Tumgik
epwf · 2 months
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春だからか、過去のことを考える。今年の冬は、なんというか、長いとか早いとかではなく、軽く舞って深く降り積もる雪みたいな質量だったというか。
その前の夏や、ここに来る前の出来事や感覚が覆われている。
それで、過去のことを考える。思い出すではなく、考える。
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epwf · 4 months
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231222
1人で深夜まで起きているのはいつぶりだろう。冬至。こちらは、はらはらと雪が降りました。昼頃アスファルトの上を雪の粒が転がって、道路の隅に溜まって凍っていたから積もるかもと思ったけれど、積もらず、しんしんと寒い。家も店も長屋で、勤め先はコンクリート打ちっぱなしで、どこにいても寒い。足が凍る。とにもかくにも、クリスマスイブのイベントに向けて、夜なべして製本中というわけです。太宰治の駆け込み訴えを皆で読むのです。今年はいろいろありました。古本屋を開店しました。常連さんも数人ついてくれるようになりました。トークイベントや読書会もぼちぼち。わたしはまだ会社で週5働いて、昼休みには家に帰ってご飯を持って店に行き、また会社に戻って終業後すぐに店に行く。休みの日には少し遠くにドライブして、おいしいものを食べる。あるいは読書会の本を読み、レジュメ作ったり、焼き菓子をつくったり。来春には勤め人をやめて、喫茶をします。ビーフンを出したくて、この頃の夕飯はビーフン三昧。3年くらいお店を続けられたら、そのあとは一度旅をして、気に入った海外の街で1年くらい暮らしたい。ポルトガルが有力候補。その後のことはわからないけれど、どこかの山へ。そういう10か年計画。隣に居てくれる人がいて、心配しなくても日々が過ぎていく。そんなかんじで、楽しく生きているのだけれど、思っていることを全く自分の中で掴めきれず、掴もうと頭抱える夜もなく、放置しているのが気がかりで、久々に書き出してみたのだが、掴める気配がない。たしかにあった痛み、違和感を放置している。動かしたいと思っているところがあるのに、わからなくて、固まっている、滞っている。
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epwf · 11 months
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230618
みなさんおげんきですか。東京は相変わらず今年も暑いですか。仕事で観光用の地図を作るんですが、その参考にしているものが、上野から秋葉原、蔵前あたりのもので、私の通っていた学校やバイト先がちょうど入り込んでいて、この地図の端から端までを何度も歩いたなと思い出しながら、「これと同じサイズ感で作るなら、別府であれば別府公園から東別府駅まで入ると思いますよ」とそれぞれの街を歩いた感覚で発言していました。そのとき、私は東京を離れたのだな、とはっきりとした区切り目のようなものを初めて感じました。東京の街は外側も中身もどんどん変わってゆくので、いなくなった人の居場所は多分すぐに無くなると思います。もう私の東京は消えつつあるのだと思います。でも、誰のものでもなく、誰のものにもなりうる、そういう場所はいくらでもあって、きっといつか東京に帰ったとき、私はそこに嵌まり込むんだと思います。かつて自分がいた場所や、そこに居続けている知人を眺めながら、幾つかの岐路をなぞり直してしまうだろうと思います。東京��暮らしの拠点を置くことは、今後きっと無いだろうといまのところ考えていて、そうすると、50歳になった頃には、東京の生活よりも、それ以外の場所での生活のほうが長くなる。そんな日が来ることを想像すると少しこわくなります。なぜだろう。
別府での生活はとても楽しいです。なんやかんやでこのまちにやってきた流れ者が多くてとても居やすい。観光地であるだけでなく、留学生の多い大学もあり、道ゆく人の国籍も多様です。若い人が300人くらい、商店街のあるエリアに一気に移住してきたら、すごいことになると思います。逆に言えば、今はあまり元気がない。はたらく場所がないから、進学で別府に来ても就職で出てしまう人が多く、市もそれを課題としていますが、どんどん増える空き店舗に、若い人たちが一気に入居して何かすれば、ここは楽園になるだろうと妄想します。楽園を作りたいので、私たちは、ひとまず自分たちのお店を始めてみようとしています。たまたま同時期に移住してきた同い年の脚本を書く子や、インドネシアから来ている料理好きの子たちと楽しく何かをしていれば、誰かがここで暮らそうと思うきっかけになるかもしれない。それを楽しみにしながら、まずは自分たちが楽しくやっていこうと思います。別府育ちの古着屋の店員や、数年前からお店をする先輩など、同年代の人たちが、最近いい流れが来ている、と言っているので、その流れに乗らせてもらいつつ、止めないようにしたいなと思います。
仕事の関係で別府の歴史を調べています。他の地方都市の歴史をこれほど詳細に調べたことがないので比較はしかねるものの、別府の歴史は、都市としては明治以降に急激な成長をした短い歴史ですが、戦火を受けなかったこともあって戦前の名残がまちに残っているので、たった今このまちに来た私にとっても面白いのです。この数ヶ月の間にも建物が一瞬にして壊されるのを見たり、近所の空き地が急に駐車場になったり、あと10年もすれば、過去の名残もすっかり無くなってしまってもおかしくないと思うので、本当にぎりぎり、このタイミングに来れたことは滑り込みセーフだと思います。今住んでいるところも、後10年持つのだろうか。住んでいる間に、立退や取り壊しに立ち会う可能性があるなと思いながら、大事に住み始めています。
別府は泉都のイメージが強く、私もここに来るまではそれしか知りませんでしたが、温泉の存在はここを戦後1番の引揚都市として、福祉のまちとして育ててきました。焼肉屋や冷麺が多いのは、戦後にそれで生業を立てた引揚者たちがたくさんいたから。街中で車椅子の人とすれ違うことが東京よりもずっと多いのは、太陽の家という社会福祉法人が60年近く活動しているからで、その元を辿れば、戦前から軍事医療都市としてさまざまなひとを受け入れてきたという歴史がある。
まちを歩いていると、共同温泉の真向かいがラブホテルだったり、中高の教科書販売店の数軒となりがピンクサロンだったり、戸惑ってしまうこともあるのですが、これはかつて遊郭街があったときからの名残なのではと思います。別府の遊郭は、吉原や飛田新地のように、市民生活の場から隔てられずに街に点在していたといいます。温泉を出たばかりのほとんど裸の女が歩いていても気にしないような、これは戦前の話ですが、今でも共同温泉ではタオルで体を隠す人はまずいませんし、ちょっと飛躍しすぎかもしれませんがまだ路上喫煙が禁止されていなかったり、身体的な解放感があるまちなのだろうと思います。遊郭の歴史にはもちろん女たちの暗い側面がありますが、温泉がもたらす身体や性に関することへのこの寛容さは、ジェンダーについての語りに何かしらの作用をもたらすのではなかろうかと思います。
もっと個人的な日記を書くつもりが、暮らし始めてそろそろ3ヶ月が経とうとしているころの、まちへの所感みたいになってしまいました。初めてこの辺りを歩いた時は、寂れているさみしいところと思ったけれど、しばらくいると居心地の良さがわかってくる。木曜日から発熱していて、40℃まで上がって、会社をしばらく休んでいるあいだ、Kは私を看病しながら、新生活の始まりがひと段落ついて、熱と一緒に全部落として、また始まりだね、というようなことを言っていて、その前に何か書いとかなきゃなあと思ったので、いま書いています。熱も下がり、明日からまた始めようと思います。
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epwf · 1 year
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2304 4月の後半は寒の戻りと夏の気配が行きつ戻りつな感じで、冬のコートと薄手のジャケットを交互に着るような気候。すごく寒かった日、いつもは熱すぎる温泉が、身体の芯までつよくつよく届いてきて感極まる思いがした。暮らしているこの古い家は冷え込みが激しく、今から真冬のことを想像して震えるのだけれど、一日のうちにからだの奥底からあったまる時間が15分あるだけできっとやっていけるだろうと信じられる。温泉への信頼が日々膨らむ。寒かった日の翌日、誰かが水をたくさん入れてぬる湯になった湯船に、ぬるいわあ、ぬるいわあ、と声を揃える近所のおばあちゃんたちのように、この熱さから離れられなくなってゆくのだろう。温泉を上がって帰路に着く。西に聳え立つ山並みと平行に歩く。夕暮れの銀色に放たれた光、空の変幻色、緑の陰影。目を閉じて鳥のように羽ばたけば、すぐにあの山のてっぺんまで飛んでいけそうだ。信号待ちをしていると、船の汽笛が聞こえてくる。山から流れる空気と海の気配が街中で混ざって満ちている。引っ越してきて一月が経った。ここで生活が回っていく。
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epwf · 1 year
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230416 休日。本棚の設計を考えて、必要な木材に検討をつけてから出掛ける。木材を買う。どうカットするかを計算する作業に頭を使ってくらくらする。それから今週分の野菜を探して、スーパーや八百屋を回る。コープが良さそうだから毎週末に通おうと思う。買い物だけで夕方になってしまって、本棚の組み立ては明日に延期する。買ってきた食材をまとめて調理。無農薬の大根が手に入ったから、そのおろし汁でずっとやりたかった塩水漬けのスターターを作って、大根や蕪の切れ端をつけた。その間にKが木材のヤス��がけしてくれた。
/17 店舗の物件の内見をした。店を始めるまでの流れやスケジュール感がなんとなくわかった。少し話を聞いただけなのに体力を消耗してくたくただった。店をやることになったら相当な活力が必要だと覚悟する。昼ごはんに作ったおろしなめこそばを一瞬でかき込む。午後は大型本や単行本用の本棚を作り、本を並べる。夕方、朝見に湧き水を汲みに行く。ご飯食べてジモ泉行って、夜には創業支援の法人に相談してみようと問い合わせをした。
/18 はたらく。27℃にまで気温が上がるとの話だったが、夏のような暑さではなく微妙な生ぬるい気候だった。夜、母と電話。こっちに遊びに来る予定について話す。夕飯におからとキャベツでお好み焼きを作ろうとするが生地がまとまらないまま炒め物になった。それでもソースをかければ味は間違いなくお好み焼きで、おいしくかき込んだ。食後にKといろいろ話す。仕事で思うこと、生活してゆく態度、外へむける態度について。話しながら頭にチラつくと言ってKが本棚から探してきた花田清輝の評論集を読む。毎晩身体の冷え込みを感じるけれど、明日の夕方にはまた暑い温泉で芯から温まることができると思うと寒くないし、環境の変化の激しいこの時期にあっても体調がすこぶる良い。
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epwf · 1 year
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230411 朝、さんふらわあでお風呂。温泉に慣れてきて、ただの湯船に物足りなさを感じる。船の中で立派な大浴場に入れることにもっと驚くべきかもしれないけれど、あまりに当たり前に風呂があって、船の揺れも音もしないし、海の上であることを忘れてしまう。テラスで朝日を見ながら着岸し、家に帰って、出社。昼休みに一時帰宅すると、いいところでみーちゃんが寝ていた。さんふらわあの歌を気に入って、Kと歌っている。
/12 はたらく。ジモ泉の前で風呂上がりのKと話す。夕方に覗いた魚屋で、酒と鰤の切り身をタダで分けてくれたらしい。魚屋の人の思いやりはもちろん、このひとにはあげてもいいなと思わせるようなところがKにはあるよなあと思う。それらの半分を刺身に切って食べ、さらにその半分を醤油麹につけて明日は漬け丼にする。切り身の残りは塩麹につけて保存して今週どこかで焼いて食べようと思う。
/13 はたらく。外に出ていて3時間残業だったけれど、楽しかったから良い。ジモ泉に寄って帰る。骨ばった体つきの若い女の子が、ぼんやりした顔つきで時間をかけて身体を洗っていた。さんふらわあのタオルを使っていた。
/14 はたらく。終業後に陶芸教室。小丼をつくる。帰宅したらガスオーブンが届いていた。仕事の疲れが出てきていたけれど、部屋の整理をしたり、展示カタログやレシピブックを眺めるうちに頭がすっきりしていった。
/15 この頃、朝どうしても眠りが気持ち良くて起きたくない。仕事へ行きたくない気持ちはさほどないけれど、眠っていたい。朝の微睡に引っ張られながらはたらきにゆく。帰ると路地にみーちゃんがいて、屈んで挨拶をすると擦り寄ってきたのでそのままうちの前へと誘導し、にぼしをあげた。夕飯におから炒めを作っていたKに合流して、鮭と豆腐を焼く。夕飯を食べてから、会議をする。これからのこと。やること、店のこと。6月までにフリーペーパーを出そうと話した。流動する運動体としてやっていくために。やっぱり貸本屋もしたいから、システムを編み出したい。
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epwf · 1 year
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230409 船で眠る。朝方、風呂に入って、外の見える席で対岸の淡路島を眺めていた。地図を起動して、むこうで点滅する灯台の名前を調べた。江埼灯台。いつかあの灯台から海を眺めたいと思う。瀬戸大橋をくぐってしばらくすると大阪が見えてきた。下船して電車に乗る。太陽の塔と民博を見た。母がずっと、大阪に行くことがあったら見てほしいと言っていた。父と母と三人で京都へ行ったとき、母はついでに私に民博を見せたかったらしいのだが、父が京都から出ることに反対して、結局一緒には行けなかったのだった。民博の企画展「ラテンアメリカの民衆芸術」がとてもよかった。常設展も、書籍販売の棚も、ぜんぶよかった。ゲストハウスにチェックインしてから、フェスティバルホールへむかう。今回の目的は、ボブ・ディランのライブ。kとふたりで、いま、ボブ・ディランと会ったということはきっといつか過去を振り返るときの点となるだろうな。こうやって、いまをいつかの過去として捉える癖がある。終演後、テンカラ食堂へ向かうがお休みで、路地裏の光に誘われて街中華・三光へ入った。立て込む注文に集中するおじさんと少しあたふたしながらも遅れてごめんなさいねとやさしいおばさん。全部シンプルに美味しくて、とくに野菜スープがおいしかった。2軒目を探して中崎町や梅田、なんばあたりを歩くものの結局入りたい店が見つからず、成城石井のチーズケーキを買って、食べながら宿の近くの西成のあたりを歩いた。飛田遊廓に迷い込んでどきどきした。
/10 喫茶店でモーニングして、新世界のあたりをうろうろした。たこ焼きおいしかった。中心街の賑わいの中から外れたくて、しっぽりとした串カツ屋がないか探し歩いたけど見つからなかった。結局なんばの近くの路地のカレー屋に行き着いた。ひと席だけ小上がりになっていて、店員からも半分くらい死角なその席に落ち着いて長居させてもらった。古本屋の構想について話した。貸本屋という案について検討。実現は難しいかもしれない。そのあと梅田の駅中の古書店街へ行った。5年くらい前に立ち退きで駅中に移ったらしい。太田書店で一冊買って、店主に話しかけたらすごく親身に話をしてくれた。教えてもらった矢野書店へ。豊かな100円棚だった。大阪はいい古本屋がたくさんある。さんふらわあへ乗って帰路。店を始めるにあたって節約しよう!と話したけれど、新造船のさんふらわあのバイキングがあまりに美味しそうで、つい食べてしまう。さんふらわあのリニューアルの時期で、行きと帰りで新旧の船に乗れてよかった。値上がりを訝しく思っていたが、値段なりのグレードアップがなされていた。海の見える席に座って、古本屋を始めるための、これからのことを話し合った。
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epwf · 1 year
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/06 休日。バイトへ行くKを見送って、何していたっけ、考え事したり調べごとしたり。大学から学位記が届いた。午後、靴棚を作った。ベッド制作の残材を全部使ってぴったり出来上がった。手放すものをリサイクルショップに出したあと、自転車が窓に掲げられていて通るたびに気になっていたところへ行く。民家だと思っていたがどうやら古着屋らしく、昨日Kが覗いたら本や音楽の趣味が近い店員さんがいたという。別府生まれの彼と話して、東欧っぽい柄の正方形の布と古本を3冊買った。布は靴箱を覆うのにぴったりだった。夕飯に蕨の焼きうどん。終温泉を逃してしまって、浜脇まで行った。
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/07 しごとおわり、さんふらわあに乗って大阪へ。パキスタンカレーとからあげをテイクアウト。いい店な空気を以前から感じていたパキスタンカレーには、よく見かける白髭のおじいさんがいた。そしてやっぱりいい店だった。また行きたい。乗船。大型の船に乗るのは初めてだ。赤く灯る「ようこそ別府」の文字が遠のく。点滅するラクテンチの文字と、ピンクに照らされた別府タワー、やまなみハイウェイを通る車がキラキラと。弧を描く陸線をのぞみながら、Kが「貧しい漁港だった頃がみえる」と言う。
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epwf · 1 year
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230403 出勤2日目。まだバイトみたいな気分。近くまで来ていたKと連れ立って帰る。スーパーを出たところに知り合いがいて目を向けると、おじいさんが倒れていて、救急車が来た。夕食後、ひらのさんの晩柑をむしゃむしゃ喰う。
/04 はたらいて、図書館寄って、温泉入って、買い物して帰宅しても、まだ終業後1時間しか経っていない。「3:00以降に調理しました」のシールが貼られたカツオの刺身を買って帰る。最近カツオを食べたいと2人でよく話していたから。体に酒が馴染む日で、夕飯後に外へ出て、仕事で知った古いバーへ行ってみたが、マスターの話がたのしくなくて、なんだか。Kが憤っていた。自分に対する疑いを放棄して、苦笑いする私に向けて「私の話すことは本当なんですよ」と言う、80を超えた爺さんの目。
/05 はたらく。行きつけの温泉を決めて、同じ時間帯にいる常連のおばさんたちと挨拶をする。いろいろと世話を焼いてくれる。礼儀正しくご近所付き合い。Kがまた街で面白い人と出会ったようで、その話を聞き、夕飯。かつお菜と豆腐を炒めたのがうまい。温泉に行ったKがpontaポイントでアイスを買ってきてくれるのを待つ。九州ご当地アイスのモンブランは棒アイスのなかで一番うまい。原平と保坂和志をぱらぱら読んで寝る。
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epwf · 1 year
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230401 初出勤。なによりも家と職場が近くて良い。日々の忙しなさに緊張する暇もないままぬるりと始まった。みんなの前で挨拶するような場面もなく、出勤してすぐ階段を上り下りして荷物を運ぶなど。昼休みに一度帰宅すると、街中で明日の祭りの練習をしているひとたちがちらほら。午後はパソコンで作業しながら、社内のやりとりに耳をすませる。当面ここで働くのだ。上手くできなくてもいいが、ここに来てよかったと思えますように。誤魔化したり嘘をついたりせずに、ちゃんとがんばろうと思う。蕨をあくぬきしておこわにした。炊いてる間にスーパーへ、見切りのブリを買う。食後にさっと調理して明日すぐ食べられるように。本を読んで寝る。二人暮らしだから、仕事に飲み込まれずにやっていけそうでありがたいなと思う。
/02 温泉祭り、蛸みこしに参加。思っていたよりもずっと楽しかった。海辺の練習と、駅前の本番。太陽の下、大量の湯を浴びながら海で清めた竹や笹を空に掲げあう。体育会系の勢いに気圧され、目を開けられないほどに水を被りながら、さまざまな生き様が交錯する景色に泣きそうだった。打ち上げではこの地に来たばかりの私たちを気遣って、ひとりひとりについて話をしあった。全員ここへ流れ着いた人。そのなんとも絶妙な距離感。意地悪や偽善の影のまったくない、これ以上ない打ち上げで、別府生活の始まりだった。眠りつく前にスマホを見ていると坂本龍一の訃報。20世紀が本当に終わっていく。
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epwf · 1 year
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230329 引っ越し。板を積み上げて作った本棚を運搬し、文庫本を並べる。ベッドと本棚ができると一気に居場所となった。水道の工事も済んで洗濯機も動くようになった。国東に戻って、夜はヘアカット。互いに切る。これで3度目。髪の生え癖がわかってきたり、鋏を入れることに抵抗がなくなったり、成長も感じられるが時間がとてもかかる。わからない事がわかったから次までに勉強しよう。
/30 まだまだ引っ越し。荷物の運搬に2往復する。Kは働き先の面接へ、その間に私はタイヤを預けに。夜は祭りの準備に参加。法被を刷って、たこ焼きを焼く。ここには流れ着いた人がたくさんいる。直に友達できそうだなという期待。
/31 ゴミの日まで待ちきれず、収集場まで持って行くと、働く人たちがテキパキと気味良く働いていて雰囲気がとても良かった。電子レンジと照明器具はリサイクルショップで売った。住民票を出そうとたまたま寄ったローソンでひらのさんに出くわし、晩柑を貰った。国東の家を空にして��鍵を返し、ようやく大移動に終止符。プルニマでビリヤニとカレー。
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epwf · 1 year
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230324 冬のセーターを手洗いした。平干しネットがあったほうがいいかなと思って調べると、ハンガーを2,3本使って干す方法が出て来てその通りに干してみた。Kは出勤最後の日。夕飯食べて、夜間限定オープンしていた本と喫茶の店まで散歩した。ヨガして寝る。
/25 朝から新居へ、寝坊してごはん食べずに向かう。洗濯機の水道工事。約束の時間になっても来ない。待ちながらひたすら掃除、掃除。空腹がたまらない。昼過ぎにようやく工事が始まるも、古い家で下水管の通る道が予想と違ったらしく難航。また後日に作業することになる。島袋さんの講演に行くつもりが間に合わず。90歳の爺やが営むお家カフェへ行って、ご飯を食べた。この店をするまで何をしていたのかと尋ねると、これまでの人生をぎゅっと話してくれて、思わず涙ぐんだ。こうするしかなかった、というが、諦めたり自暴自棄になったりする可能性があった中でその人にしか掴み取れなかったものがきっとあるのだと思う。今が一番いい生活だといいながら微笑む顔がいまも瞼に留まっている。そのあと、ドマへお邪魔して、祭り参加のお誘いを受ける。たのしみ。温泉入って帰る。久しぶりにいろいろな人と話して、人と話すと受け答えがうまくできなくて苦い気持ちになることを思い出す。気軽な人付き合いで重いストレス感じないようになりたい。
/26 朝から木材を買いにいって、ベッドを作った。膝を直角にして座れる高さにして、下にはたっぷり収納、ソファとしても使えるように。なんやかんやで一日がかり。無事、思い描いた通りに完成。
/27 旧居で荷物の整理しつつ、東京で行われている卒業式の配信を観た。色々なことが先へと進んで忙しないこの頃、立ち止まって考えるのを待たずに新しいことが始まっていくから、卒業への感慨も特になし。学科の同期が総代として呼ばれていて、自分のあり得た未来を少し思ったりする。研究を進める道を選んだ同期たちが私の進めなかった、選ばなかった未来のひとつを生きていく羨ましさと、そっちは任せたよ、とかれらのこれからを楽しみに思う気持ちと。別々の道に進むことは共に生きていくことであるというように最近は考えている。
夕方、軽トラを借りにいく。帰宅してごはん食べた後、皆が寝静まった頃を見計らって、冷蔵庫と洗濯機を運ぶ。梱包して、ベルトをつけて、滑らせながら、段差は持ち上げて。夜道を一時間走って、新居へ運び入れる。370Lの冷蔵庫をなんとか運び終えることができて、引っ越し最大の山場は超えた。深夜3時ごろに夜食に準備していたおにぎりを食べて、作ったベッドで眠る。無事済んで安心したが、途中少しイラついてしまって、Kに「きみが2人でやればいいじゃん」と言われ反省した。10代の頃、私がもう1人いたら2人で籠って生きていくのに、とよく思っていたのだった。人と何かするとき、自分の思うように動くよう暗に要求してしまうことがある。相手が相手のままにいてくれることが一番良いという考えを今は持っているけれど、言動にまでまだ馴染んでいない。人と共にやっていくことを、少しずつおぼえたい。
/28 9時過ぎに起きてジモ泉でひと風呂。揚げ物屋でとり天買ってエネルギーを得る。軽トラで一度旧居へ戻って、また荷物を積みこむ。軽自動車にも詰め込んで、Kの走らせる軽トラのあとをつけながらまた新居へ向かう。2往復目。よく晴れていて海と山に美しい光。暑くて眩しくてくらくらする。荷下ろしして、軽トラを返却するKと別れて私は冬タイヤを夏タイヤに取り替えてもらいに行く。旧居まで一時間くらいひとりで車を走らせる。ひとりで頭を働かせる時間を久々に感じた。Kといると心地よく、だからこそ自分自身と話し合う時間が少ない。やはり日記を毎日つけようと思う。
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epwf · 1 year
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230322 ひとりで新居掃除。クーラー使わないから取っ払いたいと不動産屋に相談するがいくら古くても駄目らしい。仕方ないから共存するために掃除する。それからシンクの取り替えの見積もりを取ってもらう。キッチンだけは新しくしたい。一息ついて、近所のお菓子屋へ出かける。オートミールメンチカツなるものがあった。オートミール買ったっきり使えてないんですよね、と店主に話すと、私も若いころ憧れてアメリカの人みたいにミルクで食べたんだけどおいしくなくて、でも出汁で炊くと麦ごはんみたいでおいしいのよ、梅干しも合うし、と教えてくれた。夜、仕事を終えたKに迎えにきてもらって、じも泉入っておでんやへ。帰りにもう一度新居に寄ったとき、Kが低い天井に頭を強打した。長屋の規格に体を慣らすまで時間がかかりそう。
婚姻届を出したことについて、最近友人らと疎遠になってしまっているし、地元離れたらさらに会うことがなくなると思って、迷ったけれどインスタのストーリーズに書いた。おめでとう、とたくさん声をかけてもらって、そうか、これはめでたいことなのかとはっとする。オメデトウ、おめでとう。ゆっくり身に入れる。
/23 雨後晴れ、午後はかなり暑くなった。私は家でゴロゴロ。こうやってぼんやり家にいられるのも明日までであることに気づいて、存分に動かず過ごした。夕方からおうちしごと。洗濯して夕飯作って、わけてもらった米麹を塩麹と醤油麹に仕込んだ。週末からの引っ越し計画を立てた。こっちにきてから、NIKEのアプリを手本にヨガをしている。ふたりで並んでやっていたけど、それより本が読みたいらしいKはこの頃不参加で、私はひとりでやって先に布団に入る。それぞれの生活、ふたりの生活。それぞれに、わたしがわたしであること。同じ場所にいながら、異なること、交わらないこと。
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epwf · 1 year
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230320 朝から市役所へ行って、転入届と婚姻届を出した。警察署や郵便局、銀行をまわって、諸々の手続きも済んだ。最後に地元の酒造へ行って、親へ日本酒と手紙を送った。日暮れ前にすべて終わったから、チン族の刺繍の展示を見に行った。黒地に人や動植物のアイコンが等間隔に刺繍された布を買った。縫う人によって色使いや表情が違う。顔を点で表されたものと、線で表されたものがあって、よりまぬけで柔らかい表情をしている線の方を選んだ。帰宅して、キャベツ春雨スープと野菜の唐揚げを作って食べた。記念日にかこつけて食後にはクッキーとヌガーとコーヒー。ふたりでやってく覚悟はこれまでに少しずつ出来上がってきているから、結婚はただ手続き上の出来事というような感覚。住む場所も仕事も人間関係も、何もかもが新しくなる目まぐるしさで、これがどういうことなのか、まだよくわからない。
/21 朝から新居に向��って大掃除。大家さんがまったく掃除をせず使えないゴミだらけで引き渡してきたことに段々と疑問を感じつつも、長家の片隅の規模感や縦長の箱を二段重ねたような簡潔な間取りはやっぱり面白い。絶対いい部屋にするんだ。どう作っていくかを想像すると掃除も楽しく捗る。蕎麦食べてじも泉入って、Kは仕事のため半島へ帰り、私はひとり新居で眠る。部屋に灯りがないのだけれど、街灯で十分に明るい。こんな街中に住むことになるなんて思わなかった。
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epwf · 1 year
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230314 雲仙で買ったルタバガという野菜を焼いて食べる。蕪のような芋のような。
/16 採れたてのわかめをもらう。湯にさらすとすぐに綺麗な緑色になる。ひらのさんからはまた大量に干し椎茸を大量にもらう。東京に比べると遥かに近いところでものが回っている。ものの持つ温度が高い。東京は冷めている。お金を挟まずにあげる、わけることを通して、地域の人たちと生活を共にしているという意識が濃くなる。夜、双方の親へ送る手紙をそれぞれ書く。
/18 新しい家の鍵をもらう。家の掃除に少し取り掛かるが、なかなか大変そう。植木鉢が綺麗に並び明るい色の洗濯物がかけられていたお隣は、やわらかな雰囲気のおばあさんがひとりで住んでいた。猫を手懐けていて、通路にいつもそいつがいる。ふくふくなおなか、まっすぐに長い尾。すりよってくるけれど、撫でられるのは好きじゃないみたい。
/19 中古の冷蔵庫を探し回るが、結局いま持っているものを持って行ったほうがいいかも、という話に落ち着く。長屋にしてはサイズが大きすぎるのだけど、どうにかして収めたい。大は小を兼ねると思ってした買い物は失敗することが多い。昼過ぎに春木川のへりに座って弁当を食べたときの光が良かった。別府湾を臨みながら、かわっぺりには菜園と白い花をちらほらとつけた桜の木。
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epwf · 1 year
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230311 青白い山の輪郭、ひかりだす空、前方には欠けゆく白い月、ミラーに映る大きな太陽。佐賀県の東脊振で高速を降りる。濃霧が立ちこめる田園の真ん中の道抜けて、山へ入ってゆく。長崎市へ。路面電車に乗る。美的感覚に欠けるよくない老舗に入ってしまって落ち込む。よりよりを喰らい街を歩く。兵庫と2拠点生活をするカトリック信者のおばさまと五島の教会の話。信号ですれ違った少年が抱えた大きな苺のパック。彼が通ったであろう道を辿って見つけた八百屋で同じものを買う。小さな苺がたくさん詰まったそれを持って、急坂に立ち並ぶ墓地街を抜けて高台の公園へ出る。苺を食べながら、空を舞う鳥と、夕陽で光満ちた海と街を眺める。街へ再び降りで夕食を探すが良い店が見つからず諦めたところに現れたネオン感の光る古い中華屋、常連1人と居間にいるように柔らかく居座るおばあさんとその子供らしい夫婦。皿うどんを頼むと甘くて驚く。酢をかけてちょうどよい。すっかり暗くなった道を一時間走って雲仙へ向かう。キレの良い温泉に入ってゲストハウスでそれぞれに眠る。久しぶりに1人で布団に入る夜。
/12 朝早くから普賢岳に登る。仁田峠から妙見山を通って普賢岳へ。足腰よりも呼吸器が追いつかずゆっくり進む。代謝が悪いのか、身体の熱が放出されずに中にこもって顔が熱くなる。Kは自分のペースで進んで、途中に腰掛けて本を読んでいた。昼前に下山して、海辺で定食屋が開くのを待つがなかなか開かない。移動して別な店で天ぷらをを食べる。天ぷらがあるとつい頼んでしまうが、決まっておいしく食べられるのは最初の6口ほどで、焼き魚にすればよかったと後悔する。タネトや地元の店で食材を買い込む。今日の宿は蒸し場が付いている。小浜温泉を散歩していて見つけた綿を育て、糸を紡ぎ、布を織っている人のお店で、Kがふんどしを買った。いつか店を始められたらお知らせしますと言って別れる。酒屋で五島の白ワインを買い、湧き水を汲んで宿に帰ろうとしていたら、さっきの店で何かの打ち合わせをしていた男の人とまた会って、話しながら歩く。30歳半ばになって削ぎ落とされてやりたいことがわかってきた、と言う。坂口恭平の話をする。宿に帰って魚や野菜を蒸して夕飯にする。
/13 朝ごはんに近所の魚屋で刺身を買う。野菜や餅を蒸す。宿にインターンに来ている人から味噌汁を分けてもらう。熊本でもそうだったけれど、このあたりは白味噌らしく、馴染みのない甘い味噌汁に少し戸惑う。車で南下して島原半島を一周する。南島原の原城跡、本丸から望む有明海の向こうに天草の街。数週間前には向こうからこちらを見ていた。島原で雲仙岳災害記念館を見学した。からくり装置紙芝居のような見せ物などよく出来ていて楽しめた。昨日登ったときに見た景色との実感を併せて、改めて山並みを眺める。夕暮れに諫早湾を渡って帰路に着く。
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epwf · 1 year
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230307
引っ越してきて2週間と4日目。平日は家で1人のんびり過ごし、2人分の朝食と夕食を作る。休日はKと車で遠出。福岡で買った自転車を積んで熊本の天草へ行ってサイクリングしたり、福岡で買った山靴を慣らすため耶馬溪でちょっとした山道を歩いたりした。熊本では坂口恭平の展示も見た。どこも初めていくところばかり。首都圏以外の地方都市に馴染みがない私に取っては、福岡や熊本の中心街で東京の知らない街を散歩しているときと同じような感覚がしたり、中心地から少し離れた大通り沿いがやっぱりどこかで見たことのある典型的な地方都市の風景であることに驚きがあった。街の中に九州らしさのようなものがそこはかとなく薫っているのだろうと想像していたのだ。(東京の次に馴染みのある土地が沖縄だからこういう発想になるのかもしれない。)道路��建物の形も店も見慣れたものばかりで、気候も変わらないし、街並みは地形の感じられないように整備されている。聞こえてくる音も、たまに土地の言葉が耳につくくらい。もちろん多少は感じるが、土着の色がこれほどにも薄められているのか、と良い悪いはさておき「ふうんこんな感じね」と思った。いまどこにいるのかわからなくなるくらい土地から切り離された街並みが示すものは普遍性ではなく均質性で、どこもかしこも似てきているのだなとさみしく思った。初訪問、そして1、2日の短期間の滞在での感想はそんな感じ。国東や別府に戻って改めて思うのは、丸い半島に放射線状に伸びる谷筋に細長く続く田園風景や、山と海に挟まれた勾配のある温泉地といった独特な地形が比較的均一を志向しにくくしているということ。
今月は、来月からの生活の準備をしながら、少なくともこの先1年間はないであろう長期の非労働期間をなるべくゆっくり過ごそうと思う。あまり活発になりすぎると心身の何かが間に合わない気がして、と言いつつも半分はただだらけたいことへの言い訳ではあるのだけれど、東京から九州へ、学生から非学生へ、ひとりからふたりへ、未婚から既婚へのいくつものジャンプをできるだけ滑らかにするためにはのんびりと慣らす必要がある。今このぐうたらな中で、時間や無意識が重要な働きをしてくれているんです。
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