遠鉄グループ サンセバスチャン研修レポート
渡航日:2020年2月20日~2月24日
//////// 参加者 ////////////////
営業推進課 伊藤貴文
営業推進課 竹田圭吾
ICT推進課 丹羽喜之
遠鉄観光開発 大野公司
浜松まちなかにぎわい協議会 伊藤典明
浜松パワーフード学会 秋元健一
まちおこしパートナーズ肴町 太田宴貴
まちおこしパートナーズ肴町 堀田恭平
まちおこしパートナーズ肴町 西尾 真
浜松市 観光・シティプロモーション課 河野和世
浜松市 農業水産課 服部美香
研修目的
浜松における食を基点とした観光戦略および地域ブランド作りを学ぶ。
『美食の街』としてインバウンド誘客に成功している「サンセバスチャン」を体感し、国内外の観光客に対する街づくり・地元食材を生かした食の観光コンテンツ化を推進する
研修行程
1日目 2/20(木)
移動のみ
2日目 2/21(金)
8:00〜10:00 バルにて朝ピンチョス
11:00〜13:00 バスク・クリナリー・センター(4年制料理大学)
14:00~16:30 美食倶楽部
17:00~20:00 ギプスコア県飲食業組合
20:00~ バル巡り
3日目 2/22(土)
10:00~12:00 ビルバオ 市民ホール・グッゲンハイム美術館
13:00~16:00 サイダーハウス
20:00~ ①バル巡り
20:00~ ②三ツ星レストラン「アルサック」
3日目 2/23(日)~2/24(月)
移動のみ
研修1日目〜2日目
1日目(2/20)
1日目(2/20)は移動のみ。
日本発から約24時間の移動をへてサンセバスチャンへ到着ホテル到着。
2日目(2/21)
今回のサンセバスチャン視察を全面的にコーディネートいただく「山口純子」さんと合流。
美食コーディネーター山口純子さん
1995年からスペイン在住。バスクの食文化に魅せられて、現在はサン・セバスティアンを中心に活動中。スペインや⽇本での料理学会の通訳、テレビ雑誌のコーディネートに携わる⼀⽅、観光客向けに美⾷倶楽部でのバスク料理教室やバルめぐりなどをプロデュース。郷⼟料理のコンクールなど審査員や食関係のイベントにも招待され、バスクの食文化の最新情報を提供している。 今回の視察にあたり、コーディネータとして最適と判断し、2⽇間の⾏程を全⾯的にプロデュースいただいた。
■朝食から市街のバルでピンチョスを食す
朝食からサンセバスチャンの名物である「ピンチョス」を体験。
朝からバルは開店していて、魚屋や八百屋の店主をはじめ、地元のお客様で賑わっていた。
サンセバスチャンでは、朝からピンチョスで食事を取るのは日常的で、外食文化が根付いていることを実感した。
■地元マルシェ
地元のマルシェを視察。魚・肉を中心に、地元食材が一同に。マルシェとバルの距離も近く、新鮮な食材がすぐ手に入る環境が整っている。
■料理大学「バスク・クリナリー・センター」
世界初の4年制の料理大学「バスク・クリナリー・センター」を訪問。
現在、通常であれば視察を受け入れてはいないようだが、「バスクの地元食材」を日本市場へプロモーションするプロジェクトが動いており、今回の訪問を許可いただいた。
バスク・クリナリー・センターの日本プロジェクトマネージャー エリザベス氏より、説明を受ける。
本大学は2009年開校し、「美食文化」の拡大と浸透、歴史の継承を目指し、「料理人・行政・大学」が連携している。
大学で学ぶ3つの大きな軸は、「教育・マーケティング(経営)・研究開発」。
「料理をつくること」はもちろんだが、料理にまつわる全てのことを学ぶことで、卒業後、どこでも働ける人材育成を目指している。
カリキュラムも実践的で、3年生時にポップアップストア(仮想店舗)を立ち上げ、店舗のコンセプト、料理メニュー、集客策を立案し、実際にお客様を受け入れることで店舗運営や接客まで研修で学ぶ。
“経営人材の育成”が次世代の『美食の街』を支えている。
卒業後は、学士の資格を得ることができ、スペイン国内外から入学志望がある。現在では、日本人の生徒はおらず、やはり言葉の壁が課題になっているようだ。
■美食倶楽部
美食倶楽部は、サンセバスチャンに約70程度存在。
100年以上の歴史があり、元々は、男性のみが会員になれる組織だったが最近では女性の入会も可能になっている倶楽部が多い。
キッチンと食堂が併設され、会員同士の交流や会員が招待したお客様と料理を作って食べることができる。
今回視察したのは、コーディネーターの山口純子さんが会員となっている美食倶楽部。ルイス・イリサール料理学校教頭ホセチョ・リサラス氏を講師に迎え、伝統的なバスク料理を披露していただいた。
浜松視察団からも、秋元氏と大野総料理長が、刺身とすまし汁といった日本料理を、サンセバスチャン食材を使用して料理。
【作ったメニュー】
ウナギの稚魚のアヒージョ:ホセチョ氏調理
現地でのポピュラーな料理とのことで、日常的に食されているが、最近ウナギの稚魚が減少しているため、マダガスカル産や、カニカマを使用した類似材料などを用いることもあるとのこと。
真鯛の刺身(湯引き)、潮汁、カルパッチョ:秋元氏、大野氏調理
日本での鯛の調理の方法を用いたが、食感や香りに違いがあった。魚の漁から販売までの扱い方の違いからかと予想された。
真鯛のグリル:ホセチョ氏調理
焼いた鯛に酢をかけ水分を出し、熱したアーリオオーリオをかけて乳化させる調理法であった。現地でよく用いられる調理法とのこと。仕上がりは魚の身がしっとりとしている。現地では全体的に「しっとり」した食感が好まれるとのこと。
■ギプスコア県飲食業組合
ギプスコア県内の飲食店6,000店のうち、約1,500店が加入している組合。
サンセバスチャンの旧市街の飲食店は、約60%が組合員。
飲食店が本来業務である「飲食の提供」に集中できるよう、様々なサービスを提供する。
組合の従業員は約30名。会費は月250€(約30,000円)。組合加入店への提供サービスの一例は、行政との交渉、プロモーション、採用活動など多岐にわたる。加入者多数を背景とする交渉の力があり「地元の飲食店の代表」としての立場で行政などと交渉することができている。
組織として、地元の魅力の基本となる食文化を大切にし、『美食の街』という観光地として世界に認知されてからも地元の食材、ストリートフード、郷土料理、創作料理を重要なものとして守っている。
飲食店を対象とする活動の他に、若い料理人の発掘、国内外へのプロモーション、地域一丸となった美食のコンセプトやルール作りなどをしている。また、地元飲食店が守るべきルールと観光客に守ってもらいたいルール、などを策定し、地域の魅力を守っている。
観光素材となる生産者への助言や援助も行っており、生産者が持つ魅力にどのような価値があり、どのように観光客に伝えるかを生産者とともに検討することもある。
浜松市への食文化の魅力アップに対するアドバイスとしては、生産者、料理人ともにコンテストと賞を設けモチベーションを上げることが提案された。
■バル巡り
現地では、地元のバルでポテオ(飲食店をはしごすること)という文化があり、一店で少量ずつの飲食をする。提供される食事もピンチョスという小さな一品料理であり、店内はほとんど立ち席で、テーブル席がない店もある。21日朝・夜、22日夜とバルへ立ち寄ったが、いずれも店内でのすれ違いが困難なほどに客がいた。一組の滞在時間は短く、入れ替わり立ち代わり、別のグループが店内で過ごしている様子。
一方、バルの「観光地化」による弊害として、地元のバル文化に反する「お店」の出現があり、「観光客に高額な請求」や「地元食材を使用しない」が一例。
サンセバスチャンの 「バル文化・レベルを維持」 するために、「覆面調査」の定期的な実施や「お墨付き店舗」の告知、「ピンチョス10箇条」というルールも現在策定中 のようだ。
■バスクチーズケーキ
バスクチーズケーキは、現地でも大人気。赤ワインと一緒に飲むのが主流。
研修3日目
ビルバオ市へ向かい、この街が、工業から観光・サービス業へと移行していく街並みを視察。
■グッゲンハイム美術館
年間100万人以上が訪れるビルバオ市の観光名所。
グッゲンハイムの中心から放射状に道が展開しており、中心から向かって美術館を見ると大きな美術館であるにも関わらず、地形などの関係から街並みに溶け込む風景となっていた。
美術館横を通る川は、かつて工業が盛んであった際に非常に汚れていたが、浄水場を建設したこと��より、飛び込みのイベントが行われるほどにきれいになった。浄水場の建設費用などは住民の水道料に上乗せする形で徴収されたが、川が美しくなる様子を体感している住民から理解を得ることができているとのこと。
■サイダーハウス
体験型の飲食店。地元のリンゴ酒を造っている。スペイン国内からも観光スポットとして人気の醸造所で、伝統的なバスク料理を提供している 。
シードル(発泡性のリンゴ酒)の醸造所で、伝統的な食事も提供している施設。2メートルほどの大きな樽から勢いよく出るシードルをグラスで受け、泡と香りを立たせるという伝統的な方法を実演してもらい、同様に体験した。
店内で説明をするガイドの男性は、施設オーナーの親戚ではあるが、観光客用ガイドのために雇われているとのこと。店内の給仕や料理、製造には関わっていないとのことで、醸造の歴史から手法、伝統料理とシードルの楽しみ方を、我々のグループに専属で対応してくれた。我々と同様にシードルを飲み、料理を食べ、同じ体験をすることが楽しませる一因となっているのではと感じた。
店内は国内からの客も多く、満席となり大いに賑わっていた。団体同士の交流も盛んに行なわれていた。
■ミシュラン三ッ星レストラン「アルサック」
27年連続「ミシュラン三ッ星」の超有名店
4代目オーナーシェフ「エレナ・アルサック」
地産地消の料理が主で、色鮮やかな見た目や盛り付け。
スタッフが一品ずつ料理の説明をし、食事だけでなく、接客でも楽しませている。
■レストランに併設された料理ラボ
アルサックには、「料理ラボ」という研究室がレストランに併設されている。
約1,500種類のスパイス・調味料がバーコードによって管理されている。
料理研究室では、料理を一切せず、最先端の料理研究や新メニュー開発を専門に行い、常に料理のレベルアップを図っている。
~視察を終えて~
サンセバスチャンでは、「美食」が文化として根付いている上に、その文化を守り、発展させていくための仕組みが整っていると感じた。
街全体で「美食」に誇りを持ち、そのために飲食店はもちろん、行政や企業、教育機関が連携して、世界中から「サンセバスチャンの食」を求める観光客の集客に成功している。
「観光客が好きなこと、やってほしいこと」を提供するのではなく、「サンセバスチャンが提供できることを好きになってもらう」ということで、決して観光客に迎合することはない。という考え方にも、誇りと自信を感じた。
今回は、遠鉄グループだけでなく、行政、飲食店と一緒に視察した。
さまざまな立場のメンバーが同じ体験をして、同じ言葉で語ることができる横のつながりができたことは、今回の1番の成果である。
それぞれが果たせる役割が何かを共有し、「美食の街 浜松」の街づくりに貢献していきたい。
>>>詳しい資料はこちらからダウンロード
https://entetsu-c.jp/report/202002_sansebastian.pdf
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遠鉄グループ アメリカ(サンフランシスコ・シリコンバレー・ロサンゼルス)研修レポート
渡航日:2020年1月26日~2月1日
//////// 参加者 ////////////////
遠州鉄道 運輸事業本部
諸井宏司 中野修吾 小松博史 安間祐輔 袴田純司
遠州鉄道 グループ経営推進本部
鈴木昭史
遠鉄タクシー
松田真幸
遠鉄自動車学校
中村博幸 後藤公利
遠鉄システムサービス
兼子直記
研修目的
●「聞く」「体験する」
MaaS導入事例による効果を現地で実際に聞き、体験する。また、最先端のICT技術により近い未来に起こりうる変化に対する情報に触れる。
●「気づき」を得る
地域とともに歩む当グループに置き換え、今後の可能性などの気づきを得る。
●「出会い」による刺激
世界で活躍する人たちとの出会いにより刺激を受け、今後の考え方、取り組み方に活かす。
研修「行程」
1日目 1/26(日)
AM サンフランシスコ 着
PM サンフランシスコ市内視察(AmazonGo他)
2日目 1/27(月)
シリコンバレー 企業訪問(損保ジャパン日本興亜様のアテンド)
・SOMPOデジタルラボ
・プラグ&プレイテックセンター
・テスラディーラー
・スタンフォード大学
3日目 1/28(火)
AM サンフランシスコ 班別視察
・公共交通利用体験
・サンフランシスコ市内散策
PM ロサンゼルスへ移動
4日目 1/29(水)
終日 ロサンゼルス 企業訪問(デンソー 様のアテンド)
・ENVOY(AVEN社マンション見学含む)
・Freebird Rides
5日目 1月30(木)
終日 ロサンゼルス 班別視察
・公共交通機関利用体験
・マイクロモビリティ利用体験
1/31(金)~2/1(土)
日本帰国
研修1日目 1/26(日)
サンフランシスコ国際空港へ着陸。ツアーガイド上ノ畑淳一様のアテンドでサンフランシスコ市内を視察。移動のバス車内では上ノ畑様に現地のビジネストレンドについて講話いただきました。
その他、観光名所であるゴールデンゲードブリッジやカリフォルニアの大手スーパー「トレーダージョーズ」やレジなしコンビニ「AmazonGo」を視察。
左:「ゴールデンゲートブリッジ」にて / 左:「AmazonGo」入店時にて
研修2日目 1/27(月)
SOMPOデジタルラボ(損保ジャパン日本興亜) 貝原太郎様のアテンドでシリコンバレーの企業視察
損保ジャパンデジタルラボにて
(1)MaaS戦略の最前線に立つ デロイトトーマツベンチャーサポート木村様から大改革をもたらすMaaSビジネスについて講義を受ける。
MaaSによる時代の変化
●モビリティは「所有」から「共有」へ
2040年にはアメリカの移動距離の約8割がサービスモビリティ(共有)になるとのこと。
~昼食~
昼食はハンバーガーでした。「本場のハンバーガーはやっぱりおいしい」と言いながら食べていると、植物由来の代替肉を使用したハンバーガーであることを告げられ驚きでした。
左:プラグアンドプレイテックセンター / 右:インポッシブルバーガー
(2)テスラ試乗
テスラの車両はカメラとセンサーで光学解析することで周辺環境の情報を収集し、自動運転レベル4で走行する事が可能だそうです。
試乗ではオートパイロットと自動駐車を体験。ヒトよりも上手ではないかと思えるくらい運行はスムーズで乗り心地もよく、自動運転の実現は近い未来であると実感しました。
左:テスラ車両の外観 / 右:テスラ車内
(3)Uber、Lyft 乗車
テスラからスタンフォード大学までの移動はライドシェアをしました。
初めての利用とあり、全員でスマートフォンの画面を確認しながら進めました。やってみると思いのほか簡単に呼ぶことができました。
車は3分~5分程度で到着、値段はタクシーよりも安価で、キャッシュレスで便利、心配していたドライバーの対応は丁寧で優しく、現地で定着している移動手段だと感じました。
左:ライドシェアの配車光景 / 右:Uberで配車した車に乗車
スタンフォード大学にて
研修3日目 1/28(火)
3日目の班別行動では、サンフランシスコ名物のケーブルカーや電気バス、連節バスなど公共交通を利用して市内を散策しました。目的地までの経路や移動手段が豊富で、公共交通が充実している都市だと感じました。
左:路面電車 / 中央:ケーブルカー / 右:ミュニバス
2018年にオープンした巨大なターミナル施設「セールスフォース・トランジット・センター」に立ち寄り。約50箇所のバス乗り場に次々とバスが発着する光景に圧倒されました。空中庭園には子供向けの遊具もあります。
左:外観 / 右:バス乗り場 / 下:空中庭園
最新のIoT製品を展示・販売する店「b8ta」に立ち寄り。
商品の横に置かれているタブレットが商品説明をしてくれるので、店員とのコミュニケーションはほとんどありません。
「b8ta」にて
研修4日目 1/29(水)
(1)ENVOY社視察
ENVOY社では、マンション住民向けカーシェアサービスという新形態のサービスを展開。
マンション視察
ENVOY社
マンションの駐車場を利用するので、駐車場用地を自ら用意する必要がなく初期投資が少額で済む
不動産会社
自動車を持たない家庭もマンション購入者層として含めることが可能
マンション住人
「車の利用頻度は多くないが時々は利用したい。しかし購入するほどでもない。」という人にとっては丁度よいサービス。車の所有による維持費が不要。
ワンランク上の自動車を運転できる。
また、電気自動車はガソリン満タンで返却する必要がなく、帰ってきたら充電コードを差し込むだけで済む
ENVOY社にて
(2)Freebird Rides社視察
Freebird Rides社が提供するアプリはレストランやバーの予約が可能です。
またUberやLyftといった配車サービスと連携しているため、お店までの移動のためにユーザーが個別に配車アプリを使用しなくても、お店の予約と一緒にの配車リクエストを行うことができます。さらにユーザーは飲食を楽しんだ後、キャッシュバックがあります。
キャッシャバックを受けるためには、一定額以上の利用が条件となっている場合がありますが、Freebird Rides社のサービスは利用額の条件を設けておりません。条件を設定しないほうが顧客の利用単価は高くなるそうです。
全米で展開しており、累計200万回以上のサービス利用回数を獲得。
Freebird Rides社
レストランから広告収入を得る。
レストランの利点
広告料はユーザーの利用に基づき支払うので費用対効果が高い。
利用者の利点
キャッシュバックがあるため、普通に配車アプリを使って移動するよりも交通費が抑えられる。
Freebird Rides社の社内
研修5日目 1/30(木)
5日目の班別行動では、これまでの研修で得た情報と、実際のロサンゼルスの街を比較しながら散策をしました。
(1)公共交通の利用体験
メトロバス(路線バス)とメトロレイル(電車)の決済がTAP(タップ)カードというICカードで済ませることができる。
また、Google Mapで移動経路を検索すると、バス・電車のリアルタイムの遅延時間や現在通過している停留所名が表示され、観光客には便利な機能の一つだと感じた。
左:路線バスに乗り込む / 右:TAPカード
(2)マイクロモビリティの利用
ロサンゼルの街中にはマイクロモビリティ(シェアサイクルや電動キックボード)が至る所に置いてあります。利用方法は専用アプリでマイクロモビリティに貼ってるQRコードを読み取るだけ。決済はアプリに登録したクレジッドカードで支払いとなる。乗りたい時に乗車、好きな所で乗り捨てることができるのがメリット。GPSで管理されているので乗車禁止エリアに進入すると動かなくなるなど管理が徹底されています。
(3)日本とのWEB会議
現地時間 17:00 日本時間 9:00 にWEB会議を実施しました。
WI-FIの関係で途中通信が途絶えてしまう事態もありましたが、約8,800キロ離れた地とリアルタイムに交信する事が出来ました。
研修を終えて
人との出会い
今回の研修では「世界を股にかけて活躍する人」「イノベーションによって世の中をもっと素晴らしくしようとチャレンジしている人」と直接出会い、そのマインドに触れ刺激を受けました。海外には世の中を変革しようという熱い想いでビジネスに取り組んでいる方が多数います。デジタル技術が進展する昨今においては、新しい技術やサービスが遠鉄グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性が常にあること痛感しました。
私達は積極的に情報収集を行い、将来どのような社会になるのか、もしくはどのように事業を展開していくべきなのか研究しなければならないと強く感じました。
MaaSについて
今回の研修での体験項目として、ロサンゼルス市が主導開発し、書籍やニュースで紹介されていたMaaSアプリ「GoLA(ゴーエルエー)」の利用体験を予定していましたが、サービス終了しておりました。「複数の交通モードの経路検索・予約・決済が可能」というだけでは利用者からの支持は得られないようです。
利用者からの支持を得るためには、視察したENVOY社やFreebid Rides社のように、社会のニーズを研究して「移動」に対して付加価値を提供する必要があると考えられます。
最近は日本の各地でMaaSに関する実証実験が行われ、地方再生の手段として取り上げられておりますが、安易に目新しさに惑わされず、私達の事業エリアの実情を踏まえたうえでMaaSを検討しなければならないと感じました。
>>>詳しい資料はこちらからダウンロード
https://entetsu-c.jp/report/202002_america.pdf
0 notes
介護事業他 ベトナム研修レポート
渡航日:2019年12月9日~12月13日
//////// 参加者 ////////////////
介護事業推進課 鈴木洋志
介護事業推進課 太田 学
人事政策課 犬塚浩一
生命保険営業2課 松村正明
生命保険営業1課 山﨑 大
生命保険営業7課 松岡幸穂
浜名湖地域支援協同組合 松下 嵩
研修目的
4月からベトナム人介護実習生の第一期生3名を迎える遠州鉄道介護事業部では、実習生の受け入れを成功させるために、実習生、入居者、施設職員のそれぞれの観点で課題を見つけ、対策を考えることを目的とした海外研修を実施しました。
研修「行程」
研修1日目・2日目 12/9(月)・ 12/10(火)
1日目は夕方にベトナムの首都・ハノイに到着。市街を散策しました。
左:ハノイ市街 / 右:フォーボー
2日目はハノイの技能実習生送り出し機関(日本語学校)であるVNJ 株式会社を訪問。 渡辺副社長との意見交換会、授業風景の視察、4月から入社する1期生3名との面談を実施しました。
1期生の3名と一緒に
左:1 期生(左からイエンさん、ウエンさん、アインさん) / 右:VNJ 授業風景
渡辺副社長から、ベトナム人の気質や技能実習生たちの人となり、日本での生活に馴染み、定着させるためのアドバイスをヒアリングできました。また、実習生3名と直接会ってコミュニケーションを取りながら、現在抱えている不安や日本での生活に期待していることなどを知ることができ、受入れ準備を行う上で大変有意義な研修となりました。
渡辺副社長との意見交換会
農村部出身者が多く、「技術を学び母国へ持ち帰る」という建前はあるものの、実習生の本音は「とにかくお金を稼ぎたい」という事情で、多額の借金をしてまで、日本語を学び、技能実習へ参加している。
ベトナムは、戦争等の事情により高齢者が少なく「介護」の概念が薄い。仕事でのミスマッチが起きないように、介護の楽しさを伝えてほしい(レクリエーションへの参加等)
実習生は、自分たちの日本語が通じるか、日本での生活に不安を抱えている。
日本語が通じるか不安を抱えている
日本をリスペクトしており、日本文化(サクラ、富士山、東京タワー等)に触れてみたいという希望がある。
研修3日目 12/11(水)
左:ハロン湾 / 右:ホーチミン廟
世界遺産ハロン湾・ホーチミン廟を視察。
「ベトナム建国の父」と呼ばれる革命家のホー・チ・ミン氏やハロン湾は、ベトナム人の誇りであり、精神的支柱です。実際に訪れたホーチミン廟周辺は、想像以上に厳しい警備がひかれ、厳かな雰囲気が漂っていました。死後50年以上経った現在でも国民から強い尊敬を集めていることを体感することができました。
前日の実習生との面談で、アインさんが「私はホーチミン廟の近くに住んでいます」と言った時の誇らしげな顔を思い出し、実習生に対する理解を深めるために、ベトナム人の歴史や自然、風習に触れることの重要性を改めて実感しました。
研修4日目 12/12(木)
経済都市・ホーチミンに移動し、送り出し機関 MIRAI HUMAN を訪問しました。
(MIRAI HUMAN)
VNJ介護の生徒数(80名)の4倍以上の生徒数(350名)を抱えるMIRAIHUMANでは、日本語教育のほかに、医療系大学に委託し、初等看護教育を340時間実施するなど、熱心な教育が行われていました。
事務局の秋吉さんとの意見交換会では、受け入れる企業側が行うべき具体案をご提示いただき、大変参考になりました。
MIRAI HUMAN 授業風景
ホーチミンより南部の農家出身者が多く、お金を稼ぎたいという気持ちが強いため、時間外労働は喜んで行う。
「介護」という概念は薄いが、3世帯、4世帯家族が多く、身内のお世話は日常的にしている。
農家は年中無休のため、休日の過ごし方が分からない実習生が多く、部屋にこもってしまいがちである。受入れ企業側が、休日の過ごし方をコーディネートしたり、日本文化に触れる機会を創出してあげると、日本での生活に早く馴染めると思われる。
左:メコン川下り / 右:ココ���ッツ農家
その後、賑やかなホーチミン市街から南へ下り、メコン川下りを体験。市街では感じることのできなかった人々の暮らしや営みに触れました。メコン川下りの運行手数料が1回50円。農家の平均月収が平均2万円程度。そのような経済状況のなか、農村部から出て100万円の授業料を借金してまで送り出し機関で勉強している実習生たちに思いを馳せることができました。
研修を終えて
今回の研修で、送り出し機関での意見交換会や一期生との面談を実施できたことは、大きな収穫となりました。意見交換会では、遠州鉄道側の受け入れ本気度を先方に伝えることで、継続的な人材確保に向けた良好な関係を構築できました。
また、ハノイ・ホーチミンの両送り出し機関で共通の課題として挙げられたのが「介護」という概念を伝えることの難しさでした。戦争で高齢者が極端に少ないベトナムは、国民の平均年齢がわずか30.9歳。街は若者で溢れ、活気に満ちていますが、バリアフリーの整備もなく、介護施設もほとんどないという現状を確認できたことも大きな驚きでした。
また実習生との面談では、彼女たちの言語に対する不安や生活面の希望をヒアリングでき、具体的に取り組むべき課題が見えてきました。
これまでの日本社会のように、共通の価値観や経験を通して「共感する」ことで、良好な人間関係を構築する手段は、グローバル化する社会の中で、徐々に通用しなくなっています。言語・風習・価値観の違いを乗り越えて共に活動していくためには、「共感はできなくても、理解はできる」という考え方を浸透させることが重要になっています。
そのためには、正確なデータや、ファクト、エビデンスに基づいて説明していくことで、理解を深めてもらうことが大切です。今回、貴重な機会を得て体験してきた説得力のあるファクトを現場の隅々まで共有させ、得てきた知識を体系化し課題に取り組むことで、受け入れを必ず成功させたいと思いました。
>>>詳しい資料はこちらからダウンロード
https://entetsu-c.jp/report/201912_vietnam.pdf
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不動産事業 アメリカ研修レポート
渡航日:2019年12月3日~12月8日
//////// 参加者 ////////////////
不動産事業本部
住宅営業課 渡邊 一弘
開発課 鈴木 雄
アセットマネジメント課 忠内 権太
住宅営業課 久島 徹也
設計課 大瀬 浩太
研修目的
北米住宅開発事例の視察
収益性を重視するアメリカの賃貸管理手法を学ぶ
革新企業が集積する街で社会の変貌を体感する
研修行程
1日目 12/3(火)
17:15 成田発 → 12/3(火) 9:06 シアトル着
現地不動産エージェントによるセミナーを受講
2日目 12/4(水)
シアトル市街散策・不動産物件視察
3日目 12/5(木)
9:35 シアトル発 → 10:38 ポートランド着
ポートランド市街のコンパクトな街づくりを視察
4日目 12/6(金)
ポートランド不動産物件・大型ホームセンター視察
5日目 12/7(土)
11:16 ポートランド発 → 6日目 12/8(日)15:25 成田着
研修1日目 12/3(火)
Amazonや マイクロソフト、スターバックス等が集まる先進的都市として知られる太平洋岸北西部最大の都市・ワシントン州シアトルに到着。
現地不動産会社john L Scott Real Estateに所属するエージェントの三井まりこさんによるセミナーを受講。これからの視察に有益なアメリカの不動産の基礎知識を学びました。
///// セミナー概要 /////
◆不動産の仕組み
取引記録や税務情報も含めた不動産物件の情報が、日本とは比較にならないほどにしっかり公開されている。(市場物件の90%以上)
エージェントは、安全で確実に取引するためのアドバイザーの役目として機能している。(物件情報では差がつかない)
不動産売買プロセスの細分・外注化によって、エージェントのリスクを回避し、営業活動に専念できるようになっている
公平に市場公開された情報をIT技術により見せ方を整備し、広告だけでなくディスカウント型の仲介まで行うレッドフィンのような「不動産テック企業」が席巻(GAFAになぞらえて「ZORC」と呼ばれている4社に代表される)
◆不動産市況
中古物件が主流
シアトルでは築年数平均が50~90年($700,000~$1,200,000)
不動産価格上昇率は過去5年間で25.4%上昇している
◆日本との違い
< 日本 >---------
一生住むことを前提に不動産を購入
建物がモノとして消費され、都度建替えが必要
< アメリカ >-----
人生の転機に応じて引越しを行い、メンテナンスを重視した中古物件が主流
不動産は投資として維持管理するのが常識で、売却後の利益をゴールとして考えている。
研修2日目 12/4(水)
株式会社サンタ通商 シアトル支店長 藤本様のアテンドで終日現地視察を実施しました。
◆イサクアハイランド(大型開発分譲地)
Issaquahhiglands(イサクアハイランド) は、シアトル中心部から東に30㎞の山の上に位置し、900haの敷地に戸建て住宅1,400棟、コンドミニアム1,000棟、賃貸マンション850棟を有する住宅分譲地。敷地の2/3は公園やオープンスペース、森林等として残すように規制されており、景観への意識の高さを感じました。また、HOA(管理組合組織)がしっかりしており、街の管理が行き届いていました。
◆ステーション・ハウス(コミュニティスペース充実型 大規模賃貸住宅)
Station House(ステーション・ハウス) は、Amazonをはじめ、IT企業従事者が増加しているシアトルで人気が高い大規模賃貸住宅。共有ラウンジやバーベキューテラス、シアタールームなどのコミュニティプレイスを充実しており、各部屋の設備はシンプルながら洗練されています。
シアトルでは、若年層を中心にシェア志向が高い住民が増加していることを反映し、同タイプの賃貸住宅が増加しています。
◆ クアドラントホームスの新築タウンホーム 「Aurea」
庶民派からデザイナー派に転身した地元工務店 Quadrant Homes (クアドラントホームス)が展開する連棟型低層住宅。若者向けのモダンなデザインを採用し、連棟型の木造にすることで低コスト化を実現。シアトル近郊の新築としては比較的価格を抑えられていますが、見えない部分の仕上げには粗雑さを感じました。
///// シアトル市街散策 /////
左:Amazon Go体験 / 右:スターバックス1号店
Amazon Sphereと本社ビル
研修3日目 12/5(木)
3日目シアトルから飛行機で「全米住みたい街No.1」として知られるオレゴン州ポートランドへ移動。コンパクトシティとして注目を集めるポートランド市街の街づくりを視察しました。
ポートランドは、街中を網羅する路面電車やバス、電車による公共交通機関が充実しているほか、シェアサイクルステーションや自転車道の整備により「全米で最も自転車に適した街」として知られ、環境に配慮した交通手段でコンパクトにまとまった街として絶大な人気を誇ります。
研修4日目 12/6(金)
4日目ナイス株式会社 ポートランド駐在 千葉様のアテンドで終日現地視察を実施しました。
ポートランド市街から車で40分の新興住宅地ハッピーバレーを視察
ナイスグループと隈研吾によるコラボ住宅、ICHIJO USAの分譲住宅、大規模賃貸住宅サンリッジテラスを視察しました。
◆ストリート・オブ・ドリームスでベスト・オブ・ショウ(2017)を受賞した高級住宅
日本のナイスグループと、世界的建築家・隈研吾によるコラボレーションで、木材をふんだんに使用した革新的なデザインとして評価を受けた作品。
Street of Dreams(ストリート・オブ・ドリームス)とは
住宅市場や新興住宅地を活気づける取り組みとしてポートランドで毎年夏に1カ月間行われる住宅イベントで、期間中は約5万人で賑わいます。会場では地元高級ビルダーによる建築が有料で公開され、最先端の設計デザインや、住宅設備、インテリアのトレンドを知ることができるクリエイティブな場として定着しています。
◆サンリッジ・テラス (大規模賃貸住宅)
Terrace(サンリッジテラス)は、全216戸を有する大規模賃貸住宅で、入居率は98%と高く人気の物件。ポートランドは1エリアで100戸を超えるような賃貸住宅群が増加しています。管理人が常駐し、管理状態は良好で、広大な敷地を移動するためのカートが設置されていました。
◆浜松の一条工務店がアメリカで展開しているICHIJO USAの分譲住宅
若い世代に人気のあるカラー・デザインを取り入れた住宅設計で、統一感のある街並みを形成。ハッピーバレーの他の分譲地に比べ、土地が小さく区画割りされていて、日本の分譲地に似ていました。日本の住宅メーカーが本格的に海外進出している現状を認識できました。
◆ポートランド中心街で人気の築100年を超える古い建物をリノベーションした賃貸住宅を視察
左/中央:Micro Loft(マイクロ・ロフト)
1914年にタイヤ会社の事務所として建てられた歴史的建築物を、賃貸住宅にリノベーションしたMicro Loft(マイクロ・ロフト)。地下スペースを自転車置き場やレンタルスペースに活用するなど、有効活用していました。
右:1920年にホテルとして建築された Lafayette Apartments (ラファイエットアパート)
研修を終えて
Amazonをはじめとする先進企業が集まるシアトルとアメリカで住みたい街№1といわれるポートランドの2都市を視察し、内容の濃い海外研修を経験することができました。
近い将来、日本の不動産・住宅業界が北米のように変化する可能性も大いにあり、実際に現地で学ぶ事ができたのはとでも有益であったと感じています。
短い期間ではありましたが、企画から実際の視察まで自分たちで相談しながら実行し、非常にいい経験をさせていただきました。この経験を少なからず、今後の業務に役立てていければと思います。
>>>詳しい資料はこちらからダウンロード
https://entetsu-c.jp/report/201912_america.pdf
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