me out somewhere nice 祈るまつ毛のしなりの強さ

かなしみというには足らぬひとときの翳りをつよく塗りつぶす空

夕立がまだ去らぬからレシートを受け取ってただまじまじと見る

‪夢だとはしっていながら唇を盗んでみようとさえ思えない ‬

十代の最後の時を賭して取る免許で僕らどこまでもゆく

縁日のハロゲン灯がぼくたちにそっと許されぬ方角を示す

恋は花山椒はじめて泊まる夜網戸の中の花火はピクセル

べたついた手の感触が残ってるペットボトルにきみのすべてが

河川敷脇の階段に座りこみぼくらは過去の傷を見せあう

起こり得ぬことを信じるそのときを柳がきっと教えてくれる

あまいあめ次の空襲まで数分稲妻とまる町の全景

誰しもが疲れているからつらいねとわかりあえる気がするような夏

上等な空きばこひとつ愛はまだそこにあるのかあるべきなのか

啓蒙の町の娼婦が売りつける日付変更線を引けるペン

ラブホテル自販機にもたれ寝る数分彼女は夢で母親に会う

あたたかくかたいベッドがなぐさめる二十年間飼った孤独を

苦手でも俺の遺灰と思ったら粉薬だって飲めやしないか

真夜中の蛍光灯の杜に立つ形に意味は宿らなくても

よるべなく心墜落する新宿駅南口砕け散って火

渋滞のテールライトが尾を引いて銀河ひとつに命ひと粒

思春期は非常階段の踊り場飛び降りる前に座ってもいい

心臓が鐘になるまで生きた君わたしがずっと覚えてるから

#tanka #短歌 #短歌研究新人賞

0 notes

nagi-sea · 6 years

Text

映像デザイン科の学生として

■4月から映像デザイン科の学生としていろいろ勉強しているわけだけれども、つくづく見識の広さこそが全てだなと感じている。知らないものは作れないし、人間無から創造するなんて無理だなマジで。

僕は音楽が好きなのでいろいろなMVをたくさん観ていて、それなりに好きな傾向嫌いな傾向くらいはあるのだけれど、ことMotion Graphics的な映像の話になると本当に引き出しが少なくて困っている。まあそもそもMotion Graphicsというのがかなり特殊なジャンルだけど……。

加えて、普通にカッコいい映像作りたい気持ちと出典不明の見たことのないような映像を作りたい気持ちがずっと脳内で喧嘩している。｢普通にカッコいいやつが作れない言い訳だろォ？！｣みたいな自問自答を繰り返している。でもぶっちゃけ妥協せずにAfter Effectsに向き合える時間があれば誰でも作れる気がするんだよな……

■困ったことにMV作りたい！つって働き口を探そうとしてもなかなかないっぽくて、先生には｢無名のアーティストと組んでMV作って一緒に売れるしかない｣みたいなこと言われた。一眼レフ買ったらそういうのの依頼受け付けはじめようかしら。まず知り合いから……？やっぱり写真とグラフィックデザインの知識をまず身につけて手に職の予防線張っておいた方がいいのかもしれないな。

■人生で1度くらいバンド組んで見たかったけどもう無理っぽい。憧れなんだよなあandymoriとかGalileo Galileiとか。歌ヘタクソだけど……

写真にも短歌にも詩にも小説にも興味があって、やりたいことだらけで両腕が捥げそうだ。人に1個くらい分けてあげたい。

短歌研究新人賞、獲れますように！！！、！いや、むしろ獲れてる！！！！（？）

#blog

0 notes

nagi-sea · 6 years

Text

煙草の匂いのする海に

▪️自分は二歳からずっと神奈川県で育って、東京からほど近い環境でずっと生きてきたので（しかし東京に遊びに行くことは高校生までほとんどなかった）いわゆるあこがれの地としての東京がわからない。自慢と受け取られる可能性があるのは理解しているが、僕としては帰るべき故郷らしい故郷がないというのは少し大きな、まあコンプレックスという程でもないけど･･････。そういう感じ。

中学の時仲の良かった同級生が群馬に行ったり千葉に行ったり（関東から出てないじゃん、というツッコミはできればやめてあげて欲しい。彼らは誰も友達がいない高校を進学先として選んだのだから）また金沢から上京してくる友達がいたりなど、身の回りには結局大きく身を動かす事になった人が多い。どうか無事にうまくやっていけますように、と祈っている。祈る暇があるなら励ましの言葉でも送ってやった方が生産的じゃね？

自分にしかわからない感傷ならばいっそ捨ててしまうか、大事に取っておくべきだと思う。その見極めはすごく億劫で大変な作業だと思うけれど･･････。

自分はまだ17歳だけど、もしも仕事を始めたら多分一生東京から出ないと思う。人の多い都市でずっと知らない誰かが利用することを前提とした（つまり誰も拒まない）空気の中に居ないと生きていけない。産まれたのが東京（玉川上水）だからというのもあるかも。

でもどちらかと言えば僕は煙草の匂いのする海に帰りたい。このフレーズが出てきた瞬間「これは一生付き合うことになるな」と思った。現にこのタイトルの曲を書いているし。

3/22に18歳になる。そしたら日記をつけ始めようと思う。人に言えない人生を終わらせるつもりで。そしたらブログを書く機会も減るかもしれない。そのうち何かしらのジャンルで有名になって「ブログ読んでます」とか言われたいな。作品に興味を持ってくれている前提で。

関係ないけどex.Galileo Galileiのメンバー達が新バンドを組んだらしいく、とても楽しみだ。僕はGalileo Galilei、Cymbals、Homecomings、それからamazarashiを本当に心から信じている。

#blog

0 notes

nagi-sea · 7 years

Text

TIL 観ました(2017/08/18 23:18:03)

■スズケンさんのTIL(TOKYO INTERNET LOVEを再編集するにあたって改題したらしい)を渋谷で観ました。会場のshibuya gallery ｢arc｣なんですけど、京王線神泉駅から徒歩3分くらいのメゾン神泉というかなりサグいアパートの401号室らしく、完全にこれヤバいやつじゃない？大丈夫？などと思いながら4階に上がっていったら本当にあった。そもそも神泉付近がかなりファンタジックな地形(これは地形だけで町並みはとても現実的)なこともあってか、この辺からずっとなんか夢の中のような気がしてた。僕が見た回は僕の他に4人くらい人がいた。本当に実在してる人間なのかな ■肝心の内容について。ネタバレします(話の本筋は書きません)。音楽の話でしたね。めちゃくちゃ良かったです。強いて言うならTOKYOでもINTERNETでもLOVEでもなくて、もっともっと人間の本能みたいな、感情の一番原始的なところを観測できたみたいな感じがありました。あの最初のポスターの意味がわかりました。会場出てポスター見た時鳥肌立った。チハちゃん(漢字がわからない、そもそも設定されてるのかな)がチューニングの狂ったアコギを独りで触るシーン(弾く、のではなく本当に触っていた。あそこの演技本当にすごいと思う)が本当に綺麗で……。説明は決して多くないのに、伏線はしっ��り回収しててすごいですよね。あの最初の方に出てきた線の意味とか。だからこそ真実味みたいなものが帯びてくるのかもしれない。でも一番綺麗だったのはやっぱり街に出るシーンでした。産まれてからずっと山奥に軟禁されてた女の子が最後に見た街の景色って、どんなに綺麗だったんだろう……。映像として彼女が街を歩くところを僕達は見たはずなのに、そしてそれは実際に美しかったのに、やっぱり彼女の視界とは違う気がする。映画って様々な人物の視点が(時に観客自身も含めて)入れ子構造になっていることが魅力なんだなって思います。そして最後に海に入っていくところも、足首まで浸かった時点で切ることで本当に印象に残るんですよね。 ■観た後、完全に感情が無になりました。自分って本当に俗物に塗れてしまったなあという強めの感傷。消費とか事実とか誰かの作為とか恣意的なものの全てが本当に嫌になりました。純粋な、なんの衒いもない純粋なもの、それだけで充分だと思います。あっ、それがLOVEなのかもしれない。そういうことか？ ■関係ないですけど、明後日親戚のおじさん家に要らなくなったらしいアコギ取りに行くんですよね。なんの偶然だろう。これ観た後だと、アコギがめちゃくちゃ特別なものに感じるよ。ラブサマちゃんのLSCをはじめに聴いた時は｢わたしのうた｣の意味がわからなかったんだけど、今はもうやばいですね。完全に泣く。このための曲だったのか……。良いもの観た後って言葉出ないんですよね。とにかく音楽好きな(特に偏屈な方向性の)人に観てほしい。この上映期間が終わったらなんかしばらくしまっておくみたいなツイートみた気がするんだけど、何らかの形で観られるようになって欲しい……。家に帰ってきた今もまだ夢の中にいるみたい。本当に全部まぼろしみたいな現実だったんだね。しばらくフィクションと現実の区別がつかなくなりそう。そもそもフィクションだって、映画だったら映画としてこの世にデータが存在しているんだからそれって現実じゃないか？

#blog

0 notes

nagi-sea · 7 years

Text

すがりつく手に手を解けないように誓いを結びつけて夕顔咲く場所を選べる花のことを想うきっとブーケになれたら良いね独りきり風を待っても後楽園さいごに取って置きすぎたんだユートピア邦の言葉を忘れても数字で詩を編む青年の日々早朝のファミレス君とほんものの家族になれないまちがいさがし海に雨舌の裏にはシーグラスこときれている潮は錆色呼ばれたら心が落ち着く肩書きはカルテなんかに書かれてないさ思い出をうつくしく飾りすぎたからなにも美味しくなどない食卓人類は最後に自らを絶滅危惧種に指定して去ったのだかがやけよアンプの上のコカ･コーラ次も全てが最初で最後 ‪土曜日の駅前こそが平和だと言葉を忘れた鳥の石像‬ ‪好青年いくら眩しく笑っても決して透けない乳首の秘密‬ ‪あたしはねボディソープを顔に出しあなたのそれを想像するの‬ ‪一人だけ視聴のヘッドホン耳をとじる表現法違反物‬ ‪ひかり射す水中遊歩道走るアクアリウムの新宿区内‬ ‪I feel your sadness 文字だけで今すぐ会いに行くから待って‬ ‪超満員電車はノアの方舟に乗れるか乗れないかの羅針盤‬ 無知のまま生きては行けぬロマンとはただの漠然とした期待だ相席のきまずい2人は晩年に共にうずまるお墓を買った夕暮れがどん帳垂らす高円寺買うものはなく愛があるだけ

#短歌 #tanka

2 notes · View notes

nagi-sea · 7 years

Text

ラブホテル君の精液「天の川みたい」下劣なあたし織姫夏の朝、海と紫煙の青と白、君の唇、小さなほむらそれも嘘どれも嘘よと、じゃあ逆に何を信じるの？「あなたの言葉」グーグルは毎晩私に教えるわ心の相談統一ダイヤル息絶えた猫のまなざし曇る時目薬のように落ちる雨粒君の顔、アクリル絵の具だ、のっぺりと。水彩絵の具の心なのにね。真夜中に孤独をあやす悲しさに泣いちゃいたいのは僕の方なのにじゅくじゅくと心臓が腐り肋骨に絡むフォークとパスタみたいに月面で派遣のウサギが餅をつく餅の味も知らされぬまま八月の小雨のようないつくしみ君の両手に溜めてあげたい結局は「生きよう」という絶望は君が生きてる安堵に似ている夕立に蝉を踏みつけしみじみと思うところがなにもないですぼくたちはきみたちを知りきみたちもぼくたちを知る宇宙戦争四月末はないちもんめにのこされて悲しい心が五月病です親指で画面に気持ちを操々るとか、伝わる思いは小指程度さしまったらしまいっぱなしのままでいいそんなしつけをされてきました不穏にさ、言ってみるなら密室よ二人は月の光に包まり霧がかる新宿のビル群の中このままゆくえをくらませて往く新聞の薄い紙上の片隅に君の名前が明朝体で真夜中の玄関を照らす置時計、置かれた靴が開く舞踏会朝四時の空港で便を待っている君はハワイに閉じ込められて学校へ続くあの長い長い坂多分メロスも走りきれないいくらでも悲しくなれる夜にだけ君をあの曲に当て嵌めてみる二番目の首の骨を取り五番目の骨を取りまた十一番目を君を見た、風でめくれて見えたんだ、首元の個体識別番号いまはそう、人生の中のお迎えの時間なんだ幼稚園でいう深夜にも幾つかフェーズがあるけれど、それを知らずにタイトルにする石鹸は美味しいという僕を間に受けた君はいま遺影の中に安直な体言止めはダメ、絶対意識が高い人になっちゃう動物の動画をシェアする人間の顔を晒したら多分怒るよ雨粒が、ああ水が降る、水が、ああ、排ガスが溶けた、ああ汚い雨しょうがなくオタクですよと名乗ったが、どちらかと言えばだらしないだけ

0 notes

nagi-sea · 7 years

Text

大体のことは三十一音で済むからみんな歌人になろう葬式に行けなかったから真夜中の学校のプールに投げ込んだ花夏の空めくると君の制服のポケットの裏地につながっている文字盤の長針と短針が逢うそれは斬首の鋏にかわるしづけさがコンクリートに吸い込まれただ電波だけが空を巡ったあの人が煙になった日のことを忘れないために煙草を吸うの嘘っぽく笑う赤髪透明な街行け海が赦してくれる照明の紐は文庫本のスピン世界をとざしてあかりを消すことこっそりと被った毛布の中は二人だけの世界だゲームをしようしっかりと夜を見届け朝が来るすべて見ていたのは僕たちだ朝の街。無音で射し込む太陽光。まだ冷えている、それは始まり。とりとめのない言葉たちも31音にあてがえば適切な処置殺すため締めた首にキスマーク見つけてしまい更に刃で刺す冠菊爆発音が眼底の奥で響いた暑い墨田区全身の泡を洗って流す時だけ人はみな人魚になれる iPhoneのメモ帳に書く自らの半生新時代の遺書「好き」、それは塩素のような純粋さ。ただひとつだけで清らかな白いつだって孤独であると気付きつつ隣人もまたそうであるらしい冬の朝無人の野音で見る夢は轟音の中君をみつける池袋夏の弔い済ませたら冬がくるめく雨につれられオレンジの街灯が夜をオレンジに染め上げ音が消えていく街血飛沫になった君はまだここにいる 9と3/4番線お帰りの際は超新星爆発に巻き込まれぬようご注意ください新品のカレンダーを買う、あとこれを八十何回買えば終わるさ誰にでもやさしいひとは自らにだけはやさしくないのだろうね寝過ごしたまま降りようにも降りられずどこかへ運ばれている人生ですがらんどう、後は出てゆくだけの部屋窓から桜が餞別がわりに飛びこまずちゃんと電車に乗れたことそれが最後の採点項目ひもじくておざなりの愛しゃぶる夜冷たく乾く浴室の床このたびはこのような事になりまして燻る空に��った人々今だから言えるすみませんそこのなけなしの愛取ってくださいさみしさは春の番組改編が攫ってくれるさ、なまぬるい雨彼は書き損じのラブレターを痩せた山羊に食べさせ育てていた

0 notes