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#浮づくり補修
houteiyugi-movie · 6 months
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特別講義 in 専修大学のイベントレポートが到着!
公開を前に本日10月26日(木)、映画の舞台にロースクールが設定されていることにちなんで、法律家を志す学生が集う専修大学法学部の法廷教室にて本作の特別試写会を開催!上映後には原作小説を手がけた五十嵐律人さん、本作の深川栄洋監督、専修大学法学部の関正晴教授による“特別講義”と称してトークイベントが行なわれました。さらにイベントの途中で、法律家を目指す学生たちにエールを送るべく、主演を務めた永瀬廉さんがサプライズで登場!学生との質疑応答も行なわれ、会場は大きな盛り上がりを見せました。
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弁護士でもある五十嵐さんは、原作となる小説を執筆したきっかけについて「もともと法律が好きだったんですが、その面白さがなかなか法律に携わってない方に伝わらないという思いがあり、小説という形で法律の面白さを描けないかと考えました。映画でも出てくる“無辜ゲーム(※生徒たちがゲームとして繰り広げる模擬裁判のようなゲーム)”がアイディアの着想となり、そこからどんどん発展していきました」と明かしました。
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深川監督は、この小説を映画にする上での難しさについて「まず法律用語が難しい(苦笑)。若い人にどう見てもらい、乗ってもらうか? どういうふうに広い裾野に物語の面白さ、法律の面白さと危うさを感じさせるかが難しいポイントでした」とふり返りました。
そうして完成した映画について、五十嵐さんは「どの時間を切り取っても面白い。事件だけでなくそこに至る過程や裁判のパートも飽きさせない工夫や展開の仕方があって、原作をより面白く、エンタテイメントにして完成させてくださって感謝の気持ちでいっぱいです」と称賛を送りました。
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関教授は法律家の視点で、本作について「いろんな場面で法律の制度や手続きについて出てきますが、そこをうまく使うというのが(よい)アイディアだなと思いました。時効や再審制度、証拠の追加などもそうですし、証人尋問のシーンは特に感心しました。一問一答で現実の裁判に近いものを感じました。普通の刑事ドラマだと主人公が喋りまくって尋問している感じではないんですが、今回の映画は尋問の仕方が実務に近かったです」とそのリアリティを含め、絶賛!これには五十嵐さんも「刑事訴訟法を専門にしている先生のお墨付きをいただけて嬉しいです」と笑みを浮かべていました。
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そして、イベント中盤に完全サプライズで主演の“セイギ”こと久我清義を演じた永瀬さんが登場すると、会場は悲鳴のような歓声に包まれました! 真ん中の裁判長の席に座った永瀬さんは「緊張します…」とはにかみつつ「(映画の中では弁護士なので)こっち側じゃなかったので、ホンマに全部が見渡せる席で、特別な感覚がありますね」とご満悦。学生たちに向けて「弁護士の役をやらせていただき、ロースクール生の頃も少しだけ演じさせていただいて、弁護士になるために並々ならぬ努力をしないといけないことをこの映画を通じて学びました。みなさんも、そういう思いをされてい��かと思うと、少しだけみなさんのお気持ちがわかるし、親近感がわきます」と笑顔で語りかけました。
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そんな、永瀬さんの劇中での弁護士ぶりについて、関教授は「一問一答の形式で、テキパキと杉咲花(織本美鈴役)から言葉を引き出すところの歯切れが良く、まさに法廷でやっている尋問に近かった」と称え、永瀬さんは良い弁護士になれるか? という質問に「訓練を積んでいけば」という条件付きで太鼓判を押しました。これには、法律用語のセリフに苦戦したという永瀬さんは「えげつない訓練じゃないですか!」と苦笑いを浮かべていました。
学生の中には劇中の無辜ゲームのようなことをやった経験があるという人も。ある学生は、この法廷教室で「模擬裁判をやりました。学生が一からシナリオを考えて、役になり切りました」と明かしました。ちなみに裁判の中身は「殺人事件で死刑か? 無期懲役かなど量刑の争い」とのこと。
別の学生は「おとぎ話の『ヘンゼルとグレーテル』を題材に、2人が魔女を殺したことを立証できるか?」というユニークな模擬裁判をやったと語りました。これに“裁判長”永瀬さんは「テーマが面白いですね!」と感心しつつ「ヘンゼルとグレーテルについてそこまで知らないけど、殺すのは良くないですね。有罪で!」と即判決を下し、会場は笑いに包まれました。
また、法律を学んでいた役に立ったことについて、ある学生は相続法の知識を今後の遺産相続の際に活かせると明かし、労働法を専門とする別に学生は、アルバイト先での有給や休業補償について、バイト先に働きかけた経験を明かし、永瀬さんは「法律は僕らの生活と切り離せないので、知っておいて損はないですよね。知識があると、行動もできますもんね」と感心しきりでした。
またある女子学生は永瀬さんに「法律を学んでいる女性のイメージ」についての質問が。永瀬さんは、法律家になるための勉強の大変さやその量の多さに言及しつつ「過酷な状況に耐えられる忍耐力がある強い女性が多いのかなと思います」と語りました。
また、学生からは本作の撮影において苦労したことについての質問も。永瀬さんはやはり、耳慣れない法律用語に苦労したようで「発音も含めそれらをすらすら言わないといけなくて、常にそうした言葉が板についている感じで芝居をしないといけない。一度、法廷シーンで噛んでしまって、長回しでみなさんに申し訳なかったですが、2回目ももっと噛んでしまって…(苦笑)。スイッチが入ると取り戻しづらい空気感で、大変でした」と緊張感のある法廷シーンならではの苦労も明かしました。
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五十嵐さんは、そんな永瀬さんについて「なりたての弁護士という役で、専門家だけどわからないところもあるんですよね。僕も同じ気持ちでしたし、そういう不安や悩んでいる姿や、法律家も完璧じゃないところを表現されていて素敵でした」と自身と重ね合わせてその演技力、表現力を称えました。
さらにある学生からは、King & Princeが歌う本作の主題歌「愛し生きること」について「お気に入りのフレーズは?」というユニークな質問も!永瀬さんは「綺麗な嘘で抱き締めるから」というフレーズを挙げ「全体的に今回の映画のために作られていて、バシッとハマった感覚があるし、どこかで救われた自分がいる感覚もあります。『綺麗な嘘で抱き締めるから』という言葉は、どこかでセイギの美鈴(杉咲花さん)に対する気持ち、馨(北村匠海さん)に対する思いに通じる部分があると思うし、好きです」と明かしてくれました。
イベントの最後に永瀬さんは「この物語はセイギと美鈴と馨がメインで進んでいきますが、それぞれが抱えている過去や思い、人それぞれに自分の正義感があると思うけど、その正義感や信念を突き通すことの苦しさ、つらさ、難しさも含めて描かれてると思います。あまり、法律が近くない存在の人十分に楽しんでいただけると思うし、映画をきっかけにもしかして法律に興味持ってくださる方もいるんじゃないかと思います。余白を残して、考えていただくところが多々ある映画なので、見終わって感想を話し合って、それぞれの意見を交換し合っても面白いと思います」と呼びかけ、温かい拍手に包まれてイベントは終了しました。
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公式サイト
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hibikore-archives · 28 days
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よしもとかよ 「日々是好日」。vol.130 (2024/3/27 + 4/3 )
2024   27th march + 3rd april  
M1 ふるさと (Perunika Trio)
  M2 HOME (おおたか静流)     M3 IYE (仙波清彦)
  M4 home (Michael Buble)     M5 また明日 (やまも)     M6 over it now (Eddi Reader)     M7 spring (Lee-tzsche)       M8 I ain't movin' (Des'ree)      
[好日の素…被災した家の片付けをすること]
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  能登半島地震から 数か月、 天候や余震、道路の状況などを 考慮しながら タイミングをうかがっていたのですが ようやく今月中旬に 祖父母の家に 行くことができたので、 そのときのことを 今回はお話ししようと思いました。   道路については 地震が起こる前に通っていたルートが ほぼ通れるようになっていて、 かかる時間も 以前とそれほど変わらないほどにまで 応急処置がされており、 寒い中多くの方が 復旧に尽力してくださったのを 本当にありがたく感じました。   とはいえ、奥能登に近づくにつれ 亀裂が入ったり、修繕した跡や 片側交互通行の箇所も多くなってゆきます。 また建物なども ブルーシートのかかったところが 増えて行く、という感じでした。   祖父母の家は 倒壊こそ免れましたが、 実際に行ってみると 中で安全に過ごせるとは とても言えない状態。 今回は短時間で あらかじめ 確認事項や作業を決めて 行うことに。   台所の状態が特にひどく、 重さのあるしっかりとした食器棚が 倒れているのを見て あらためて揺れの大きさを感じました。 当然、中の器たちは 床に落ちて割れてしまっているのですが、 どういうわけか そんな中に 無傷の状態で転がっているものもあり、 そうしたものに希望を感じるといいますか、 「よかった!」と言えることが ささやかでも、ひとつでもあることが きもちを支えてくれるものだな、と思いました。   「それを持ち帰ってどうするの?」と 思われそうなものであっても、 個人にとって、あるいはその地域の文化として 大切にしたいものなどもあると思います。 それを一緒にみつけて、よかった、と 言い合えることが 今はとても大切なのではないか、と感じます。   地盤の隆起によって 現時点でまだ水道の復旧がされておらず 滞在が何かと難しい地域なので、 これからも短い滞在時間で 少しずつの作業になるのですが、 今後また折に触れ 状況を確認して、 北陸が元気になっていく様を 番組の中でお伝えしていきたいと思っています。      
 
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[日々是食べたい!… いも菓子 ]  
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  まるで 赤土の中から 掘り出したばかりのような ルックスでしょう? これが、能登で100年もの間 愛されているお菓子、「いも菓子」なのです。   わたしは 輪島で買うことが多かったので、 てっきり輪島のお菓子と 思い込んでいたのですが、 発祥は珠洲とのこと。   名前の通り、和製スイートポテトのような お菓子…なのですが! お店によってちょっとずつ 違いがありまして。 「いも菓子」と呼んでいるのに さつまいもを使わずに さつまいもを表現している、とか… さつまいもの中の繊維を 細く細く刻んだ昆布で表現している、とか… なんともユニークで また創意工夫あふれるお菓子なのです。 ぱくっと食べられる 小ぶりで愛らしいサイズもうれしい。 能登の自然と そこに暮らす純朴なひとが思い浮かぶ どこか懐かしさも漂う一品。 食べて応援の候補としても こころにとめていただけるとうれしいです。
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jinsei-pika-pika · 3 months
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「芸術新潮」2月号 特集「会田誠が考える新しい美術の教科書」
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現代美術家・会田誠。自身の作品《MONUMENT FOR NOTHING - にほんのまつり》(部分)の前で。 Courtesy of Mizuma Art Gallery
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――「芸術新潮」の編集部から、「新しい美術の教科書をつくりませんか?」というオファーを受けた時はどう思われましたか?
会田 おもしろい企画だと思いました。迷うことなく、「やります」と返事をしました。でも落ち着いて考えると、これはなかなか難しいお題だな、とも思いましたね。僕には息子がいて、最近の美術の教科書は実際に見ていたのですが、僕らの時代の教科書と比べると、ずっと良い方向へ進化していると思っていました。僕が何か提案しても、それはもう今の教科書に出ていますけど、ということになりそうで……。
――それで、どのように内容を構想していったのでしょうか?
会田 結果的には、ずばり言ってしまえば、「ドクメンタ」的現代美術の紹介が中心になりました。ドクメンタは、ドイツの田舎町カッセルで4~5年に一度開催されている芸術祭です。つまりは「社会派アート」というようなことになるわけですが、日本の一般社会から、あるいは美術の世界からも比較的無視されがちなジャンルかなと思って、そのあたりを多く紹介することになりました。とはいえ、僕個人が社会派アートが大好き!というわけではありません。ドクメンタには、2002年に1回行ったことがあるだけです。ナイジェリアのキュレーター、オクウィ・エンヴェゾーが欧州人以外で初めて芸術監督をつとめた時でしたが、すべての作品が社会正義を訴えるような、ドクメンタとしてもちょっと極端な回だったようです。「これが芸術? 社会科の発表会じゃないんだから」と、僕はその時は反発しました。しかし僕の作品も、もともとは絵画中心だったものがそうではない形式の作品も増えていって、この20年ほどで、ドクメンタ的な美術もやはりいいなと思うようになりました。第一印象で嫌いだった人がだんだん好きになっていくような感じでしょうか。美術の教科書であれば、まずは「形」と「色」、というのが当然のことだし、僕もそう思っているのですが、今回の教科書では、あえて「形」と「色」については何も語っていません。そして「絵画」と「彫刻」についても、それ自体をテーマとしてはほとんど扱わずに、ドクメンタ的な、社会に拡張してゆく美術を中心に紹介することになりました。
――教科書の「1時間目」のテーマは、「美術に政治を持ち込もう!」ですね。
会田 いちばん最初に出てくる図版が、酒井抱一の《四季花鳥図屏風》です。我ながら節操がなくて笑ってしまいますが、僕はまるで日本絵画大好き人間のような感じで、「死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100」という「BRUTUS」の特集を監修していたりするのに、いきなり否定材料として抱一の絵を出しています。日本美術の特徴のひとつに「花鳥風月」があって、それにはいい面もありますが、裏返すと悪い点も抱えている。また、それに続いて、フランス革命と並走して近代芸術が生まれていった、という話になりますが、それも若い頃には、反発して、「オレたちは西洋と同じようにしなくていいんだぜ」と心の中で吠えるために調べていたことでした。立ち位置ひとつで全否定から全肯定に変わったり、出だしから、僕自身の矛盾した姿をそのままさらけ出すことになりました。
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――会田さんが教科書すべてを執筆するのではなく、ゲストの執筆者も何人か招いています。フェミニスト・アートについては岡田裕子さんが執筆したり、課外授業として、卯城竜太さん(Chim↑Pom from Smappa!group)と松田修さんの対談があったり、他の美術家の方々にも登場してもらっています。
会田 僕がすべて書くのでは読者もおもしろくないだろうし、僕が不得意なジャンルもありますから。ゲスト執筆者を招待したのはうまくいったと思います。
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――掲載作品は、どのように選んでいったのでしょうか?
会田 ほとんどは僕の頭の中から、つまり記憶にあるものから引っ張り出してきています。ただ、「美術から性のいろいろを学ぼう!」というパートでは、X(旧ツイッター)で呼びかけて教えてもらいました。性にはややこしい側面があって、男女が恋愛して結婚して子供を産む、というだけではない部分がある。それを考えるのに、最初に僕の頭に浮かんだのは男性作家の作品が多かったので、なるべく男女半々にしたいと思って、「現代美術で、女性アーティストで、みずからの性を題材にしている人は誰でしょうか」とXで質問を投げかけました。そこで教えてもらった名前を検索して、作品を見たりしましたね。ただ、この教科書全体で言うと、使いたかった図版で使えなかったものがいくつかあったのは残念でした。使用許諾や使用料の問題などで……。
――「3時間目」の「美術でバカ♡万歳!」というパートがとても楽しいです。
会田 乱暴なカテゴリーで、冗談で許していただけたら、というコーナーです(笑)。アブラモビッチみたいに命がけでバカをやっている人と、泉太郎さんや僕のような、ちょっとひねくれた白けた笑いのものを、「バカ♡」のひとことでまとめるのもひどいなと思いつつ(笑)。
――これについては、詳しくは誌面をご覧いただくことにしましょう。今回の教科書は、今私たちが生きている、この時代のアートとはどういうものなのか、それを知るための最高のガイドブックになったと思います。
会田 現代美術のとっつきにくい部分の入口づくりとしては、これ以上やさしくはならないだろう、というぐらい、やさしいものになったと思います。僕はそういう語りは割合得意なほうで、でも一方で、あまりオタク性がないというか、知識の奥の細道に分け入っていくような癖がないんですよね。作家ならではの偏ったこだわりさえも、あんまりないのかもしれない。
――会田さんの作品に通底しているのは、「アートとは何か?���という問いかけが常にあることだと思います。今回の「芸術新潮」の「新しい美術の教科書」特集も、「アートとは?」と考えていくための恰好のテキストになりました。美術部で今デッサンのトレーニングに励んでいるような生徒たちに、ぜひ読んでもらいたいです。
会田 そうなんですよね。仕方がないのかもしれないけれど、日本の美術大学へ入るための勉強は、やはり「実技」が中心です。日本の美大は、入ってからも、「作品をつくることが社会に対するアピールなんだ!」と熱く語って教える先生は少ないのではないかと思います。だから、そういう作家になる人は、海外留学を経験してから、というパターンが実際に多いです。深いところで言うと、そもそも日本語がそういうものに向いていない抒情的な言葉なのかもしれず、だから美大の教授が悪いのだとか、そんな単純な問題ではないのかもしれません。この教科書には、そういうものを補えるような読物になってくれたらいいな、という思いも込めています。
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benibame · 1 year
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「MADLIVE EXH!!!!!³ vol.2」参加の感想と作品について
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2023年1月28日、2月4日にニコニコ生放送において開催されたイベント「MADLIVE EXH!!!!!³ vol.2」に拙作「Right on time」等の新作動画を上映してただきました。その参加経緯と作品について文章に残しておこうと思います。
イベントについては以下のブログが詳しいです
【公式ブログ】
①参加経緯
2022年初夏頃に運営の方から声をかけいただき、新作の出展を打診されました。自分はこれまで過去2回、ニコニコ生放送におけるニコマスイベントに招待していただいたこともあり、どれも非常に楽しいものであったため今回も二つ返事で参加することになりました。 しかし、今回のイベントはこれまでと異なり動画制作者も深く制作に関与するということでした。過去の参加イベントはいずれも新作動画を提出したら運営によっていい感じにメドレーに組み込んでもらう方式でしたが、今回はメドレーの主題や構成、実際の制作も自分たちが関わるとのことでした。参加表明した時点ではいまいちピンときませんでしたが、基本的に一人で動画を作る自分にとっては少し緊張する内容でした。
②グループ内の共同制作について
参加者が複数のグループに割り振られ、どのようなメドレーを作るか議論と試行錯誤が進みました。僕はあまり投稿者情報を確認しない(動画しか見ない)タイプなので投稿者の情報に疎く、またニコマス界隈にはそこまで関与してこなかったので、まるで知らない人の送別会になぜか呼ばれた通行人みたいな気分でした。それでも歓迎して話しかけてくれたメンバー・運営の方々にはとても感謝です。 メドレーに使用する候補として、各々が好きな作品をまとめる作業をした際によく考えず音MADばかり選んでいたら明らかに浮いていたのは���いました(PV系作品を選んでいた人が多かった)。
実際音MADばかり見ているので、もう自分はこの路線で行こうと吹っ切れて、その後はひたすら音MADを推していきました。メドレーに使いにくい作品ばかり選んでしまい運営にはご迷惑をおかけしました。
自分たちの枠におけるテーマをどうするか議論を続けた結果「超火力」に決まり、AIで描いたカニの画像をシンボルにすることとなりました(なぜ?)
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(運営に提出したお気に入り動画の一部。だいたい採用してもらえなかった。そりゃそうだ)
メンバーは全員映像に真摯に取り組み、どうしたらよりよい作品になるか、アイドルを魅力的に見せられるか考え抜いて作る方々ばかりだったので、このふざけたテーマとシンボルは逆にぴったりだと思い、とても気に入ったことを覚えています。真剣にふざけるというのがこのチームの特徴でもあったと思います。僕たちのチームは通話会議でもすぐ話題が脱線してしまうところがあったので��それをうまく軌道修正してまとめてくださった運営の方々には苦労をおかけしました。
年が明け、本番が近づくにつれてバタバタとしましたが議論を続け、皆のアイディアが組み込まれたメドレーが締め切りギリギリ、というか本番当日に完成しました。真面目に始まったと思ったらネタ作品が続き、急ブレーキと急発進が続くジェットコースターメドレーは、まさにこのチームのテーマ「超火力」を表現できたと思います。 僕は1ブロック目の映像を担当しています。このチームの方向性を決めるしんがりを任され、張り切って映像のミックスを行いました。
「U-REI」と「Next Life」をブロックノイズでトラックマットした部分は特にうまくできてお気に入りです。また「B4Uッキ」と「Ballad Dance」の組み合わせも、そもそもこの動画をリクエストしたのが自分だったので気合を入れました。作者さんも喜んでくれたみたいで嬉しかったです。
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③新作について
メドレーと並行して自分の新作動画も制作をしていました。今回のイベントでは完全新作である「Right on time」、k10さんとの合作である「Starlight Fantasia」、既存作ですがイベント用に内容を刷新した「孤独のサイゼ」、メンバー全員で合作した「煽げや尊し(M@STER)」の4作品を作りました。だいたい早めの段階で完成させることができ、余った時間をメドレーや運営のお手伝いに割くことができました。 「Right on time」のメイキングはこちらの記事で書いています 複数人で議論しながら新作を作るとき、例えば同じ曲を聴いたとしても、そこから想起する映像のイメージは本当に千差万別で、これが個性なのかと強く意識させられました。制作途中の映像を見せ合って意見をもらい、修正や加算をしていく。それぞれが全く異なる方向性であるからこそ、それらが集うイベントがより華やかになる。動画制作者が運営に関与するという今回の形式だったからこそ学べたことだと思います。 ちなみに30分で作った疑似作品「サマーヤマダー」もDay1で流してもらいました。こういうクソ動画作ってる時が一番楽しいね…
④イベントの感想
2月4日に自分たちのチームが放送されました。放送する前はかなり緊張していましたが、同時にとても楽しみでもありました。あれだけメンバーたちと推敲を重ねた作品群だったので、間違いなく面白いという自信はありました。これまでの単独ではなく、チームで制作するという今回の方針だからこその自信であったと思います。 放送は約6時間。あっという間の時間でした。自分たちの作品はもちろん、ほかのチームの全力を尽くしたメドレーを短時間で浴びせられ最高になりました。切れ目のないメドレー形式の放送は、技術と物量の暴力そのもので、まさに運営が目標としている「ライブ感」がたっぷりと味わえる、そんな時間でした。
感想をすべて書こうと思うと長くなりますね…とにかくアツく、鋭く、優しい時間だったな、というのが端的な感想です!詳しくは実際に見ないと伝えられないね。
Day1、Day2ともに多くの熱量を浴びせてもらいました。本当にお疲れさまでした。
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⑤さいごに
半年以上考え、作り、話してきた企画です。終わってしまうと感慨深いものがあります。いち参加者の自分ですらそうなので、運営の方々は真っ白になってるものと思います。
新作「Right on time」は2022年9月頃には既に完成しており、本番まで時間も経っていたので自分の中ではあまり新作という感じがしませんでした。それでも動画が流れた際に多くの反応をもらえたことはとても嬉しかったし、作ってよかったなと感じました。ただの動画投稿では味わえない高揚感、言葉にできない興奮を体験してしまったら、また動画を作るしかないですね。運営の方々にはこのような発表の場を用意していただいたことに本当に感謝です。
また、先述の通り僕は人と交流しながら動画を作るということをほとんどしてこなかったので、今回のような形式は非常に新鮮な経験でした。この経験があったからこそ新作も完成させることができ、イベントを一層楽しめたのだと思います。同じチームのメンバーや参加者の皆様、運営、なにより視聴してくれた方々、本当にありがとうございました。
ついでに、このイベントのテーマが「超発見」ということもあり、イベント中に超発見したお気に入り作品を紹介して終わります。こういった普段自分ではあまり見ない作品と出会えるのも、イベントの楽しいところです
ゆるさとシュールさの相乗効果。表情変わらないのが表情豊かで面白い
実写合成は大好物です。こんないい動画を知らなかったとは…。ぼやけた日常風景がとても美しい
白を基調にした動画構成。あまりにもオシャレ。こういう曲で作るのは難しいけどめっちゃ楽しいと思う
画面いっぱいに飛び回る元気さカワイイネ…
このイベントで一番好きになった動画かもしれない。ここまでしておいてサムネが智絵��なのも最高。ごめんね僕はこういう動画が大好きなんだ…そして本当はこういうのが作りたいんだ…
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shintani24 · 3 months
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2024年2月9日
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国の借金、過去最大1286兆円 23年末、財政運営厳しく(時事通信)2024年2月9日
財務省は9日、国債や借入金、政府短期証券の残高を合計したいわゆる「国の借金」が2023年末時点で、過去最大の1286兆4520億円になったと発表した。
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【ひと目でわかる】「国の借金」の推移 国の借金、1276兆円 過去最大を更新―6月末(時事通信 2023年08月10日)より
高齢化に伴う社会保障費の増大などを税収で賄えず、借金頼みの厳しい財政運営が続いている。
借金の合計額は23年9月末比で10兆8404億円増加した。内訳を見ると、政府系金融機関などへの貸し付け原資となる財投債や政府短期証券は減少したものの、普通国債が1043兆7786億円と同16兆3657億円増えた。
不破雷蔵 「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 補足 今記事参照元は財務省「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(令和5年12月末現在)」ですが、そこでは「国の借金」「借金」との文言は一切ありません。「国の借金」は、日本国政府が発行している国債(の額)を示しますが、「借金」の対象が日本国全体、国家組織や所属企業、民間人の全てに至るまでとの誤読につながります。たとえ「いわゆる」を本文でつけ釈明していたとしても、です(タイトルにはそれすらありません)。
日本国債の約9割は日本国内で購入され、その額は日本国民の債権。さらに日本国債は円建て。日銀の利益のうち剰余金は準備金や出資者への配当に充当される分を除き、国民の財産として国庫に納付。
借金云々とするのなら、負債だけでなく資産も見る必要があります。なお日本の対外純資産(対外資産と対外負債の合算)は3.16兆ドルで世界第一位(IMF公開値より)です。
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【速報】日経平均終値743円高 3万6863円 終値でバブル後最高値更新(TBS NEWS DIG 2月8日)2024年2月8日に追記
きょうの東京株式市場で日経平均株価は、きのうより743円高い3万6863円で取引を終え、バブル後の最高値を更新しました。
7日のニューヨーク株式市場でダウ平均株価が史上最高値を更新した流れを引き継ぎ、半導体関連株や好調な決算を発表した銘柄を中心に買われました。
上げ幅は一時800円を超え、3万7000円に迫る場面もありました。
イギリスの半導体設計大手アーム・ホールディングスが業績予想を上方修正したことをうけて、親会社のソフトバンクグループも大きく値上がりしています。
また、日本銀行の内田副総裁が講演で「マイナス金利の解除後もどんどん利上げをしていくようなパス(経路)は考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになると思う」との見解を示したことも相場の支えとなりました。
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日経平均終値34円高、2日連続でバブル以来の高値更新…一時3万7000円台まで上昇(読売新聞 2月9日)
9日の東京株式市場で日経平均株価(225種)の終値は前日比34円14銭高の3万6897円42銭で、1990年2月以来、34年ぶりの高値となった。日経平均がバブル景気以来の高値を更新するのは2日連続。上げ幅は一時400円を超え、3万7000円台まで上昇した。
【一覧】売買代金は943兆円以上…証券取引所の現状
前日の米株式市場でハイテク株が上昇した流れを受け、東京市場でも半導体関連株に買いが先行した。東京外国為替市場で円相場が円安・ドル高に振れたため、輸出関連銘柄にも買いが広がった。
東証株価指数(TOPIX)は4・75ポイント低い2557・88。
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25歳で見せた歴史的瞬間、西洋に起こした革命 小澤征爾さんを悼む(朝日新聞)2024年2月9日
「小澤の目力」という言葉を、楽員たちからよく聞く。目が合った瞬間、無意識に音が出てしまう。なのに、なぜか他の奏者たちとぴったりそろってしまうのだと。
制するのではなく、技術と気の独創的な融合により、壁を壁とせず、東洋人にクラシックはできないという偏見に挑戦状を突きつけてきた。規格外の才能を花開かせたのは、やりたいことを絶対にやり抜く意志力、桁外れの行動力、そして愛すべき無鉄砲さだった。
1950年代末、1台のスクーターと貨物船に乗り、63日かけて欧州へ。日の丸付きのヘルメットをかぶり、ギターを背負って国から国へ。
パリに漂着し、腕試しにと受けたブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。ほかのコンクールもどんどん勝ち抜き、カラヤンに弟子入りし、名門ニューヨーク・フィルの副指揮者に大抜擢。躍進ぶりも規格外だった。
「ねえ先生。僕、バーンスタイン先生に教えてもらいにアメリカに行ってもいいかな」
そう、帝王と呼ばれたカラヤンにも屈託なく尋ねた。周囲からライバル扱いされていた2人だが、小澤さんにとっては最高の音楽を奏でる「同志」でしかなかった。物おじしない奔放な振る舞いを保守的な日本の楽壇がもてあまし、対立したNHK交響楽団に公演をボイコットされる事件も起きた。
小澤さんのベースとなった恩師・斎藤秀雄の指揮法は、西洋の音楽家にとっては自明のやり方を、他の文化圏の人々のために「翻訳」したものといえる。西洋人の「言葉」を自分たちのやり方で体得し、コンプレックスを超え、胸を張って自分たちの歌を歌おう。小澤さんはそんな斎藤の夢を背負い、彩りとニュアンスに満ちた音響を己の感性でたぐり寄せた。「外様にしか見つけられない本質もある」。そして小澤さんは、日本人の感性で西洋を説得するという革命を起こした。
61年、ニューヨーク・フィルを率いて初来日したバーンスタインが、当時25歳の小澤さんを舞台に呼び込んだ。口元をぎゅっと結び、指揮台でぶるっとひと震い。閃光のようにタクトを振り下ろし、自身の愛する黛敏郎の「バッカナール」で百戦錬磨の楽員たちと火花を散らした。戦後初めて、米国と対等に渡り合う日本の芸術家の姿が聴衆の心に深く刻まれた、歴史的な瞬間だった。
誰にも壁をつくらない生き方は、教育や啓蒙に対する情熱をも培った。「普通の人や子どもたちにこそ、真剣に向き合わなきゃ」。これは、志半ばで逝った盟友、山本直純との約束でもあった。
最後の10年は、相次いで襲ってくる病をかいくぐり、執念で指揮台に立ち続けた。力が抜けて軽みを増した指揮からは、楽員との即興的なやりとりが、より鮮明に浮かび上がるようになった。
ある日の終演後の楽屋で、そんな感想を小澤さんに伝えると「そう! 僕はシンフォニー(交響曲)でオペラをやりたいんだよ」。対話の権化であるオペラの精神を、言葉や文化の壁のない楽器だけで実現する。そんな理想郷を小澤さんは生涯目指し、音楽の伝統を継ぐ「職人」のひとりとして国境を越え、欧州の伝統の系譜に連なった。(編集委員・吉田純子)
コメントプラス
佐倉統(東京大学大学院教授=科学技術社会論)【視点】 日本人と日本文化にとって西洋音楽とは何なのかーー小澤征爾さんは終生この問題にこだわっていた。そしてこれは、明治期から本格的に「洋楽」を導入し始めた日本のほとんどすべての音楽家にとって、逃れられない宿命でもあった。瀧廉太郎も山田耕筰も伊福部昭も武満徹も、みなそれぞれにこの問題と格闘し、各人なりの答えを出してきた。その歴史と積み重ねの頂点に立ったのが小澤さんであり、吉田氏が書かれているように、彼は「日本人の感性で西洋を説得するという革命を起こした」のだった。
小澤さんはオーケストラの指揮者だ。オーケストラの合奏は、日本の雅楽ともインドネシアのガムランとも異なる。独立した個々の演奏家が、論理に基づいてひとつの曲を構築していくのがオーケストラであり、つまり、西洋文化に根ざしたコミュニケーション様式が凝縮された組織だといえる。なので指揮者は、音楽的な才能と表現能力に加えて、そのコミュニケーション様式をすみずみまで身体化していることが要求される。小澤さんは非西洋圏に生まれ育ってそれを成し遂げたわけで、そう考えるとその偉業はとりわけ際立って見える。
小澤さんの指揮する音楽のどこが、どのように世界の人々を魅了したのか。それを精密に分析し解明して、後世の人々でもわかる形にしておくことが必要なのではないか。吉田氏が指摘しているように、小澤さんの師・斎藤秀雄が西洋のコミュニケーション文化に基づく指揮法を普遍的な形に「翻訳」したことで、それをマスターした小澤さんのような人材が非西洋圏から輩出した。次は、小澤さんの会得した指揮法を他の人でもわかる形に「翻訳」することで、聴衆を「説得」する指揮法をマスターしやすくなるのではないか。そんな夢みたいなことを考えてしまった。これも小澤さんの魔力に捉われたからだろうか。御冥福を祈る。
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ホテルなどの2次避難所からの退去期限に不安抱える避難者 石川県が仮設住宅説明会を開催(FNNプライムオンライン 石川テレビ)2月9日
避難者にとって選択の時が迫っている。加賀市のホテルが避難者を受け入れているが、2次避難所の退去期限の不安がある。そんな中、石川県は2次避難所となっている旅館などを回り、仮設住宅などの状況を避難者に説明した。
通常営業に切り替わる2次避難所も
加賀市山代温泉にあるホテル「みやびの宿 加賀百万石」。珠洲市や輪島市から6日時点で347人の避難者を受け入れている。
しかし、いま避難者はある不安を抱えている。それは2次避難所の退去期限だ。
馳知事 「今、2次避難所の旅館やホテルに入っていただいている方々も3月16日前には出ていかざるを得ないというか。次にスライドしていかなければいけないということは当然、想定されます。」
3月16日に北陸新幹線は敦賀まで開業する。すでにホテルや旅館などでは、観光客の予約が入っているところもあるという。
2次避難をしている人 「うちのところの地元は��にまだ戻れるようなライフラインも全然やし、今まで��りの生活で仕事ができるかと言ったら全然目途がまだ全然。果たして2年後になるか5年後になるか…」
2次避難をしている人 「(移転の準備は)個人でしなきゃいけないでしょ。高齢の方がどんな手続きすればいいかというのがわからんままきていて。いきなりあんたたち2週間後に出て行ってくれ、みなし仮設住宅、みなしって何やという感じで分からんままやるのもちょっとあれやなと思うんやけど…。」
「みやびの宿 加賀百万石」の平均客単価は2万5,000円。しかし今、国や市からこの旅館に支払われている金額は避難者1人当たり1万円。採算はギリギリ。
北陸新幹線の敦賀開業に大きな期待を寄せているが、この旅館では行き先が決まらない避難者は引き続き受け入れる方針だという。
みやびの宿 加賀百万石 吉田久彦社長 「不動産屋さんと被災者の方をつなぐことをさせていただいているみなし、仮設住宅と仮設住宅に行くと家賃の補助は出ても食事代の補助は出ないんですよね。食事の心配というのは一番不安なところだと思いますので、そこも何かしらの手当・支援の策を行政には考えていただきたい。」
みなし仮設住宅について県が説明
こうした中、県は7日2次避難所で今後の住まいについて説明会を開いた。
この中で県は、この旅館はおおむね3月上旬が利用期限だとした上で、仮設住宅の着工状況やアパートをみなし仮設住宅として利用する手続きを紹介した。
県復興生活再建支援チーム 谷野明勝広域避難者支援グループ長は、「今アンケート調査をおおむね1週間程度考えていただく時間を用意して、その上でのご意向を踏まえまして、みなさまのご意向にできるだけ添えるようにやっていきたい」と話す。
これに対して避難者は、「みなし仮設住宅を利用する場合の条件とかがはっきりしていなかったのが、今お聞きして自分が思っていたよりいい条件だったので良かったなと思います」・「わかっていたことを聞いただけであって、解決策には何もならんなという感じ。みなし仮設とかそんなところに入る気もないし、水道(の復旧)次第だからねちょっと悩んでいるところです」と話していた。
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supersoniclevel · 3 months
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謎のSFパロ?みたいな主ヒジの妄想〜
昨日の夜、なんか唐突に思い浮かんだので、そしてちょっと気に入ったので、書いときます。
無駄に長いうえになんかどっかで見たようなありきたりな話。 死ネタ注意。
※なんか真2みたいな、人がいるところは栄えてて近未来的ハイテク文明が発達してるけど、なんもないとこは荒れ果ててるみたいな世界観をイメージしてもらえれば……。
人修羅は、強大なチカラを持つゆえに、それを怖れるなんか大きな国?から追われている、唯一無二の怪物的な生き物。自ら人を襲うことはしないが、自分の命を脅かす者は容赦なく手にかけて生きてきた、孤独な存在。
ある日、彼は何もない荒野のはずれで、見窄らしい風体の男、ヒジリに出会う。あの国のやつか?自分を追ってきたのか?と人修羅は問うが、ヒジリはそれを否定し、一人で旅していたが遭難したのだと言う。自分を必要以上に恐れたり、害しようとする気配のない彼の様子を見て、人修羅はそれを信じ、彼を殺すのをやめる。 ヒジリはよかったら助けてくれないかと訴えるが、人修羅はこれを断りその場を立ち去る。 しかし怪我をしていてほとんど活動できないらしいヒジリのことがなんとなく気にかかり、時折様子を見たり、しばしば食べるものを分けてやったりするうちに、少しずつ親しくなる。 ヒジリの怪我が良くなると、もっと良い寝床を探して二人で荒野を探索し、食べ物を探して分かち合い、ともに眠るようになる。
そんな生活がしばらく続いたある朝、人修羅は眠り込んでいるところを武装した集団に襲撃される。深い傷を負わされながらも敵をすべて返り討ちにした人修羅は、同じ火を囲んで眠っていたはずのヒジリの姿がないことに気づき、事の次第を察する。
わんさと襲いくる敵をちぎっては投げながら、彼らの移動式の拠点に乗り込んでいく人修羅。中の人間を残らず殲滅しながら進んだ一番奥に、とうとうヒジリが隠れているのを見つけだす。彼の胸ぐらを掴んで引きずり出し、肉薄してたずねる。 「あんたが、俺の居場所をこいつらに知らせたの?」 しかし彼は気丈にも笑みを浮かべる。 「まさか。そんなことができるなら、もっと早く助けを呼んでるよ」 しかし明らかに居場所がリークされているとしか思えない状況に、無言のままの人修羅の気迫も強まる。ヒジリはトーンを変えず、「……俺はな、こいつらの奴隷なんだよ」と告げる。 「俺の体にはチップが埋まってる。どこにいても管理できるようにな。だが、たかが奴隷一人のために助けなんかくるものか。俺は見捨てられて、あのまま野垂れ死ぬはずだった。だが……おまえが現れた。おまえが近くにいるとわかれば、もしかしたらこいつらも動くかもしれん。そう考えたのさ」 本当に来るかどうかは賭けだったが……と皮肉っぽく笑うヒジリを見詰める人修羅の脳裏に、彼と一緒に過ごした時間がよぎる。他愛もない話をしたこと、食べものを見つけて喜んだ時のこと、寒さに身を寄せあって眠ったこと…… そして人修羅は力なく言う。 「……残念だよ、ヒジリ。俺、あんたのことだけは好きだった」
あたりに無数に転がっている死体たちのひとつとなったヒジリを見下ろしながら、彼が死の刹那に、そうか、とだけつぶやいてのぞかせた優しげな表情を、人修羅は思い返している。 彼はしばらくその場に立ち尽くしていたが、やがて何も言わずきびすを返し、一人きりでまた、いずこかへと消えていく。
おわり。
補足📦
読み返したらなんかわかりにくいな?と思ったんですが、ヒジリは母国へ通報をしたのではなく、自分の状態が常に発信され管理されてることを利用して、人修羅の存在を向こうに気づかせ、自分のところへ来るように仕向けたという感じです……
蛇足🐍
ヒジリは助かりたい一心で人修羅くんを利用することを考えたけど、救援が来なかったら来なかったでそれもいいかなと思ってて、しかし本当に救援が来ちゃったのでそこでわざわざ人修羅を庇い立てするほどでもなく、かと言って彼の信頼を裏切ったことに対して何も思わないわけではないみたいな……。
真3の本編もそんな感じだったんじゃないかな〜って、おもってます。けっして善人ではないけど悪人でもなく、人情はあるがそれには流されない、みたいな。そんなイメージです。ヒジリは。
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takachan · 4 months
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2023 年の Bard 活用方法トップ 10を発表
今年 5 月の日本での提供開始以来、多くのユーザーに試験運用中の会話型生成 AI サービスの Bard を使っていただいています。本日、2023 年の Bard 活用方法を発表します。このランキングでは、各活用方法における詳細や最新機能も含めた Tips に加えて英語版との比較を併せてご紹介します。このランキングが、まだ Bard を使ったことがない人や日常的には利用していない方が、Bard をどのように使えるかを知ってもらうヒントになれば幸いです。 .ranking-table { font-family: 'Google Sans', 'Noto Sans CJK JP', 'Noto Sans JP', 'Noto Color Emoji', sans-serif; font-size: 16px; border-radius: 20px; border: solid 1px #BDC1C6; border-collapse: separate; border-spacing: 0; background: linear-gradient(90deg,#4285f4,#9B72CB,#D96570); margin: 0 auto;} .ranking-table th { color: #fff; padding: 12px; text-align: left; } .ranking-table th:first-child { border-radius: 20px 0 0 0; } .ranking-table th:last-child { border-radius: 0 20px 0 0; } .ranking-table td { border-collapse: collapse; background: #fff; padding: 12px 24px 12px 12px; border-top: 1px solid #BDC1C6; } .ranking-table tr:last-child td { border-radius: 0 0 18px 18px; background: #e9eef6; text-align: right; font-weight: normal; } .ranking-table td:first-child { font-weight: bold; } 順位 総合 1位 事実に関する調べもの 🔍 2位 専門的なトピックの相談 🧑‍🏫 3位 プログラミング 💻 4位 翻訳 🌐 5位 文章の編集 📝 6位 雑談・おしゃべり 💬 7位 新たな見解を得る 💡 8位 要点をまとめる 📋 9位 言葉を調べる 📘 10位 文章を完成させる ✍️ 日本, 2023年5月10日〜11月15日 情報収集に関する活用法が上位に 日本語のランキングにおいては、調べ物や相談など情報を幅広く調べる“情報収集”に関する活用方法が多くランクインしました。 “情報収集”の中でも、1 位には 「水の沸点は、気圧によって変わりますか?」や「sin 90° = ?」など、単一・複数の明確な答えを探す「事実に関する調べもの」に関する使い方がランクインしました。 2 位には、「セキュリティ対策を強化したいのですが、どのような対策をすればよいでしょうか?」や「数学が苦手で、点数が伸びません。数学の勉強方法について、アドバイスをお願いします。」など、歴史、文学、経済や最新のテクノロジーの説明などの専門的な領域でどうしたらいいのかなどの相談を含めた「専門的なトピックの相談」のような使い方がランクインしました。 そして、9 位には「七転び八起きの他の言い方教えて」や「インターネット上でコンピューターやサーバーなどの IT リソースを提供するサービスをなんと呼ぶ」など、特定の意味を持つ単語や説明に基づいて固有の名称を調べる辞書の逆引き検索のような「言葉を調べる」使い方がランクインしました。 一般的に、Bard を調べ物や相談など情報を幅広く調べる“情報収集”に利用する際には、自分が質問している背景や目的、状況などを説明文に加えると、 Bard も質問に沿った回答をしてくれます。例えば、「冬休みで習得できることを教えて」���いう質問を、「小学校 4 年の子供に冬休みの理科の研究で最適な 10 テーマ」と自分の状況や背景を詳しく伝えると、より精度の高い回答を得られます。また、一般の情報検索と異なり、Bard は、前回の会話の文脈を理解しているので、例えば先程の会話の続きとして、「その中から 2 週間でレポート作成するまでに最適のテーマとスケジュールは?」など、続けて会話をすることで、検索テーマについて“深掘り”していくこともできます。 プログラミングなどの専門的な使い方や文章作成のサポートにも 3 位には「プログラミング」、4 位には「翻訳」と専門的な使い方も上位にランクインしました。プログラミング分野では、「音声ファイルを MP3 形式に変換するための Python のコードを作成して」や「以下の HTML コードのバグを修正して」などのコード作成から作成したコードの説明とそれに対する修正案の提案、「Google スプレッドシートで、ある範囲で値が『参加希望』を数える関数教えて」などの関数まで、コードの作成・理解・修正全般における幅広い活用方法が見られました。 翻訳においては、「ontological を日本語にして」などの特定の単語の翻訳だけでなく、「次の日本語の文章をビジネス英語にして」や「『帯に短したすきに長し』を中国語と韓国語で 3 つずつ例をだして翻訳して」など、状況や言語ごとでの使い分けでも活用されていました。 ビジネスから日常シーンにまで役立つ文章作成サポート 5 位の「文章の編集」や 10 位の「文章を完成させる」など、文章作成時のアイデアやサポートも多く見られた使い方でした。 文章修正では、「以下の文章の流れや構成を修正/分かりやすくしてほしい」や「表現を自然にして」などの全体的な流れや言い回しの修正に使われていました。また、「以下を仕事の取引先に送る丁寧なビジネスメールにして。『今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。1 月 8 日から出社します。』」などビジネスシーンなどの状況に併せた文章作成などでも活用されています。日本語だけでなく、「下記の英語の文法を確認して」や「この英語の文章をビジネス英語/プレゼンテーション用にして」など、多言語での修正でも活用されました。 「文章を完成させる」では、「以下の文章の続きを補完してほしい」や「以下の文章をより充実したものにしてほしい」など、途中から言葉が浮かばない時や内容が不十分な際に Bard に文章作成をサポートしています。例えば、「お世話になった先生に年賀状を書いてます。続きを考えてください。- 昨年もお世話になりました。同窓会で久しぶりにお会いできて、嬉しかったです。今年は…」などと質問すると、 Bard が文章の続きを回答してくれます。 Bard には、回答の長さや口調を 5 つのオプション(短くする、長くする、シンプル、カジュアル、または専門的な表現にする)に変更できる機能があるので、例えば上記のようなビジネスメールを作成してという質問の回答をワンクリックで長くしたり、短く簡潔にしたりすることができます。 専門的な用途だけでなく、話し相手などの日常的な用途にも 6 位の「雑談・おしゃべり」では、「久しぶりに会う友達と英語で話すための練習相手になって」や「ラーメン食べたい」など、個人的なつぶやきに答えてもらうなど Bard を会話の相手にする活用方法がランクインしました。7 位にランクインした「新たな見解を得る」では、「カツ丼は卵とじかソース派か」や「2つのグループに分けてディベートして、たいやきは頭から食べるか尻尾から食べるか?」など、多様な視点から特定のトピックを分析するために使われていました。 8 位の「要点をまとめる」の質問では、「下記の文章をまとめて」や「関ケ原の戦いについて理解を深めるために質問を 10 個考えて」など文章や特定のトピックの要点をまとめる使い方がランクインしました。また、質問もしくは回答への続きとして「それぞれの答えと合わせて表でまとめて。」と付け加えると表で回答を表示してくれ、それをそのまま他のドキュメントにコピーすることもできます。 また Bard の機能を使うことで、もっと簡単に自分の得たい回答を便利に得ることができます。Google Lens を活用すると写真での質問ができるため、例えば、散歩中に気になった花の写真を撮り、Bard に花の種類や育て方を聞いたり、「冬休みに行く日光 2 泊 3 日の旅行でおすすめの場所を写真つきで紹介して」などへの回答を写真とともに得たりすることができます。 英語ランキングとの比較… http://japan.googleblog.com/2023/12/2023-bard-10.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=tumblr Google Japan Blog
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vsngrv · 6 months
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ある新興SNSの終わり
Pebble(旧T2)が11月1日を以てサービスを終了すると発表した。
Pebbleの生い立ちは英語版Wikipediaに譲るとして、上手くいかなかった原因を考えてみる。
招待制の時代に𝕏のアカウントによる審査を要求した
まだ招待制だった頃、待機リストに登録するには有効な𝕏(旧Twitter)のアカウントを指定する必要があった。
これはT2時代から運営が言論統制をしいていて、問題のある単語が入力内容に含まれると投稿出来ないシステムになっていた。待機リスト登録時点で𝕏のアカウントを見る事でその人がどのような投稿を行うかを審査し、問題ないと判断されれば10日程で招待コード(実際は招待リンク)がメールで送られてくる。一方問題があると判断された場合はいつまで経っても送られてこなかった。Blueskyで中々招待コードが送られてこない事を既に知っていたため私は普段から使っている3つの𝕏アカウントそれぞれで待機リストに登録していたが、3つの内2つは上記の通り10日程で送られてきたものの、柵を廃した転生アカウントで現在唯一使用している3つ目のアカウントだけは投稿数が少なく判断に迷ったのか、2か月半経って漸く招待コードが送られてきた。
9月中旬にT2がPebbleに名称変更するのに合わせて招待制は終了し、誰でもアカウントを作れるようになった。
しかし蓋を開けてみれば、やっている事は招待制の時代と同じだった。最初に𝕏のアカウントの入力を求められる。単純な煩わしさは勿論、誰もが𝕏の代替を求めている訳ではない事をPebbleは失念していた。既に新興SNSはいくつもあり、とうの昔に𝕏のアカウントを削除してしまった人も大勢いたはずである。Pebbleはそんなユーザー候補を審査によって締め出してしまった。
プロフィールの登録が完了する前にアカウントが公開された
他のSNSではプロフィールが初期状態のままでもすぐに投稿する事が出来るが、Pebbleではプロフィール文と画像を登録しないとHomeページに遷移出来ない仕様になっていた。
これは私が2つ目のアカウントを登録しようとした時に起きた事だが、マルチバイト文字の処理に不具合があり、特定の文字列の組み合わせでプロフィール文を保存出来ない事態が発生した。既に画像の方は登録していたが、この不完全なプロフィールの状態で戸惑っている間に通知バッジの数値が上がり始めたのである。T2の時代は招待リンクを使ってアカウント名とメールアドレスを登録及び認証した時点で自動的に創業者3人がフォローしてくる仕様になっていたが、数値は4以上に上がっていた。つまり既存のユーザーは私のアカウント画像と、もしかしたら保存されていたのかも知れないユーザー名と所在のみでフォローしてきた事になる。これには恐怖しか感じなかった。
不具合について運営にメールを送っても1回目は相手にされず、1週間後に2回目のメールを出して漸く対処方法を記した返信が来た。と言っても「ラテン文字のみで入力して下さい」という、修正する気があるのか全く判らないものだった。実際、この不具合は最後まで解消されなかった。結局プロフィールは全て英文で書いた。
誰もが国際交流を望んでいる訳ではなかった
���がT2時代に使っていた当初から言語を気にせず誰もが気軽にリプライを飛ばしていた。機械翻訳すれば何とかなるため、私も特に気にせず機械翻訳を通してリプライをしていた。
しかし翻訳ボタンが設置されて、Google翻訳で翻訳出来る言語なら何でも翻訳出来るようになった事で状況は一変する。
従来の何倍もの頻度で英語やフランス語、イタリア語でリプライが来るようになった。しかもGoogle翻訳はお世辞にも精度が良いとは言えない。機械翻訳による誤訳に基づいた勘違いリプライが多発するようになった。それに対して「それは誤訳だよ」と言った所でその日本語を機械翻訳が誤訳すれば元も子もない。日本語でリプライするのは諦めてDeepL等を駆使して可能な限り正しいと思われる英文に翻訳してからリプライするよりほかなかった。
本来は楽しいはずの国際交流が機械翻訳の誤訳によって余計な負担を強いられるようになり、投稿頻度は減っていった。そして遂に我慢の限界に達した私は1か月半程前にPebbleのアカウントを放置した。誤訳を考慮しても気軽に出来る国際交流を楽しんでいる日本人はある程度いたが、私には無理だった。
終了の予兆
Pebbleがサービスを終了する予兆は1か月程前から既にあった。
まず唐突に招待コードが大量に追加された。大量のコードに対して「一番沢山招待した人を投稿上で表彰する」と言った。人が集まらないのでもっと呼んでくれという事だったのだろう。しかし結果はユーザー数を見ればご覧の通り、5000人程度しか増加しなかった。
2つ目はプレミアムハンドルに課された義務が結局行使されなかった事だ。アカウント名が8文字未満のアカウントは30日以上ログインしないと予め入力を求められる予備のアカウント名に変更されると規約には記されていた。過去に開発担当のミスでその時に送信されると思われる警告メールが全ユーザーに届いた事があり、1か月以上放置している私のプレミアムハンドルのアカウントには当然それが届かなければおかしかった。しかし優に1か月を過ぎているのにメールが届かない。試しにログインせずに直接プロフィールページにアクセスすると、プレミアムハンドルのままになっている。既に確立しているシステムが不具合を起こすとは考えにくい。これもユーザー数が足りず、規則を厳格に行使する事によるユーザー離れを防ぐのが目的だったと思われる。
3つ目は営利企業なら当然利益に結びつく施策をするはずだが、それらしき素振りが全く見られなかった事だ。国産新興SNSであるタイッツーを見れば解るが、運営資金を得るために様々な策を実施している。いつまでも投資家におんぶに抱っこしている訳にはいかない事は運営も解っていたはずなのにビジネスモデルを確立出来なかった。心地良い空間を作る事にばかり腐心して運営を維持する事を後回しにしてしまった事で既に取り返しのつかない事態になっていたと思われる。
Pebbleの未来
サービスを終了するという事は、新たな投資家が現れなかったという事だ。
やろうと思えばクラウドファンディングで運営資金を集める事は出来たかも知れない。しかし仮にユーザー全員がそれに賛同して資金が集まったとしても数か月の延命が限界だろう。もし実施後にサービスを終了したら、お金を持ち逃げされたと勘違いした人が批判の刃を向けて最悪のサービス終了になる。そうなる位なら潔く止めた方が後腐れなく綺麗に終われるはずである。
何処か体力のある企業が買収してサービスを続けてくれればと思うが、叶わぬ願いだろう。同様にサービス終了までに新たな投資家も望めそうにない。
さようならPebble。短い間だったけどありがとう。
開発担当がMastodonでサーバーを開設
Pebble Social
https://pebble.social/
サービス終了当日になって動きがあった。Pebbleで開発を担当していたGabor氏がMastodonにサーバーを建てた事が明らかになった。
先にBluesky上でも「T2/Pebble Pub」の名前でカスタムフィードが作成されたが、万一既にハンドル名が使われていた場合にどうやって本人と証明するのか問題があった。新規のサーバーであるこちらならそのような心配はほぼない。チェイン投稿出来ない点とAI投稿補助機能がない点を除けばPebbleは勿論、𝕏にも最も近いため機能面の心配もほぼない。
何故『ほぼ』と断ったかというと、pebble.socialにはmastodon.socialのような翻訳ボタンがないからだ。
翻訳ボタンはPebbleに於る国際交流の要となる機能だ。これがないと一々翻訳サイトを介すか、翻訳機能のあるMastodonのWebアプリを頼らざるを得なくなる。現状ではかつての気軽に出来る国際交流が成り立つかは見通せない。
それでも私はアカウントを作ったが、既にMastodonには雑記用に加えて目的特化のアカウントが複数あり、書く事が思い浮かぶかは判らない。「実験的」と断っている事もあり、安定した運営が続けられるかも疑問符が付く。しかもT2/Pebble同様の審査制を始めてしまい、再び敷居が高くなってしまった。安全を重視し過ぎる余り、交流を二の次と考えているのかと思われる恐れがある。
Gabor氏がT2/Pebbleについて振り返った記事がMediumに投稿されていた。
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shukiiflog · 6 months
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ある画家の手記if... 雪村絢視点 告白
真澄さんとそういうことをした。 …いや、まだしてない、…たぶん。
うちは食事も生活も基本三人バラバラで、それぞれがいつも同空間で好きなように動くけど、顔合わせるのを避けてるわけでもないから意図せず意外なとこで遭遇することもある。 豪邸じゃないんだしエンカウントはそこまで意外ってわけでもないけど、風呂場とかで遭遇すると俺は最初けっこう遠慮してた。 ちょっと前まで真澄さんには潔癖症疑惑あったし、それは俺の深読みだったっぽいけど。光さんは女性だし。 家族ってどこまでこういう部分の距離近いもんなのかなとか。決まった模範的な距離感があるってんじゃなくて家ごとに事情は違うんだろうけど。
一応俺は二人ともに「赤の他人だとして」ってスタートラインから始めてた。それがいろんな面で一番安全かなって。 そしたらガキの俺じゃなくて大人の二人のほうがグイグイ距離詰めてくるからマジでなんなのって最初は思ったな。 マッパで風呂場でばったり出くわしても真澄さんはまあ男同士だからそんなビビらなかったけど、光さんも男の俺に恥ずかしがるどころかけろっとして「いっしょにはいる?」とか言い出すし、俺のほうが反射的に光さんの体から目線そらして脱衣所から出てこうとしたくらい。 俺がそのへんの線引きに迷ってた時期に、二人とも俺が風呂入ってるとこに偶然みたいな顔してわざわざ来てまったく遠慮なく同じバスタブにごく自然な感じで入って来るのが続いて、それでエンカウントした場合は問答無用で一緒に風呂入ったり体洗うって習慣が我が家に根づいた。親二人がサイレントグルだろ。…たぶん俺が二人と本当は距離詰めたいし仲良くしたいけど踏み込めなくて迷ってるのを察された。
今日は真澄さんとエンカウントした。 翻訳で引っかかる箇所があってそのこと考えてたら真澄さんが先に風呂入ってるのに気づかなくて。おとなしく真澄さんの横で体洗って、髪の毛は真澄さんが洗ってくれた。 俺も真澄さんの髪の毛を洗う。髪の毛洗うのは得意。頭皮って性感帯だったりするし、歴代彼女の髪をよく丁寧にキューティクル傷めないように洗って乾かして仕上げたりしてた。 真澄さんの髪はパーマでちょっと傷んでるけど、こういうパーマは少し傷んだ髪のほうが長持ちするから、かえってトリートメントとかダメージ補修とかしないで雑に洗ったり、タオルドライだけで自然乾燥のほうが雰囲気出るんだよな。 二人とも汚れを落として、あったまるためにバスタブに並んで浸かる。俺と真澄さんが一緒に入ったら、ギチギチってわけじゃないけどそんなにスペースの余裕はなくなる。 真澄さんは俺の横でバスタブのふちに片腕乗せていつも通り悠々としてる。…その仕草すげー自然だけど真澄さんじゃないと自然にキマんないやつだろ… 真澄さんが俺のほうに首を傾げた。口から出てたかな今の。お湯があったかくてちょっと頭ぼーっとする。 暗い色の髪の毛が濡れてる。長い前髪が今はてきとうに後ろにかきあげられてて、彫りの深い顔立ちがよく見える。彫りの深い顔なら留学先でめっちゃ見たけど、西洋人のと真澄さんのってなんか根本から違うよな。 パーマのうねりが濡れた髪の毛を艶々光らせてムースでかっこよくまとめてるみたい。俺もこういう髪型似合うようになりたいな、ワイルドめなオールバックみたいの。 水面から出てる膝に真澄さんのほうを向いた横顔を乗っけて、横から話しかける。 「ねえ、何したらこーいう体になんのー」 真澄さんの体をまじまじと見ながら訊く。 「こういうとは?」 訊き返された。 「強そうな感じ…」 知能指数いくつまで落ちたんだよって返答が口から出た。でもまあ乱暴に一言で言うとそういうことだよな。 なんかだんだん恥ずかしくなってきてあとから詳しい説明をつけ加える。 「…いやこうして並んだら俺の体ペラッペラの棒で完全に骨じゃんこういう体じゃなくて筋肉とか骨とかしっかりしてて戦えそうで体ひとつでも危機を乗りきれて男が惚れる男的なそういう体だよ」 なにこれここまで言わせんの真澄さん残酷!!ってまくし立てながらお湯をバシャバシャさせて水面を叩く。なんか恥ずかしいけど楽しい。 「ほう?身体目当てかいお兄さん」 照れをごまかすのにふざけてたら乗ってきてくれた。 「口説き文句にしちゃ助平だな」 「だって身体目当てだからね!」 水面から出てる真澄さんの胸板に頰をぺったりくっつける。お互いに濡れてるからしっとりしててほっぺたが吸いつくみたいにくっつく。 俺が体から力抜いて完全に寄りかかっても重たそうとか痛くないかなとか、そういう危なげが全然ない。 「胸板あつい…なんてーか肋とかがガリガリに浮いてない…惚れる…」 ぴとってくっついたまま目を閉じて胸板を堪能してたら真澄さんにぎゅって抱きしめられた。 俺が真澄さんに触れるのを躊躇わなくなってから、真澄さんも俺に気軽に触れてくれるようになった。嬉しいけど、でも態度に出さないけどまだちょっと恥ずかしいっていうか照れるっていうか、幸せなのがくすぐったいような、慣れない。悪い意味じゃなくて、そんな簡単に慣れられないよ、ドキドキする。 どこかで遠く感じてた叶わない届かないはずだった慕ってる憧れの人が、その人のほうから俺に触れてくるんだから。 「………」 体重預けて顏すり寄せてたら、ふっと急に意識が切り替わった。 ここバスタブで…真澄さん全裸じゃん、いや家の中でもシャツの前全開だったりするからすごいレアリティ高い眺めってわけじゃない…違うそっちじゃない俺も今全裸なんだって!!! 抱きしめられてて 反応した体に自分でもだいぶ意味がわかんなくてあらゆる意味で動揺する 目視でバレないようにバスタブの中で無駄に水しぶき立てて立ち上がった、バスタオルをひっつかんで体を隠して「のぼせたから俺もう上がる!!!」ってしょぼい捨て台詞みたいに言って風呂場から走って逃げた。 風呂から逃げてきて書斎のベッドの端っこにバスタオルにくるまって膝を抱えて小さくなって座る。 …俺、真澄さんにそういう気持ちあったっけ。それとも気持ちとかなくてもなんか生理的な体の動き? たぶん敬愛とか憧れとかって表現するようなやつかと思ってた、今は家族愛とかって言ったりもできるのかな。とにかく恋愛とか性欲とかとは縁がないようなやつ。…家族や親子間では性欲や恋情は湧かないものだ、なんて思ってないけど。 でもなんだろう…思慕はあると思う、助けてもらった恩義とか依存とか刷り込みとかでもなくて。真澄さんはそういうことになるのを避けてた気がするから。 触れられると嬉しい。嬉しくて少し切ないような、胸がきゅっとなる、いつもちょっと泣きそうになる。それでも定期的に肉体関係を持つような真澄さんの恋人になりたいとかって気持ちはないよ。…なんだろう…これ 「……っくしゅ」 変なくしゃみ出た。湯冷めするな…ジェラピケ着よう。 最近買ってもらったフードに長いうさぎ耳がついてるやつを着て、ベッドに座ってあったかい白湯をいれて飲みながら、自分の気持ちについてじっと考える。俺は結局何がどうなりたいのか。自分の望みを把握するのがまだまだ下手だから。
ーーーーーで、色々すっ飛ばして今こうなってる。 一人でごちゃごちゃ考えても本人が目の前にいないと自分の気持ちってよく分かんないよなとか思ってそろりそろり真澄さんのいる寝室に行って、ドアの隙間から「入っていい?」って訊いたら「いいよ」って言われたか…ら 真澄さんとそういうことをした… いや、まだしてない、たぶん…。いや厳密には性的行為の範疇だろうけどさ ちょっとふざけて悪ノリでじゃれたとかとは違ったじゃん…てか実際にされたこともだけど真澄さんの手つきがもうそういうこと一択だったじゃん…なんであそこでやめたんだろ 俺…が気持ちいいことしてもらった…だけで…ちょっともやもやする…し、…でも最後までするつもりだったのに俺がなんか萎えること言ったりしたり…したのかもだし… ていうか真澄さんとキスした…いやなにキスくらいでテンションあがってんの、光さんにいつもしてるしまこにも不意打ちでしたし香澄にもよくするし? いやなんか違う…ああいうキスは普段の軽いやつと一緒くたにできない…あちこち撫で回されて指入れられて弄られながら喘ぎ声を遮られてだろ…真澄さんの手つき全体的にやらしい…もーなんだよ思い出してるだけで腰抜けそうだし体あつくなってきた… 男の人に抱かれたのはこれが初めてってわけじゃない、優しく抱かれたのも。でもあの人も丁寧で時間かけて優しいやり方だったけど…甘い感じ、だった。真澄さんのはやらしい感じ…。まだ全体像知らないからなんとも言えないけどさ…。 後ろ弄られたのめっちゃ久しぶりだった。俺だけあんなに乱れて真澄さんは息一つ乱してなくて終わりって…俺が恥ずかしいだけじゃん… ふしだらなやつとか思われたかな… ちゃんと生活はしようと思ってお湯を沸かす。 ぼんやりあれこれ考えるけどどうしても昨日の光景やされたことが頭に浮かぶ。 結果、ポットを火にかけてるのを忘れかけたり、料理したらどっか間違えたのか微妙に不味いし、本読んでても頭に入ってこない。 このまま放置されて終わりはきついと思ってせめて一人で出しちゃおうって思った途端に書斎に真澄さん来るし…。本取りに来ただけだったらしいけどノックだけじゃなくてドア開けられたら完全に終わりな格好してたから咄嗟に「入ってこないで」って追い返しちゃったし。 年頃の男子が部屋に入られそうになって焦って断固拒否する理由とかそんなバリエーション豊富にないだろ、バレたよもう…。ああああー。 一人だと思って油断したタイミングで来られるのが一番焦るから結局書斎をでてリビングにいたり廊下にいたり家の中あちこちの床に座って丸くなる。なんでかそわそわするから一箇所にじっとしてもいられない。 挙動不審の言い訳にでもなれと思って読みかけの本一冊だけ連れ歩いて読んでるフリ。当然バレてても言い逃れようとさえすれば二人ともそういうことにしてそっとしといてくれたりするし。そうです俺は今日床のすみっことかに溜まるユーレイなのでほっといて、もし見かけても無視して。 キッチンの床のすみっこで膝抱えて小さくなってたら、飲み物取りにきた真澄さんと目があった。ユーレイなのでジェラピケのフードを被ってるから顔の横に長い耳がぺったり垂れてる。ちなみに昨日着てて汚したやつじゃないから。うさぎ耳の服はいくつもあるし。 通り過ぎざまに黙ってフードの上から頭をくしゃくしゃ撫でていかれた。うさぎ耳の向きが乱れて変わる。 「……。」 呆れられたとか嫌われちゃったわけじゃないのは、一応わかってるよ。…たぶん。
けどそれもどっちつかずで結局もだもだして心の整理にめっちゃ手間取ってたら、夜になって部屋に呼ばれて なんと昨日の一回で終わりじゃなかった。
真澄視点 続き
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satoshiimamura · 8 months
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第5話「英(げんそう)雄」
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 三十年前に何があったのか、獅子夜ゆ��ぎはよく知らない。ただ現時点で分かっているのは、空中楼閣の多くを撃墜し快進撃を続けていた人類が、大敗したという事実のみだ。だが、と彼は思う。
 もしも、この銀色に輝くイカロスが三十年前の平均的な動きをしていると言うのなら、今のイカロス搭乗者たちは絶対に空中楼閣の攻略は不可能だ。それ程までに、この機体の動きはレベル違いだった。
「損傷四十パーセント、動力部は無傷ですがこのままのペースで壊れれば、あと十分もしない内に完全破壊されます」
 ゆらぎの予測に、右近は苛つきながらも青のイカロスを操作し、ギリギリで相手の攻撃を致命傷にしないようにしていた。
「ッ!?」
 再びノイズが頭を通り抜ける。直後にイカロスの右足が持っていかれた。
「動力部への影響出ました。完全破壊までの時間を下方修正し、あと六分以内です」
 度重なるノイズに頭を抑えつつも、ゆらぎはオペレートをやめない。やめた瞬間に貫かれるのがオチだ。
「……相変わ��ず化物染みた戦闘力だ」
 ボソリと右近が呟いた言葉に、ゆらぎは尋ねる。
「ちなみに前回はどのように対応を?」
「ナンバーズ成り立てだったんですが、手も足も出ず五分もせずに撃墜ですよ。左近も同じでした」
 ただ、とそこで右近は奇妙なことを口走った。
「アレとやりあって負けると、大抵パイロットよりもオペレーターの方が気分を害するんですよ。俺も左近もオペレーター適正がそれなりにありますから、試しにお互い組んでみたこともありましたが、確かに気分が悪か���た」
「オペレーターだけが?」
「心打ち砕かれるのはパイロットですが、気分を害する表現なのはオペレーターですね」
 その言葉にゆらぎはハッと気づいて、エイト・エイトを呼ぶ。そして「はいはーい」と言いながら現れたホログラムの彼に、ゆらぎはとんでもないことを告げた。
「エイト・エイトさん、ハッキングの手伝いをお願いします」
「ハッキングだけで良いの?」
「クラッキングできる自信あります?」
「ジャミング程度なら」
「じゃあ、それで」
 リズム良く告げられた内容に「は?」と疑問符を付けたのは珍しく右近だった。
「え、獅子夜くん何をする」
 つもりですか、を右近が続けることができずに、イカロスが揺れる。
「右近さん、なんとか時間稼ぎをお願いします」
「時間稼ぎって」
 詳しい説明は後ですと言い返し、ゆらぎはエイト・エイトとともにノイズの原因を探る。
 それはダイブに近いものだった。いや、脳に情報をインプットさせるのではなく、情報に自分の写身を投影させるのだから、真逆ではあるのか。ゆらぎは自分自身の脳波を信号に変えて、精神を乗せ、アバターを介して電脳の世界へと潜り込む。
 そこではいくつのもの複雑な情報が流れていた。それらは時に映像に、音に、感触に、熱に変換されていく。その逆もしかり。そして、彼の予想通りに、情報の海の中には、外部からの干渉の痕跡があった。
「エイト・エイトさん! 伝っていきますので補助を」
「はいよ」
 真っ暗闇の中に記されたか細い線は、煌めく糸か、あるいは蜘蛛の糸かは分からない。今にも途切れそうなそれらを引き寄せていくゆらぎの意識は半分、イカロスから離れていた。
「……こんなことが可能だったなんて」
「オレも技術だけは知ってたよ。でも、知ってる限り誰もしてなかった。獅子夜くんもよくできると思ったね」
「いえ、おれも思いつきです。でも、これは」
「ああ、対イカロスだけじゃないだろうね」
 この技術は、そもそもオペレーターが外部の情報を求める時の状態に近い。それでも、意図的に他の機体へ意識を向けるなんて大技が可能だとは、ゆらぎは思ってもいなかった。連続したノイズとオペレーターたちが抱く不快感。そこからの閃きだ。
「獅子夜くん!」
 エイト・エイトがゆらぎに可視化した情報を渡す。
 電脳の世界では、いくつものセキュリティと称した防護壁が聳え立っていた。そして、その前に立つAIの姿も現れる。
 そのAIは長身の男だった。きっちりと着込んだ姿、柔和で糸目のように細められた目。ただ微笑みながらも、彼はここから先へは行かせないと言わんばかりに立ち塞がる。
「やぁ、きみがナンバーズの新しいオペレーターだね」
 親しげな口調、だが感情はよく分からない。
「あなたは……」
「あんたは、まさか一番の」
 ゆらぎが問いかける途中で、エイト・エイトがその正体の一端を口にする。だが、それに男は返答はしない。
「さぁ、きみの力を見せてくれ」
 そう宣言だけして、AIはゆらぎへ攻撃を始めた。やはり、大量のノイズが実体化して電脳世界のゆらぎを襲う。
「くっ」
「獅子夜くん、ここはお兄さんに任せて。正面衝突のとき、AIにはAIだよ」
 エイト・エイトが大量のノイズを捌き始める。その隙をゆらぎが見逃すわけはなかった。一瞬にして、AIの背後を取り防御壁を最低限だけ壊していく。意外なほど単純な暗号で、罠さえ疑うほどにあっけなくそれらは壊れていった。
「やっぱり。このプログラムは、おれたちオペレーターに干渉するために防御が薄いんだ! あとは内部の構成を分析できれば」
 防御壁の先に隠れていたものを暴こうと、さらにゆらぎは先にすすんだ。
 そして、この銀色のイカロスを動かす中枢が姿を表す。
「……え」
 現れたそれらは、電脳の情報と呼ぶにはあまりにも不可解だった。コックピットが整備され、それらを取り巻く視界はゆらぎと同程度の精度だ。だが、本来何もないはずのオペレーターの座席にはマスコットが置かれていたり、パイロット席にはポップなシールが貼られていた。
 無機質なものではない。誰かが使っていると思われる場所だ。
 丹念に、丹念を重ね。執念に執念を塗り込み。そうして念入りに作り込まれた幻は、もはや現実にも等しいほどのリアリティを抱く。
「ーーッ」
 ゆらぎの視界が電脳の幻に飲み込まれそうになった。現と幻の境目が溶けそうになった時、二人の人間の影が見えた。
 それは先程見かけたAIではない。
 一人は少年だった。ゆらぎとそう年齢は変わらないだろう。快活そうな顔つきをしていて、なんだか楽しそうだ。対しもう一人は、少し年上の少女……というよりも女性だった。こちらは気弱そうな顔つきで、けれど微笑みはなぜか安心できた。彼らは互いに手を繋いでいた。そして、明らかにゆらぎの存在を認識していたようだ。
 女性がやわらかな笑みを浮かべ、手を差し伸べる。一瞬、ゆらぎは手を伸ばしそうになった。ハッとして、彼は睨みつける。だが、その様子すら少年や女性には気分を害するものではなかったようだ。
 彼らは手を伸ばしたまま、言葉を発した。
「アナタ ヲ シリタイ」
 その瞬間、その音質、その違和感は尋常ではなかった。
「ーーっ」
 背筋が震え、敵意が生まれ、拒絶の感情が膨れ上がった。何もかもが異質。異常。ありえないほど人間に似た何かは、想像を絶する程度には人間でなかった。AIでもない、ゆらぎが出会ったこれまでの何もかもに似ても似付かぬ何かだった。
「やっぱり、違和感は拭えないんだね」
 いつの間にか、先程の長身のAIが悲しそうにコックピット内に立っていた。大して表情は変わっていない。だが発せられた電子の声だけが、こんなにもこのAIは人間に似て、感情を零し、執念を露わにし、執着を人間の形をした何かに向けていたのが分かる。分かるだけに、ゆらぎはなおさら、銀のイカロスを操縦する二人の存在が何だろうかと思った。
「それは……それは誰を模倣したんですか!」
 恐怖を押し殺し、怒鳴るようにゆらぎはAIに問いかける。だが、AIは微笑むだけで、やはり明確な答えを告げない。
「さぁ、誰だと思う?」
 AIの言葉で、ゆらぎはエイト・エイトとともに強制的に銀のイカロスを操る何かから弾き出された。
「調べるのなら、正攻法じゃうまくいかないよ」
 AIのよく分からないアドバイスだけが、ゆらぎの耳に届く。
 ハッとしたゆらぎは時計を確認する。たった二分しか経っていないが、それでも彼が乗るイカロスは撃墜していなかった。
「お帰りなさい、獅子夜くん。早速ですが、そろそろオペレートをお願いします」
 汗だくと息切れをした右近が、パイロット席から声をかける。その言葉にゆらぎは「はい!」と大きく返事をした。
「成果は」
「あります!」
 そのままゆらぎは、これまでセンサを邪魔してきた、ありとあらゆる銀のイカロスからの干渉を退けていった。その甲斐あってか、ようやく敵の姿が現れる。
「なるほど、ジャミングどころか情報の書き換えですか」
「まさかの敵に向けて、ここまでセンサを狂わせにくるとは思わなかったです、ですが、これで」
 土俵は同じになりました、と続けられたゆらぎの言葉に右近は笑って頷く。
 姿を露にした大英雄ーー銀のイカロスに、二人は注視する。すでに彼らが乗る青のイカロスはボロボロだ。だが、それでも撃墜はしていない。
「稼働制限時間は三分。それ以上は自壊します」
 ゆらぎの報告に右近は操縦桿を握り直す。
「大英雄相手に三分だなんて、最長記録ですよ」
「……さっきは五分も持たずにと」
「見栄に決まってるでしょう、見栄」
 行きます、の右近の言葉と共に、青と銀のイカロスが動き始める。
 残された銃で光弾を放つも、銀のイカロスはなんなく避けていく。騎槍が構えられたままその姿が再度消えかけたところで、ゆらぎは干渉を跳ね除けた。そしてそのまま対抗するように青のイカロスの情報も相手から消そうと干渉しかえす。
 その間に右近は自らもオペレートをし、青のイカロスの動きを変則的に切り替えていく。
 消えて、現れて、構えて、放ち、防御し、反らし、まさに相手との攻防の読み合いだ。動きの遠心力に視界がぶれ、情報と現実の二重の空間に脳内が悲鳴をあげていく。
「ーーッ」
 ゆらぎの鼻から血がぽたぽたと落ち始めた。
 右近の唇が噛み締められ過ぎて血が滲んだ。
 それでも、銀のイカロスは彼らを翻弄する。突撃、消失、移動の素早さ、急な方向転換などの動きそのものが美しいものだった。まるでゲームの騎士のように美しく、誇り高く、敵に回せば厄介な存在。
「ハハッ……やっぱり一番に相応しい」
 どれだけ追い込まれても右近は笑い飛ばす。根っからの戦闘狂のようなセリフに、ゆらぎもまたくすりと笑いを零す。どう考えても、セリフからして五番の彼らが騎士に屠られる悪役だ。それでも……。
「悪あがきは得意なんだよ」
 右近の狙いは途中でゆらぎも気付いていた。だからこそ、それだけはサポートした。それだけのために、彼は無茶をした。
 銀のイカロスの槍が青のイカロスの左側に展開していた武器を貫く。だが、その瞬間を逃さずにカウンターを二人は用意していた。
 青のイカロスは右腕で銀のイカロスの槍を掴んだ。
「逃しませんよ」
 残り十秒のカウントダウンが始まっている中、ゆらぎもまた右近のように笑う。
 銀のイカロスは離れようとして、離れられないことに気付いたらしい。そのまま躊躇なく、槍を握り込んだ青のイカロスの右腕を蹴り壊す。だが、それよりも三秒早く右近が攻撃を繰り出した。
「超接近戦イカロスの火力、知らないだろう?」
 大英雄以降の、俺たちの時代に開発されたやつだからな、と言い放って自爆にも等しい火力を纏った左手を銀のイカロスの腹部に叩き込んだ。
 爆発音と共に、シュミレーターの画像が砂嵐に覆われる。両腕を壊されたことでの動力部への致命的損傷により墜落した青のイカロス。が、それでも最後の画面には腹部がえぐれた銀のイカロスが一瞬だけ映されたのだった。
 無機質なアナウンスがシュミレーター内で流れる。それは、ゆらぎと右近の負けを告げていた。二人は二人とも、目を覆い、先程までの戦闘を反芻する。しばし無言の時が続いた。が、やがて右近が小さく笑い始め、段々と大きな声になり、そして座席を叩き始める。
「ああああああああああああー……」
 何の意味もない音だけを吐き出した彼が立ち上がり、オペレーター席にまで降りた。未だゆらぎは目を覆ったまま無言だ。乾き始めた鼻血の跡を拭いた形跡もない。
「獅子夜くん……獅子夜くん? 獅子夜……なぁ。ゆらぎ、ゆらぎくん」
 なんども肩を揺さぶり、反応のないゆらぎの名前を呼ぶ右近。あまりにも反応がないので、つい右近は彼の息を確認した。
「……なんです?」
「ああ、生きてますか」
 ほっとした表情を浮かべた右近に対し、ゆらぎは不機嫌そうだ。
「……負けました」
 ぶすりと不貞腐れた表情を隠しもせずに告げたゆらぎの言葉に、右近は「そうですね」と同意する。
「悔しいです。これは気分が悪い」
「そうです? 俺は、気分がいいですよ」
 そう言って���右近はゆらぎの頭を撫でた。髪の毛がぐちゃぐちゃになるほどに、乱暴に、笑いながら、楽しみながらも撫でる。
「ゆらぎくん、本当に最っっっっ高」
 あははははと笑い続ける、子供のように無邪気な年上の男になんだか毒気が抜けたゆらぎは、なすがままになっていた。
「あの大英雄相手に、一撃入れられたんです。これは誇ることですよ。あ、後で左近にも自慢してやりましょうね」
「はいはい。本当に根っからの戦闘狂というか、左近さんに対しての敵対心強いですよね、右近さんは」
「あいつには死んでも負けたくないので」
「……そうですか」
 もういいですよ、右近さんはそういう人ですもんね、とゆらぎは口にはせず思っていた。そして彼は諦めて頭を撫でられるのは、相棒が飽きるまで放置したのだった。
 これは本当に起きた出来事なのだろうか、の空気がファロス機関の会議室にいたナンバーズたちの間に流れていた。
 誰もが呆然としたまま画面を眺める。
 二番はアレクとアンナのどちらもが、目を限界まで開けていた。
 三番は現見が不機嫌に、クレイシュがニコニコと笑って。
 四番はナーフが立ち上がり、ユエンが無表情のままに。
 六番は左近が口を押さえ、ルルが呆然として彼の袖を握っていた。
 ナンバーズだけでなかった。タスカや夢見はすでに、何が行われたのかの検証を行っていたし、側で待機していたフィンブルも手に持っていた端末を落としていた。ユタカは「そんな……あれを……?」と呟いたきり顔色が悪い。
 やがて、現見がクレイシュと己のAIの名を呼ぶ。その声にハッとなったユタカが、彼の名を呼んだ。
「現見……さん」
「なにを呆然としているんだ、ユタカ。五番と七番の裁定勝負は決まり、そして予想外の場外乱闘の決着もついた。いつまでもぼんやりしている時間はない」
「そう……ですね」
「私はここで一旦失礼するとしよう。……だが、ユタカ」
「は、はい」
「あの幻影を知っているのは、どうやら我々の予想よりも多いらしい。あれは、閲覧禁止のはずだったが」
 そこで現見は、呆然としていた他のナンバーズたちをじろりと睨みつける。
「後日、事情聴取を行う。特に七番、六番、五番の三組は、めろり・ハートとの件も聴いておきたい。もっとも、新人の獅子夜ゆらぎは除外していいだろう」
「……ええ、めろり・ハートがあのデータを持っていたことと、彼らが持っているのを知っていることは気になりますね」
「どうせ、迂音が関わっているに決まっている」
「……」
 現見の決めつける言葉には、少しばかりの苛つきと怒りが混ざっていた。その感情に、夢見やタスカ、そしてフィンブルはびくりと肩を震わせる。ユタカは黙り、他の面々は黙って彼らの様子を眺めていた。
「クレイシュ、行くぞ」
「あーい」
 オペレーターを呼び、三番の二人は会議室を後にする。そのまま、彼らのAIも姿を消した。
「……相変わらずだな、現見さんの大英雄嫌い」
 左近の呟きに、アレクが「当たり前だろう」と返す。
「ナンバーズの永遠の一番、空中楼閣撃破をした大英雄。あの大敗を生き残った現見さんだって、伝説に相応しい人だ。が、三十年前の大英雄を直で見てたんだ。思うところくらいあるだろうよ」
 擬似人格さえも残っちゃいないんだからな、と続く彼の言葉に、ルルもまた「どんなお二人だったのかしらね」と言葉を零す。
「さぁな。その辺りのこと、ユタカ司令官だって言わねぇし」
 なあ、とアレクに声を掛けられたユタカは、黙って首を横に振り、そしてフィンブルを連れて出ていった。
 残された彼らはそれ以上何かを話し合うことなく、続いて部屋を出ていったのだった。
***
「遅かったじゃないか」
 ファロス機関の某所にやってきた現見を待っていたのは、ホログラムだった。長身の男、きっちりと着込んだ姿、柔和で糸目のように細められた目。その目が少しばかり開かれて、赤色が現れる。
 そのホログラムの男性が、さきほど現見に遅かったと言ったのだ。
 現見の後をついてきていたクレイシュが「あ!」と叫んでホログラムを指さす。
「はじめ!」
「やぁ、クレイシュも久しぶりだね」
「うん、こんにちは」
「こんにちは」
 ホログラムーーナンバーズ一番のサポートAIである迂音一が、微笑みを崩さずにクレイシュ・ピングゥと和やかな挨拶を交わした。
「遅かった、ということは要件は分かっているようだな」
「まぁ、めろりから裁定勝負しているのは聞いてたしね」
 クレイシュが迂音のそばを、きゃらきゃらと笑いながら駆け回っている側で、佇む現見は問いかける。
「なぜ、あのプログラムをめろり・ハートが展開した」
「七番のオペレーターが望んだからだよ」
「そんなことを聞きにきたのではない。なぜ、あのプログラムがまだ存在する。しかも、学園側にまで出回っているのはどうしてだ」
「ああ、デバックさ。おかしなところがないのか、確かめているんだ」
「なんだと?」
 怒りが満ち満ちた表情を浮かべる現見に対し、迂音は微笑みの表情を変えない。その両者のやり取りに、クレイシュは動きを止めて首をかしげた。
「パパ? どしたの?」
「……なんでもないよ。クレイシュに怒っているわけではないんだ」
 自らを落ち着かせ、極力怖がらせないように現見はクレイシュに声をかける。そして彼は、AIの金剛司紀を呼び出した。現れた金剛は、何も言わずにうまくクレイシュを両者から離した。
 その様子を、表情を全く変えずに迂音は眺める。
「……大きくなったね、クレイシュ」
「話を逸らすな」
「……逸らしたつもりはないよ。それだけの時間が経ったんだ。あの子たちは、目に見える時間の体現者じゃないか。それだけ、僕はあのプログラム……いや願望に向き合い続けているんだよ」
 現見は、その回答をくだらないと言い切った。
「お前が未だ起動しているのは、三十年前の大敗への反省だ。あんな馬鹿げたことをするためだけに、起動し続けてるわけではない」
「でも、君とユエンでも倒せなかったじゃないか」
 軽く告げられた事実に、現見は黙る。
「三十年前の大敗時の唯一生還したパイロット、現見空音。君がユエンと組んでいた時代、唯一のナンバーズとはいえ、あのプログラムの前では意味をなさなかった。それだけの再現度なんだ」
 未だ誰も破ることのでき��い、永遠の欠番となった一番の象徴。それがあのプログラムだった。当時の一番を模倣したプログラム。当時の、圧倒的な天才の残滓。そう、あれでも残滓なのだ。
「確かに戦闘だけなら、かなりの再現度だろう。だが」
 そこで現見は、言葉を区切る。今度は怒りではなく、説得の色を帯びていた。
「同じ人間は生み出せない。一度死んだら、人間は終わりなんだ。人格さえ同じものは、神もできなかった」
 その言葉は、何度も迂音を絶望に叩きつけ、それでも稼働し続けるAIとして感情が長続きできない彼に夢物語を繰り返させる。
「AIは百五十年前に遺された人格だし、君たちも順当に行けばAIにいずれなる」
「何度も説明したはずだ。それは、最期までネットワークに記録された擬似人格でしかないし、本人が望まなければ生まれない。現に三十年前に自殺した多くの人々は、擬似人格を残せなかった。そして、お前はあの二人の最期を記録できなかった。あいつらが望まなかったんだろう」
 その説明に、初めて迂音の表情が変わった。それまで、全く変わらずにいた微笑が崩れ、ようやく焦りの感情が露になる。
「違う! 涼も綾春も自殺はしてない! あの二人が簡単に諦めるはずがない!」
「じゃあ、なぜあの時にあいつらは負けた!? 確かにあの二人だったら、諦めなかっただろう。だが、それでもお前との接続を切ってまで、最後は燃やされる道を選んだんだ。だから、ファロス機関は大敗の後に崩壊した」
「違う、違うんだ。きっとあの選択だって二人らしい何か理由が」
「その理由が分からない限り、本当の意味であいつらは生まれない」
「ーーッ」
 今度は泣きそうな表情を浮かべる迂音。論理的な言い回しは一切せずに、小さな声で「違うんだ」と返す。
「違わない。いい加減に諦めろ。何が大英雄だ。誰が救世の存在だ。もう死んだ人間なんだ、あいつらは。何百回、何千回繰り返しても、何万回直しても、デバックも、修正も再構築も無意味だ。もう一度あいつらが生まれることはない」
「それでも」
「……」
「それでも、僕は諦めないよ。僕の全てを賭けてでも、あの二人を誕生させる。どれだけ君が邪魔をしても、このファロス機関そのものが僕の行動を制限しても、地上にいる誰もが忘れたとしても、それでも僕は諦めない」
 再び、念を押すように、迂音は「諦めてたまるか」と囁く。それを聞いた現見は、軽蔑とともに吐き捨てた。
「過去に固執したAIめ。三十年前の地獄を再現する気か」
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toridaikanbun · 1 year
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今日の漢文(2022/3/30)
まず、更新が遅れてしまいまことに申し訳ないです。私事ですが、多忙と、その後の精神疾患への罹患により、更新どころではありませんでした…。
言い訳はこのぐらいにして、本文を見て行こうと思います。
今日扱った漢文は、王義之の「蘭亭序」です。
王義之は、4世紀前半、東晋時代の書家です。「書聖」と呼ばれ、六朝文化を代表する書家となりました。王義之は、朝廷において秘書郎などの官位につきますが、朝廷の身分にはあまり関心を示しませんでした。永和7年(351年)、浙江の会稽内史につき、右軍将軍の肩書きを得てからは文人と交遊しながら文化人としての生涯を送りました。『蘭亭序』が書かれたのも、会稽でのことです。ちなみに、王義之の子である王献之も優れた書家として知られています。
原文
永和九年,歲在癸丑,暮春之初,會于會稽山陰之蘭亭,修禊事也。群賢畢至,少長咸集。此地有崇山峻嶺,茂林修竹;又有清流激湍,映帶左右,引以為流觴曲水,列坐其次。雖無絲竹管弦之盛,一觴一詠,亦足以暢敘幽情。是日也,天朗氣清,惠風和暢,仰觀宇宙之大,俯察品類之盛,所以游目騁懷,足以極視聽之娛,信可樂也。
夫人之相與,俯仰一世,或取諸懷抱,悟言一室之內;或因寄所托,放浪形骸之外。雖趣舍萬殊,靜躁不同,當其欣于所遇,暫得于己,快然自足,不知老之將至。及其所之既倦,情隨事遷,感慨系之矣。向之所欣,俯仰之間,已為陳跡,猶不能不以之興懷。況修短隨化,終期于盡。古人云:“死生亦大矣。”豈不痛哉!(不知老之將至 一作:曾不知老之將至)
每覽昔人興感之由,若合一契,未嘗不臨文嗟悼,不能喻之于懷。固知一死生為虛誕,齊彭殤為妄作。後之視今,亦猶今之視昔。悲夫!故列敘時人,錄其所述,雖世殊事異,所以興懷,其致一也。後之覽者,亦將有感于斯文。
引用元:漢語網『蘭亭集序』https://www.chinesewords.org/poetry/71248-752.html
書き下し文
 永和九年、歲は癸丑(きちう)に在り。暮春の初め、會稽(くわいけい)山陰の蘭亭に會(くわい)す。禊事(けいじ)を修むる也(なり)。群賢(ぐんけん)畢(ことごと)く至り,少長(せうちやう)咸(み)な集(つど)へり。此の地に崇山(すうざん)、峻嶺(しゆんれい)、茂林(もりん)修竹(しうちく)有り。又た清流(せいりゆう)激湍(げきたん)有りて、左右に映帶(えいたい)す。引きて以(もつ)て流觴(りうしやう)の曲水(きよくすい)と為し、其の次(ほとり)に列坐(れつざ)す。絲竹(しちく)管弦(くわんげん)の盛無しと雖(いへど)も、一觴(いっしやう)一詠(いちえい)、亦(ま)た以て暢敘幽情(いうじやう)を暢敘(ちやうじょ)するに足れり。是の日也(や)、天朗(ほが)らかに氣清(す)み、惠風(けいふう)和暢(わちやう)す。仰(あふ)いで宇宙の大いなるを觀(み)、俯(ふ)して品類の盛んなるを察す。目を游ばしめ懷(おも)ひを騁(は)する所以(ゆえん)にして、以て視聽(しちやう)の娛(たの)しみを極むるに足れり。信(まこと)に樂しむ可き也(なり)。
 夫(そ)れ人の相ひ與(とも)に一世に俯仰(ふぎやう)するや、或(ある)いは諸(これ)を懷抱(くわいはう)に取りて、一室の內に悟言(ごげん)し、或いは托(たく)する所に寄するに因りて、形骸(けいがい)の外に放浪す。趣舍(すうしや)萬殊(ばんしゆ)にして、靜躁(せいさう)同じからずと雖(いへど)も、其の遇(あ)ふ所を欣(よろこ)びて、暫(しばら)く己(おのれ)に得るに當(あ)たりては、快然(くわいぜん)として自(みづか)ら足り、老(をい)の將(まさ)に至らんとするを知らず。其の之(ゆ)く所の既に倦(う)み,情(じやう)の事に隨(したが)ひて遷(うつ)るに及んでは、感慨(かんがい)之(これ)に系(かか)れり。向(さき)の欣(よろこ)ぶ所は、俯仰(ふぎやう)の間に、已(すで)に陳跡(ちんせき)為れり。猶(な)ほ之を以て懷(おも)ひを興(おこ)さざる能はず。況(いは)んや修短(しうたん)化に隨(したが)ひて、終(つひ)に盡(つ)くるに期(き)するをや。古人(こじん)云(い)ふ、死生も亦(また)大なりと。豈(あ)に痛まざらん哉(や)。
 昔人(せきじん)感を興(おこ)すの由(よし)を覽(み)る每(ごと)に、一契(いっけい)を合するが若(ごと)し。未(いま)だ嘗(かつ)て文に臨(のぞ)んで嗟悼(さたう)せずんばあらざるも、之(これ)を懷(こころ)に喻(さと)る能はず。固(まこと)に知る、死生を一(いつ)にするは虛誕(きよたん)為(た)り、彭殤(はうしやう)を齊(ひと)しくするは妄作(まうさく)為(た)るを。後(のち)の今を視るや、亦(ま)た猶(な)ほ今の昔を視るがごとくならん。悲しい夫(かな)。故(ゆえ)に時人(じじん)を列敘(れつじょ)して、其の述(の)ぶる所を錄(ろく)す。世殊(こと)に事異(こと)なると雖(いへど)も、懷(おも)ひを興(おこ)す所以(ゆえん)は、其の致(ち)一(いつ)也(なり)。後の覽(み)ん者も、亦(ま)た將(まさ)に斯(こ)の文に感ずること有らんとす。
引用元: 森野繁夫, 佐藤利行『王義之全書翰 増補改訂版』
単語の意味
永和九年:353年。王義之51歳。会稽内史であった王義之は、当時の名士、孫綽・謝安をはじめ41人と一緒に、蘭亭で祓禊の祭事を行い、曲水流觴の遊びをした。
歲在癸丑:永和九年は、歳星の宿りが癸丑の方にあたる。
暮春之初:3月3日
會稽山陰之蘭亭:会稽郡山陰県(今の浙江省紹興県)の蘭渚にあるあづまや。
流觴曲水: 觴(さかずき)を浮かべて流す、曲った流れ。この流れに觴を浮かべ、それを取っては酒を飲み、誌を作る遊び。
不知老之將至:『論語』述而篇に、「其の人と為りや、憤りを発して食を忘れ、楽しみて以て憂ひを忘れ、老いの将に至らんとするを知らざるのみ」とある。
古人云:“死生亦大矣。”:『荘子』徳充符篇に「仲尼曰く、死生は亦た大なりと」とある。
一死生:死も生も、この世界の変化の相であり、いずれを悲しみ、いずれを喜ぶというものではない、とする荘子の考え方をいう。
齊彭殤:『荘子』斉物論篇に「天下に秋毫(しうがう)の末よりも大なるは莫(な)く、而(しか)も大山を小と為す。 殤子(しやうし)よりも寿なるは 莫く 、而も彭祖(ほうそ)を夭(えう)なりと為す」とある。
現代語訳
永和九年、 癸丑(みずのとうし)の歳、暮春三月の初めに、会稽山陰の蘭亭に会した。これは禊(みそぎ)の祭事をするためである。群賢はことごとく至り、老いも若きもみな集まった。この地には、高い山・嶮(けわ)しい嶺(みね)、茂った林・長い竹がある。また、清らかな流れ・たぎる早瀬があり、左右に照り映えている。その流れを引いて、觴(さかずき)を流す曲水となし、人々はそのほとりに列(なら)んで坐った。琴や笛の賑やかさはないが、酒を飲み詩を賦(ふ)して、心中の情(おも)いを述べるには十分である。この日は、天は朗らかに晴れわたり空気は澄みきって、春風がおだやかに吹きわたっていた。仰いでは限りない宇宙の大きさを観、俯しては盛んなる万物を見る。まことに目を遊ばせ懐(おも)いを馳せることができ、目や耳を十分に娯(たの)しませるには足るもので、本当に楽しいことであった。そもそも、人がそれぞれに自分の一生を過ごす場合、心に抱く懐いを、一室の中で語り合うこともあろうし、また、託すものに身をまかせ、形体を超越して過ごすこともあろう。その生き方は種々様々であり、静と動と同じくないけれども、それぞれ自分の境遇をよろこび、しばらく自分の思うようになっている時には、心地好く満足して、老いがわが身に迫ろうとしていることも忘れてしまう。やがてそのしていることに倦きがきて、気持ちも事に従って遷ってゆくと、感慨がそれにつれて起こってくる。さきに喜んだことも、すぐに過去のものとなってしまい、とりわけ��のことで物思いを起こさずにはいられない。まして、命の長い者も短い者も、時の移りゆくままに、やがて必ず尽きてしまうからには、なおさらである。古人は言う、「生と死とは、人生の大事である」と。何と痛ましいことではないか。昔の人が感をもよおしたところのものを見るたびに、私も全く同じことを思ったし、古人の文章を前にして、これまで嘆き痛まないことはなかったが、それも心に理解することはできなかった。しかし今や、死と生を同一視するのは虚誕(でたらめ)であり、長寿と夭折を同じとすることが妄作(いつわり)であることが、よくわかった。後世の人々が今の我々を見るのも、ちょうど今の我々が古の人々を見るのと同じであろう。悲しいことよ。このようなわけで、ここに列席した人たちの名を書きつらね、彼らの述べた詩を記録することにした。時代は変り、事情は異なっても、懐いを興(おこ)させる種となるものは、結局は一つである。したがって後世この文を見る人も、また心に感じるものがあるに違いない。
引用元: 森野繁夫, 佐藤利行『王義之全書翰 増補改訂版』
部員の感想
前半は曲水の宴をするにふさわしい楽しさを感じさせる文章ですが、中盤から生と死といった少し重めのテーマに変わっていきます。楽しさがあるからこそ、後半の老荘思想的な結論がより対比的に書かれ、強調されるのかもしれません。最後に「後世の人々」、つまり我々に向けた文章も書かれているというのが印象的でした。実際、私は蘭亭序文を読んで、心に感じずはいられなかったので、王義之の主張は的を射ているなと感じます。
参考文献
・魚住和晃、櫻あおい『マンガ「書」の歴史と名作手本ー王義之と顔真卿』 講談社+α文庫
・世界史の窓「王義之」(URL:https://www.y-history.net/appendix/wh0301-078.html)
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rrrrgggiii · 1 year
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<探偵と警察の仕事の違い>
権限の違い:警察は法律に基づいて、犯罪捜査や逮捕、刑事裁判などを行う権限を持っています。一方、探偵は、私立探偵法に基づいて、特定の調査業務(浮気調査や企業調査など)を行う権限を持っていますが、犯罪捜査や逮捕はできません。
職務の違い:警察は犯罪捜査や犯罪者の逮捕、刑事裁判の手続きなどを主な職務としています。一方、探偵は、個人や企業のために、浮気調査や行方不明者の捜索、証拠収集などを主な職務としています。
組織の違い:警察は公的な組織であり、国や地方自治体が直接運営しています。一方、探偵は私的な組織であり、個人や企業が直接依頼しています。
活動の範囲の違い:警察は地域や国家全体を管轄することがありますが、探偵は依頼された業務に限定されます。
技能の違い:警察官は、法律、刑事手続き、武器の扱いなど、専門的なトレーニングを受けています。一方、探偵は、調査技術や監視技術などの専門的なスキルを持っていることが多いです。
<探偵が使用する調査技術>
1. 監視:探偵は、双眼鏡、カメラ、またはGPSトラッキングデバイスなどのツールを使用して、容疑者の動きや活動を監視するために監視技術を使用する場合があります。
2. 面談と尋問:探偵は、情報を収集し、自白を得るために、目撃者、被害者、容疑者と面談や尋問を行う場合があります。
3. 法科学的分析:探偵は、指紋分析、DNAテスト、または弾道学的分析などの法科学的技術を使用して、物理的証拠を収集し分析する場合があります。
4. 潜入捜査:探偵は、情報を収集したり、犯罪組織に潜り込んだりするために潜入捜査を行うことがあります。
5. コンピュータとインターネット調査:探偵は、オンラインアクティビティを追跡し、デジタル証拠を分析し、容疑者を特定するために、コンピュータとインターネット調査技術を使用する場合があります。
6. ステークアウト:探偵は、証拠を収集したり、犯罪活動を監視するために、特定の場所を監視するためにステークアウトを行うことがあります。
7. バックグラウンドチェック:探偵は、個人の個人的および職業的な歴史に関する情報を収集するために、バックグラウンドチェックを実施することがあります。
8. 秘密作戦:探偵は、盗聴、傍受、または会話や活動を秘密裏に記録する他の方法などの秘密作戦を使用して、情報を収集することがあります。
<探偵事務所が求める人物像>
1. 分析力:探偵は、事件を解決するために、複雑な情報やデータを分析する能力が必要です。点と点を結びつけ、他の人が見落とすかもしれないパターンを特定する能力が必要です。
2. 細部に注意を払う能力:探偵は、仕事において精密かつ細部に注意を払う必要があります。彼らは、証拠を入念かつ正確に収集および分析する必要があります。
3. 批判的思考能力:探偵は、事件を解決するために批判的かつ創造的に考える能力が必要です。彼らは、複雑な問題に対する革新的な解決策を開発することができる必要があります。
4. コミュニケーション能力:探偵は、書面や口頭において強力なコミュニケーション能力を持つ必要があります。彼らは、証言を書く、報告書を作成する、裁判で証言するなどの能力が必要です。
5. 共感力:探偵は、犯罪被害者の立場を理解し共感することができる必要があります。彼らは、被害者との信頼関係を築くことができる必要があります。
6. 身体的なフィットネス:探偵は、監視や容疑者の逮捕などの身体的な活動に従事する必要があるため、身体的なフィットネスが重要になる場合があります。
7. 慎重さ:探偵は、機密情報を取り扱うことが多いため、情報の取り扱いに慎重さが求められます。
8. 粘り強さ:探偵は、真実を追求するために、長時間働いたり、辛抱強く手掛かりを追跡したりする必要があるため、粘り強さが求められます。
<私立探偵の仕事>
1. 監視:私立探偵は、個人またはグループに対する監視を行うように雇われることがあります。これには、その人やグループを追跡し、その活動、行動、相互作用を文書化することが含まれます。
2. バックグラウンドチェック:私立探偵は、個人の犯罪歴、教育、雇用、財務記録などを含めた詳細なバックグラウンドチェックを実施することができます。
3. 行方不明者:私立探偵は、行方不明者の捜索に雇われることがあります。例えば、家出や失踪した人の捜索などです。
4. 不倫:私立探偵は、関係における浮気の疑いがある場合の調査を行うことができます。これには、監視の実施、証拠の収集、クライアントへの報告が含まれます。
5. 詐欺:私立探偵は、保険詐欺や労働災害補償金詐欺などの詐欺事件を調査することができます。
6. 企業調査:私立探偵は、企業の代表として、従業員による詐欺や盗難の可能性について調査を実施することができます。
7. 知的財産権の侵害:私立探偵は、著作権侵害や営業秘密の盗難などの知的財産権侵害事件を調査することができます。
8. コンピュータフォレンジック:私立探偵は、削除されたファイルの回復やサイバー犯罪の調査など、コンピュータフォレンジック調査を実施することができます。
全般的に、私立探偵は、他の手段では入手が難しい情報を収集するために雇われ、その仕事は法的、個人的、企業的な文脈で有用であることがあります。
<バックグラウンドチェック>
通常雇用主、法執行機関、または私立探偵によって実施される、人物の過去と現在についての調査です。バックグラウンドチェックの目的は、人物が提供した情報を検証し、刑事歴や財務上の問題などの潜在的なリスクを特定することです。
1. 犯罪歴:逮捕歴、有罪判決、未解決の令状など、犯罪歴を検索します。
2. 就業歴:過去と現在の雇用に関する情報を確認し、職名、業務内容、雇用期間などが含まれます。
3. 教育歴:修了した学位や出席した学校など、教育の履歴を検証します。
4. 信用情報:クレジットレポートのレビューを行い、財務的な責任能力を評価し、遅延支払い、債務整理、破産などの問題を特定します。
5. 運転歴:事故、交通違反、免許停止など、運転の履歴を検証します。
6. 推薦者:人物が指定した推薦者に連絡し、個人的および職業的な性格を確認します。
バックグラウンドチェックは、公的記録、商用データベース、人物を知る人々とのインタビューなど、さまざまな情報源を使用して実施されることがあります。プロセスは通常、人物の同意を得て、プライバシーや情報開示に関する関連する法律や規制に準拠することを含みます。
私立探偵は、通常、公文書やその他の法的手段を用いて、その人の個人的な履歴を確認します。管轄区域によっては、公的記録には、犯罪記録、裁判記録、財産記録、およびその他の一般に入手可能な情報が含まれる場合があります。
ほとんどの場合、私立探偵は、バックグラウンドチェックを行うために個人の同意が必要であり、彼らは通常、適用される法律や規制に従うことが要求されるでしょう。例えば、米国では、私立探偵が雇用主やその他の事業者のために身元調査を行う場合、公正信用報告法(FCRA)の適用を受けることがあります。
私立探偵は法執行権を持たないので、法律の範囲内で活動しなければならないことに注意することが重要です。私立探偵がバックグラウンド・チェックの実施中に法律や規制に違反した場合、法的措置や懲戒処分の対象となることがあります。
公文書とは、一般市民がアクセスできる記録や情報のことです。公文書には、政府記録、裁判記録、土地記録、バイタル記録、その他公共の利益になるとみなされる種類の情報が含まれることがあります。
一般に、公文書は請求すれば誰でもアクセスできますが、プライバシーの問題や国家安全保障への配慮など、アクセスに何らかの制限や制約がある場合があります。
私立探偵が他人の犯罪歴を調査する際には、公的な情報源から収集することが一般的です。例えば、裁判所の公判記録や犯罪の有罪判決などは公的な情報源となります。また、各種の公的なデータベースやレポート、判例集なども利用されることがあります。
就業歴を調べる場合には、一般的には以下のような手段があります。
1. 過去の雇用主に問い合わせる:探偵が調査対象者の過去の雇用先に直接問い合わせることで、就業歴を確認することができます。ただし、個人情報保護法に基づき、雇用主からの回答には制限があります。
2. インターネット上の情報を利用する:就業歴に関する情報は、インターネット上にも多く存在します。例えば、LinkedInやFacebookなどのソーシャルメディア、ビジネスデータベースや人材紹介サイトなどがあります。
<私立探偵が有用なシーン>
私立探偵は、警察よりもより多くの時間とリソースを費やすことができ、法的制約や官僚的制限のために警察が使用できない方法や手法を用いることができるため、警察が手に入れることができなかった手がかりや情報を発見することができる可能性があります。
具体的には、私立探偵は、個人や場所の秘密の監視を行ったり、警察に話すことに躊躇する証人や家族と面接を行ったり、警察がアクセスできない情報源から情報を収集することができます。
また、私立探偵は、法科学やコンピュータフォレンジックなどの特定の分野で専門知識や訓練を持っている場合があり、新しい手がかりや情報を発見するのに役立ちます。
これらの手法と方法を組み合わせることで、私立探偵は、警察が入手できなかった手がかりや情報を発見することができます。
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