Tumgik
from191970 · 11 months
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230604
青組、速いです!赤組、頑張ってください!
マニュアル通りのやる気があるのかないのか分からない実況と聴き覚えのある、あの急かされる音楽で目を覚ます。
今日は近くの学校で運動会が行われているらしい。
そういえば 私も放送委員で同じような実況をしたっけ、と振り返る。小学生の頃、放送委員は運動会で担当の時間に自分の好きな曲を流して良いというルールがあり、私は一番ハマっていたアイドルの曲を流した。当時好きだった男の子に 「これ絶対○○(私)が流したと思った!でもちょっと(テイスト的に)違くない?」 と言われたことを思い出す。
放送委員という権力の下に 私は中学生になってから軽く暴走していた。朝にミセス、昼にマイファス(騒がしくない曲)、ユニゾン(騒がしくない曲)などを流していた。挙げ句の果てには、とある先生から 「君が担当の日は騒がしいね。」 などと皮肉を言われたのだが、やはり捻くれていた私は 黙って聴いてくれ、と反省などしていなかった。今になって振り返ると、甚だ迷惑な生徒だったと思う。
今日は朝から起きることができたからなのか、1人で出かけようという気分になった。
お気に入りのヒスのキャミを着る。
12時半が過ぎた頃、東京駅に着く。
高校3年の時の担任が骨董市で露天商として出店しているので、近況報告を兼ねて久しぶりに会いに行く。お土産を買って行こうとふらっとお店に入る。
「紫のピアスめっちゃ可愛いですね!」
レジをしてくださったお姉さんについ最近開けたナベルのピアスを褒められる。
私ファーストピアスこんなに可愛くなかったんですよ〜
私、これファーストピアスなんです、1週間前くらいに開けたばかりで
そうなんですか!いいな〜 可愛いです!
ありがとうございます〜
勢いで開けたピアスに母は苦言を呈していたが、褒められたことで肯定されたような気持ちになった。
完全に気分が良くなったところで恩師に会いに行く。
先生、お久しぶりです!
ん?誰だ?
前回も 誰だ?と言われたので思わず笑ってしまいながらマスクを取る。
〇〇です
お〜!!久しぶり!
就活が終わったことを報告する。
先生には、進路相談の際に 世間的に需要がある方を選ぶか、自分のやりたい方を選ぶか、と悩んでいることを話したことがあった。
「自分がやりたい方をやりなよ。」
「学校名よりも学部よりも大学生活において何か一つやり遂げることを経験しよう。」
このアドバイスがあったおかげで、大学生活で一つ成果を残せたこと、自分が選択したやりたいことが実際に仕事で活かせること、何か道を選ぶ時に自分がやりたい方を選択できるようになったことへの感謝を述べた。
「大学で学んだことを就職して仕事で活かせる人なんてほとんどいないんだよ。俺だって、文学部は国語の教師になるしかないしな。だから、〇〇がやりたかったことが実際に仕事に活かせる所に就職が決まって良かったよ。いや〜今日は酒が美味く飲めそうだな〜。」
先生の最後の教え子になることができて光栄だったな、と思った。
電車に揺られ、14時半頃 高円寺に到着する。
今日は朝から何も口にしていなかったので、お気に入りの喫茶店に向かう。
アイスコーヒーとコーヒーゼリーを注文する。このお店はコーヒーゼリーのトッピングをアイスクリームか生クリームか選べるというちょっとした贅沢がある。
ゼリー好きなの?
はい、コーヒーゼリーが特に好きなんです。
マスターは、お店のコーヒーゼリーのこだわりや作り方などお話してくださった。そして、私の地元の話、就職後や残りの大学生活についての話を交わす。
「いっぱいバイトしてたくさん旅行に行きなね。」
学生生活もあっという間に終わりが見えていることに寂しさを覚えながら、残りの時間を有意義に使いたいと思った。
商店街に入り、以前行ったことのある古着屋さんに向かう。
インスタに投稿されていたハーレーのトップスが気になったためである。これは買わないといけない、と久しぶりに直感で感じたのだ。
店内に一歩足を踏み入れると古着屋さん独特の香りがする。素敵な古着屋さんは、あのお香の香りがする。
店員さんと話を交わす。就活が終わったご褒美に気になったトップスを見に来たこと、バイトを掛け持ちしようと考えていること、本当は古着屋さんや喫茶店で働きたかったこと。
「ウチ、最近 求人募集してて。」
求人募集って正社員さんだけかと思ってました
まあバイト場合によってはアルバイトも考えてて
え、そうなんですか!
オーナー上にいるので ちょっと呼んできますね
暫くするとオーナーの方がいらっしゃった。
どこから来たの?
私〇〇で、〇〇から〇〇分くらい下りです
下りなのか〜 場所どの辺りなの?俺の地元〇〇なんだけど
〇〇?!私も〇〇なんです、最寄りは〇〇なんですけど…
遠かったでしょ?俺も遠いのわかるから。
まさかの地元が同じという奇跡が起こり、最近で一番驚いた。
お二人にもヒスのキャミとナベルのピアスについて触れられる。有り難いことに他にも色々とお話することができた。
(君は)真面目でしょ?いい子だよね
やってみたかったら良いんじゃない?
お店を後にし、再び駅に向かう。予想外の展開にふわふわしながら歩く。やりたいことや夢は口にすべきだとよく聞くが、本当にその通りかもしれない、とぼんやりした頭で考えていた。
動揺した心を落ち着かせるかのようにコンビニに入る。レジ待ちの列に並ぼうと、近くにいた男性2人組を避けようとしたところウエハースが1つ落ちてしまった。2人と目が合う。
あ、すみません
こちらこそすみません
あの、〇☆*#!〜〜
1人は酔っているのかシラフなのか判断に困るような状態で、もう1人が申し訳なさそうに苦笑いをしていた。
なんか お姉さん いい匂いするね
おい、気持ち悪いからやめとけって
いえいえ 良かったです(?)
謎の会話をして店を出ると先程の2人も同様に駅に向かっており、自然と会話をする。
え!お姉さんそれヒス?
そうですヒスです
俺もさあ、30年前はヒス好きで!着てたんだよ
え、本当ですか!
うん、あの〇〇〇〇のデザインのあったじゃん、知ってる?〇〇〇〇!
〇〇〇〇って言うなよ
ああ!知ってますよ
ほら!知ってるって!〇〇〇〇!
50代くらいの方に見えたが、若い頃はヒスをよく着ていたらしい。高円寺を感じる。
お姉さんやっぱりいい匂いするね
香水ですかね?
お前、、セクハラになるぞ
香水〜??
酔ってるのか酔ってないのかわからないその人は私に近づいて匂いの元を辿ろうとしていた。
普段ならば警戒心を持って離れていただろうが、その時は何故か この人面白いな〜、くらいにしか思わなかった。
ヒス似合ってるよ!素敵!
お姉さん ごめんなさいね〜〜
いえいえ!ありがとうございます
電車に乗り、今日一日を振り返ってみる。
高円寺、やはり面白い街だ。
今日は本当に出会いに恵まれた日だったな、と
感謝した。
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from191970 · 1 year
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230520
8時間のバイトを終え、帰宅して夜ご飯を食べる。最近は体調が芳しくないからなのか、あまり食欲が湧かない。おまけに普段なら気にも留めない生活音に不快感を覚える。珍しく頬にニキビができた。
溜まりに溜まった疲労がどっと襲って来て、そのままベッドに倒れ込んだ。
ぐらつく左下1番がポロっと折れる。血が滲む味がする。せっかく歯列矯正をしたのに歯医者への通院をサボったからだ。後悔の念と不快感で堪らなくなって叫びそうになる。
夢だった。
今回は1本で済んだが、ここ半年くらいで歯がボロボロに抜けていく夢を何度も見るようになった。しかも何故が下の歯だけである。非常にリアルな感触と匂いがあり、目が覚めると思わず鏡で確認してしまうほどだ。思い過ごしかもしれないが、メンタルヘルスに負荷がかかるとこの夢を見る気がする。まったく甚だ迷惑な夢である。
歯が無事であることを確認し、煙草を吸う。
以前、喫煙者の友人にいつ煙草を吸いたくなるのか、と問うたことがあった。彼は、お酒を飲んだ時、仕事などが煮詰まった時や気分転換のために吸うと答えた。
最近は なんとなくその気持ちが分かるようになった気がする。
とあるアプリをインストールした。目的は、友達探しと色々な人の話を聞くため。プロフィール欄に 最近嬉しかったことを教えて、と書いた。
"ナスが好きだったことに気づけた。"
一通のメッセージが届いた。
素直に 素敵だ、と思った。
誰かの喜びを見ず知らずの私に教えてもらえるのは、ちょっとした秘密を共有しているようで特別な気分だった。
誰かと何かを共有すること、共有したいと思える誰かがいることは尊いことだと思う。そして、欲を言えば、その共有したい相手が私だったら良いな、などと考える。
メッセージをくれたその人は、反対に私の最近嬉しかったことを尋ねた。
好きなバンドのライブが当たったこと
夏が楽しみになったこと
と答えた。
返信が来る。
"早く蝉の声が聞きたいですね"
夏、と連想するものは数多あるが、"蝉の声"というチョイスにどこか風情を感じた。
鬱陶しく感じてしまうあの鳴き声すらも待ち遠しくなるような。
今年の夏は何をしようか。花火でもしたいな。
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from191970 · 1 year
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230514
7時に目を覚ます。あと5分だけ、暖かい布団から離れられずに再び目を覚ますと7時半を過ぎていた。二度寝はなぜこんなにも気持ちが良いのだろうか。
10時51分、吉祥寺駅に着く。今日はアプリで知り合ったIさんと初めて会う日だ。到着したらまた連絡します、と予めメッセージを送る。私は10分前くらいに目的地に着いて一呼吸置く時間が必要なことが多い。10時58分、着きました、と連絡をする。「時間ぴったりですね。」 と言われた���
気になっていた喫茶店でカレーを食べ、映画館に向かう。『パリタクシー』という作品を観た。無愛想なタクシー運転手が とあるマダムを乗せる。彼女の人生の思い出をなぞり、パリを巡る "寄り道" をするという内容だった。フランスが舞台の映画は非常に情景が美しくて見惚れてしまう。この作品は風景、音楽、ストーリー、時代背景、どれを取っても印象的で気づけばラストシーンで涙を流していた。もう一度 大切な人と一緒に観たいと思える作品だった。
別の喫茶店に行き、感想を共有する。映画はひとりで観るのも良いが、こうして誰かと感想を共有するのも別の視点からの発見を得られるから良い。
ハーモニカ横丁で夜ご飯を食べながら色々と話をする。Iさんは、言葉に真摯に向き合っている人だった。彼は、言葉は一番その人を表現するものだと話した。顔や服装よりも使う言葉一つ一つがその人の本質を表し、言葉遣いでその人を認識する、と。だから、彼は誰かと話す時も文章のやりとりも非常に熟考しているらしい。考えが上手く表現できなくても、発する言葉が綺麗な人は魅力的だと言う。彼は、感情や伝えたいことをどうすれば出来る限り相手に伝えられるかを意識している話し方だな、と感じた。一つ一つの言葉を絞り出すようにゆっくりと感情を吐露するような、言葉に対して非常に誠実な人だった。
彼は私に「メタ認知を意識して話していますか?」と尋ねた。私は共感性、傾聴力や理解力のある話し方をしている、と話す。私は元々 意見の異なる人に対して自分の意見を意地でも通そうとする非常に利己的な人間だった。現在は、とあるきっかけから、理解力のある人間、意見や思考が違っていても "そういう考え方もあるよね" と思える人になろうと意識、注力している。共感はしなくてもいいから、尊重して理解をする。ここ数年でやっと少しずつできるようになったと思う。だからこそ、意識的ではなかったが、"メタ認知"をどこかで認識し、自己中心的ではない円滑なコミュニケーションを取ることができるようになったのだと感じる。
言葉は不完全だ。人が同じものを同じように認識するために使うものであり、その考え方を完全に一致させることは限界がある。それでも言葉を介さなければ、お互いを理解することができない。感情だけのやり取りができないと理解した上で、可能な限り 相手に対して誠実に言葉を使うことが重要だ。だからこそ、本を読んだり、映画を観たり、色々な人と話したり、知見を得ることで、誰かに対して 誠実に感情に寄り添いながら より適切な言葉をかけられるようになりたいと思う。
私は、自分の話す言葉や内容が稚拙ではないかと心配する節があるのだが、言葉遣いが素敵だと言ってもらえたことで 少し自信を持って話すことができた。
未熟なりにも、誰かの痛みや孤独に一緒に寄り添い、感情を伝えられる人、この人になら話せると思ってもらえるような人になりたい。
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from191970 · 1 year
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230512
目が覚めると、家を出る予定の時間を1時間切っていた。最近は準備の時間が早くなったため、なんとか間に合うと思ったのも束の間、我にもなく再び瞼を閉じてしまっていた。まだ冷える空気を感じ目を覚ますと、すっかり出発時刻を過ぎていた。
時既に遅し。間に合わないことが確定したので、開き直って本日三度目、夢の中へと帰る。今日の夢は割とはっきりとしていたのだが、こうして思い返して書き出してみるとすっかり忘れてしまっている。一時期は夢日記を書いていたのだが、今はもう辞めてしまった。あの時何回も聴いていた曲、繰り返し読んだ本、大好きだった人を時間と共に忘れてしまうように、夢もふっと消え去ってしまう儚さがあるからこそ良いのだ。
講義を一緒に受ける友人に連絡を送らなければとLINEを開く。いつもならば恥ずかしくも 体調が悪い、というような言い訳が浮かぶのだが、今日は素直に寝坊した旨を送った。その後、友人から "アズカバン送りじゃな"というスタンプが送られてきた。ハリーポッターのスタンプであること、ダンブルドア校長であることは分かった。しかし、作品を通して観たことがないため、その真の面白さが理解できなかった。以前より別のハリーポッターが大好きな友人に会う度に何度も試聴するように念押しされていたことを今になって少し後悔する。知識があるだけで面白さ、理解度や解像度が高くなる。会話のきっかけにもなる。この一年は色々な知識をインプットして、誰かの話に対してより共感したり、面白さを提供したりできたら、などと考えた。
16時に予約していた美容院に向かう。実に2ヶ月放置してしまった髪の毛を救済してもらう。美容師さんとは早や8年の付き合いである。一回り歳の違う人とかれこれ8年も付き合いが続いているのは殆ど奇跡のようにも感じる。お互いの趣味嗜好が似通っていることもあり、年齢差を大きく感じたこともない。私の捻くれた性根も理解して笑ってもらえるので、ついつい話し込んでしまう。
彼(美容師さん)はブレない軸を持っているように感じる。今日話した話題の一つにおいてもそうだ。彼の意見や考えと異なっていても、理解力を持って話を受け止める。しかし、必ずしも共感をするわけではない。「それは違うと思う。俺はそう思わない。(でもその意見は尊重する。)」 自分自身の信念や軸を曲げずに堂々と話す彼はかっこいいなと感じる。私もこの8年で理解力や傾聴力のある人になろうと努力したが、その上で自分の気持ちに正直になって堂々と話すことはできているかと言われると難しい。相手の顔色を窺わないで自分に正直になることも時には大事だよね。
就職したらしっかり貰うから学生のうちはこれでいいよ、と割に合わない料金を提示される。就職して引っ越しをしたとしても きっと通うと思うので待っていてください、と答える。
帰り道、この空間で過ごす数時間はいつも特別だなあ、とサラサラになった髪の毛を触りながら呟いた。
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from191970 · 1 year
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230509
目が覚めると朝の8時2分だった。アラームは8時半から5分おきにセットしていたのだが、どうやら必要なかったようだ。煩わしく感じるあの音に起こされずに自然と目が覚めたのは久しぶりで、なんとなく良い日になるような予感がした。
今日はKと遊ぶ約束をしていた。これは毎回お馴染みなのだが、Kと私は計画性が無いタイプなので前日の夜になっても集合時間はおろか行き先も決めていなかった。気づけば日付が変わって深夜1時を回っていた。
湯船に浸かって予定を考えているうちに、私の悪い癖なのだが(これは後々話すかもしれない)湯船ですっかり寝てしまった。
目が覚めると4時12分で しまった、と思った。
LINEには 死ぬど という文字が送られていて、何故かこの3文字に彼女の優しさを感じた。
11時に原宿駅に到着。1ヶ月ぶりに会う彼女は可愛かった。表参道まで歩き、美味しいと有名なパン屋さんに向かう。1時間ほど列に並び店内に入る。ずらっと並んだパンはどれも食べてみたいと思わせるものばかりで、今までパン屋さんでここまで胸が弾んだ経験は無いな、などと感じた。
天気が良かったので、代々木公園でピクニックがてら買ったパンを食べることにした。
ベンチに座り、厚切りベーコンとチーズが入ったパンを齧っていると、1人の女性が近づいてきた。「これは勧誘でもなんでもなくて…」想像通りの宗教勧誘だった。片言の日本語で一方的に話をされる。宗教学を学んでいたこともあり、信者の方に直接話を聞けるチャンスだと質問を考えるなどしていた。最後にされるがままアーメンと言わされると、「あなたはもうこれで天国に行けます。大丈夫です。」と言われた。入信もしておらず、ただただ流れに任され唱えた言葉一つで天国に行けるのか?そもそも天国に行きたいとは私は口にしていないのに、などと考えていると女性はスタスタと足早に去っていってしまった。嵐のように。質問ができずに少しがっかりしていると、Kは「なんで真面目に聞いていられるんだ」と笑っていた。私は、自分の死んだ後のことなんて、死んだ経験が無ければ分かるわけがないよな、とぼんやりしていた。死後より今この瞬間を共にしているKとの時間のほうが大切だよな、と私も彼女と一緒に笑った。
横にいるKが突然叫び声を上げた。声の方向を向くと、50cmくらいの距離に烏がいたのだ。烏をこの距離で見たことがある人はどのくらいいるだろうか。想像以上に怖い。ああ、この嘴で突かれたら終わりだろうな。人間としての生存本能が動いた気がした。気がつけばパンそっちのけで彼女は逃げていた。当たり前だが。烏は彼女の7つほどパンが入った紙袋を覗き込むと、1つのパンを袋ごと口に挟んで少し離れた木陰へ飛んでいってしまった。あまりに一瞬の出来事に呆気に取られていると、彼女は泣いているのか笑っているのか分からないような声で、烏に言葉を投げていた。
「1時間も並んだのに!私のクイニーアマン!」
彼女が一番楽しみにしていた林檎のクイニーアマンをこちらの様子を伺いながら食べる烏。ただただ見つめる彼女とその様子を見る私。もはや驚きと悲しみを超えて私たちは大爆笑していた。3つほど離れたベンチに座っていた外国人がこちらを見て笑いを堪えきれずに口元に手を当てている。笑うな。こっちは真面目なんだぞ。でも、彼に笑いを提供できたので良しとする。
流石に面白さを共有したくてインスタのストーリーに投稿する。"泥棒"と烏の動画を載せる彼女。そこに返信をする共通の友達M。その内容は伏せるが、所謂"シャデフロで草"といったところだった。Mは二言目に「焼き鳥にしな」と送っていた。笑いが収まらない私とMに対し、Kは「(私)とMは似ている」と言った。共感方法の一つが過激派に寄るところが似ているらしい。それは如何なものかと思ったが、Kは「それが面白いからそのままでいてね」と話した。
代々木公園は、犬の散歩をする人、ランニングする人、レジャーシートを敷いてピクニックをする人、それぞれがそれぞれの時間を誰にも干渉されずに過ごしていて良かった。何人たりとも邪魔されずに各々の時間を過ごしているようだった。シャボン玉を浮かべる少年が美しかった。
Kも同じことを考えていたようで、同じ空間で同じ考えを持って共有できたことが嬉しかった。
彼女はここ一年でかなり服装の嗜好が変わった。街をゆく靴はスニーカーに変わっていた。彼女の恋人の影響だという。恋人が好きだというニューバランスのスニーカーを彼女もまた好きになったそうだ。普段は落ち着いて話す彼女の高まった声。恋人や誰か好きな人、大切な人や気になる人の好きなものを自分もまた好きになりたいと思う感情は物凄く愛おしい。可愛いね、愛おしいね。幸せでいてね。
渋谷に行き、2人でお酒を飲んだ。私たちは会話が多い方ではないが、無言の時間も心地良い。お互い自然と手を組んで渋谷駅に向かい、電車に乗る。私よりも早く下車する彼女が別れ際にサラッと私に向かって「可愛いね」と言い、電車から降りた。珍しくそんなことを言われたものだから、ちょっとキュンとした。ちょっとだけだよ。
カップにうさちゃんを描いてくれたスタバの店員さん、拙い英語を理解しようとしてくれた外国人の方、ピアスのコーディネートが素敵と褒めてくれたピアスショップの店員さん、くだらない話や日々のネガティブな話も静かに聞いてくれる友人。日々の中でこういった些細な嬉しいことが、ぎゅっと詰まった1日は幸せだなと感じる。
私も誰かにとって些細な幸せを提供できる人になれるかな、なりたい。
Tumblr media
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