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#空き壁あったら糸かけます
kkagneta2 · 7 months
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まだここ見てる人いるんかな?
別に続きを書いている訳ではなく、久しぶりに詩帆ちゃんのことを思い出してたら降ってきたネタを書き留めました。
いまいち時間が取れなくて書けなくてすみません。でもたまにこうやって吐き出さないと精神衛生上良くないので(全然まとまってないけど)打ってたりはします。
まぁ何にせよ見てくれている人が居れば幸いです。
実は詩帆は知っていた。
事は今から10年も昔の話だ。当時4歳だった彼女にとって幼稚園は小さなものだった。昔から歳を同じくする子たちとは頭1つ2つ飛び抜けて大きかった彼女は、幼稚園入学当初からすでに机の上に立っているような背の高さであった。
「まぁ、大きいですね~」
なんて送り迎えのお母さん方には言われたけれども、自分の子供の大きさに絶対の自信を持つ保護者からは、なんだか羨望というか嫉妬、―――女の子なのに息子を胸の下に完璧に置いてしまうような彼女を、まぁ謂わば目の敵にするような表情で言われた時は流石に申し訳無いような気持ちになりはした。
私だけどうしてこんなに大きくなったんだろう。
よく分からない彼女は部屋の隅で他の子を見ながらこんなことを思ったものである。
そんな彼女に母親は見かねて光昭の母親に助けを求めた。
「光昭くんって今身長何センチ? 140センチ? ちょうどいいんだけど、ちょっと頼みたいことが…」
母親の作戦はこうであった。同学年の子よりも頭1つ2つ大きいなら、それと同じくらいの背の子を、―――例えそれが5歳上の子でも、―――紹介して詩帆と遊ばせればいいのではないかと。
互いに歳を知らせずに遊ばせれば、お互いに4歳の、―――光昭にとっては酷だが、―――子として接するのではないかと。
「光昭、今日はお母さんたち大事な話があるからあっちの子と遊びなさい。これを持って行って」
と女の子が好きそうなぬいぐるみを渡された彼は、よろしくねと言う詩帆の母の後ろに居るあどけない女の子を見て、ああ、この子と遊べばいいのか、はいはい、と思ったそうな。
さて、彼女の部屋へと行った彼であったが、なぜか距離感を詰めて接してくる詩帆に心臓をバクバクと言わせていた。それは彼女が、もはや誰とも似つかないとびっきりの美少女だったということもあるが、それ以上に彼はまだ他人を好きになったことが無いことが関係しているのである。おそらくこれが彼にとって初めての恋であったろう。そんな彼女に、もう互いの体温すら感じられるほどの距離で話しかけられるのである。
「うん、うん…」
完璧にリードする予定だった彼であったが、出鼻を挫かれて向こうの女の子に、―――しかも5歳も下の女の子に主導権を握られ、そして自分は恋心を抱きつつある。
―――これで、小学3年生の男の子が喋れようか。
だが、詩帆はそんな彼にお構いなしに接して行く。
「ねぇねぇ、これ、わたしのたからものなんだよ」
と、小物入れにはぴったりな、綺麗な装丁の箱を開けて綺麗な石を取り出して、嬉しそうな顔をしながら光昭と一緒に眺める詩帆。
彼女は滅多にこういう顔をしないのである。
それもそうなのである。彼女にとっては初めての自分と目線を同じくする相手なのである。
「いーでしょー。これはね、あめじすとといってね…」
と言って、石の名前と蘊蓄を手の上にそれを載せて喋る詩帆。彼も石は多少なりとも知っている。
「ああ、これはね…」
と負けじと詩帆に応戦する。
しかしまぁ、光昭はドキドキしっぱなしであった。それは詩帆の一挙手一投足が、どういうわけか彼にはたまらない宝物のように思えたからであった。
彼にはもはや彼女が髪をかき分ける仕草すら魅力的に見えたのである。
だが光昭はある違和感に引っかかりつつあった。隣に居るのは詩帆という名の美少女。背はだいたい自分と同じくらいだし、喋り方も、知識量もだいたい自分と同じくらい。だがどうして? この違和感は一体何なんだろう?
そう思って光昭は現状を確認しつつ詩帆の全身を下から頭のてっぺんまでも見、今この部屋を包んでいる空気、………いや、甘いいい匂いなんだけど、それと大事なものがあるはずの机の上を見て、やっぱり違和感がする…
この子、行動はやたら幼いし、やたら舌っ足らずだし、ランドセルは部屋には見当たらないし、机の上にはノートも教科書もない。
そう思ったとき、光昭はガーンとうなじら辺を岩で殴られるような感覚に襲われた。えっ、いや、そんなことは、………
いや、まさかな、………
―――詩帆は、小学生じゃない?………
そうは思ったが、息のかかる位置に居る詩帆、見たこともない綺麗な顔かたちの詩帆、いつまでも聞いていたくなるような声の詩帆、なんだかいい匂いもしてきて、頭がクラクラと揺れるような感覚に、
そんな状態が5時間は続いたろう。もう何を話したのか
そして最後に、
「みつあきくんせがたかいねAー、せいくらべしよっ」
と詩帆が提案してきた。そしてガバっと抱きついてきた。
光昭は驚いて現状を把握するのに手一杯であったが、詩帆の方は自分の頭の上から光昭の方へ手をスライドさせて背を測っている。
「うーん、よくわからないな~………」
何度もそうやっていたが、やっぱり分からないらしい。
そこで光昭は気づいた。詩帆の顔が、目が、各パーツが、自分よりも少し高いことに………
うっ、と思ったけれども、彼は彼女に勧められるがまま壁に掛けられている簡単な160センチまでのメジャーへと足を運んだ。
なぜなら小学生かも怪しい女の子に負けるはずがないから。
まずは光昭が先の簡単なメジャーに背を当てた。………1センチでも4月から伸びていますように!!
………
詩帆が光昭の身長を読み上げる………
「141せんち! すごーい!! おおきーい! 
 ―――こんどはわたしのばんね!」
と、光昭は先程まで自分が背筋を合わせていた場所に、詩帆の背中が当たるのを確認した。
そして彼女の身長を読み上げた。
と同時に得体の知れない恐怖が頭の中で爆発した。
―――自分より背が高い。
光昭の手はもうガタガタと揺れていた。
「どうしたのー? てがすごくふるえてるよ?」
「あ、ああ、ごめん。えっとね………ちょっと、待ってね………」
もう光昭は涙目で詩帆の顔すら見えなかった。
「えっとね、………1、…144センチ…」
喉の奥から絞り出すかのように彼は言った。
負けた………
「んふふー、みつあきくんよりたかーい!」
膝を崩しそうになる彼を他所に、詩帆は嬉しそうに手を広げてジャンプをした。
光昭の記憶は残念ながらここで途切れているが、その後糸が切れたように項垂れる彼に詩帆はなんとか彼を立たせて、反応の薄い彼を相手に
ちょっと悪いことをしてしまったと反省しているが、自分と同じくらいの背の男の子と遊べたのだから今となってはいい思い出である。
それが5つも上のお兄さんだったとは知らなかったけれども…
そして今、すっかりと小さくなった光昭と、膝を曲げに曲げて肩の高さを揃えつつ、それでもこっちの威圧感か遠慮しているのかどうか知らないが、微妙に距離のある彼に引っ付いて手の上にあるもう豆粒大の石を見る。
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kennak · 4 months
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羽田空港発着の国内線 5日も200便以上欠航 1月2日の事故発生後、羽田空港を発着する国内線は連日200便以上の欠航が続き、5日は、国内線のうち、▼日本航空が102便▼全日空が98便▼スカイマークが1便▼スターフライヤーが14便とあわせて215便の欠航が決まっています。これによって、▼日本航空で1万5060人▼全日空で1万8500人あわせておよそ3万3560人に影響が出る見込みです。このほかの航空各社も、欠航や大幅な遅延の可能性があるとして、最新の運航状況をホームページなどで確認してほしいと呼びかけています。また、全日空では、成田空港を発着する便を臨時で11便増やして運航することにしています。ダイヤの乱れは、事故の起きた滑走路で航空機の撤去と安全確認が終わり運用が再開されるまで続く見込みで、6日も▼日本航空で100便▼全日空で96便の欠航が決まっています。 能登空港は滑走路が閉鎖 5日も全便欠航 小松空港は往復3便欠航 能登空港は地震の影響で滑走路が閉鎖されていて、5日も羽田便全便の欠航が決まっています。小松空港は羽田空港の滑走路の制限により、日本航空の羽田便往復2便、全日空の羽田便往復1便の欠航が決まっています。 《鉄道》 NEW 石川 のと鉄道全線 復旧めど立たず 新幹線などは平常どおり運行 【JR】北陸新幹線と、北陸線の特急・普通列車は始発から平常どおり運行する予定です。一方、石川県内のJRでは、七尾線が高松駅と和倉温泉駅の間で線路の設備に被害が出た影響で運転再開の見込みが立っていません。JR西日本によりますと、地震で運行の取りやめなどが発生したことから、元日から5日までを有効期限に含む北陸新幹線や在来線などの切符について、払い戻しや有効期間の変更を手数料なしで行うとしています。【のと鉄道】七尾駅と穴水駅を結ぶのと鉄道は、線路などが大きく壊れ、全線で復旧のめどが立っていません。【IRいしかわ鉄道】IRいしかわ鉄道は、平常どおり運行する予定です。【北陸鉄道】北陸鉄道の石川線と浅野川線は平常どおり運行する予定です。 新潟 JRの一部区間で運転見合わせ 【JR】JRは越後線と大糸線の一部区間で運転できなくなっているほか、線路が凍結している影響で上越線の一部区間で運転を見合わせています。そのほかの鉄道各社は平常通りの運行です。【佐渡汽船】平常通り運航しています。 《道路》 「のと里山海道」と能越自動車道 一部区間で通行止め続く 能登地方に向かう自動車専用道路の「のと里山海道」では、上棚矢駄インターチェンジから穴水インターチェンジの間で通行止めが続いています。また、能越自動車道の穴水インターチェンジとのと三井インターチェンジ、それに七尾インターチェンジと富山県の高岡インターチェンジの間で通行止めが続いていて、解除の見通しは立っていないということです。 能登半島 複数の道路寸断 復旧作業進む 今回の能登半島地震で、能登半島では道路の陥没や土砂崩れなどで複数の道路が寸断されました。その後、応急復旧が進められ、国土交通省によりますと、4日の時点で、穴水町から輪島市役所��での区間は、県道1号と303号、271号、それに「輪島市道」を通って大型車も行き来できるようになったということです。また、穴水町から能登町役場と穴水町から珠洲市役所までの区間は「珠洲道路」などの応急復旧が終わり大型車も通行できるようになったということです。一方、能登半島の北側の沿岸部を通る国道249号は、トンネルの入り口や斜面が崩れたりするなど大規模な被害が複数あり復旧に時間がかかっています。このため、沿線の自治体のところどころで地域が孤立し、海上のルートも使って支援物資の輸送が行われています。このうち海上保安庁は、輪島港と七尾港を利用していますが、岸壁にできた段差でトラックが近づけないなど、大量の物資を運ぶのに支障が出ていることから港でも復旧が進められています。
【地震 羽田 交通影響 5日】羽田空港発着の国内線200便以上欠航 航空機が衝突した事故の影響で | NHK | 令和6年能登半島地震
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pix-ied · 4 months
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2023年
旅行
海外旅行が再始動できたことが本当に良かった。私の人生の鉄剤。(もうちょっとロマンチックな言い方ができないのか)とにかくあれば、元気に過ごすことができる。1月石川、2月フロリダ、5月韓国、8月新潟、11月アナハイム。国内旅行は減らして?、航空会社のセールやJRのポイントを使ったりして、移動にあまりお金をかけない代わりに良い温泉に泊まったのがかなり楽しかった。もうあまり観光はしなくて良い。美味しいものが食べられてゆっくりしたい。来年は台北に行くことが決まっているけれど、それ以外何も決まっていない。
読書
読んだ本は25冊。これでも月2冊の計算か。本当に全然読めなかった感覚。図書館で借りた本も読み終わらずに返すことが多かった。期限がないと読み切れないと思っていたけど、忙しくて結局読み切れない。2024年は本を買う生活に変えようかな、とも思うけど、図書館には通ってしまうし、本の適切なリリースを考えないと、大変な部屋がますます大変なことになってしまう。要検討。
読んで良かった本5冊
①アメリカの壁/小松左京
②実は内向的な人間です/ナム・インスク
③さみしくなったら名前を呼んで/山内マリコ
④chatter/イーサン・クロス
⑤私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない/キム・ジナ
映画
鑑賞映画は約60本。コロナが終わってこちらも減少。今年は自分的大ヒットがなく終えた。台湾映画は劇場公開されたものはたぶんほとんど観られたのが良かった。日本映画はあまり観ていない。
好きな10本
①生きる
②好きだった君へのラブレター
③1秒先の彼
④僕と幽霊が家族になった件
⑤キングダム 運命の炎
⑥わたしがやりました
⑦Perfect Days
⑧きっと、それは愛じゃない
⑨赤い糸 輪廻のひみつ
⑩ウィッシュ
その他
昇進した。今までも忙しかったのにもっと忙しくなりそうな気配。なんとか仕事をする時間を減らす方向に動きたい。
韓国に行って、コスメブームがやってきた。特に基礎化粧品で肌の状態をあげること。そしてメイクをすること。自分へのケアの1つ。正しいかどうかを置いておいて、アイメイクが少しできるようになったことが進歩。
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dryflower-forest · 1 year
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2023年5月4日
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 麦わら帽子を被って、最近買った青色アロハを着て、短パンにブーツで玉川上水沿いの林道を少し散歩。温かさを通り越して暑いく���いの陽射し。風も、五月の風も時折吹いていて、その度に飛んでいきそうな麦わら帽子を手で抑えた。飛ばされてしまえばよかっただろうか。どこへ?もちろんゴッホの夏へ。「君に握手を贈る」毎回決まって締めくくりにそう書かれていた彼の手紙。林道は木々の草々の、青空へと太陽へと伸ばされた夥しい緑の握手に覆われ仄かに薄暗く涼しく、地面へと落ちた木漏れ日を横ぎる揚羽蝶や紋白蝶の黒い影。ちょうど去年の今頃はドイツ人の作家シュナックが書いた「蝶の生活」という本を読み始めた頃で、様々な蝶の成虫幼虫の挿絵入りでその生態が博物学的に生物学的に紹介されているだけでなく、それぞれの蝶との彼の出会いや蝶を巡る幻想的な小説の章まである、蝶という生き物に対する虫網を持って野原を駆け巡るかつての少年そのままの純粋な愛と憧れと詩情に溢れたその本を鞄に入れて仕事の行き帰りや今日のような散歩の途中、時間を見つけては僕も蝶の影を追っていた、まるでシュナックの魂が乗り移ったかのように。
 ところで、「ゴッホの手紙」の中にも蝶が登場する。蝶ではなく蛾なのだけど、それは「死人の顔という蛾」で、
昨日は、死人の顔という珍しい大蛾を写生してみた。その色彩は、黒、灰色、陰影のある白や反射光のある洋紅色、かすかだがオリーブ緑色に転じた色で、たいそう大きい。  それを描くため殺してしまわなければならなかった。それ程蛾は美しかったので惜しかった。ーー硲 伊之助 訳「ゴッホの手紙 下」よりーー
背中に人間の髑髏の模様があるその大きな蛾の彼の素描を見たとき、これはたぶん半ばゴッホの想像或いは幻想で描かれた蛾の絵なのだと思っていたのだけど、その同じ蛾をシュナックの「蝶の生活」の後半の蛾の章で発見して僕は驚愕した。「死人の顔という蛾」は実在していたのだ。それは髑髏面型雀蛾(ドクロメンガタスズメ)という。
この蛾は埋没してしまった古代の夜の世界の最後の目撃者である。その恐ろしい紋章によってこの蛾は人間たちに死を、今なお存在する黄泉の国を思い起こさせる。ーー岡田朝雄 訳 シュナック「蝶の生活」よりーー
 煙草を吸う。照明は天井に二つ埋め込まれている小さな電球色のLEDだけで薄暗い、小さな動物や昆虫をペットショップで買ったときに小さな動物や昆虫が入れられる二つの小さな空気穴が空いているだけの小箱のように薄暗い喫煙所で煙草を吸う。ぼんやりと浮かぶ闇の壁にもたれ掛かって煙草を吸う人の顔、その唇の先から指の煙草の先から流れる揺らめく煙は千変万化の軌道を描き、天井へ、まるであの天井の二つの円いLEDの光から出ていくように、地獄の底から見上げた高く高く厚い厚い天井に空いている小さな二つの出口、ここの住人には決して手の届かない小さな二つの出口、窓、裂け目、地上への出口へと流れていく煙かのように、煙を糸のように吐いて、その糸が吸い込まれていく、決してわたしを引き上げてはくれない、わたしが吐いた蜘蛛の糸の流れの先を見上げるわたしはきっと今ルドンの気球の眼をしている、重力を、わたしが重力に縛られた存在なのだと、私は重いのだと、つまりは地獄の底に居るのだと気が付かせてくれる、そんな喫煙所、でもね、地獄の底にも光るものがあって、それは二つの光源のちょうど真下に二つ置かれている灰皿、銀色に鈍く光る灰皿、水の張られた皿を円く囲って覆う銀の蓋が鈍く光っている、大概は捨てられた煙草と煙草の灰の山に埋まっているその二つの目玉と瞳、だけど、たまに掃除の人が来ることがあって、そのときは捨てられた煙草も煙草の灰も綺麗に除けられて、だから銀色の眼球の真ん中に張られた水が二つの瞳のように浮かぶ、でも、その二つのお皿は煙草の脂や錆で焦げ茶や黒茶や赤茶や朽ち葉色に染まっているから、その二つの瞳は冬の池の底、その秋に散ったたくさんの落ち葉が静かに安らかに沈み込んでいる冬の池のようで、電球色のLEDに照らされて琥珀色に輝き微かに揺らめくその瞳は穏やかな午後の陽が射し込む冬の池の底のようで、髑髏面型雀蛾の羽根、身体の色合いはちょうどそんな色をしている。わたしの部屋が、今も少しだけ置かれているけど、百花繚乱のドライフラワーに埋め尽くされたら、きっと真夜中に窓を叩いて飛んで来るだろう、髑髏面型雀蛾。しかしそのとき彼が背中に乗せて持って来るのはいったい誰の骸骨だろう?それはきっとわたし自身の骸骨だ。ゴッホはあの蛾の背中に彼自身の骸骨を見たのだ。もう彼は居なかった。それからしばらくして彼は死んだ。でも、もう既に彼は居なかった。最後の方に描かれている彼の絵はまるで煙で描かれているようだった。彼は死んで、煙になってその煙が彼自身の最期、骸骨を見ていた。わたしもその蛾を見たときにはもう居ないのだろう。真夜中に窓を叩く風。わたしの居ないドライフラワーが咲き乱れたわたしの部屋の中を気ままに優雅に不思議そうに舞う髑髏面型雀蛾。
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わたしは わたしの居ない わたしの部屋で暮らしたい かつてそうだったように わたしは わたしの居ない わたしの世界を見てみたい かつてそうだったように
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【新潟県謡曲古跡めぐり上越編】1日目9箇所目  2021/6/27ー28
能「壇風」「田村」
水俣観音堂 《 糸魚川市水俣 》 水保観音堂の創建は不詳ですが泰澄大師が養老年間(717~724年)に開いたとも弘法大師空海が大同元年(806)に開いたとも云われています。
その後、坂上田村麻呂が当地を訪れた際、境内が整えられ寺院として草創したそうです。当時は吉祥院に属し、信仰を広げ最盛期には七堂伽藍を備た大寺院として周囲にも大きな影響力を持ちました。古くから神仏習合し隣接する日吉神社の祭祀を担っていましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により吉祥院が廃寺となり日吉神社と観音堂だけが残され現在は宝伝寺の境外仏堂となり周囲の信者によって管理されています。
水保観音堂には棟札が残されていて明和5年(1768)に建てられ、棟梁が倉若七右衛門、脇棟梁が宮原与右衛門、下役が小杉久右衛門だったことがわかっています。水俣観音堂は木造平屋建て、寄棟、鉄板葺(旧茅葺)、桁行5間、梁間5間、平入、外壁は真壁造り板張り、四方浜縁、高欄付き、中世の密教寺院建築の特徴を残し地域に残る修験道場の遺構としても貴重な存在です。
寺宝には大正12年(1923)に国重要文化財に指定された「木造十一面観音立像」(平安時代中期~後期の作と推定、桜材の一木造、頭部の天冠台には様々な表情をした十一面が墨書、像高1.548m、鉈彫り、33年に一度の開帳、身をもって集落の火災を防いだという伝説が残っていて火伏の観音さまとして信仰の対象となり住民からは「水保の観音さん」と呼ばれています。)や男神像(2躯、室町時代作と推定、像高27㎝、23.5㎝)や鋳銅製鰐口(貞享3年作、鋳師:高田土肥藤右衛門藤原朝臣家次、施主:糸魚川高野清右衛門季林敬白)などがあります。 この仏像は、桜材の一木造りで、高さ1.548メートル。 平安時代中~後期(藤原時代)の作と推定されています。丸のみを横に用いて荒っぽく削る「鉈彫り」の技法で作られたものです。 この技法で彫られた例は新潟県には2例しかなく貴重な仏像です。 一般公開は33年に1回です。(平成16年8月27日~29日に一般公開されました)
又、水俣観音堂には鎌倉時代に後醍後天皇の倒幕に加担し佐渡に流され、本間一族に惨殺された日野資朝の子供阿新丸が十一面観音の霊力を受け父の敵を討ち果たし父の遺骨を境内に埋葬したという伝説があり資朝のもの思われる墓(五輪塔)もあります。毎年5月1日に行われる例大祭では日吉神社の神事の後、観音堂まで神輿渡御が行われ、さらに境内で神楽が奉納される神仏習合の名残が見られます。
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ashrhal · 1 year
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2023年1月31日
「もう旅行行きたくない!…行かないから。」
それが妻から聞いた最後の言葉となった。
なんてことはたぶん全然無いんだろうけどまた妻と喧嘩した。「した」というか「している」。これで1867回目の喧嘩だ。嘘嘘数えたことなんて一度もないこれが何回目の喧嘩なんか全く知らん。
今日の喧嘩の原因は、妻が作ってくれた鍋を食べる時に俺が器に顔を近づけて食べている行儀の悪さを注意されたことだった。今日の喧嘩の原因は、妻が作ってくれた鍋を食べる時に俺が器に顔を近づけて食べている行儀の悪さを注意されたことだった?!?!なんだそれ。そんなクソしょうもないことでよくこんなにシリアスになれるなこの夫婦。という話は一回置いておいて、まあ今は俺もキレているしなんでもいいがとりあえず何度目かもわからない喧嘩をしている。
昨日の夜、ベットで身を寄せあってケラケラしながら3月にいく旅行の宿をとった。最近買ったiPadで一緒に旅館の動画を観て、「すてき!すてき!」と2人で宣い、旅行に行くお金なんてギリギリないのに宿を予約した。洞爺湖にあるその宿と、当日のプランや周辺の散策できそうなところを調べたりして2人でピカピカしていた。そんな昨晩だったと思う。
が、事態は一変し今は部屋は殺伐とした空気と俺がキレながら無理矢理吸ってる煙草の匂いが漂い、時折キレた妻が何か物に当たる音がドンドコしている。なんだこれマジで。
日記を書いていなかったこのしばらくの間も何度も何度も喧嘩した。もちろんその何倍もフニャフニャした楽しい時間もあったが、喧嘩の回数や深刻さが募っていったのは確かなことだった。喧嘩になる時はきまって"俺が"怒る時だった。俺は真の底からだらしない人間で、人が普通にやっているいわゆる普通の生活というものができないらしいことはこの数年でまじまじとわかった。例えばトイレの電気を消さないだとか、例えば飲んだ酒の缶をそのままにしているだとか、例えば2Lの天然水の段ボールを片付けなかったからだとか、例えば妻の前で平気でオナラをしてしまうだとか。そんな感じのことで今まで顔面の毛穴の数くらい注意を受けてきた。
いくつか改善はした。トイレの電気は99%の確率で消すようになったし、空き缶や空き瓶も翌朝妻が起きるまでには片すようにした。30年生きてきてうまくできなかったことを治すことは苦労を伴ったが、明確に君の目を見て断言しているけど俺は努力をして改善してきた。
そして俺は怒らない人間だった。マジで怒らない人間だった。注意されたことは改善しようと努めたし、事実いくつか改善できていたと思ってた。ただそれじゃ足りないらしく、妻から注意は続いた。そしていつからか、妻に注意されることに対して、「どうして」という気持ちを抱くようになり、その気持ちを妻に伝えた。妻は「私を不快にさせるあなたが悪い」という論説に基づいて、俺の意見や気持ちには絶対に納得しなかった。最初はそれもしかたないと思っていた。しかし俺の「どうして」という気持ちは大きくなり、そしてそれはやがて俺の怒りへと変わっていった。俺が怒ると言い合いになり喧嘩になる。この仕組みを理解するのに時間がかかった。仕組みを理解してからは注意された時は「どうして」という気持ちを我慢して極力それを治すように努め、喧嘩にならないように振る舞った。ただ、酒を飲んでいる時は別だった。酒に酔って気が大きくなっている時は「どうして」という気持ちを素直に妻にぶつけた。怒りも解き放った。その度に喧嘩になった。根本的な解決は俺が行儀の良いだらしなくないクリーンでイキイキとした完全無欠な人間になることだったが、それを叶える覚悟は俺にはなかった。俺の中の折衷案として、酒をやめるという選択肢があった。少なくとも、酒を飲んでいなければ俺は注意されても我慢できる。俺が俺の「どうして」を噛み殺すことができる。だから明日、2月1日から1ヶ月間本当に大好きな酒を本当に大好きな妻との暮らしのためにやめようと決意し、妻にも周囲の人間にも「1ヶ月断酒をします」という宣言していた。
断酒が明日に迫った夜、俺は最後のビールを飲んでいた。妻が夜ご飯の鍋を用意してくれ、それを2人で囲む形になった。ニコニコのおいしい夜ごはん。肉は大きすぎるか、切ったほうがいいかなんてやりとりをして、鍋にありついた。そして、いつも通りの所作で、すこし赤みが残るしゃぶしゃぶした豚肉を食べようとした。そこで、俺が器に顔を近づけて食べている行儀の悪さを注意された。妻は詰問した。具体的なセリフはともかく、「私が嫌だって言っているのにあなたは何故それをするの」という話だった。別に、俺だって器に顔を近づけたくてたまらないんだ!っていうわけじゃない。30年こうやって生きてきた。行儀が悪いことは理解できる。やらないほうがいいことも理解できる。俺の行儀の悪さで妻に不快な思いをさせていることも理解できる。だけど俺の中には「どうして」という気持ちが灯り、「30年間これで生きてきたから」「髪が器につきそうなのが心配になると言うが、今まで一度も髪を汁で濡らしたことはない」という言葉を発した。どうして酒をやめる今日なんだ。そんなに今すぐにそれを伝えないといけないのか。俺は妻との暮らしのために酒をやめると盲信し、本当にしんどいが頑張ろうと思っているのに、その直前の最後の夜ごはんで、なんでそんなことを注意するんだよ。そんな気持ちを抱きながら、少しずつ口論は激化していた。
妻との喧嘩はもはやパターン化している。妻が俺に何か言う。俺がそれにうまく答えられずささくれ立った返事をする。それに妻は納得がいかない様子を見せる。それに対して俺がじゃあどうすればいい、何をしてほしいと訊ねる。妻が何故そんなこともわからないのかという態度で話す。俺が俺はこう思っている、こういう事情でそうできないという話をする。そこで2人とも怒りという感情に支配され、過去の話や言った言わないやったやらないの話で口撃を始める。そこからはもうめちゃくちゃになる。始まりは「俺が食事の時に器に口を近づけること」だったのに、気がつけば取り返しのつかないほど負の感情を2人で抱える。そうしてお互いの性質や人格についての話になる。
妻の言い分はこうだ。私を不快にさせるかどうかは一度置いておいたとしても、行儀が悪い、一般的に考えてよくないこと���しているあなたが悪い。あなたが改善するという態度が見受けられない。これまで何度も注意を繰り返しているが改善が見られない。何を言われても納得はできない。けどあなたがそう言うなら私はもうあなたに感知しない。もう私は何も言わないから好きにすればいい。私はもう怒らない。注意しない。好きにして。
俺の言い分はこうだ。きみはいつも反省しない。喧嘩なんてどっちが100%正しくてどっちが100%悪いなんていう絶対はない。きみは自分からも謝らない。自分が正しい、自分の言ったことはなんでも聞くべきだ、正すべきだというスタンスだから人のやることが許容できないんでしょう。人間である以上欠点や気になるところなんてあるのが当たり前だから、それを許容して、治してほしいのだったら怒る以外の選択肢を取ればいい。喧嘩したところでどっちにもいい結果にならない。君はもういいとすぐ拗ねる。本当はよくないことでももういいと壁を張って結果的に2人にとって良くない選択肢をとる。俺は改善するから君も反省してほしい。君は欠点がない完璧人間なのか?じゃあ俺も言わせてもらうが君もあれこれできてないじゃないか。(この話でさらに喧嘩は激化する)俺は君の欠点も許容している。だから君も俺の欠点を許容すべきだ。
こんな内容の話が平行線をたどり、最終的にはいつも俺が泣きながら謝る。ごめんなさい、すみませんでした、治します。
文章化するとわかるが、俺は「どうしてこんなことで怒るんだ」という視点に終始していて、妻は「どうしてそんなことも治せないんだ」という視点に終始している。
この「そんなこと」の糸が解けない限り、こんな喧嘩は一生続くだろうし、喧嘩をするたびにどちらも傷つくんだろう。
先週の金曜日、久しぶりに妻と深夜まで遊んだ。その時に話した内容を思い出す。「我々は仲が良すぎるんだと思う。それはいいことだけど同時にわるいことでもあって、嫌なことがあったらその好きが全力で反対方向に走り出すし、楽しい時は本当に心からニコニコできる。 2人とも2人のことが大好きだし、常にお互いのことを気にしている。もう少し、違うことに関心を持って、ずっとニコニコ暮らして行けたらいいのにね。」
「旅行はいかないから」と妻は言った。それがどうなのか、もしかしたらそれどころの話ではないではないかとも思うが俺はモンスターだしきっと妻もモンスターで、はやくモンスター同士仲良くしたいと今も思ってる。嫌がる妻を差し置いて酒を飲んで煙草を吸いながら。
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shokobekki · 20 days
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【展覧会のお知らせ】
4/12金〜4/22月(水休)の期間 安曇野の「雨の樹」 というギャラリーで作品が展示されます。 2010年代前半のコラージュ作品が多くゆきます。 (コーディネートby Gallery SINCERITE)
新作は出ませんが 展覧会タイトル、つけました。 あと、13土、行きます。 作品に関するご質問など、お受けします。
コラージュの作品が出来たきっかけは実は安曇野でした。その後、山に登るようになったきっかけも、間接的には安曇野でした。なので安曇野は、個人的には大切な地点です。
(写真2) ギャラリー雨の樹 JR大糸線穂高駅から、北アルプスの見えるほう ”山麓線"(県道25号線)へ向かう緩やかな登り斜面のなかほどにあります。駅からは、車なら5分、自転車なら15分、徒歩なら30分。
元築7��年の古民家。今年プレオープン期間を経てopenされたばかりの���店です。11時~17時。水曜休。Googleマップあり。 instagramあり。@amenoki_azumino (インスタ、私もアカウント作りましたが、ごめんなさい結局ほとんど使ってません)
(写真3) 2023年サンセリテでのコラージュ展示風景
今回は、うってかわって漆喰壁の空間。 どれがどんなふうに並ぶのかお任せしました。 ありがとうございます。楽しみです。
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karasutosagi · 2 months
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わたくしはそこよりうえにある
 夢から夢に架けて羽ばたくときに、ちょっとの壁と扉をなくした出口は褪黄色タイコウショクの海が、いや世界が、フチだけ 描いてある光景で、今いるものがみちで届かない場所とすれば、水域はすこし背丈が高く、ここから下ってくところもないのに、もう半分 浸っています。  わたくしはそこより上にある光に気づきました  透き通った素肌は饐えたヌメりをでっぷりとふくませ、急に重くなった躰とふっと立ち消えた灯りが、あの夜へ返してみせます。サンダル片手に砂浜で彷徨うときのことです。光はすぐ底まで来ていて 飲み込もうとしている。これら遠く灯台が蜃気楼を上映しはじめては、また、  また暁光が揺らめこうとしておりました  わたくしのあかい心臓が「熟れた果実だったかもしれないわ!」 静かに息をとめたとき、(なくなったあとだとしても。)この嫋やかな手。ひとつのよく冷えたグラスを買ってきて、よく晴れた日の、透明な光がたっぷりあたる窓際に置かれて、羽のような風を絡ませたカーテンといっぱいあそんだあとで、やっぱりお腹が空いたとおもったときに、  きんいろの揚羽蝶が散り散りにありました   ただ月光を食い殺した、この躯のせいでした  もう足も消え失せてきたし腕も拐われてしまったな。この口ももうすぐに磔だろうさ。添えて置いた献花は錆侘び吐き尽くして、これではこれで見事に拵えたものになりつつある、妥当な路銀を重ねる運試しを。すべて投げ出したのだろうよ、そうであったらよいのにな、なんだってかわらない道端に鋳る、  野花の夢だ  無人駅から見える明後日は一夏の光景の模造品一欠片の雫は。そのうちただ石ころを産み 敷き詰めていったレールと轍。翼など元からなく腹部も潰れてしまったけど。あかい風船をひとつ持ってきたから、  2階から雨音がひろがり今はもう、深海に近いところかもしれない。糸と針を持って納戸に入るけれども。  くらいくらいだけのところで、なんだって見えやしない、覆い尽くされている、あたりを/知っているから、怖くはないのだろうな。今宵は月もない、天までもすぐそこ、深淵まで盲直ぐといったところだ。すがたもかたちは崩れて、吹き曝しの詩が、草笛に熨せて、影だけは素っ気なく、いろどられる、紛れもなく。  抱きしめていたのかな。そのとき本降りの雪のなか傘もささずにいたんだって、知っていたよ。一面が廃墟だった、小花が舞っていた、散り際だった。その場で待っていたんだ。去り際の。忘れたようでいて失くしただけさ、けせらせらと拾い上げたものがなんであれ、すくなくとも生きていたのだと思えたから、それで充分なんだ。  ガラクタが敷き詰められた、間に。わたくしが収まり。ぴったりの棺の穴に悪戯に、うつ伏せで引っ掻ける、奈落には行けずにひったりとはまり込んでしまったらしい 爪はいつからだろう、泥だらけだ。裸になれずに骨を露わに、またみしりと今日のわたくしを治めている口 だから、ここはきっと終の城、礎の工房で、  まって、黒い子猫だったのかな  いや 棄てられていたのは満面の花束だったよ  その柘榴みたいにしなびたものを(、喉が乾いちゃったね)。透明になったうつわに(。とても滑りやすいから気をつけて、)返してあげるといい。するとわたくしがその腐った水に解けて、あしもとにひざまずく薄墨色だけ残して、姿をうつしていくいれものが、わたくしが、ばらいろの頬に含みながら眠くなるまで絵本を読もうと思うの。  これ��海水浴地を俯瞰している、ヒトがパステルの 蟻みたいに戯れているのを 瞼の裏に置いた、ブランチを通り過ぎたベットサイドだから、ぼっーとお船が通り過ぎていきます、空虚な青空が水面に充ちて、寝転がっていたようにおもえます。この、黒い腕が桜色の小花を揺らし、ただ花を透かして、いつしか、殺したのだと。  幽霊の足をみた、いや持っている  そうだとおもう 花の芯に妖精をみた  いや多分そう描いただけだ  なんでもいいじゃないか  さあもうこんな時間です  時報があり、電池の切れた携帯電話に 終電も通り過ぎ  ネオンも消えた繁華街から程遠い、袋小路の記憶がある 以下にして、省略  それは静止しているからといってじっと見てはいけないものと違和感に気づいているのだろう。「バレてしまうのだよ」と、ぼそぼそとしたささめきが漏れていた。案外わからないものだよと、思い直し、本当はなどとクセづけてみた。  名付けてしまっても良かったのかもしれないけど、  未だ黒でも白でもなかった。  ゆうぐれどき、  こぼれんばかりの薔薇が、漆喰の壁にコントラストを描きはじめていたという  アカと橙と深い翠が天までの螺旋階段を、ときともに昇っては、その無声映画を、誰しも封じ込んでいる。口ずさんだメロディーはトモシラヌモノを、透明の日傘のもとで横顔だけを拝ませ、簡単にふぶいていきます。  また光が輝こうとしていました  そして、いきていました 2023-06-29
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kachoushi · 3 months
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各地句会報
花鳥誌 令和6年2月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年11月1日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
星の出るいつも見る山鳥渡る 世詩明 人の世や女に生まれて木の葉髪 同 九頭竜の風のひらめき秋桜 ただし 太陽をのせて冬木の眠りけり 同 生死また十一月の風の音 同 朝湯して菊の香に上ぐ正信偈 清女 懸崖の赤き菊花の流れ落つ 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月2日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
秋空の深き水色限りなし 喜代子 故里は豊作とやら草紅葉 由季子 菊花展我等夫婦は無口なり 同 しぐれ来る老舗ののれん擦り切れて 都 狛犬の阿吽語らず冬に入る 同 謎々のすつきり解けた小春の日 同 杣山の織火となりぬ紅葉山 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月4日 零の会 坊城俊樹選 特選句
綿虫と彼女が指せばそれらしく 瑠璃 梵鐘のはらわたに闇暮の秋 緋路 逝く秋をくづれゝば積み古書店主 順子 綿虫や浄土の風が抜けるとき はるか 太き棘許してをりぬ秋薔薇 和子 弥陀仏の慈顔半眼草の花 昌文 綿虫のうすむらさきや九品仏 小鳥 参道で拾ふ木の実を投げ捨てる 久 綿虫は仏の日溜りにいつも 順子 香煙はとほく菩提樹の実は土に 小鳥
岡田順子選 特選句
腰かける丸太と秋を惜しみけり 光子 九品の印契結ぶや冬近し 眞理子 古に大根洗ひし九品仏 風頭 綿虫や浄土の風が抜けるとき はるか 奪衣婆の知る猿酒の在り処 光子 神無月ならば阿弥陀も金ぴかに 俊樹 蚤の市に売る秋風と鳥籠と 和子 下品仏とて金秋の色溢れ 俊樹 綿虫と彼女が指せばそれら��く 瑠璃 梵鐘のはらわたに闇暮の秋 緋路
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月4日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
ありきたりの秋思の襞を畳みをり かおり 秋日入む落剝しるき四郎像 たかし 返り花ままよと棄つる文の束 美穂 凩や客のまばらな湖西線 久美子 凩のやうな漢とすれ違ふ 睦子 小鳥来る小さなことには目をつむり 光子 流れ星キトラの星は朽ちてゆき 修二 凩に雲や斜めにほどかれて かおり 人肌を知らぬ男のぬくめ酒 たかし 老人が老人負うて秋の暮 朝子 冬の日や吾が影長く汝に触れて 同 身に入むや妣の財布の一セント 久美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月10日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
秋思消ゆ「亀山蠟燭」点せば 悦子 この町へ一途に滾り冬夕焼 都 新蕎麦を打つ店主にも代替はり 佐代子 添ふ風に方位はあらず狂ひ花 悦子 HCU記号音満つ夜の長し 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月11日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
トランペット響く多摩川冬に入る 美枝子 竹林の風音乾き神の留守 秋尚 公園の隣りに棲みて落葉掃く 亜栄子 句碑の辺の風弄ぶ式部の実 同 新のりの茶漬に香る酒の締め 同 歩を伸ばす小春日和や夫の癒え 百合子 朔風や見下ろす街の鈍色に 秋尚 ぽつぽつと咲き茶の花の垣低き 同 リハビリの靴新調し落葉ふむ 多美女 濡れそぼつ桜落葉の華やぎぬ 文英 露凝りて句碑に雫の朝かな 幸風 大寺の庭きりもなや木の葉散る 美枝子 山寺の風の落葉を坐して聞き 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月13日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
風除の日だまりちよっと立ち話 和魚 風除の分厚き樹林影高き 秋尚 揚げと煮し切り干やさし里の味 あき子 薄日さす暗闇坂に帰り花 史空 渦状の切干甘き桜島 貴薫 切干や日の甘さ溜め縮みたる 三無 風除けをせねばと今日も一日過ぎ 怜 切干や少し甘めに味継がれ 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月13日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
確かむる一点一画秋灯下 昭子 幽玄な美女の小面紅葉映ゆ 時江 釣り糸の浮きは沈みし日向ぼこ 三四郎 六地蔵一体づつにある秋思 英美子 赤い靴なかに団栗二つ三つ 三四郎 着飾りて姉妹三人千歳飴 ただし 正装で背中に眠る七五三 みす枝 雪吊の神の恐れぬ高さまで 世詩明 七五三五人姉妹の薄化粧 ただし トランペット音を休めば息白し 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月14日 萩花鳥会
夜鴨鳴く門川住居六十年 祐子 捨てられて案山子初めて天を知る 健雄 ゴルフ玉直ぐも曲るも秋日向 俊文 山茶花や現役もまた楽しかり ゆかり 舟一艘ただぼんやりと霧の中 恒雄 献茶式津和野城下や朝時雨 美惠子
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令和5年11月14日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
秋の暮百均で買ふ髪飾 令子 虫食ひの跡そのままに紅葉かな 紀子 背の丸き鏡の我やうそ寒し 同 小春日や杖つく母を見んとする 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月15日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
小春日や日々好日と思ひたり 世詩明 禅林を通り来る風秋深し 啓子 何事も無き一日や神の旅 同 炉開きの一花一輪定位置に 泰俊 一本の池に煌めく櫨紅葉 同 三猿を掲ぐ日光冬日濃し 同 立冬こそ自己を晒せと橋の上 数幸 小六月笏谷石は饒舌に 同 如何にせん蟷螂は枯れ僧恙 雪 猫じやらしもて驚かしてみたき人 同 一匹の枯蟷螂に法の庭 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月17日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
小鳥来る赤き実に又白き実に 雪 幽霊の出るトンネルを抜け花野 同 おばあちやん子で育ちしと生身魂 同 見に入みぬ八卦見くれし一瞥に やす香 時雨るるやのつぺらぼうの石仏 同 近松忌逝きし句友の幾人ぞ 同 季は移り美しき言葉白秋忌 一涓 菅公の一首の如く山紅葉 同 落葉踏み歩幅小さくなる二人 同 冬ざれや真紅の句帳持ちて立つ 昭子 今日の朝寒む寒む小僧来たりけり やすえ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月17日 さきたま花鳥句会
からつぽの空に熟柿は朱を灯し 月惑 白壁の色変へてゆく初時雨 八草 六切の白菜余すひとり鍋 裕章 一切の雲を掃き出し冬立ちぬ 紀花 小春日や草履寄せある躙口 孝江 柿を剥く母似の叔母のうしろ影 ふゆ子 いわし雲よせ来る波の鹿島灘 ふじ穂 鵙たける庵に細き煙たつ 康子 雲切れて稜線きりり冬日和 恵美子 水鳥の羽音に湖の明けにけり 良江
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令和5年11月18日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
紫のさしも衰へ実紫 雪 蟷螂の静かに枯るる法の庭 同 二人居て又一人言時雨の夜 清女 母と子の唄の聞こゆる柚子湯かな みす枝 還りゆく地をねんごろに冬耕す 真栄 帰省子を見送る兄は窓叩く 世詩明 人に無く芒にありし帰り花 同 香水の口よりとどめさす言葉 かづを 時雨をり故山の景を暗めつつ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月19日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
浮寝鳥日陰に夢の深からむ 久子 呪術にも使へさうなる冬木かな 久 無敵なる尻振り進む鴨の陣 軽象 冬日和弥生も今も児ら走る 同 冬蝶の古代植物へと消えぬ 慶月 谿の日を薄く集める花八手 斉 冬天へ白樫動かざる晴れ間 慶月 青空へ枝先細き大枯木 秋尚 旋回す鳶の瞳に冬の海 久 冬の蜂おのが影這ふばかりなり 千種 水かげろうふ木陰に遊ぶ小春かな 斉
栗林圭魚選 特選句
竹藪の一画伐られ烏瓜 千種 遠富士をくっきり嵌めて冬の晴 秋尚 白樫の落葉急かせる風のこゑ 幸風 切り株に鋸の香遺る冬日和 久子 四阿にそそぐ光りや枯れ芙蓉 幸風 白樫の木洩れ日吸ひて石蕗咲けり 三無 小春の日熊鈴つけしリュック負ひ 同 青空へ枝先細き大枯木 秋尚 寒禽の忙しく鳴ける雑木林 貴薫 草の葉を休み休みの冬の蝶 秋尚 逞しく子等のサッカー石蕗咲けり 亜栄子 甘やかな香放ち桂紅葉散る 貴薫 あづまやの天井揺らぐ池の秋 れい
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月26日 月例会 坊城俊樹選 特選句
薄き日を余さず纏ふ花八手 昌文 耳たぶに冬の真珠のあたたかく 和子 黒松の肌の亀甲冬ざるる 要 雪吊をおくるみとして老松は 緋路 冬空を縫ふジェットコースターの弧 月惑 ペチカ燃ゆフランス人形ほほそめる て津子 上手に嘘つかれてしまふ裘 政江 嘘つつむやうに小さく手に咳を 和子 手袋に言葉のかたち作りけり 順子
岡田順子選 特選句
池一枚裁ち切つてゆく鴨の水尾 緋路 黒松の肌の亀甲冬ざるる 要 自惚の冬の紅葉は水境へ 光子 玄冬の塒を巻きぬジェットコースター 同 光圀の松は過保護に菰巻きぬ 同 ペチカ燃ゆフランス人形ほほそめる て津子 雪吊を一の松より仕上げをり 佑天 不老水涸れをり茶屋に売る団子 要 遊園地もの食ふ匂ひある時雨 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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lostsidech · 3 months
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4-1
 この試合専用のインカムと照準器具を積んだヘルメットは、頭に載せるとずっしりと重く圧し掛かった。だが、この空間を埋める視線の圧が少しでも気にならなくなるのだと思えばそのほうがよほど軽かった。
 独特の緊張感が身を包む。それを感じながら、ちらと横を盗み見る。
 隣でペアが飛び跳ねている。身体を温めているのだ。
 その服装が新しいものに替わっている。……少し寸法のあっていないパーティウェア。
「変だよね、これ」
 瑠真はこちらの視線に気づくと、あっけらかんとそう言って裾を持ち上げた。左右非対称なカットになった青いドレスだ。
「いや……」
 望夢は口ごもった。ひらひらとした裾は多少邪魔そうだったが、中履きのパンツや足さばきのためのスリットは、明らかに動くために作られていて、この世界に開かれた大会という場にあってはおかしいというものではなかった。
 それもそのはず、元は丹治深弦が後半の試合で着るために仕立ててあったものだからだ。
(「どうでもいいけど、試合出るならその超カジュアル服やめなよ」)
 指摘されたのは先輩である宝木に、二人まとめてのことだ。
(「俺と深弦の晴れ着あるよ。昨日はまだ試合数多かったから簡単なスポーツウェアでよかったけどさ。今日って多分うちに観衆集まるから……って、高瀬くんすごい嫌そうな顔しないの」)
(「じゃあ、私一人でいいよ」)
 瑠真はあっさりと承諾した。
(「どうせ女のほうが撮りたいでしょ。そいつは絵にならんし」)
 以前の瑠真なら嫌がって当然だった。協��の広告塔になるという任務は、優等生ペアのものでこそあれ、瑠真の性格にはまずそぐわないものだ。
 彼女はやはり変化している。そのことに感慨深いような悔しいような、複雑な感情が少しだけあった。
「お前のじゃないわりには、まあまあ似合ってる」
「あっそ。ありがと」
 瑠真は細かくはこだわらない。パーティドレスに不釣り合いなiPodを手に持っていて、試合開始を待つ間またそれを聴いていた。
 望夢も備えようと、気を取り直して見渡した。初期状態の会場は観客席に囲まれたのようになっている。、ただしカードの設置されているポイントまで直行できないよう、高さ数メートルの同心円状の壁が視界を塞いでいた。
 ただしこれは初期状態の会場だ。
 ここに地形カードが切られるごとに、景色は変化する。
「どうする」
 調子のいいを切りはしたものの、その後は手続きとパネルディスカッション会場との連絡で精一杯で、こちらの作戦会議どころではなかった。向こうにはホムラグループの他の面々も到着し、莉梨のメッセージの確証は得られたようだ。
「どうもこうも」
 瑠真はシンプルな口調だ。
「勝つんでしょ 点取って相手撃てばいいんじゃない」
 試合の開始ベルが鳴った。
 ペアがスタートダッシュを決めた。
 両者ともがしたままゲームが終了しても引き分けにならないように、フィールドの各所にはランダムにバーチャルエネミーが発生する。影のような人型で同じく頭の部分をレーザーで打ち抜くと得点になる。そんなわけで、エネミー狩りの視点でもスタート地点にじっとしてはいられないというのは望夢も同意するところだし、まして彼女のスタイルからすれば当然のことなのだった。
 ただし相手チーム構成員の撃破ポイントのほうが圧倒的に大きく、エネミーを数十掃討したところで相方が撃破されれば逆転される可能性もある。防御という観念が頭からすっぽ抜けているペアを好き勝手に走らせておくわけにはいかないのだった。協調性のなさに内心呆れながら望夢はペアを追いかけた。
 そして、概ねの指針は向こうも同じだった。
 さすがにこちらより落ち着いている。
 会場高くに掲げられた得点板がバタリバタリと立て続けに更新された。アメリカ側のものだ。手近なエネミーを撃破して煽っているのだろう。早い。また、気分を盛り上げるためのものなのか他の意味もあるのか、アメリカチームのほうから小さく音が聞こえる。ここまで届くのであれば元は大音量だろう。ラウドロックだ。アンドリューの選曲か。
 私物の持ち込みは一回戦のモニカがそうであったようにある程度許されている。あらゆる解釈を許容する建前上、それが直接的な武器でない限り能力のサポートアイテムなどを拒否できないのだ。
 アンドリューは音楽家。新野に言われていたことをふと思う。協会式であれば、使い方は自己バフか、音圧による物理攻撃がいいところか。
 瑠真はすでに最初の壁の手前まで走り、増強をかけた脚に力を溜めていた。──さては壁の上に飛び乗って戦局を把握する気だ。瑠真と違って増強を使わない望夢はすぐに追いつくことはできず、確認手段を持たない。
 いや。
 立ち止まって目を閉じた。バーチャルの壁に手を触れ解析を走らせる。望夢の解析は自然科学を基準点にするから、それがただの映像である限りバーチャル空間そのものの探知はできない。
 しかしこの大会のバーチャル風景には、参加者の無意識レベルのペタルを取り込んだ光術の基本が仕込まれている。望夢のように基本的な能力ではペタルを発散しない者ならともかく、協会式の超常師の位置取りとやっていることは、概ねプロットできる。会場を織りなす糸の乱れを探知すればいいのだ。
「……来てるか」
 やがて目を開けた。
 銃を構えた先に泡がはじけるようにバーチャル人形が姿を現した。ノータイムでその額を撃ちぬいた──得点板に「Ghost 1」のパネルが回る。
 Japan Player: 0 Ghost: 1
 USA Player: 0 Ghost: 2
 こちらは本題ではない。
 同じ人形を狙って壁の向こうから飛び出した青年とばちりと目が合った。
 音楽はまだ遠くで鳴っている。攪乱のためにスタート地点で鳴らし続けるか、シオンに持たせでもしていたのだろう。青年は笑った。
「Good job, boy」
 望夢は構わずにその額に銃口を向ける。
 アンドリューは挑発するように笑顔を作った。そして手元にあったカードを切った。
 景色が切り替わる。一瞬で壁の迷路が崩れた。辺りは高低差のある崖の連なりのようなフィールドに変わる。
 アンドリューの背後にも大きな谷が生まれる。彼は軽やかにその中に飛び込んだ。照準を失った望夢は深追いせずに銃を下げる。不要になった金属製のカードはアンドリューの手を離れ宙を舞う。光を伴う景色の変遷にその縁がきらきらと光るのが見える。
 壁が無くなって開けた視界で、発生しかけていたエネミーがばちんと消えた。おそらくランダム発生の位置調整のため一旦生成がキャンセルされたのだろう。無慈悲なことに、撃たれてもいないそのエネミー背後にも、アンドリューの撃墜マークのランプが点き、全体で二体そういうものがいたらしくアメリカの「Ghost」得点版は「2」になった。。そういえばそういうルールだった。
 そこへ向けて銃を構えた状態で、足元を急に失った瑠真が踏み外してよろめいているのが見えた。高いところに立っていたのだから当然だ。
 そちらに素早く向かう金色の影││シオン。
 彼女もまたスタート地点を離れ、地形変化で視界が開けると同時に一気に距離を詰めていたのだ。
 おそらく瑠真は気づいていない。「るっ……」インカムで声を掛けようにも、鳴り響くラウドロックが邪魔をする。それ反則じゃないのかと望夢はちょっと怒る。
 瞬時に思考した。レーザーガンは光だから遠距離で邪魔するのには向いていない。
 時間稼ぎの大会といえど、足掻きもせずに負けてやる気はさらさらない。
 目の前に金色の縁がきらきらと光りながら落ちていった。
 それだ。
 宙を舞うカードを手に取って思い切り投げた。縦に投げるのには丁度いい重みだった。瑠真のヘルメットの後頭部にそれは当たって地に落ちた。痛て、と言うように瑠真がこちらを振り向く。その瞬間にシオンが飛び出し、瑠真に照準を向けていた。
 ポイントの入る赤い部分はヘルメットの前面だ。急に振り向いた動きのせいで瑠真を狙い損ねたシオンがちっと舌打ちした。望夢はその間に相方の頭越しにシオンに狙いを定めている。こちらを確認したシオンが小さく笑って近くの段差に飛び込む。ひとまずの狙撃は防げた。
 その動作でようやく瑠真も気が付いた。大きく距離を取ってこちらも物陰に飛び込む。
 望夢は走り寄ってペアに合流した。
「勝手に飛び出すな」
「事前に作戦会議なんて悠長なことしてる時間ないでしょ」
 瑠真はふんと笑った。好戦的ではあるがどうやら落ち着いている。この場慣れた落ち着きだけは高瀬式門下生に指導してもらった恩恵かもしれない。
「で、どうしよっか」と呑気に今頃瑠真が訊く。
「連中がどういう超常術を得意にしてるかも分かってない。シオンは多分お前と傾向似てる」
 望夢は早口に言った。崖の縁から眺めながら感知のために神経を研ぎ澄ましている。
「……キングのほうは多分絡め手だ。俺と近い。つまりお前とは相性が悪い。お互い似た属性を担当したほうがいいと思う」
「は、アンタがシオン苦手なんでしょ」ペアは生意気にもそう言った。「お得意の干渉使えないもん、あのやり方じゃ」
 その通りだった。協会式超常術は効果発現までの時間が短いせいでそもそも解析と相性が悪いが、肉体増強を中心とする瑠真やシオンが相手だとなおさら望夢にはどうしようもできない。こちらが相手に干渉できる時には、相手もよほどこちらが射程内だからだ。
 瑠真はふいに銃を構えて撃った。ランダム発生していた人型が遥か背後で弾けた。││落ち着いている。話しながら周囲を観察して得点源を狙っていたようだ。
「選手控室で聞いてたよ。シオンはアイドル的なパフォーマンスが得意なんでしょ。いつも癖で見栄え重視で戦うから隙を突くならそこ」
 その場馴れた動作に加えて、瑠真が分かったように言い出すので望夢は意表を突かれた。今回に限っては出場する気の無かった望夢よりまともに情報収集していたらしい。
「アンドリュー・キングだっけ あいつはカバーバンドマン」
「知ってるのか」
「ほら」
 ふいにギターの低音が耳に届いた。
 振り向けば、少し離れたところにアンドリューがいた。
 どうやらお互いに狙える位置取りではないが、体勢の視認はできる。レーザーガンを下ろしている代わりに小さなiPodを携えている。最初に鳴っていたのもこれだろう。
 にやりと青年が笑った。選手間通信用インカムに相手の声が入ってくる。
「Do you like Nirvana Are they known in Janan」
「ニルヴァーナって言った あいつ。バンド名」
 瑠真も対してiPodを握った。「お」持ち込んでたのか。控室で勉強していたと言ったのはたぶんこれだ。
「何だっけ、このイントロ。探してる暇ないけど、多分有名」
 歌詞までを聴き取るのは難しい。ただ、アンドリューの外面の印象によく似た陰気な声がiPodから低音質で響いている。
 何が来るか││と思った瞬間、ガクンと体が重くなった。
「││」
 陰気な声が同じフレーズを繰り返している。呼びかけに聞こえる。ハロー、ハロー、ハロー……。
 フレーズがわんわんと頭の中に響き、視界が曇る。まるで音に下に向けて引きずられているようだった。
 それから一気に曲調が変化した。
「わ」
 体の重さも変わった。腹から突き上げられるような感じだった。曇っていた視界が一気に別のものに染め上げられた。小さなiPodから出ているはずの音が、いつしか会場全体を支配しているのだ。
 キング。この小さなステージの王。
 考える余裕もなかった。アンドリューを中心に「それ」は生じていた。アンドリュー自身も心地良さそうに音に合わせて床に足をタップしている。その──心象が投影されているのだ。
 生じる効果は単純。否応なく音楽に引きずり込まれるのだ。ありていに表現しよう。『乗ってしまう』。実際に周囲の景色や条件が変わったわけではない。なのに音楽に気分が乗せられざるを得ない。
 これは協会式にとっては致命的だろう。こちらの超常想像図を描くことができない。
 隣を見る。案の定だった。瑠真は魅せられたように動きを止めている。
「瑠真ごめん、貸して」
 iPodをひったくる。自分のためではない。望夢はこと協会式に関しては解析さえ終わればいつでも打ち消せる。
 瑠真のiPodには瑠真が普段聴くのだろう日本人のアーティストがずらっと並んでいる。
 その中から当て推量で曲を選んだ。タイトルから予測して今流れているのとは違うだろう曲調。ドンピシャ。場違いな女性ボーカルのポップスが、アンドリューのアメリカンロックに重ねて流れた。
「はっ」
 瑠真が隣で意識を取り戻す。それを横目にインカムの集音部にもiPodを近づけた。
 やったことは単純だ。違う音を流してステージを台無しにしただけ。それぞれのファンが会場にいれば今頃大ブーイングだろう。
 アンドリューがこちらへ向かう足を止めた。
 こちらへ向かう足を止めた││これまでこちらに近づいていたのだ。堂々たるもので、障害物に隠れもせず真っ直ぐにこちらへ向かっていた。ひやりと背筋が冷える。もうすぐ射程内だった。認識はしていた。しかし、完全にその世界観に横槍を入れるまでの数十秒、望夢もそれすら音楽の一部のパフォーマンスとして受け入れてしまっていたのだ。
「Dirty」
 青年が顔をしかめて呟いた。そして身をひるがえして近くの壁に引っ込む。
「No way」
 詰られている、ということだけは理解できる。彼の耳元にもインカム越しに瑠真のiPodからの歌は届いただろう。
 このとき、急に会場アナウンスが入って試合が小休憩になった。見るとアンドリューが審判席に向かって手を振っている。何やら選手側からのタイムのようなものを取ったらしい。邪魔されたのがよほど腹立ったか。選手側からのタイムが取れるのを望夢は今知ったがきっとどこかでは説明があったのだろう。初日から出場しているアンドリューたちにはわかっていることだったのだ。
 横から手が伸びてきて瑠真にiPodをひったくられた。
「最悪」
「どうも、なんとでも言ってくれ」
 言われたままに受け入れる覚悟で肩をすくめる。瑠真はレーザーガンを持ち直しつつ、iPodを回収した手を振り回して暴れている。
「他人の音楽の趣味無理やり見るのって覗きみたいなものよ、わかってる」
 まず怒られたのはそこだった。望夢自身はプライベートの観念を捨てているので感覚は違うが、そういう人間がいるのを知ってはいる。わかってやったのだから怒られて当然だろう。瑠真は元々プライベートスペースが広い。ただ、
「うんまあ、一般的には……でも今の状況だとしょうがなかっただろ」
 言った瞬間、試合中だというのに横から物理的に足を踏まれた。
「いって」
「アンタのそういう判断は信用してる」
 踏んだうえで何故か認められた。
「だから不問にしてあげる。この試合世界放送なんだからね。そこでよっちの歌勝手にミックスジュースみたいにしたのも今は不問。ただ後でちゃんと聴きなさいよ」
 謝りな��いよ、ではなく、聴きなさいよ、だった。
「お前結構音楽好きなんだな……」
「そう 普通だと思うけど……あ 思い出した、スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」
 踏んだ足を放すなり、瑠真が話題を変えて元気に言う。
 指を立てている動作からするに、アンドリューが流しているこの曲のことなのだろう。最初にも知っている曲だと言っていた。
「どういう曲なの」
「童貞っぽい曲」
 今度はこっちが勢いで頭を叩く番だった。
「お前もこれ世界に放送されてるつもりで喋れよ」
「いったい。いや、そういう曲なんだってばホントに」
 瑠真はくちびるをとがらせ、
「ニルヴァーナってバンドのボーカルが彼女に振られたときの悪口かなんかだよ、曲の由来」
「有名なのか」
「さあ、洋楽だと普通に有名なんじゃない 私は知らないから深弦ちゃんと隼二くんに聞いた」
 さっきも思ったが、年上の優等生ペアに対して瑠真は完全に名前呼びだ。
「アンドリューの好きな曲傾向って調べればわかる。世界大会で出してきそうなのっていうと、会場ウケ的にももっと絞られてくる。だからヤマ張ってたんだよ。ぶっちゃけ、曲がわかったところで対戦相手的にあんまりやることは変わんないけど」
「そうなのか」
 望夢は目をしばたく。歌で戦う、というと思い浮かぶのはやはり帆村莉梨だったのだ。莉梨は歌の内容と紐づけた異能を使うから、曲を識別できるに越したことはない。アンドリューは変わらないのか。
「うん。アイツがやるのはただ好きな曲を流すだけ。こっちは勝手にるけど、撹乱され方にそんなに違いはない││」
 瑠真が身振り手振りを交えてそう言ったとき、
「││そうだね。アンディはただみんなに好きな曲を聴いてほしいんだ」
 ふいに違う少女の声が割り込んだ。
 反射的にそちらに顔を向ける。そこには金髪カチューシャの少女がいた。シオン。
「おい、今試合止まってるだろ」
 望夢が思わず身構えて声をあげると、シオンは「当たり前じゃん」と目を丸くした。
「だから話せるかなって思って来たんだよ。アンディのこと詳しいみたいだね」
「この子日本語話せるの 知り合い」
 瑠真は怪訝な顔をした。ペアはシオンとはまだ話していなかったらしい。
 望夢は内心、なぜシオンは自分にばかりと思いながら瑠真に向かって頷いて、それからまたシオンに向き直る。
「自分のチームの解説してくれるとは親切だな」
相手はつんと顎をあげた。
「あたりまえのこと言うけど、解説したとこで負けないからね。それにワタシたちは世界で有名だよ。きみたちが知らないのはただ不勉強なだけで、そのまま倒したって試合的につまらないし」
「……」
 それは言えている。何度も繰り返すがこの試合は世界放送だ。
「アンディもそんな態度で聴かれたってつまんないだろうしね」
 話がアンドリューに戻り、望夢は苦い顔をした。
「デバフに使われて、いい気持ちで音楽聴く奴いないと思うけど……」
「あは、デバフだって。それはつまり、きみは音楽に興味がない、ってことだよ」
 シオンは首を傾げて笑った。望夢はむっと眉根を寄せる。瑠真も撹乱と言っていた。音楽に意識を取られて戦えないのは十分にデバフだと思うが。
「ワタシもアンディの曲の趣味には詳しくないけど、好きな人はすっごく好きなんだよ。アンディもそう」
「そりゃ、有名な曲はそうだろ……」
「アンディは、自分の好きな曲をただ、自分の思うように聴かせて、それを周りの人が受け取ってるの。アンディの想像が聴き手の感覚になる。だけど得る感情まで強要するのは無粋だから、そこには手を触れない。アメリカチームの子たちの中でも感想は違うよ。モニカはわかんないって言ってたけど、嫌いじゃなさそうだった。ドミニクは趣味が違うって言ってた。シルヴェスタは結構好きみたいだね、初めて模擬戦したときから喜んでた」
 シオンは一人ひとりを示すように虚空に指を立てる。感情は強要しない、という言葉に少し含みを感じた。多分、感情の共有を軸にするヒイラギ会のやり方への当てこすりなのだろう。
「シルヴェスタはもともと自分で戦うほうはそれほど強くないのだけど、その模擬戦のときは積極的に飛び出してたの。わかる 好きな人なら、あれ聴いてすごい高揚するってこと。バフって思う人もいるんじゃない」
「高揚させられて普段通りに戦えないなら、それはやっぱりデバフじゃないか」
「お固いなぁ、まあそれでもいいか」
 シオンは眉尻と一緒に手を下げた。
「こっちから楽しめって言うのもヘンだしね。ちなみにシオンはわかんなかったクチ」
 説教しつつもシオンも同好の士ではないらしい。そこまで話したところでアンドリューが戻ってきて、身振り手振りでシオンに何か言う。
「おっと、そろそろはじまるみたい」
 シオンはぺろりと舌を出した。
「じゃあ、最後までよろしくね」
 元来た地形の隙間にシオンは身を隠す。望夢も壁に張り付いて息を整え、銃を構え直した。瑠真が顔を突き出してくる。「どこで仲良くなったのよ、アメリカ代表と」「さぁ……」話しかけてきたのは最初から向こうだ。
「あ、始まる前にあと、次アンドリューが同じことしてきたら私のiPod使うの禁止ね」
「いいけど、俺は解除できるけどお前どうするの」
「乗る」
 瑠真は断言した。
「ん」
「話聞いてたでしょ こっちも乗ればバフになるんだって。私そのために予習してたんだから。知ってる曲のほうがライブはアガる」
 ペアがよくわからない自信で言い切った瞬間に、再び試合開始のブザーが鳴った。
 シオンが引っ込んだその場所から飛び出してくる。休憩中に自分で自分の位置を堂々と知らせていたことになるが、そのまま全く躊躇がなかった。さっきよりアップテンポなロックが遅れて掛かり始める。瑠真が少し笑って目を閉じ、入れ替わるように音の鳴る方向へ飛び出した。打ち合わせを無視して、明らかにアンドリューがいる方向だった。すでに「乗せられて」いるのだろうか。
 望夢には理解しがたいが、ペアがそう言うなら止めるほどのことではない。望夢はちらりと横に視線を向けてからシオンに向き直った。
 シオンは目が合うと同時に含み笑いする。
 シオンが即座に銃を取り出して撃つ。引っ込んでやり過ごし、レーザーが途切れたすきに返す刀でこちらも銃口を向ける。
「あれ」
 そのときシオンは気がついたら目の前にいた。「おっと」距離の測り方を間違えていたらしい。アンドリューのデバフのせいで、音楽のテンポに狂わされでもしたか いや、そちらの解析はさっき済んでいる。
「よっ」
 シオンがウィンク、間近から狙ってくる。望夢は思わず直接腕をあげてレーザーを防いだ。本物の熱線ならともかく協会式光術ベースの銃だ、怪我はしない。
 協会式光術。
 腕をあげたことでこちらからの狙いは完全に逸れてしまい、シオンが角度を変えて狙ってくる。望夢はよろめきながらシオンを正視した。──微妙な違和感。
 そうか。
 捉えた。即座に解除式を叩き込む。
「あっ」
 シオンが『思っていたのと少し違う場所で』目を輝かせた。やっぱり。シオンは敢えてこちらに錯視を仕掛けていたらしい。
距離感も狂って当然だ。シオンの路地裏や開会式のダンスを思い出す。彼女は光を操る。それは協会式の象徴としての華やかなものももちろん、光の屈折や反射も守備範囲なのだ、おそらく。こちらの目に映る光を捻じ曲げて距離感や角度を狂わせていたのだろう。
「ねえねえ、ノゾムのそれ、どうなってるの」
 一度距離を取り直しながらシオンが無邪気に聞く。無言。答える義理はない。いつの間にか名前を覚えられていたらしい、ついに補欠から本番に出たのだからその際か。なんにせよシオンが見た目に華やかなだけでなく、小手先の小賢しい工夫をしてくるのであれば望夢はそちらのほうが相手として向いている。
「やっぱり黙る。つまんないの。シオンは教えたのに」
 少女はくすくすと笑う。
「きみの話、聞きたくて教えたのになぁ」
「なんでもいいだろ」
「よくないよ」
 シオンは妙に落ち着いた声で答える。望夢はふと違和感を抱いて銃を下ろした。……シオンも完全に銃を下ろしている。
 ──それはなんのためのパフォーマンスなのか。そこはかとなく、嫌な予感がした。
 試合の前に感じた予感とどこか通じていた。そして思い出していた。最初に路地裏でシオンと会ったとき、彼女の足音に感じた陰のことを。
「アンディがなんて言ってタイムを取ったか、教えてあげようか」
 今のシオンの声は空間に響く、きれいな声だ。そう感じた理由を考える。……人に聞かれる前提で話す少女だ。彼女はアメリカの星だから。
 この試合は、全国放送だから。
「不思議だなあ」
 少女の碧眼が、美しく空を映していた。
「君達は、八式にはない技術を使っているみたいだ」
 その碧い瞳が、細められた。
「は」
 完全に、望夢は硬直する。彼女の言うことは事実だ。望夢の異能は協会式ではない。異能の打ち消しは八式で一般的ではないのは確かだろう。でも、協会式を逆算しているだけで、それほど目立つことをしているつもりはない。そういう応用なんだね、で済む範囲のはずだ。
 何故それを、今さら言うのだ 脳が警鐘を鳴らす。シオンの次の言葉には、何かがある。
「いつから協会の所属者を名乗ってるの 『ヒイラギ会さん』」
 バタンバタンバタンと、連続で得点板が落ちる音がした。同時に景色が変わった。視界の外でアンドリューか瑠真かがフィールドカードを使い、発生キャンセルゴースト分の点が入ったのだ。周囲は岩場と水辺に変わっていた。
 望夢はその瞬間に全てを理解した。
 この大会が公平な競い合いだと思ったのがそもそもの間違いだった。
 これは──この蜜を孕んだ巨大なリンゴは、『日本の』協会をつるし上げるための罠だったのだ。
×××
「どういうこと」
 現行ヒイラギ会のリーダーのくせに、力関係や陰謀といった面をほとんど理解していない赤髪の少女がこてんと首を傾げた。
『あーあ、こうなると想ってたから止めたかったのに』
 一方で理解した口調で頬杖をついている、少年の姿もある。ただしその口調はどこか電子音のケロケロした響きだ。また身体も透けている。なぜなら彼は電子媒体で意思疎通できるように再現された幽霊だからだ。
『つまりこういうことだ。アメリカチームは最初から日本を嵌めて、そのつもりでこの大会を持ちかけたんだよ』
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ashi-yuri · 3 months
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オルガ・トカルチュク「昼の家、夜の家」
きのこみたいな語りで
とらえがたく、湿っていて、色とりどりの断片たちを夢やインターネットや記憶が菌糸のようにつなぐ、ふしぎなポーランドの小説
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細かで夢のようにとりとめなく、へんに入念な記述の掌編がつらなっていて、きのこ料理、マルタというふしぎな老女、刃物の宗教、人を食べて狼となった男、男性から女性へ変異することを夢見る修道士、キリストの顔を浮かべる聖女、などなど話は四方八方に一見無秩序に広がっていく。
最初は読みづらいと思ったけれど、きのこのように自分ではわからないなにかで繋がっているのだと気づいてからはだいぶ読みやすくなり楽しく読めた。
植物・動物とも違い、超然として生死や人間の理屈を超えて、謎めいた効果を与えたり与えなかったりしながら、地下に伸びる菌糸でいろいろなものを結びつけ、過去も未来もなくただ現在を生きる存在としての観念きのこ。
わたしにはマルタがわからなかったし、いま考えてもわからない。だけどそもそも、わかる必要なんてあるかしら。彼女の行動の動機を明らかにし、話のいっさいの出処をつきとめることに、なにか価値があるものかしら。マルタに履歴みたいなものがあるとしても、それを知ってわたしが得られることなんてあるだろうか。もしかしたら、履歴のない人、過去も未来もない人がいるのかもしれない。そういう人は傍から見れば、いつも現在に生きているのだろう。 オルガ・トカルチュク「昼の家、夜の家」マルタより(p.12) 
作者はポーランドの方で、作品全体に大戦時のドイツによる侵略の暗い影が残ってはいるけれど、古いおとぎばなしのような語りで進むこともありどこか俯瞰してるような視点が新鮮。
調べたらトカルチュク氏、ノーベル文学賞受賞してた。
どこか湿り気があって、まるくなめらかで、なんとなくポーランド郊外の森や町ってこんなかんじなのかなあと思うような文体と、もやっと繋がるさまざまなモチーフが、馴染みの少ない国への想像力を刺激してくれてよかったです。急に料理のレシピとか挟んでくるのもたのしい。
なにかを食べたり食べなかったりすることが、まるで私たちを死から救うとでもいうみたい。なにを食べようが食べまいが、なにをしようがするまいが、考えようが考えまいが、わたしたちは死んでいく。死ぬことは、生きることよりも自然なことに思われる。(中略)ヒダハタケを食べたそのとき、生き残る人もいれば、死ぬ人もいる。何パーセントかは生きていて、何パーセントかは死んでいる。片方からもう片方へ、いつ一線を越えるのか、はっきりとは、言いにくい。どうして人は、「あるいは」から「あるいは」へ移るこんなにも短い瞬間に、あれほどの重きを置くのかわからない。 ウラベニイロガワリのワインとスメタナ煮のレシピは以下。(後略) オルガ・ト���ルチュク「昼の家、夜の家」ウラベニイロガワリのワインとスメタナ煮のレシピより(p.222)
ほかにポーランドだとSFのレムや偏執的な視点が興味深いゴンブローヴィチを読んだことあるくらいだろうか。
ポーランド郊外の狭い地域の話だけれど、ドイツやチェコと地続きで、時代も数百年単位で飛ぶし、インターネットや夢でいろんな国の人々と繋がってる感覚もあり、物語と同様に小さくまとまらないで広がっていく感じがあるのがおもしろかった。
トカチュルクさん心理学を専攻してフロイトやユングを学んだと書いてあって、安易な結びつけはよくないけれど、他者との夢の共同性・繋がりみたいなアイデアはそのあたりからなんだろうか。意図的に合理性とか歴史の中の位置付けとか秩序を切り離す視点を取っていて、ちょくちょく反出生主義にも近いような強烈に虚無的な描写が出てくるのだけど、そういう人にはきのこがあったほうがいいんだろうなと思った。きのこの語りにより絶妙なバランスが保てているというか。
マルタもきのこだったのかな。
最後に、町の描写の羅列だけなのに本作でいちばんエモーショナルな断章から。
ノヴァ・ルダ
美容院と古着屋がたくさんある町。男たちのまぶたが、炭で煤けている町。小さい橋のかかる町。現れては消える川、いつも水の色が異なり、どんどん派手な色になる、そういう川に橋はかかっている。(中略)湿気の後が家の壁に残る町。家の窓から通行人の足しか見えない町。迷路みたいな中庭の多い町。終着駅の町。旅行で列車を乗り換える町。犬がさまよっている町。(中略)雪がけっして溶けきらない町。(中略)水っぽいアイスクリームを売る町。(中略)ピレネー山脈にあることを夢見る町。太陽が昇らない町。出ていった人が、いつか必ず帰る町。ドイツが掘った地下トンネルが、プラハとヴロツワフとドレスデンに通じている町。断片の町。シロンスクと、プロイセンと、チェコと、オーストリア=ハンガリーと、ポーランドの町。周縁の町。頭の中ではお互いのことを呼びすてにするくせに、実際に呼ぶときには敬称をつける町。土曜と日曜には空っぽになる町。時間が漂流する町。ニュースが遅れて届く町。名前が誤解をまねく町。あたらしいものは何もなくて、現れた途端に黒ずみ、埃の層に覆われ、腐っていく町。存在の境界で、みじんも動かずに、ただあり続ける町。 オルガ・トカルチュク「昼の家、夜の家」ノヴァ・ルダより(p.365)
本書はおすすめをいただき読むことができました。全く知らない作品だったので、作品に出会う機会をいただき感謝。
断片小説だとバーセルミの「雪白姫」が好きだったなと久々に思い出したので、そのうち読み返そうかな。
表紙がいい。
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palakona · 4 months
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釣り納めのやり直し
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
どうも、こんにちは。12月31日(日)の大晦日は、コシガ池に行ってきました。天気が荒れるらしいし腰痛が不安定なので大晦日の釣行は予定になかったのですが、予報を見てみると雨は大して降らなさそうだし、午後から強風でも西風なので、1号桟橋は西側が建物で2号桟橋はご覧の通り仕切りがあるので大丈夫なんじゃないかと。予定外だったので起床は7時過ぎで出発は8時過ぎ。南陵町の手前で財布を忘れたことに気付き取りに帰る(汗)。到着は9時過ぎで釣り始めは9時半を過ぎてたかな。コシガ池の玄関を潜ると、「いらっしゃい!よく来てくれました。二人しかいてないねん」と何処からか声が聞こえてきてw、5号桟橋のヘチで釣ってた常連さんでした。先着の二人は1号桟橋と5号桟橋に一人ずつだったので、僕は2号桟橋から東を独り占めで釣り席は選び放題でした。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
My New Gearした水連の16.1尺を振りたかったので、コシガ池に二つしかない長竿枡に入りました。コシガ池の尺数規定は15尺までなのですが、対面が壁になってる隣の枡とこの枡は池主さんに聞いたところ長い竿を振ってもOKとのこと。この枡は対面に釣り席があるように見えますが、壁と交差しているので桟橋の先端が斜めになっていてスノコもミニ釣り台も置けない対面席のない釣り席です。本当は隣の枡に入りたかったのですが、コシガ池で予約席の証であるマットが置いてあったので念の為隣にしました。予約してたら来てるはずやし、今から来る〜?って思いましたが、やっぱり誰も来ませんでした。僕の入った枡は幅が狭いので、振り切りで波除けパイプを跨ぐかな〜と思いましたが、全弾命中しましたw。振り切りでウドンのエサ打ち上手くなったかな。っていうか、確かに重いっちゃ重いが、16尺も振れますね。15尺と大して変わらん。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
コシガ池は浅いので16尺だと浮子が遠い。舟水の「太PC底」の9番(ボディ9cm)を使いました。スコープなしでもまあ見えます。僕は結局スコープは買ってないわ。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
来たー!乗ったー!1投目でまだフナが寄ってないからとミニ釣り台から降りてゴソゴソしてたら浮子がズボッて沈んだが、糸スレと考えて目を離したが釣り台に戻ったら浮子が消えてたのでアワセたら乗りました。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
1投目で水連16尺入魂!勝手に喰ってたけどw
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
2枚目は、遠くで浮子が「ツン」と入ったのが見えたので魚信を取りました。気持ち良い〜。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
3枚目。良い魚信を取ったんだが小ちゃw
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
雨降ってきた〜。撤収撤収。さっきまで目の前の3号桟橋にいましたけど、屋根下の2号桟橋に入りました。南側(右側)の5号〜7号桟橋でも良かったけど、2号桟橋の東向きはあまり入ったことがなかったたので入ってみた。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
2号桟橋が一番屋根が低いので竹竿は7尺の孤舟。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
浮子は舟水のPCオールマイティ(期間限定作・カヤ)の6番(ボディ6cm)を選びました。この浮子で釣るの始めて。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
見えるかな〜?5目出しでなじみはバッチリです。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
2号桟橋でもサクッと1枚目…スンマセン、掻いてました(汗)
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
大晦日の釣り客は3人だけ。あとの二人は反対側に居てるので、池の東側2/3は僕の貸切です。コシガ池は、1号桟橋と2号桟橋の間が深い(…と言っても2mぐらいで西池とか中セ池と同じぐらい)ので、人気がありますね。
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
今度こそ来たー!でも、やっぱ長い竿の方が面白いですね(^▽^;)
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
コシガ池のフナはハッキリ言ってブスですが、性格が良くて僕でも釣れるので癒されますw
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2023年12月、こしが池(堺市)iPhone11
途中、コシガ池で顔馴染みになったN井さん(N田さんの釣友)が顔を出して話に来てくれた。西池の話とか色々聞けて楽しかった。話しながらもポツポツ釣れて釣果は9枚まで来ました。あと1枚で「つ抜け」。浮子にジワーッとさわってたのがさわらなくなったので、エサを切るつもりでピシッと空合わせしたらかかりやがったw。こいつはさぞかし驚いたろう。居食いでモグモグしてたんかな。不本意な釣れ方だったのであと1枚と思ったが、残る一人が帰り支度を始めたので、16時まで粘らず15時過ぎに終了としました。
ということで、12月31日の釣り納めはフナ10枚でした。昨日のボウズには参ったけど、まあ、なんとかw
今年はありがとうございました。
来年もよろしく。
では、また。
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stormfrozen · 4 months
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巨大兵器との激闘・粘菌の間
別行動を取る事になった黒飴は双拳の塔の、6階にある粘菌の間に向かっていた。
いや、此処………やばくねえか?
何故か部屋の所々に伸びている蜘蛛の巣。彼は敵の存在に警戒しつつ、開けた空間をうろうろする。
確か、虫の機体が造られているとか聞いたが…本当にこんな場所なのか?
疑心暗鬼になる黒飴。だが、彼が入ってから部屋の最奥に近付くと、目を光らせる何かが見えた。
ん!
大きな音を立て、動き出したのは粘り付く糸がAIを守っている巨大兵器。そしてそれは蜘蛛の如く飛び上がり、細い8本の脚を展開した。
侵入者を確認………[No.OB]、戦闘シークエンス………開始。
うねうねと動き、這いずり回るかの様に1ぽん1本1本の脚がシャカシャカと動き出すその様は、まるでそれこそ蜚蠊や蜘蛛に近い、とことん気持ち悪い挙動をしていた。
うぉっ!
直後、べちゃべちゃと音を立てて四方八方に飛び交う糸の塊。その糸は部屋を埋め尽くし、しかもその1つは黒飴に張り付いた。その糸の粘着きの強さに困る表情の黒飴。
吐き気がするぜ………バラバラにしてやるよ!!
そして彼はメガシンカを使い、体に纏わり付く糸を火で燃やして解放した。高く飛び上がり、機械の両拳から火炎を噴き出して、動きを封じる力を持つ糸を絶ちつつ戦略を練る。
メガシンカエネルギー、確認。戦闘を開始する。
側から見れば巨大な蜘蛛に似た敵を相手にする様なものである。それでも彼は臆さずに、拳から火炎を放つ。
敵の行動を確認………ビーム発射開始。
No.OBにある8本の脚の関節部分から、シグナルビームが数発撃たれた。その弾幕の隙を縫って、黒飴は爪に炎を噴き出し、上を取って右腕を機体に振り翳す。
そこだな?
機体のアイセンサーに掴み掛かる黒飴。しかし、この機体もそう簡単には壊されない。至近距離から何かが動く音が聞こえた。
敵を捕捉、迎撃準備完了。
それは蜘蛛で言うと頭の先端から伸びる、巨大な角だった。巨体とは思えない、機体の思いも寄らぬ速さに押され、黒飴が吹っ飛ばされる。
ぐはっ!!
後退りしながら、床や壁に張り付いている粘着く糸を燃やして再び彼は立ち上がる。
………やるじゃねーか、今のは危なかった。だが…まだだ!
8本の脚を伸縮させ、No.OBが黒飴に飛び掛かる。対して黒飴の方も、全身を燃やし拳を思いっきり機体へぶつけていく。
がっしゃあん!!
燃える拳が頭部のプロテクターに直撃し、崩れ落ちた。そこには、この機体の心臓部にあたるAIとメインエンジンが剥き出しの状態になっている。
損傷を確認。追撃シークエンス準備………
No.OBはそこを粘着く糸でプロテクターの代わりと言わんばかりに補強し、決して敵に隙を見せない。対して黒飴の方も、何かを考えていた。
あの場所に攻撃をぶつければいいんだな?だが、燃える物が他にもうちょっとあればな。
確かに、虫の糸は衝撃には強いが熱には滅法弱い。だが、それだけでは機体を燃やし尽くすには不十分と考える黒飴。エンジンを破壊すれば、この機体は停止するが糸が邪魔で、火炎がエンジンまで燃えるかどうかは分からない。そんな中でも、お構い無しにビームを撃ちまくるNo.OB。
うぐ………!!この音は………!!
耳に刺さる衝撃の音波。頭が痛くなり、黒飴が思わず体勢を崩してしまう。そして、そのままNo.ORは黒飴に向かって回転して襲いかかる。
高速スピンだと…!?
炎を吹き消す高速スピンがぶつかり、黒飴は吹っ飛ばされた。彼は膝をつき、頭を押さえる。
…まずい。此処でやられたら、雨見に失望される………。仕方無い、使いたくないがアレを使うか。
確かに相性は非常に有利なのだが、此処までの巨体の敵となるときちんとした突破口が必要となる。そして彼は、彼が糸を燃やした事で出来た隙間にべちゃべちゃと粘着く糸を部屋中に埋め尽くすNo.OBを見て、再び何か思い付いた。
此処でやるしか無い。そして、次で一気に決める………。行くぞ!
掛けられる糸。粘着く糸が黒飴の体に纏わり付くが、それを彼は一気に吹き飛ばした。噴き出す爆発の火炎がNo.OBを襲う。
出力、火力………共に危険と断定。防御態勢、準備。
8本の足が燃え、機体がバランスを崩し倒れ始める。No.OBは高速スピンでまたしても回転し、炎を消す。そして、そのままさっきのシグナルビームを黒飴に向けて撃ちまくった。
おっと…!
両拳のエネルギーを使い果たし、リロードに入っている黒飴はビームに被弾してしまうが、それでも何とか耐え抜き、遂に隠されていた力を解放する。
終わらすぞ。消し炭になりな!!
次の瞬間、赤い光を放つ黒飴。翼が燃え、腹には菱形の模様がいくつか浮かんでいる…と、割と大きな変化を齎しているのだが、それだけでは無い。
敵からメガシンカとダイマックスエネルギー………その両方を検出。非常に危険な物と判断。
糸で防御を固めつつ攻撃を繰り出すNo.OB。ところが、黒飴が撃った燃え盛る巨大獄炎がそれを許さなかった。
この『ランページモード』…使うとただ本能のままに暴走しちまうだけだから俺も使いたくなかった。だがお前はそこまで耐えるとはな。さっきのブラストバーンは脚だった。次に撃つのは…何処だろうな。
黒飴はそう言いつつ目線を逸らし、No.OBの8本の脚を火の鳥の様な物を飛ばす巨大獄炎で燃やす。火炎は粘着く糸にも引火し、部屋の辺り一面が火の海に包まれた。
危険。………熱量………エネルギー………共に測定不能………
No.ORの機体は防御手段として高速スピンで抵抗を試みるが、火炎が一向に消える気配が無い。そんな隙に8本の脚に火炎が燃え移り、機体が火だるまになっていく。
緊急事態。………緊急………
粘着いた糸の壁が火炎で溶けていき、遂に本体のメインエンジンが見える。そして、その瞬間を黒飴は逃さなかった。
そこだ!派手に吹っ飛べ!!
2発目のブラストバーンがNo.OBのメインエンジンに直撃する。粘着質の糸が機体と共に炎上し、最期は大きな爆炎に包まれた。
どっごおおおぉぉぉぉんっ!!!
爆発で砕けて跡形も無くなった機体の残骸を��に、黒飴は先を目指してエレベーターへと向かった。エネルギーの使い過ぎになったか、メガシンカを解除した時には既に床に膝をついていた。
ふー………っ。………てか、まだあるのか?こんな機体が………いや。考えてる暇は無いか。奴の所へ行かないとな………
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log2 · 5 months
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【株式会社サンゲツ】カーペットタイル見本帳「2023-2026 DT」と「2023-2026 NT700」収録製品488点が登録・更新されました!
株式会社サンゲツは、壁装材・床材・カーテンから椅子生地まで、約12000点に及ぶ幅広い内装仕上げ材を企画・開発しています。 今回はカーペットタイル見本帳「2023-2026 DT」と「2023-2026 NT700」に収録されている製品488点について、登録および更新をいただきました。
[2023-2026 DT]Arch-LOG 検索ページ
[2023-2026 NT700]Arch-LOG 検索ページ
≪2023-2026 DT≫
サンゲツのカーペットタイルの中でも、特に「意匠性と繊細な質感表現」にこだわったプレミアムコレクションです。空間を明るく演出するカラーやフレキシブルなレイアウトに役立つデザインバリエーションといった、オフィスの快適性や利便性に欠かせないポイントを押さえつつ、上質感のある“WELLNESS”な空間を実現します。
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▲コーラルリーフ・パターン F:DT-78104
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▲マニッシュツイード・リポーズ F:DT-76511
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▲グリッドパスウェイ:DT-50803
≪2023-2026 NT700≫
あらゆる空間にメインで使いやすいデザインを収録した、スタンダードコレクションです。収録製品の多くに耐久性・耐候性・耐薬品性に優れた原着ナイロン糸を使用しており、特にオフィスの共用廊下や執務スペースなど、歩行量の多いエリアへのニーズに応えます。
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▲イルミナ・アース D:NTH-71401・71402・71403・71404・71407・71408
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▲テクスチャードマテリアル F:NTH-71601・OT-5303
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▲ダンガリー・レイヤード・コージー D:NTH-70609・70610・70611
[2023-2026 DT]Arch-LOG 検索ページ
[2023-2026 NT700]Arch-LOG 検索ページ
<サンゲツ製品をプロジェクトにご登録されている皆様へ>
今回のカタログ刷新に伴いいくつかの製品が廃番となりました。 しかし後継品も多数登録されています。 現在プロジェクトへご登録いただいている製品が廃番になりましても、後継品のある製品であれば現在のご登録品番(旧品番)で検索していただけるようになっております。また、シリーズ名やお求めの機能で検索いただくことで同様の製品を探すことも可能です。
サンゲツ製品 Arch-LOG 検索ページ
※文章中の表現/画像は一部を株式会社サンゲツのホームページより引用しています。
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peyotebutton · 7 months
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俺は京大卒のスギモト(仮)だ
【こちらは児童への暴力や無駄な体罰を是正するものではありません(登場人物名は仮名)】
今では考えられないが、私が中学受験で通っていた進学塾では体罰が日常茶飯事だった。
正確に言うと、講師4名の内体罰を行うのは1人だけで、他の3人の先生は体罰なし(黙認)。
「体罰凶師」はスギモト先生。中学生数学(名門高校受験)と小学生算数(中学受験)担当。京大卒で塾講師の前は某航空会社に勤務していた。
スギモト先生の体罰ラインナップは以下の通り。
【1】「しばきの刑」(竹刀でお尻を叩く)
【2】「バンドエイドの刑」(竹定規で剥き出しの手首を叩く)
【3】「バンドエイドの刑指バージョン」(人差し指と中指の腹で剥き出しの手首を叩く)(※1)
【4】「電気椅子の刑」(教室の壁でエアチェアー)(※2)
【おまけアトラクション】「正解するまで帰れま10」(間違い直しの提出はすべて正解するまで帰宅不可)(※3)
授業時間内で解かされる各校の過去入試問題の点数が基準点以下の者には【1】、宿題忘れ、忘れ物や遅刻などは【2】〜【4】のどれかを先生が気分に応じてチョイス。
【おまけアトラクション】は全員。
算数が苦手な子は授業で毎回叩かれるハメになる。
算数は暗記科目と違い、頑張ってもすぐに点数があがる科目ではないからだ。
「常連組」はパンツを二重履き(女子はパンツとブルマ、パンツと毛糸のパンツなど)にして中にタオルを詰めたりしていた。
竹刀で叩くとタオルあり/なしで音が違うので、先生にはタオルを入れているのはバレバレだったが、そこはスルーだった(公開処刑に意義を見出していた模様)。とはいえ痛いもんは痛い。
うちの親も仕方ない我慢しなさいと、とりあえずタオルを用意してくれた。
タオルを用意…つまり当時の保護者たちも反対どころか黙認状態、体罰は誤差レベルの許容範囲。ひどい。
私は算数が苦手で体罰常連組だった。算数の偏差値がそれ以外の科目より20ポイント以上低かった。算数のある土日は一週間で一番嫌いだった。苦手な算数に限って土曜1コマ日曜2コマもあり��※4)、金曜日の夜から日曜夜までストレスで毎週末便秘だった。
ところで、体罰はともかく、スギモト先生の「教え方そのもの」は良かった。
先生の指導通りにしていたら、算数の偏差値は10ポイント以上アップし、志望校も新小6年の春時点よりランクアップした。
解き方の解説はわかりやすく無駄がなく、復習のしやすいノートの使い方なども指導された。さすが京大卒!と思っていた。
しかし、水・土・日の通塾と大量の宿題と通学(入試以外で休んでいないw)で毎日睡眠不足で心身ともに疲労、たかだか12歳で燃え尽き症候群まっしぐらだった。
しかも下のクラス(※5)では成績1位なので何かにつけていじめられたり、弁当を食べられたりもしていた。勉強くらい黙ってさせてくれ。
キツい通塾は1年間だけで志望校に無事合格。しかし、その1年間で受けたダメージから回復できず、進学校なのに自主勉強の習慣もつかず、気付いたら中学3年で数学は「深海魚」になっていた。
ちなみに、スギモト先生、名前的には某日露戦争帰還兵っぽいが、まったくイケメンでもイケボでもなかったw。引退して数年経ったプロレスラーみたいな体型、ヘビースモーカーで常にたばこ臭がし、白髪混じりの茶髪で声がでかくてひたすら怖かった。
私が卒業して数年後にスギモト先生は解雇された。
数々の暴力行為について、本部に保護者からのタレコミがあったのだ。
解雇の表向きの理由は「学歴詐称(×京大卒→○高卒)」。某航空会社勤務経験もあやしいところw。
塾はまだあるが自分の通っていた教室はなくなっていた。
元々当該地域の教育レベルが低いので(※6)進学実績が他教室に比べて振るわなかったり、近隣の「馬」や「ペン先」、「砂浜」といった人気校に優秀な生徒を取られたのだろう。
中学受験が子供にとってプラスになるか否かは本人の資質・学校の特色や両親や資金を含めた環境によるが、長い人生において必須/有利だとは一概に言えない。話が長くなるのでここではこれ以上記載しない。
ただ、中学受験は心身ともにボロボロになってまで経験することではない、とは言っておきたい。
(※1)「ゴールデンカムイ」10巻にて、鶴見中尉が部下の二階堂一等卒に出すダメ出しサインに手つきが似ている。ただし、こちらの元ネタはマイケル・ジャクソンが愛猿バブルス君に出す「お座りしてね」のハンドサインで、ダメ出しの意味ではない。ちなみに漫画はオススメですw。
(※2)壁を背もたれに見立てる。
なお、銃剣で突く、グーで殴る、背負い投げなどの柔道の技をかける、フワフワのはたきでなでる、などのプレイはなかったです(やだよ)。
(※3)正解するまで帰れま10な間違い直しは確実に実力は上がる。しかし、中学受験の算数はイミフレベルで難しく、間違い直しもすぐに終われない。夜21時22時になるのもザラ、辛すぎて提出せずブッチする「猛者」もいた。
(※4)土曜の1コマ目の算数は、別の先生(メイン担当:社会)が担当、こちらは体罰なしの普通の授業。
(※5)成績別の2つのクラス「特進(超難関校向け)」「進学(やや難関校〜下位校向け)」に分かれていた。シーズン途中で特進から落ちる者もいた。
(※6)塾の所在地の市自体はまあまあマシだが、隣の府県の市(当時の私の在住地w)が府県ワースト1地域のため何かしら影響を受けていた。
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solitude-klang · 8 months
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9/13
ザアザア × VIRGE 2MAN TOUR 
DARKNESS BLOOD RAIN 
@HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
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先攻 VIRGE
SEに乗せて全員一気にステージへ
幕が開くやいなやお客さんの声デカくてびっくり
遼さんと達也さんは白塗り 憂璃さんは安定のアルビノまつ毛 少し痩せたかな
新しい曲達が、曲はわかるけどタイトルと一致してないかもなのでセトリ上がってからブログの方に書きます。
拒絶が終わると遼さんがそそくさと袖へ
そして亞んちゃん連れて戻ってきた(笑)
この後拳のリピート何回も何回も何回もwやらされてから籠女(だったと思う)with亞んちゃん
抱き合うような曲でもないのにお立ち台で長らく抱擁を見せつけるちびっこ2人は国宝級の可愛さ
ラストは空に落ちる蛍だったと思うけどWoDで攻撃的に始まる(←WoDは一個前の曲かも)
最後の「この命を抱いてくれ」のアカペラになる部分が泣かせてくるこれはちょっとドラマを感じる相当な名曲と思われ
お客さんの楽しそうな振りと曲とのギャップがこの世のものと思えない気持ち悪さの万華鏡とガラシャ
久々に見たらやっぱり気持ち悪かった
近年稀に見る宗教感 MCないのに帰る頃には物販で高額な壺買いそうになる
ザアザア
幕の中から聴こえてくるドラム 板付き
白シャツにネクタイ+黒ボトム揃え
亞んちゃん金髪が白に近付いてすごい良い色
零夜さんは襟足に長めのエクステが付いていたのでそこから目が離せなかった
黒のロングスカートに前後差のある白シャツ春さん 薄ピンクの髪の上の方を2箇所結んで青緑のカラコン 私の脳は"これはアーニャである"と認識
太めのパンツ姿の一葵さんはライダースを羽織り前髪を少しポンパっぽく上げていてカラコンが左右違う
一葵さんが車掌業に徹する曲とフォロワさんに教えて頂いていた満員電車まじで歌ってなかったw (サビだけ歌ってた)
曲中ずっと吊革に掴まっててくださいとか言われる
度々ジャンプなどさせられ右腕が疲れるけど面白すぎる
交尾をしてよの後半煽りパートの辺りからステージに3人しかいないので身の回りを見てみればバンギャさん達と一緒に走り回ってた
ラスト~!下手側の壁に張り付いて何かによじ登りw左に寄ってください
蜘蛛の糸~左寄せ~
そのままフロアで一番歌いきってたw
朗読は消去
春さんの前振りギターで何かわからなかったんだけどビー玉聴けた
ザアザアの時のMCで 氷龍さんが福岡にスーツ忘れてきてそれを亞んちゃんが届けたって言ってた
他にも色々面白かったけど1ヶ月振りのライブ疲れた(笑)また書き足します
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終わったら21時 チェキも買わず即帰ったけど今家着いたばかり(遠い笑)
土曜日?か日曜日も何かあった気がしたからそれまでにまとめられればいつものようにブログにします
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