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#多くの組織で旧時代的なおっさん化した男女がまだ上の立場にいるために数々のばかげた不条理がまかり通っている
tecchaso1988 · 3 years
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#読書 #叩かれるから今まで黙っておいた世の中の真実 #ひろゆき   2020年の読書は誕生日鑑定の勉強本ばっかりだったから 2021年は社会に目を向けた知識のインプットの比重も戻していきたい。   #読書メモ #正しく考えるには正しい知識が不可欠だが実際には多くの人が間違った知識の上に立って考えているからフェイクニュースの拡散や怪しい陰謀論を語るインフルエンサーが増える #競争は激しいのに衰退していく日本の現状見えていますか? #日本だけが海外から取り残されたように物価が安いことを日本に住んでいる人は気づかない #世界競争力ランキングにおいて日本のビジネス効率性は62カ国中ほぼ最下位レベル #ほとんどの人は自分の仕事が誰でもできるようになったことに気付かず専門性の高い仕事に就いていると思い込んでいる #高齢社会において若者はおじさんに振り回されお金と仕事が奪われる #日本ではお金がない人をターゲットにしたビジネスがいくつも展開されているから格差が広がるのは当然 #日本に革命家は現れない #多くの組織で旧時代的なおっさん化した男女がまだ上の立場にいるために数々のばかげた不条理がまかり通っている #どんな境遇でも頑張れば報われるというのは美しい物語であり一生懸命努力をしているのになかなか成果が出ない人は活躍の場を間違えている #歴史に残るような偉業を成し遂げるケースにたまたまマーケットのあるところにいたからというだけの面白味のない理由が実は多い #最低賃金が上がるとアルバイトや派遣社員側が損をする #人件費が引き上げられれば企業は人件費に圧迫されて経営状況が悪くなり潰れるか人間に代わる機械の導入が進む #セルフレジの機械の導入費用は時給1000円の人件費を考えたときに50日以内に元が取れる #働き改革という全体主義は会社も個人も得をしないから働き方なんて会社と社員の間で決めればいい #労働人口の約15%にまで増えてきたフリーランスは未来の働き方の実践者 #これから会社に勤めている人たちがどんな働き方にシフトしていくべきかはフリーランスの人たちを参考にすれば答えが見えてくる #フリーランスの働き方は今後注目すべき存在となるのは間違いないが非常に不安定で頑張りすぎるフリーランスの人の傾向はひとりブラック企業化を生み出している #企業がブラック的な仕事をフリーランスに押して受けるようになってきた #現状の教育システムは100点に近い完璧主義で子どもたちを縛る #社会に出て求められることは100点ではなく7割でいいから早くたくさんアウトプットをしろということ #自分の子どもがいずれ大人になって自分自身で判断しなければいけなくなるということを理解していないから子どもにいろんな禁止を押し付ける #大学で学んだことを企業は無視をするが大卒には意味はないというのは嘘で軽視すべきではない #デジタルネイティブ世代はスマホは得意だがパソコンスキルに欠ける点が弱点であり盲点 #親からスマホやタ��レットやゲームを与えられる子どもは消費者として成長しパソコンを与えられる子どもは生産者的な立ち位置に成長する #二人以上の子育ての成功を願う親でいたいのであれば現実的に考えて夫婦の世帯収入を何としてでも最低850万円以上にしろ https://www.instagram.com/p/CJiVQDXrei-/?igshid=1nsiof0mv3tca
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ari0921 · 3 years
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日本解放第二期工作要綱
中国共産党
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中央学院大学の西内雅教授(故人)が昭和47年にアジア諸国を歴訪した際、偶然、入手した秘密文書。
 内容は中国共産党が革命工作員に指示した陰謀で、当時から現在に至る迄、中国の対日謀略は秘密文書の通りに続いているとみられる。
 同年8月、国民新聞社は特集記事を掲載し、更に小冊子を発行したが、重要と思われるのでここに再録する。
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日本解放第二期工作要綱
中国共産党
 中央学院大学の西内雅教授(故人)が昭和47年にアジア諸国を歴訪した際、偶然、入手した秘密文書。
 内容は中国共産党が革命工作員に指示した陰謀で、当時から現在に至る迄、中国の対日謀略は秘密文書の通りに続いているとみられる。
 同年8月、国民新聞社は特集記事を掲載し、更に小冊子を発行したが、重要と思われるのでここに再録する。
A.基本戦略・任務・手段
A-1.基本戦略
 我が党は日本解放の当面の基本戦略は、日本が現在保有している国力の全てを、我が党の支配下に置き、我が党の世界解放戦に奉仕せしめることにある。
A-2.解放工作組の任務
 日本の平和解放は、下の3段階を経て達成する。
 イ.我が国との国交正常化(第一期工作の目標)
 口.民主連合政府の形成(第二期工作の目標)
 ハ.日本人民民主共和国の樹立 ・・天皇を戦犯の首魁として処刑(第三期工作の目標)
 田中内閣の成立以降の日本解放第二期工作組の任務は、上の第口項、即ち「民主連合政府の形成」の準備工作を完成することにある。
A-3.任務達成の手段
 本工作組の任務は、工作員が個別に対象者に接触して、所定の言動を、その対象者に行わしめることによって達成される。即ち、工作者は最終行動者ではなく、隠れた使喉者、見えざる指揮者であらねばならない。以下に示す要領は、全て対象者になさしめる言動の原則を示すものである。
本工作の成否は、終始、秘密を保持しうるかどうかに懸かっている。よって、工作員全員の日本入国身分の偽装、並びに工作上の秘密保持方法については、別途に細則を以て指示する。
B.工作主点の行動要領
第1.群衆掌握の心理戦
 駐日大使館開設と同時になされなければならないのは、全日本人に中国への好感、親近感を抱かせるという、群衆掌握の心理戦である。好感、親近感を抱かせる目的は、我が党、我が国への警戒心を無意識の内に捨て去らせることにある。
 これは日本解放工作成功の絶好の温床となると共に、一部の日本人反動極右分子が発する
 「中共を警戒せよ!日本支配の謀略をやっている」
 との呼び掛けを一笑に付し、反動極右はますます孤立するという、二重の効果を生むものである。
 この為に、以下の各項を速やかに、且つ継続的に実施する。
1-1.展覧会・演劇・スポーツ
 中国の書画、美術品、民芸品等の展覧会、舞劇団、民族舞踊団、民謡団、雑技団、京劇団の公演、各種スポーツ選手団の派遣を行う。
 第一歩は、日本人大衆が中国大陸に対し、今なお持っている「輝かしい伝統文化を持っている国」「日本文化の来源」「文を重んじ、平和を愛する民族の国」というイメージを掻き立て、更に高まらせることである。
 我が国の社会主義改造の誇るべき成果についての宣伝は、初期においては少ない方がよく、全然触れなくても構わない。
 スポーツ選手団の派遣は、ピンポンの如く、試合に勝ちうるものに限定してはならず、技術的に劣っている分野の選手団をも数多く派遣し、日本選手に学ぶという率直な態度を示して、好感を勝ち取るべきである。
1-2.教育面での奉仕
A.中国語学習センターの開設。
 全国都道府県の主要都市の全てに中国語学習センターを開設し、教師を無報酬で派遣する。
 教師は、1名派遣の場合は女性教師、複数の場合は男、女半々とし、全て20歳代の工作員を派遣する。受講者資格は、もとより無制限とし、学費は無料又は極めて小額とする。
B.大学への中国人中国語教師派遣の申し入れ。
 中国語学習センターを開設し、日本人青年層に中国語学習熱が高まったところで、私立、公立の大学には個別に、国立大学については日本政府文部省へ中国人中国語教師の派遣を申し入れる。
 申し入れを婉曲に拒否した場合は、「我が国の純然たる好意、奉仕の精神に対する非礼」を責めれば、日本のマスコミも大衆も、学生も許さないであろう。
 しかし、第1回で全勝を求める必要は無く全国大学の過半数が受け入れればそれで良い。後は自然に受け入れ校は増加していくものである。
C.委員会開設。
 「中日文化交流協会」を拡充し、中日民間人の組織する「日中文化教育体育交流委員会」を開設して実施せしめ、我が大使館は、これを正式に支援する方式をとる。
 尚、本綱の全ての項目は、初期においては、純然たる奉仕に終始し、いささかも政治工作、思想工作、宣伝工作、組織工作を行ってはならない。
第2.マスコミ工作
大衆の中から自然発生的に沸き上がってきた声を世論と読んだのは、遠い昔のことである。次の時代には、新聞、雑誌が世論を作った。今日では、新聞、雑誌を含め所謂「マスコミ」は、世論造成の不可欠の道具に過ぎない。マスコミを支配する集団の意思が世論を作り上げるのである。
 偉大なる毛主席は
 「およそ政権を転覆しようとするものは、必ずまず世論を作り上げ、先ずイデオロギー面の活動を行う」
 と教えている。
 田中内閣成立までの日本解放(第一期)工作組は、事実でこの教えの正しさを証明した。日本の保守反動政府を幾重にも包囲して、我が国との国交正常化への道へと追い込んだのは日本のマスコミではない。日本のマスコミを支配下に置いた我が党の鉄の意志とたゆまざる不断の工作とが、これを生んだのである。
 日本の保守反動の元凶たちに、彼等自身を埋葬する墓穴を、彼等自らの手で掘らせたのは、第一期工作組員である。田中内閣成立以降の工作組の組員もまた、この輝かしい成果を継承して、更にこれを拡大して、日本解放の勝利を勝ち取らねばならない。
2-1.新聞・雑誌
A.接触線の拡大。
 新聞については、第一期工作組が設定した「三大紙」に重点を置く接触線を堅持強化すると共に、残余の中央紙及び地方紙と接触線を拡大する。
 雑誌、特に週刊誌については、過去の工作は極めて不十分であったことを反省し、十分な人員、経費を投入して掌握下に置かねばならない。接触対象の選定は「10人の記者よりは、1人の編集責任者を獲得せよ」との原則を守り、編集を主対象とする。
B.「民主連合政府」について。
 「民主連合政府」樹立を大衆が許容する温床を作り上げること、このための世論造成、これが本工作を担当する者の任務である。
 「民主連合政府」反対の論調を挙げさせてはならぬ。しかし、いかなる方式かを問わず、マスコミ自体に「民主連合政府」樹立の主張をなさしめてはならない。これは、敵の警戒心を呼び覚ます自殺行為に等しい。
 「民主連合政府」に関連ある事項を全く報道せず、大衆はこの問題について無知、無関心であることが最も望ましい状態である。
 本工作組の工作の進展につれて、日本の反動極右分子が何等の根拠も掴み得ないまま焦慮に耐え得ず、「中共の支配する日本左派勢力は、日本赤化の第一歩として、連合政府樹立の陰謀を進めている」と絶叫するであろう。
 これは否定すべきであるか? もとより否定しなければならない。しかし、否定は真正面から大々的に行ってはならず、計画的な慎重な間接的な否定でなければならない。
 「極右の悪質なデマで、取り上げるにも値しない」という形の否定が望ましい。
C.強調せしむべき論調の方向
① 大衆の親中感情を全機能を挙げて更に高め、蒋介石一派との関係は完全に断つ方向へ向かわせる。
② 朝鮮民主主義人民共和国並びにベトナム民主共和国との国交樹立を、社説はもとより全紙面で取り上げて、強力な世論の圧力を形成し、政府にその実行を迫る。
③ 政府の内外政策には常に攻撃を加えて反対し、在野諸党の反政府活動を一貫して支持する。特に在野党の反政府共闘には無条件で賛意を表明し、その成果を高く評価して鼓舞すべきである。  大衆が異なる政党の共闘を怪しまず、これに馴染むことは、在野諸党の連合政府樹立を許容する最大の温床となることを銘記し、共闘賛美を強力になさしめるべきである。
④ 人間の尊重、自由、民主、平和、独立の強調
ここに言う「人間の尊重」とは、個の尊重、全の否定を言う。
「自由」とは、旧道徳からの解放、本能の開放を言う。
「民主」とは、国家権力の排除を言う。
「平和」とは、反戦、不戦、思想の定着促進を言う。
「独立」とは、米帝との提携の排除、社帝ソ連への接近阻止をいう。
2-2.テレビとラジオ
A.これらは、資本主義国においては「娯楽」であって、政府の人民に対する意志伝達の媒介体ではない。この点に特に留意し、「娯楽」として利用することを主点とすべきである。
 具体的な方向を示せば、「性の解放」を高らかに謳い上げる劇又は映画、本能を剌激する音楽、歌謡等は望ましい反面、スポーツに名を借りた「根性もの」と称される劇、映画、動画、または歴史劇、映画、歌謡並びに「ふるさとの歌祭り」等の郷土愛、民族一体感を呼び醒ますものは好ましくない。
 前者をより多く、後者をより少なく取り上げさせるよう誘導せねばならない。
B.テレビのニュース速報、実況報道の利用価値は極めて高い。画面は真実を伝えるものではなく、作るものである。目的意識を持って画面を構成せねばならない。
C.時事解説・教養番組等については、新聞について述べた諸点がそのまま適用されるが、これは極めて徐々に、少しずつ注意深くなされねばならない。
2-3.出版(単行本)
A.我が国への好感、親近感を抱かせるものを、第一に取り上げさせる。風物写真集、随筆、家庭の主婦が興味を抱く料理、育児所の紹介など、受け入れられ易いものを多面に亘って出版せしめる。
B.社会主義、毛沢東思想などに関する理論的著作も好ましい。しかし、我が国の社会主義建設の成果、現況については、極右分子の誹謗を困難ならしめるよう配慮させねばならない。
C.マスコミの主流から締め出された反動極右の反中国の言動は、単行本に出路を求めているが、これは手段を尽くして粉砕せねばならない。
 特に、社会主義建設の途上で生じる、止むを得ない若干の歪み、欠点について、真実を伝えると称してなされる暴露報道を絶対に放置してはならない。これらについては、誹謗、デマで両国関係を破壊するものであるとして、日本政府に厳重に抗議すると共に、出版社主、編集責任者、著者を告訴して根絶を期すべきである。
D.一般娯楽面の出版については「デンマークの進歩を見習え」として、出版界における「性の解放」を大々的に主張せしむべきで、春画、春本の氾濫は望ましい。
E.単行本の出版についての今一つの利用法は「中間層文筆業者」の獲得である。「中間層」とは思想的に純正左派、または右派に属しない、中間の動揺分子を言い、「文筆業者」とは、凡そ文筆を以て世論作りにいささかでも影響を与え得る者全てを言う。
 彼等に対しては或いは原稿料を与え、或いは出版の支援をなして接近し、まず「政治的・思想的立場の明快さを欠く」中間的著作をなさしめ、徐々に我が陣営へと誘導する。
2-4.本工作にマスコミ部を設けて、諸工作を統轄する
第3.政党工作
3-1.連合政府は手段
 日本の内閣総理は、衆参両院の本会議で首班指名選挙を行って選出される。両院で議員総数の過半を掌握すれば、人民の意志とは関係なく、任意の者を総理となし得るのである。
 1972年7月の現況で言えば、自民党の両院議員中、衆議院では約60名、参議院では10余名を獲得して、在野党と同一行動を取らせるならば、野党連合政府は容易に実現する。
 しかし、この方式を取るならば、社会党、公明党の発言権を益するに留まり、且つ最大の単独多数党は依然として自民党であり、この2点は純正左派による「日本人民共和国」成立へと進む阻因となることは明らかである。
 自民党のみではなく、社会党、公明党、民主社会党もまた、無産階級の政党ではなく、最終的には打倒されるべき階級の敵の政党であることを忘れてはならない。
 本工作組に与える「民主連合政府の樹立」という任務は、日本解放の第二期における工作目標に過ぎず、その実現は第三期の「日本人民民主共和国」樹立の為の手段に過ぎない。
 共和国樹立へ直結した、一貫的計画の元に行われる連合政府工作でなければ、行う意義は全くない。
3-2.議員を個別に掌握
 下記により国会議員を個別に掌握して、秘密裏に本工作員の支配下に置く。
A.第一期工作組がすでに獲得したものを除き、残余の議員全員に対し接触線を最少4線設定する。
B.上の他、各党の役職者及び党内派閥の首長、有力者については、その秘書、家族、強い影響力を持つ者の3者に、個別に接触線を最少2線設定する。
C.上の接触線設定後、各線を経て知り得る全情報を整理して、「議員身上調査書」の拡充を期し、公私生活の全貌を細大漏さず了解する。
D.右により各党毎の議員を「掌握すべき者」と「打倒排除すべき者」に区別し、「掌握すべき者」については「連合政府の樹立にのみ利用しうる者」「連合政府樹立より共和国成立に至る過渡期においても利用し得る者」とに区別する。 ここに言う「打倒・排除」とは、その議員の党内における勢力を削ぎ、発言権を低下せしめ、孤立に向かわせることを言う。
E.「掌握」又は「打倒」は調査によって明らかとなったその議員の弱点を利用する。
 金銭、権力、名声等、欲するものを与え、又は約束し、必要があれば中傷、離間、脅迫、秘している私事の暴露等、いかなる手段を使用してもよい。
 敵国の無血占領が、この一事に懸っていることを思い、いかなる困難、醜悪なる手段も厭うてはならず、神聖なる任務の遂行として、やり抜かねばならない。
3-3.招待旅行
 上の接触線設置工作と並行して議員及び秘書を対象とする、我が国への招待旅行を下の如く行う。
A.各党別の旅行団。団体の人数は固定せず、実情に応じて定める。
 但し、団体構成の基準を、「党内派閥」「序列」「年齢」「地域別」「その他」そのいずれかにおくかは慎重に検討を加え、工作員の主導の元に、我が方に有利になる方法を採らしむるよう、工作せねばならない。
B.党派を超えた議員旅行団。議員の職業、当選回数、選挙区、選挙基盤団体、出身校を子細に考慮し、多種多様の旅行団を組織せしめる。
C.駐日大使館開設後1年以内に、全議員を最低1回、我が国へ旅行せしめねばならない。
 自民党議員中の反動極右分子で招待旅行への参加を拒む者に対しては、費用自弁の個人旅行、議員旅行団以外の各種団体旅行への参加等、形式の如何を問わず、我が国へ一度旅行せしめるよう工作せねばならない。
D.旅行で入国した議員、秘書の内、必要なる者に対して、国内で「C・H・工作」を秘密裏に行う。
3-4.対自民党工作
A.基本方針
 自民党を解体し、多数の小党に分裂せしめる。
 自民党より、衆議院では60名前後、参議院では10余名を脱党せしめて、連合政府を樹立するというが如き、小策を取ってはならないことは先に述べた所であるが、右派、左派の二党に分裂せしめることも好ましくない。
 これは、一握りの反動右翼分子が民族派戦線結成の拠点として、右派自民党を利用する可能性が強いからである。
 従って、多数の小党に分裂する如く工作を進めねばならず、又表面的には思想、政策の不一致を口実としつつも、実質的には権力欲、利害による分裂であることが望ましく、少なくとも大衆の目にはそう見られるよう工作すべきである。
B.手段
 自民党内派閥の対立を激化せしめる。
① 自民党総裁選挙時における派閥の権力闘争は常に見られる現象で通常は総選挙を経て若干緩和され、一つの党として受けて曲りなりにも保持していく。
 今回はそれを許してならない。田中派と福田派の対立の継続と激化、田中派と大平派、三木派、三派の離間、中間五派の不満感の扇動等を主点として、第一期工作組は工作を展開中である。総選挙後、若干の変動があっても、派閥の対立を激化せしむるという工作の原則は変わらない。
② 派閥対立を激化せしめる最も有効な方法は、党内の非主流派となって政治活動資金の調達に困難を生じている各派に個別に十分な政治資金を与えることである。
 政治献金は合法であり、これを拒む政治家はいない。問題は方法のみであり、工作員からAへ、AからBへ、BからCへ、CからDへ、Dから議員又は団体という如く間接的に行うのは言う迄もない。
③ 先に述べた議員個人の掌握は、それ自体が連合政府樹立の有効な手段となるが、派閥対立激化についても活用するのはもとよりである。
3-5.対社会・公明・民杜各党工作
A.基本方針
① 各党内の派閥闘争を激化せしめ、工作による操縦を容易ならしめる。派閥というに足る派閥なき場合は、派閥を形成せしめる工作を行う。但し、党を分裂せしめる必要はなく、分裂工作は行わない。
② 日本共産党を含めた野党共闘を促進する。
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ysformen · 3 years
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戦後、GHQは「公職追放」を行い日本の政治や経済、法曹界やメディア、教育の中枢から愛国者と見なされた人々をパージし(追放)、その代わりに戦前からの反体制活動家や日本人ではない外国系の日本人(所謂第三国人)を代替者として送り込みました。(所謂戦後利得者) ネットで検索すれば様々な情報が得られると思います。 このような情報が明らかになりつつある中、最近になりネットでは戦後のGHQの行為に対する追求と事実の解明やメディアの偏向ぶりを批判する言論活動が行われるようになっています。 その反面、当然ながらそれを阻止しようとする規制(メディア批判者にとっての”言論弾圧”)も強化されようとしています。ヘイト法案などその典型と言えるでしょう。 メディアに関しては戦後、「プレスコード」という報道の自主規制が強要されています。 簡単に表現すれば、旧日本軍や政府に対しては批判的な報道をすること。連合国側については絶対に批判的報道を行わないなどということになります。チャイナや朝鮮に対しては不自然な擁護や賞賛があると思わないでしょうか? その代表がNHKを中心としたメディアです。どこかがおかしいがどこかはいいというものでもありません。 基本的には全ての報道機関が戦後体制護持の敗戦利得者と見なせば理解しやすいでしょう。こういう意味で、日本においては根本的に言論の自由などない状態であると言えます。 この状況。時間が経てば正常な状態に戻るというものでもないようです。中央に入り込んだ敗戦利得者達は人事を掌握し、彼らと共通の価値観をもった後進を採用・育成し、時間が経過するほどその勢力を増している現況があります。 話は変わりますが一例をあげたいと思います。 現在盛んに人手不足が喧伝されています。しかし実際には報道されているような「人手不足」はありません。確かに特定の職種に就きたがらないが故の雇用の不均衡はあると思います。 しかし日本人で仕事に就けない(就こうと思えない条件があるともいえます)人が100万人近く存在しているのも一つの事実です。企業が採用しようとしていないのです。 それなのに移民法を成立させ近隣諸国からどんどん移住させようとするのは何故なのか。そこを辿っていくと「戦後レジーム」に行き着くというわけです。 私自身。可能な限りこのような戦後の歪んだ体制や価値観に異を唱えようと思う一人です。その際思うのは根源的には国民一人一人の意識の問題を解決しないと事態は何も変わらないだろうということです。 とどのつまり教育が望ましいものにならなければ人の意識が変わり制度としての戦後体制に風穴をあけることは出来ないということになります。 その教育はどうか。当然ながら国家観において、自国のアイデンティティは消す方向で進められ多文化共生などが声高に叫ばれています。一体誰のための方針なのでしょう?男女共同参画なる事業には毎年防衛費を越える予算が宛がわれています。これはどんな風に使われているのでしょうか? こういうことは今後大いに糾弾されていくべき問題ではないでしょうか? さて、こういう一部の少数者の要望を具現化するための組織の一つとして教職員組合が利用されています。 彼らによって教育現場は正常な機能を果たせなくなり、歴史教育は自虐史観を強制され、さらには近隣諸国条項によって他国が自分に都合の良い(日本にとっては不都合な)歴史観を取り入れざるを得ない状況があります。 この状況を少しでも改善しようと現場で実践を重ねられてきたのが 斎藤武夫氏ではないかと思っています。 日本には独自の歴史や文化があり、調べていくほど誇らしい事実の蓄積に接することができる国です。 斎藤氏の取り組みは価値観の押しつけではなく、偏向教育によって歪められたり意図的に隠されたりしてきた情報を事実としての様々な情報を提示することにより子供達に考えさせるという方法論に立脚しています。 価値観の強制ではなく事実を知ることで子供が自然にわくわくし、日本が好きになる。そんなイメージが目に浮かびます。 私が特に印象的だったのが、歴史観を形成する5つの柱として上げられているものです。 一、歴史入門の授業(命のバトンと国づくりのバトン) 一、国家を共同体として捉える 一、歴史(先祖の歩み)を共感的にとらえる 一、その時代に生きたリーダーの立場から教える 一、歴史は日本の大きな歴史の物語 特に最後の「歴史は日本の大きな歴史の物語」はいいですね。ヒストリーはHis Storyとも言われています。 正直言えば正しい歴史観というのがどういうものか、そういう基準はありません。しかし少なくとも近隣諸国が自分の都合に合わせて日本の教育を変えろと強要し、それに従う近隣諸国条項的な教育からは脱却する時期は来ていると思います。 まず自分の意識から。共同体としての意識は教育から。 教育関係者はもちろん一般の方にも、一読の価値はあるとお勧めしたいと思います。
https://www.amazon.co.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%A7%E3%81%BE%E3%81%AA%E3%81%B3%E3%81%9F%E3%81%84%E6%AD%B4%E5%8F%B2-%E9%BD%8B%E8%97%A4-%E6%AD%A6%E5%A4%AB/dp/459404140X
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xf-2 · 4 years
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支持率急上昇の理由
「武漢肺炎」問題は、いまや世界最大の問題だ。そのなかで小国・台湾の動きが光っている。   本稿では、組織の固有名詞や引用以外では「武漢肺炎」で統一した。台湾では、政府が公式に略称として「武漢肺炎」を使い、一部の親中メディア以外は「武漢肺炎」と呼称している。香港やマレーシアの中国語メディアでも、親中派を除けば「武漢肺炎」が一般的である。   台湾では政府の武漢肺炎対応が国民からも強く支持され、政府、政治家の支持率が急上昇している。2月24日に公表された台湾民意基金会の調査では、蔡英文総統(大統領)の支持率は、前月から11ポイント強増え68・5%に、なかでも防疫政策については、75.3%が「80点以上」と回答した。   衛生福利部長(厚生労働大臣に相当)の陳時中が指揮する中央流行疫情防治中心(中央伝染病予防センター)に対しても、平均84・16点という高い評価がなされた。ちなみに副総統の陳建仁と行政院副院長(副首相)の陳其邁、さらに衛生福利部の次長(次官)も公衆衛生の専門家である。つまり、蔡政権は最初から感染症対策に適した布陣なのだ。
国内感染者が1人も出ていない時点で「法定感染症」に
対応は迅速だった。   昨年12月31日に、中国・武漢市衛生健康委員会が「原因不明の肺炎の症例」に関する発表を行うと、衛生福利部(厚生労働省)が即日に注意喚起を出し、武漢からの帰国便に対する検疫官の機内立ち入り検査、空港等での入国時の検疫強化を実行した。   ちょうど日本ではカルロス・ゴーンの逃亡が騒がれた頃で、筆者は台湾政府の反応を見て、武漢肺炎の深刻さを知った。日本の厚労省が注意喚起を行ったのは、6日後の1月6日だった。   台湾は国内で感染者が1人も出ていない1月15日の時点で、「法定感染症」に定めている(日本の「指定感染症」の閣議決定は1月28日)。さらに、米国と同じく重大な感染症に対応するための衛生福利部疾病管制署(CDC)も整備されており、1月20日には「厳重特殊伝染性肺炎中央流行疫情指揮中心」(以下、指揮センター)を正式に立ち上げている(日本の対策本部立ち上げは1月30日)。   しかも「法定」の根拠法である「伝染病防治法(対策法)」では、各官庁に強い権限が認められている。以下の対策は、主に同法に基づくものだ。
中国人の全面入国禁止措置
台湾政府は早い段階からヒトからヒトへの感染は排除できないとして、武漢地区への危険レベルを引き上げた。WHO(世界保健機関)の情報を鵜みにして、しばらくの間は「持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はない」としていた日本の厚労省とは明らかに異なる。   1月24日、台湾の指揮センターは他の省庁と協力して、「マスクの輸出禁止」をいち早く実施。マスクが不足し始めた民間情報をキャッチしての素早い対策で、「高値転売などへの処罰」 「政府備蓄マスクの放出」 「政府買い取り保証」なども日本政府より1カ月以上も早い対応だった。   2月6日からは国内で生産されるマスクをすべて政府が買い上げ、実名制で配給した。1人当たり週二枚の配給だが、ICチップ入りの健康保険カードで認証するため、国民のほか居留資格がある外国人も利用可能だ。3月12日からは「マスク実名制2・0」と題して、国民認証が必要なスマホアプリを使い、一定の枚数をネットで注文し、コンビニなどで受け取れるようにした。   中国からの入国制限も早かった。1月19日には、中国渡航者で肺炎の症状があれば、国籍に関係なく���離を開始。1月26日には、中国人の訪台制限を強化して武漢市からの入国を禁止し、その後も対象地域を次々に拡大して、2月6日には中国人の全面入国禁止措置を講じた。
追加特別予算案は人口比で日本の4倍
学校閉鎖も先行している。   春節(旧正月)休みに入っていた2月2日、台湾政府教育部(文科省)は、同月10日までのところ24日まで延長する措置を命じた。2月20日には、今後は一斉休校は行わずに、教職員や生徒で感染者が1人出れば学級閉鎖、2人以上なら学校閉鎖との基準を改めた(安倍首相が一斉休校要請を行ったのはほぼ3週間遅れで、台湾が方針を変えたあとの2月27日だった)。   共働きの家庭などに配慮した対策も台湾では早かった。労働部(省)は1月22日には、労働者自身はもちろんのこと、発症した子供の世話のために、有給休暇の取得を可能とし、それを拒否した雇用者に対しては法に基づいて処罰するとした。   行政院(内閣)は2月13日、総合的な対策特措法「厳重特殊伝染性肺炎防治及困振興特別条例」案、および追加特別予算案600億台湾ドル(約2200億円)を作成、立法院が25日に可決した。日本が緊急対応策として計上した予算案は2700億円、人口比では台湾は日本の約4倍になる。ちなみにシンガポールは約5000億円規模で、人口比では日本の40倍を超える。   また、日本では実施されていないものとして、デマなどの「インフォデミック」への処罰と、医療関係者の6月までの出国禁止令(2月26日)が台湾では出ている。
世界が注目する若手天才大臣の活躍
マスク供給など台湾の対策は日本の国会やテレビでも話題となったが、特に注目を集めたのは、自身もプログラマーで起業家でもあるデジタル担当の政務委員(大臣)を務める唐鳳だった。   IQ180、38歳の若手天才大臣として知られる唐鳳(オードリー・タン)は、台湾各地の薬局のマスク在庫状況をデータ化し公開、それによって民間のエンジニアたちがボランティアで「マスク在庫マップ」などを次々と開発していった。   唐鳳は男性として生まれたが、女性に転換したトランスジェンダーであり、遺伝子鑑定でも性別は中間とされ、入閣時、性別欄には「無」と記した。子供のときからプログラミングで名を馳せ、15歳でIT企業を起こすなど、米誌『フォーリン・ポリシー』の「2019年のグローバル思想家100人」にも選出された世界が注目する若手政治家だ。
国民から厚い信頼を得ている厚生大臣
唐鳳以外にも台湾国民から厚い信頼を得ているのが、先述した衛生福利部長(厚生大臣)で指揮センタートップの陳時中である。台北生まれの66歳。歯科医出身だが、前の民進党(陳水扁)政権時代にも衛生署副署長(厚生副大臣)として国民健康保険制度の中心人物であり、公衆衛生にも明るい。1日1回は記者会見を行い、国民に丁寧な説明を行う姿勢も高く評価されている。
秀逸な情報公開
情報公開の仕方も秀逸だった。   台湾CDCのホームページはデザインも優れていて非常に見やすい。トップ画面の一番上には、目立つように黄色の背景で箇条書きした注意事項、その下には世界地図と全世界の感染・死者合計、台湾国内の検査数、陽性確定数、隔離解除、昨日の検査、確定などが並ぶ。ビジュアルが多用されており、国民が一目で分かるような工夫が見られる。   台湾の政府系通信社「中央通訊社」をはじめ、民間メディアでも、中国人の入国拒否を実施した世界の国の一覧、東南アジアをはじめ欧米中東の症例のまとめなど、様々な情報が公開されている。こうしたことから、台湾国民は台湾を世界やアジアのなかで位置付けて、中国や他国への警戒ができるようになっている。   一貫した政府の意思は、第一に「自国民を守ること」 「そのために適切かつ簡潔で具体的な情報公開、そして分かりやすく伝える工夫」である。
中国に忖度するあまり、親日国台湾からの信用を失ったら……
一方、日本の厚労省のホームページは文字ばかりで、発表資料を機械的にアップしているだけ。利用者である国民の便宜がほとんど考えられていない。そもそも政府が中国からの入国を延々と認めていたように、自国民を守ろうとする意思が欠けていると言わざるを得ず、何よりも世界からそう見られてしまう。   実際、3月13日時点で35カ国・地域が日本からの入国を制限した。入国後の行動制限を設けたのは76カ国・地域に上る。日本の感染者数はドイツやフランスより少ないにもかかわらずである。 大の親日国家として知られる台湾でも、日本への信用が低下している。ネットでは「日本はどうなっている?」 「失望した」などという声が飛び交っている。もっとも執筆時点では、「中国との往来を早期に遮断しなかった日本政府の優柔不断さ」が槍玉に上がっており、大本はやはり中国不信にあって、日本人そのものには及んでいないように思える。とはいえ、台北にいる知人は、日本語で話していたところ、マンションの住人に「日本人だ。困ったことだ」と避けられた、と話している。 政府が手をこまねいていると、日本および日本人全体のイメージ悪化に波及するかもしれない。中国に忖度するあまり、親日国台湾からの信用を失ったら、今後、日本外交のボトルネックになりかねない。   一方で、台湾政府は東南アジア、とくにベトナム、シンガポールとは密接な情報交換をしていると推測される。フィリピン、インドネシア、マレーシアとも情報交換を行っていると見られており、台湾と国交を維持し感染者ゼロ(3月13日時点)のパラオでは、トミー・レメンゲサウ大統領が、「台湾政府の支援に感謝する」という声明を発表したことからも、台湾と緊密な情報交換を行っていることがわかる。
未だにWHOに加盟できていない台湾
台湾がWHOに加盟できない点が、今回の場合は幸いしたとも考えられる。再三の要望にかかわらず未だにWHOに加盟できていない台湾は、独自の情報収集や近隣諸国との連携にも余念がなく、先手を打った迅速かつ的確な対応を主体的に実施した。   2016年に蔡英文政権が登場してから、中国と距離を置く政策によって、中国政府があてつけのように台湾への団体旅行を制限したため、中国から台湾への人の流入が減る傾向になっていたことも幸いした。   もちろん、台湾の事例がそのまま日本で可能かというと、両国には本質的な違いもある。公衆衛生などの専門家チームに権限を与えて指揮させるのは、台湾が大統領を直接選挙で選ぶ大統領制であるがゆえだ。
世界で成果をあげる対中警戒感の強い政権
だが、日本が台湾から学べることは多い。   第一には対中警戒感だ。他のアジア諸国を見ても、武漢肺炎対応で成果を上げているのは対中警戒感が強い政権、あるいはそうした国民が多いという特徴がある。   ベトナムは政府がホームページで公開している対策も見やすくよく作られているし、実際に感染者数の抑制に成功している。シンガポールは感染経路を特定したり、感染者の所属先、病院、経路などを公開したりしている。台湾を含めてこの3カ国の対応や情報公開の仕方は、大いに学ぶべきだ。   香港やマレーシアも、中国との交流の深さの割に感染者拡大は抑制されている。モンゴル、インドネシア、フィリピンは、国内の医療水準やシステムには不安は残るものの、それでも早期に中国との往来を制限し、拒否したことで、現時点で爆発的な感染者拡大にまでは至っていない。   シンガポールでは中国からの郵便物を全面拒否し、インドネシアでは食材の輸入も禁止したという。 いずれも中国と国境を接していて歴史的に中国から痛い目に遭っているか、または中国系住民(華人)がいるため中国政府の邪悪な意図を先読みできるという共通点がある。
国民を鼓舞した蔡英文の宣言
話を台湾に戻すと、台湾も日本と同じくお人よしは多い。だが、戦後初期に中国人政権を直接経験しているためか、中国社会に本能的に警戒感を持っている。日本人は中国に対して、あまりにも警戒心がなさすぎる。   何よりも、いまの日本に根本的に欠けているのは、「国家・国民を守る」という前提と強い意思だ。  新型ウイルスという、未知の見えない相手に対応する場合には、ウイルスを外敵の一種と捉えて、国家を守るという姿勢が欠かせない。   その点で台湾がはっきりしていたのは、「台湾の国家としてのプライドと国民の健康と安全などの生存権を守る」ということである。   1月11日の総統・立法委員選挙で、反中国的な民進党の蔡英文が総統に再選され、また立法院でも民進党が過半数を超える多数を死守できたことが大きい。   蔡英文は再選直後、英国BBCのインタビューでこう述べている。 「いかなる時も、戦争の可能性は排除できない(中略)。しかし重要なことは、自分自身が備えをして、自分自身を守るための能力を身につけることだ」 「(中国が)台湾を侵略すれば、非常に大きな代償を払うことになるだろう」   中国に対してきわめて強硬な姿勢、かつ台湾が独立国家として自信を深めていることを宣言した。
71%が対中強硬姿勢を評価
今回、台湾が世界に先駆けるように、昨年末から武漢肺炎に対して警戒感を持ち、いち早く手を打った背景には、そうした台湾のプライドと、中国への警戒感や反感が大きく作用したと言える。   台湾民意基金会の世論調査でも、自分たちを「中国人ではなく台湾人」と考えている割合は、過去最高の83・2%に上った。昨年末にビジネス雑誌『天下』が発表した世論調査では、年齢層別の数字もある。若い世代ほど、「自分は台湾人」だと思う割合が高い。台湾の現在の正式国名は「中華民国」だが、20~30代においては63・6%が「台湾」と呼ぶべきだとして、「中華民国」の30・5%を大幅に上回っている。   蔡英文の対中強硬姿勢についても「満足」 「まあ満足」の合計が71・5%に達しており、中国共産党の武漢肺炎に対する処理能力については67・3%が「能力はない」とし、中国の状況について88・2%が「きわめて深刻」と考えている。   つまり、中国共産党への不信感の強さと台湾に対する自信と誇りこそが、蔡英文政権の武漢肺炎対応と対中強硬姿勢への支持の高さを支えているのである。
バッタ200兆匹が中国襲来!疫病に蝗害こそ中華帝国崩壊の予兆
日本のメディアではほとんど報じられないが、中国には現在、東アフリカで大発生して、2つの海をわたってインドに襲来し、農作物に甚大な被害をもたらしたサバクトビバッタの大群も迫っている。その数は4000億匹だが、6月には200兆匹に増えるとの予測もある。    疫病に蝗害(こうがい)は、これまでの中華帝国の王朝崩壊の予兆として歴史的にも知られている。加えて、米中戦争でファイブアイズ(諜報活動についてUKUSA協定を締結している米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド5カ国の通称)から一斉にバッシングを浴び続けている中国経済は、昨年の時点で青息吐息である。   アジア諸国がウイルス発生源の中国と次々に手を切ろうとしている今こそ、安倍首相が従来から提唱している価値観外交の原点に回帰すべき時ではないか。武漢肺炎は「脱中国」の契機と捉えることもできる。日本が台湾から学ぶべきことは多い。(初出:月刊『Hanada』2020年5月号)
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神戸・教員間いじめ事件の衝撃2019年10月、教員による教員「いじめ」が大きく報道された。舞台は神戸市立東須磨小学校。インフォーマルな権力を掌握した教員グループが、他の教員たちを習慣的に辱め、暴力を振るい、奴隷化し、そのことを楽しんでいた。被害教員を恥辱にまみれさせる嗜虐あそびの数々は、奴隷プレイともいうべきしかたで、生きることのすべてをきめ細かく「わがもの」につくりかえようとするものであり、全人的な教育・指導(人格支配)の創意に満ちていた。またそれは、職場を加害教員グループを中心とするお祭り騒ぎで埋め尽くす、政治的な空間占拠の営みでもある。彼らは、ここはオレたちを中心とした祭りで埋め尽くされた世界であるという「現実」をつくりあげ、逆らうことはできないぞと他人を畏怖させ、支配を確かなものにする。被害教員を(それが人間だからこそ)人間以下の存在に変形させるお祭り騒ぎによって、あそびの「感動をわかちあい」、職場を「感動でいっぱいにする」ことは、自分たちの勢いを中心として「指導力」がすみずみに広がる集団形成をもたらし、逆らうと怖いぞという権力の誇示にもなっている。「人間まるごと支配」の祭りと、人間関係の利害・権力政治が一体となり、人格モードが変わった教員たちはおぞましい別世界をつくりあげていた。 〔PHOTO〕iStock もちろんこのような「世界」は、市民社会の基本的なかたちと相容れない。現代の先進諸国は人間の尊厳に高い価値をおく。人は個人として尊重される。奴隷的あるいは家畜的な扱いを受けない。人格支配は許されない。すべての人は人間として平等である。もちろん限定された職務の範囲において職務権限の不平等は必要だが、それは、人間「まるごと」が上位者たちに「なかよくしてもらえるよう」に変わる――生まれ変わる――ことを求める身分関係ではない。これが市民社会の基本的なかたちである。しかし日本の学校は、多かれ少なかれ、子どもだけでなく教員にとっても、「何があたりまえの現実であるか」が市民社会と異なる別社会になっている。それは学校だけではない。「社畜」「ブラック企業」などと言われ、人格支配がまかりとおる日本の職場についても、同じことが言える。 わたしたちが生きる日本は、中間集団全体主義にまみれた社会だ。中間集団全体主義は、人格支配を必須条件とする。市民社会の論理とは相容れない。各人の人間存在が共同体を強いる集団や組織に全的に(頭のてっぺんから爪先まで)埋め込まれざるをえない強制傾向が、ある制度・政策的環境条件のもとで構造的に社会に繁茂し遍在している場合に、その社会を中間集団全体主義社会という(『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』253ページ)。東須磨小学校の閉鎖空間では、私たちの社会のすみずみにいきわたる中間集団全体主義が、極限的、集中的、典型的にあらわれた。これは、私たちの顔をくっきりと映し出す倍率を高くした鏡である。人間を不幸にする社会のしくみは、「あたりまえ」の生活に埋め込まれている限り、いつまでも続く。「それ」として見えてこないからだ。今回の極限的な事件は、人が人をいためつけ、人が人を恐れて生きなければならない中間集団全体主義の場のしくみを、くっきりと浮き彫りにする。そして、これを社会問題にすべきではないかと問いかける。「殺してやる」「どうなっても知らんぞ」まず報道を用いて、教員たちの群れがつくりあげていた、「別の世界」を紹介する。現校長(前校長のもとで教頭であったが今年2019年になって持ち上がった)は、加害教員たちについて話す。「この4名の教諭は本校の中核教諭です。指導力とともに力を持ち合わせ、私もこの先生から教えてもらうことが多かったです」「自分より力があり、口出しできなかった」(『FNN PRIME』2019.10.08)。このグループが生じた経緯については、次のように報じられている。前の前の校長が一昨年(2017年)4月、後にグループの中心になる加害教員を東須磨小学校に呼んだ。この教員の周囲にイジメ集団が形成された。この教員は、前の校長にも気に入られていた(『週刊新潮』2019年10月31日号)。校内でインフォーマルな権力を掌握し、だれも逆らうことができなくなった加害教員グループは、以前の校長たちのもとで勢力を拡大していった。 東須磨小学校に勤務していた元教員は証言する。前校長は、「あいつは今から切る」「殺してやる」といった発言をしていた。殺すというのは、この(教員の)世界で生きることができなくしてやるという意味なのだが、そういうことはしょっちゅう言っていた。前校長は、「裏切った奴らの方に付くんだったらオレは遠慮なくあんたのことは切るからな」「どうなっても知らんぞ」とことあるごとに言っていた(フジテレビ『バイキング』2019年10月16日放映)。被害者の一人は、昨年2018年の12月に前校長に相談しようとしたが、「それはいじめじゃないよな」「いじめられてないよな」と繰り返し言われ、「仲は良いよね」と念を押された。また、「(加害教諭から)お世話になっとるやんな(世話になってるよな)」とも言われた。前校長は、近隣学校の親睦会に欠席すると伝えてきた教員に「お前、オレの顔に泥を塗ってええんか」と脅した(教頭時代)。酒を飲めない教員に強制的に酒を飲ませた。書類を渡しに来た教員に、「お前、タイミングを考えろよ。俺がイラついているのが分からんのか」と凄んだ。以後その教員は他の教員に「今、〇〇先生に話をしに行ってもよいですか」とメモで事前確認をしなければならなくなった(教頭時代)(『週刊文春』2019年10月31日号)。想像を絶する加害行為の数々加害教員グループの行為については、次のようなことが報道されている。(1)身体を押さえつけ、歓声を上げながら、激辛のカレーやラーメンを強制的に食べさせる。その激辛の汁を目に塗りたくる。焼き肉のタレを大量に飲ませる。(2)新車の上に乗る。車の中で液体をぶちまける。鞄に氷をいれる。髪の毛や服にノリをつけて、パリパリにする。児童へ配布するプリントに落書をきしたり、水で濡らしたりする。はいていたジーンズを破る。パソコンのキーボードを壊す。携帯電話にパスワードを入力して使えなくする。(3)被害教員の尻を棒状のもので叩き、みみず腫れが生じた。足を踏みつける。プロレス技をかける。椅子を蹴る。被害者が『痛い、痛い』としゃがみ込むほど強く、叩いたり、蹴ったりする。熱湯の入ったやかんを顔につける。首をしめて呼吸困難に陥らせる。ビール瓶を口に突っ込んでビールを飲ませる。ビールのから瓶で頭をたたく。被害教員(男性)の乳首を掃除機で吸う(『週刊新潮』2019年10月31日)。(4)「ボケ」「カス」「クズ」「とろい」「犬」「ポンちゃん(ポンコツの意味)」などと言う。「毎日、…〝性病口〟〝くず口〟〝うんこ口〟〝ごみ口〟などと呼」ぶ(『週刊新潮』2019年10月31日号)。(5)飲食を強要する。仕事をしているのに自動車による送迎を強要する。ダイエットを命じ、体重増減のこまかな報告を要求する。(6)被害教員が担任をしているクラスの児童に「反抗しまくって、学級をつぶしたらいい」とけしかける。被害教員を侮辱し痛めつけるさまを児童におもしろおかしく話す。児童に被害教員のことを「犬のような存在」と言う。(7)猥褻メッセージを送るよう、強要する。「そろそろ生理ちゃうんか」などと女性教員の生理周期を話題にして笑いものにする。しゃがんでいるときに見えた女性教員の下着をみなのまえで話題にする。しゃがんでいる女性教員に後ろから接近し、足で尻を持ち上げるようにして接触する。セクハラの被害教員を、頭が揺れるほど叩いたり、運動会でひきずって怪我をさせたりする。(8)男性教員と女性教員に性行為を強要する。さらに性行為を画像にとって報告するよう命令する。 これについては『週刊文春』が詳細に報道している。 …A(加害教員)が、Z先生(被害教員男性)に向かってこう尋ねた。「そういえばお前、体重なんぼまで落ちてん?」…Z先生はAと男性教員Bらから、ダイエットを命じられていた。…体重の増減は、数値の見える体重計の写真をLINEに送ることで、Aらに管理されていたが、その日、Z先生の体重を確認したAは、ニヤつきながらこう言い放ったという。 「おっ、痩せてるやん。ご褒美に約束通り、Y(女性被害教員)と(性行為の意で)ヤろか」 Aから性行為を強要されたY先生とZ先生は、拒否の意思を示した。だが、Aはうら若き女性のY先生にこうたたみかける。 「じゃあこの後、Zのチンコ握るくらいはせぇよな」 さらにAは、後で行為の証拠画像を送って来るようにと念押しまでした。…Aは「ネットで拾った画像を送って来ないように」と、Y先生の手に、黒いペンで目印となるマークを付けたのだ。…解散間近、AはY先生とZ先生に追い打ちをかける。 「お前ら、(さっき言ったことを)今日やらんかったら知らんぞ」 …「(証拠画像は)汚いからオレの携帯には送ってくんなよ。X(被害教員)の携帯に送れ」 …X先生のスマホが、メールの受信を告げる。画面を開くと、Aが命じた行為を実行したと思しき画像が映し出された。男性の陰部を握る女性の手には、Aが付けた黒い印が残っていた。…その後、Aはこの経過を面白おかしく同年配のBに話し、「Zが射精した」と二人で笑いの種にしていたという。(『週刊文春』2019年10月24日号、22~23ページ)(9)被害教員(男性)が交際している女性についての性的なデマによる侮辱、および下着・性的画像・接触の要求。これについては『週刊新潮』と『週刊文春』が報じている。加害教員は、被害教員が「交際している女性についても、〝やりまんと付きあってるもんな〟〝俺、お前の彼女とエッチした〟〝お前の女、すぐ股開くで〟〝軽い女やから〟」などと言った(『週刊新潮』2019年10月31日号)。 C(加害教員)はX(被害教員)に『Y(Xが交際している神戸市内の女性教職員)の下着を持ってこい』とか『下着の写真を撮ってこい』と要求するようになった。Xのスマホを取り上げ、勝手にフォルダをスクロールして彼女の写真を探したこともあった。「オレはYと一発ヤッた」と言い出して、性器の特徴まで妄想して、ニヤニヤと語り始めた。CはXに、Yについての性的写真をしつこく要求した。Cは、自分がつくった粘土細工をXに渡し、それをYの自宅アパートに飾っておくよう命令した。そしてXに、「おい、彼女の下着をはやく見せろよ。そういえば、粘土細工を渡したよな。オレの作品を部屋にちゃんと飾っとるか、今から行って確認させろ」と言って、実際にYの自宅にやってきた。Cは何度もYの自宅前までおしかけた。Cは飲み会の帰りにXの車に乗り込むと、自宅ではなく、Y宅に向かうようXに指示したこともあった。Cは、Yの家に上がり込み、わいせつな行為に及んだとする噂を生じさせた。(『週刊文春』2019年10月31日号)(10)被害教員が出張にいくとき「甘いもんを買ってくるのが礼儀やろ」と強要し、買ってくると「こんなもんで好かれようとするな」といって、目の前でお土産を捨てた(『週刊新潮』2019年10月31日号)。(11)思い通りにならないと感じた児童の体を突き飛ばす。被害児童は骨折した。学校組織はそれを警察に届けず、闇から闇に葬った。市教育委員会は、「突き飛ばしたのではなく、児童をバレーボールのコートの外に出そうとした際に児童の足がもつれて転んだ」と説明した。児童に「あなたのことが嫌い」と言う。急に椅子を引いて児童を転倒させる。被害児童は頭を打った。加害教員について次のように言う保護者もいた。「本当に熱心で、親身になってくれる先生だったんです。問題を��えた子の家に何回も足を運んだり、イジメやセクハラをしていたなんて信じられません」(『週刊文春』2019年10月31日号)。現校長は一連の虐待行為を教育委員会に報告していなかった。事件が大きく報道された後の記者会見で、ときに泣いたりしながら、誠実そうな表情で、「本当に被害教員には申し訳ないが、そういうことを感じたり気づくことはできなかった。隠蔽という意図は一切私の中ではありませんでした」と答える。それに対し、東須磨小学校で勤務していた教員は、「私は、被害者が暴力的なパンチやキックをされているのを、主に職員室内で見た。教頭(現校長)は同じ職員室内で仕事をされているので、余計目にする機会は多かったんじゃないかと思う」と証言する(フジテレビ『バイキング』2019年10月16日放映)。また現校長は、教員の加害行為を問題にする保護者に対し、「先生にも、そして皆さんにも本当にごめんなさいの気持ちでいっぱいです。これから先生たちみんなが仲良くなるように、先生たちは全力で力を合わせて一生懸命がんばります」と答えた(『FNN PRIME』2019年10月8日)。10月16日に開かれた保護者会で学校側は加害教諭4人のコメントを公表した。そのうちリーダー格の40代女性教諭のコメントは次のようなものだった。「自分の行動が間違っていることに気付かず、被害男性が苦しんでいる姿を見ることは、(今まで)かわいがってきただけに本当につらい」。なぜいじめが起こるのかこの事件を、マス・メディアは集中的に報道した。テレビでは、「立派で尊敬すべきはずの先生がこんなことをしている。あきれた。ゆるせない」という感情のストーリーをあおる報道が目立った。ここで起きていることの大筋は、本稿のはじめの部分で述べた。上記報道による紹介を読んだあとで、もう一度、はじめの部分の論述に目を通していただきたい。一言でいえば次のようになる。(1)学校と教育が特別扱いされる現行制度に支えられた構造的な閉鎖空間のなかで、(2)嗜虐的攻撃(いじめ)の筋書を用いた遊びによる悪ふざけのお祭り騒ぎと、(3)利害権力政治が、(4)不可分に結合し渾然一体となることで、(5)大きな市民社会のなかで「何があたりまえであるか」の別領域となった祭政一致の小さな社会が生じた。 以下、今回の事例を検討しながら、この「祭」と「政」の詳細を分析する。加害教員が行った嗜虐的迫害の内容は驚くほど多彩である。一見すると一つ一つがバラバラでまとまりがなく、理解しがたく感じられるかもしれない。しかし、そのほとんどは、以下で説明する全能筋書〈遊びたわむれる神とその玩具〉によって組み立てられていると考えれば、一貫した論理のもとで理解可能になる。戦略的攻撃と嗜虐的攻撃は、結合していることが多いが、それ自体、別のものである。たとえば、ピストルを突きつけて脅した後に口封じのために撃ち殺して金を奪うといった行動は、通常、「金を手に入れるためにピストルで脅し、口封じのために射殺する」といった戦略的攻撃の側面と、「ピストルをつきつけられた被害者がブルブルふるえて失禁するさまを見てゲラゲラ笑う」といった嗜虐的攻撃の側面が結合している。嗜虐的攻撃は、独特の欲望のひな型を満たすことをめざす攻撃である。この欲望のひな型は、全能を享受することに向けられた筋書の一種である。説明しよう(以下引用箇所では嗜虐的攻撃を「いじめ」と表記している)。【他者コントロールの欲望のひな型】他者をコントロールする全能というものについて、掘り下げて考えてみよう。たとえば、コップを壁にたたきつけて粉々に砕いても、そこには他者コントロールの手応えはない。それに対して他者は、自己とは別の意志を有しており、独自の世界を生きている他者である。だからこそ、いじめ加害者は、他者の運命あるいは人間存在そのものを深部から、自己の手のうちで思いどおりにコントロールすることによって、全能のパワーを求める。思い通りにならないはずの他者を、だからこそ、思い通りにするのである。これを、他者コントロールによる全能と呼ぼう。他者コントロールによる全能には、さまざまなタイプがある。いじめによるものは、そのうちのひとつだ(『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』74~76ページ)。それでは、嗜虐的攻撃(いじめ)の欲望のひな型は、どのようなものか。【嗜虐的攻撃(いじめ)の欲望のひな型】いじめの加害者は、いじめの対象にも、喜びや悲しみがあり、彼(彼女)自身の世界を生きているのだ、ということを承知しているからこそ、その他者の存在をまるごと踏みにじり抹殺しようとする。いじめ加害者は、自己の手によって思いのままに壊されていく被害者の悲痛のなかから、おもいどおりにならないはずの他者を、だからこそ、思いどおりにする全能を生きようとする。このような欲望のひな型を、加害者は前もって有しており、それが殴られて顔をゆがめるといった被害者の悲痛によって、現実化される。これがいじめの全能筋書である(『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』77~78ページ)。【嗜虐的攻撃(いじめ)の全能筋書のレパートリー】嗜虐的攻撃の全能筋書は、具体的な迫害行為の場面で、さまざまなかたちをとる。これらはすべて、もともとあった他の筋書が、嗜虐的攻撃の全能筋書に転用(流用)されたものである。代表的なものは、次の三形態のレパートリーである。(1)〈破壊神と崩れ落ちる生け贄〉: 加害者が力を加えると、被害者は、その爆発的な勢いによって瞬時に崩れ落ちる。子どもが積み木を一気に崩すときのような筋書の転用(流用)。(2)〈主人と奴婢〉: 命令―使役の筋書の転用(流用)。(3)〈遊びたわむれる神とその玩具〉あるいは〈遊ぶ神〉: 悪ふざけによって、通常の世界の条理を、条理が条理であるからこそ「ありえない」やりかたで変形させることは、世界そのものを自在につくりかえているかのような全能筋書となる。全能は、笑い転げるというしかたで享受される。遊びたわむれる神は笑いながら世界を破壊しつつ創造する。つまり、あらたな接続線を引いて世界の別次元の脈絡をありえないようなやりかたで強引に結びつけ、思いのままに条理そのものを一気に破壊しつつ再創造する。そして、その思いもよらぬ形態変化の愉快なかたちに笑い転げるのである。この論理は抽象的に考えればムズカシそうであるが、具体例を挙げれば、わかりやすい。たとえば通常は口から吸うたばこを肛門にさして、肛門から吸うしぐさをし、これをホタル(尻が光る昆虫)と命名する(学生の体験談より)。こういうものである。こういった楽しい遊びのストーリーが、嗜虐的攻撃の全能筋書として転用(流用)される。この全能筋書〈遊ぶ神〉のレパートリーが、人間の嗜虐的攻撃に最悪の「豊かさ」を付け加える。たとえば児童生徒による嗜虐的迫害(いじめ)事例をみると、よくここまで思いつくものだと感心せざるをえない遊戯的様式を、加害者たちは創造する。たとえば、手に積ませたおがくずにライターで火をつける。靴を舐めさせる。ヒモで首を縛って四つんばいにして犬にする。草を食わせる。便器に顔を突っ込む。性器を理科の実験バサミではさんだり、シャープペンシルを入れたりする。スカートを頭の方で結び視界と自由を奪ったうえで、予期せぬ身体的侵襲を加える虐待遊びを、「茶巾絞り(ちゃきんしぼり)」と命名する。そこには歌や奇妙な命名や振り付けがしばしば付随する。また、ルワンダや旧ユーゴなどでみられたように、民族紛争時の民兵が、ただ殺すのでなく、なぶり殺しを行う(さらに強姦がその「味つけ」に加わる)ときの、創意に満ちた「なぶり」の要素を生み出すのが、全能筋書〈遊ぶ神〉である(『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』84~97ページ 要約と加筆)。この理論について詳しくは拙著『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』を参照されたい。学術書としては『いじめの社会理論――その生態学的秩序の生成と解体』がある。 〔PHOTO〕iStock 性的に「おもうがまま」にすること今回の東須磨小学校の事件に特徴的なのは、全能筋書〈遊ぶ神〉が突出している、ということである。加害教員が被害教員を嗜虐的に痛めつける筋書のレパートリーのうち、〈遊ぶ神〉が圧倒的に多い。加害教員たちが行っていたお祭り騒ぎは、広い社会では何の利益ももたらさない純然たる愚行であるが、閉鎖的な世界ではきわめて合理的な権力政治の手段になっている。実際に彼らは世渡りがうまい。自己コントロールも人並み以上である。加害教員は前校長のお気に入りでもあった。前校長が、些細なことに難癖をつけて下位者を痛めつけるありさまを紹介したが、このような前校長にへつらって気に入られるためには、かなりの自己コントロール能力が必要である。加害教員たちは、市民社会から遮断された人間関係の政治において、きわめて合理的にふまっている。それは次のような祭政一致の政治である。 (1)お祭り騒ぎの勢いによって、ここにいるオレたちが勢いの中心なんだゾということを絶えず示し続けることができる。(2)そのお祭り騒ぎが嗜虐的迫害(いじめ)であるから、他の人たちはものすごい恐怖を感じる。このことによって、他人を恐怖で支配することができる。(3)もともと日本の学校は構造的に、その場その場の「みんな」の感動が響き合い「ひとつになること」、「わたしたちの日々のがんばり」、主流のムードに同調して「なかよくすること」が、規範の準拠点になりがちである。規範の準拠点とは、神とか、天皇とか、法とか、人間の尊厳といった、「よい/わるい」を決定する、これ以上根拠をさかのぼることができない畏怖すべき参照点である。このような小社会で、お祭り騒ぎの勢いの中心になることは、自分たちが生み出す「みんなの」勢いが、神のように畏怖すべき規範の準拠点になるということでもある。勢いの中心にある側に逆らうことは、力関係上大きな損失があるとか、気持ちのうえで圧倒されるとかいったことだけでなく、「なかよくする」「みんなで気持ちを一つにする」という最高規範に反しているという罪悪感をもたらす。加害グループがインフォーマルな権力を掌握し、日々お祭り騒ぎを積み重ねることが、「よい/わるい」の基���自体を外部の市民社会とは別のものにする。彼らはこうして、悪ふざけを積み重ねながら祭政一致の別世界をつくりあげる。これは生物学でいう「ニッチ構築」にあたる。(4)「おもしろ」と恐怖が一体となったお祭り騒ぎは、サブリミナルなところから、人格のまとまりをすり抜けて情動を反応させ、パブロフの犬のような反応の連鎖としての人間の集合体をつくる。こうして人間存在の深いところから被害者を、調教された動物のように従属させることができる。このような祭政一致の「おもしろ残酷遊び」は、進行するにつれて性を手段とするようになりやすい。それは、性が人間存在の深み、核心、根底にあると感じられているからである。だからこそ、それを思うがままに破壊してつくりかえることは、他者の人間存在を「わがもの」にする営みが完成形に近づくあかしとみなされる。性が人間存在の深部が賭けられた領域であると感じられるからこそ、嗜虐的虐待がエスカレートするにつれて、性という媒体が入り込んでくる。多くの前近代社会では、勝った側が負けた側を性的に「おもうがまま」にすることは、その力の輝きを示す営為として当然のことであった。預言者モーセが率いるユダヤ人集団はミディアン人集団との戦争に勝ち、男たちを皆殺しにし、女と子どもを捕虜にした。捕虜たちが生きているのを見たモーセは、もっとまじめに殺せと怒った。「子どもたちのうち男の子は皆殺せ。男と性行為をしたことのある女も皆殺せ。処女だけは、おまえたちのために生かしておけ」(『旧約聖書』民数記)内戦や民族紛争のような局面では、それが条理であるがゆえに条理をひっくりかえして〈遊ぶ神〉が、性の使用と結合して暴走し、強姦と殺戮と極限的なブラック・ユーモアが渾然一体となった凄惨きわまる事態をひき起こす。 心理学者のフィリップ・ジンバルドーは、健康な若者を十数人ずつ、看守役と囚人役に分けて地下の模擬監獄で共同生活をさせた。すると、ほんの数日で、看守役は囚人役を嗜虐的に痛めつけるようになり、囚人役は心理的に破綻しはじめた。(注:近年、ジンバルドーが若干のそそのかしをしていたという説が有力になってきた(参考)。しかし、若干のそそのかし程度でここまでエスカレートすることは、人間は状況によってきわめて嗜虐的になりうることを示す。ジンバルドー自身の不正疑惑と実験そのものの価値は別である)このプロセスが進行するにつれて、看守役が、囚人役に性行為のしぐさをするよう命じてあざ笑うといったことが、自然発生的に増えてきた。また、アブグレイブ収容所に収容された人々に米軍関係者が虐待を加えていた事件でも、それが進行するにつれて、遊戯的に性的な恥辱を与える残虐な行為がエスカレートしていった(ジンバルドー『ルシファー・エフェクト』)。被害教員の存在を深部から破壊しつつ…東須磨小学校の加害教員たちも、被害教員の存在を深部から破壊しつつ完全に「わがもの」にする遊戯として、被害教員の性をいじくりまわしている。被害教員が、その性を、存在の根底にお��て「かけがえのない、固有の世界を生きる、わたし」と関わる領域としているからこそ、そのポイントに集中して恥辱を加えるお祭り騒ぎは、他者を人間であるからこそ人間以下の存在に変形して支配する祭りに欠かせない要素になるのである。また、被害教員が交際する女性は、被害教員にとって「ただ肉体目当てにひっかけて遊んでいる」のではなく、「かけがえのない、固有の世界を生きる、わたし」の深部で交わる「特別なあなた」であるからこそ、加害教員は、被害教員が交際している女性に性的に接近し、汚辱を加えて、お祭り騒ぎをしようとするのである。もし交際女性が被害教員と前者の関係にあったとすれば、加害教員は少なくとも女性の側にはそれほど関心をもたなかったであろう。性の領域にかぎらず、被害者が自己が自己であることに関連づけて、何よりも大切にしている(と感じられる)ものを破壊し、汚し、あるいは、何の価値もない存在に変形することは、祭りに必要なイベントとなる。歴史をひもとけば、子どもを神への生け贄にすることが求められ、それに従うことで共同体の一員として生存することが許される、といったことは、祭政一致の社会ではよくみられる。新任教員がはじめて給料をもらって、あるいはみずみずしい人生の門出を祝うようにして購入したとおぼしきピカピカの新車だからこそ、加害教員たちは上に乗ってへこませ、水をこぼし、汚して破壊しようとする。これが激安のオンボロ中古車であれば、わざわざこのようなことをしないだろう。神は「わたしは全能の神である」といってアブラハムのもとにあらわれた。そして、アブラハムの人生を、高齢の妻が子を産むといった、ありえないことでいじくりまわしはじめた。そしてアブラハムに、子のイサクを殺すように命じた。アブラハムは従順に命令に従おうとした。神はその態度をよしとした(『旧約聖書』創世記)。加害教員グループがやっていることは、こういうことである。前述のお土産のエピソードは、きわめて示唆的である。加害教員はお土産を買ってこいと被害教員を圧迫し、そのうえで、被害者が苦労して買ってきたお土産に「こんなもんで好かれようとするな」と悪態をついてゴミ箱に捨てたのであった。この、お土産をごみ箱に捨てる行為の意味は、中井久夫による次の分析がみごとに当てはまっている。 「透明化作戦」の過程で行われるものに「搾取」がある。… …何よりも被害者を打ちのめすのは、そのようにして被害者にとってはいのちがけで調達した金員を、加害者がまるで無価値なもののように短時間で慰みごとに浪費したり、甚だしきは燃やしたり捨てたりすることである。これは加害者が加害者にとっては被害者の献身的行為も無に等しいということを被害者に見せつけるために行う行為である。被害者にとっては、加害者がいかに巨大で、自分がいかにちっぽけでとるに足りないかを身にしみてしたたか味わう瞬間である。(中井久夫『中井久夫集6 1996-1998 いじめの政治学』みすず書房)癌の進行度をあらわすステージ分類のように、人道に反する行為によって人間が根底から破壊される程度を示すステージを考えることができる。たとえば、ナチスドイツのユダヤ人収容所でのありさまは最高レベルの進行度を示していると考えることができる。そこでは、人前で裸でいるとか、人が見ているところで排便排尿するといったことが、あたりまえの状態になっていた。このような事態が認められれば、ステージはかなり進行していると判断できる。 人間の奴隷化・家畜化『週刊文春』によれば、東須磨小学校の加害教員は男女の被害教員に性行為を強要し、「命じた行為を実行したとおぼしき画像」(『週刊文春』2019年10月24日号)を送信させた。実際に性的行為の画像が送信されたという事態は、人間の奴隷化、さらには家畜化という点で、ステージがナチスドイツのユダヤ人収容所と同等の水準に達していることを示している。加害教員たちが行おうとした遊びの筋書は、次のようなものである。二匹の家畜化した被害教員に、家畜のように交尾することを強制する。飼い主になった加害教員は、侮辱の笑いを浴びせながら、その家畜人間の交尾を見世物にして盛り上がる。これである。性行為の画像を要求することは、性的興奮のためにポルノグラフィを手に入れるといったこととは、まったく異なっている。これは、人間を人間でない家畜にみたてて、人間がその汚い家畜に変化させられて交尾するのを、きれいな人間としてあざ笑う、という筋書を成就する遊びである。だから、加害教員は「(証拠画像は)汚いからオレの携帯には送ってくんなよ。X(別の被害教員)の携帯に送れ」と命令する(加害教員は、被害教員を汚物のカテゴリー(穢れが多い。人に非ず。人間以下の動物)に入れ、自分たちを汚物に触れない清浄のカテゴリー(きれいな人間)に入れる)。その結果、実際に性行為の画像が送信され、加害教員グループは、「Z(被害教員)が射精した」と笑い合うのである。もちろん人間の尊厳を最高価値とする市民社会の側としては、報道が正しいとすれば、このような加害教員たちに、(1)刑事裁判による執行猶予なしの重い刑事罰、(2)民事裁判による高額の損害賠償金の支払い、(3)退職金なしの懲戒免職を科さねばならない。この三つのうち、どれか一つでも欠けることは許されない。たとえ初犯であっても執行猶予をつけてはならない。彼らが為したことは、人道に反する罪であるからだ。加害集団の「世渡り」と「世界」のしくみ以下の論述は、東須磨小学校のケースが生じる10年前(2009年)に書かれたものであるが、「生徒たち」を「加害教員グループ」に代えれば、そのまま、加害教員グループの合理的な「世渡り」と、彼らが生み出しながらそのなかに棲む「世界」のしくみを要約したものになっている。すこし長くなるが、「生徒たち」を「加害教員グループ」に書き換えて紹介しよう。お祭り騒ぎで悪ノリするときの存在感は、群れのなかでの有利な身分や勢力を与える。嗜虐的攻撃(いじめ)によるお祭り騒ぎは脅しによって力を顕示し、自己勢力を拡大する合理的な戦略にもなっている。…集団生活で悪ノリする権力ゲームは、他者コントロールの全能追求で利益を最大化できる、あるいは利益のためにこの全能追求に「気合いを入れ」なければならない利害構造に支えられている。…加害教員グループにとって権力とは、他者コントロールの形態を用いた全能具現の営為であると同時に、利害構造のなかでの戦略的行為でもある。利害構造のなかの戦略的合理性という観点からは次のように言うことができる。お祭り騒ぎ(悪ノリ)は…戦略によって導かれ、このお祭り騒ぎを通じて当の戦略がさらに合理的となるような政治空間ができあがっていく。そしこの政治空間のなかで、お祭り騒ぎはますます戦略的に合理的なものになる。この繰り返しのなかで、巻き込まれた者たちの内的モードは、心理的断片群が瞬時に群れの勢い(空気)に応じて作動する、「群れ人格」のモードへ転換していく。こうして、保身と勢力拡大の手立てを計算しながら、ばかになって悪ノリする者たちが生み出す心理―社会的な政治空間が完成していく。そしてこの政治空間を成立平面として、さらに次の時点の権力とお祭り騒ぎが生み出される。このようなループが回り続けるとき、政治空間は動かしがたい社会的現実になる。そしてこの社会的現実のなかで、嗜虐的攻撃(いじめ)はどんどんエスカレートしていく。(『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』157~159ページ 「生徒たち」を「加害教員グループ」、「〈祝祭〉」を「お祭り騒ぎ」、「いじめ」を「嗜虐的攻撃(いじめ)」に書き換えた)加害教員グループがどれほど戦略的合理性(世渡り能力)に満ちており、どれほど狭い世界の「中核」として政治的に成功していたかを示すのが、前述の現校長の発言である。「この4名の教諭は本校の中核教諭です。指導力とともに力を持ち合わせ、私もこの先生から教えてもらうことが多かったです」「自分より力があり、口出しできなかった」(『FNN PRIME』2019.10.08)彼らが生きる教育的自治の「世界」に市民社会が介入したとき、彼らは破滅した。彼らの世渡り能力(戦略的合理性)は、教育の世界でうまくやることに特化しすぎており、外の世界が見えなくなってしまっていたのだ。このような教育的自治の世界がいかに有害なものであるかを、加害教員グループはくっきりと示してくれた。 〔PHOTO〕iStock 私たちは、日本のまちがった教育制度のもとで大繁殖する、教育的自治の世界から大きな被害を被っている(これについては、この『講談社現代ビジネス』での一連の論考、あるいは『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』などで繰り返し論じた)。だが、私たちは学校の集団生活を「あたりまえ」と感じるように習慣づけられてしまっているので、それが目の前にあっても見えてこない。だから学校が市民社会のなかの「別の世界」になること自体が、改善すべき社会問題と感じることはなく、結果、悲惨な事態はいつまでも続く。この、教育的自治の世界で大繁殖する残酷を、東須磨小学校の加害教員グループは、いわば10倍の倍率で拡大してみせてくれた。彼らは、細胞内の特定の構造をくっきりと浮き上がらせる染色液のような存在である。
神戸教員いじめの「残酷な支配構造」加害者が作り上げた「別世界」 - ライブドアニュース
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[翻訳] ブラック・ライヴズ・マター運動から考えるインドのマイノリティ問題(1)
ブラック・ライヴズ・マター運動から見たインド
――インドも構造的差別や警察の暴力という深刻な問題に早急に対処する必要があることは明らか
2020年6月9日
ディヴヤ・チェリヤン(プリンストン大学歴史学部助教)
アメリカが揺れている。
建国の理想「生命、自由及び幸福追求」の選択的適用がまたぞろ前面に現れた。警察による非武装の黒人市民の殺害と、コロナウイルスが黒人コミュニティに与えた不釣り合いなインパクトは、アメリカが黒人の命を軽視し、そのくせ黒人の身体からは労働力を搾取していることを浮き彫りにしている。
インドとの共通点がある。それは、既に抑圧されている人々とその支援者を���意をもって叩きのめす警察、憲法と法律に基づく権利を尊重しない警察、そして、少数派や反対勢力に敵対的な国家指導者である。
どちらの社会においても、これらの不正義は歴史に深く根づいている。アメリカの建国の理想はアフリカ人奴隷やその子孫には及ばなかった。彼らは1861年の南北戦争勃発までに約400万人を数え、無給労働でアメリカの繁栄に貢献したにもかかわらずである。
公的な差別は数十年前に終わったが、黒人のアメリカ人は他の人々よりも大きな経済的・社会的障壁に直面しつづけている。ダリット〔旧不可触民〕、アーディヴァーシー〔先住部族民〕、ムスリムに対するインドの構造的差別、極度の経済的不平等、そして、既にカースト・階級秩序の被害者である人々に対する警察の暴力的でしばしば違法な弾圧を考えると、アメリカでの抗議行動はインドを悩ませている多くの問題にも通じる。
アメリカの抗議活動という鏡の中のインドを見れば、インドも構造的差別と警察の暴力という深刻な問題に早急に取り組む必要があることが明らかになる。また、インドがそのような変化のための戦いからはほど遠いことも明らかになる。
背景
ジョージ・フロイド殺害は最後の引き金を引いた。
近年、携帯電話カメラの普及により、警察による黒人男女殺人事件を記録することが可能になった。これらの記録により、非武装の黒人男女がジョギングや運転、自宅にいたなどの「犯罪」のために、どのように銃で撃たれたり、首を絞められたりしていたかが明らかになっている。それらは警察が事件についての公式見解でいかに露骨な嘘をつくことができるかも明らかにした。
黒人コミュニティでは数十年前から警察の手によるこの不当で違法な黒人の死のパターンが認識されていたが、これらの携帯電話記録によってアメリカの他の人々も見て見ぬ振りをすることが難しくなっていった。2014年に黒人少年マイケル・ブラウンが警察に殺害されて以来、怒りは繰り返し街頭での抗議行動に発展し、時には暴力を伴った。まさにその怒りこそが、警察官のボディカメラ義務化から人種偏見トレーニングの導入まで、全米の当局に改革への努力を促してきたのである。
一方、コロナウイルスは有色人種コミュニティに非常に大きな被害を与えている。黒人はコロナウイルスに感染し、またそれによって死亡する率が不釣り合いに高い。また、黒人は低賃金ではあるが必要不可欠な仕事に就いている割合がはるかに高く、裕福な人々が自宅で仕事ができるようにするため毎日命を危険に晒している。
コロナウイルスはまた、給料ぎりぎりで生活している何百万人もの人々の失業により、大規模な経済的苦痛をもたらした。多くの人が家族を養ったり、家賃や住宅ローンの支払いをしたりするのに苦労している。政府の緊急財政支援プログラムが助けになっているが、何百万人もの人々が依然として極度の財政難と不確実性に直面している。
しかし、最近の事件は、警察が黒人をどう扱うかについて重要な点ではほとんど変わっていないことを浮き立たせた。
2月には、ジョージア州の小さな町にある白人が多い地区をジョギングしていた黒人男性アーモード・アーバリーが白人父子2人組に追い回されて射殺された。
3月には、ケンタッキー州ルイヴィルの警察が、自宅にいた黒人女性ブレオナ・テイラーを別人の捜索中に殺害した。
5月のフロイド殺害事件の数日前には、白人女性エイミー・クーパーが黒人男性について警察に虚偽の告訴をしている様子を伝えるニューヨーク市発の動画が表に出た。この女性は公園の一角の管理規則に従って犬をつなぐように言った男性に仕返ししようとしたのである。クーパーが自分の個人的な復讐の道具として手軽に警察の暴力を呼び込もうとしたことは、広範な怒りと非難を呼び起こした。
「警察予算を打ち切れ」
しかし、今アメリカは岐路にあるように思われる。
黒人コミュニティと、より公正な社会を求める人々は、法執行機関の手で黒人の男女が殺害されつづけることにうんざりしている。今まさに抗議活動から生じている最も緊急の要求は警察予算の打ち切りである。
現下の定式化においては、これは警察予算と警察活動を大幅に削減せよという要求である。それは、犯罪の根本的な原因に対処し、また、可能なかぎり多くの状況について、信頼関係によって状況を鎮めることができるコミュニティ組織を通じて対応せよという叫びである。
それは、これらのより全体的なアプローチを支える方向に可能な限り大きな額を振り向けよという要求である。
改革に向けた努力にもかかわらず警察の手による黒人の死が続いていることに鑑みて、活動家たちは警官隊の監視や再訓練のような措置が黒人に対する警察の差別と暴力を防ぐのに役立っていないと主張している。抗議者の一部は今、アメリカと警察との関係を再考するよう要求している。
彼らの指摘によれば、過去数十年の間にアメリカでは社会問題が治安問題として捉えられるようになった。ホームレスのような問題を処理するために警察が派遣されている。社会経済的な根をもつさまざまな問題が犯罪としてのみ扱われ、その犯罪の背景にあるかもしれない貧困、薬物乱用、精神衛生上の問題を緩和するために注意が払われたり投資がなされたりすることはほとんど、あるいはまったくない。
このような警察への過度の依存と、警察の権限と業務の範囲の拡大が事態をここまで悪化させた大きな要因である。
それに加え、アメリカが海外で戦っている戦争が本国に持ち帰られてきている。アメリカの都市警察は装甲車やさまざまな重火器に投資し、ますます軍事化している。SWAT(特殊武装・戦術)チームはますます軍の強襲部隊のようになっている。アメリカは今、自国社会の一部に対して、戦線の向こうの「敵」にするのと同じように接している。
以上は、その多くが人種的マイノリティである都市部貧困層が「他者化」されていることを示唆している。
最後に、評論家らが指摘しているように、ますます不平等になる社会の中で、アメリカの政治指導者のアプローチは緊縮財政に傾いている。民主・共和両党いずれのエスタブリッシュメントも、アメリカには福祉的な解決策をとる余裕がないと主張している。それにもかかわらず、警察予算は富裕層の銀行口座や企業の利益率と同じく膨張しているのだ。
抗議活動自体は平和的ながら活気のある集会から、公共や私有の財産を標的にした暴力的なものまで多岐にわたっている。大都市だけでなく、小さな町でも抗議集会が行われてきた。
暴力に発展した一部がニュースの見出しを飾ったとはいえ、ほとんどの抗議行動は平和的であった。アメリカ全土の抗議集会に共通しているのは参加者の多様性である。人種や年齢を超えた人々が、パンデミックの真っ只中で、黒人に対する非常に不平等で人種差別的な暴力に立ち向かうため、大きな個人的リスクを冒して外に出てきたのだ。
コンセンサスが形成されたことで、数日のうちに警察予算の打ち切り要求が主流となった。ロサンゼルス市当局は、警察予算を最大1億5000万ドル削減することを検討している。フロイドが殺害され、抗議行動が始まったミネアポリスの市議会は、市警を解体し、コミュニティ主導の安全という代替モデルを模索することを決議した。
南アジア系(Desi)の少年少女
この激動の中で、インド系アメリカ人はさまざまな役割を果たしてきた。多くの人が自ら人種差別に苦しんできた経験を持ち、反人種主義的な動機に共感を示している。
ワシントンDCのラーフル・ドゥベーのように、抗議者を支援するために、それ以上のことをしてきた人もいる。より広く南アジア系アメリカ人コミュニティの中には、個人的に大きな犠牲を払ってでもブラック・ライヴズ・マター運動を支持している人もいる。バングラデシュ系アメリカ人のある家族は、経営するミネアポリスのレストランが抗議活動中に全焼したにもかかわらず、運動を断固として支持したことでニュースになった。多くのインド系アメリカ人、特に若い人たちが抗議行動に参加し、行進し、プラカードを持ち、コールを唱和している。
そのほかに、ドナルド・トランプの忠実な支持者であり、アメリカの右派とイスラム恐怖症で手を結んでいるインド系アメリカ人の少数派もいる。
南アジア系アメリカ人の多くは、トランプ支持者であろうとなかろうと反黒人的であり、その世界観は彼らが米国に一緒に持ち込んだカーストや肌色差別に一部由来するものである。このコミュニティの多くの人は、たとえドナルド・トランプを軽蔑し、人種的正義を擁護していたとしても、自分の子供が黒人と結婚するとなったら大いに動揺するだろう。
多くの南アジア系リベラル派の人々は、本国インドでのムスリムやダリットに対する迫害の高まりに目をつぶっており、家族やコミュニティの中で横行しているイスラム恐怖症やカースト主義的な態度にもあえて異議を唱えない。このグループは、アメリカにおける平等と正義を熱烈に支持する一方で、インドおよびインド人ディアスポラ内部における差別に無関心、あるいは差別を支持さえしているということに皮肉を感じていない。
悲しむべきことに、ほとんどの南アジア人は、彼らが19世紀後半に初めてアメリカに移住したとき、彼らを庇護し、友情や結婚による結びつきの中に入れてくれたのは黒人やヒスパニック系の隣人たちであったことを忘れてしまっている。黒人の公民権闘争の成功は、1965年まで南アジア人も排除していた人種差別政策を打ち倒す役割を果たしたのである。
それ以降、インド系アメリカ人がアメリカで生活や事業の基盤を築いていく中で、アジア人はアメリカで成功するために必要な「正しい」労働倫理と家族の絆を授けられているとする「模範的マイノリティ」神話を多くの人が信じ込んでしまった。
多くのインド人は、このようなステレオタイプと結びつけられていることに何の問題もないと考えている。しかし、すべてのステレオタイプと同様に、アジア人=模範的マイノリティという考え方は、アメリカにおけるインド人の歴史的経験の多様性を消し去ってしまう。また、もしも黒人が十分勤勉に働き、「正しい」価値観をもっていれば、自分たちが置かれている社会経済的条件に苦しむことはないだろうと示唆することで、反黒人的立場を正当化する働きもしている。
模範的マイノリティという枠組みを受け入れることで、アメリカにおける黒人の苦しみの根本原因である構造的・人種的な非対称性を却下することができる。南アジア系アメリカ人コミュニティの進歩的な人々は、模範的マイノリティ・パラダイムを拒否し、インド人ディアスポラに対して黒人の兄弟姉妹とともに立ち上がって意味のある変化を要求するよう訴えている。
インドと黒人の命
マイノリティに対する警察の暴力の問題は、インドの状況と共鳴している。インド警察は「交戦殺害(encounter killing)」〔被疑者の抵抗を受けた警察側の正当防衛を建前とする超法規的殺害〕などの手法を用いており、その標的は主にムスリムや低カーストの男性である。インドでは警察拘禁下の死亡や拷問がはびこっている。
コロナウイルスは警察の暴力を激化させたとしか思えない。インドの警察官が、自分たちの村まで徒歩で困難な旅をしている貧しい、しばしば飢えた出稼ぎ労働者たちを容赦なく殴りつけたという報告が多数ある。
警察は多様性の欠如が顕著で、留保枠があるにもかかわらず、指定カースト・指定部族からの採用は立ち遅れている。これは、留保された職位の多くが空席のままで許されているためである。インドの警察ではムスリムも十分代表されていない。
したがって、インドの警察官の間に反ムスリムの偏見やカースト主義的な態度がはびこっていることが研究で明らかになっているのは驚くべきことではないだろう。現場の警察はムスリムやダリット、あるいはより公正な社会を求めて抗議する人々を鎮圧すべきものと認識し、党派的な態度をとることがある。
アメリカにおける抗議運動は、インドが自国の警察問題について真剣に話し合うときが来たことを痛感させる。
アメリカに住むインド人として私が強い印象を受けたのは、今この瞬間との共通点だけでなく相違点にでもある。インドでは、米国と同様に、携帯電話の普及により不当な死や暴力を記録することが可能になった。
しかし、インドでは通常、関係者や無力な傍観者はこうした記録をしない。むしろ動画は一般的に、血塗られたスポーツのトロフィーとして記念し、回覧しようとする楽しげな参加者によって記録されている。
牛を傷つけたとされたためであったり、あるいは「ジャイ・シュリー・ラーム〔ラーマ様万歳〕」と唱えるように迫られながら行われたりするダリットやムスリムのリンチはありふれたことになっている。しかし、その種の事件の最初、2015年にダードリー〔ウッタル・プラデーシュ州〕でムハンマド・アクラークが群衆にリンチされたときでさえ、広範な怒りを呼び起こすことはなかった。
カシミール地方や北東部でのインド軍による人権侵害については、たとえ記録があったとしても、一般的にインドの主流派の評論家たちは非難しない。インドのほとんどの人々にとって、ショックを受けたり恥じたりして自分たちの命令による残忍な不正義に対して立ち上がるに値することは何もないようだ。
インド人やインド系アメリカ人の中にはジョージ・フロイド殺害に激怒している人もいるが、彼らはそう、ペヘルー・カーンが殴り殺されたときにはまったく動じなかった〔2017年のリンチ殺人事件〕。最近のアメリカにおけるブラック・ライヴズ・マター運動への多くの公的な支持表明と同じように、インドの機関や公人、産業界のトップがムスリムやダリットのリンチ事件に対して悲嘆と連帯の声明を出すことは想像しがたい。参考までに、米国の大企業、有名人、そして共和党の指導者(ミット・ロムニー)までもが抗議者への支持を公然と表明している。インドではエスタブリッシュメントによって抑圧されている人々を支持するこのような立場は想像しがたい。
アメリカとインドのもう一つの相違点は、少なくともこれまでのところ、抗議活動の性質である。
アメリカでの最近の抗議活動はコロナウイルスがもたらした苦難によって増幅されているように見える。インドでは対照的に、コロナウイルス対応における州の不手際によって被害を受けた何百万もの人々から抗議の声が上がっていないことが目立っている。
飢えて都市部に足止めされている、村からの出稼ぎ労働者たちがいる。別の出稼ぎ労働者たちは実家に帰ってほんの少しでもましな状況に戻ろうと何百キロも歩いていった。失業した都市生活者もいる。破綻寸前の零細事業者もある。
これらは既にデマネタイゼーション〔2016年の高額紙幣廃止〕と物品サービス税の導入〔2017年〕によって引き起こされた大規模なショックと経済減速に苦しんできたのと同じグループである。
インドの歴史には、飢饉や過酷な税制が引き金となった、農民が苦境に陥ったときの反乱の例が数多くある。インド国内の経済格差が拡大し、少数のエリートがドル価表示のコーヒーやルイ・ヴィトンの店舗、広大なバンガローにアクセスするなかで残る問い、それはインドの貧困層はどれだけ我慢すればいいのか? である。
インドのエリートが貧困層をいかに追い詰めているかを考えれば、これは全国民が知りたがっていることだろう。
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chikuri · 5 years
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希望のたね基金 キボタネは私たちが関わっています。 代表理事 梁澄子 (やんちんじゃ) 「被害者がいる問題だったんですね」 在日朝鮮人「慰安婦」サバイバー・宋神道さんの裁判過程をまとめたドキュメンタリー『オレの心は負けてない』を見て、ある学生がつぶやいた言葉です。日本軍「慰安婦」問題が日韓の外交課題として浮上した後で「慰安婦」問題を知った世代には、この問題が日韓の摩擦問題としてしか見えていないのだということを、気付かせてくれた言葉でした。サバイバーたちの四半世紀にわたる闘いが、「慰安婦」問題を外交課題にまで押し上げたのだという事実が、すっぽりと抜け落ちてしまっている。宋神道さんをはじめとする日本軍「慰安婦」サバイバーたちの闘いを目撃してきた者として、被害事実と共に、その闘いと、それが獲得したものについて、伝えていかなければならない責任を感じています。 韓国の日本軍「慰安婦」サバイバー・金福童さんは、日韓合意の最大の問題点は「歴史を売ったことだ」と言いました。「慰安婦問題は歴史なんだ。歴史はお金で売ってはいけないものなんだよ」と。 戦時性暴力の被害者が名乗り出て、加害国の責任を問うて国際世論に訴えるという、人類史上初の試みをおこなった女性たちは、二度と同じことが繰り返されない平和な世界をつくらなければならないと、自らの存在をかけて訴え続けました。その姿が、他の戦時性暴力被害者たちに勇気を与えたこと、世界の人権専門家たちの心を動かして重大人権侵害被害者の被害回復に関する国際基準を打ち立てる上で大きく貢献したこと、闘いの過程で自らが変わり周囲の人々を変えていったことも、私たちが記憶し、伝えていかなければならない歴史です。その歴史が見落とされ、あるいは歪曲されたまま、「解決」や「和解」を唱えても、「解決」と「和解」を手に入れることはできません。 日本軍「慰安婦」問題は私たちに多くのことを気付かせ、学ばせてくれた問題でした。その気づきや学びを、さらに多くの人々、多くの若者に伝えていくことで、「慰安婦」問題は「終わらせる」べき問題ではなく、平和な未来を拓く礎となる問題であることを伝えたいと思います。 日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表 1990年から日本軍「慰安婦」問題に関わる。1993年提訴の在日朝鮮人「慰安婦」被害者宋神道さんの裁判支援をおこない、2007年にドキュメンタリー映画『オレの心は負けてない』製作。現在、韓国ソウル「戦争と女性の人権博物館(WHR)日本後援会」代表、「YOSHIMI裁判いっしょにアクション」共同代表。通訳・翻訳、語学講師。 " 顧問 川田文子 (かわだふみこ) じっくり実らせよう、一粒の種 旧日本兵によれば、司令部や大隊本部の側には慰安所を設置した。本部を守る配置の200名規模の各中隊には慰安所の「慰安婦」が巡回した。最前線の小隊には慰安所も「慰安婦」の巡回もない。それで、女性を拉致し順繰りに犯し、「合意」と見せかけるため金を握らせた。真摯な反省も再発防止策も示さず日本政府が締結した「日韓合意」は70年以上前、最前線の兵士が編み出した犯罪隠蔽のため金を被害者に握らせた手法と同質だ。 日本政府は「日韓合意」の一条件とした平和の少女像の撤去にこだわる。韓国の若者は厳寒のソウルの日本大使館前にテントを張り、夜中も少女像を守った。釜山の総領事館近くの少女像は若者が資金を集めて設置した。日本の若い世代が韓国の同世代と交流し確固とした非侵略・平和を築く、そんな一粒の種になることを応援したい。 ノンフィクション作家。在日の慰安婦裁判を支える会、戦争と女性の人権博物館日本委員会所属、日本の戦争責任資料センター共同代表。沖縄に残された裴奉奇さんの半生を記録した『赤瓦の家――朝鮮から来た従軍慰安婦』(1987年)をはじめ、在日、日本、インドネシア、中国など日本軍「慰安婦」・性暴力を受けた当事者の人生を記録。 顧問 中原道子 (なかはらみちこ) 「若者へ」 「慰安婦」問題という希望のタネがまかれました。「慰安婦」問題は、日本の若者に、そう、あなたに、時間というバリア、国境というバリアを越える方法を教えてくれます。「慰安婦」問題とは何かを、隣の国のみんなと語り合うことができますか?若者はいつか国境を越えなければなりません。そこで出会う人々と話し合う時、「慰安婦」問題はとてもいいテーマです。それは、誰でも考えることができる戦争と女性と男性の問題だからです。国境を越えて、国際的な環境の中で人々が耳を傾け、共感し、あるいは論争できる歴史的な知識をあなたは持っているか考えてください。今、あなたに希望のタネが手渡されるのです。そして、あなたは、いつか国境を越える。 「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター共同代表 専門はマレーシア史。日本軍制下のロームシャの研究をする。マレーシアで唯一人名乗り出た日本軍性奴隷制の被害者ロザリン・ソウに出会い、被害女性の聞き取りを始めた。1998年に、組織されたVAWW NET(戦争と女性への暴力ネットワーク) に参加、2000年の「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」の組織に関わった。早稲田大学名誉教授 " 顧問 角田由紀子 (つのだゆきこ) 私たちの社会が「希望」という言葉を見失ってどのくらい経つのだろうか。希望の喪失度(という言い方があるとすれば)は、安倍内閣になってから急速に進んでいる。私たちは絶望感と閉塞感に苛まされてきた。そこへ「希望のたね基金」である。私はすっかり忘れていた言葉に再会して、ひそかに心躍らせている。この基金が、若者たちをターゲットにしていることが、とりわけ嬉しい。日本軍「慰安婦」とはなんであったのか、なんであるのかを若者たちが理解するときが来ることで、日本と韓国の関係は大きく変わるだろうし、それは必ずや日本の若者たちに生きるに値する未来をもたらすのではないかと、期待が膨らむ。自分の国の歴史を学んでこなかった日本人にとっては、若者だけでなく、新しい時代に生きる手がかりになるはずだ。 弁護士 2017年5月1日現在 1975年弁護士登録。以後、東京弁護士会及び日本弁護士連合会の両性の平等委員会の委員を、2001年4月よりはNPO法人「女性の安全と健康のための支援教育センター」の代表理事をそれぞれ務めている。2004年4月より2013年3月まで、明治大学法科大学院教授。第2東京弁護士会所属。主な著書に「性と法律」2013年岩波新書など。 " 理事 庵逧由香 (あんざこゆか) 国境を越えて人と人とが直接出会い、直接交流することは、国際関係で最も楽しく、最も核心的な要素だと思います。友達が一人でもできれば、自然に相手国や相手地域に対する関心が生まれてきます。日本で韓国の大衆文化が根付き始めたている現在、関心を持ち始めた若い方々に、一人でも多く朝鮮半島の友達と出会う機会が提供できればという願いを込めて、希望のたね基金の事業におおいに期待しています。 立命館大学文学部教授 / 強制動員真相究明ネットワーク共同代表 専攻は朝鮮近現代史、日韓関係史。主要論著に、「朝鮮における総動員体制の構造」『岩波講座東アジア近現代通史 第6巻』岩波書店、2011年1月(共著)、庵逧由香「植民地期朝鮮史像をめぐって-韓国の新しい研究動向-」『歴史学研究』No.868、2010年7月、などがある。 理事 太田啓子(おおたけいこ) 私は、戦時性暴力は、戦時という特殊な状況下で起きる特殊な態様のものだと以前は思っていた。しかし、戦時特有の事情もあるにせよ、本質においては、どうもこの社会で日常的に起きている性暴力と地続きのものであるということを、日本軍「慰安婦」だった女性達の言葉と、それに対して向けられる偏見と罵詈雑言に接して、感じるようになった。 逃げられない権力構造下で起きた凄絶な被害がどういうものだったのかを直視することは、この社会から性暴力を無くすために何が必要かという本質的な問いのために避けられないだろう。必死な性暴力告発の声を「あなたは合意していたのに今更何を言うのか」と押し潰す暴力性の背後にあるものはなんなのか見極め、それと闘いたい。これが、不勉強と微力を承知で理事就任の打診をお引き受けした理由である。 弁護士 明日の自由を守る若手弁護士の会(「あすわか」メンバー)。「怒れる女子会」呼びかけ人。取扱分野は離婚等の家事事件、一般民事事件等。性暴力被害者代理人等の経験から、現在の性犯罪に関する法律のあり方に疑問を感じています。 " 理事 岡本有佳 (おかもとゆか) 日本軍「慰安婦」問題がいまだ解決しない中で、私たち日本社会のおとなの歴史認識があらためて問われています。現在、学校教育で使われている検定教科書ははなはだ不十分、若い人たちが日常的に接するマスメディアやおとなたちの歴史観にも左右されるという限界の中で、どのように歴史認識を深め、人権意識を育むことができるでしょうか。〈希望のたね基金〉は、そのような環境をつくるためのささやかな一歩を踏み出します。若い人たちの主体的な学びの場・機会をつくるために、おとなは知恵と資金を出しあい、若い世代からはさまざまな提案が生まれ、日韓の未来世代の交流が深化するような小さな希望の種を一緒に撒いてみませんか。 編集者、ライター、文化企画。Fight for Justice日本軍「慰安婦」問題webサイト運営委員。「表現の不自由展」共同代表。共編著『増補改訂版〈平和の少女像〉、なぜ座り続けるのか』(世織書房)、岩波ブックレット『《自粛社会》をのりこえる』(仮題、近刊)など。 " 理事 北原みのり(きたはら) 91年に金学順さんが声をあげたとき、私は大学生だった。当事者が声をあげた以上、解決しないわけにいかない、すぐにきっと解決できるはず。そう楽観的に信じていた四半世紀前の私に言ってあげたい。「甘すぎるよ」と。「慰安婦」問題は、この国のアキレス腱だ。国は力尽くで、この問題を忘れさせようとしてきた。「そうはさせない」と、急所に正面から切り込んでいった当事者と支援者の運動は、どれほど過酷だったことだろう。性暴力被害者が声をあげれば叩かれ、なかったことにされるのは、今も同じだ。だからこそ私は、この運動に関わりたいと思う。女性たちの無念を記憶するために。次世代に声と記憶をつないでいきたい。 作家 1996年、フェミニズムの視点で女性向けセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」を立ち上げる。フェミニズム、ジェンダーに関する著書多数。「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)「毒婦。」(朝日新聞出版)「奥様は愛国」(朴順梨との共著著、河出書房新社)「性と国家」(佐藤優との対談、河出書房新社)他。 理事 金富子(きむぷじゃ) 日本軍「慰安婦」問題はまだ終わっていません。同じ過ちを繰り返さないために、なぜどのように日本軍「慰安婦」問題が起こったのかという歴史認識と人権意識を若い世代に引き継ぎ、戦争と性暴力のない希望にみちた平和な未来をつくること。それは、「慰安婦」にされた被害女性たちに共通する願いだと思います。のみならず、私たちオトナの戦後責任・植民地後責任、そして未来への責任でもあります。そのために生まれた「希望のたね基金」が第一歩を踏み出します。さぁ、一緒に歩みませんか? 東京外国語大学大学院教授。ジェンダー論・ジェンダー史、植民地朝鮮教育史。VAWW RAC共同代表。Fight for Justice日本軍「慰安婦」問題webサイト運営委員。主著に『植民地期朝鮮の教育とジェンダー』(世織書房)、近刊に『「慰安婦」問題は終わらない』(仮題、大月書店)。 理事 山口智美(やまぐちともみ) 「慰安婦」問題は昔起きたことだから自分とは無関係」「国家間の問題だし、日韓合意で解決済み」。そんな声をよく聞きます。日本のメディアやネットでは「慰安婦」問題否定論が溢れ、日本政府が歴史の否定や忘却を後押しさえしています。でも、「慰安婦」問題を真に解決し、二度と戦時性暴力の被害を起こさないためには、「慰安婦」問題の事実やサバイバーの声、そして支援運動の歴史について学び、記憶し、それを継��していくことこそが重要なはずです。「希望のたね基金」の取り組みを通じて日本の若者たちが学んだ成果は、私が住むアメリカなど、世界の若者にも影響を与えていくことでしょう。皆でこの基金を育てていきましょう。 モンタナ州立大学准教授 文化人類学・フェミニズム 日本の社会運動、特にフェミニズムや右派運動の調査を進める中で「慰安婦」問題にも取り組む。共著に『社会運動の戸惑い—フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(共勁草書房)、『海を渡る「慰安婦」問題 右派の「歴史戦」を問う』(岩波書店)ほか。 監事 打越さく良(うちこしさくら) 歴史研究・歴史教育を通じて永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を表明した河野談話を継承するとしながら、忘却の彼方へ追いやろうとする政権に愕然とします。歴史修整主義はいよいよ勢いを増し、圧倒されます。でも、愕然としているだけではいられません。1人ひとりの力は小さいけれど、集まればできることもあるのではないでしょうか。できることから、始めたい。この基金は、私たちを分断と忘却から回復してくれる、ささやかだけれど、まさに希望のたねです。 弁護士 夫婦別姓訴訟弁護団事務局長。最高裁判事15人中5人が民法750条を憲法24条に違反すると判断したが、改憲への動きが気になる。24条変えさせないキャンペーンの呼びかけ人。弁護士として、DV被害者の事件などを受任。
理事 | kibotane
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mashiroyami · 4 years
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Page 113 : 疑念
 朝日が建物の隙間から差し、遠景の空は透く。  日の出を見る時刻は、車の往来も少なければ、人の出入りも殆ど無い。僅かな足音が妙に響くような静けさを伴っている。  アランは重い足取りで細い道をとぼとぼと歩く。  キリの地理には詳しくないが、探せる範囲はできるだけ足を伸ばした。大通り、湖の周囲、暗い路地も含めて、目を凝らし、呼び続けた。道行く人々の口から彼の噂が流れてくるのではと耳を澄ませ、時には尋ねて、捜索を続けたが、ついに手がかりを掴めなかった。万が一にも殺傷事件を重ねていれば多少なりとも耳に入ってきそうなものだが、アランもザナトアも足取りを追えないでいた。それは不幸中の幸いであると言えるかもしれない。しかし、まだ人目についていないだけで、闇夜に紛れた静寂なるうちに、誰の目にも止まらぬ場所で死体が転がっている可能性はあるのだった。たった一晩の間でそれが明らかになるとも限らない。  爽やかな陽光に照らされるアランの表情は暗かった。太陽に愛されたエーフィの足取りも流石に重い。ふらついた足はぽつんと誰もいない町を歩く。  見つけた電話ボックス。彼女が一人でこの町までやってきてまず入ったものと同じ。おもむろに入り、皺が増えてはじが破れかけているメモ用紙を開いた。以前スバメの足に括り付けられて運ばれた、所狭しと美麗な字が詰められた小さな手紙を、アランは一種の御守りのように持ち歩いている。  指先に触れる金属は冷たい。一つ一つ、番号を押していく。休息をできるだけ味わうように足下で寝転がるエーフィに彩りの無い視線を落としつつ、流れる音が途切れる時を待つ。まだ朝は早い。眠っているかもしれない。だが、遠慮を考えられるほどアランには余裕が残されてはいないのだろう。  やがて切れて、繋がる。 「はい」  彼は名乗らない。聞き慣れた、というにはまだ浅い。けれど今、縋る他ないその声に、アランは湿った吐息をついた。 「エクトルさん」  受話器を強く握りしめた。 「お願いしたいことがあるんです」  声に力は無かった。  そしてアランは、事の顛末を簡潔に説明した。以前から体調を崩していた様子だったブラッキーが、急に昨晩、野生のヤミカラスを襲ったこと。アランの声は一切届かず、彼から攻撃してきたこと。エーフィが身を張って暴走を止めようとしたが、失敗し、キリの町に姿を消したこと。夜を通して探しているが、手がかりすら掴めずにいること。  エクトルは特段動揺する様子も嘆く様子も無く、小さく相槌を打ちながら、アランの話に耳を傾けた。 「ブラッキーを見つけなくちゃならないんです。どこかでまた被害が出る前に」 「捜索を手伝ってほしいということですね」  長い前置きから先手を打たれ、アランは表情を引き締め、短く肯定した。  わかりました、とエクトルは静かに応える。 「まずは合流しましょう。今どこにおられますか?」  アランは逡巡し、宿泊しているホテルの名前を伝えた。現在地から遠くなく、アランが知っているキリに関する位置情報の中で、正確に伝えられるものである。同時に、ザナトアも泊まっている場所であり、縁が切れて久しい二人が出会う可能性が浮かぶのだが、アランはそれについては何も言わず、エクトルも勘付いているのか否か、普段と変わらぬ冷淡な調子で了承した。  電話を切ると、エーフィはたおやかな身体をするりと伸ばし、アランを不安げな顔で見上げた。疲労は隠せないが、立ち止まる余裕は無かった。エーフィもまたブラッキーを深く案じている。昨晩、ヤミカラスを屠る獣に対し、躊躇わずに電光石火で懐へ跳び込んだ彼女は、果たして彼の理性が弾ける可能性に気付いていたのか。今更想像を巡らせたとて、詮無きことだが。 「うん、行こう」  彼女達は並んで歩き始める。朝の陽光は僅かに明るくなっていき、町は青い影を纏い始めていた。  薄い光の中を急ぐと、既にエクトルは指定場所に立っていた。連絡をしてからそう時間は経っていないが、彼はまるでずっと待ち構えていたように、慌ただしい気配など一切感じさせず皺の無い黒いスーツを着こなしている。傍らには、やはりいつも傍に老いているネイティオが静かに鎮座して、まばたきもせずに正面を見つめている。過去と未来を見通すという、両のまなこには曇りが無い。体格のみでも圧倒する気難しげな男と、妙な存在感を放つネイティオの組み合わせは、どこにいても彼等と分かる、異様な雰囲気を作り出す。  性急な足音を耳に入れたのだろう、入り口からずれた壁に沿って立っていたエクトルは視線を動かす。  髪を乱し、息を切らしたアランに向けて、エクトルは黙って会釈する。若々しい肌に出来た隈がここ数日間の心労を克明に示しており、一瞬口を厳しく噤む。しかし、恐らくそう悠長に構えている暇は無いのだと、すぐに察した。 「詳細を聞いてもよろしいですか」  息が整ってきた頃合いを見計らって説明を求めると、重くかさついた口から改めて事のあらすじが語られた。首都を出て以来、ブラッキーの具合が悪かった点、それに卵屋の傍で死んだポッポにも触れる。  悪の波動を直接受けた腹部に自然と手があてられる。痛みはとうに消えている様子だったが、目に見えぬ傷は生々しいだろう。漠然とした不安に気を病むのも無理はない。 「ブラッキーが急に我を忘れて他のポケモンを襲ったことは、今まで無かったんですよね」 「はい」  勿論と言いたげに、アランは語調を強くする。  躊躇無く危機に跳び込む果敢な姿、鋭利な視線の強さは、彼の獣としての好戦的な本能を彷彿させる部分ではあった。しかし同時に、悲哀に寄り添う思慮深さや、一歩周囲から引いて達観している側面を持っており、突発的な暴走、ましてや主人や仲間のポケモン達に危害を加えるなど、正常からはかけ離れた行動だった。人懐っこいエーフィとは対照的に馴れ合いを拒む傾向があるが、情には熱い。  殆ど行動を共にしていないエクトルでも、漠然と彼等の性格や立ち位置は理解している。嘗てキリでもっと賑やかな一行であった時、子供とはいえ、主人に害を成す可能性は無いか、楽しげに時間を過ごす輪の外側から観察していたものだった。そのエクトルにとっても、今回のブラッキーの件は予想できぬものだっただろう。  可能性があるとすれば、もっと根本的な��分に由来する。 「性格や種族によって程度に差はあれど、そもそも、ポケモンには戦闘本能があります」  エクトルは話す。  だから、ポケモン同士を闘わせるポケモンバトルという文化が生まれ、発展してきている。此の国においては、スポーツと似た側面が強いが。相手を直接攻撃するということは、当然一歩間違えれば取り返しのつかない事態に陥る。不思議な生き物達の、未だはっきりとメカニズムの証明されていない技や進化といった神秘は、元来彼等が生き残り、子を残し種を繁栄させていくための潜在能力だ。時には戦い、そして生きるため。時には縄張りを守るため、群れを統率するため。単純に戦闘そのものを好む種もある。そして、生存のためには食事は必須であり、時には相手を喰らう目的で戦うことも、野生の世界ではなんらおかしいことではない。だが、人間に飼われている彼には本来その必要性が無い。たとえ強い敵意識が芽生えたとしても、本能を抑え付ける訓練も十分なされている。性格を考えても不可解な点は多い。  何故急にブラッキーが、理性を手放したのか。 「なんらかの条件が揃って戦闘本能が呼び起こされたと考えるのが自然ではありそうですが、心当たりは」  アランは考え込むように手を唇に当て、暫く黙り込む。 「……ありません」  ぽつりと応え、すぐに顔を上げた。 「原因も気になりますけど、まずは、ブラッキーを見つけたいです。ポッポの時は、一晩明けたら、誰かを襲うような様子はありませんでした。今も、どこかで冷静になっているかもしれません」 「貴方は、ポッポの件もブラッキーによるものだと考えているんですね」  アランは一呼吸を置き、頷く。昨晩は狼狽を隠せなかったが、既に冷静を取り戻していた。 「他に思い当たりませんから。勿論、野生のポケモンによるものという可能性は、捨てきれませんけど」  視線を下げてから、続ける。伸びた前髪に隠れた瞳に、黒い影が蹲っている。 「以前は、ザナトアさんは野生ポケモンを追い払うために用心棒のポケモンを用意していたんですよね」  アランの確認するような言いぶりに対しはじめエクトルは違和感を抱いたが、直後に理解する。彼女は、恐らくザナトアと自分の関係について、知っている。それを知っていて、敢えて尋ねるような口調を使った。  エクトルが答えずにいると、先にアランが口を開いた。 「でも、決して全く野生の対策をしていないわけではないんです。一応、育て屋を囲う柵は健在ですし、周囲には、刺激の強い香りを放つ植物が植えてあります。家にある資料に書いてありました。慣れてしまえば気にならなくなる程度みたいなんですが。林に棲み着いた野生ポケモンだとしても、林から建物は離れているうえ、わざわざ広い草原を渡って卵屋の方まで獲物を取りに来るでしょうか」  アランのポケモンに関する知識は付け焼き刃に等しい。それでも、彼女は考えていたのだった。ポッポの死の真相について。毎晩見張りながら、何も起こらぬ夜を過ごし、観察していた。  ザナトアが言うように、野生に命を奪われる事故は珍しくはないのだろう。しかし、今は育て屋を辞め、人のポケモンには触れず野生ポケモンの保護に尽力するようになった。 「あの付近には小麦畑や野菜畑もあります。卵屋でなくとも、食料はある。勿論、そうとは限らないという可能性があるというのも、解ってるんです。でも、そもそも、ポッポの死体が首だけを抉っていたというのが、おかしい気がして」  だって、と見上げたアランの瞳は、光に照らされてもなお暗がりを広げていた。 「食べるために襲ったのだとすれば、殆んなど食べずに放っておくなんて、変じゃないですか。それに、夜で殆どのポケモンが眠っていたとはいえ、外から敵がやってきて、少しも騒いでいないっていうのも。保護されているとはいえ、あの子達だって野生なのだから、敏感なはずだと思うんです。……見知った気配か、気配を消して近付くだけの賢さがないと」  それでもブラッキーだとは限らない。あくまで可能性の一つに過ぎない。  エクトルは何も言わなかった。正しくは、言えなかった。彼自身は現場を見ていないためでもあるが、アランの思考の流量に、目を見張っていた。ザナトアからすれば呆れたものだったが、ポッポの死に執着している中で、彼女は様々な可能性を浮かび上がらせては、否定し、繋ぎ合わせていたのだろう。  以前アランに再会した時の印象をもう一度彷彿させた。果たしてこんな人間であっただろうか、と。 「だから私は初め、誰かが何らかの理由で意図的にポッポを殺した可能性があると疑ってたんです」  黒の団の関与については、ポッポが死んで明けた朝、エーフィに対して疑念として打ち明けた。 「でも、その意図が全くわからない。……もしかしたら、ザナトアさんを恨んだ誰かの仕業かもしれない。脅迫のような。或いは、全く別かもしれない。でも、そうだとして、あのポッポを選んだのは、どうしてなのか、解らなかった。恨みでポッポを殺したのなら、その人はザナトアさんのことを解っていない。そんなことをしても、あの人は動じないです」 「……そうですね」  たった一匹の命が軽いものとはザナトアは言わないだろう。しかし、一匹が死んだことで、嘆きに囚われてしまうことはない。たとえ長く生活を共にしたポケモンだったとしても平等に扱う。死は必然として訪れる。ザナトアは身に沁みるほど知っている���ら動じない。 「ブラッキーだとしたら、辻褄が合うんです。私の中でも」  エクトルは目を細める。 「……他を疑ってきた中で、ブラッキーが犯人である可能性は、疑いようがないと言い切れるんですね」 「絶対じゃないですよ。もしかしたら、もう本当のことは解らないかもしれないです。でも、ブラッキーだったら……信じられないけれど、有り得てしまうのかもしれないって。それに、あの日がどうであろうと、ブラッキーが昨晩ヤミカラスを殺したのは事実です」  でも、とアランは不意に微笑んだ。 「だからといって、ブラッキーを見捨てたくはありませんから」  疲弊が滲んだ笑みに、エクトルは言葉を返せない。代わりに小さく首肯し、無言のうちに鞄を探った。  目当ての物はすぐ出てきて、アランに差し出される。大きな手に包まれて手渡されたものをアランは自らの掌で確認し、目を丸くした。  白いポケギアだ。型には彼女にも見覚えがある。旧式で、使い古された浅い傷が残っている。 「これは」 「お嬢様の私物でした。もう必要のないものです。貴方にお譲りします」  アランは言葉を続けられず、無言で操作する。自ら操作するのは初めてだったが、旧式である分構造もシンプルであり、機能もごく限られている。時計と、電話と、ラジオ。登録されている電話番号の一覧にはエクトルの名前のみが鎮座している。 「貰っていいんですか?」 「ええ。いずれ捨てる予定のものですから」  その理由は今更語るものでもない。アランは暫し沈黙した後、疑り深い視線を寄せた。 「これ、発信器がついてたんじゃ……」  エクトルは一瞬言葉に詰まる。 「そんなこと、覚えていらしたんですか。……不要な機能は除いています」  小さな狼狽は強固な面には表れない。アランはじっと見つめ、頷いた。 「ありがとうございます」  そう言って、すぐに取り出せるように上着のポケットに差し込んだ。 「一度、お休みになられてはいかがですか」  先程から妙に過敏な傾向もみられる。青い顔色も見かね、エクトルが慮るように提案すると、力無くアランは首を横に振る。 「少しでも早く、見つけないと」 「しかし……エーフィも疲れているでしょう」  ふとアランは足下を見やる。  陽気とまではいかずとも、いつも穏やかに明るく振る舞うエーフィも、流石に一睡もせずに町を走り回ったのは身に堪えるだろう。元気に動く二叉の尾も、垂れ下がって沈黙している。 「急いては事を仕損じる、と言います」  隣国の諺ですが、とエクトルは補足する。 「いざブラッキーに相対した時、万が一に戦闘となればこちらもそれなりの心積もりでいなければならないでしょう。朝になれば通常ブラッキーは大人しくなります。一度休めて備えるのも一手かと」  アランは納得し難いように口を噤んだが、その間エクトルが町を詮索すると説得して、漸く頷いた。 「駄目ですね」  唐突に零した声音が自棄的であった。 「周りが見えなくて、焦ってばかりで」 「貴方は当事者ですから」  仕方ないでしょう、と言いかけたところを、アランは首を振る。 「大丈夫です。……お言葉に甘えて、少し休みます。何かあったら、連絡してください。すぐに出ます」  エーフィに声をかけ、アランは背後のホテルに戻っていく。エクトル自身も予想はしていたが、宿泊している場所だったようだ。ザナトアとエクトルが邂逅する可能性も零ではなかったが、老婆は最後まで姿を現さなかった。それを果たして彼女は解ったうえでこの場所を指定してきたのか、エクトルは危ない橋を渡っている感覚から脱せない。  あの様子では忠告を無視して捜索に乗り出してもおかしくはなかったが、彼女自身も疲弊は頂点に達していたのか、大人しくホテルの奥へ姿を消していったのを硝子越しに確認し、エクトルは踵を返した。
 周りが見えない、と言う。エクトルからしてみれば彼女は若いというよりも幼く、それは当然のことだと片付けられた。だが、子供だと見くびっていると、思わぬ矛先が向けられることもある。  実際、あんなに冷酷な考えに至る子供だっただろうか、とエクトルは思う。  己が目撃したわけではない凶悪犯が、付き従えてきたポケモンだと断定することに、さほど躊躇は無いように見えた。むしろ、納得していた気配すらある。暴走の理由は解らないと言い淀みながらも、辻褄が合うとは不可解だ。彼女は重要な事項を隠しているのかもしれない。それゆえにブラッキーを疑っているのか。  まだ何も明らかにはなっていない。  エクトルは彼女について何も知らないも同然だ。ほんの少しだけクラリスと過ごしただけの、友達と呼べるのかも断言し難い、あまりに刹那であった夏の終わりの出来事に出会っただけの人間である。それでもエクトルには今の彼女が妙に冷たく感じられるのは、クラリスの境遇に対し強い抵抗感を示した彼女とも、楽しげに料理を囲んで笑っていた彼女とも重ならないからだ。あの訣別の朝、湖上を飛翔しクラリスの名を呼び続けたという熱意が思いがけず鮮烈であった印象でもある。終始凪いで他人を見張っている暗い顔つきをした現在からはかけ離れている。ポケモンの食嗜好と性格を結びつける、エクトルからすれば他愛も無い知識に対して目を輝かせた顔が懐かしい。  そういえば、あの時、彼女は言った。ポケモンが好きなんですね、と。  当時、濁りの無い言葉になんの感情も浮かび上がってはこなかった。 「ネイティオ」  隣に立つ存在を呼びかけると、特徴的な黒目のみが動きエクトルをぎょろりと捉えた。 「未来予知だ。彼女のブラッキーは記憶してるな。探し当てろ」  指示を受け、やや間を置いてからネイティオは頷いた。空白の時間に彼の頭で駆け巡ったのは、記憶の引き出しを一瞬で開いていく音だろう。ネイティオをできるだけ外に置いているのは、できるだけ視界に情報を与え、記憶させるためでもあった。不審な人物の行方を追う際に何度も使ってきた手法だ。クラリスでも知らないことだ。  エクトルはスーツの裾を捲り、腰のベルトに装着したボールを取り出す。紅白でデザインされた一般的なモンスターボールではなく、黒字に緑の円が重なった特殊なボールは、暗闇を生きる獣に対して効果的とされる種である。  まだ夜が明けたばかりの朝。伸びる影は濃く、夜の気配は残滓のように辺りに張り付いている。  隣でネイティオの黒い瞳に赤い光が浮かんだ。かの視界は時を渡る。瞬き一つせずに虚空を見つめ、エクトル達人間には見通すことのない世界を視る。  ポケモンの力は強大だ。不可能を可能にできる、異次元の世界が彼等の中には広がっている。それを全て意のままに操るなど、人間の傲慢に過ぎないだろう。しかし、クヴルールはその傲慢を払いのけ、不可能を可能にした。  人間の科学や想像力は、理想は、ポケモンの底知れぬ力すらねじ伏せるのか。しかし、自然に対する逆行が、良い方へ作用するとは限らない。ブラッキーの暴走に対し、エクトルは不吉な予感がしてならなかった。
 *
 アランがホテルの部屋に戻ると、ザナトアは既に起床し、ラジオをかけながら、身支度を整えているところだった。元々ザナトアの朝は始まるのが早い。普段も殆ど夜明けと共に目覚めて卵屋や広い放牧地に赴いてポケモン達の体調や環境を確認し、墓地を訪れるのが日課なのだった。場所が違えど習慣は身体に染みついている。だから、部屋に戻って一番にザナトアに会うこと自体に関して、アランには動揺は無かっただろう。  手前側のベッドの枕元を、まだ眠っているアメモースが占拠しており、些細なことで布など簡単に傷つけ破ってしまうフカマルは、テーブルに寄りかかって、持参した傷だらけのクッションに身を委ねて寝息を立てている。  ザナトアは開いた扉に立つアランを、驚く素振りもせずに��り返り、収穫は無かったのだとすぐに理解した。 「おかえり」  たった一言、いつも通り、つっけんどんに言うと、アランは頭を垂れた。 「見つからなかったかい」  解りきっていることだが、あえて尋ねる。きっと彼女からは言い出しづらいことだろう。慣れぬ町を深夜もうろつくとは、いくら彼女が旅で昼夜放浪しているとはいえ勧められたものではなかった。反対を押し切ったものの結果を出せなくては、気まずさもあるに違いない。  早朝のニュースを伝えるラジオ音声を背景に、静かな首肯を見て、ザナトアはアランに近付き背中を叩いた。 「今のところニュースにはなっていないようだよ。ブラッキーも今頃頭を冷やしているかもね」  励ますように言葉をかけてみるが、彼女の顔は晴れない。ザナトアは肩を落とす。 「少しおやすみよ。朝になってしまえばいつ探しても変わらないだろうさ」  アランの口元が僅かに緩んだ。師弟揃って似たようなことを言うものだった。 「……のんびりしていてもいいんでしょうか」 「はあ? のんびりしていいなんて誰も言ってないよ。英気を養えって言ってるんだ」  思わず突き放すように言うと、漸くアランの頬が上がる。何かが腑に落ちたようだった。 「そうですね。のんびりはできません」 「そうだよ」  エーフィが我先にとベッドに乗り込むと、つられてアランも布団の上に転がった。瞬く間にまどろみが瞼にのしかかっていくのか、抵抗なく目を閉じた。 『――次のニュースです。またも火災事故です。昨夜未明、アレイシアリス・』  ラジオの音声が唐突に途切れる。ザナトアが電源を切ったためだ。沈黙の朝がむず痒く流していたものだが、眠りゆく者たちには弊害だろう。シャワーも浴びずに真っ先にベッドに倒れ込んだのだから、苦労は想像するまでもない。若さはそれだけで価値がある。多少の無理をしても身体がそう簡単には堪えない。老婆の手元からはとっくの昔に消えてしまったものだ。  空調が効いているとはいえ、秋も深まりつつある暁は冷える。布団もかけずに寝転がって、彼女はそのまま眠りにつこうとしていた。仕方無く、ザナトアは昨日羽織っていた上等な上着を彼女の肩からかけてやる。エーフィには、備え付けのブランケットをかけた。  アメモースに、エーフィに、アラン。一匹欠けてしまった彼女のパーティの侘しさが引き立つ。  窓辺に立ち、薄手のレースカーテンをそっと開ける。広い道路に面した窓辺からは磨かれた硝子を通して、突き抜けるような秋空が天にたたずみ、青い朝が一望できる。外にひとたび足を踏み入れれば、冷めた風が肌を撫でて身を引き締めるだろう。室内にいても容易に想像できるような、澄んだ朝である。  祭当日、ポッポレース本番としては、この上無くお膳立てされた空模様である。  今頃湖は昨日の雨を忘れて波一つ立てずに凪いでいることだろう。普段なら早朝に船を出して漁に励む男らがいるものだが、今日は祝日。季節の変わり目と、祭日に限っては、湖への侵入が暗黙の了解で禁じられている。  時間が立てばみるみる湖畔は人やポケモンで賑わうようになり、湖畔の一角を陣取る自然公園を中心に催しが繰り広げられ、収穫の秋に相応しく食材やその加工品といった出店が所狭しと並ぶ。花をあしらった目にも鮮やかな装飾品も名物の一つだ。明るいうちから大人は酒を呑み、子供は旬の食材を使ったお菓子を貰っては飛び回るように遊ぶ。朝から昼間にかけてポッポレースが開催されて大いに盛り上がり、場外ステージでは小規模ではあるが公式のポケモンバトル大会も行われる。そして夕方には、毎年、美しい夕陽に照らされて輝く湖の傍に集まって、空に向けて風船を飛ばす。その先端には羽や花が添えられ、人によっては誰かへ向けた手紙を付ける。暗くなっても賑やかに夜店が並び、盛大のうちに幕を下ろす。  楽しい祭を快く過ごせない事態になろうとは、ザナトアも予想していなかった。折角渡した駄賃も、残念ながら楽しむのに使うどころではない。  今のアランには、祭を楽しむ余裕など当然ないだろう。ブラッキーが早く見つかればいいのだが、見つかったとしても収集が着くのかは不明である。捜索に加わりたいのは山々だが、外付き合いというのは億劫なものだ。それに、日々訓練に励んでいた野生の子たちを放置するわけにもいかない。  しかし、ブラッキーの消失した夜が明け眠りから覚めて、ザナトアは一つ心に決めたことがあった。戸惑うだろうが、きっと理解してくれるだろう。  窓枠に手を添い、秋の恒例行事を想像する。  あのポッポが飛べなかった舞台、チルタリスやクロバットをはじめとして多くのポケモン達が味わえなかった舞台を、あのちいさき者達が羽ばたく。  その光景は、何にも代え難い。  可能ならば、アランにもその瞬間を見せてやりたかった。  無数の翼が希望を抱いた青空に向かって一気に飛翔する、圧巻の空間を共有させてやりたい。生命が叫ぶ瞬間である。あの瞬間、ザナトアは自分は翼を持たないにも関わらず、彼等に引っ張られるように、生きなければならないという高揚がみぞおちの底から湧いてくるのだ。驚いて泣き出す子供も少なからずいるくらいだが、喜怒哀楽が極端に薄い彼女にはむしろ驚かせるぐらいが丁度良いだろう。  今年もその日が遂にやってきたのだと、感慨に耽っていると、不意に落とした視線の先に、黒スーツの後ろ姿が見えた。あまりに遠く、黒い後頭部からは体格はおろか顔も判別がつかない。隣にはネイティオを従えていた。  それ以上ザナトアの視界に留まる間も無く、次瞬には跡形も無く姿を消した。恐らくは、ネイティオがテレポートを使ったのだろう。  まさかね。  絶縁となった彼に繋がっているというアランと生活をしているから、ここ数年は存在も殆ど頭から抜け落ちていたというのに、妙に思考を過るようになってしまった。そんな偶然がこうして簡単に起きるなら、同じキリに住んでいれば、もっと早く鉢合わせたっておかしくないだろう。  影も形も男の気配が残されていない地上からはすいと目を離し、カーテンを閉め、薄い陽光は遮断された。
 *
 彼方で花火のあがる音がした。三発、空砲のようなからりとした音である。その音をきっかけにしてアランは目が覚めた。つられて、他の二匹も身体を起こした。  まどろむ顔で浸っているうちに、町に住んでいるのであろう鳥ポケモンが硝子の向こうで小さく囀っている。  眠りにつくのは早かったが、深くは眠れていなかった。遠い音で簡単に起きてしまう。しかし、部屋に備え付けられた時計を確認すれば、二時間ほどが経過していた。  結んだままにしていた髪ゴムを取り、少し長くなった髪が垂れる。身だしなみを気にする生活をしていないから、奔放に伸びている。気怠げな所作ではあるが、その下の顔色は、格段に良くなっていた。  机の上に置かれたメモを確認し、ザナトアは先に会場へ向かったと知る。今の花火は祭の始まりを報せる合図だったのだろうか。  ポッポレースは午前中のうちに始まる。ヒノヤコマをはじめとしたザナトアのチームが飛ぶのは第二部。正午には終わるだろう。  メモの隣にはパンが二つ置いてある。ビニール袋に入れられたそれを出して、齧り付く。塩を混ぜ込んだ生地はとっくに冷めていたが、柔らかげな風合いを保っている。流し込むように一つ平らげたら、残りの一つはエーフィとアメモースに分け与えた。それだけではポケモン達は足りないから、持参した固形のポケモンフーズを取り出し、それぞれに食べさせる。  小さな咀嚼音を聞きながら、アランは視線を伏せる。  いつもの存在がいない朝は寂しさが漂う。喪失は突然やってくるものだと、彼女は既に身を以て痛感している。幾度も経験しては、時に驚き、嘆き、受け入れてきた。だが、喪失感に暮れる暇などはない。戸惑いは夜に置いてきたように、顔つきは引き締まっていた。  ザナトアの上着を丁寧に畳んでベッドに置くと、一つ深呼吸をした。  触角を上下させるアメモースを傷だらけのモンスターボールに戻し、鞄にしまいこむ。紺の上着を着直した時、ポケットの固さが気になったように手を入れると、譲り受けたポケギアをまじまじと見つめた。今後二度と会わないかもしれないというクラリスが使っていたという機械は丁寧に扱われており使用感がほとんど無いほどだったが、よく目を凝らすと、薄い傷がはじを静かに抉っていた。 「いける?」  エーフィに向けて言った。アイコンタクトと言葉での簡単な意思確認が交わされる。エーフィも活力が戻ったのだろう、力強く肯いた。 < index >
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京都大学への要求及び共同声明
京都大学総長 山極壽一 殿
戦略調整・研究・企画・病院担当理事・プロボスト・副学長 湊 長博 殿
学生・図書館担当理事・副学長 川添信介 殿
教育・情報・評価担当理事・副学長 北野正雄 殿
財務・施設・環境安全保健担当理事・副学長 佐藤直樹 殿
男女共同参画・国際・広報担当理事・副学長 稲葉カヨ 殿
産官学連携担当理事 阿曽沼慎司 殿
総務・労務・人事担当理事 森田正信 殿
京都大学への要求及び共同声明
吉田寮出身者・吉田寮に関わりのあった者たち・京都大学出身者
吉田寮は長年にわたって、京都大学との継続的な協議に基づきながら、自治会によって運営されてきました。現在その吉田寮に対し、大学執行部は不当にも、廃寮化に向けて明け渡し訴訟を提起しました。この決定は上記8人の総長と理事のみで行われました。それは、話しあいで物事を解決してきた民主的な大学自治を踏みにじるものであり、私たちはこの状況に断固抗議します。私たちは緊急に京都大学に対し、要求及び声明をここに表明します。
要求
1���吉田寮生に対する明け渡し訴訟を取り下げてください
2、川添副学長は団交確約体制を引き継いでください
3、吉田寮自治会と協議の上、現棟の耐震補修を進めてください。それが不可能なのであれば具体的にその理由を示してください
1、について
 京都大学は吉田寮自治会との話し合いを拒絶して、建物明け渡し訴訟を、築106年の「吉田寮現棟(東寮)」と2015年に大規模補修した「吉田寮食堂」に対して、提起しました。
 再三にわたって吉田寮自治会が話し合いを求めているのにもかかわらず、京都大学がこのような訴訟の形を取る事はあまりに理不尽であり、大学自治の否定です。これは話し合いの拒否にとどまらず、寮生らに対する問答無用の法的権力の濫用です。
 明け渡し訴訟が提起された現在、「訴訟に影響するから話し合いはできない」、「あとは裁判所でやり取りする」と、大学側がさらに交渉を拒絶することになるのは明らかです。吉田寮自治会との交渉を完全に拒絶し、強制立ち退きを行うために訴訟に持ち込んだ大学当局の姿勢を、私たちは許しません。
2、について
 川添学生担当理事・副学長は2015年の就任以来、これまでの確約をまったく引き継がず、団体交渉に応じない姿勢を鮮明にしました。歴代の学生部長や副学長と自治会などが、何十年にも渡って団体交渉を行い、そこで合意したことを確約書にして次に引き継いでいく、いわゆる団交確約体制によって京都大学の大学自治は形成されてきました。学生や教職員らが自らの要求を伝えるために団結して交渉に臨む団体交渉は、大学執行部の持つ権限に拮抗するために最低限必要な権利であり、これまで歴代の副学長はそのことも含めて団交確約体制について理解し、確約を結んできました。しかし不当にも団体交渉が行われなくなって以降は、京都大学は吉田寮自治会による要求を理由もなく一方的に却下し続けるばかりか、自治会の存在そのものすら否認しようとかかっています。現場の当事者の声に耳を傾けず、執行部による決定を押し付ける今の京都大学のあり方は、京都大学が民主的であるためには団交確約体制が必要なことを示していると言えるでしょう。
 決定権者と当事者との不均等な力関係をなくしていくことは、あらゆる組織において当事者の意思を反映させ、民主的な運営を行っていくために必要不可欠なことです。大学においてそれを担保するものの一つは団交確約体制に他なりません。大学側がそれを無視し、実質的に破棄することによって、今まさに自らの手で民主的な大学運営を放棄しようとしているのです。私たちは川添副学長が団交確約体制を引き継ぐよう求めます。
3、について
 吉田寮自治会は長年に渡って、築106年の吉田寮現棟(東寮)の老朽化問題を解決するよう大学に要請を行っており、2006年には当時の尾池総長との合意のもと、補修を前提とした現棟の耐震調査を大学の予算で行い、新築するよりも安価に耐震補修ができることも分かっています。また自治会の側から、「京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例」を活用すれば、建築当時の構造を保存した耐震補修ができることを提案し、2015年には当時の杉万副学長と条例を活用した補修案に合意を行っています。
 現棟は現在、居住が行われている最古の学生寮です。100年以上前の和洋折衷の建築装飾・工法によって作られた貴重な近代木造建築として、複数の学術団体(日本建築学会近畿支部、建築史学会)からも保存要望書が出されています。
 現棟には外に開かれた開放的な構造と、寮生らの創意工夫によって過去から現在に渡って使い方を不断に変化させてきた特徴的な共有空間があります。寮生らがその共有空間に集い、顔を合わせ、作業し、語らい、息抜きをし、議論し、遊び、勉強し、表現することで、様々な共同性が形作られてきました。それらをもとに、「自分たちのことは自分たちで決める」という吉田寮の自治は培われてきました。そしてまた吉田寮では、寮生のみにとどまらない、寮外の人々との交流も活発に行われてきました。それは、寮を外に開いていこうという寮生らの積極的な努力があったと共に、食堂も含めた現棟の独特な空間性が交流を促進してきた面が大きくありました。個室のマンション・アパートのように、共同性を育むことが困難な空間では、まずあり得ないことです。
 以上を踏まえて、私たちは吉田寮自治会が要求してきた現棟の耐震補修を行うよう求めます。そもそも、これまでの大学側と自治会との協議によって、現棟の耐震補修が十分に可能で、現実的な案であることが立証されているにも関わらず、現棟の補修ができないとしている理由はこれまで納得のいく形ではっきりと言明されたことはありません。もし現棟の補修ができないというのであれば、その具体的な理由を答えるよう京都大学に求めます。
共同声明
大学自治の原点に立ち返ること
~国の大学政策と京都大学の大学自治の歴史的関わりについて~
国の自治寮つぶしと吉田寮の存続、団交確約体制の確立 
 国は、1970年代から大学の自治空間を管理化に置くために、寮や課外施設に対し、受益者負担の徹底(高額な寄宿料、光熱水費の全額実費)や、全国の自治寮の廃寮化を推し進めてきました。その流れの中で、吉田寮も1980年代に廃寮化の危機に直面しましたが、寮生や学部自治会らの存続運動や学内教員から自治寮を支持する声もあり、寮自治会と大学の交渉の結果、吉田寮が存続することになりました。1989年以降は、団交確約体制のもと、寮自治会は歴代の学生部長や厚生補導担当の副学長との間で、寮の自治を現行通り認め、話し合いによって両者間の問題を解決するという確約を結んできました。吉田寮自治会は入寮資格についても大学との合意を得ながら、女子学生、大学院生、留学生、研究生、科目等履修生などへ、入寮資格枠の拡大を行ってきました。
 2013年には、当時の赤松副学長との団体交渉によって、老朽化が進んでいた吉田寮食堂の大規模補修を行うことが合意されました。同時に、1996年に延焼した吉田寮食堂の一部と、旧サークル棟の焼け跡に、吉田寮自治会が自治を行う3階建の新棟を建設するという合意がなされ、工事が行われました。このように吉田寮の老朽化問題や自治のあり方について、京都大学と自治会との交渉によって合意を積み上げ、解決を行なってきた経緯があります。
 その一方で、全国的には自治寮は厳しい状況に置かれていました。1990年代には、東京大学駒場寮や山形大学学寮への廃寮化決定が行われました。それぞれの寮自治会の存続運動に対して吉田寮からも支援を継続的に行いましたが、各大学は建物の明け渡し訴訟を行い、2001年に法的手続きによって強制的な排除が行われ寮が取り壊されました。
総長団体交渉と国立大学法人化
 国は1990年代から、全国の国立大学の執行部の権限を強化し、教授会自治の形骸化を図るため、副学長制の導入や評議会・教授会の権限の縮小を推進しました。京都大学でも1997年に副学長制導入が決定されました。それに対して、学部自治会など全学の当事者は、執行部の再編により従来の大学自治が損なわれる危険性を危惧し、交渉を要求、当時の井村総長との団体交渉を行いました。そして、その場において、大学にまつわる検討事項について何らかの決定をする際には、大学は決定以前に情報を公開し、学生ら当事者との話し合いを行う必要性がある、との合意が総長との間で交わされました。その合意を受けて、副学長との確約のもと、「副学長による情報公開連絡会」が毎月1回開かれるようになりました。しかしその連絡会は、川添副学長が就任して間もなく、2016年初めに、廃止されました。  
 国立大学法人化の際には、2003年法案の可決後に、十分な説明や議論がなされないまま、京都大学でも導入への準備が行われていることに対して、全学の当事者は抗議行動をし、当時の長尾総長と学生ら約600人が参加した団体交渉を行いました。大学によって全学に動画中継されたその交渉では、法人化すれば総長と7人の理事によって構成される役員会によって大学の主要な決定が行われることや、その理事には国からの天下りの役人が含まれること、予算や中期計画・大学評価を通して国から大学へのコントロールが強化される危険性についてなど、数々の懸念が総長と学生の間で共有されました。その上で、今後も寮やサークル棟などの自主管理の意義を認め、学生など当事者と話しあいを行うことを確約しました。
国に縛られる大学運営と学内における独裁的意思決定システムの確立
 しかし残念ながら、その懸念は現実化し、毎年の運営費交付金の大幅な削減や、それを補うための競争的資金の獲得と、それに伴う教員の事務作業の煩雑化や、国の評価による予算の傾斜配分(2019年度は運営費交付金の10%)が行われており、経営効率優先の財務運営の圧力が大学内で高まっています。
 2014年の学校教育法の改正で教授会は法的な意思決定を行うことができなくなり、学長の求めなどに応じて「意見を述べる」だけの機関に位置付けが大幅に格下げられました。その後、国の指導によって、教授会の決定権を認めるような大学内の内規が全て廃止されました。
 現在の京都大学においても、総長と文部科学省や厚生労働省出身の理事らによる役員会によってほとんどの議論と決定が行われています。教育研究評議会(旧評議会)はその追認の場になっており、また教授会には決定の報告も十分になされておらず、教授会自治も機能していません。
 吉田寮の問題においても、寮担当の学生部第三小委員会には情報共有や相談もなされないまま、川添副学長が寮に関する独断的な決定を行うことが常態化しています。
吉田寮が声明を発表
 2019年2月12日に出された大学側の声明「吉田寮の今後の在り方について」においては、築4年の「吉田寮新棟」からも退去させる理由として、吉田寮の自治が「看過できないもの」と決め付けて、挙げています。具体的な中身も一切示さないまま結論のみを述べて、自治寮を一方的に敵視する状況です。
 それとは対照的に、吉田寮自治会が大学の声明を受け2019年2月20日に出した「吉田寮の未来のための提案」は、福利厚生施設として数多くの経済的困難を抱える学生を受け入れ、入寮資格枠を自ら拡大し、寮外の学生や市民にも場所を開いてきた、自治寮の意義を踏まえた建設的な大学への提案です。一読すれば、どちらの声明が真摯で誠実な内容になっているかは、火を見るよりも明らかでしょう。
 私たちは吉田寮自治会による声明を支持します。
対話の回路を開き、吉田寮との諸課題を解決するよう求めます
 以上を見れば分かるように、年月をかけて国の大学政策は大学自治の基盤を掘り崩そうとしてきましたが、その都度、学生や教職員らが懸念を表明し、抗議し、要求を伝えることで、何とかその基盤は維持されてきました。それが可能であったのは、大学と学生教職員らの間に、対話の回路が開かれていたからに他なりません。対話があったからこそ、時に吉田寮の入寮資格枠の拡大や、吉田寮新棟の建設及び食堂の大規模補修などのような、前向きな成果も生み出されてきました。
 しかし、法人化以降の大きな流れのなかで、執行部の権限強化とその他の構成員の無力化が構造的に形成され、現在、吉田寮問題に象徴的なように、執行部のトップダウンによる決定が横行しています。国の大学政策に対する、大学自治を守るための学生や教職員らによる交渉と、十分とは言えないまでもそれに何らかの形で答えてきた京都大学の歴史が、まるでなかったかのようにされています。今の京都大学は単に国が推し進めてきた政策に迎合し、自ら大学自治を放棄しようとしているように見えます。
 前記「要求」に示しましたが、改めて、現在、京都大学執行部が吉田寮との話し合いを行わず、明け渡し訴訟を行い強制力によって寮生を立ち退かせ、自治寮を廃寮にしようとしていることに対して、私たちは強く抗議します。そして大学自治を自ら否定している京都大学に対して、大学自治の原点に立ち返り、吉田寮自治会と交渉を行い、吉田寮と大学側との諸課題を解決するよう要求します。
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ari0921 · 4 years
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日本解放第二期工作要綱
中国共産党
中央学院大学の西内雅教授(故人)が昭和47年にアジア諸国を歴訪した際、偶然、入手した秘密文書。
 内容は中国共産党が革命工作員に指示した陰謀で、当時から現在に至る迄、中国の対日謀略は秘密文書の通りに続いているとみられる。
 同年8月、国民新聞社は特集記事を掲載し、更に小冊子を発行したが、重要と思われるのでここに再録する。
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日本解放第二期工作要綱
中国共産党
 中央学院大学の西内雅教授(故人)が昭和47年にアジア諸国を歴訪した際、偶然、入手した秘密文書。
 内容は中国共産党が革命工作員に指示した陰謀で、当時から現在に至る迄、中国の対日謀略は秘密文書の通りに続いているとみられる。
 同年8月、国民新聞社は特集記事を掲載し、更に小冊子を発行したが、重要と思われるのでここに再録する。
A.基本戦略・任務・手段
A-1.基本戦略
 我が党は日本解放の当面の基本戦略は、日本が現在保有している国力の全てを、我が党の支配下に置き、我が党の世界解放戦に奉仕せしめることにある。
A-2.解放工作組の任務
 日本の平和解放は、下の3段階を経て達成する。
 イ.我が国との国交正常化(第一期工作の目標)
 口.民主連合政府の形成(第二期工作の目標)
 ハ.日本人民民主共和国の樹立 ・・天皇を戦犯の首魁として処刑(第三期工作の目標)
 田中内閣の成立以降の日本解放第二期工作組の任務は、上の第口項、即ち「民主連合政府の形成」の準備工作を完成することにある。
A-3.任務達成の手段
 本工作組の任務は、工作員が個別に対象者に接触して、所定の言動を、その対象者に行わしめることによって達成される。即ち、工作者は最終行動者ではなく、隠れた使喉者、見えざる指揮者であらねばならない。以下に示す要領は、全て対象者になさしめる言動の原則を示すものである。
本工作の成否は、終始、秘密を保持しうるかどうかに懸かっている。よって、工作員全員の日本入国身分の偽装、並びに工作上の秘密保持方法については、別途に細則を以て指示する。
B.工作主点の行動要領
第1.群衆掌握の心理戦
 駐日大使館開設と同時になされなければならないのは、全日本人に中国への好感、親近感を抱かせるという、群衆掌握の心理戦である。好感、親近感を抱かせる目的は、我が党、我が国への警戒心を無意識の内に捨て去らせることにある。
 これは日本解放工作成功の絶好の温床となると共に、一部の日本人反動極右分子が発する
 「中共を警戒せよ!日本支配の謀略をやっている」
 との呼び掛けを一笑に付し、反動極右はますます孤立するという、二重の効果を生むものである。
 この為に、以下の各項を速やかに、且つ継続的に実施する。
1-1.展覧会・演劇・スポーツ
 中国の書画、美術品、民芸品等の展覧会、舞劇団、民族舞踊団、民謡団、雑技団、京劇団の公演、各種スポーツ選手団の派遣を行う。
 第一歩は、日本人大衆が中国大陸に対し、今なお持っている「輝かしい伝統文化を持っている国」「日本文化の来源」「文を重んじ、平和を愛する民族の国」というイメージを掻き立て、更に高まらせることである。
 我が国の社会主義改造の誇るべき成果についての宣伝は、初期においては少ない方がよく、全然触れなくても構わない。
 スポーツ選手団の派遣は、ピンポンの如く、試合に勝ちうるものに限定してはならず、技術的に劣っている分野の選手団をも数多く派遣し、日本選手に学ぶという率直な態度を示して、好感を勝ち取るべきである。
1-2.教育面での奉仕
A.中国語学習センターの開設。
 全国都道府県の主要都市の全てに中国語学習センターを開設し、教師を無報酬で派遣する。
 教師は、1名派遣の場合は女性教師、複数の場合は男、女半々とし、全て20歳代の工作員を派遣する。受講者資格は、もとより無制限とし、学費は無料又は極めて小額とする。
B.大学への中国人中国語教師派遣の申し入れ。
 中国語学習センターを開設し、日本人青年層に中国語学習熱が高まったところで、私立、公立の大学には個別に、国立大学については日本政府文部省へ中国人中国語教師の派遣を申し入れる。
 申し入れを婉曲に拒否した場合は、「我が国の純然たる好意、奉仕の精神に対する非礼」を責めれば、日本のマスコミも大衆も、学生も許さないであろう。
 しかし、第1回で全勝を求める必要は無く全国大学の過半数が受け入れればそれで良い。後は自然に受け入れ校は増加していくものである。
C.委員会開設。
 「中日文化交流協会」を拡充し、中日民間人の組織する「日中文化教育体育交流委員会」を開設して実施せしめ、我が大使館は、これを正式に支援する方式をとる。
 尚、本綱の全ての項目は、初期においては、純然たる奉仕に終始し、いささかも政治工作、思想工作、宣伝工作、組織工作を行ってはならない。
第2.マスコミ工作
大衆の中から自然発生的に沸き上がってきた声を世論と読んだのは、遠い昔のことである。次の時代には、新聞、雑誌が世論を作った。今日では、新聞、雑誌を含め所謂「マスコミ」は、世論造成の不可欠の道具に過ぎない。マスコミを支配する集団の意思が世論を作り上げるのである。
 偉大なる毛主席は
 「およそ政権を転覆しようとするものは、必ずまず世論を作り上げ、先ずイデオロギー面の活動を行う」
 と教えている。
 田中内閣成立までの日本解放(第一期)工作組は、事実でこの教えの正しさを証明した。日本の保守反動政府を幾重にも包囲して、我が国との国交正常化への道へと追い込んだのは日本のマスコミではない。日本のマスコミを支配下に置いた我が党の鉄の意志とたゆまざる不断の工作とが、これを生んだのである。
 日本の保守反動の元凶たちに、彼等自身を埋葬する墓穴を、彼等自らの手で掘らせたのは、第一期工作組員である。田中内閣成立以降の工作組の組員もまた、この輝かしい成果を継承して、更にこれを拡大して、日本解放の勝利を勝ち取らねばならない。
2-1.新聞・雑誌
A.接触線の拡大。
 新聞については、第一期工作組が設定した「三大紙」に重点を置く接触線を堅持強化すると共に、残余の中央紙及び地方紙と接触線を拡大する。
 雑誌、特に週刊誌については、過去の工作は極めて不十分であったことを反省し、十分な人員、経費を投入して掌握下に置かねばならない。接触対象の選定は「10人の記者よりは、1人の編集責任者を獲得せよ」との原則を守り、編集を主対象とする。
B.「民主連合政府」について。
 「民主連合政府」樹立を大衆が許容する温床を作り上げること、このための世論造成、これが本工作を担当する者の任務である。
 「民主連合政府」反対の論調を挙げさせてはならぬ。しかし、いかなる方式かを問わず、マスコミ自体に「民主連合政府」樹立の主張をなさしめてはならない。これは、敵の警戒心を呼び覚ます自殺行為に等しい。
 「民主連合政府」に関連ある事項を全く報道せず、大衆はこの問題について無知、無関心であることが最も望ましい状態である。
 本工作組の工作の進展につれて、日本の反動極右分子が何等の根拠も掴み得ないまま焦慮に耐え得ず、「中共の支配する日本左派勢力は、日本赤化の第一歩として、連合政府樹立の陰謀を進めている」と絶叫するであろう。
 これは否定すべきであるか? もとより否定しなければならない。しかし、否定は真正面から大々的に行ってはならず、計画的な慎重な間接的な否定でなければならない。
 「極右の悪質なデマで、取り上げるにも値しない」という形の否定が望ましい。
C.強調せしむべき論調の方向
① 大衆の親中感情を全機能を挙げて更に高め、蒋介石一派との関係は完全に断つ方向へ向かわせる。
② 朝鮮民主主義人民共和国並びにベトナム民���共和国との国交樹立を、社説はもとより全紙面で取り上げて、強力な世論の圧力を形成し、政府にその実行を迫る。
③ 政府の内外政策には常に攻撃を加えて反対し、在野諸党の反政府活動を一貫して支持する。特に在野党の反政府共闘には無条件で賛意を表明し、その成果を高く評価して鼓舞すべきである。  大衆が異なる政党の共闘を怪しまず、これに馴染むことは、在野諸党の連合政府樹立を許容する最大の温床となることを銘記し、共闘賛美を強力になさしめるべきである。
④ 人間の尊重、自由、民主、平和、独立の強調
ここに言う「人間の尊重」とは、個の尊重、全の否定を言う。
「自由」とは、旧道徳からの解放、本能の開放を言う。
「民主」とは、国家権力の排除を言う。
「平和」とは、反戦、不戦、思想の定着促進を言う。
「独立」とは、米帝との提携の排除、社帝ソ連への接近阻止をいう。
2-2.テレビとラジオ
A.これらは、資本主義国においては「娯楽」であって、政府の人民に対する意志伝達の媒介体ではない。この点に特に留意し、「娯楽」として利用することを主点とすべきである。
 具体的な方向を示せば、「性の解放」を高らかに謳い上げる劇又は映画、本能を剌激する音楽、歌謡等は望ましい反面、スポーツに名を借りた「根性もの」と称される劇、映画、動画、または歴史劇、映画、歌謡並びに「ふるさとの歌祭り」等の郷土愛、民族一体感を呼び醒ますものは好ましくない。
 前者をより多く、後者をより少なく取り上げさせるよう誘導せねばならない。
B.テレビのニュース速報、実況報道の利用価値は極めて高い。画面は真実を伝えるものではなく、作るものである。目的意識を持って画面を構成せねばならない。
C.時事解説・教養番組等については、新聞について述べた諸点がそのまま適用されるが、これは極めて徐々に、少しずつ注意深くなされねばならない。
2-3.出版(単行本)
A.我が国への好感、親近感を抱かせるものを、第一に取り上げさせる。風物写真集、随筆、家庭の主婦が興味を抱く料理、育児所の紹介など、受け入れられ易いものを多面に亘って出版せしめる。
B.社会主義、毛沢東思想などに関する理論的著作も好ましい。しかし、我が国の社会主義建設の成果、現況については、極右分子の誹謗を困難ならしめるよう配慮させねばならない。
C.マスコミの主流から締め出された反動極右の反中国の言動は、単行本に出路を求めているが、これは手段を尽くして粉砕せねばならない。
 特に、社会主義建設の途上で生じる、止むを得ない若干の歪み、欠点について、真実を伝えると称してなされる暴露報道を絶対に放置してはならない。これらについては、誹謗、デマで両国関係を破壊するものであるとして、日本政府に厳重に抗議すると共に、出版社主、編集責任者、著者を告訴して根絶を期すべきである。
D.一般娯楽面の出版については「デンマークの進歩を見習え」として、出版界における「性の解放」を大々的に主張せしむべきで、春画、春本の氾濫は望ましい。
E.単行本の出版についての今一つの利用法は「中間層文筆業者」の獲得である。「中間層」とは思想的に純正左派、または右派に属しない、中間の動揺分子を言い、「文筆業者」とは、凡そ文筆を以て世論作りにいささかでも影響を与え得る者全てを言う。
 彼等に対しては或いは原稿料を与え、或いは出版の支援をなして接近し、まず「政治的・思想的立場の明快さを欠く」中間的著作をなさしめ、徐々に我が陣営へと誘導する。
2-4.本工作にマスコミ部を設けて、諸工作を統轄する
第3.政党工作
3-1.連合政府は手段
 日本の内閣総理は、衆参両院の本会議で首班指名選挙を行って選出される。両院で議員総数の過半を掌握すれば、人民の意志とは関係なく、任意の者を総理となし得るのである。
 1972年7月の現況で言えば、自民党の両院議員中、衆議院では約60名、参議院では10余名を獲得して、在野党と同一行動を取らせるならば、野党連合政府は容易に実現する。
 しかし、この方式を取るならば、社会党、公明党の発言権を益するに留まり、且つ最大の単独多数党は依然として自民党であり、この2点は純正左派による「日本人民共和国」成立へと進む阻因となることは明らかである。
 自民党のみではなく、社会党、公明党、民主社会党もまた、無産階級の政党ではなく、最終的には打倒されるべき階級の敵の政党であることを忘れてはならない。
 本工作組に与える「民主連合政府の樹立」という任務は、日本解放の第二期における工作目標に過ぎず、その実現は第三期の「日本人民民主共和国」樹立の為の手段に過ぎない。
 共和国樹立へ直結した、一貫的計画の元に行われる連合政府工作でなければ、行う意義は全くない。
3-2.議員を個別に掌握
 下記により国会議員を個別に掌握して、秘密裏に本工作員の支配下に置く。
A.第一期工作組がすでに獲得したものを除き、残余の議員全員に対し接触線を最少4線設定する。
B.上の他、各党の役職者及び党内派閥の首長、有力者については、その秘書、家族、強い影響力を持つ者の3者に、個別に接触線を最少2線設定する。
C.上の接触線設定後、各線を経て知り得る全情報を整理して、「議員身上調査書」の拡充を期し、公私生活の全貌を細大漏さず了解する。
D.右により各党毎の議員を「掌握すべき者」と「打倒排除すべき者」に区別し、「掌握すべき者」については「連合政府の樹立にのみ利用しうる者」「連合政府樹立より共和国成立に至る過渡期においても利用し得る者」とに区別する。 ここに言う「打倒・排除」とは、その議員の党内における勢力を削ぎ、発言権を低下せしめ、孤立に向かわせることを言う。
E.「掌握」又は「打倒」は調査によって明らかとなったその議員の弱点を利用する。
 金銭、権力、名声等、欲するものを与え、又は約束し、必要があれば中傷、離間、脅迫、秘している私事の暴露等、いかなる手段を使用してもよい。
 敵国の無血占領が、この一事に懸っていることを思い、いかなる困難、醜悪なる手段も厭うてはならず、神聖なる任務の遂行として、やり抜かねばならない。
3-3.招待旅行
 上の接触線設置工作と並行して議員及び秘書を対象とする、我が国への招待旅行を下の如く行う。
A.各党別の旅行団。団体の人数は固定せず、実情に応じて定める。
 但し、団体構成の基準を、「党内派閥」「序列」「年齢」「地域別」「その他」そのいずれかにおくかは慎重に検討を加え、工作員の主導の元に、我が方に有利になる方法を採らしむるよう、工作せねばならない。
B.党派を超えた議員旅行団。議員の職業、当選回数、選挙区、選挙基盤団体、出身校を子細に考慮し、多種多様の旅行団を組織せしめる。
C.駐日大使館開設後1年以内に、全議員を最低1回、我が国へ旅行せしめねばならない。
 自民党議員中の反動極右分子で招待旅行への参加を拒む者に対しては、費用自弁の個人旅行、議員旅行団以外の各種団体旅行への参加等、形式の如何を問わず、我が国へ一度旅行せしめるよう工作せねばならない。
D.旅行で入国した議員、秘書の内、必要なる者に対して、国内で「C・H・工作」を秘密裏に行う。
3-4.対自民党工作
A.基本方針
 自民党を解体し、多数の小党に分裂せしめる。
 自民党より、衆議院では60名前後、参議院では10余名を脱党せしめて、連合政府を樹立するというが如き、小策を取ってはならないことは先に述べた所であるが、右派、左派の二党に分裂せしめることも好ましくない。
 これは、一握りの反動右翼分子が民族派戦線結成の拠点として、右派自民党を利用する可能性が強いからである。
 従って、多数の小党に分裂する如く工作を進めねばならず、又表面的には思想、政策の不一致を口実としつつも、実質的には権力欲、利害による分裂であることが望ましく、少なくとも大衆の目にはそう見られるよう工作すべきである。
B.手段
 自民党内派閥の対立を激化せしめる。
① 自民党総裁選挙時における派閥の権力闘争は常に見られる現象で通常は総選挙を経て若干緩和され、一つの党として受けて曲りなりにも保持していく。
 今回はそれを許してならない。田中派と福田派の対立の継続と激化、田中派と大平派、三木派、三派の離間、中間五派の不満感の扇動等を主点として、第一期工作組は工作を展開中である。総選挙後、若干の変動があっても、派閥の対立を激化せしむるという工作の原則は変わらない。
② 派閥対立を激化せしめる最も有効な方法は、党内の非主流派となって政治活動資金の調達に困難を生じている各派に個別に十分な政治資金を与えることである。
 政治献金は合法であり、これを拒む政治家はいない。問題は方法のみであり、工作員からAへ、AからBへ、BからCへ、CからDへ、Dから議員又は団体という如く間接的に行うのは言う迄もない。
③ 先に述べた議員個人の掌握は、それ自体が連合政府樹立の有効な手段となるが、派閥対立激化についても活用するのはもとよりである。
3-5.対社会・公明・民杜各党工作
A.基本方針
① 各党内の派閥闘争を激化せしめ、工作による操縦を容易ならしめる。派閥というに足る派閥なき場合は、派閥を形成せしめる工作を行う。但し、党を分裂せしめる必要はなく、分裂工作は行わない。
② 日本共産党を含めた野党共闘を促進する。
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xf-2 · 4 years
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イタリアにおける新型コロナウイルス感染状況は、凄まじいばかりだ。「全土崩壊前夜」といった類の煽り気味で絶望的なニュースが飛び交う。
だが、なぜイタリアでこれほど感染が拡大したのか、といった視点が決定的に欠落しているように思える。
そこで、鄧小平が断行した対外開放、つまり「中国人の移動」という観点からイタリアを襲っている惨状の背景を考えてみたい。
おそらくイタリア社会における中国人――その大部分は対外開放以後に海外に「走出去」して飛び出して行った新華僑世代――の振る舞いを捉えることで、ヨーロッパ全体を覆いつつあるパンデミック危機の背景を知ることが出来るはずだ。
中国人がいないと米作りが成り立たない 今から7、8年ほど前になるが、香港の中国系書店で『“不死的中国人”――他們干活、掙銭、改変着意大利、因此令当地人害怕』(社会科学文献出版社 2011年)なる書籍を購入した。
地下にしっかりと根を張りながら咲き誇るタンポポの表紙に魅かれたと同時に、日本語に訳すと『“不死身の中国人”――彼らは働いて、カネを稼いで、イタリアを変えている。だから土地の人に怖がられる』となる書名が醸し出す反中・嫌中の雰囲気が気になったからだ。
それにしても不思議に思ったのは、この本が北京の出版社から刊行され、しかも香港の中国系書店に置かれている点だった。
じつは、この本は中国人が著したものではなく、2人の若いイタリア人ジャーナリストがイタリア全土を駆け巡り、イタリア社会で生きる中国人の姿を克明に綴った
『I CINESI NON MUOIONO MAI:LAVORANO,GUADAGNANO,CAMBIANO L’ITALIA E PER QUESTO CI FANNO PAURA』(R.Oriani&R.Stagliano Chiarelettere 2008)
の翻訳である。
筆者にはイタリア語が分からないので、翻訳の出来不出来は判断のしようがない。が、なにはともあれページを追ってみた。
すると、中国人のイタリア社会への逞しくも凄まじいばかりの浸透ぶりが、溢れんばかりに綴られていた。
たとえば西北部の穀倉地帯として知られるピエモンテでのこと。
1980年代末に「紅稲」と呼ばれる雑稲が突然変異のように発生し、増殖をはじめ、稲の生産を急激に低下させた。ところが紅稲は除草剤や除草機では駆除できない。やはり1本1本を人の手で丁寧に抜き取るしかない。だが、肝心の単純労働力は不足するばかり。
そこへ、農家の苦境をどこで聞きつけたのか、大量の中国人がやって来た。イタリアで半世紀以上も昔に忘れ去られてしまった田の草取りの方法のままに、彼らは横一列に並んで前進し、紅稲を抜き取っていく。
<7、8月の灼熱の太陽を受け泥に足をとられながら、手足を虫に咬まれ、腰を曲げ、全神経を紅稲に集中する。想像を超える体力と集中力、それに一定の植物学の知識が必要だ。紅稲は一本残らず抜き取らなければ正常な稲に害が及ぶ。抜くべきか残すべきかを知っておく必要がある>(同書より抜粋)
過酷な作業ながら収入は少ない。だが喜んで中国人は請け負う。
ある日、田圃で中国人が脱水症状で倒れた。彼らに「健康を考慮し、明日からは10時間以上の作業を禁ずる」と告げた翌日、雇い主が田圃に行ってみたが、誰もいない。慌てて宿舎に駆けつけると、彼らは荷物をまとめて立ち去るところだった。
「毎日10時間しか働けないなんて、時間のムダだ」と、口々に言う。雇い主は、「中国人は疲れることを知らない。気が狂っている」と呆れ返る。
かくして同書は、「中国人がいないとイタリアの米作りは成り立たなくなってしまった」と嘆く。
「中国人って1カ所には留まらない」 農業に次いで、大理石の石工、ゴミ処理工場労働者、ソファー・皮革・衣料職人、バー、レストラン、床屋、中国産品の雑貨商などが中国人に依存するようになり、中国人はミラノを「イタリアにおける中国人の首都」にして、ありとあらゆる産業を蚕食していった。
その大部分は浙江省や福建省の出身者で、多くは非合法でイタリア入りしている。教育程度は他国からの移民に比較して低く、それゆえイタリア社会に同化し難い。
苦労をものともせず、倹約に努めるという「美徳」を備えてはいるものの、それ以外に目立つことといえば博打、脱税、密輸、黒社会との繋がりなど……。どれもこれも、胸を張って誇れるビジネスではない。文化程度の低さは、勢い生きるためには手段を選ばないことに繋がる。
これがイタリアで増加一途の中国人の現実である。
イタリア人は彼らを通じて中国を知る。だが中国人は、そんなことはお構いナシだ。
子供をイタリアの学校に通わせ、イタリア人として育てようとしている両親もいることはいるが、カネ儲けに邁進しているので、学校や地域社会で偏見に晒されている子供の苦衷なんぞを推し量る余裕も意識も持ち合わせてはいない。
同書の著者が、アンナと呼ばれる20歳の美しい中国娘に「夢は?」と尋ねる。すると彼女はこう答える。
<夢! そんなもの知らないわ。中国人って1カ所には留まらないものなの。あっちがよければ、あっちに行くわ。おカネの儲かり次第ってとこね。この地に未練なんてないの。もう14年は暮らしたけど、とどのつまりは行きずりのヒトなのネ……>
この印象的なシーンで、同書は終わっている。
アンナも他の中国人と同様に「とどのつまりは行きずりのヒト」なのだろう。
だが、新型コロナウイルスが「行きずりのヒト」と共に世界中を動き回ったとするなら、イタリアのみならず人類にとっては、やはり危険過ぎるというものだ。
対外開放でカネ・ヒト・モノが流入 1975年の時点で、イタリアでは400人前後の中国系住民(旧華僑世代)が報告されているが、鄧小平が対外開放に踏み切った1978年末から7年ほどが過ぎた1986年には、1824人になっている。
以後9880人(1987年)、1万9237人(1990年)、2万2875人(1993年)へと急増していったが、彼らは新華僑世代である。1990年代半ば、新華僑はイタリア在住外国人としては6番目の人口を擁していた。
1986年から1987年の間の1年間に見られた5倍以上の増加の主な要因は、1985年1月にイタリア・中国の両国間で締結(同年3月発効)された条約によって、イタリアへの中国資本の進出が促された点にある。
人民元(カネ)と共にヒト、つまり中国人労働者が大量にイタリアに送り込まれるようになった。また中国料理・食品(モノ)への嗜好が高まったことも、中国人労働者(ヒト)の流入に拍車を掛けたはずだ。カネ・ヒト・モノが中国からイタリアに向かって流れだしたのだ。
新華僑世代も旧華僑世代と同じように、同郷・同姓・同業などの関係をテコにして「会館」と呼ばれる相互扶助組織を持つようになる。1980年代半ばから1990年代末までの10年ほどで十数個の相互扶助組織が生まれた。これこそ新華僑世代増加の明らかな証拠だろう。
商品の発送元は温州市 彼らは強固な団結力をテコに、自らの生活空間の拡大を目指す。
たとえば、2010年前後のローマの商業地区「エスクィリーノ地区」には、衣料品、靴、皮革製品などを中心に2000軒を超える店舗がひしめいていたが、その半数は中国人業者が占めていた。
現在はそれから10年ほどが過ぎているから、その数はさらに増したと考えて間違いないだろう。
彼らが扱う商品の発送元は、浙江省温州市である。温州は、遥か昔の元代(1271~1368年)から中国における日用雑貨の一大拠点として知られる。新型コロナウイルスを巡っては、2月初旬に湖北省武漢市に続いて封鎖措置を受けた。
ローマの商業地区と新型コロナウイルスによって危機的レベルにまで汚染された中国の都市がモノとヒトで日常的に結ばれていたことを考えれば、イタリアの惨状が納得できるはずだ。
友人のイギリス人は、感染拡大の背景にはイタリア人の生活様式もあると指摘する。
イタリア人はオリーブやトマトといった健康的な食生活によって、肥満の多い欧州先進国においては珍しいほどに長寿国で、高齢者が多い。周辺先進国に比べて核家族化が進んでおらず、3世代同居も珍しくない。特に高齢者には敬虔なカトリック信者が多く、教会でお椀を共有してワインを飲む習慣があるという。
であるとするなら、中国人の「移動」という極めて今日的要因がイタリアの社会的・文化的伝統という“宿主”を得たことで、被害の拡大に繋がったとも考えられる。
中国人の数は40万人超 いま手元にある『海外僑情観察 2014-2015』(《海外僑情観察》編委会編 曁南大學出版社 2015年)を参考にし、近年のイタリアにおける中国人の状況を素描しておきたい。
中国人の人口は全人口の0.49%で30万4768人(2013年1月1日現在)。これに非合法入国者を加えると、実際は40万人超ではない��。
中国系企業が集中している地方は西北部のロンバルディア(1400社)、中部のトスカーナ(1万1800社)、東北部のヴェネト(8000社)、北部から中部に広がるエミリア・ロマーニャ(6800社)であり、貿易を主にして2万5000社前後。他にアパレルや製靴関係が1万8200社、レストラン・バー・ホテルなどが1万3700社を数える。
「イタリアにおける中国人の首都」であるミラノを見ると、イタリアが2008年のリーマンショック以後、経済危機に陥ったにもかかわらず、中国系企業、殊に食品関連は急増。同市で外国からの移住者が経営する600社のうち、中国人移住者のそれは17%を占めている。
アパレル産業の中心でもある中部のプラトでは、人口20万人余のうちの3万4000人を中国人が占めている。じつに7人弱に1人だから、一大勢力だ。彼らは有名ブランドの下請けから始まり、いまや伝統的な家内工業的システムを駆逐し、新たなビジネス・モデルを構築しつつあるという。
2014年4月、東北部のパドヴァには中国人経営のアパレル・チェーン店「CVG」が創業し、有名なファストファッションブランドの「H&M」や「ZARA」のライバルとして急成長を見せる。イタリアにおける中国系企業の小売り最大手は「欧売集団」で、イタリア全土で34軒のスーパーマーケットを経営しているという。
――以上は飽くまでも『海外僑情観察 2014-2015』に基づいたものであるが、ここからもイタリア社会への中国人の浸透度がある程度は理解できるだろう。
AC AFP via Getty Images AC Milanのイメージ写真 「ACミラン」の経営にも中国の影 「イタリアにおける中国人の首都」ミラノの象徴といえば名門サッカーチームの「ACミラン」だが、ここの経営にも中国人が大きく関係していた。
2014-15年シーズン終了後、ACミランのオーナーだったシルヴィオ・ベルルスコーニ元首相は、タイの青年実業家「Mr.Bee」ことビー・テチャウボンとの間で売却交渉を始め、2015年5月にACミラン株の48%売却で合意した。
Mr.Beeは、タイの「康蒂集団」と『星暹日報』の両社を傘下に置くサダウット・テチャブーン氏の長男である。
サダウット・テチャブーンは華人2代目で、華字名は鄭芷蓀。父親の鄭継烈が起こした建設業を引き継ぎ、1990年代初頭から積極経営に転じ、タイ国内のみならず中国やオーストラリアでの不動産開発やホテル経営にも乗り出した。
その後、タイの老舗華字紙『星暹日報』を買収し、2013年11月には広東省政府系の「南方報業伝媒集団」からの資本参加を得て、紙面も一新。それまでの繁体字からタイの華字紙としては初の簡体字横組みとし、電子版の配信、中国版Twitter「微博」の活用なども始めた。
当然のように論調にも南方報業伝媒集団の強い影響が感じられる。『星暹日報』は、タイにおける中国メディアの“別動隊”とでも言えそうだ。
さて、アブダビの資産管理会社「ADS Securities」と中国政府幹部が資金源と伝えられていたMr.Beeだが、ACミラン買収資金に苦慮していた。そこで彼が資金援助を申し入れた相手が、「阿巴里里集団」を率いる馬雲(ジャック・マー)であった。
2016年8月、ACミランは中国企業のコンソーシアム(共同事業体)に約832億円(株式の99.93%)で売却され、2017年4月にベルルスコーニ元首相はACミラン経営から撤退した。その後、2017-18年シーズン途中で中国系オーナーの債務不履行が原因で、最終的にはアメリカのヘッジ・ファンドが新オーナーに就任した。
華僑・華人の本質は移動 こう見てくると、「アンナと呼ばれる20歳の美しい中国娘」から現在の中国を代表する企業家・資産家の馬雲まで、じつに多くの中国人がイタリアと関わりを持っていることが分かるだろう。
同時に対外開放以後に顕著になった中国人の「移動」という現象が、合法・非合法に限らず世界各地の社会に様々な影響を与えていることも確かだ。武漢から感染が始まった新型コロナウイルスもまた、その一環と考えるべきではないか。
華僑・華人研究の第一人者である陳碧笙は、中国が開放政策に踏み切った直後に『世界華僑華人簡史』(厦門大学出版社 1991年)を出版しているが、同書で彼は、帝国主義勢力が植民地開発のために奴隷以下の条件で中国人労働者を連れ出した、つまり華僑・華人は帝国主義の犠牲者だという従来からの見解を否定した。
そして、華僑・華人の本質は、
「歴史的にも現状からみても、中華民族の海外への大移動にある。北から南へ、大陸から海洋へ、経済水準の低いところから高いところへと、南宋から現代まで移動が停止することはなかった。時代を重ねるごとに数を増し、今後はさらに止むことなく移動は続く」
との考えを提示した。
この主張をイタリアのみならず今や危険水域に達しつつあるヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国、東南アジア、さらには感染報告が比較的少ないアフリカ、南米、そしてウズベキスタン、タジクスタン、キルギスタンなど中央アジアの国々にまで重ねてみるなら、新型コロナウイルスはもちろんのこと、中国発の“未知の危機”を今後も想定する必要があるだろう。
極めて逆説的な表現ながら、いまこそ国境を閉じて富強を目指した毛沢東の“叡智”を見返す必要を痛感する。新型コロナウイルスを「毛沢東の怨念」と見做すのは、筆者の偏見だろうか。
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masaa-ma · 7 years
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マーケティング組織を強靭化して顧客ごとの経験価値を最大化する
from http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/02/27/25075
デジタルマーケティングは従来のマーケティングと異なる概念ではなく、「マーケティングのデジタル化」にこそ、その本質がある。したがって、ITツールありきではなく、まずは自社のバックグラウンドと強み、そして顧客をしっかりと理解することが重要だ。その上で戦略的なデータ収集・活用をベースに、マーケティング組織における機能と業務プロセスの強靭化を図っていくのである。アビームコンサルティングの本間充が解説する。
この記事は、アビームコンサルティングが公開している広報誌「ABeam」2016年度版の一部を転載したものです。
デジタルマーケティングはマーケティングの普遍的な概念に基づく
アビームコンサルティング デジタルトランスフォーメーション ビジネスユニット デジタルマーケティングセクター ディレクター 本間 充 氏
昨今、従来のマーケティングに対するアンチテーゼとして、デジタルマーケティングをとらえる風潮があります。最新のアドテクノロジーを駆使し、Webやモバイルなどさまざまなデジタルのタッチポイントを通じてアプローチしなければ、新規顧客を獲得することも、既存顧客を維持することもできなくなるというものです。
確かにSEO(Search Engine Optimization)に始まり、DMP(Data Management Platform)やMA(Marketing Automation)など、新しいマーケティング手法を支援する多様なITツールが登場し、しかも安価に導入できるようになりました。結果、マーケティングを取り巻く環境が大きく変化してきたのも事実です。
しかし、これらのITツールはあくまでも手段に過ぎません。そもそもマーケティングとデジタルマーケティングは対比させて考えるべきものではなく、「マーケティングのデジタル化」にこそ、デジタルマーケティングの本質があります。
実際、Webやモバイルに限らず、あらゆるチャネルのデジタル化が進んでいます。例えばリアル店舗における販売は、従来どおり対面で行われており、大きな変化はありませんが、接客の履歴はPOS端末や販売員のタブレットなどから入力され、データとしてシステムに蓄積されています。コンタクトセンターにおける電話対応の履歴も同様です。
肝心なことは、これらのデータを自社のビジネスにとって、いかに価値ある情報に変え、意思決定に活かし、俊敏なアクションにつなげられるかどうかです。デジタル化に対応し、マーケティング組織の機能や業務プロセスも強靭化されなければならないのです。
デジタルマーケティングはマーケティングの普遍的な概念の中にあります。その意味では、デジタルマーケティングという呼び方そのものが過渡的なものであり、中長期的には「デジタル」という修飾語をわざわざ付ける必要はなくなると考えています。
顧客ごとの経験価値を最大化していくことが重要
デジタルに対応したマーケティング組織の機能や業務プロセスの強靭化、すなわちマーケティング変革のために必要なことは何でしょうか。
仮に、かつての高度経済成長期のような大量生産/大量消費型のビジネスをこの先も続けるのであれば、デジタルマーケティングへの移行は不要です。それほど多くのデータを必要とせず、精度の高い分析も求められません。
しかし周知のとおり、少子高齢化の進展によって日本国内の市場は成熟・縮小傾向にあるため、従来のようなマス・マーケティングはもはや通用しなくなっています。
これまで日本企業で行われてきたマス・マーケティングの問題点は、1セグメント/1ターゲットで行われてきたことにあります。「男性(M)・女性(F)」と「年齢層」をマトリクスにしたターゲティングはその最たるものです。例えば「育児関連の商品やサービスであれば、まずF1層(20~34歳の女性)を狙うべき」とされてきました。
マーケッター自身の経験に基づく旧態依然とした価値観や先入観、ある種の願望がそこに押し付けられているわけです。人生設計も収入も嗜好も人それぞれであり、ライフスタイルが多様化した現代において、このような思考停止に近い安直なターゲティングが当てはまらなくなっていることは言うまでもありません。
重要なのは顧客の多様性への対応であり、性別や年齢層とは違った属性を複合的にとらえた、もっと的確な顧客のクラスタリング方法があるはずです。さらに言えば、顧客ごとの経験価値を最大化していく必要があります。
顧客との最初の出会いからしっかりした“つながり”を持つ
顧客のことをより深く知ることが、昔も今も変わらないマーケティングの基本であり、マーケティングのROI(投資対効果)を高める条件となります。ただし先述したように、多様化した顧客ごとのライフスタイルや価値観、嗜好、潜在ニーズなどを、マーケッターの属人的な勘や経験で読み解くことはできません。
そこで客観的なデータを広く多く集め、数理統計やアナリティクスなどの科学的な手法を活用します。その前提として「どのような目的で、誰から、どこから、どのようなデータを収集するのか」といったタッチポイントも含めたデータ収集・活用の設計が、今後はマーケティング戦略そのものとなることを、しっかり認識していかなければなりません。
以前であれば、データはある程度“後追い”で収集することができました。特定の商品やサービスに対して、なぜそれを購入したのかを知るために、顧客にヒアリングやアンケート調査を行うといったものです。しかしそれでは間に合わない、そもそも後追い調査は市場の流動化などにより難しい状況になりつつあります。
日本の市場はいま、急速な勢いで流動化が進んでいます。現在、観光を中心とする訪日外国人数は大きく伸びており、2015年の時点で1973万人となりました。安倍晋三首相を議長とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」はこれをさらに伸ばすべく、「2020年に4000万人、8兆円消費」という新たな目標値を示しています。こうしたインバウンド需要が、多くの企業の売上のかなりの比率を占めるようになりました。
当然、企業としてはこれを一過性の特需とするのではなく、「再び来日した際にもまた自社の商品やサービスを購入してもらいたい」、さらには「顧客のそれぞれの国でも、自社ブランドの商品やサービスを購入してほしい」と考えます。そのため���は、顧客との継続的なエンゲージメントを高めていく必要があります。
しかし自社の商品やサービスを購入し、そのまま帰国してしまった顧客にはコンタクトする術がありません。“一期一会”の言葉もあるように、顧客との最初の出会いの時点から、しっかりした“つながり”を持つことが重要なのです。データ収集のセンサーとなるタッチポイントをあらかじめ配置しておかなければ、それは不可能です。
デジタルマーケティングの推進にはまず自社の得意分野を理解する
デジタルマーケティング(マーケティングのデジタル化)において最も重要なのが、自社の強みを活かすためのデータ活用です。裏を返せば、データ活用の方向性を見誤ると、自社がこれまで培ってきたブランド力や信頼さえも失うことになりかねません。
一例として、顧客の移動先やWeb閲覧などの行動をリアルタイムに察知し、需要の確度が高いと思われる商品やサービスをリコメンデーション(推奨)するデータドリブン・マーケティングと呼ばれる手法が注目されています。
確かにアパレルや雑貨などを主事業としている企業にとっては、有益な打ち手となるかもしれません。しかし高級ファニチャーやインテリアなどの耐久消費財を扱っている企業にとっては、むしろ逆効果となってしまう恐れがあります。顧客がその企業に期待しているのは、もっと長期的で広い視点に立った生活提案だからです。その時々の顧客の行動に反応した近視眼的なリコメンデーションではなく、数年先のトレンドの変化を読み解くためのデータ収集ならびにライフイベントを見据えたコンテンツの提供こそが、エンゲージメントを高めることにつながります。
ツールありきでデジタルマーケティングに臨んではならない理由が、こんなところにもあるのです。デジタルマーケティングを推進する上では「自社のバックグラウンドをきちんと理解する」「自社の得意分野を理解する」「その施策が顧客の望んでいることなのかを確認する」という3つのポイントを常に念頭に置いてほしいと思います。
もっとも、そうした自社の強みは自分たちにはあまりにも“常識”過ぎて、かえって見えなくなる面もあります。そこにアビームコンサルティングのようなコンサルティングファームが、客観的な視点から戦略策定をサポートしていく意義があるのです。
この記事は、アビームコンサルティングが公開している広報誌「ABeam」2016年度版の一部を転載したものです。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど��で公開されている記事のフィードに含まれているものです。 オリジナル記事:マーケティング組織を強靭化して顧客ごとの経験価値を最大化する Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
この記事の筆者
アビームコンサルティング広報誌「ABeam」
2016年度版で3年目を迎えるアビームコンサルティングの広報誌。第一線で活躍するマネージメントコンサルタントの視点から“Game Change by Digital Innovation”の世界を紹介。
https://jp.abeam.com/about/kouhoushi.html
→アビームコンサルティング広報誌「ABeam」のプロフィールページ
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thyele · 4 years
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2020年3月25日
【コラム】X「紅」だけで、3時間楽しめた 和楽器ってこういう風に演奏するようには出来てないだろうから大変だな。他もすご。 https://www.barks.jp/news/?id=1000180311
京 (DIR EN GREY / sukekiyo)、オフィシャルブック『阿吽の蟻』第二弾発売決定 ビジュアルが多いのかな? https://www.barks.jp/news/?id=1000180317
清春、“化粧とロックンロール”を掲げたアルバムに破壊と創造「究極、オケはいらない」 日本らしさが世界に通用するのが本当の凄さだと思う。 https://www.barks.jp/news/?id=1000180299
DIR EN GREY、無観客ライブをドキュメンタリー形式で6時間生配信 凄いボリューム。 https://www.barks.jp/news/?id=1000180320
MUCC、アルバム『惡』アートワークと収録詳細を発表+毎週連続動画公開も こちらもぶちかましてくれるなあ。 https://www.barks.jp/news/?id=1000180338
Plastic Tree、新アルバムのラスト飾る「エンドロール。」MV公開 心地良い浮遊感。 https://www.barks.jp/news/?id=1000180348
毎日新聞さん「神戸市のこども家庭センターで当直中のNPO職員が小学6年の女児を追い返した問題で、市は2018年4月に18歳未満の高校生を追い返す事案があったことを明らかにしました」 https://twitter.com/mainichi/status/1236076595535724544
ロイターさん「どうりで暑いと思った、オーストラリア。夏の長さが冬の2倍になっていた。」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1236248981388181505
鉄拳さん「血液が足りていないみたいです。献血の流れです。 ①受付、簡単な質問回答、血液事前検査をします。 ②検査結果が出るまで休憩所で無料でジュースを飲んだり漫画を読んだりリラックス。 ③検査結果がOKでしたら採血。採血量により時間が変わります。 ④採血後、②と同様十分に休憩をして終わりです。☺️」 https://twitter.com/Tekken_omachi/status/1236134575526428672
塩梅さん「尻尾で遊んでみたら予想以上にエキサイトしたが、それを他の猫にずっと見られていた事に気付いた時のネッコ」 https://twitter.com/nekorice1/status/1235942389174251520
Keishi Tanakaさん「「速報です、ライブハウスで新たな感染者が…」と同じライブハウスの写真載せて毎日報道してますけど、そこにいた人はほとんど検査して、他はほとんど検査してないんだから、そりゃそういう結果になるよ。いい加減にしてくれ。どこも同じように気をつければ良い。人はコロナではなくテレビに殺される?」 https://twitter.com/KeishiTanaka/status/1236643306072752130
糸井 重里さん「たぶん、かなりたくさんの人が、かなり疲れていると思う。軽くでいいので運動をする。おいしいものを食べる。1時間余計に寝る。というようなことで、どうでしょう。」 https://twitter.com/itoi_shigesato/status/1237029379722473474
読売新聞オンラインさん「入国拒否、イタリア北部など追加…政府方針 #政治」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1237029135320481794
東京五輪、夏断念なら1・2年延期が妥当もと組織委理事が見解-報道 - Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-10/Q6ZENDT0G1KZ01
新型コロナの正体、やはり“人工的”ウイルスか 中国当局「荒唐無稽で無知だ」と否定も…米専門家激白「分子にある4つの違いは自然に起きるものではない」 (1/3ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200310/dom2003100002-n1.html
「全部コロナのせいだからね」 社長、いきなり解雇通告 [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN3B6X2ZN3BULFA03W.html
北朝鮮、新型コロナウイルスで兵士180人が死亡、3700人が隔離中 ── 韓国メディアが報じる(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200310-00000005-binsider-int
新型コロナ 川越市で親子3人の感染確認 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=34tHojM2N7A
深田晃司 @映画「よこがお」公開中さん「日本中から過去最大級の「知ってた」が聞こえてきた。 「満員電車」も条件が揃えば、感染要因に。政府の専門家会議が初めて言及【新型コロナウイルス】」 https://twitter.com/fukada80/status/1237253944289587200
Eriko_sakaiさん「レイジアゲインストザマシーンが手の洗い方を教えてくれる2020年」 https://twitter.com/er18/status/1237038165073858560
川田十夢さん「トランプはビジネスマンだから、経済の冷え込みに敏感。いち早く減税に動いた。ボリスはジャーナリストであり歴史家だから、主席医務官と政府首席科学顧問を同席させて会見。個人レベルでは手洗いの徹底が最大のウイルス抑止策であるとともに、国家レベルの考え(4段階の行動計画)を示した。」 https://twitter.com/cmrr_xxx/status/1237185285093380097
ロイターさん「(閲覧注意)イタリアで、新型ウイルスの感染者らが、集中治療室で懸命な治療を受けている。」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1237400317949403138
松本へろさん「マスク着用義務とか、入場時の手の消毒とか、ちゃんと対策の上でライブハウスでイベントやるのは、問題無い気がしますけどね。電車乗る時にそんな対策無いし。 電車を自粛は絶対言わない。 カラオケはダメとか言うのにパチンコ屋はダメとは絶対言わない。謎な自粛の押し付けは止めて欲しいですね。」 https://twitter.com/hero_matsumoto/status/1237268608713015296
朝日新聞(asahi shimbun)さん「名古屋市で感染者2人死亡 新たに9人の感染確認 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/asahi/status/1237410901403168768
千種創一さん「東洋系の顔立ちなので街で新型コロナ関連の嫌な言葉を投げ掛けられることもある、とアラブ人の友達に言ったら「気持ちわかるよ、俺らも欧米に行ったら中東系の顔ってだけでテロリスト呼ばわりされるから」って言ってて、もっと優しくなれ世界、って思ったし、せめて僕らは優しくあろうね」 https://twitter.com/chigusasoichi/status/1234945129150021635
新型コロナウイルス検査、沖縄で17人全員が「陰性」(3月11日県発表) - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1088236.html
5月の『コミケ』現段階で開催方向 サークル参加者へ当落発表|オリコンニュース|上毛新聞ニュース https://www.jomo-news.co.jp/life/oricon/199102
孫正義氏、新型コロナの「簡易PCR検査」を100万人に無償提供とツイート--批判が殺到(CNET Japan) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-35150667-cnetj-sci
NYダウ、一時900ドル超安 米減税の実現に懸念: 日本経済新聞 https://r.nikkei.com/article/DGXMZO56684300R10C20A3000000?s=5
政府が新型コロナ対応で緊急経済対策を検討 | 共同通信 https://this.kiji.is/610438343784023137
Twitter モーメントさん「イタリアでは、#新型コロナウイルス の対策として、薬局・食品店を除くすべての店舗を閉鎖すると発表しました」 https://twitter.com/MomentsJapan/status/1237872162268016641
ニューズウィーク日本版さん「株価急落で消えた「日本売りの円安」 円暴騰の舞台裏 #株価 #株安 #円高 #円ドル #為替 #日本経済 新型コロナウイルス #新型肺炎 #コロナウイルス#感染拡大 #金融」 https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1237654496945332224
朝日新聞(asahi shimbun)さん「フリー給付金4100円「ふざけるな」 立憲・蓮舫氏」 https://twitter.com/asahi/status/1237661550409707523
日本経済新聞 電子版さん「選抜高校��球大会の中止を、日本高野連が決めました。ぎりぎりまで開催の可能性を探りましたが、新型コロナウイルスの感染拡大と政府による大規模イベントの自粛継続を踏まえ判断しました。#センバツ中止」 https://twitter.com/nikkei/status/1237661628138692608
ロイターさん「情報BOX:新型コロナウイルスを巡る海外の状況(11日現在)」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1237782950743355393
毎日新聞さん「【速報】WHO、パンデミックを宣言 テドロス事務局長、対策強化促す」 https://twitter.com/mainichi/status/1237784080910929921
朝日新聞(asahi shimbun)さん「NY株一時1200ドル安 トランプ氏の経済対策に失望」 https://twitter.com/asahi/status/1237784867527462912
辻仁成さん「新型コロナ、知ってること、知らないことをDS編集部がわかりやすくまとめました。敵をよく知ることが身を守るための最大の防御です。一度、知ってること知らないことおさらいしてみましょう。 パリ最新情報です。」 https://twitter.com/TsujiHitonari/status/1237711135794749440
EURO † SPEED-iDさん「「ウイルス潜伏期間である二週間が経過している上、他に発病者が確認されていないことから、ライブハウスで感染が起きた可能性は極めて低いと考えられる」 ライブハウスが感染を拡大させてるかの様な断定的報道はやはり誤りだった。少なくともこの件では。手刀の対応も素晴らしかった。見習いたいね。」 https://twitter.com/HLEURO/status/1237901103330545664
ISUKE 次は6月23日 高崎club FLEEZさん「他のスポーツの大会も中止になってる、 野球だけが特別というわけではない、 心の底から悔しいし、何で俺達が…って気持ちになると思う。 コロナさん、早く滅してくれないかな。」 https://twitter.com/isk_8g/status/1237877103837601798
新型コロナウイルス感染症について(相談件数及び検査件数)|富山県 http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1205/kj00021629.html
新型コロナ「陽性患者が3週間も病院たらい回し」こんなの絶対おかしい(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200313-00071062-gendaibiz-soci
イタリアで死者1000人超える 新型コロナウイルス | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200313/k10012329021000.html
コロナ「ばらまく」男性捜査へ 飲食店の従業員感染 愛知県警(時事通信) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200313-00000033-jij-soci
東京五輪の中止判断「WHOの勧告に従う」 IOC会長 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News https://www.afpbb.com/articles/-/3273103?act=all
愛知県、病床不足待ったなし 「今日の5人どうする」 [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN3C5SBSN3BOIPE00K.html
Coronavirus Updates - Alexander Higginsさん「Spain reports 185 new cases and 20 new deaths bringing total confirmed cases there to 2,964 and 84 total deaths, with 687 new cases and 29 new deaths reported today. #CoronaVirus #Covid19 #CoronaVirusOutbreak」 https://twitter.com/kr3at/status/1238085202230087682
イランは政府要人も次々コロナ感染 服役囚5万4000人釈放の異常事態 - ライブドアニュース https://news.livedoor.com/article/detail/17921644/
納豆が消えた!新型コロナ対策で?品薄、欠品状態(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-23110844-nksports-soci
大阪府/報道発表資料/新型コロナウイルス感染症患者(81例目から89例目)の発生について http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=37713
Yoshikiさん「みんなのことが心配 みんな #冷静な判断と行動を。 I'm worried about you. Everyone #ThinkLogicallyActAccordingly #StayHome #StayAtHome #StayAtHomeSaveLives "命を救うため...イギリスの医師ら動画で呼びかけ @bbcnewsjapan https://t.co/isoQgv2jT5 #新型コロナウイルス #coronavirus」 https://twitter.com/YoshikiOfficial/status/1242381085394104320
SUGIZOさん「お伝えしたように残念ながら来週末のLUNA SEA大阪公演延期を決定しました。本当にごめんなさい。この状況では致し方ありませんでした。一刻も早い終息を願うと共に、みんなの無事を心から祈ります。そして今は最前線で奮闘している医療従事者の方々へ心から感謝の念と共に全霊でエールを送ります。SGZ」 https://twitter.com/SUGIZOofficial/status/1242377974277533697
GillesdeRaisprojectさん「見つけたw 1992年のエクスタシーサミットの 大阪城ホール、これ4曲全編 録画したものをローディーに 消されてしまって、あ~あと 思ってたんだけど、 ほんのごく一部だけ残ってました^^。 最後にトラブってギターの音 消えるのとか忘れてたw https://t.co/Fx12J5nZG4」 https://twitter.com/GRaisproject/status/1242368775199920128
TEARS OF THE REBELさん「緊急告知明日3月25日21:00~(生放送)『BarBoo』に『TTT』が登場! KOJIが出演致します。 是非ご視聴下さい。 Youtube:https://t.co/qEVUclu9UX…FRESH:https://t.co/VDoRqIGA4X…#BarBoo #TTT https://t.co/aluAbmE8MB」 https://twitter.com/totr_official/status/1242398035302158336
MICHIRU〜未散〜 LOOP ASH 20周年さん「よぱ🌙よぱ🌙 未散です👀 「東京五輪」延期!😱 『"ループ開き!"〜未散 最後の夏〜』 ✨こちらは開催予定です✨ 2020.7.24(金/祝)CLUB CITTA'川崎 2020.7.25(土)CLUB CITTA'川崎 ★オフィシャル1次先行(抽選) 3/5(木)12:00〜3/29(日)23:59 🔻先行URL https://t.co/Czzfjr5BMI https://t.co/r7hhydP6qo https://t.co/OXaLJJmyia」 https://twitter.com/michiru_loopash/status/1242450292974579717
ONE MUSICさん「こんにちはONE MUSICです。 4月からプロドラマーSakuraさんによるマンツーマンレッスンがONE MUSICにて始まります。 現役プロミュージシャンの視点で直接アドバイス、解決いたします! 初めての方からプロ志向の方までこの機会に是非! 空き状況やお問い合わせなど詳しくは https://t.co/r2GcWak0Gl https://t.co/FR1anZkktc」 https://twitter.com/ONEMUSI23292022/status/1242318834255556608
し ば たさん「夜行バスに乗って/魚住英里奈と春歌の名称不明のユニット https://t.co/dtgFOmhxVv @YouTubeより」 https://twitter.com/Ching_blur20XX/status/1242129157166788608
魚住 英里奈 (独唱)さん「https://t.co/wUnoR7wXJy ×して ×して ×して どう? 同? 々 https://t.co/uf0ZlQMiqP」 https://twitter.com/erina_chas/status/1242586819721494528
やさしい世界さん「【3/24(金)21:00】 企画/製作:やさしい世界 LMV-Live Music Video- ライブ集客を最終目的とした ライブ映像,音声が主軸のMusic Video 第一弾公開予定です! 乞うご期待~! Lyrics & Vocal:魚住英里奈 https://t.co/Hr4r0hpvbO percussion:春歌 https://t.co/zwIeojnBSv https://t.co/IVw4Dg1Gj1」 https://twitter.com/_yasashiisekai/status/1242645310884610049
昇歌(sho-ka)さん「断捨離時に発見。 懐かしい(о´∀`о)❤️ 確か、クアトロワンマンのCD配布時にもやったなぁ☆彡 https://t.co/k3cxn1S1aY」 https://twitter.com/si1002_official/status/1242599288204480512
石月 努 Official / STAFFさん「石月 努NEW ALBUM 「山羊座の森」 2020/04/07 RELEASE!!! https://t.co/TpWOb3Gj9U https://t.co/2ygw40a5d5」 https://twitter.com/ishizukitsutomu/status/1242087425217724419
マリアンヌ東雲さん「YouTube移設中。旧チャンネルに登録中の方は此方に乗り換えて頂戴。 https://t.co/HKVYEcD2fN」 https://twitter.com/marianne_sama/status/1242482274701983749
中島卓偉さん「卓偉本人に直接確認も取らず勝手に「ゲスト卓偉」を決めてしまう、啓太と五郎、めっちゃストロング。同じ事務所恐るべし。 https://t.co/1n6QKERTY4」 https://twitter.com/takuinakajima/status/1242686648321585152
ZIZ.officialさん「Thank you last night! https://t.co/R9HohqGWh8」 https://twitter.com/ZIZofficial/status/1242658502310420480
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shibaracu · 4 years
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●忌み言葉
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●忌み言葉 ◆いみ ことば【忌み詞・忌(み)言葉】 ① 信仰上の理由や,特定の職業・場面で使用を避ける言葉。不吉な意味の語を連想させる言葉が多い。例えば婚礼の際の「去る」「切る」「帰る」「戻る」「別れる」,お悔みの際の「重ねる」「重ね重ね」「返す返す」「再び」など。 ② ① の代わりに使う言葉。昔,斎宮(さいぐう)で「僧」を「髪長(かみなが)」といい,また,商家で「すり鉢」を「あたり鉢」,結婚式で「終わる」を「お開きにする」という類。 → 斎宮の忌み詞   ◆忌み言葉(いみことば) http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/nihongo/imikotoba.htm 縁起が悪いとかわっていくという話です。  植物の葦(あし)ですが、これは「悪し」(あし)と発音が同じですね。  ということでこの植物は「良し」と同じ発音の「葭」(よし)に  かえられてしまいました。葦と葭は同じ植物なんですね。  梨も「ありの実」と言いますよね。  スルメも「スル」と言うのが良くない、たちまち貧乏になりそうな名前だと  いうので、なんと「アタリ」メという言葉がでてきました。  飲み屋に行くとアタリメっていいますよね。  コチカメ(こちら葛飾区亀有公園前派出所)で有名になった「亀有」ですが、  これはなんと「亀梨」(かめなし)という地名だったんですね。  縁起が悪いとかえられていくという話でした。   ◆いみ 【忌み・斎】 〔動詞「いむ(忌)」の連用形から〕 ① 神に仕えるために汚(けが)れを避けて謹慎すること。 ② 死・産・血などの汚れに触れた人が一定期間,神の祀(まつ)りや他人から遠ざかること。 「 -が明ける」 ③ 避けるべきこと。方角・日取りその他,一般によくないとされていること。差し支え。はばかり。 「事の-あるはこたみはたてまつらじ/源氏 絵合」 ④ 他の語の上に付いて複合語を作り,汚れを清めた,神聖な,などの意を表す。 「 -斧」 「 -垣」 「 -鎌」 「 -竈(かまど)」 「 -場」 「 -柱」 「 -殿(どの)」 「 -服殿(はたどの)」 「忌み」に似た言葉» 類語の一覧を見る禁忌 タブー 禁物 禁欲 禁酒   ◆忌み・斎み(いみ)忌みの意味。・名詞 ①身を清め、言動を慎むこと。 ②穢(けが)れを避けて慎むこと。 (ア)服喪の期間。 (イ)出産の穢れを慎む期間。 ③はばかるべきこと。縁起が悪いこと。 基本的に生活圏に悪影響を及ぼす穢れを嫌い排除する事である。 台風や大雨、日照り、地震等自然災害も不浄、穢れとされ、地鎮祭など 祓えの儀式で清められ治まるとされた。   ◆神事における忌み 神宮等では、神事の際、忌火(いみび)と呼ばれる火を起こす。これは火がそもそも持つ性質、すなわち「他を焼き無くしてしまう」という性質が、一般的なケガレの概念、つまり「不浄」「不潔」同様、神や人間の結界、生活圏を脅かす「ケガレ」であるため、これを用いる際にそう呼ばれる。また火がケガレを伝染媒介すると考えられていた為、かまどを別にするなどの措置がとられた。古事記によるとイザナミは火の神(ホノカグツチノカミ)を産んだため陰所を焼かれ、それが元で死に、黄泉の国に下る事になる。 「近き火、また恐ろし<枕草子・せめておそろしきもの>」や、現在でも「マッチ一本火事の元」という言葉にあるように、危険物として火は認識されてきた。忌み火をオリンピックの聖火と同一視される事があるが、拝火文化は神道にない。本来神道における「火」はケガレである。よってそれを押さえる火伏せの神様、火坊尊(ひぶせのみこと)などの神様が信仰の対象になって来た。鎮火(火を鎮める)という表現もある。 例外もあるが、一般的に神道における死は穢れ(黒不浄)としての「忌み」であり、神はそれを嫌うとされる。よって神社内及び敷地内に遺体を持ち込んで葬儀をする事はないし、家庭の神棚は半紙を被せ神の目に触れないようにする。死(黒不浄)、経血(赤不浄)、出産(白不浄)は神様が嫌う不浄として避けられてきたが、この価値観は明治政府の近代化及び富国強兵政策によって大きく変わる事になる。 戦死をケガレから名誉に、個人の問題であった出産を「産めよ増やせよ」の国家事業に、そしてそれを遂行する女性を褒めるという事に対応するため、これまでの穢れ観と正反対の価値観が神道において成立した。これが「国家神道」である。明治以前の神道における穢れの基準は「延喜式」に詳しい。   ◆用例 忌み嫌う - 穢れを払う+嫌う。穢れを払う様に嫌う。忌避。 忌み名 - 清楚+名。清楚な名・神仏となった本当の名。(臣下、目下のものが口外するのを忌むべき)本名(諱)。 忌中 - ケガレの最中。 奈良時代の忌部氏(いんべし。後の斎部氏)は宮中の神事を行っていた。忌(いん)は清楚という意味でもあるが、平安時代以降はほとんどの場合否定的な意味に使用される。   ◆禁忌(きんき)  https://ja.wikipedia.org/wiki/禁忌 「してはいけないこと」の意。 ・タブーとしての禁忌には道徳的な含みがあるのに対して、他の用例では、技術的、科学的な根拠によって禁じられている。 ・宗教学、人類学用語としての禁忌→項目「タブー」参照 ・医療上の禁忌。不適当で患者の予後を大きく悪化させる術式、検査、投薬、調剤等を指す。絶対的禁忌と相対的禁忌の二つに分けられる。→en:Contraindication  ・併用禁忌データベース 併用すると危険をもたらす医薬品のデータベース  ・温泉の効能で特定の症例に対して逆効果があると考えられている場合、一般的禁忌症と表現される。→項目「一般的適応症」参照 ・禁忌品 - 古紙回収に出されると再生処理がうまくできなくなる物のこと。(禁忌品(きんきひん)) ・禁忌肢 - 医師国家試験などの試験の設問で、所定数以上誤って選択すると、他が全て正答であっても自動的に不合格・落第の判定となる選択肢 タブーとしての禁忌には道徳的な含みがあるのに対して、他の用例では、技術的、科学的な根拠によって禁じている。   ◆忌避(きひ) 広い意味ではあるものや事柄について嫌って避けることである。日本の法律においては、除斥事由には該当しないが、手続の公正さを失わせる恐れのある者を、申立てに基づいてその手続に関する職務執行から排除すること。 典型的な例は裁判における裁判官の忌避であるが、裁判官以外にも、裁判所書記官、鑑定人、通訳人、仲裁人、審判官などについても忌避の規定がある。 なお、手続の適正を図るために、一定の者を職務執行から排除する類似の制度として、除斥や回避がある。   ◆忌寸(いみき) https://ja.wikipedia.org/wiki/忌寸 684年(天武天皇13年)に制定された八色の姓で新たに作られた姓(かばね)で、上から4番目。 国造系氏族である大倭氏・凡川内氏や、渡来人系の氏族である東漢氏・秦氏など、元直(あたえ)姓などの11の「連」姓氏族が選ばれて、賜姓されている。   ◆八色の姓(やくさのかばね)  https://ja.wikipedia.org/wiki/八色の姓 天武天皇が684年(天武13)に新たに制定した「真人(まひと)、朝臣(あそみ・あそん)、宿禰(すくね)、忌寸(いみき)、道師(みちのし)、臣(おみ)、連(むらじ)、稲置(いなぎ)」の八つの姓の制度のこと。 『日本書紀』の天武天皇十三年冬十月の条に、「詔して曰はく、更諸氏の族姓を改めて、八色の姓を作りて、天下の万姓を混(まろか)す。一つに曰く、真人。二つに曰く、朝臣。三つに曰く、宿禰。四つに曰く、忌寸。五つに曰く、道師。六つに曰く、臣。七つに曰く、連。八つに曰く、稲置」とある。 天武天皇の国風諡号(和風諡号、わふうしごう)は、天渟中原瀛真人天皇(あまのぬなはらおきのまひとのすめらみこと)という。「真人」が使われており、八色の姓の筆頭にあげられている。   ◆小忌衣(おみごろも)   古代から伝わる、神事などに使用される上衣。『古事記』などに見える青摺衣の系統を引く。平安時代には新嘗祭および天皇の代始めの新嘗祭である大嘗祭と、六月十二月の神今食(これらはいずれも天皇が自ら祭祀を行う「親祭」)に供奉する貴族以下の官人が使用した。なお神今食のときは冠に心葉や日陰鬘をつけない。(『西宮記』ほか)これらの親祭では、占食といって亀占により選ばれた者が「小忌(小斎)」と呼ばれて神祭に奉仕した(これに選ばれない者は「大忌」-「大」は「凡」と同じで「一般の」の意味-と呼ばれ、祭の枢要に携わることはできなかった)。小忌衣とは主に小忌の者が用いることからきたことばである。 『忌』は神聖なことを表現しているとされる。 男女共に装束の上に羽織り、右肩から赤紐(赤黒紐の場合もある)を垂らす。神楽などの舞人は、邪魔になる為か、紐を左肩から垂らす。模様としては、白絹及び白麻地に青摺(あおずり)と呼ばれる山藍の葉の汁で、花鳥風月等の素朴な文様を書くのが一般的。袖が付いていないものと、袖付きのものがある。 各種の小忌衣について、院政期以降の規定に基づき説明する。 1・諸司小忌 身が二幅、袖が左右各一幅、計四幅のおくみのない垂領である。右肩に赤紐をつける。親祭当日に小忌の官人が下賜されて着用することからこの名称がある。参内後に下賜されると束帯の上に着て、裾まわりは石帯にはさみこむ。生地は、近世では麻を粉張(こばり。胡粉という白い絵の具を厚く引く)にして、「竜胆と尾長鳥」「梅と柳」などの摺文を施している。なお近世では赤紐で身分を表示した。大臣以上は本法組にして金泥で蝶鳥を描き、公卿は本法組で胡粉の蝶鳥を描き、殿上人は略本法組で胡粉の蝶鳥を描いた。いずれも板引である。「冷泉家の至宝展」図録に写真がある。 2・私小忌 身が一幅の盤領で、袖は左右各二幅。狩衣の裾の長いような形であるが、袖括はない。右肩に赤紐をつける。束帯の袍を着ずに、下襲・半臂の上に袍のかわりに着用する。神祇官人や大嘗祭の悠紀・主基国司などの、早くから神事に奉仕することが確定している者は親祭当日にも着用する。親祭で諸司小忌を下賜された者は、新嘗祭や大嘗祭の直会(祭後の宴会)にあたる節会に使用する。下賜品である諸司小忌に対して私弁であるために私小忌の名称を持つ。生地は、近世では麻を粉張にして、様々な文様を青摺にする。平安末期の記録によれば、大嘗祭の悠紀・主基国はそれぞれのそろいの文様を新たに定める決まりであり、南北朝時代の記録によれば吉田家では菊に水などの紋を用いるなど、さまざまな慣習が存在したようである。「冷泉家の至宝展」図録に写真がある。 尚、小忌衣の青摺は石清水八幡宮境内に自生する「ヤマアイ」が用いられる習わしとなっていた。 以下は、中世の記録には明確でないが、近世には制度的に確立していたものである。 3・如形小忌 諸司小忌の袖を略した形式。裃のようなもの。 身が二幅の垂領で、右肩に赤紐をつける。主に祭祀にたずさわる地下官人が使用。束帯では裾を石帯にはさみ、その他では裾をはさまずただうちかけた。生地は麻に粉張とし、青摺で主に梅と柳の文様をあらわした。赤紐は平紐で胡粉の蝶鳥を描いた。株式会社井筒所蔵品が「年中行事と宮廷文化のかたち」展図録に掲載される。 4・別勅小忌 天皇の神事服(御斎服)着装に奉仕する衣紋者の公家や、側近で世話をする議奏の公卿が使用した。重要な任務ゆえに占食と無関係に着用したのでこの名がある。衣冠の上に着ることが多く、その場合前は懐の「かいこみ」にはさみこみ、後ろはうちかけて着た。生地は麻の粉張とし、青摺で主に流水とわらびをあらわした。衣冠の上に着るものは普通赤紐をつけない。名称と衣紋者等の使用は『延慶大嘗会記』(後伏見上皇が弟花園天皇の大嘗祭を記録した日記)に基づくが、詳細な仕様は貞享四年の大嘗祭復興に際して新たに決められた。奈良女子大学に近世の遺品がある。 ※なお『代始和抄』(一条兼良)などに「出納小忌」の名称があるが、実態は不明で、近世では別勅小忌の(一説では如形小忌の)別名とされていた。 なお、采女のちはやは如形小忌であるが、近代では生絹に蝶を青摺し、赤紐はない。(近世の遺品が奈良女子大学にあるが、赤紐はないものの普通の小忌同様麻の粉張に青摺である) 東遊などの日本古来の古代歌謡を伴う舞楽に用いるものは私小忌と同型で、ただ赤紐が左肩につく。これは占食で選ばれるものではないので普通は小忌衣とはいわず、「青摺」と呼ばれた。五節舞姫も羅の青摺の唐衣を用いたが(ただし宝暦再興後の舞姫装束は古式を伝えていない)、これも普通は小忌衣とはよばれない。ただし青摺の神事服である点では小忌衣と同じ性格を持つといえるものである。   ◆命日(めいにち)(忌日から転送) https://ja.wikipedia.org/wiki/命日 ある人が死亡した日をいう。忌日(きにち)ともいう。死亡した年月日を歿(没)年月日(ぼつねんがっぴ)という。対義語は誕生日。 通常は、死亡した月を指す祥月と組み合わせて、一周忌以後の当月の命日である祥月命日(しょうつきめいにち)指すことが多い。祥月にかかわらない月ごとの命日を月命日(つきめいにち)という。 日本の仏教では、年12回の月命日に故人の供養を行い、一定の年数の命日には年忌法要(法事)が営まれる(年忌法要一覧を参照)。仏教に深く帰依したとされる光明皇后は、月命日ごとに法要が行われている。 50回忌以降は、50年毎に行っていたが、近年では、31回忌、33回忌、50回忌のいずれかをもって「弔い上げ」(戒名を過去帳に移し、お骨を土に返す)とするのが一般的になってきた。   ◆年回表・法事早見表・年忌法要 - 法事・法要・四十九日がよくわかる https://www.e-butsuji.jp/butsuji1-2.html 年回表(法事早見表). 仏教では法要を行う年が決まっています。 年の初めには、年忌法要を営む人がいるか家族で確認しておきます。 最近は法事を週末に営む人が多いので、お寺でも週末に法事が集中します。 早めに菩提寺の住職に希望日と時間を連絡しておくとよいでしょう。 週末に営む場合は、必ず命日より早めの日に行うのが慣わしです。 同じ年に法要が重なった場合、まとめて行ってもよいとされています。 法要を行う日は、早い法要月に合わせます。   ◆生没同日(せいぼつどうじつ) https://ja.wikipedia.org/wiki/生没同日 誕生日と命日が同じ日であること。   ◆忌宮神社(いみのみやじんじゃ)https://ja.wikipedia.org/wiki/忌宮神社 山口県下関市にある神社。長府(城下町エリア)のほぼ中心に位置し、仲哀天皇が熊襲平定の際に滞在した行宮である豊浦宮の跡とされる。 式内社で、旧社格は国幣小社。長門国二宮とされ、現在は神社本庁の別表神社である。飛地境内として国の天然記念物満珠島干珠島を有している。 また、魁傑將晃が現役時代、荒熊稲荷神社で九州場所の必勝祈願を行い優勝したことが縁となり、毎年11月3日の三日相撲に合わせて参拝する。荒熊稲荷神社脇には相撲資料館が併設され魁傑や大乃国康(現:芝田山)の化粧まわしや優勝杯、大銀杏などが展示されている。
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mothermonika15 · 6 years
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2017年 下半期の収穫
1. 月と雷
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2017/スールキートス/120分 監:安藤尋  演:初音映莉子 高良健吾 草刈民代
2. パーティで女の子に話しかけるには/How to Talk to Girls at Parties
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2017/イギリス・アメリカ/103分 監:ジョン・キャメロン・ミッチェル 演:エル・ファニング アレックス・シャープ ニコール・キッドマン
3. ル・アーブルの靴みがき(35mm上映)/Le Havre
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2011/フィンランド・フランス・ドイツ/93分 監:アキ・カウリスマキ 演:アンドレ・ウィルム カティ・オウティネン
 
4. ヘッダ・ガーブレル(ナショナル・シアター・ライヴ)
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154分/初演劇場:ナショナル・シアター/作: ヘンリック・イプセン/脚色:パトリック・マーバー/演出:イヴォ・ヴァン・ホーヴェ/出演:ルース・ウィルソン レイフ・スポール
5. ダンケルク(IMAX 4Kレーザー上映)/DUNKIRK
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2017/イギリス・アメリカ・フランス/106分 監:クリストファー・ノーラン 演:フィオン・ホワイトヘッド ケネス・ブラナー マーク・ライランス
6. スクランブル/Overdrive
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2017/フランス/94分 監:アントニオ・ネグレ 演:スコット・イーストウッド フレディ・ソープ アナ・デ・アルマス
7. 不都合な真実2 放置された地球/An Inconvenient Sequel: Truth to Power
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2017/アメリカ/98分 監:ボニー・コーエン ジョン・シェンク 出:アル・ゴア
8. 希望のかなた(35mm上映)/Toivon tuolla puolen
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2017/フィンランド/98分 監:アキ・カウリスマキ 演:シェルワン・ハジ サカリ・クオスマネン
9. ローガン・ラッキ���/Logan Lucky
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2017/アメリカ/119分 監:スティーブン・ソダーバーグ 演:チャニング・テイタム アダム・ドライバー ライリー・キーオ
10. ビジランテ
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2017/東京テアトル/125分 監:入江悠 演:大森南朋 鈴木浩介 桐谷健太
次点. ・gifted ギフテッド
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2017/アメリカ/101分 監:マーク・ウェブ 演:クリス・エバンス マッケンナ・グレイス リンゼイ・ダンカン
ワースト ・ブレードランナー2049/Blade Runner 2049 2017/アメリカ/163分 監:ドゥニ・ビルヌーブ 演:ライアン・ゴズリング ハリソン・フォード シルビア・フークス
オフ・シアター ・ロマノフ王朝の崩壊/ПадениединастииРомановых
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1927/ソ連/81分 監:エスフィリ・シューブ
選外 ・ヴィセント・ムーン作品上映 @京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA,2017.12.20
旧作 ・GAMA 月桃の花
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1996/映画GAMA―月桃の花を成功させる会/110分 監:大澤豊 製:海勢頭豊 演:朝霧舞 川平慈英 玉木初枝
展示 ・生誕100年ジャン=ピエール・メルヴィル 暗黒映画の美
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安藤尋監督の『月と雷』は月齢が新月の方へとゆるやかに傾いた映画とみた そこにはほぼ15年間という時の経過がある 傑作『blue』の中で市川実日子が見上げた空は フィルムに定着されたスカイ・ブルーだった それからその空の青は スクリーン上でデジタルとなって 空気に触れると青の成分が化学変化を起こす���果として雷雲となった ���blue』をさらに落ち着かせて深まりを与えたのが『月と雷』と言えばいいか だから『月と雷』は『blue』と対になっていて 必ずしも『海を感じる時』や『花芯』と同列には語りたくはないが その連作があってこそ生まれた本作は 安藤監督が映画でやってきたあらゆる殆どのことがもう一度繰り返される この主人公・泰子が住む家の幽霊屋敷のような室内の雰囲気は『pierce LOVE&HATE』と瓜二つに私の目には映るし 智がこの一軒家に戻ってきたとき 仏壇の写真を眺める智の背後に台所でなにかを洗う音がする 同じように 墓石をつくる男の家に居候する直子が泰子と智のまえに現れるとき庭の水音に誘われて縁側でホースを使い足を洗う直子が映る 水音に呼び出された死者の如く 水に誘われそこに居る直子は テネシー・ウィリアムズ『欲望という名の電車』のヒロイン(ブランチ)の生き様とどこか似ている…これらはおそらく本調有香の脚本の世界だろうが 安藤は映画『blue』でも夏休みにホースから溢れる水に親和性をもたせる演出を市川実日子にさせていた また 主人公たちが田舎道を自転車で漕ぐ路面も 雨上がりの後のような反映を帯び 赤い一点照明を灯しながら鈴木一博のキャメラは幽かに二人乗りを映し出してゆく こうした細部の描写もさることながら 少しずつ登場人物たちが寄り集まる一軒家の描写は この映画が幽霊屋敷に様変わりしていくかのような印象を与える 直子が思い出したようにこの一軒家での過去を語る場面で 泰子が暴れだし「みんな出てけ!」という台詞は 「ゲット・アウト」と今年話題になったホラー風のアメリカ南部映画にも訳せるが この場面の少し前に泰子の父親が声となり幽霊となり出てくるとき 泰子があの世の父親と話すことができても「行(逝)かないで」とは言わない 確か映画では父親の目線は直子を見て 語りは泰子になっていたように記憶する 幽霊のように断続的なリズムで 記憶と無意識的な欲望の亡霊を放出するこの場面で映画は ひとつの頂点に達する 更にここから後半の泰子の描写は 安藤演出の真骨頂であり 隙も無駄もない 雨戸越しに智と泰子が話す場面の切り返しは 『戦場のメリークリスマス』を越えて『塀の中の懲りない面々』の壁越しの会話に肉迫する静けさが降りてくる そこに大友良英のギターが被さり 深さと低さを獲得する名場面となった つづく直子と泰子の別れの場面での安藤演出は すでに落ちついた家族の輪郭よりも 周縁へ逃れゆき 他者や環境からも離れゆく 曖昧な渡世をも慈しむ スカートの直子とズボン姿の泰子の対比から 二者の間に不在のもう一人がそこに居るかのようなこの対話は 一連の場面と同じく 過去と未来を往復する記憶の中に複合し そして今の直子にも泰子にも極めて誠実でありつづける 青い月(泰子)は新月(直子)に と喩えるならば まるで違う色なのに2人は同じ月の満ち欠けの関係にある ここでも泰子は直子に「行かないで」とは言わなかった筈だ 当のものを口にする感傷ではなく その当のものを眼差しているところだという暗示を見せてくれる安藤尋の到達点は 無為こそが日常の繰り返しであり そのなかで月は満ち そして欠ける 幽霊屋敷には男性であることに回帰した智はもういない 永遠には続かない無為の共同体を眼差すこの映画のラストショットこそが 安藤監督の窮極の熟達以外にはあり得ないものであり 現在としてよりも予感としての泰子の存在証明とも言えるショットだろう 彼女をとり囲む無数の不条理な思いを必死でもちこたえてきたのと同じだけキャメラは彼女に寄りそう 命を宿すという意味ではエル・ファニングの母性を見抜くジョン・キャメロン・ミッチェル監督にも同じ眼が感じられる 自分を「集団(コロニー)」のなかに組み入れ「集団」として何か(誰か)を「美化」或いは「醜化」するということを決してしないという点では ジョン・キャメロン・ミッチェルの『パーティで女の子に話しかけるには』はある点で『月と雷』と似ている キャメロンのまなざしの前でのエル・ファニングは母になる 安藤の映画の初音映莉子(泰子)は母になる直前で終わるが 男の子たちは無責任なパンクを貫くしかないだろうとの視点も偏差はない ブレイディみかこが言うように 「この世界の先にあるものが、バラ色の世界ではなくて、陰気なブルーの複数形、ブルースでもいいではないか。ブルースの先にはパンクがある」とは尽言だろう この世界観がこの二作にはそっくり当てはまる 異星人を恋することで(まさにD・ボウイの名曲「ラヴィング・ジ・エイリアン」が暴いた皮肉だ) すでに疎外されたセクシャシティや郊外のひどい場所のなかへと入り込むのがキャメロンだとしたら 同じく 月の住人と地上の人間に俳優を配し 特権化するのではなく 緩やかな配置で登場人物を浮き上がらせ あらゆる存在を等しい輪郭のもとにフレームアップしているという点では 安藤演出は遥かにおとなしいが 「親はみんなおかしい。人間は家庭を持つとあんなふうに道理が通らなくなるものなのだろうか。家というものは、まともではいられなくなるほどのものなのだろうか」津村記久子『まともな家の子供はいない』とは 日英大差はないのだろう ノーラン監督の描く『ダンケルク』の兵士たちはフランチェスコ会修道僧と同じように「まともな人」に所属することを見せてくれた 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでヴィンセント・ムーンがブラジルの奥地で撮影し続けている宗教儀礼に残存している闇夜の音と焔の気配をライヴで編集して見せた60分間は 創造は即得権益ではできない その外側で生きるものだと確認させてくれ 同じようにライヴ・ヴューイングのロイヤル・ナショナル・シアターの演劇『ヘッダ・ガーブレル』は 贔屓のルース・ウィルソンの生の演技を切らずに見れて またイヴォ・ヴァン・ホーヴェの演出は 一字一句イプセンの戯曲を変えることなく 160分間飽きさせず張り詰めた一本の線が見える ジョニ・ミッチェルやニーナ・シモンがまるで光と影のようにヘッダとよく似た女だと知った 『ビジランテ』は中上健次 『スクランブル』は父・クリントの影響か 『サッド ヴァケイション』や『ベイビー・ドライバー』よりワンランク上を行っている カウリスマキとゴアは「傾向映画」だが 世界に働きかける力を持つ映画としての傾向ではなく 人間らしい彼らを見ることができるという点で 無視されてはなるまい 前作『ル・アーブルの靴みがき』をDCP上映で京都シネマで見てガッカリした記憶があるが 春に閉館する京都みなみ会館で 大晦日の映画納めに見た35ミリ上映でのそれは 映画の力に護られた傑作として見違えた 明るく解像度があがったデジタルだと見えなくなったものがあるのだと知った 同じ作品の筈が全く別物に感じられて ふとこんな詩を重ねてみたくなった
にんげんには 種別はござるが 差別はござらん 時計の振子がひとゆれゆれて きょねんが終って ことしが来ござるそのように 時計の振子がひとゆれゆれる そのせつなのように 世界人のことごとくが 心をひとつに 声をそろえて さけぶがようござる 中川信夫「一九四七年一月一日」『業』所収
ジャームッシュではなくカウリスマキの映画に出てくる犬は確かに「種別はござるが 差別はござらん」という愛を生きている ソダーバーグ久々の新作はアメリカ版「鼠小僧次郎吉」で マーク・ウェブは起死回生の一本にしてハリウッド・エンディングは『500(日)のサマー』よりもこなれた気がした 下半期もっとも興奮した上映会は京大人文研が行った「映像に刻まれたロシア革命」だった とりわけエスフィリ・シューブ監督の『ロマノフ王朝の崩壊』は 1920年代こそ「非アリストテレス的なドラマトゥルギーがようやく思考可能になった」といったブレヒトの格言が まさに「組織化された無秩序」(モホリ=ナジ)として実現していた歴史記録映画だった 編集自体に制作者の意図が入ることはドキュメンタリーの常だが 事実それ自体よりもロシア革命とはこのように起こり 事実の組み合わせ方にこそ「現実性」を作り出す過程があることも示す 1905年の二月革命から十月革命へという意味では エイゼンシュタインの『十月』と同じ視野であるが ものごとはすべて暗示に富み 逆に字幕は多くを語らず 一つのものの深みだけが他のものの深みを等価に指しえるシューブの唯物史観には震えた ちなみにこの上映会を立ち上げた小川佐和子の著書『映画の胎動』は 近年読んだ映画本でもっとも水準が高いものの一つだろう 映画創草期とアバンギャルドないし傾向映画の狭間の1910年代の映画を私はほとんど見逃していることにも気がついた 『GAMA 月桃の花』の岡崎宏三のキャメラの捉えた沖縄戦の終戦は たぶんこうやって局地戦は終わったんだと思わせる簡素なショットが焼きつく自主映画の高い精神世界に打たれた ジャン=ピエール・メルヴィル展は 彼が「兵法家」であることを見せてくれた ダンケルク作戦に兵士として参戦したメルヴィルは 自分が生きた時代を絶え間ない戦争として見ていたとしたら 彼の映画渡世は一つの戦略でもあっただろう 映画をこのように比べてはいけないが 自分と映画の関係という風に考えていくうちに 評価は少しずつであれ 所定の位置に収まってゆく 2017年下半期の「この一本」を確定しないことには 自分もまた不確かなままだという現実を相手にしなくてはならない押し迫った思いが ベストテンという師走を呼び込む 自由とは自分の好みだから仕方ないのだけれど 特に大事な一本は『月と雷』に違いない
(二〇一七年十二月三十一日)
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