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anouta-jp · 3 years
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anouta vol.8「部屋Ⅱ」について
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anouta8冊目のZINEがこのたび完成しました。「部屋Ⅱ」といいます。stores.jp(https://anouta.stores.jp/) にて販売をしています。
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これはトレンディ期に出版されたいくつかの小説(すべて20年以上前から絶版です)の中から「当時のセンテンス」を感じさせる部分を抜き書き・シャッフルし、自分では一文字も考えることなく再構築したものです。どこに目をやっても「トレンディ」的な文字の並びしか無いよう、当時のモードをより純度高く抽出しました。装丁は「時間軸の扉」のようなイメージで、(誰もが例年になく籠っていたはずの)「部屋」から外を透かし見ているような感じです。
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このZINEの使用方法。中身は読まなくていい。といって本棚にもしまわず、このように立てた形で部屋のセンターに置きピンライトで照らしてみてほしい。すっくと立ち続けていられるよう表紙は厚くしてある。イラストに本文、どのページが見切れていてもそれは「トレンディ」でしかない。あなたの部屋が少しだけ「1989年」の匂いで満ちるはずだ。
祖父の遺品の中に「戦中~戦後の日記」がありました。当然8月15日の事も記されてあります。その日は情感のこもった「嘆き」に近い言葉が並べられていて、だけれども何かこう、それを「記憶の中の祖父」と結びつけることができなかった。直接語って聞かせてくれたその頃の思い出話には「イキイキとした感覚」がうんとあり、その人が「昭和20年を生きた」という実感を味わせてくれたものでした。しかしその頃に「書かれた言葉」は、昭和20年なりの「借りてきた言葉」という印象のもの(語りが面白かっただけ余計にそう思う)でしか、殆ど記されていなかった。
今年の「大きな出来事」を記しておこうかと思う度よぎるのがその日記の事なのでした。おそらく自分も「2020年の借り物」の言葉を使ってしか日記などは書けないだろう。当然っちゃ当然なのですが....と、自省(?)の反動でこういうものを作ってしまいました。「何も書けない」がしかし、「何も書けない」という状態自体は書いておきたい。そんな思いがZINEになりました。
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anouta-jp · 3 years
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「lightmellowbu presents 90年代シティポップ名曲ランキング」anouta若山セレクトの20曲
http://lightmellowbu.blog.fc2.com/blog-entry-158.html
タツロー/まりやという権威を頂に仰ぐ形(ヤマタツ・ピラミッド)にすっかり見慣れてしまったこの数年の「シティポップ・ランキング」.....これではイカンザキ、とそこに鮮やかな軛を打つべく(?)、今夏に堂々公開された「 lightmellowbu presents 90年代シティポップ名曲ランキング   」。bu員&moreで好き勝手選びそれを集計した形をとったため、その結果は選んだ本人たちが驚くくらいカオスなものとなり(現在も1位の「村井博」は入手困難という...私は何故か持っていました)、また来年に集計すれば来年に知った盤が幾つか入るような状況であることも間違いなく、これらから導き出せるのは「このランキングは中間報告、あるいはプロセスなので引き続き各々digや理解を進める以外に道はない」という、ある種「修羅の道」のような事実なのでした。来年も再来年も生きなければならない。
というわけで、自分がチョイスした20曲も年内に公開しておくべきであるはずなのでそうします。「90年代」というワードにかなり敏感になりつつ選びました、というのも91年はトレンディですが97年はトレンディではないのだから...94年以降の盤はかなり「おずおずと」ピックアップしているのが透けて見えるはずです。
「90年代シティポップ」という定義は真剣に考えると意外と難しい。例えば80年代に(タイアップのヒット曲である)「RIDE ON TIME」をチョイスするかの如く、「hello,my friend」「ラブストーリーは突然に」を選ぶのはアリなのか?ASKAやミスチルの「シティ感のある楽曲」の扱いは?等々。それらを選ばない理由があるとすれば「J-POPだから」という感覚的な種別がありそうですが、「J」と「CITY」のその感覚的な差がどこにあるのか、自分は経年と共にだんだん忘れていってます。「CITY」と「渋谷」もそう。2020年なりの根拠不明な「踏みとどまり」を、以下のランキングから感じていただけたらまあ面白いのではないでしょうか。
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1.君と僕と彼女のこと / 坂本龍一 Feat.高野寛  作詞 大貫妙子 作曲・編曲 坂本龍一 (From Album「Sweet Revenge」1994)
歌詞中の「10年後」というキーワードが象徴するように、  70年代の「都会」80年代の「色彩都市」由来の都市感覚を引き継ぐ楽曲であるという強い思いから1位チョイス。クィアネスがニューヨークの所謂「カッコイイ」イメージを触媒としつつ、新鮮さ(と奥ゆかしさ)をもって綴られているのも90年代ならでは。
2.心から好き / 宮沢りえ 作詞 KIKUJI 作曲 山田直毅 編曲 難波正司 (From Single「心から好き」1992)
奇跡のような出来栄えにアイドル歌謡枠に入れることすら憚られるミッドナイト・アーバン・ジャム。音数少なめの打ち込みに「エロティックな関係」を充分に孕む歌声が乗り、スムース感触を持続させる。伊東たけしのサックスが切り込んでくる瞬間を固唾を呑んで待つ。
3.チャイナ・カフェ / 高橋徹也 作詞・作曲 高橋徹也 編曲 高橋徹也、上田禎 (From Album「夜に生きるもの」1998)
「10年代シティポップ」の20年先取りに聴こえる強曲。タイトなビートにサチモス的深夜不良感を含ませつつも、歌声には東野純直的な「90年代の実直さ」もどこか垣間見え、のっぴきならない。スガ槇原らのようなタレント的な個性が全編さほど現れず、故にどの時代に聴いても瑞々しい。
4.21世紀の恋人 / 谷村有美 作詞 神沢礼江 作曲 柴矢俊彦 編曲 西脇辰弥 (From Single「21世紀の恋人」1991)
ceroのラジオで5年くらい前にかかっていた。子供のころに耳なじんでいた「ふつうの曲」が、時間を超えて「取り戻せない輝き」として聴こえることに驚く。あの頃のブラウン管越しにはまだあった「未来としてのシティ感覚」。
5.湘南ドリーミング / 村田和人 作詞 安藤芳彦 作曲 村田和人 編曲 中村哲 (From Album「空を泳ぐ日」1990)
当時賛否両論あったという「村田×打ち込みアレンジ」だが個人的にはど真ん中、大成功、トレンディ。ジャケのような、デジタル・グラフィックのひとつ前くらいの「絵の中の青空」を感じる。
6.せつなかった日 / 上田まり 作詞・作曲 上田まり 編曲 浅野祥之 (From Album「room」1998)
レココレのシティポップ別冊でその存在を知ったレイト90sレアグルーヴ。ミーシャ宇多田前夜の中間期グルーヴィー楽曲はまだまだ未発見盤が多い。この路線でアルバム1枚統一させていれば…
7.はじまりのkissをして / 長沢有起 作詞 鮎川めぐみ 作曲 熊谷幸子 編曲 松本晃彦 (From Album「kiss and make up」1993)
90年代日本が誇るべき天才作曲家、熊谷幸子。大大傑作のファーストセカンドから1曲というのがどうしても選べず、同時期の提供曲からピックアップ。按摩のようにほぐれてゆくメロディに聴き手はただ身を任せるだけ。
8.What do you want me to do -どうして欲しいの- / 中原めいこ 作詞・作曲 中原めいこ 編曲 中村哲 (From Album「303 EAST 60TH STREET」1990)
まあ80年代の延長ですが...90年代に中原は沈黙してしまうので「すべり込み」とチョイス。チャキチャキしたニューヨーク感覚、ブギーとラテンの狭間をトレンディに縫合していく打ち込みアレンジ。元気。
9.Candy / 具島直子 作詞・作曲 具島直子 編曲 桐ケ谷"bobby"俊博 (From Album「miss G.」1996)
この曲を「シティポップ」と呼んでいいのかかなり長い間ためらいがあったし今でも迷いがあるけど、いい曲だしみんな好きだしと日和ってチョイス。多分真の再評価はあと10年後くらいにやってくる。
10.雨がやまない / SMAP 作詞 久和カノン 作曲 寺田一郎 編曲 長岡成貢 (From Album 「SMAP 007 ~Gold Singer」1995)
BTSの「関係性発露」がSMAPを源流にした意識下にあることは間違いなく、殊に「6人組時代」の上下感の希薄さは彼らにより近い。「ダイナマイト」の次に「Life Goes On」と言うか「セロリ」とくるか、これは好みの問題。
11.キミとボク / 鈴木蘭々 作詞・作曲 EPO 編曲 清水信之 (From Single「キミとボク」1998)
2021年はボサノヴァが来るのでしょうか。誰よりも「痛み」を分かるシンガー、EPOが90年代の内外状態と向き合って静かに放った(提供した)赦しのラブソング。ゲイを救う歌詞とも思う。
12.Everlasting Love / 麗美 作詞・作曲 堀川麗美 編曲 堀川麗美、萩田光雄 (From Album「夢はおいてませんか?」1991)
あまりにも出来がいい、どこを切ってもザッツ91年なブラコン・ミディアム。これをやりたいという確かな意思を感じる。もし麗美に「ユーミン時代」が無かったら、却って現在の評価は高かったのではないだろうか…
13.抱きしめたい / 米米CLUB 作詞・作曲 米米CLUB 編曲 中崎英也 (From Album「Phi」1993)
米米やドリをシティポップと言っていいのか...しかしこの曲は良い。カップスープのCM曲だったこともあって「トレンディ生活」モードが幼年の記憶と共に刻まれていて、なしくずし的にチョイス。
14.私達を信じていて / Cindy 作詞 康珍化 作曲 Cindy、鳴海寛 編曲 鳴海寛 (From Album「ANGEL TOUCH」1990)
この曲も「トレンディ生活」な温度極まりない(温度極まりない?)マイフェバリット。アゲすぎない上品さは同時期の中山美穂(Cindy、鳴海共にクレジット)ともすごく相性が良く、こちらもサブスクで必ず聴くこと。
15.RAIN DOLPHIN / 有賀啓雄 作詞・作曲・編曲 有賀啓雄 (From Album「umbrella」1992)
「雨が降る、テンテケンテケン」の出だしがすべてとも言えそうなレイニー・モワレ・おセンチミディアム。この感じをより色気方向に結びつけた藤井フミヤ「わらの犬」(有賀編曲)も入れたかった。
16.ヴィーナス / Original Love 作詞 木原龍太郎 作曲 田島貴男 編曲 オリジナル・ラヴ (From Album「結晶 SOUL LIBERATION」1992)
昔彼らを「ジナラヴ」と略すとTVでやっていて中学くらいまではそう呼んでいた。「クイズ!年の差なんて」で「ミスチルとは何の略でしょう」という問題が出たとき、加藤茶は「日本のスープ※」と答えていた。
17.COOL WATER / 浜本沙良 作詞 夏野芹子 作曲 山口美央子 編曲 有賀啓雄 (From Album「Truth of Lies」1995)
フォーライフから何か1枚入れなければ、とbuのthaithefishさんフェバリットを。アルバムの1曲目が中原めいこ調ラテン・ポップスでこれが2曲目というのが面白いのですが、いつもこっちから聴いてしまう。
18.Love Popsy Love / いしだ壱成 作詞・作曲 いしだ壱成 編曲 中村哲、いしだ壱成、迫田到 (From Album「Simple Thing」1994)
何気に中村哲アレンジ3曲目。全然意識はしてませんでしたが…このアルバムはカトーマサカーで〆にかけるくらいに好きです。詳しくはトレ歌ブ第23回をご覧下さい。
19.新しい風 / 岩下清香 作詞 福士久美子 作曲 片寄明人、堀江博久 編曲 井上富雄 (From Album「眠らせないで」1996)
90年代シティポップ、と言った時にまず頭に浮かんだのは実はこの曲だった。buのinudogmaskさんミックス「Soul, Female, Mellow, Yellow」や片寄明人のシティポ始祖鳥的オムニバス「Mellow Best of J-AOR」に収録。
20.夏のおわり、近づいた空 / GWINKO 作詞 大山潤子 作曲・編曲 柿崎洋一郎 (From Album「I'M IN」1990)
この曲���サンプリングしたフューチャーファンクありましたよね(何だっけ…?)NJSとシティポップの結節点的な重要曲なので、今後もっと「名曲」扱いしてオムニバス等に収録してほしい。
※「ミスチル」と「みそ汁」をかけた
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第48回:オリジナル・キャスト盤「磯野家大いに唄う」
ちょっと前の話で恐縮ですが、「lightmellowbu presents 90年代シティポップ名曲ランキング best50」(詳細コチラ→ https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/25932)という気の利いたチャートが発表され、不肖わたくしもランキング投票&レビューで参加致しました。(機会があれば自分の「個人セレクト」ベスト20もここに載せようかなと思っています)90年代のシティポップと一口に言っても「80年代モード」継続・踏襲組、海外AOR/R&B直影響組、渋谷系以降組などなど潮流はナルホド各種あり、シティのエッセンスが物語から細部へと移行した時期(散種?そんな大げさな話ではない)が90年代であると言えます。よってこのチャートは決定版・金科玉条でも何でもなく、参加者の数だけふくよかになる「書き込み可能」なものなのです。あなたが明日発見するなぞの1枚が、総てを上書きするかもしれません。捜そう。捜そう。 
さて。このチャートで村井博や小田育宏などの「未発見のシンガー」に混じって殊更スポットが当たっていたのは 障子久美、 熊谷幸子、プロジェクト名義のカルピスCMソング「白いキス」など、松任谷正隆主催の音楽学校「 マイカ・ミュージック・ラボラトリー 」関連のアーティスト達。トレンディ期にタイアップ付きの楽曲を数多く出し、オリコン10位程度のヒットもあるのですが…そのご本尊である「ユーミン」と言うあまりに巨大な現象がまだ猛威を振るっていた時代故、その陰で「わき役でいいから」と不当に埋もれてしまった感があります。超弩級の才能を確実に持っていた、今こそ再聴すべきミュージシャン達です。今回のこのブログでも、その「マイカ」人脈で作られたアルバムを紹介したいのです。
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Release : 1994.3.19
 【みゅーじしゃんず】
 べいす 高水健司
ぱーかっしょん 菅原裕紀
ぺだる・すちーる・ぎたあ 駒沢裕城
ぎたあ 是方博邦
ふるーと 藤山明
おーぼえ 柴山洋
きぃーぼーど 木塚二郎、堀口和男
ぴあの 吉田弥生
ほるん 南浩之、堀口哲生
はーぷ 山川恵子
とらんぺっと 数原晋、エリック宮城、吉田憲司、河東伸夫
とろんぼーん 清岡太郎
くらりねっと、さっくす、ぶらす・あれんじ 村岡健
はーもにか 八木伸郎
こーらす 木戸泰弘、比山貴咏史、本田淳子、桐ケ谷仁、桐ケ谷俊博、
     杉真理、障子久美、熊谷幸子
 ※表記の通り書き写したのですが、途中で嫌になってきました
ホリプロ企画の元、「榊原郁恵(サザエ)久本マチャミ(カツオ)主演、三谷幸喜脚本」という、今聞くとクエスチョンマークが2兆個浮かんでしまうような組み合わせで94年に開催された「音楽劇・サザエさん」。当時「マチャミが坊主頭に」というのがニュースになった記憶がボンヤリあります...が、今は完全に忘れ去られている作品でしょう。この音楽監修を務めたのが、何と松任谷正隆だったのです。といってもご本人がガッツリアレンジその他で関わるはずもなく、「マイカ人脈(正隆氏のライナーでは"僕のところの若い衆”と書かれています。笑)」をフル活用した見本市的盤となっているわけです。それにしてもコーラスに「杉・障子・熊谷」の名前が並んでいるのは壮観…。作詞はナント全作三谷幸喜(まあたいしたことはない)、アレンジは木塚二郎という「bayfmのジングル」や「カルピスのCM(詳細不明。もしかしたら件の「白いキス」のCM用別アレンジかも)」を手掛けたマイカの作家が担当。ノーブルさで一貫性を持たせつつも、随所に同時代的きらめきが見られ、まあトレンディとも言えましょう。
 1. 客入れ~歩いて帰ろう~
(作曲 松任谷由実 編曲 木塚二郎)
2. 歩いて帰ろう(アルバム・ヴァージョン)~磯野家大いに唄う~
(作詞 三谷幸喜 作曲 松任谷由実 編曲 木塚二郎)
ピアノ・インストに続き流れるのが驚愕のユーミン作曲、本作品のメインと言うべきオールキャスト歌唱曲(シングルカットもされました)。90年代ユーミンのひとつの主流をなすサウダージな「コールド・レゲエ」風味の骨格を持ちながら、音飾の「プリセット感の温もり」でハートウォーミングに仕上げています。
3. カツオのセビリ節
(作詞 三谷幸喜 作曲 後藤瑞穂 編曲 木塚二郎)
エスノっぽいシンコペーションと派手なギターサウンドを掛け合わせたカツオ(マチャミ)のソロ歌唱曲。かなり技ありと言うか、どことなく熊谷幸子っぽいメロディとコード運びが素晴らしい。マイカの血の強さを感じます。
4. フネと波平 愛のテーマ
(作詞 三谷幸喜 作曲 大貫順子 編曲 木塚二郎)
まるでお薬師のようにクリアーなフネ(亀井光代)の美声が映えるワルツ楽曲。シンセ・アルペジオがちょっとおフランスの風味もありますねー。
5. いつか大人になったら
(作詞 三谷幸喜 作曲 山下真弓 編曲 木塚二郎)
どことなくおニャン子のいい部分(マリナとか)の匂いを感じさせる、ワカメ(宮地雅子)歌唱のチャールストン系楽曲。聴きどころは何といってもグッド・オールドタイミーなコーラス。木戸か杉か、どっち仕事なのかな…
6. マスオとサザエ 宇宙を語る
(作詞 三谷幸喜 作曲 熊倉昌喜 編曲 木塚二郎)
くま井ゆう子もかくや、なエヴァーグリーン風景がどこまでも広がるサザエ(郁恵)とマスオ(梨本謙次郎)のデュエット楽曲で、これは「榊原郁恵のガールズポップ」と呼んでも差し支えないでしょう。奥で鳴るヒュンヒュンしたシンセがちょっとムーンライダーズっぽい。
7. 春の予感
(作詞 三谷幸喜 作曲 金子譲 編曲 木塚二郎)
バタバタしたドラムと裏打ちのピアノでまたもやほんのりレゲエ風味のサザエソロ。もう少しゴージャスに仕上げてたらシングルでもいいかなというグッドメロディです。たぶんコーラスは熊谷&障子だと思いますが、ほんっとうに麗しいんですよ。
8. かーてんこーる
ここまでの楽曲をメドレーで振り返っていきます。合間に楽屋裏のおしゃべりが挟まれ、マチャミが「こんにちは、レースクイーンです」と「カツオ」の設定を完全に無視して自己紹介。ヒルナンデスのノリと寸分違わない!と驚き呆れることでしょう。
9. 客出し~歩いて帰ろう~(オーケストラ・インスト・ヴァージョン)
(作曲 松任谷由実 編曲 木塚二郎)
2曲目のオーケストラ・アレンジでしっとりとエンディングです。
※1、2、3、7曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/48-1
以上9曲、粒揃いというか決して手抜かり無しの 、映像無しでも始めから終わりまで楽しめるナイス・アルバムなのでした。最初に書いた 「lightmellowbu presents 90年代シティポップ名曲ランキング best50」ともかなり地続きなモードを感じられるかと思います。
ここでお知らせです。当48回目をもちまして、「トレンディ歌謡に抱かれて」はしばらく休止をさせていただきます。ずっと読んでいただいていた方いらっしゃいましたら、本当にありがとうございました。また再開の際には、いつもの「クツクツ笑い」でお目にかかれるといいなと思います。それでは!
「クツクツ笑い」?
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第47回:BLUEW「SURFBREAK 」
【シリーズ「摩天楼でポン」最終回】
はてさて、季節です。何の季節かと言えば夏です(暑いやね)。夏と言えばリゾートであり、リゾートと言えば海。つまりはVAP作品のジャケ的なアレです。サンドビーチやパームトゥリー、それにパラソルやビキニ、etc...とまあ摩天楼とは結びつかねえやと思われることでしょう(お忘れかも知れませんがこれは「摩天楼ジャケ」のピックアップシリーズです)。し・か・し!そんなリゾート・イメージと都会派イメージを折衷した、スペシャルなジャケの「盤」がこの世にはナント存在���るのです。ご紹介しましょう。
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Release : 1987.6.5
BLUEW
Keiji Katayama : Vocal
Takanobu Masuda : Keyboard
Takashi Masuzaki : Guitar
Kazutomo Samejima : Drums
Kaoru Ohhori : Bass
Hidefumi Toki : Sax
Nobu Saitou : Percussion
Tomoko Aran : Chorus
お見事としか言いようがない。「海辺のリゾート景色」の影の部分から、まだ都庁の無い「トレンディ期・新宿副都心」を透かしで見せて「シティ」と「リゾート」を強制的にマッシュ・アップ。この時代にしかできない、ハイ・ライフいいとこ取りの超欲張りジャケと相成っています。BLUEWというまたまた聞き慣れないバンド名ですが、彼らはCM NETWORKでおなじみのボーカル・片山圭司を中心としたバンド。「CM~」で勘のいいかたは分かると思いますが、彼らはビーイング系のグループで、ギターの増崎孝司はのちのDIMENSION~B・Bクイーンズメンバーでもあります。サウンドも同時期のビーイング・グループ「TUBE」と比較的近く、薄口デジタライズ感触のシティポップをベースにしつつもボーカルが「汗臭い」のが個性のポイント。そう、それもTUBE以上に...
1.夏・君にMy Love
(作詞:亜蘭知子 作曲:片山圭司 編曲:BLUEW)
アーバンなサックスとシティなカッティング、バッチリな感触なのです、が!歌はすこぶるブルージーというか、包み隠さず言うとものすごーく「桑田佳祐」。ナルホド、こういうアプローチか…とシティ+αのとまどいを味わえます。
2.Southern Marmaid
(作詞:吉元由美 作曲:片山圭司 編曲:BLUEW)
夏、海、タツロー...カッティングもあって「Loveland,Island」してますねー。ただその分演奏のノッペリさが目立つ感は否めません(が、それも味)。間奏が「シンセソロ」なのが独特でポイント高いです。
3.DANCE3(ダンス・ダンス・ダンス)
(作詞・作曲:片山圭司 編曲:BLUEW)
TOSHITARO「DanceしてChance」(調べて下さい)と同系統の、小粋な歌謡センスを大事にしたブギー・チューン。コーラスで参加の亜蘭知子が麗しい。
4.濡れて Motion
(作詞:森生紗都子 作曲:片山圭司 編曲:BLUEW)
ちょっと「あー夏休み」を先取りしてますね…つまり「ビーイング版桑田調スケベ心楽曲」です。しかしこういう風にやられると、桑田の唯一無二さを逆に感じてしまうような。
5.Misty Summer Love
(作詞:星野今日子 作曲:片山圭司・増崎孝司 編曲:BLUEW)
EPOや大江千里のようなモーニングドライブ感触のある、軽めのリゾート・ポップスです。が!やはりここにも随所に「桑田」の節回しの影が…故に何かスコーンと爽やかになり切れない「表現の迂回」を感じてしまうのでした。
6.南へ走れ(Long Ver.)
( 作詞:吉元由美 作曲:片山圭司 編曲:BLUEW )
「新グロモント」のCMソングで、サビのメロに小田裕一郎の影響が見え隠れする良ポップ。栄養剤のイメージとボーカルの個性はここではなかなかマッチしていると思います(後にシングルカットも納得)。長いパーカッションブレイクもあるので是非フロアーでご利用ください。
7.EMPTY EYES
(作詞:亜蘭知子 作曲:大堀薫 編曲:BLUEW)
90年ごろのサザンっぽい「ちょっとしたミディアム」。これ位肩の力を抜いたアプローチの方がグッときますね。件の桑田的「巻き舌」もまあここでは味に聴こえてきます。
8.Same old love song〜この胸に〜
(作詞・作曲:片山圭司 編曲:BLUEW)
こちらは「Oh!クラウディア」に聴こえなくもない、AORアプローチのピアノバラード。シットリと、と言うわけには当然いかずエモーショナルに歌い上げます。
9.Summer Night
(作詞:片山圭司 作曲・編曲:BLUEW)
大沢誉志幸の賑やかなファンク・アレンジを思い出さずにはいられない1曲。とか言いながら「♪夏の夜はイッちまう~」と桑田系ムードはここでも手放さず。笑 うーむ。
10.Daybreak〜sunshine in your eyes〜
(作詞:亜蘭知子 作曲:片山圭司 編曲:BLUEW)
「見つめていたい」のシンコペーションと夏の終りの抒情をミックスし、「何も言えなくて…夏」を7年先取り。麗しい亜蘭コーラスとデジタルフルなアレンジがベスト・マッチ。
※6、7、10曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/47-1
以上10曲。逆説的に桑田佳祐のオリジナリティを思い知るような…笑。この盤のように「汗ほとばしるシティポップ」としてサザンが存在しないというのは、彼ら(サザン)の独自さを考える一助になる気もします。桑田のブルージーさって「スタイル」では無いんですよね。スタイルとして研磨していくことを免れた故のある種のルーズさというか自由放任さ、そしてそれを少なくとも85年まで 温存できたこと ( それはバンド内の「民主主義性」のあらわれ とも言えるでしょう)が、実はサザンの1番の凄味なのではないでしょうか。そしてこのBLUEWの「暑さ」は、その「民主主義性」を「規律化」した故の圧のようなもの、とも言い換えられるのかもしれません。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第46回:サイドビジョン「ムーンライト」
【シリーズ「摩天楼でポン」第1回】
どこまでも伸びゆく.....ドバイにアブダビ、世界中のメジャー都市にいくつもある大きな大きなビルディング、が集まってできたのは「摩天楼」.....その貫禄、おおらかさ.....そして周囲に蠢く人々の「それぞれのハイ・ライフ」、悲喜こもごもを想像…..「ナイス・トレンディ」、たまらずそうつぶやき、25階の非常口で風に吹かれて爪を切る。ああ、摩天楼こそまさにトレンディのメルクマール。そうだろ?(ぺこぱ)よってブックオフ、CDのジャケに摩天楼が出てくればもう勝ったも同然。隅から隅まで速やかに購入。安心しきって聴かずに寝る。
今までそのようにやってきました。しかし色々聴いてみると分かるように、実際は摩天楼ジャケ=「都市、モダン、オシャレ、フローリング、ケニーG」という風には一概には言えず、意外と様々なモードの表象だったりするわけです。「トレンディ期の摩天楼ジャケ」を連続して取り上げ、その実態をレビューしたいと思います。
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Release : 1988.5.21
SIDEVISION : AKITETSU IKEDA & NORIYUKI KITAKOGA
※担当楽器不明。インナーだと北古賀氏が鍵盤、池田氏がギターを持っています。
YUZO HAYASHI  Keyboads
TOMOHIKO AOKI  Bass
MASAHARU ISHIKAWA  Drums
JUN KAJIWARA  Guitar
MAKUNI FUKUDA  Guitar
MASATO HONDA  Sax
KEIICHI “CRAZY”GOTO  Fairlight CMI III Operation
KAZUMI MIYAURA, KAYOKO TAKAHASHI  Chorus
LARRY CORYELL  Guiest
ザッツ・摩天楼ジャケ。王道のニューヨークですねー。一見すると「CMで使われたジャズ・コンピ」あるいは「ビリー・ヒューズ」みたいな佇まいですがさにあらず。コンポーザーのNoriyuki KitakogaとAkitetsu Ikedaによるユニット「SIDEVISION」 による、歴然としたオリジナル・アルバムなのです 。どのような二人なのか、ネットに情報が殆ど無く詳細は不明なのですが、結成から7年も経って88年にリリースされたファースト・アルバムがこの「MOONLIGHT」。共同プロデューサーに山本達彦~角松敏生バンドで当時キーボードを務めていた林有三を抜擢し、当時的、と言うにはちょい古めな部分もある、が当時的なモダン・ビートを軸にしたインスト・フュージョン~ジャズアルバムに仕上げております。ゲストでギタリストのラリー・コリエル(日本在住時?)が参加していますが、どの曲のどのプレイか(どころか果たしてギターで参加かどうかも)不明。
1.SELDOM OR ALWAYS
(作曲・編曲 林有三)
今いちばん旬な感じのする、シリアスな雰囲気のシンセ・パターンが蠢く打ち込みニューエイジ楽曲、なのですが1分ちょいでカットアウトしてしまいます。もったいない!
2.THROUGH THE NIGHT
(作曲・編曲 SIDEVISION)
そこから脈絡もなく陽気な夏系フュージョン、というかジャスコ楽曲へとなだれ込み、何なんだと思わせてくれます。スネアが妙に薄い(85年くらい?的な)鳴りなのも面白い。
3.I’LL REMEMBER AUGUST
( 作詞 岸進  作曲・編曲 SIDEVISION)
杏里「最後のサーフホリデー」系、シンセ・ホーンとリズム隊がバタバタと賑やかなアッパーチューン。当盤で唯一の歌モノで、英詞のサビをコーラス隊が歌っていますが、メロディはシャカタク調。
4.AUTUMN BREEZE
(作曲・編曲 SIDEVISION)
ナイロン弦ギターがメロディを奏で、天気予報系のおセンチな感じになります。雨粒のようなモワレシンセ音が終始コワンコワンと鳴っているのが意外な聴きどころ。
5.RAINY DRIVIN’
(作曲・編曲 SIDEVISION)
チョッパー・ベースがグイグイ主張する、アルバム中最ファンキーな1曲。そつのない仕上がりですがクオリティは高いですね。
6.SHADOW ON THE WALL
(作曲・編曲 SIDEVISION)
何故かジャングル風鳥声イントロで始まります。リードのシンセ・マリンバなどエキゾ・フュージョンっぽいと言えばぽいのですが、メロは泣きモード。スネアのリヴァーヴ感など打ち込みっぽくカクカクしてます。
7.STREET 2:00
(作曲・編曲 SIDEVISION)
サックスが主メロを奏でる爽やかな2ビート(風)ジャズ・フュージョン。両サイドでシンセ・パーカッションがこれでもかと鳴っていて笑ってしまいます。何でしょう。ストリート感覚?
8.BAY AREA CRUB
(作曲・編曲 林有三)
リュードでミッドナイト感覚を醸し出しつつ、ゴスペルっぽいコードでピアノが奏でられ「お、歌モノか」と思うとフェード・アウトしてしまいます…インタールード的な配置。
9.STEP TO TOWN
(作曲・編曲 SIDEVISION)
モダン・ブギーの感触があるシンセ・パターンでズコズコと始まり、ほぼ期待通りにトレンディ・フュージョンへと展開していくイイ感じの王道曲。後半にむせぶサックスもザッツ・トレンディ!
10.BRIGHTEST MOON
(作曲・編曲 SIDEVISION)
TBSドラマの劇伴みたいなムーディーさを持ったバラード楽曲。リードのぼやけたシンセ音→ソプラノサックスがどちらも何だか頼りない鳴りで、反って素敵に仕上がっていますね。
※1、2、9曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/46-1
以上10曲。ジャケの都会派イメージを崩すことなく、最後までシティ・ライフにそれなりに添い遂げてくれる楽曲が続くのでした。というわけでこちら、「当たり」!盤なのです。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第45回:YONO「遠い星」
【2枚目はどぉなるの!?シリーズ 第3弾】
大充実の「シリーズ」!!今回も片手に「オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド」(https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/24122)を持ってお読みください。P32、あのさいたま市中央区ミュージシャンの「2枚目」です。
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Release : 1990.9.21
  Musicians :
E・g & G・g : Masayuki Chiyo
E・g & G・g : Akira Okubo
G・g : YONO (Katsuji Amazaki)
E・Bass : Michio Nagaoka
Apf & Epf : Ken Shima
Drs : Kazuteru Misago
Perc : Shigeru Mizuno
Chorus : Osamu Hikita, Hiroaki Suzuki
Sax : Kiyoshi Saito
Flute : Takashi Asahi, Kiyoshi Saito
Strings : Joh Kato and his group
Synthe : Takashi Iwato
  『1980年:キングレコードより「尼崎勝司」としてソロデビュー。以降テイチクより「YONO」名義を含む合計オリジナルアルバムを7枚、シングル10枚をリリース』…と転載の転載ですみません。冊子掲載のこの名義ファースト・アルバム「バンボレオ」は「Bamboleo」日本語カヴァー(ニトロのMACKA-CHINもお気に入りらしい)や「哀愁のカサブランカ」のラテン・ヴァージョンで幕を開ける和製(というか和風?)ジプシー・キングス~サンタナ路線のラテン・トレンディ歌謡盤でした。
名義をローマ字にマイナーチェンジしての2枚目「遠い星」はなんと!ラテン楽曲はほとんどありません(えぇーっ)。半数の曲を本人が作曲(そういえば前作は「獅PADUDU 竜PADUDU」というおかしな名前が作詞・作曲の大半を占めていましたが…あれは誰?)することにより、「J」印がより濃くなった印象で、ジャンル的にもフォーキー~ブルース~ボッサタッチの滋養のあるミディアム・バラードが大半となっております。歌声も「やさしさ」が全面に出ており、なんというか、ミッドナイト感触のようなものがあって素晴らしい。
  1.ミステリアス レイン
(作詞 尾崎みかこ 作曲 YONO 編曲 長岡道夫)
出だしっからあららシットリと。南佳孝なんかがやってそうな小粋なブルースで、クラシックギターソロを含めセッション感の強い仕上がりですね。編曲はSHOGUNのミッチ―長岡。今作では全曲に関わっています。
2.シンディーラブ
(作詞 桑野野人 作曲 YONO 編曲 長岡道夫)
ある時期のサザン・オールスターズのAORセンスに近いものを感じる…やはりブルージーな雰囲気のミディアム・ナンバー。哀川翔主演のヤクザ映画「獅子王たちの夏」挿入歌で、実はYONOが手掛けた同映画のサントラ盤というものも存在するのです(未聴)。
3. セプテンバー
(作詞 松本一起 作曲 長岡道夫&YONO 編曲 長岡道夫、若草恵)
ピアノと声だけであなただけにお届けするミッドナイト・バラード、と思いきや後半はたかじんみたいな若草印のベタ・バラード展開がちろちろっとやってきます。それ必要?
4. 夢の向こうに
(作詞・作曲 上田正樹 編曲 長岡道夫)
ブルージーといえばこの人、というわけでとうとう上田正樹の作品が出てきましたよ。ここまでの流れの総決算みたいな、これは直球に良い仕上がりの1曲です。映画「獅子王たちの夏」のこちらは主題歌で、シングル・カット曲。
5.レイニー
(作詞 与詞子 作曲・編曲 長岡道夫)
2曲目のエレピ・AOR感覚がまたやってきました。出だしから鳴りっぱなしのサックスもトレンディ・エコーに塗されていていい感じ。しかしここまで全曲バラード!前作と毛色違いすぎ!
6.セデマリー
(作詞 道行恵 作曲 長岡道夫&YONO 編曲 長岡道夫)
…とそんな声を察してか、急にスパニッシュでチャカチャカいくフラメンコ~ラテンチューンが来ます。笑 とは言ってもどこか賑々しくない感覚もあり、声のミックスもボワボワと歌謡風味が強め。
7.ケ ボニト コラソン
(作詞 納家芳樹 作曲 斉藤修 編曲 長岡道夫)
お待たせしました、ボッサです!かなり中盤までポルトガル語で歌います。当ブログ掲載の「SHARA」にも通ずるデジタル・ミックス感触で溢れており、なかなかよい出来ですね。
8.1/2の時代
(作詞 松本一起 作曲・編曲 長岡道夫)
前曲よりも歌謡ナイズドされた、研ナオコ~マイケル・フランクス(そんな定義あるか?)の感覚があるサウダージ・ボッサが続きます。メロディが「♪恋も二度目なら~」と似ているのが微笑ましい。
9.Hurt Hard Heart
(作詞・作曲 山崎こうき 編曲 長岡道夫)
両チャンネルに振り分けられたスパニッシュ・ギターで奏でるMOON CHILD「ESCAPE」っぽいアップテンポ曲。ちょっと渋谷系感触か?と思うポイントもありますが、やはりメロディはグッド歌謡曲テイスト。
10.  遠い星
(作詞 SHOW・YONO 作曲 YONO 編曲 長岡道夫、YONO)
柔らかなストリングス+アルペジオの陽水風バラッドでシットリと幕を下ろします。
   ※2、6、7曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/45-1
   と前作「バンボレオ」からだい~ぶテイストを変えてお届けした全10曲でした。「陰陽」の関係がある2枚とすら言えそうですが、その後の変遷を辿ってみないとわかりませんね。そしてさっき知ったのですが、件の映画「獅子王たちの夏」はDVDがナント歌舞伎町のTSUTAYAにあるそうで.....今度借りて、サントラの出来を確認してみようかと思います。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第44回:久野かおり「SINCERE」
【2枚目はどぉなるの!?シリーズ 第2弾】
 大好評のシリーズ第2弾を今日はお届け。「オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド」P24を開いてください。そちら下段に写りましたる黄色いジャケのトレンディ・ウーマン、はてさて2枚目はどうなったでしょうか。
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Release : 1989.8.31
 Drums : NOBUO EGUCHI, JUN AOYAMA
Bass : SHIGERU OKAZAWA, KOHKI ITO
Guitar : TSUYOSHI KON, SHIGERU SUZUKI, HIROKUNI KOREKATA
Acco.Piano : & Synth. Keyboards : TADASHI NAMBA
Keyboards : NOBUO KURATA, YOSHIHIRO NAKANISHI
S.SAX : KAORI KUNO
Perc : MOTOYA HAMAGUCHI
Synth. Programming : HIROSHI YAMADA, KEISHI URATA
Background Vocal : KIYOSHI HIYAMA, YOSHIMI NIKURA, YASUHIRO KIDO
   というわけで「日本人初のシンガーソング・サックスプレイヤー」こと久野かおりさんです。ファーストアルバム「LUNA」は近年(局所で)一大アンセムとなった「Adam & Eve 1989」を始め、ブギー感覚と歌謡センスが高次で融合、再発見されるべくしてされた名作でした(リマスター再発求む)。間をそんなに空けずのリリースとなった当盤はアレンジャーを「難波正司」1人に絞り、より90年代的なライトなファジィ味で統一させたような印象。そしてタイトルからしてトレンディ・ワード炸裂な歌詞群は、今回自作と提供が半々。こちらでも作家性に縛られすぎない「軽やかさ」をうまく展開しています。
  1.Time Is Up
(作詞 山口美江 作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
イントロが「悲しみがとまらない」そっくりなアーバン爽やか曲。作詞の山口美江はあの山口美江です。TBS「たけしのここだけの話」という、山口出演のバラエティのテーマ曲だったんです(因みに前作収録「月の砂漠から」もそうでした)。
2.抱きしめてハーフムーン
(作詞 竜真知子 作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
ボッサタッチの雰囲気を少し「J-POP」に寄せたような、こちらも非常に爽やかな曲。途中トレンディ・ラテンパートがあるのが聴きどころですね。しかし「リゾート」にしすぎないウェットさが彼女の佇まいにはあるようにも思います。
3.Still Single
(作詞 竜真知子 作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
マイナーキーの歌謡系ミディアム。楽曲は凡庸ながらやはりその伸びる「声」(当曲はすごく斉藤由貴系に聴こえる)で引っ張られます。間奏のボンヤリした彼女のソプラノ・サックスが面白い。
4.Lip Stick
(作詞 白石公彦・井本えりこ 作曲 白石公彦 編曲 難波正司)
村田和人、南佳孝がいかにもやりそうなトレンディ・ラテン~チャチャ曲ですが、これは素晴らしい出来ですね。プレイヤー陣の盤石さもさることながら、声質とジャストフィットしたエコー感のミックスが最高。踊りたいです。
5.わかって -Deep In My Heart-
(作詞 竜真知子 作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
デヴィッド・フォスター~聖子的なフィーリングの、大仰なバラードチューンがここできます。是方博邦のギターソロがなんだか100万$という感じでダイナミック。
6.暮れかかる頃
(作詞・作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
尾崎亜美っぽい、というか85年の聖子っぽいガーリー打ち込みハツラツ曲。しかし全曲本人作曲という事実には改めて驚かされます。いい意味でバラバラな作風なので…
7.ときめきは FOR YOU
(作詞・作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
ハネたリズムのブラコン感触な打ち込みアップチューンです。しかしどういうわけかこれもものすごく聖子っぽい…歌詞も「ルームミラー映って消えた」「ジュースの空き缶蹴って」とちょい松本隆のモード入っております。
8.ロンドンで1人暮らし
(作詞・作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
4曲目のグッド・ヴァイブスがふたたび(ありがとうございます)。ユーミン・プロダクションを想起するパーカッションとコーラスが麗しいアレンジがgood。しかしこういう実態が50%くらいの海外エスケープ楽曲って、トレンディ期ならではですよね。
9.Just Only Tonight
(作詞・作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
独特な歌謡メロの打ち込みアップテンポ楽曲。なんでしょう、打ち込みの加減、リズムボックス感触などちょっと84、5年に逆戻りしたかのような…不思議な曲。
10.  ‘Cause Your Love
(作詞・作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
草原系?というかエバーグリーン・モードと言ったらいいのか…丁寧に作られたミディアムバラード。コーラスパートがイイですね。
11.  つかまえてて Lovin’ You
(作詞・作曲 久野かおり 編曲 難波正司)
何だか「瑠璃色の地球」ですねこれは…なぜかここで彼女は「アコースティック・ピアノ」を担当。こういう楽曲こそサックスの出番な気もするのですが…
  ※4、7、8曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/44-1
 以上11曲。随所に「立った」個所があるように感じられた前作「LUNA」よりもヨリ中庸を目指した、という感じがやはり強い。で、その媒介として「松田聖子」がどういうわけか導入されたような...そんな佳盤です。トレンディ期ならではのリゾート寄りのミディアムはひと際素晴らしく聴けると思います。やはりこの盤も「買い」なのです。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第43回:Manna「blue in green」
【2枚目はどぉなるの!?シリーズ 第1弾】
 今年刊行された(何だかはるか昔のことのように感じちゃいますね)「オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド」。ご承知の通り今まで全く顧みられなかったレア・アーティスト達の素晴らしい作品が数多く掲載されているわけですが、そのバイオグラフィとなるとネットの海にも転がっていない場合がとても多��。故に掲載された盤だけが「あ。これが唯一の聴ける盤なんだな。これを押さえておけばとりあえずこのアーティストはOKなんだな」…などと思われがちな気がします(ファースト・アルバムが掲載されている場合は特にそうでしょう)。果たしてそれは、本当にそうなんでしょうか。それが本当にそうなのか、当ブログでは速やかに検証。各アーティストの「ディスクガイド未掲載の”2枚目”」をフィーチャーし、(クレジットを含め)どんな音楽性の変化や進化があったのか、そして端的に「良い盤」なのかをレビューしてみたいと思います。
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 Release : 1992.7.1
  Guitar : Kenji Kondo, Masaaki Iizuka
Pedal Steel Guitar : Hiroki Komazawa
Bass : Hiromi Wada
Keyboad : Tsutomu Nakayama, Toyoaki Mishima
Piano :  Masaki Tsurugi
Percussion : Soichiro Suzuki, Mataro Misawa
Strings : Hijiri Kuwano, Reiko Suzuki, Tsunemi Toyama, Tsunehiko Terai
Horns : Yoichi Murata, Toshio Araki, Rie Akagi, Hideyo Takakuwa, Makoto Hirokawa,
Hiroyuki Minami, Tsutomu Maruyama
 Horn Arrangement : Youichi Murata
Strings Arrangement : Yoshihiro Kunimoto
 まずは拙著のアーティストから取り上げるのがスジだろう、というわけでMANNA(P71に掲載)です。小編成でコンパクトにアレンジされたクレプスキュール直系の「宅録リゾートポップス」は、PZV「カップルズ」の後日譚にも聴こえる素晴らしい作品でした。さて2枚目はどうでしょう。まず驚くべきはこの豪華な参加陣!生ストリングス・生ホーンで純正ソフトロックのモードが加味され、「デスクトップ」から実体へと進化したような趣きがあります。と言いつつある種の「大仰さ」はうまく回避。前作同様のキュートさは維持されているのが素晴らしい。
  1.青い魚
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
ミレニウム、ハーパース・ビザールのような端正なストリングス・イントロに始まり、合間に鳥チュンチュンも入るソフト・ロック。しかしエコー感の上手な調整から、聴いた感触はあくまでアーリー90s印。
2.太陽海岸
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
生ホーンでハイラマズ経由の中期BB5を透視したかのような、時代先取りの最高サウダージ曲。ボーカル・歌詞・音飾、すべて日差しで溶けたように柔い…これは相当部分がミックスの賜物でしょう。
3.自転車と夏と
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
PZV「サマータイム・サマータイム」をより無出来事化したようなアレンジの初夏ミディアム。前作に一番近い楽曲かな?いろんなパーカッション類がチャカポコ鳴っていますが、ここでも引き続き主張しすぎない。
4.甘い考え
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
打ち込みでないのに密室デジタル感触の強い、アンニュイ・チャチャ。セニョール・ココナッツやパシフィック231を先取りしたようなエキゾな感覚が最高です。しかしそこまでコンセプチュアルでなく自然体なのも美点。
5.in green (instrumental)
(作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
密林系の鳥チュンと、やけに前面にミックスされたカラカラした音のパーカッションが異郷へと誘う、ちょっと新機軸の眩暈系ミディアムです。キーボードの音色が透き通るようなトレンディ・クリア音で良い。
6.すいれんの花
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
ちょっと昨今のJ-POP的(薬師丸ひろ子「赤い花、青い花」も想起)なオリエンタル色があって面白いポップな楽曲。ここまででいちばん生ストリングスが生かされた楽曲ではないでしょうか。
7.一番好きなもの
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
こちらはジャポネスクなマイケル・フランクスという感じ?メロディはけっこう歌謡曲的。ストリングスもクラウス・オガーマン顔負けな黄昏ムードで鳴っております。
8.青い制服の男 (instrumental)
(作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
インスト2曲目で、スパイ映画のビブラフォン・ムードみたいな曲。前作だったら完全打ち込みでやっていたであろうところを、アンサンブル感触3割増しでややゴージャスに展開。
9.happening
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
今までのリラキシンムードから一転、打ち込みビートと性急なカッティングのアップテンポなポップス楽曲が来ました。サビも覚えやすく高まる仕様で意外な試みだなーと思ったらコレ、シングル楽曲だったんですね。
10.イヤイヤ
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
で次は実験的楽曲です。笑 ブンチャカしたアコーディオンやバンジ��ーが賑やかに鳴り、さらにスライを思い出すリズム・パターンが「アップテンポ」を強調。目まぐるしくもやはり「エッジー」には響かせない。
11.青空の向こうへ
(作詞 梶原とも子 作曲 鴨宮諒 編曲 Manna)
おやすみ前の感触が強いバラード。レンジ広めに鳴るスチールギターがまるでシンセのようなのですが、歌詞に「宇宙」と出ることもあって何だかスペイシーに響きます。この感触は唯一無二。
2、4、5曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/43a
以上11曲ですが、これはファーストと並んで名盤でしょう。生音中心のアプローチは前作からの「進化」そのものですし、かつそのコンパクトな魅力をまったく損なっていないのがほんとうに奇跡的で、素晴らしい。単純に「PZV=小西」と言えないのはもうおわかりでしょう。初期のアンニュイさというか「曖昧な美徳」のようなものを、鴨宮氏は確実に担っていたとわかります。
本で書かなかったのが急に惜しくなってきました。1行でもこの作品にも触れておけばよかった…というわけで見つけたら絶対に買ってくださいね。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第42回:mar-pa「RIMLAND」
はてさて、GWです。いつもなら海に山にと元気に出かけ、各地の「美食」たちに舌鼓を打っている頃合いなのに...と思うと残念でなりませんが、しかし、よく考えたらそんな「いつも」は存在せず、専ら仕事なのでした。なので悲しみゼロの無表情で書き進めて参りますね。
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 Release : 1989.12.6
  YASUNOBU MATSUO  Keyboards
GAKU NAKAMURA  Electric Percussion
TADASU YOSHIDA  Drums, Keyboards
TOSHIAKI KAJI  Percussion
TAKASHI OKA  Bass
 AKIKO NAGANO, KIKU UEYANAGI, TOYOKO TAKADA, MIKIO NISHI  Strings
  mar-paという、これまた聞き慣れない名前のグループをご紹介します。現在は「癒しのピアニスト」としてヒーリング・ミュージックを作成している松尾泰伸(近年ですと羽生結弦が2015年に使用した「天と地のレクイエム」が有名です https://www.barks.jp/news/?id=1000122629)を中心として結成されたインスト・グループで、トレンディ期に(未発表曲集を含む)3枚のアルバムをリリースしています。当盤は「代表作」と言っていい2枚目。ブックレットの前書きには、日本に流れる各国風俗と日本から発するテクノロジーの流れの交叉するエリアを「アジアでも東洋でもなくRIMLANDと呼びたい」と記されており、発想は頗るトレンディ・エスノ的。松尾氏はグループ結成前、前衛舞踏「白虎社」の音楽を手掛け世界中を廻っていたとのことで、所謂ジャズ・フュージョン的なアンサンブルを骨組みとしながらも随所の「鳴り」に件のワールド~トライバル志向が点在、まさに今が聴きどきな1枚となっているのです。プロデュースはなんとオノ・セイゲン。彼らしいハイソな(当時的)デジタル感触はここでも最大限溢れており、期待を全く裏切りません。
  1. RIMLAND
(YASUNOBU MATSUO)
賑やかなドラム・ロールとタイトなカッティングでアップテンポに幕が開けます。一聴して「玄人」の演奏だとわかりますね。タイトルの「汎アジア」的な世界漫遊感、というかポジティヴさはすでにどこかしら感じられます。
2. BULAN BINTANG GARDEN
(YASUNOBU MATSUO)
シンセ・ストリングスに冷ややかな音色のリードが特徴の穏やかなアンビエント・フュージョン。随所でガムランっぽいオリエンタルな鐘が鳴っています。この響きがとにかく素晴らしいんですよ…セイゲンの賜物かはわかりませんが、とにかく通俗フュージョンの「一歩先」にこの盤はあります。
3. GARUDA
(TADASU YOSHIDA)
なんだかボアダムスを思い出させる、ポジティヴな人力トライバル。しかし、ドラムス以外の音飾がトレンディなほんわかシンセが主体なところが、やはりポイント。アゲつつも決して上品さ・ブリージンさを損なうことはありません。
4.BAIK BAIK
(TADASU YOSHIDA)
「コム・デ・ギャルソン」な感触(強引ですが...)で折り重なるシンセ・ハープで始まり、にわかにアップテンポな王道フュージョンへと変化する良質ポップス。ここでもシンセの「トレンディ音飾」は効果絶大ですね。
5.PROTOCOL
(TADASU YOSHIDA)
箸休め的ピアノ・イージーリスニングかと思いきや、中盤ドラの音と共にオリエンタルなモードへと突入。ゲーム音楽の生盤的感覚というか...レンジ狭めのピアノ上昇音をくぐり抜けて鳴るリズムボックスが格好いいです。
6.RICE PLANT
(YASUNOBU MATSUO)
全体的に「チャカポコ」した、賑々しいチャクラ的エスノポップです。ジャーンと長く響くシンバルとマリンバ・シンセが途中から大活躍し始め、アジアン桃源郷的な世界観を大仰になりすぎるギリギリのところまで醸し出していきます。いやはやこれは、名曲。
7.ASCENTION
(YASUNOBU MATSUO)
セッション感覚が強めで、アルバム中でも珍しく「ベースライン」がグイグイ主張する楽曲。後半からトライバルな風味が加速していきます。生バンドとしての地力も相当でしょう。
8.Mr. KURT
(TADASU YOSHIDA)
ここで少し違うムード。ファニーなミニ・サーカス風オープニングから麗しいトレンディ・トレビアーンな世界が広がる、短めの欧風インスト・ポップ。「トレンディCM」映えしそうな作りです(実際当バンドはCMソング起用も幾つかあるよう)。
9.EURASIA
(TADASU YOSHIDA)
ふたたびパシフィックなエスノ世界へと戻ってきました。6曲目同様の雰囲気でかつアンサンブルはよりテクニカルに。全編そうですが、さほど「リゾート」の匂いが(コンセプトの割に)しないのが特徴ですね。大仰さの度合いなど「舞台音楽」的なムードのほうが色濃い。
10. Breeze
(TAKASHI OKA)
ちょっと毛色の違う1曲でエンディングです。ロキシーミュージックみたいなチャカポコからナイル・ロジャース丸出しのカッティング~ややファンク寄りセッションへと滑らかに移行。帰ってこない旅のおわり。
※2、3、6曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/42-1
以上10曲、自室でもオリエンタル旅気分を味わえると言える、ハイソでボリューミーな満足名盤です。ちなみにこのバンドは今もファンサイトが残っており、そちらで更にエスノ寄りというか、ある意味細野チルドレンなライブ音源を聴くこともできますので是非。(https://www.youtube.com/playlist?list=PL3A1TbsytfuXqc8bV6qubXYdY_z08YBg9)
皆さんもこれで「うちで踊ろう」。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第41回:TWILIGHT KIDS「TWILIGHT KIDS」
「時候の挨拶」もヘッタクレもないという感じですがただただ書きます。10日に1度くらいの頻度でしばらくやってみますんでよろしくお願いします。 今日はとびきりイカしたこのバンドを覚えて皆さん帰って下さいね。
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Release : 1991.7.25
  Twilight Kids
Keyboads : BIN
Drums : TAKASHI
Bass : 金森由太郎
Vocal : 島生久男
E&A Guitar : 吉川ケン
  大阪発のバンド、トワイライト・キッズのデビュー・アルバムです。タテノリ全盛のバンド・ブームのさなかには珍しく、ファンク/R&Bを基調としたサウンドだったそうで、当盤も月並みなヤング・マインドとは異なる良質ポップス~モダン・ビート寄りのテクニカルなアンサンブル。アイリーン・フォーリーンや初期の高野寛なんかも彷彿させます。プロデュースはなんと大村憲司。同時期の彼の名前は件の高野やEBIのソロ作などで見られますが「プロデュース」となると唯一なのではないでしょうか…!
  1.夏のメロディー
(作詞 森雪之丞 作曲 KEN 編曲 Twilight Kids)
「それいけ!ココロジー」「ねるとん紅鯨団」のダブル・タイアップがついたデビュー・シングル。ビートルズっぽいコード感覺に奥行きのあるエイティース音飾のザ・良質ポップス。91年にしては貫禄がある感じと言いましょうか。
2.NO NO GIRL
(作詞 Twilight Kids 作曲 KEN 編曲 Twilight Kids)
ここで「BAD」っぽいロック・ファンクが来てこのバンドの強者さがハッキリしてきます。ハモンドっぽさを極限までデジタルに近づけたかのようなシンセソロが強烈。後半のサンプリング・ビートもバッチリです。
3.APACHE DANCE -アパッシュ・ダンス―
(作詞・作曲 KEN 編曲 Twilight Kids)
アーバンが来ました!この1曲だけで「買い」だと思うのですが皆さまどうでしょう。「スムース・オペレーター」的なラテン寄りのアンサンブルにクリアなギター&シンセでトロピックかつトレンディにキめてくれます。
4.ウソつき女
(作詞・作曲 KEN 編曲 Twilight Kids)
タイトルから「シャ乱Q」を思い出してはいけません。素晴らしく出来のいいド打ち込みチューンで、意外やCINDYあたりと温度を一にするライト感覚のファンク。安全地帯とかにもこういう曲は結構存在しがちです。
5.愛しくて
(作詞 KEN 作曲 BIN 編曲 Twilight Kids)
80年代後半のクリアなモードの音数少なめミディアム。桑田佳祐1枚目の小林武史仕事と近い良ブリティッシュな匂いがあり、個人的に非常に好み。そういえば大村憲司はコバタケとも多数仕事をしていました。
6.THE NIGHTMARE (禁断の悪夢)
(作詞 森雪之丞 作曲 KEN 編曲 Twilight Kids)
これも「良いファンク」ですねー。歌詞含め復活ミカバンドのアンサンブルに近いのですが、大村仕事の賜物なのでしょうか。しかしこれがデビュー盤とはにわかに信じがたい完成度です。
7.真っ赤なキャンディー
(作詞 森雪之丞 作曲 KEN 編曲 Twilight Kids)
「ギミギミギミー君のキャンディ」という雪之丞ワード炸裂のサビが離れないキャッチーなアッパーチューン。タイトルがBUCK-TICKっぽいですがそういえば曲の感じも「M・A・D」を思い出します。
8.ROMANTIC & MAGIC
(作詞 Twilight Kids 作曲 KEN 編曲 Twilight Kids)
イントロのカッティングからNJSくるか?と期待させるも普通のエイトビート展開で少しガックリな曲。ハードボイルドな雰囲気は悪くないです。
9.都会―まち―
(作詞 森雪之丞 作曲 KEN 編曲 Twilight Kids)
epicっぽさがある朝焼け感ポップス。間奏のシンセ類がエイティースで良いです。そういえばボーカルの雰囲気、少し大澤誉志幸に近いものがあります。
3、4、9曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/41-1
以上9曲。やはり「バンドブーム以降」の感触が希薄なところが(今となっては)最大の聴きどころ・魅力に思います。バンドはこの後メジャーで2枚のリリースがありますが、その後の活動については追えませんでした.....どうか忘れ去られないでほしいです。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第40回:柊あおい原作「星の瞳のシルエット」
ガラガラガラ、卒業と入学のシーズンです。ところで皆さんは「桜の花」がお好きでしょうか。わたしは好きでも嫌いでもないです。年を取ると1年が短くなるというのは本当で、近年は正直、3か月に1回咲いているというような体感で飽きてしまったのです。しかし中学や高校の頃はそうではなく、咲くたびにひとりで並木の下を夜に自転車で見上げながら走ったりしました。偶然あの人と逢えたりしないかしら、などと考えながら…..ウォークマンのBGMにいつも入れていたのは、斉藤由貴「風夢」、南野陽子「BLOOM」などど言ったとれんでぃー青春作品群たち。モチロンリアルタイムでは全くなく後追いです。しかしこれらの80年代音像の湯加減は(90年代後半の実感としても)実に「春」と合っていた。今回取り上げる作品は最近買ったものですが、どうにもその記憶を呼び覚ますテイストだったのでこの季節に書いてみます。
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 Release:1987.6.10
 ※ミュージシャンのクレジットはありません!代わりにインナーに掲載されていたコミックのカットを載せておきます.....
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 トレンディ期を代表する少女コミックのベストセラー「星の瞳のシルエット」(柊あおい作)。当時は「250万乙女のバイブル」とキャッチコピーがついたほどの一番人気作品だったそうですが、今となっては知らない人のほうが多いでしょう。同じ柊作品の「耳をすませば」や同時期の人気作「ときめきトゥナイト」ように映画やアニメ、実写などのメディアミックス展開がなされなかったことが大きな要因のように思われますが、唯一「越境」作品がイメージ・アルバムとして残されていました。原作中で大事に扱われていた「天体や夜のイメージ」をそのままパッケージングしたかの如く、つまり「トータル・アルバム」の様相を呈しており、これが中々の名盤なのです(インナーの柊あおい直筆メッセージから原作者も密に関わって制作されたことが伺われます)。アレンジ面については、ナンノや斉藤由貴、西村知美など当時のアイドル・アルバムのトレンドだった感触=デジタルフルかつスタンダードな響きと同系統で文句なし。そしてボーカルはすべて新倉芳美が担当しており、河合奈保子系の��っすぐな歌唱が「すすき野原」の澄んだイメージとピタリ合致しております。
   1.星がたり(インストゥルメンタル)
(作曲 来生たかお 編曲 矢野立美)
太田裕美「星がたり」の、深夜ラジオ放送終了みたいな、邪気の無いインストカヴァー。原曲はコミック内で「久住(意中の男子)がラジオでリクエストしていた楽曲」という重要な位置づけで登場します。なぜこんなマイナーな曲を…と思いますがどうやら原作者が好きだった模様。
2.白いチョークでLove Letter
(作詞 売野雅勇 作曲・編曲 藤原いくろう)
「深呼吸して」や「話しかけたかった」の系譜と言える、完成度の高い早春ミディアムです。間奏のメロディが「サックス」なのが哀愁3割り増しなのですが、アーバン演出と違うこの効用は今またクローズアップされてほしいですね(渡辺美奈代「リルケの栞」なども良いですよ)。
3. 青空みたいにときめいて
(作・編曲 藤原いくろう)
本作の聴きどころのひとつが来ました。ザッツ・ジャスコ!と思わず膝を打ってしまうこと請け合いの、爽やかデジタル・フュージョンです。このテイストであと3曲もあれば「使える」レア・グルーヴ盤になってたでしょうね。
4.魔法の時計
(作詞・作曲 松宮恭子 編曲 矢野立美)
カノン進行で否が応でも純潔ムードが溢れてしまうバラード。クリアなシンセのキラキラ感、それを前面に押し出しすぎないハイソさがミッドナイト感覚を醸し出していて素晴らしい。
5.ひとりごと~星の瞳のシルエット
(作詞 柊あおい 作曲 松宮恭子 編曲 矢野立美)
なんと原作者作詞!サビの聖子っぽい展開がいかにも松宮恭子作な王道元気チューン。イントロの具合などでちょっと「テクノ・ポップ」に片足かけているのですが、予算の問題かデジタル感触はかなり薄味。しかしそこが反ってコミックの世界とマッチしています。
6.星屑の協奏曲
(作・編曲 矢野立美)
箸休め的なシンセ・クラシカル。深夜と放課後のミッシング・リンク。
7.硝子のピアノ
(作詞 売野雅勇 作曲・編曲 藤原いくろう)
スネアの若干バシャり具合が素晴らしい、「スローモーション」「セカンド・ラブ」と言った明菜/来生兄妹直系の郷愁ミディアム。そう言えば新倉芳美は中森明菜の仮歌を長く担当していました。しかしこの曲ではあえて「寄せない」歌唱法で通しています。
8.雨のうたをきいて
(作詞・作曲 松宮恭子 編曲 矢野立美)
前曲の来生からこちらは竹内まりや的世界でしょうか…濡れた響きのサックスのイントロがアーバン・ムードを醸し出すハチロクバラード。
9.最後の期末試験
(作詞・作曲 松宮恭子 編曲 矢野立美)
リリカル極まりない王道のティーネイジ・バラードで、ユーミン的な雰囲気があるようにも聴こえます。それにしてもここまで、原作の世界観を1ミリも汚さない端正な作りで完璧に作り上げていることに驚かされます。原作者のお墨付きも納得。
10.星がたり
(作詞 来生えつこ 作曲 来生たかお 編曲 戸塚修)
で、件の太田裕美曲(オリジナル)がラストにボートラ的に配置され、幕を下ろすわけです。79年の「Feelin’ Summer」内の1曲ですが、ほとんどベスト等には収録されず。小さな世界を丹念に紡ぐエレピ・バラードは思春期の深夜にとても相応しい。
※2、3、5曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/40-1
 以上10曲。これを果たして「トレンディ」と括っていいのか微妙ですが、当方が非常に気に入ってしまった故のチョイスです、許してください!(ジャスコテック入ってるし…)
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡(一人称)は抱かれた:2020 2/22.23「Yu-Koh β版」
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一日目 
 予てから一度スクリーンで観たかった「不良番長」シリーズ(梅宮辰夫の代表作で16本も作られた)。うち2作が新文芸坐でかかると聞いていたので11時半の回から観賞、そのあまりのバカバカしさに上映後しばらく動けなかった。端的なシーンを一つ抜き書きすると「ヤクの強奪に成功したバディ役の山城新伍の車の後部座席にダイナマイトが運悪く放置されていて爆発、上空をクルクルと飛んでイテテと着地(死なない)したところを梅宮が何やってんだと叱責、そこで急に「終」の字の”糸”と”冬”が両側からせり出してきて二人が挟まれ、次回作も見てね的なことを言って終了」という…書いてるだけでも脱力。しかし大きなスクリーンでこそそのバカバカしさは(わざわざ観に行く、という行為まで含めて)存分に冴えるわけで、やはり観る価値はあった。そして山城新伍の魅力には抗えない何かをつくづく感じた。山城はトレンディ期がキャリアの絶頂で「横柄でスケベな中高年」の雛型のように捉えられがちだけど、この作品のようなコメディリリーフとしての狂的なまでのパッション(そして相反するように本格的な若山富三郎仕込みの槍さばき!)が本懐なのだ。人をトレンディ一辺倒で語ってはいけない。
到着した7th Floorでダンボールレコード中条さんとまずお会いできたのは嬉しかった。何故ならその当時の山城新伍と佇まいが似ているから。そのことを伝えようか迷ったけど長くなってしまうのでやめてここに書いた。他にも出演者含めたくさんの見知った顔がいて、このイベントの「集結」具合をひしひしと感じる。それにしてもいきなりすごい人…同会場でこんなに混みあっているのもあまり経験したことがない。Lightmellowbu・F氏のDJがトップバッターで、後半しか聞けなかったが再発された「美味しんぼ」のサントラで〆ていてイケてた。7th Floorは結構な摩天楼ビューなので、サントラのジャケと気持ちもDang Dang似てくる。ライブの最初はTenma Tenmaさん。去年マメにリリースされた楽曲はすべて聴いていて良いと思っていたけど、生で(かつ森で迷ったVJと共に)体験すると想像をはるかに超えた美的感動があった。真夜中イズムのようなものをすごく大事にしている方だと思うのだけど、ネットやゲーム音楽(ドンキーコングの引用?などがあった)内に留まらない、言うなれば「国道沿い」の趣のようなもの(ダパンプの引用?などもあったし)をどうも感じる…それらをつなぐカギは恐らく「ファンシー」で、「森で迷った恐竜」はひょっとすると深夜のゲームセンターで入手したものなのかも知れない(そして車の後部に並べる)。ご本人の佇まいもそうした実態のある色気(マスクのズラし方からしてカッコイイ)が溢れていて、そのうえあの歌声なのだからシビレてしまう。柴崎祐二さんのDJはいつも「発見の喜び」が生々しく表れている。自分が全然手を付けられていない「アニメのイメージ・アルバム」からのチョイスにDigの可能性の広大さ(と徒労)を感じる。LAMPAのサードをかけているときに同じくbuの小川直人さんと話をし、「LAMPAの1、2枚目で自分たちは失敗した」と意気投合。
ライブ二人目はmori_de_kurasuさん(以下モリクラさん)。アーバンなサックス、それもトレンディ期のディスクやブラウン管に刻まれたあの感触を、無粋なアップデートをせずに現代に持ち込める人。しかしコレほんとうに唯一無二。例えば往年のニュースステーションOP(本多俊之)の「あの感じ」を、当時の本多俊之のライブに行っても味わうことはできないはずで、「文脈を音にする」のはやはり後世ならでは、な「新しさ」だ。Tenmaさんもそうだけどモリクラさんのパフォーマンスにもつくづく未体験のエレメントがあり、懐古など呼び寄せるヒマはそんなにないと個人的には思う。buのおしゃべりタイムは結構チャキチャキ進行してて(柴崎さん小川さんの個性ゆえ。buのキーワードのひとつは意外と「社交性」だと思う)楽しかった。フローリングジャケのモラーヌ、トレンディ極まりないので皆さん買ってください。Gimgigamさんはいくつかのモードが混在した気合のセットだった(”ワンマン”の絵も見えてくるような…あまりライブが無いのが本当に惜しい)。発表したてのwai wai music resort妹さんをフィーチャーした楽曲は殊に素晴らしく、どこかモー・ミュージックのギター系楽曲の系譜にも聞こえると勝手に連想。小川直人さんのDJ、light mellowの軛から完全に放たれたNW色強めのセットで驚き(と言いつつ芹沢直美「Virgin番外地」とかもあり)。横で盛り上がっていたヤングな女性から「わたし大貫妙子とかすごく好きで~。あれ~、ひょっとしてあなた大貫妙子さん?」とテンション高く話しかけられ、「いかにも私が大貫です。眠らない夜の街から来ました」と返したら喜んでくれた。嬉しかった。
NECO ASOBIバンドは貫禄の大トリ(「月サイダー」のアンセム感!)で、そういえば今日は「ネコの日(2/22、ニャンニャンニャン)」だと気付く。下北で昨年見た時よりもソリッドな印象。途中で外に出てちゃんと挨拶できてなかったthaithefishさんとkai-koh。と言ってもウェブで繋がっていると「初めまして」の感触はさほどなく、「やっと会えたね(辻仁成)」という悪いワードが喉元まで出るが何とか言い止まる。渋谷の夜景をバックに、というシチュエーションも相まって夢の話、次は〇〇をしようじゃないか、二人で竜馬をやろうじゃないかetc…をした。こんな風な時間っていつ以来だろうか。その時々でいろんな人と話をしたり疎遠になったりした。それらの思い出は時間を超えることなく、「1997年、2007年、2013年、etc」と有限な「ある時」に刻まれている。たぶんTKもそんなところに段差、というか「躓き」を発見し「FACES PLACES」を作った。つまりそういう話の中から「型」(作品やイベント)が生まれてくるわけで、もちろん今日もそのひとつなのだった。話の俎上に上がったミュージシャン(野田ユカ、川村康一、久野かおりなど)の当時のアルバムも、きっと今日のような若さやモチベーションを込めて作られたのだろうと強引に思う。今あること、かつてあったことを立ち止まって確かめる。その時の一つ一つの感触から繋がりを見つける、探す。時間は流れるので自分たちはそうせずにはいられない。
台車さんも外にやってきて「あ、今22時22分です。2月22日22時22分。」と言った。この瞬間を生涯思い出し続けるだろう。
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二日目 
 寝覚めにTLをウトウト見ているとココ池に宮原芽映の「ポートフォリオ」が入荷されたとのつぶやきが。焦って支度をし電車で(自転車先日盗まれた。奇しくもブックオフに行った際に…)向かう。値段はネット相場より少し安い程度だったけど、無事確保。中川さんに「手に入ってよかった~ずっと探してて」云々とおばちゃまフィーリングでまくし立て、その足で渋谷へ。埼京線のホームからだとサーカスはとても近い。早くも会場は満員+αといった感じで階段まで人でいっぱい。pool$ideさんは今回初めて聴いた(アルバム聴きそびれていましたゴメンナサイ)。ダブステップ~フューチャーベースな柔らかいビートにシンセをグニャリとさせた、快感を強く感じる楽曲。「水のあるプール」...すごく良い。何故こんな素晴らしいものを聴きそびれていたか、自分のバカ耳さ加減にあきれる。佇まいもなんだかセクシーで、殊に汗のかき方に「カールスモーキー石井」を思い出したり(WOOMANのYYOKKEさんもそういう汗をかく)。そこから連続してupusenさん、AOTQさん。全アクト中たぶんいちばん「Vaporwave味」があったのがupusenさんで、殊にVJ素材の見事さには見惚れてしまう。音の感じは生で聴くと、「モールソフト」感よりさらに軟質な印象。夕方系の無限的メロディックさでもってどこか気の遠くなってしまうポイントも幾つかあり、まさに「週3の夏休み」の境地へと連れていかれた…そして実在することにまず感動(ネットあるある)なAOTQさん。何年か前の「1995年の秋葉原に雪が降る」という曲は自分にとってはとても思い入れが深い(聴けば聴くほど95年秋葉原の雪としか思えない)のだけど、今回は初音ミクセット。けっこうグルーヴィーさもあって肉感的に捉えられたかと思うと、そこをすり抜ける不思議な幽体感も急に音の世界の外側から(エフェクトとかで)やってきたりする。実体があるのに触れられない、だけれどもポップスの響きが確かにあって。何かスゴいものを確かに聴いていた。
thaithefishさんのDJは初体験で、前回のユウコウは必殺な流れだったと聞いていた。今回もアナログセットで、レイト80sの国産ブギーの応酬。合間にモスト・フェバリットな国産似非洋楽名盤「ゾーイー」が。音がイイ.....!!!(泣)このアルバム、音がペラいCDでしか聴いたことが無く、自分にとって思いがけないギフト(ごほうびゾーイー)となった。横にいらっしゃった李李飯店さんのトレンディなステップも忘れられない。本当にありがとう。そこからwai wai music resort。とにかく好きで3兄妹として人生出直させてくれないかと頼みたくなるが、今回いちばん聴きたかったtiny popコンピ収録の2曲も演ってくれたので感無量。「ぼの」とは呼べないクールネスがキラリとなる瞬間が幾つもあり、その都度鳥肌が立つ。終盤演ってくれたウェルカム神戸的なツジオさんとのコラボ曲は聴けば聴くほど、由来が不明になるような不思議な時間の超え方があって...20年前と20年後のダブル・タイアップソング(何の?)と勝手に認定。buトーク2日目はハタさん不在のため、タイさん台車さんtamaoさんの「代読」(永六輔のラジオの野坂昭如みたい。笑)回。挙げられた盤はどれもここでは説明し尽せないくらいの最上級「怪盤」であり、巨魁・ハタさんのオーラを(不在故)ヨリ大きく感じた。件の「オブスキュア~」本も用途の半分は「ハタさんの人格に触れる」だと個人的には思っているので、それが今日のお客さんにも伝わっていると嬉しい、というかたぶん伝わっている。すっかり気分が「盤トーク」モードになってしまい、その後はしばらくラウンジへ上がって色んな人と喋った。buの鯔さん、パ音柴田さんはじめほんっとうに色んなひとがいらっしゃってた...何を喋ったか半分忘れたがとにかく色々。レーザーディスクの板倉文、峠恵子の峠越え、インディー浦田恵司、ワルツ(の悪口)、そして「エモちゃん」さんの地図の秘密.....
フロアに戻ったのはTsudio Studioさんが始まった直後。バンドセットでありつつも音源のモードは生かしつつで(殊にモリクラさんのサックスは生々しくあればあるほどディスク・メモリーズにも肉薄するという特殊性がある)、3Dになって表れたような感触。マイ・フェバリット「Colorless Diary」も演ってくれた。最高。しかし初めてのライブではないのにどうしてこう涙の腺(るいのせん)が緩むのか。トレンディ意匠がどうのという自分勝手な感動の理由はどこかで書いた気がする。勝手ついでにもうひとつ書くと、自分にとってツジオさんの音楽、というか音には、(TVODの本でも指摘されていた)サブカルが内包する「”オトコノコ”のドラマツルギー」を解体してくれる作用がすごくある。自分が10、20代だった「ゼロ年代」に全く顧みられることのなかったトレンディ(エイティース、ではありません念のため)な音飾。「ゼロ年代の若者/男子」として生きたあいだ取捨されたそれが今ここで「生かしつつ新しい」ポップスとして鳴らされるとき、自分は「ゼロ年代の若者/男子、の延長」としては生きなくてもいいのだという気持ちになるという...牽強付会ですかね?でもマジです。LVの作品は総じて「聴き手が男子(あるいは女子)に必ずしもなる必要はない」という共通点があるような気すらしている。そんな極個人的昂ぶりもそのままにINDGMSKさんのDJに高次突入。bu紙やイベントの数々の思い出が走馬灯のように駆け巡った...のもつかの間、選曲がいちいち気になる。JIVEの持ってないやつ、再発されない限り手に入れられないであろうFantiの当時モノな音圧、そして知らないトレンディ・エスノ(後で聞いたら三四郎でした。これは買わなくちゃ)と、頭の中は蘊蓄だらけ。「シラけつつノル」ならぬ「踊りつつ蘊蓄」!と書くとバカみたいだけど、それは確かにゾーンの変種で、死ぬほどアゲられていた。本当に叫びたい気持のままラストのSNJOさん。「遥かなる影」のシルキーな美カヴァー(奇しくもTenmaさんも歌っていた)で始まり、AOTQ「あ・さ」の誰もが飛び跳ねるカヴァーまで一直線に。やさしさ...そしてSNJOさんはいつも(たのきん)全力投球で歌ってくれる。見られたアクト中いちばん「友好」を体現していたのは間違いなくSNJOさん。はねてから小川さんに「折角bu員がこれだけいるから写真を撮ろう」と提案され何枚か撮った。シャッター越しに「あ、これはあの集合写真に似ちゃうな」と思ったけど言わなかった。開場中は忙しなくあちらこちらにいた捨てアカさんとも最後にようやくあいさつ。ウイルスなんかもあった中これだけのものを、やれるだけの対策込みで開催してくれたことに尊敬の念しかない。私もあなたの数多くの作品の一つです(ただの客だけど...)。
帰ってからチェックしたTwitterで、見られなかったOmoyaバンドが想像をはるかに超えた骨太グルーヴィーっぷりだったこと、HIRO.JPさんは大大大好きな東北新幹線やパイパーをかけたこと、そして古い知り合いが会場に来ていたことを知る。もしもその人に会えていたら、自分にも全く想定外の「友好」がもたらされ、今日や明日が少し違ったかもしれない。疎遠になっても一度出会ってしまった関係は消えない、なんてことを書いていたかもしれない。少しのズレやきっかけで本当に人生は方向を変える。このブログについて台車さんが初めて言及してくれたのはいつだっただろう。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第39回:りりィ「fairy tale」
皆さん周知のことと思いますが、去る19日に「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第13弾(ゲスト:田中律子)が、リアルタイムでの放映以来約7年ぶりにオンエアされました。2時間バラエティの再放送を19時からしてしまうのも驚きなのですがこの回は(田中律子が別局のバス番組に起用されたためか)唯一再放送が1度も叶わず、半ば幻と化していた貴重回。意味のある再放送だったと思います。この番組の魅力は太川と蛭子の名コンビぶり(しらべぇ編集部が全国の10代から60代の蛭子能収と太川陽介を知っている人1,355名に実施した調査では、49.0%が「2人は名コンビだと思う」と回答)やルール・構成の妙だと語られがちですが、それともうひとつ「各回の女性ゲスト(通称マドンナ)の、それぞれの魅力発露」にも注目すべきです。ベタな言い方をするとまるで出会って一緒に旅しているような気持にいつもなるのですが、実はこれ、出演者がそうした受け止め方に見合うくらいに「そのひと性」を常に纏っているからこそなせる業であって、意外と一般人だと成り立たないのではないでしょうか(無個性な人、どうにも不快になってしまうような関係、全25回ほとんどありませんでした)。彼女たちが「それぞれが何故ブラウン管で愛され、それなりにでもサヴァイブできたか」、受け手はこの番組を通じ知らず知らず了解してしまうわけです。おちゃっぴい、キュート、しっかりさん、オトボケ、そしてエイジレスなビューティ…どれも一般人の生活となると持て余してしまうくらいのものでしょうね。人気タレントの最前線だけを追っていては反って見えてこない類の資質です。一言で言えば、芸の有無ではない「”芸能界人”力」。それを面白さとして捉えるにせよ、根本には敬意を少しでも持っていたいものです。当ブログでは「有名人の隠れ盤」を取り上げることも多いのですが、それはそのような「そのひと性」の魅力が「トレンディERA」の音を容易くモノにするくらいの強さがあることに打たれているのかも知れません。今回もそんな盤のご紹介です。
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 Release : 1988.12.16
   Musicians
 Drums : Tohru Hasebe, Atsuo Okamoto
E.Bass : Hideki Matsubara
Keyboads : Yoshinobu Kojima, Jun Sato, Joe Hisaishi
E.Guitar : Fujimaru Yoshino
Saxophone : Shoji Haruna
Sy.Programming : Takashi Furukawa
Chorus : Haruko Kuwana,Noriko Fujimoto, Norie Sasaki, Aisa Sasaki, Marisa Sasaki,
Chizuko Saito, Terue Ogiwara, Rie Kanazashi, Juon Kamata
   「72年にシンガーとしてデビューした”りりィ”はそのハスキーヴォイスと基本的にブルージーな作風が印象的なシンガー・ソングライターだが、国吉良一、土屋昌巳から坂本龍一や伊藤銀次も出入りしたバイバイ・セッションバンドと作り上げた70年代中盤から後半の作品にはリズムの立った楽曲が多く、ヒップホップDJからも熱い視線が注がれる存在である」…とアナログのガイド本「和モノAtoZ」をそのまま引用しましたが、ナントCDの時代にも!好盤が1枚残されていました。彼女の単独名義では最後となった6年ぶりのオリジナル・アルバム「fairy tale」です。件の「ブルージー」な志向は極所に止まり、メインのアレンジャーに芳野藤丸を据えた彼女なりの汎ワールド指向~アーバンが各所で展開。トレンディと呼べる仕上がりになっているのです。また、「フロアユース」という言葉を今よりの今に敷衍してみれば、当盤も立派に上述の本に掲載可能な楽曲がちりばめられていると思います。シングルやタイアップ曲をふんだんに収録しているのもポイントが高く、「待望の」という当時の感慨が存分に感じられる1枚です。
   1.     花
(作詞・作曲 喜納昌吉 編曲 芳野藤丸)
かなり早い段階での「花」カヴァーなのではないでしょうか(おそらくアジア圏でのヒットを受けてでしょう)。クリアーな響きのアコギ・生ピアノ・深いエコーの打楽器類。歌姫的な感触がこれまでと明らかに違うモードを感じさせます。
2.     Earthly Paradise
(作詞 岡田冨美子 作曲 都志見隆 編曲 芳野藤丸)
イントロの眩いシンセフレーズからトレンディを存分に感じさせられる都志見曲。ドゥービー~ホール&オーツ系展開から歌謡メロディへと流れるサビ部分が技ありで唸ってしまいます。
3.     fairy tale (おとぎ話)
(作詞・作曲 Lily and Human Project 編曲 芳野藤丸)
マイナーコードの「スムース・オペレーター」系メロウ曲。ハスキー、ブルージーという彼女を語る上での常套句がここまでまるで無効なのに驚かされますが、この曲での響きに至ってはまるで大貫妙子のよう。
4.     夢のエレメント~勇者達へのレクイエム~
(作詞 りりィ 作曲 鹿紋太郎 編曲 芳野藤丸)
ベッタベタなAORバラードがきました…ビデオアニメ「妖刀伝III」のテーマソングだったそう。
5.     He was beautiful
(訳詞 Lily and Human Project 作曲 Stanley Myers 編曲 久石譲)
目玉曲です。フェアライトCMIなイントロから久石丸出しのアーバン・ミディアムで、71年にクレオ・レーンがギター曲に歌詞をつけた「She Was Beautiful」のカヴァーです。スタンダード的な同曲をこんなシンセフルにカヴァーしたものは数少ないでしょうね。
6.     心はいつもmistery
(作詞・作曲 Lily and Human Project 編曲 芳野藤丸)
チャキチャキしたバッキングがこれまた麗しいアーバン曲。メロディだけ取ったら中島みゆきっぽいのですが、骨太なリズム隊とグルーヴィーなシンセオルガン・ソロでトレンディを容易く体現(まあみゆきも同時期は似たアプローチなのですが)。
7.     さよならロンリネス
(作詞 康珍化 作曲 鈴木キサブロー 編曲 佐藤準)
声の感じも相まって中村あゆみを彷彿させる元気ロック。確かにハマっていて、りりィの当時のポテンシャルを存分に堪能できます。日本生命のCMソングでした。
8.     The gift of love
(訳詞Lily and Human Project 作曲 Osny Melo 編曲 芳野藤丸)
「刑事貴族2」オープニングなどでおなじみの在日ブラジル人「オズニー・メロ」による楽曲で、イントロ、間奏のアーバン度MAXなサックスがとにかく素晴らしいですね。どちらかというとアーリー90年代的な感触。
9.     天使の記憶
(作詞 山川啓介 作曲 Lily and Human Project 編曲 芳野藤丸)
ララバイ感のある柔らかミディアム・チューンで終了です。ちょっとオリエンタルなシンセが良いアクセントになっていますね。
   ※2、3、5曲目を以下から試聴できます
h ttps://soundcloud.com/anouta-wkym/39-1
以上9曲。これまでのりりィのパブリック・イメージをパワフルに脱却する意思(やはり中島みゆきの「ご乱心時代」といちばん共振しているのでしょう)を感じられます。よく話題になる「オーロイラ」「マジェンダ」などのシティポップ度から考えればここでのアーバン的着地はさほど不自然ではないはずですが、しかし70年代の彼女のあった「業」的なものは(歌詞含め)皆無なのには本当驚かされます。帯に「男も女も包んであげる」とある通り、トレンディな時代の要請を「博愛的」なモードでもって形にできている(年齢的なものもあるのでしょうが)のは流石です。この路線でコンスタントに出し続けてほしかったですね。
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第38回:中山美穂「mellow」
明けましておめでとうございます!皆さま「平成」もようやく馴染んできた頃合いでしょうか。今年はひとつカッパツにやってみようと思うのでよろしくお願いします。
 「活動的」の証明、というわけでもないのですが今月17日に発売される「オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド」でディスクレビューをいくつか書かせてもらいました。所謂light mellow(本家ですね)のパースペクティヴを乗り越える、ディグ観の更新がなされている画期的な和モノガイド本。生音グルーヴィンな70s、デジタルブギーなミッド80sいずれにも「該当しない盤」が当ガイド本の発行と同時に再評価の準備万端。それに��せ今まで各アーティストのバイオ中「定番」とされていた作品も少しずつ新しい方向へ「ズラし」が必要な機運にになってきたのでは。ナインティースを「キッチュ」でなく真っ正面から再評価したい…そんな思いを託したこの盤で今日はブログをこさえます。
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  Release : 1992.6.10
 ミュージシャンのクレジットはありませんでした。残念!
  中山忍の姉としてもお馴染みミポリン。人気だった時期が長かったため重要なリリースは随所にありました。80年代後半の、角松敏生~Cindyとのラグジュアリーな��ラコン諸作はいまや「定番」といっていいでしょう。またリトクリが全面参加した(継続した音楽活動という意味での)最終作「manifesto」及びその付近も「ゴツゴツした原田知世」的に認知されているかもしれません。しかしその間、所謂「メガヒット期」のアルバムを絶対にスルーしてほしくないのです。92年リリースの当盤は「中山美穂セルフ・プロデュース」の、記念すべき第一作。彼女のゴージャスなイメージにマッチした優雅なAOR系楽曲が多い、とざっくり語られがちなのですがどっこい今聴くとそれに相反した「音の面白さ」と冒険心が全面に出ており、柔らかくもストレンジな不思議盤なのです…これは当盤が、前作「De Eaya」の(井上ヨシマサプロデュースによる)「デジタルエキゾ~サンプル過多ハウス」と次作「わがままなあくとれす」以降に続く「海外録音AOR」のちょうど中間であり、アルバムとしてトータライズされ切っていないことが理由なのだと思います。要するに過渡期ならではな「あわい」の着地点だということで、そこが奇しくも「トレンディ」と呼びたい音のムードの現れとなって、今や肯定的に響くのです。
 1.Mellow
(作詞 一咲 作曲・編曲 井上ヨシマサ)
先行シングルで、やけに「アンサンブル」感の無いハードロックアレンジの名バラード。と書くと大味なものを想像しがちですがそこはさすがの井上クオリティ。コーラスの定位、ドラムの音飾などで「音響派」的な側面を持たせることに成功、ストレンジな唯一無二の仕上がりとなっています。作詞の「一咲」は井上とタッグを組んだ時の中山の名義。すなわちこの盤、中山がほとんどの曲の作詞をしているわけです。
2.あるきなさい。
(作詞 中山美穂 作曲・編曲 浅田祐介)
前作を踏襲したハウス歌謡的な、エコー感とメロディの抑揚を抑えたミディアム。CHARAでおなじみ浅田祐介のかなり初期仕事ですね。ラーガ的なアレンジやアンビエント滝なパート、更にはサックスソロと後半がかなり遊んでいます。
3.ゆっくりMy Love
(作詞 中山美穂 作曲 尾関昌也 編曲 井上日徳)
ライトメロウ・フュージョン的な趣きのあるコンパクト楽曲。編曲がヨシマサの実弟・日徳(ふたりだとATOMという名義になります)で、どこか現代的な残り香があります。後半のエッジーなギターソロ以降、急にアヴァンなプログレパートに突入しフェイドアウトするという謎な作り。笑
4.Platinum Cat
(作詞 一咲 作曲・編曲 井上ヨシマサ)
前年のヒット曲「Rosa」を更にやりたい放題突き詰めたような、ジュリアナ的?マザー2の戦闘シークエンスの風味?のかなーりアシッドなアゲ曲。しかし彼女の声質でやるとケバさは中和されるんですよね。
5.Silent
(作詞 中山美穂 作曲 清岡千穂 編曲 鶴由雄)
急に滋養のあるミッドナイト・バラードがきました。翌年以降のシングルで顕著となる「タイアップ・バラード」路線の萌芽のような中庸楽曲。
6.忘れなくてもいいじゃない
(作詞 赤星ちはる・中山美穂 作曲 尾関昌也 編曲 新川博)
オリエンタルな旋律のイントロから期待を裏切らない「色・ホワイトブレンド」と同系統のミディアム名曲。そちらには無い「ナインティース」感触のミックス具合(平べったいというか何というか)が、今聴くとすごくジャストなんですよね。
7.灼熱の心
(作詞 渡辺美佳・中山美穂 作曲 渡辺美佳 編曲 井上日徳)
これはカッコイイです。四つ打ちにドゥービー風カッティングのミニマルな展開で「KOIZUMI IN THE HOUSE」を想起させつつも、デコラティブさを抑えてより自然に・非歌謡的に仕上げています。歌唱も良くマッチした柔らかさで、92年ならではの着地点と言える。
8.はなしをきいて
(作詞 中山美穂 作曲 Joey Carbone・Jeff Carruthers 編曲 鳴海寛・多田牧男)
からの東北新幹線直球AORで、このアルバムが「特異な名盤」であることを実感するわけです…本当に出来のいい楽曲。作曲のジョーイ・カーボーンはジャニーズにも曲提供の多い才人。
9.kiss kiss kiss
(作詞 中山美穂 作曲・編曲 鳴海寛・多田牧男)
東北新幹線はさらに伸び、音数を絞りドリーミーさを際立たせたこのキーボード・バラードに到着します。中山の声質から鑑みて正解としか言いようのない名アレンジで、後半のサンプリング・アヴァンなパート含め当盤のモードを一番反映しているように思います。この7~9曲目が「トレンディ」的にはハイライト。
10.Treasure
(作詞 西脇唯 作曲 西脇唯・緒里原洋子 編曲 有賀啓雄)
アニタ・ベイカー的クワイエットストームで緩やかに〆です。鳥の鳴き声サンプリングがやたら耳につく間奏で、やはりここにもストレンジな肌触りが残っています。
11.Mellow (CM Version)
(作詞 一咲 作曲・編曲 井上ヨシマサ)
1曲目のCMで使われたヴァージョンがオマケ的に短く付いてきます。当時の中山のイメージに沿ったアレンジで、おそらくこちらが原曲なのでしょう。完全打ち込み+ゴスペル感というと安室+TKをちょっと思い起こすような。
※3、7、9曲目を以下から試聴できます
ht tps://soundcloud.com/anouta-wkym/38-1
   以上11曲。全体的に強さやまとまりに欠けるきらいはありますが、そこが味わい深く響くナイス・トレンディ佳盤なのでした。BOOKOFFを3件も回れば確実に見つかるこちら、ジャケも麗しいので初回限定版で是非買ってください!
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anouta-jp · 4 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第37回:EVERYTHING PLAY「LOU LOU MON AMOUR」
関西にwai wai music resortというヤンガ・ゼネレーションの兄妹グループがおります。去る10月に開催された「tiny pop fes」で来京しライブを行い、筆者もそのパフォーマンスを目撃することができました。所謂「モンド」的な要素を大事にしつつも、そこからヨリ日常へと融解させる方向性(および熱量)が感じられ、「あ、これは新しい音楽なんだ」と気付いた次第。当ブログで筆者が何度も指摘している通り、過ぎ去ったブームやタームとは「地層」のようなもので、きっかけさえあれば急に表出されたり、あるいは思い出されたりします (モチロン「トレンディ」も「いま・ここ」と縁も所縁もないユートピア感覚では決してありません) 。音楽はしばしばその媒介になり、そのことを彼らはきっとどこか了解した音楽を演っているのではないでしょうか…..全楽曲を手掛けているエブリデ氏は「CITY DIVER」という繁華街研究ZINE(のプロトタイプ版)をLocal Visionsからデジタル・リリースしており、そこでは今は無くなってしまった、繁華街の名店・良店・多分そうでもなさそうな店がアーカイヴされています。原型をとどめないようなビルになってしまった場所もあれば、どこか面影のある所も(もちろん現役のお店も)ある。そうした「すべてが一気に変わってしまった再開発」ではない部分がそのまま反映されたかのように、このZINEには消えた思い出を慈しむような感覚と、街を生態学のように捉えるアパセティックな感覚の両方が見え隠れします。筆者の「トレンディ・ディグ」もこのあいだで揺れる部分が多々あり、その点で(一方的かも知れませんが)シンパシーを感じているんですね。この揺れの振り幅は「”現行で鳴らされる音”を考えるための二点透視」のポイントのようなものだと思っています。ヴェイパー以降と言っていいのか、ここ数年の「日本の過去の音楽」への視座は海外経由、国内発とあって要するに「複眼的」です。そこに自分の身体を「ナウ」としてきちんと置くためにはどうしたらいいのかーこの「二点透視」は( 筆者の世代的な)最適解でもあるわけです。
 前置きが長くなってしまいましたが、「筆者筆者うるさい文章」が書けて大満足。さて今回紹介するのはその「tiny pop fes」(このようなイベントでした→ http://www.ele-king.net/review/live/007218/)で彼らがカヴァーしていた楽曲のオリジナルが入ったアルバムです。どうぞ!
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 Release:1987.3.5
  SOUICHIRO SUZUKI:SONGS MAHITO FUJIWARA:ARRANGEMENTS MIKIKO OUCHI:VOCAL MINA SHIDA:VOCAL
   名伯楽、鈴木惣一郎がワールド・スタンダードを一時解消・発展させるような形でトレンディ期に名乗っていたのがエブリシング・プレイ(名付け親はかの長門芳郎氏!)。お蔵入りを経てリリースされたエキゾ大魔境盤「POSH」など、美島豊明をパートナーに迎えた作品は各所でレビューがなされていますが、当盤は比較してチト地味な扱いのファースト・アルバム(FOND/SOUNDにはアツいレビューが掲載されていてとても参考になりました→ https://www.fondsound.com/everything-play-lou-lou-mon-amour-%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%83%a2%e3%83%8a%e3%83%a0%e3%83%bc%e3%83%ab-1987/)。エキゾやモンドというタームよりむしろ(PZV「カップルズ」とも比較可能な)ソフト・ロック的意匠が全面に出ており、トータライズされた大きな世界観よりも1曲1曲の丁寧な佳曲性を噛みしめられる作品となっています。鈴木氏のバイオの中でもこうした作品は異色なのではないでしょうか。
  1.ルールー・モナムール
(作曲 SOUICHIRO SUZUKI ’87)
可愛らしいオルゴール音で始まるプレリュード、と書くとミレニウムの「ビギン」を思い出す人も多そうですが、その後の展開はまさにそうしたバーバンク的な、メリーゴーランド的絢爛音の洪水。しかし音飾はあくまでトレンディ。「おしゃれTV」的な「機械の良さ」ですね。
2.アミチェ・アムール
(作詞・作曲 SOUICHIRO SUZUKI ’87)
ポンツクポンポン、密室リズムボックスで始まりますが、爽快な歌モノです。ものすごく複雑なコード進行のAメロから一気に視界が開けるサビが素晴らしい。
3.エルフェ
(作詞・作曲 SOUICHIRO SUZUKI ’87)
南欧的な感じもある、すっ呆けた雰囲気のボーカル曲。完全打ち込みの良さが全面に出ていて「ゲーム音楽のリゾート」のように響きます。これはかなり「今」のモード。
4.オリーヴの青
(作曲 SOUICHIRO SUZUKI ’87)
ゴンチチのような「観光インスト」の趣きがあるセンチな佳曲。麗しいマンドリンで始まりますが、そこから先はやはり鈴木印。鉄琴風リードの合間にシンセのハンドクラップ音をトレンディに鳴らしたり、逆回転っぽいシンセ音が出てきたりと才気走っています。当初は歌詞付きだったそう。
5.恋人たちの過ごした時間
(作詞・作曲 SOUICHIRO SUZUKI ’87)
前曲から微妙に音を持続させてジラしつつの大名曲。件のwai wai music resortはこの曲をカヴァーしていました。もちろんソフト・ロック的意匠ではあるのですが、それ以上に鈴木氏の「シンガー・ソングライター」(歌っているのは大内さんですが)的パーソナル・モードが感じられます。
6.パッション・ダモーレ
(作曲 SOUICHIRO SUZUKI ’87)
XTCっぽい元気なリズムで引っ張るパワポ系インスト。合間合間に少し翳りを持たせていて、やはりこの盤は「内省」がキータームにあるなと思わせますね。
7.休日
(作詞・作曲 SOUICHIRO SUZUKI ’87)
こちらも本当に素晴らしい「シンガー然とした」ミニマル感覚のポップス。歌詞に同時期の小西康陽と共通する翳り・倦怠があるように聴こえます。同世代のふたり、80年代の狂騒からこの時期は少し離脱したいモードだったのかも。
8.S・A・Y・O・N・A・R・A
(作詞・作曲 MARCUCCI & DE ANGELUS)
初期ワルスタや次作「POSH」との関連を一番感じさせる、リラキシンでエキゾなカヴァー曲。間奏でムーディーなボイスを響かせているのは小林克也です。
  ※4、5曲目を以下から試聴できます
h ttps://soundcloud.com/anouta-wkym/37-1
以上8曲とあっという間ですが、その長さがチョウドイイ。好きな人はほんとに好きになってしまうこと請け合いの可愛らしい微名盤でした。この感じが気に入った方は「MANNA」や「Flat Face」といった同時代アーティストもチェックしてみて下さいね。
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anouta-jp · 5 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第36回:久米大作「水の東」
夏から続いた��ティ・ポップのイベント~書き物がひと段落しました。色々聴きたいヨクバリ派の自分としては、一定期間、同系統の音楽について考え続けるのはやはり想像以上に体力を要したようです。しばらくは音楽を忘れ、ただ風に吹かれよう...と、どこか気怠い気持ちで秋のヴェランダにぼんやりしているわけです。そう、言うなれば亜蘭知子「秋」(https://g.co/kgs/f3ZwLa)のような、 火サス系バラードの切なさ...とまたまたレココレ増刊号掲載盤の話に強迫観念的に戻ってしまいそうなので、きょうはチョット気分を変えて.....
初聴以来15年以上にわたって、私の個人的「季節の変わり目���ベスト楽曲はアズテック・カメラの「スパニッシュ・ホーセズ」(日本版シングルは9月発売)です。だって何とも馬肥ゆる感があるじゃない。ロディ・フレイムのクリーンな持ち味と坂本龍一の非西洋系のエキゾな打ち込みとメロディ、更に当時のナインティ―ス初頭なハイファイ・エコー感がいっしょくたになった、音的にはまさにトレンディの賜物な「秋」楽曲。この感じ、同時代のフュージョンやニューエイジ盤でもあったりしないかしら?そう思い探したら...あったんですね。というわけでご紹介しましょう。
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Release : 1993.11.25
 Keyboards,piano : Daisaku Kume
Percussion : Kiyohiko Senda, Iki Levy
Drums : Peter Levy, Peter Erskine
Bass : Dave Carpenter
Guitar : Hitoshi Watanabe
Flute,Quatro : Pedro Eustache
Violin : Asuka Kaneko
Vocal : Kishiko Nagano, Shigeri Kizu, Yoko Tami, Sayuri Kume
久米大作の93年作品です。プリズム~初期スクエアのキーボーディストとしてフュージョン畑での活動後、トレンディ期以降はサントラやCM仕事(この曲が好きすぎてイベントでかけました→ https://www.youtube.com/watch?v=5nd-DWZaE9U)、渋谷系楽曲などのストリングス・アレンジで大活躍をしているのはご承知の通り。ソロ作品は「セラ」名義などで80年代後半よりリリースがありました(こちらも”早すぎたモンド”と呼べるデジタルエキゾ盤なのでぜひ聴いてほしいです)が、本人単独名義では初となるオリジナル作品がこちら。セラでの細野的エキゾムードを坂本的アジアン・テイスト方向へと近づけ、そこに生音志向を加えて開放的に仕上げています。こう書くだけでも件のアズカメ盤との爽やかな近似性がうかがい知れるでしょう。全編ほぼインストながらCMタイアップなども数曲あり、一貫して耳によく残る”美メロ”盤となっています。
 1.     CLOSE TO LOVE
(作曲・編曲 久米大作)
いきなり「アジエンス」みたいな二胡風シンセ・メロディでスタート。ビートは若干ハウス風味の打ち込みでグイグイきてかっこいいです。合間のオリエンタルなボーカルパートは日本語の逆回転だそう。
2.     ASIAN EYES
(作曲・編曲 久米大作)
昔やってたCM「ナンパオ」のようなオリエンタル・サンプルボイス、よく動くフレットレス・ベース、そしてザクザクしたタッチで奏でるキーボードのメロディがトレンディ・アジアンど真ん中な仕上がりです。合間にオキナワン・コーラスもあってかなりのキョージュ近接世界。富士ゼロックス”流暢”のCMソングでした。
3.     再見
(作曲・編曲 久米大作)
乾いたパーカッションとタブラ類が囲む中を尺八っぽいリードなどが切り裂いていくミディアム、と言いつつやはりビートはアッパーな鳴りチューン。ヒーリング感ましましなコーラスは奥様の久米小百合。そう、「異邦人」の久保田早紀さんです。
4.     水の東
(作曲・編曲 久米大作)
パーカッション類が美しく鳴るミディアム。キーボードのうるおい音飾がかなりスパニッシュ・ジョイントを思い起こさせます...が、途中からは木津茂理らのオリエンタル・コーラスがかなりエモーショナルに迫ってきて、一筋縄にはいかない独自世界へと誘います。
5.     THE FATHER TO FATHERS
(作曲・編曲 久米大作)
荘厳な雰囲気のニューエイジセンスなピアノバラード。金子飛鳥のバイオリン・ソロが奥行きを深くさせていますね。
6.     BEYOND THE GATE
(作曲・編曲 久米大作)
こちらは「ニオ・ジオ」?(なんでもキョージュで喩えて申し訳ありません...)ビートとベースがキビキビと「都市的」な響きをしていてカッコイイです。これもパソコンのCMとかで使われたらドンピシャですね。
7.     INTO YOUR HEART
(作曲・編曲 久米大作)
ファッション・ショーのために書かれたものを原曲としている、アジアン・プログレ風楽曲。ここでも金子飛鳥のストリングスが東洋旋律を実に流麗に響かせてくれます。
8.     THE LOST FIELD
(作曲・編曲 久米大作)
原始ヴェイパーな響きもある、エコー感の強いクリアシンセ・ミディアム。中近東への想いも加味されているそうで、パーカッションや鈴系の音がたしかにそうした響きを持たせていますね。
9.     WORDS FROM THE DISTANCE
(作曲・編曲 久米大作)
前曲までの穏やかなムードから一転、ニュース報道のサンプリングのような逆回転ボイスがどこか緊張感を孕ませている楽曲。後半はこのボイスが捩られ、かなりアヴァンな響きとなります。と言いつつメロディをなぞるピアノはクリアなトーンで、そこがイイ。
10.  SONG FOR THE LILY
(作曲・編曲 久米大作)
小ピアノソロで穏やかに幕切れ。「隣のネコ」というフジテレビ番組のテーマソングだったそう。
※1、2、9曲目を以下から試聴できます
h ttps://soundcloud.com/anouta-wkym/36-1
以上10曲でした。穏やかな秋晴れにピッタシな、うるおいアジアンチューン満載のこのアルバム。ぜひこの季節に手に入れてみて下さいね。
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anouta-jp · 5 years
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トレンディ歌謡に抱かれて 第35回:ブレッド&バター「或る夜の出来事」
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本文の前に、14日に下北沢THREEで行われた名前のないイベントについて書きます。
捨てアカさん主催のネット・レーベル「Local Visions」(https://local-visions.bandcamp.com/)に所縁のあるアーティストが集まった、という意味では4月に京都で開催された「Yu-koh」のちょっとした東京版の趣もあった今回のイベント。Yu-kohの開催日は統一地方選と重なり涙を飲んでの不参加だったのですが、今回はlightmellowbuのINDGMSKさんとのオープニング・トークをすることになり、楽しくフル参加となりました(本当に楽しかった...台車さんとなら5時間トークでもイケると確信)。 服装がカブッててちょっとうれしかったpr∫tptr▱ さんの柔らかくもアゲる四つ打ちで始まり、モリクラさんの「俗っぽさの再解釈」と言えそうなとろけるサキソフォン・アーバン~ギターのカッコよさに誰もが気づいたギムギガムさんのデスクトップ・トロピカル~入江さん山田さん+kyoooさんの明日から頑張れそうなバージョンの「提案」とリラックス気分にゆれた前半、想像以上にタフだったネコアソビ・バンド~そして念願叶いすぎて泣いたTsudio Studioとかなり「込み上げモード」になった後半。出演者の自分が言うのもアレですが、あまりにも出来すぎたイベントでした。
参加アーティストもお客さんとして来ていた何人かのアーティストやライターも、自分とはほぼこの何年かのSNS(anoutaのTwitterやサンクラですね)によって知ったり繋がったりした間柄です。他の皆さんも概ね似た感じで繋がりあってるんじゃないかな。ウノコレの楽しいツイート群を引き合いに出すまでもなく、特に今年は「(日本人の)SNSを介した偏見・分断の増長」ばかりがクローズ・アップされているように思います。しかし今回のイベントでは何というか、繋がることのポジティヴさとでも捉えられそうな、ある種の強い「多幸性」で溢れていました。もちろんそれは「このシーンが今後”儲かる”場になる」という方向性とは違います。どんなに集客が増えてもアンダーグラウンド的闊達さを失わないという、会場全体の暗黙の了解?のようなものも感じとれました。と書くとその場がひとつの「コミュニティ」であるように思えてしますのですが、決してそういうわけでもないのですよね。生で見て・聴いてヨリ実感しましたが、そもそもアクトそれぞれが似たルーツ・音の文脈を持っているというわけではありません(共有しているように見えるとすればそれはむしろ捨てアカさんの微細な審美眼の賜物でしょう。捨てアカさんは本当にスゴイ)。お客さんも「あるジャンル」のファンという事とはちょっと違った、それぞれに色んな繋がりかた、共有の仕方を持っているように思えました(若くてカッコイイ人は多かったですが)。どうもこのあたりに、イベントの「多幸性」の理由があったように思います。「好きなもの”で”繋がる」のではなく「好きなもの”が”繋がる」ダイナミズムのようなものが、あの場にはあったのではないかと。そしてそれはやはり、SNSを通じた繋がりの根本にあったはずの「良い部分」そのものなのではないでしょうか。
イベント大トリだったTsudio StudioさんはMCでやはりこの「繋がり」についての話をしていたのですが、自分の頭から飛んでしまいました。何しろ感極まっていたのです。Tsudioさんの音には「トレンディ」が総体としてでなく、エレメントとして含まれています。自分が好きで好きで仕方ない音の「鳴り」が、未知の歌声や男前なビートと繋がっている。これほど未来のある、背中を押してくれる音楽は他にない。そして当然会場全体がそんなことを思っているはずもなく、自分は自分の繋がりを、ひとりで発見したということなのです。
     では、ここからが本文です。
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 レココレ増刊の「CITY POP 1973-2019」、皆様読了なさいましたでしょうか。ここ10年の再評価を踏まえつつ最新・最良のカタログを目指したかのような70・80年代、「未知の再評価領域」へと果敢に挑戦している圧巻の90年代。聴き方の多重化という密かなテーマもあるように感じられ、同アーティストであっても別種の、ポリフォニー的な再評価がなされていることがある種「重厚さ」となっている1冊だと思いました。単純にCITY POPの発生からそれだけ時間が経ったということでもあるでしょうし、「リゾート感覚」であれ「充実ライフ感覚」であれ、それをベタに摂取ができないままの十数年が厳として存在することも逆説的に考えさせられてしまいます。いずれにせよ、これは今出す意味があるカタログなのだと思いました。
  ところで。
当ブログで取り上げたアルバムはこの本で何枚取り上げられていたと思いますか?
      答えは0枚です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!やはり「トレンディ領域」はCITYな感覚とは少し遊離した部分があるのでしょうか。だからこそ更新したくなる、というわけでもありませんが今回は同書でさんざん取り上げられているアーティストの、ノミネートにカスりもしなかった(であろう)1枚をわざわざご紹介致します……このアルバム好きなんだけどなー。
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 Release : 1987.5.25
 Keyboards MASATAKA MATSUTOYA
Drums EIJI SHIMAMURA
Bass KENJI TAKIMIZU, SHIGERU OKAZAWA
E.Guitar MASAKI MATSUBARA, TSUYOSHI KON, SHIGERU SUZUKI
A.Guitar FUYUMI IWASAWA
Percussion NOBU SAITO
Sax JAKE.H.CONCEPTION
Chorus MANNA, JIN KIRIGAYA, TOSHIHIRO”BOBBY”KIRIGAYA,
EMIKO SHIRATORI, ROMY, TAKEO MIYAKE, SHUN TAGUCHI,
FUJIO KAGEYAMA, YUMI MATSUTOYA
 ※ブックレットの文字死ぬほど見辛かったです。行き過ぎたトレンディも考えもの
  ピンク・シャドウ収録の「バーベキュー」やアルファ期の名作群など5枚がガイド本で紹介されていたブレッド&バター。トレンディ期はファンハウスに移籍、91年までに5枚のアルバムをリリースしています(その後オリジナル作品はしばらく途絶える)。その中でもこの「或る夜の出来事」は特別な作品。全曲のプロデュースを松任谷正隆が手掛け、当時絶好調だったユーミン・プロダクションの姉妹盤となっているのです。この時期ユーミンのアルバムは秋冬発売でしたが、対して当盤は全編が「夏」。シンクラヴィア直前のデジタル感触満載の熱いサンバやファンク、AORタッチのメロウ曲などならではな良曲がこれでもかと詰まっています。アートワークはもちろん信藤三雄。裏ジャケには田島時代のPZVと見紛うばかりの、「ファンク的」な色気のある岩沢兄弟が拝めます。
  1. Nonstop to Brazil
(作詞 山中幹子・田口俊 作曲 MAYUMI 編曲 松任谷正隆)
デジタル「紅雀」(ユーミン)とでも言えそうな、爽快なブラジリアンタッチのフュージョンで幕開け。気ごころの知れたプレイヤビリティみたいなものが感じられ、ユーミン・プロダクションの「強さ」を感じられます。作曲は堀川まゆみ。
2. O CARNAVAL
(作曲 岩沢幸矢 編曲 松任谷正隆)
スキャットで繋ぐ賑やかなサンバ・インタールド。声に小山田圭吾を思い起こす艶があります。
3. …..Busy
(作詞 阿達淳子 作曲 岩沢幸矢・MANNA 編曲 松任谷正隆)
吉田美奈子のようなヘヴィ・ファンク楽曲。バブル期特有の、カチャカチャした「多忙」感(冒頭にもそんな演出のSEあり)がイカしてます。OTT(オーバー・ザ・トップ)なオケヒもバブル丸出しに衒いなく大炸裂。
4. 夏の影
(作詞 MANNA 作曲 岩沢幸矢 編曲 松任谷正隆)
最高にトレンディなAORでクールダウン。いつものブレバタマナーよりもダンディズム・都会感が強くあって、南���孝が歌ってもおかしくない感じですね。サビ前の急な高音など難易度高のメロディを、気持ちよさそうにこなすあたりはさすが。
5. センチメンタル・フレンド
(作詞 岩沢二弓・田口俊 作曲 岩沢二弓 編曲 松任谷正隆)
お得意の哀愁マイナーコード・ミディアムでシングル・カット曲です。個人的にはこの曲調、時代の音飾と合ってない気がしてすこしいただけないのですが…間奏のエレアコ・ソロがなんとも泣ける旋律で良いですね。
6. Happy Birthday My Dear
(作詞 岩沢幸矢・MANNA 作曲 岩沢幸矢 編曲 松任谷正隆)
「Autumn Park」(ユーミン)の兄弟曲ですねこれは。静かな水面のようにシルキーなエレピが立っています。岩沢兄弟のイノセントさ引き立つ佳曲。
7. ラヴィ・サンバ~人生は過ぎる~
��作詞 岩沢二弓・田口俊・岡田幸文 作曲 岩沢二弓 編曲 松任谷正隆)
シンベと浮遊感のあるシンセリフ、バンドネオンっぽい音色のキーボードで紡ぐマイナーコード・サウダージ曲。サンバ感というよりは「祭りのあと」なムードのアレンジがなんとも色気があります。
8. 熱い夜
(作詞 松井優・田口俊 作曲 MAUMI 編曲 松任谷正隆)
1と出来を争う堀川曲。左右に揺れ続けるタムと妖しくうごめぐシンセ・シタール、そして情事の描写そのもののエロティックな歌詞が熟れた果実のように匂い立ちます。なのにシンセブラスが抒情もへったくれもない響きで合間に鳴るのが、とてもトレンディなのです。
9. at 52F
(作詞 田口俊 作曲 岩沢二弓 編曲 松任谷正隆)
「ステッピン・アウト」(ジョー・ジャクソン)系ハツラツ曲きました。タイトルは「52階で」という意味で、「テレックスをはじく音」「ショウウィンドウ越しのプレタポルテ」といったトレンディ・ワードが大炸裂。
10.  ぬけがらのシャツ
(作詞 呉田軽穂 作曲 岩沢幸矢 編曲 松任谷正隆)
ここでユーミン作詞のラヴァーズ・ロック風バラッドがきます。これがまた名曲なんだ…素朴なコード進行ながら、歌詞のほうが別れの朝を物語風に展開させていく気持ち込み上げな仕様で、夏の朝の爽やかさと苦い気持ちとを透き通るように、描写。コーラスもユーミンです。
11.  O CARNAVAL
(作詞・作曲 岩沢幸矢 編曲 松任谷正隆)
前曲の余韻を打ち消すかのようになだれ込む、2のインタールードの本編。「September Blue Moon」「恋の一時間は孤独の千年」(いずれもユーミン)の止揚曲とも言えましょう。賑やかさで終わるのがこの時代らしい。
※4、10、11曲目を以下から試聴できます
h ttps://soundcloud.com/anouta-wkym/t3gwpsoc74fm
 以上11曲。聴きながら晩夏の感傷にふけるもよし、秋までにもうひと思い出を夢想するもよしな盤でした。何らかのノミネートをマジでお願いします!
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