大丈夫、大丈夫、と自分の頭を撫でてごまかす夜中。生暖かい手には何を重ねる？

だいすきだよ。は一種ののろいだと思ってる。勿論この言葉をかけるときは、本心だし、愛おしくてたまらないから伝えるものだけど。

でもおれの知らないところで、だれからか同じような言葉を受け取るとき、だれかに与えるとき、きみの心の隅っこにおれが浮かんでくるように。そして少し心苦しくなるように、とちいさなおもいをこめて。少しずつ、だいすきののろい。ねえ、だいすきだよ。だいすき。

どの屋上が高いんだろうと思いながら毎日歩いてた道もデザートを大事に抱えて歩いた道も同じだけど。光る首輪をつけた散歩中の犬は初めて見たね。

握られた手があったかかったこと、リラックスしてもたれかかった時のおもさ、外で指をさしていた変なかたちの雲、一生懸命喋るとくちがとがってるとこ、おれを見つけてにっこりと笑っておれを呼ぶところ。一生覚えてられることではないし、きみはおれより先にきっと忘れてしまうだろうけど、なんとなく愛おしいなあと思うこの頃。なにかをかきたくて、ふと。