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#勝つことばかり知ってうまく負けることを知らなければそのマイナス面はやがて自分の身に及ぶ
ari0921 · 9 months
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 安倍政治は若者世代を元気づけた
  櫻井よしこ
安倍晋三総理が亡くなって1年。7月8日、各地で偲ぶ会が催され、東京・元赤坂の明治記念館での「安倍晋三元総理の志を継承する集い」はネット中継された。冒頭、2014年5月30日に安倍総理がシンガポールのアジア安全保障会議で行った基調講演の一部が紹介された。第二次政権を12年12月に発足させた安倍氏は、13年12月、靖国神社に参拝し、英霊たちに感謝を捧げ、日本人皆が夢をもって暮らせる国を創りたいと、アベノミクスを始動させた。エネルギーに溢れ、溌剌とした様子で氏は語っている。
「私はこの1年と半年近く、日本経済を今一度イノベーションがさきわい、力強く成長する経済に立て直そうと粉骨砕身、努めてまいりました。アベノミクスと人はこれを呼び、経済政策として分類します。私にとってそれは、経済政策をはるかに超えたミッションです。未来を担う新しい日本人を育てる事業にほかなりません」
新しい日本人とは「昔ながらの良さを、ひとつとして失わない日本人です」と簡潔明瞭だ。
具体的には「貧困を憎み、勤労の喜びに普遍的価値があると信じる日本人は、アジアがまだ貧しさの代名詞であるかに言われていたころから、自分たちにできたことがアジアの他の国々で同じようにできないはずはないと信じ、経済の建設に孜々(しし)として協力を続けました」と、アジアのリーダーたる自負心を語った。中国を強く意識した言葉でもあろう。
日本は中国とは違って、国民を大事にし近隣諸国を尊重する。日本の国柄はずっと前から古代の先人達がつくりあげ、残してくれたものだ。安倍氏は言い切った。「新しい日本人は、こうした無私無欲の貢献をおのがじし、喜びとする点で、父、祖父たちとなんら変わることはないでしょう」。
首相再登板を果たした安倍氏に世界は注目し、各国指導者たちは安倍氏に幾度も拍手を送った。日本の自分たちにできたことがアジアの国々で同じようにできないはずはない。相手への信頼、相手の可能性を評価し抽き出す前向きの姿勢は、インドをはじめアジア諸国に大いに歓迎された。それは日本の若者世代にも向けられていた。
命日の朝日社説
にも拘わらず、このような前向きの姿勢を見ることなく、何があっても安倍氏非難しかしないような朝日新聞は命日の社説で、安倍政治は「分断に満ちた荒々しい政治」だったと貶めた。
確かに平成から令和へと、日本社会における不公平感は高まった。また、社会保障のツケは次世代任せとでもいうかのような世代間の不公平という話で終わらせるのではなく、自分のことはもっと自分でやるのがよいと、自立を促す気概が強まった。朝日はそれを「分断に満ちた荒々しい政治」と切り捨てる。だが若者が置かれていた苦況を改善し、皆が働ける社会を創ったのは安倍氏である。21年12月3日の「言論テレビ」で安倍氏は語った。
「私が政権を取った2012年(民主党政権時代)の就職内定率は68%で、就職氷河期より悪かった。安倍政権時の最終的な就職内定率は98%に上がりました。すると新卒者が増えます。新卒者の給料は低いですから、平均実質賃金は低くなります。65歳以上で300万人が働くようになりましたが、現役時代よりは給料が低い。女性も300万人、新たに仕事を始めた。高い給料の方もいらっしゃいますが、結婚、出産を経て職場復帰した当初は、給料は低かったりします。パートから始める人もいますから、それらを足し合わせて平均すれば、実質賃金は低くなる。
しかし、その後は、だんだんと実質においてもプラスになっています。大切なことは総雇用者報酬、みんなの稼ぎを足し合わせたものです。総雇用者報酬は、民主党政権時代にはマイナス2兆円、安倍政権ではプラス35兆円です」
第二次安倍政権前の3年余りの民主党政権時代は若い世代にとっては極度の就職難だった。12年の正社員の有効求人倍率は0.48倍、安倍政権発足8年目の19年には1.14倍に上がった。全都道府県で1倍を超えたのは史上初めてだった
安倍氏は経済を成長させて皆が働き自立できる社会を創ろうとした。可能性が花開き、夢が叶う。広い未来が開ける。そんな社会を若者や女性に用意した。朝日新聞は認めないが、安倍氏の政策を真っ当に評価し、希望を託した人々は数知れない。そうした人々、老若男女が、安倍家による法要が営まれた東京芝の増上寺にも、奈良市の近鉄大和西大寺駅前の献花台にも、長い列をつくり献花した。
「勝てるんですか」
明治記念館での集いではもうひとつの安倍氏の肉声が伝えられた。19年1月28日、国会での施政方針演説だ。安倍氏は平成から令和への御代替りに触れ、平成の時代に起きた阪神・淡路大震災、東日本大震災に関して、天皇、皇后両陛下のお励ましが国民をどれほど慰め力づけたかを語った。その上で、明治天皇の御製を紹介した。
「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」
今を生きる日本人も同じ気持ちで共に日本の明日を切り拓こう、と呼びかけた。
ロシアのウクライナ侵略戦争は、来る中国の台湾・沖縄侵略戦争と重なって見える。それ以前から米国の力は相対的に低下し、中国の脅威が強大化していた。100年に一度の危機に直面して、安倍氏は15年、野党とメディアの凄まじい反対、非難キャンペーンの中で支持率を13ポイントも下げながら平和安全法制をまとめた。
当時、自衛隊の最高幹部達に、安倍総理が聞いた。「勝てるんですか」と。その場に激震が走ったと当時の国家安全保障局次長、内閣官房副長官補、兼原信克氏は振り返る。
自衛隊は憲法上も政治上も厳しくタガをはめられていて、「米軍が助けに来なければ必ず負けるように作られた軍隊」だから、勝てるはずがない。それでは日本国は持たず日本国民は救われない。だから安倍氏は総理退任後も、台湾有事は日本有事、日米同盟有事だと警告した。GDP比2%の防衛費、核共有論の議論の勧めなどを提案した。
政治家として全力を尽くした安倍総理を振りかえるのに、朝日は相変わらず統一教会問題をとり上げる。9日の社説、「教団と自民党 社会の不信に向き合え」で安倍氏が「国政選挙で『教団票』を差配していたといわれる」と書いた。教団票は全国で6万~8万票、創価学会の力は600万~800万票だ。朝日が統一教会の6万~8万票を大仰に問題視するのなら、その100倍の創価学会をなぜもっと追及しないのか。
安倍氏貶めに走る余り、我を忘れる朝日の主張は的外ればかりだ。
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toinaka · 1 year
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新人審神者の体験記
気になっていた刀剣乱舞、8周年記念を機に始めましたが45日も経過していました。
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画面に集��したりゲーム的に難しいことがないため、DQXの職人作業をやりながら・実況動画を見ながら・お昼を食べながら…ぽちぽち…経験値2倍の期間、戦力拡充イベントなどを経て結構やりこんでしまっているのかな…w
もともと東方project出身だったこともあり、キャラの設定や背景はインゲームではあまり出ないで能動的に調べたり好きになれる要素を探して二次創作的に勝手に盛り上がるのは得意ですし、結構好きです。
そして近侍曲がとにかく良い。
ゲーム内では楽器アイテムが全然手に入らないので近々サントラを手に入れようかなと思ってしまうほど…
大神よりもより世界観的という感じのイメージが湧きます。
博多藤四郎の曲とかは、特徴的な楽器隊やメロディラインによって比較的ゲーム音楽っぽさがあったり燭台切さんの曲も、現代のホストがそのまま刀剣になったみたいな感じでジャジーで踊りたくなるような曲だったり、そういった違いはありますが、ほかはよく口ずさめるような曲ではないけど、ずっと心地がいいというか。”ゲーム音楽”ほど特徴的ではなく、和楽器メロディ特有の自然と耳に落ち着く感じが素敵だと思いました。
そして出陣エリアも7-4まで踏破でき、イベント刀剣以外はあらかた揃ってきたと思うので、お気に入りの刀剣のコメントをしてみようかなと。
書こうと思ったら��くらでも書いてしまいそうなので、今回は特に思い入れの強いトップ5あたりを対象に。
自分自身がそのキャラとどういう絡みをするかなというイメージをしがちで、割と夢寄りなのかな という自覚があるので 一応そのあたりご注意くださいませ…
●加州清光(🌸極 済)
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自分の呼び方:清光(きよみつ)
汲田さんの画風が好き…切れ長目の猫顔・キツネ顔大好きなので他のビジュアル担当されている刀剣も全体的に好み。
綺麗にしたい、かわいくありたいモチベーションがコンプレックスから来てることが綺麗で応援したくなった。
一番最初に極修行をさせた刀剣だけど、↑のコンプレックス部分と向き合いきれてない状態で”極め”てしまったので、もう少し 頭の中の憑き物がとれてない清光を理解しておきたかった欲あり。
極後のつつきボイスで汗について言及してくるのえっちなのでだめです。それはまだ許可してません。
●大和守安定
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自分の呼び方:安定(やすさだ)
汲田さん刀剣その2。
戦闘時のボイス(おらおらおら)を初めて聞いたとき衝撃を受け、「この子は嫌った相手はちくちく言葉で攻撃してくるタイプでは…?」「隠れて動物とかいじめてるのでは?」「私は焼きそばパン買ってくればいいですか?」などと謂れのない勝手な妄想でびくびくしてました。
ですが、命の取り合いが発生する危険な世界なので、「気持ちを切り替えて、敵と味方を明確に区別して接している」ことを理解してからは、「私は味方だよね!?」と脳内では仲良くしてます。
なんだかんだで、内番服も含めて近侍にしてしっくりくるのが安定です。一番長く近侍でいてもらっています。ほうきめっちゃ似合う。
極にすると髪はほどかれ、服も沖田総司の死装束のようになるみたいなので、戦いに関して命を賭す心境が強くなるのかなと思い、どんな心境でその姿になろうとするのか気になりはしますが、いまのところは私の近くで他の刀剣を見守る立場でいてほしいです。
●五虎退(🌸極 済)
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自分の呼び方:五虎ちゃん
数少ない「こういうキャラがいるってことだけは把握していた」のが五虎ちゃん。
絵がすさまじく繊細で綺麗なのでずっと覚えてました。
ちっちゃい虎もキャラの一部で、極修行に出すともののけ姫みたいに虎も成長して、しかも懐いてるのがまたすごくいいですね。本質的な臆病なところはそのままだけど、「一緒に育った虎を倒せるくらいに」という気持ちの持ち方が、なんというかMother3のクラウスやリュカとドラゴの関係みたいで、ほほえましくも頼もしくてとても良いです。
そしてこれは完全に趣味なんですけど、髪や体が真っ白なので 正直 傷や血がめちゃくちゃ似合うと思ってしまいます。 でも勇ましいキャラではないので、戦闘で出す血より、慌てて転んで顔面から倒れて鼻血が出るみたいな、そんなイメージが強いです。
『可愛そうにね、元気くん』でもないですが、少し危険な感情を抱いてしまいそうになる。んー、いや抱いているな。と。
●鯰尾藤四郎(🌸極 済)
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自分の呼び方:ズオくん
さわやかイケメン!
高校2年生って感じですよね。サッカー上手そう。写真写りよさそう。
連結の統率+2が強く乱舞レベルは連結に吸われがち…
記憶がないのに元気で明るく、今を楽しんでる感じがとても気楽でいいです。骨喰(こっちはバミくんと呼んでます)と180°違っておきまがら、凸凹のようにお互いいいコンビになってそうな感じがいいですね。
(ちなみにズオくんを先に育ててしまったんですが、バミくんの愛着もわいてきたのでズオくんと離れさせないように育成し始めてます。)
本丸でつついたときも、「やりかえしちゃいますよ」的な感じなので、気軽にスキンシップを楽しんでこっちが勝手にドキドキしてしまいますよね。
でも、こういう子ほど表にはマイナスな感情を出さないように努力してたりすることもあるので、そんなときに私は無神経な扱いを反省してしまうんだろうな…
それも察して「気にしないで!」と声をかけてくれそうなところにつけこんでしまいそう。
そんな二律背反が。
ちなみに修行前のポニテの方が女子み少なくて好き。
●亀甲貞宗
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自分の呼び方:亀甲さん
最初は「ドMキャラを自称しつつ、それにノってきた人のハシゴを外してのらりくらりとかわしていく」みたいなのかと思っていましたが、本当にドMキャラだとはね…
そんな衝撃がありましたが、個人的にかなり大好きです。
真剣解放をしたときのスチルが中二病に刺さるかっこよさ!そしてそのときに首元を見ると、強さの秘訣の縄が見えるという…
個人的にはその縄は見なかったことにして、単純にかっこよくて強いメガネお兄さんとしてみてます。
色合いもかっこいいし、亀甲紋様って少しサイバーな印象もあってミステリアスですよね。ピンクが似合う。
そして内面的な話だと、遠征から帰ってきたとき「なるべく急いで帰ってきたよ!」と息を切らしながら言ってくるので、(無理やり走ることで自分に負荷をかけているという意味がありそうだけど)その素朴なふるまいがすごくかっこ良いと思いました。
本丸から見下ろしていると、あのいで立ちながら小走りで帰ってくる亀甲さんのイメージがとても愛おしい。
豆まきのボイスも、(本当は豆をぶつけられるというマゾ的な感覚を表しているんだろうけど)「僕は鬼でも大丈夫だよ」と、本来 人が嫌がるような役を進んでやろうとする姿勢がすごく素敵で、リアルにいたらすごく懐いてしまいそうなキャラだなあと。
セオリー通りではないのですが、亀甲さんがこのトップの中に食い込むのはそんなところが好きな所以です。
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っと、こんな感じでしょうか。
私も記事を書いてる途中でクラッシュしたんですが、自動保存の下書きが残ってて助かりました…
まだゲームプレイのみで花丸も見れていないので、まだまだ知見も思い入れも浅い若輩者ですが、少しずつこの世界に浸かれている心地よさというものに触れている気がします。
ではではまた。
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shintani24 · 3 months
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2024年2月9日
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国の借金、過去最大1286兆円 23年末、財政運営厳しく(時事通信)2024年2月9日
財務省は9日、国債や借入金、政府短期証券の残高を合計したいわゆる「国の借金」が2023年末時点で、過去最大の1286兆4520億円になったと発表した。
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【ひと目でわかる】「国の借金」の推移 国の借金、��276兆円 過去最大を更新―6月末(時事通信 2023年08月10日)より
高齢化に伴う社会保障費の増大などを税収で賄えず、借金頼みの厳しい財政運営が続いている。
借金の合計額は23年9月末比で10兆8404億円増加した。内訳を見ると、政府系金融機関などへの貸し付け原資となる財投債や政府短期証券は減少したものの、普通国債が1043兆7786億円と同16兆3657億円増えた。
不破雷蔵 「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 補足 今記事参照元は財務省「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(令��5年12月末現在)」ですが、そこでは「国の借金」「借金」との文言は一切ありません。「国の借金」は、日本国政府が発行している国債(の額)を示しますが、「借金」の対象が日本国全体、国家組織や所属企業、民間人の全てに至るまでとの誤読につながります。たとえ「いわゆる」を本文でつけ釈明していたとしても、です(タイトルにはそれすらありません)。
日本国債の約9割は日本国内で購入され、その額は日本国民の債権。さらに日本国債は円建て。日銀の利益のうち剰余金は準備金や出資者への配当に充当される分を除き、国民の財産として国庫に納付。
借金云々とするのなら、負債だけでなく資産も見る必要があります。なお日本の対外純資産(対外資産と対外負債の合算)は3.16兆ドルで世界第一位(IMF公開値より)です。
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【速報】日経平均終値743円高 3万6863円 終値でバブル後最高値更新(TBS NEWS DIG 2月8日)2024年2月8日に追記
きょうの東京株式市場で日経平均株価は、きのうより743円高い3万6863円で取引を終え、バブル後の最高値を更新しました。
7日のニューヨーク株式市場でダウ平均株価が史上最高値を更新した流れを引き継ぎ、半導体関連株や好調な決算を発表した銘柄を中心に買われました。
上げ幅は一時800円を超え、3万7000円に迫る場面もありました。
イギリスの半導体設計大手アーム・ホールディングスが業績予想を上方修正したことをうけて、親会社のソフトバンクグループも大きく値上がりしています。
また、日本銀行の内田副総裁が講演で「マイナス金利の解除後もどんどん利上げをしていくようなパス(経路)は考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになると思う」との見解を示したことも相場の支えとなりました。
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日経平均終値34円高、2日連続でバブル以来の高値更新…一時3万7000円台まで上昇(読売新聞 2月9日)
9日の東京株式市場で日経平均株価(225種)の終値は前日比34円14銭高の3万6897円42銭で、1990年2月以来、34年ぶりの高値となった。日経平均がバブル景気以来の高値を更新するのは2日連続。上げ幅は一時400円を超え、3万7000円台まで上昇した。
【一覧】売買代金は943兆円以上…証券取引所の現状
前日の米株式市場でハイテク株が上昇した流れを受け、東京市場でも半導体関連株に買いが先行した。東京外国為替市場で円相場が円安・ドル高に振れたため、輸出関連銘柄にも買いが広がった。
東証株価指数(TOPIX)は4・75ポイント低い2557・88。
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25歳で見せた歴史的瞬間、西洋に起こした革命 小澤征爾さんを悼む(朝日新聞)2024年2月9日
「小澤の目力」という言葉を、楽員たちからよく聞く。目が合った瞬間、無意識に音が出てしまう。なのに、なぜか他の奏者たちとぴったりそろってしまうのだと。
制するのではなく、技術と気の独創的な融合により、壁を壁とせず、東洋人にクラシックはできないという偏見に挑戦状を突きつけてきた。規格外の才能を花開かせたのは、やりたいことを絶対にやり抜く意志力、桁外れの行動力、そして愛すべき無鉄砲さだった。
1950年代末、1台のスクーターと貨物船に乗り、63日かけて欧州へ。日の丸付きのヘルメットをかぶり、ギターを背負って国から国へ。
パリに漂着し、腕試しにと受けたブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。ほかのコンクールもどんどん勝ち抜き、カラヤンに弟子入りし、名門ニューヨーク・フィルの副指揮者に大抜擢。躍進ぶりも規格外だった。
「ねえ先生。僕、バーンスタイン先生に教えてもらいにアメリカに行ってもいいかな」
そう、帝王と呼ばれたカラヤンにも屈託なく尋ねた。周囲からライバル扱いされていた2人だが、小澤さんにとっては最高の音楽を奏でる「同志」でしかなかった。物おじしない奔放な振る舞いを保守的な日本の楽壇がもてあまし、対立したNHK交響楽団に公演をボイコットされる事件も起きた。
小澤さんのベースとなった恩師・斎藤秀雄の指揮法は、西洋の音楽家にとっては自明のやり方を、他の文化圏の人々のために「翻訳」したものといえる。西洋人の「言葉」を自分たちのやり方で体得し、コンプレックスを超え、胸を張って自分たちの歌を歌おう。小澤さんはそんな斎藤の夢を背負い、彩りとニュアンスに満ちた音響を己の感性でたぐり寄せた。「外様にしか見つけられない本質もある」。そして小澤さんは、日本人の感性で西洋を説得するという革命を起こした。
61年、ニューヨーク・フィルを率いて初来日したバーンスタインが、当時25歳の小澤さんを舞台に呼び込んだ。口元をぎゅっと結び、指揮台でぶるっとひと震い。閃光のようにタクトを振り下ろし、自身の愛する黛敏郎の「バッカナール」で百戦錬磨の楽員たちと火花を散らした。戦後初めて、米国と対等に渡り合う日本の芸術家の姿が聴衆の心に深く刻まれた、歴史的な瞬間だった。
誰にも壁をつくらない生き方は、教育や啓蒙に対する情熱をも培った。「普通の人や子どもたちにこそ、真剣に向き合わなきゃ」。これは、志半ばで逝った盟友、山本直純との約束でもあった。
最後の10年は、相次いで襲ってくる病をかいくぐり、執念で指揮台に立ち続けた。力が抜けて軽みを増した指揮からは、楽員との即興的なやりとりが、より鮮明に浮かび上がるようになった。
ある日の終演後の楽屋で、そんな感想を小澤さんに伝えると「そう! 僕はシンフォニー(交響曲)でオペラをやりたいんだよ」。対話の権化であるオペラの精神を、言葉や文化の壁のない楽器だけで実現する。そんな理想郷を小澤さんは生涯目指し、音楽の伝統を継ぐ「職人」のひとりとして国境を越え、欧州の伝統の系譜に連なった。(編集委員・吉田純子)
コメントプラス
佐倉統(東京大学大学院教授=科学技術社会論)【視点】 日本人と日本文化にとって西洋音楽とは何なのかーー小澤征爾さんは終生この問題にこだわっていた。そしてこれは、明治期から本格的に「洋楽」を導入し始めた日本のほとんどすべての音楽家にとって、逃れられない宿命でもあった。瀧廉太郎も山田耕筰も伊福部昭も武満徹も、みなそれぞれにこの問題と格闘し、各人なりの答えを出してきた。その歴史と積み重ねの頂点に立ったのが小澤さんであり、吉田氏が書かれているように、彼は「日本人の感性で西洋を説得するという革命を起こした」のだった。
小澤さんはオーケストラの指揮者だ。オーケストラの合奏は、日本の雅楽ともインドネシアのガムランとも異なる。独立した個々の演奏家が、論理に基づいてひとつの曲を構築していくのがオーケストラであり、つまり、西洋文化に根ざしたコミュニケーション様式が凝縮された組織だといえる。なので指揮者は、音楽的な才能と表現能力に加えて、そのコミュニケーション様式をすみずみまで身体化していることが要求される。小澤さんは非西洋圏に生まれ育ってそれを成し遂げたわけで、そう考えるとその偉業はとりわけ際立って見える。
小澤さんの指揮する音楽のどこが、どのように世界の人々を魅了したのか。それを精密に分析し解明して、後世の人々でもわかる形にしておくことが必要なのではないか。吉田氏が指摘しているように、小澤さんの師・斎藤秀雄が西洋のコミュニケーション文化に基づく指揮法を普遍的な形に「翻訳」したことで、それをマスターした小澤さんのような人材が非西洋圏から輩出した。次は、小澤さんの会得した指揮法を他の人でもわかる形に「翻訳」することで、聴衆を「説得」する指揮法をマスターしやすくなるのではないか。そんな夢みたいなことを考えてしまった。これも小澤さんの魔力に捉われたからだろうか。御冥福を祈る。
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ホテルなどの2次避難所からの退去期限に不安抱える避難者 石川県が仮設住宅説明会を開催(FNNプライムオンライン 石川テレビ)2月9日
避難者にとって選択の時が迫っている。加賀市のホテルが避難者を受け入れているが、2次避難所の退去期限の不安がある。そんな中、石川県は2次避難所となっている旅館などを回り、仮設住宅などの状況を避難者に説明した。
通常営業に切り替わる2次避難所も
加賀市山代温泉にあるホテル「みやびの宿 加賀百万石」。珠洲市や輪島市から6日時点で347人の避難者を受け入れている。
しかし、いま避難者はある不安を抱えている。それは2次避難所の退去期限だ。
馳知事 「今、2次避難所の旅館やホテルに入っていただいている方々も3月16日前には出ていかざるを得ないというか。次にスライドしていかなければいけないということは当然、想定されます。」
3月16日に北陸新幹線は敦賀まで開業する。すでにホテルや旅館などでは、観光客の予約が入っているところもあるという。
2次避難をしている人 「うちのところの地元は特にまだ戻れるようなライフラインも全然やし、今まで通りの生活で仕事ができるかと言ったら全然目途がまだ全然。果たして2年後になるか5年後になるか…」
2次避難をしている人 「(移転の準備は)個人でしなきゃいけないでしょ。高齢の方がどんな手続きすればいいかというのがわからんままきていて。いきなりあんたたち2週間後に出て行ってくれ、みなし仮設住宅、みなしって何やという感じで分からんままやるのもちょっとあれやなと思うんやけど…。」
「みやびの宿 加賀百万石」の平均客単価は2万5,000円。しかし今、国や市からこの旅館に支払われている金額は避難者1人当たり1万円。採算はギリギリ。
北陸新幹線の敦賀開業に大きな期待を寄せているが、この旅館では行き先が決まらない避難者は引き続き受け入れる方針だという。
みやびの宿 加賀百万石 吉田久彦社長 「不動産屋さんと被災者の方をつなぐことをさせていただいているみなし、仮設住宅と仮設住宅に行くと家賃の補助は出ても食事代の補助は出ないんですよね。食事の心配というのは一番不安なところだと思いますので、そこも何かしらの手当・支援の策を行政には考えていただきたい。」
みなし仮設住宅について県が説明
こうした中、県は7日2次避難所で今後の住まいについて説明会を開いた。
この中で県は、この旅館はおおむね3月上旬が利用期限だとした上で、仮設住宅の着工状況やアパートをみなし仮設住宅として利用する手続きを紹介した。
県復興生活再建支援チーム 谷野明勝広域避難者支援グループ長は、「今アンケート調査をおおむね1週間程度考えていただく時間を用意して、その上でのご意向を踏まえまして、みなさまのご意向にできるだけ添えるようにやっていきたい」と話す。
これに対して避難者は、「みなし仮設住宅を利用する場合の条件とかがはっきりしていなかったのが、今お聞きして自分が思っていたよりいい条件だったので良かったなと思います」・「わかっていたことを聞いただけであって、解決策には何もならんなという感じ。みなし仮設とかそんなところに入る気もないし、水道(の復旧)次第だからねちょっと悩んでいるところです」と話していた。
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tecchaso1988 · 3 years
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#読書 #論語と算盤 #守屋淳  Amazonの誕生日欲しいものリストから @1213takumi はまちゃんが選んでくれた本が届きました🙏 良本をチョイスしてくれて感謝✨   道徳と経済的利益追求 両立の可能性を追求する日本人としての志を 後世の僕らに示してくれた方 #渋沢栄一   僕もその遺志 を担う一人の日本人で在れるように頑張ります🙏   #読書メモ #実業とは多くの人にモノが行き渡るようにするなりわいなのだこれが完全でないと国の富は形にならない #国の富をなす根源は何かといえば社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富なのだ #一個人の利益になる仕事よりも多くの人や社会全体の利益になる仕事をすべきだ #徳川家康という人ほどうまく適材を適所に配置して自分の権勢を上手に広げた謀事の達人は他にいない #人が世の中を渡っていくためには成り行きを広く眺めつつ気長にチャンスが来るのを待つということも決して忘れてはならない心がけである #世間には随分と自分の力を過信して身の丈を超えた望みを持つ人もいるが進む事ばかり知って身の丈を守ることを知らないととんだ間違いを引き起こすことがある #名声とは常に困難でいきづまった日々の苦闘のなかから生まれ失敗とは得意になっている時期にその原因があるこれは真理である #一生涯を通じて大きな志からはみ出さない範囲のなかで小さな志を立ては移り変わり工夫をする #志を立てる要はよく己を知り身の程を考えそれに応じてふさわしい方針を決定する以外にないのである #本当の経済活動は社会のためになる道徳に基づかないと決して長く続くものではない #高い道徳を持った人間は自分が立ちたいと思ったらまず他人を立たせてやり自分が手に入れたいと思ったらまず人に得させてやる #お金の本質を本当に知っている心ある人は良く集めて良く使い社会を活発にして経済活の成長を促すことを是非とも心がけてほしい #世間はお金を大切にするという意味を間違って解釈しているお金に対して無駄に遣うことは戒めなければならないが同時にケチになることも注意しなければならない #人が何か自分の務めを果たすというときにはワクワクするような面白みを強く持ってほしい #理解することは愛好することの深さに及ばない愛好することは楽しむ境地の深さに及ばない #一日を新たな気持ちで日々を新たな気持ちでまた一日を新たな気持ちで #勝つことばかり知ってうまく負けることを知らなければそのマイナス面はやがて自分の身に及ぶ #自分磨きは自分の心を正しくして魂の輝きを解き放つことなのだ #個人の豊かさとはすなわち国家の豊かさだ個人が豊かになりたいと思わないでどうして国が豊かになっていくだろう #信用こそすべてのもととなるわずか一つの信用もその力はすべてに匹敵する #自分ができることをすべてしたうえで運命を待て #人は人としてなすべきことを基準として自分の責任を果たし自分の人生の道筋を決めていかなければならない #現代人の多くはただ成功とか失敗とかいうことがけを眼中に置いてそれよりももっと大切な天地の道理を見ていない #普通の人は往々にして巡り合った運命に乗っていくだけの智力が欠けている #正しい行為の道筋は天にある日や月のようにいつでも輝いて少しも陰ることがない #成功や失敗といった価値観から抜け出して超然と自立し正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら成功や失敗などとはレベルの違う価値のある生涯を送ることができる https://www.instagram.com/p/COadXnQL1Mv/?igshid=1fyqnna6bgrtb
#読書#論語と算盤#守屋淳#渋沢栄一#読書メモ#実業とは多くの人にモノが行き渡るようにするなりわいなのだこれが完全でないと国の富は形にならない#国の富をなす根源は何かといえば社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富なのだ#徳川家康という人ほどうまく適材を適所に配置して自分の権勢を上手に広げた謀事の達人は他にいない#人が世の中を渡っていくためには成り行きを広く眺めつつ気長にチャンスが来るのを待つということも決して忘れてはならない心がけである#世間には随分と自分の力を過信して身の丈を超えた望みを持つ人もいるが進む事ばかり知って身の丈を守ることを知らないととんだ間違いを引き起こすことがある#名声とは常に困難でいきづまった日々の苦闘のなかから生まれ失敗とは得意になっている時期にその原因があるこれは真理である#一生涯を通じて大きな志からはみ出さない範囲のなかで小さな志を立ては移り変わり工夫をする#志を立てる要はよく己を知り身の程を考えそれに応じてふさわしい方針を決定する以外にないのである#本当の経済活動は社会のためになる道徳に基づかないと決して長く続くものではない#高い道徳を持った人間は自分が立ちたいと思ったらまず他人を立たせてやり自分が手に入れたいと思ったらまず人に得させてやる#お金の本質を本当に知っている心ある人は良く集めて良く使い社会を活発にして経済活の成長を促すことを是非とも心がけてほしい#世間はお金を大切にするという意味を間違って解釈しているお金に対して無駄に遣うことは戒めなければならないが同時にケチになることも注意しなければならない#人が何か自分の務めを果たすというときにはワクワクするような面白みを強く持ってほしい#理解することは愛好することの深さに及ばない愛好することは楽しむ境地の深さに及ばない#一日を新たな気持ちで日々を新たな気持ちでまた一日を新たな気持ちで#勝つことばかり知ってうまく負けることを知らなければそのマイナス面はやがて自分の身に及ぶ#自分磨きは自分の心を正しくして魂の輝きを解き放つことなのだ#個人の豊かさとはすなわち国家の豊かさだ個人が豊かになりたいと思わないでどうして国が豊かになっていくだろう#信用こそすべてのもととなるわずか一つの信用もその力はすべてに匹敵する#自分ができることをすべてしたうえで運命を待て#人は人としてなすべきことを基準として自分の責任を果たし自分の人生の道筋を決めていかなければならない#現代人の多くはただ成功とか失敗とかいうことがけを眼中に置いてそれよりももっと大切な天地の道理を見ていない#普通の人は往々にして巡り合った運命に乗っていくだけの智力が欠けている#正しい行為の道筋は天にある日や月のようにいつでも輝いて少しも陰ることがない#成功や失敗といった価値観から抜け出して超然と自立し正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら成功や失敗などとはレベルの違う価値のある生涯を送ることができる
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xf-2 · 4 years
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市場シェア8割を占め、世界の空を飛び回る中国製のドローン
いま多数のドローンが世界中の空を飛び回っており、日本も決して例外ではない。近年、��速に性能が向上しているドローンは、美しい空撮映像だけでなく測量や災害救助にまでその応用範囲が広がっている。   そのドローンの世界的シェアをご存じだろうか。実は、市場シェアの約8割を中国製が占めており、そのなかでトップメーカーとして君臨するのが、世界シェアの七割以上を占める中国のDJIテクノロジーズ(Da-Jiang Innovations Science and Technology:大疆創新科技有限公司。本社は広東省深市)だ。いまや「ドローンといえばDJI」というほど世界的な知名度を誇る。   DJIは2005年、香港科技大学を卒業した汪滔(1980年生まれ)が創設。汪は大学寮の一室でDJIを創業した。現在の企業価値は150億ドル、総資産は54億ドル(約5724億円)にも上り、ドローン事業で世界初となるビリオネアとなる(『フォーブス』2019年2月)。
警視庁のドローンも中国製
日本でもすでにDJI製のドローンは市販されており、たとえば2015年に起こった首相官邸無人機墜落事件に使用されたドローンもDJIのものであり、この事件を受けて警視庁が発足させた網を使ってドローンを捕獲するという「ドローン捕獲部隊」が使用しているドローンもDJI製だ。   DJIが2018年秋に発表した産業用ドローンの最新機種「マビック2エンタープライズ」は、高度制御技術を搭載し、消火活動などの緊急事態への対応やインフラ設備の調査などでの活用を謳っている。   マビック2は8個の高解像度ビジョンセンサーと2個の赤外線センサーを搭載し、障害物を自動で検知、回避して飛行できる。最大飛行時間は約31分、最大速度は時速72キロで、マイナス10度の低温環境でも十分な性能を発揮できる。   さらに撮影した映像は、DJIの「動画・データ伝送システム」を使うことで、最大で約8キロ(日本国内五キロ)離れた場所からも操縦者の元に送ることが可能だ。価格は最も安いモデルで30万円程度からとなっており、同程度の性能で数百万円する他メーカーの産業用ドローンと比べると格段に安い。
特許取得数の圧倒的多さ
DJIの高い技術力は、同社が取得した特許数からも分かる。特許分析会社のパテント・リザルト(東京都文京区)が公表した無人飛行機を含むドローン関連技術全般における特許の質と量から見た総合ランキングでは、DJIが1位となっている。   2011年から日本でドローン関連特許の出願を開始したDJIは2014、15年に出願数を大きく伸ばした。たとえばドローンを使った荷物配送システムや、初心者でも簡単に操縦できるように離陸時の不安定性を減らす技術などで特許を取得している。
空撮データが中国に蓄積、日本の国土は確実に“丸裸”にされる
問題は、DJI機が空撮したデータの取り扱いである。あまり知られていないが、データはユーザーのパソコンなどに移されると同時に、中国にあるDJIのデータセンターにも蓄積されることになる。DJI機を購入したユーザーは、こうしたDJI機の仕様に同意しなければ使用許諾を得ることができない仕組みになっているのだ。   ドローンの空撮データには、GPS(全地球測位システム)の信号とともに緯度・経度・高度の画像情報が記録される。いまや日本全国で橋梁の保守や工場の安全点検、災害復興、農薬散布など種々雑多な空撮が行われており、これら一つひとつは「点」でしかないが、すべてのデータが手に入るとすれば、やがて「面」となり、それは日本の低空域における「航路情報」になり得る。低空域における航路情報をインプットすれば、ドローンは無線操縦に頼らない「自律航行」が可能となる。 世界的にドローン規制が未整備な現在は、法の網の目をくぐり抜けた「偵察行為」が可能な状態にあると言える。現状を放置すれば、日本の国土は確実に“丸裸”にされる。その危険性を認識したうえで、中国製のドローンを使用しているだろうか。  
東京都心の空間地理情報が中国企業に転売
実際に、中国が空間地理情報を狙っていると思わざるを得ない事件も発生している。2019年8月に埼玉県内に住む貿易会社役員の男が、首相官邸や皇居がある東京都心の空間地理情報をNTTグループ会社NTT空間情報株式会社からだまし取ったとして、警視庁公安部に書類送検されている。 販売されたデータは「GEOSPACE 3D ソリューション」と呼ばれる商品で、電子地図と航空写真のデータを組み合わせたもので、建物の高さと標高を1・5メートルの精度で表したものだ。地形の高低差情報は、ミサイルの飛行ルートを定めるうえで重要なデータになり得る。男は、2016年に転売目的を隠したうえでNTT空間情報から200万円で購入し、中国企業へ転売している。男は30年前に、中国から日本に帰化している。
人民解放軍のドローン攻撃に利用される日が確実に来る
ドローンが集める空間地理情報については、現時点で海外を含め法的規制を敷いている国はないが、個人情報と同じく空間地理情報の取り扱いも法規制が必要だ。想像してほしい、中国軍の飛行機が縦横無尽に日本の空を飛び交っている姿を。現状はまさにその姿なのだ。空間地理情報は簡単に個人が収集できるが、本来、個人のものではない。安全保障につながる国家として守るべき情報である。   同様に、カメラで撮影されたあらゆる空間地理に関する動画情報(静止画を含め)は国内のサーバーに保存すべきものであって、決して海外のサーバーに保存すべきものではない。このままでは日本の空を自由に航行できる航路情報として、人民解放軍のドローン攻撃に利用される日が来る恐れが極めて高い。
米軍が中国製を使用禁止にした理由
こうしたDJI機の仕様について、最初に問題視したのが米軍だった。それまでは米軍も、高性能で安価なDJI機は軍事利用可能と見て多数導入していた。ところが、2017年8月2日、陸海両軍が揃ってDJI機に関する報告書を出した。   陸軍研究所から「DJI無人航空機システムの脅威およびユーザーの脆弱性」という報告書が、海軍からは「DJI製品群に関する運営リスク」という報告書がそれぞれ出され、DJI機の使用が禁止された。 「すべての使用を停止し、すべてのDJIアプリケーションをアンインストールし、すべてのバッテリーとストレージ(補助記憶装置)を取り外せ」と非常に厳しい内容の報告書だが、米軍はこの報告から9日後の8月11日、今度は「OPSECの規定する条件を満たしているドローンは利用可能」と、先の使用禁止命令を緩和するような指令を出した。   オプセクとは「オペレーション・セキュリティー」(Operation Security)の略語で、ネットに常時接続されているコンピュータに求められる最低限のセキュリティー対策を指す。仮想敵国への情報流出リスクを判定する規定であり、米軍は条件を満たしていれば使用できるとした。   しかし実際は、DJIが中国企業というだけでOPSECの規定に反するとの見方が強く、現在も米軍でのDJI機の使用は制限がかけられたままだ。
“合法的に”空撮データを中国に送る仕掛け
米軍がDJI機の使用禁止を打ち出した直後の8月16日、DJIはドローンが撮影したデータを中国のデータセンターに送信することなしに使用できる「ローカルデータ・モード」を発表した。このモードでドローンを操縦すれば、データセンターがある中国に空撮情報が流れることはない、という説明だった。   だが、ローカルデータ・モードでの飛行は、高度が30メートル以下に限定されるうえに、DJI機の最大の特長である飛行中の高度な安全装置が機能しない。ローカルデータ・モード時に機能が制限されることはDJIの操作マニュアルにもしっかりと明記されおり、実際にこのモードで使用する人は極めて少ない。   つまり、通常の飛行モードを選んだユーザーは、従来どおり、空撮データがDJIのデータセンターに流れることを承諾せざるを得ないのだ。DJIは、いまも“合法的に”空撮データを中国に送ることができている。
ドローンの心臓部を握っている中国企業
仮にDJI機を排除しても他社製のドローンの多くが、GPSやジャイロ(安定飛行の装置)、加速度、磁気などのセンサーを搭載して飛行制御を行う「フライト・コントローラー」にDJI製品を搭載していると言われる。「ドローンの心臓部」といえるフライト・コントローラーをDJIに握られた業界では、「DJIの呪縛からは逃れられない」との見方が強い。
ファーウェイ事件と通底
DJI製ドローンの問題は、2018年末にアメリカが中国通信機器機大手のファーウェイ(華為技術有限公司)やZTE(中興通訊)社製の通信機器を全米から排除する決定を下した事件と通底している。   アメリカが決定を下した背景には、中国が2017年6月に施行した「国家情報法」に対する懸念がある。   同法は、“国家としての情報収集に法的根拠を与える”ために定められた法律だ。その第1条は「国の情報活動を強化および保証し、国の安全と利益を守ることを目的とする」と規定し、第7条は「いかなる組織および個人も法に基づき国の情報活動に協力し、国の情報活動に関する秘密を守る義務を有し、国は情報活動に協力した組織及び個人を保護する」としている。   つまり、中国の国民全員が、国のために情報収集を行う存在であると定義している。これはスパイにほかならない。それを国家は全面的に保護するといっているのだ。 ファーウェイやZTEがどれほど身の潔白を説明しようとも、中国政府から協力を求められた場合は抗えない制度になっている。当然、DJIも中国の企業である以上はこの法律に従うしかない。   国家情報法では、第9条で「国は、国の情報活動に大きな貢献のあった個人及び組織に対し表彰及び報奨を行う」と規定し、第25条で「国の情報活動への支援・協力により財産の損失が生じた個人及び組織に対しては国の関係規定に基づき補償を行う」と損失補まで定められている。
日本のIT企業で起きた中国人従業員情報漏洩事件
2019年、日本のある商社系IT企業のA社で起きた中国人従業員による情報漏洩事件は、この国家情報法と関係している可能性が非常に高いと見られている。これは重大な事件なので、事の経緯も含め説明したい。   A社で、中国人労働者のXが退職間際に、社内のパソコンから1・5ギガバイト(ギガは10億)ものデータを中国企業バイドゥ(百度)が運営するストレージ(データ保存)サービスに転送した事実が発覚した。送信されたデータを新聞の情報量に換算すると、約5万ページ分にも及ぶ。   バイドゥは「中国版グーグル」と称される検索サービスの大手企業として知られ、「Simeji」と呼ばれる「着せ替えキーボード」のアプリケーションを提供している。着せ替えキーボードアプリとは、スマートフォンやパソコンで文字入力する際に日本語の「漢字仮名交じり文」にするソフトだ。そのシメジは以前、「変換した文章が全て中国に送られている」と問題になったことがある。つまり、シメジが「情報を抜き取るためのサイバー攻撃のツール」だったのである。
国家の命を受けてデータ転送を繰り返していた
このシメジ問題によって新たな疑惑も生まれた。それは、検索エンジンの利用などで一度でもバイドゥにアクセスしたパソコンは、情報を抜き出す不正プログラムが送り込まれ、それ自体がサイバー攻撃のマシンに変わってしまうというのである。人民解放軍が実戦配備したサイバー攻撃の仕組みは「グレートキャノン」と呼ばれ、実際にアメリカのインターネットサービスがグレートキャノンの攻撃に遭い、機能不全に陥ったことがある。   この中国人社員は国家の命を受けて、日ごろから少しずつデータを小分けにして転送を繰り返していたと見られている。転送した事実は同社が運営するネットワーク監視機能で直ちに検出されたものの、1・5ギガバイトのデータはすでに送られたあとだった。   A社はX本人を呼び出し、聞き取り調査を実施したものの、黙秘を貫かれた。その後、Xは退職届けを出し、現在は音信不通の状態で、真相は闇に葬り去られてしまった。
日本の法律では裁けない。極めて深刻な事態
A社では、顧客のネットワーク構成図やIPアドレス(コンピュータの通信識別番号)も普段から扱っており、それらの情報は機密情報に該当する。しかも頭が痛いのは、通信記録から大量のデータがバイドゥに送られたことを掴んだものの、どのようなデータが送られたのかについては、データが暗号化されていたために知る術がない。   通常、この手の情報漏洩が起きた場合は「不正競争防止法」を適用し、持ち出されたデータが営業秘密に該当することを証明する必要がある。ところが、今回はデータが暗号化されていたために立証できない。現在の日本の法律では犯人を裁くことはできないのだ。   仮にA社が警察に被害届けを出したり、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて捜査協力を相手国に求めたりしても、日本国内で刑事犯罪としての要件が満たせなければ、相手政府も協力できないとの立場を取ることは明らかである。   A社は風評被害を恐れたからか、事件を公表していない。しかしA社の事業内容を見ると、各種の公共団体のネットワーク構築を請け負うとともに、セキュリティー監視も手がけている。事態は極めて深刻だ。
アップルで中国人技術者が
中国人従業員による内部犯行はアメリカでも起こっている。2019年1月に、米アップルの自動運転技術の企業機密を盗んだとして、FBI(米連邦捜査局)がアップルに勤務していた中国人技術者を逮捕した。2018年6月にアップルに入社し、自動運転車のハードウエア開発チームに所属していたが、中国へ渡航予定の前日に逮捕されている。   犯人が自動運転車開発に関する写真を撮影していることに気づいた同僚の通報で内部調査した結果、撮影データの他、図や2000以上のファイルを個人所有のパソコンにコピーしていたことが判明した。   アップルでは、2018年7月にも自動運転車の機密情報を盗んだ疑いで別の中国人が起訴されている。従事者の国籍によって内部犯行のリスクが排除されるわけではないが、国家情報法が施行されている以上、中国人従業員を情報やデータの管理職に指名する場合はスクリーニングを徹底すべきとの声もある。  
採用に際して十分な身辺調査を行う企業も
スクリーニングとは、採用に際して十分な身辺調査を行うことである。アメリカでは「ウソ発見器」にかける企業もある。また、スクリーニングの専門会社も存在する。   日本では、採用面接の際に両親の職業を尋ねることも憚れるが、少なくとも出身校の教師や、前職の同僚や部下から話を聞くなど可能な限り過去に遡って、労働者の経歴など「バックグラウンド情報」を収集することが肝心だ。もはやそのような時代にきており、特に情報やデータの管理職に指名する人物に対しては、徹底したスクリーニングが欠かせない。   今後、入管法改正で、さまざまな国から労働者の流入が見込まれる。国益を守るためには、スクリーニングを合法的かつ効率的に行う仕組みを早急に構築する必要がある。
軍用ドローン1機で飛行場を壊滅させる破壊力
話をドローンに戻そう。日本の防衛省は2018年2月、国内の米軍基地、専用施設の上空や周辺でドローンを飛行させないよう、「航空機の安全な航行を妨害した場合は、法令違反に当たる」と注意喚起するビラを各地の防衛局に張り出した。だが、現代の「ドローン戦争」を想定すると、あまりにも対応が生ぬるいと言うほかない。   現在の軍用ドローンは、たった1機で飛行場を壊滅させる破壊力を持つ。防衛省が多額の防衛費を投じて日本に配備する「陸上イージス」(陸上配備型ミサイル迎撃システム)でも対応できない可能性が高い。仮に低空を自律飛行可能なドローンを大量に製造できる国が、軍隊として「ドローン戦闘機部隊」を整備し、何千、何万ものドローンを戦争の相手国へ向かわせる戦術をとった場合、相手国は大打撃を被るだろう。
ドローン1374機の編隊飛行に成功した中国
2015年4月7日、アメリカ国防総省が発表した「中国の軍事力に関する年次報告書」には、「中国は2023年までに4万機以上の無人機を製造する」と記されている。あれから約4年半、中国のドローンの能力は格段に向上しており、2018年4月に中国は、ドローン1374機の編隊飛行に成功している。   人民解放軍がいま力を入れているのが「ロボットの群れ作戦」だ。中国の軍事作戦の特徴は、飽和作戦といって数の力で相手を制圧することを目的としたものが多い。たとえば強力なミサイルを開発するよりも、何千、何万発というミサイルを打ち込んだほうが勝率は高くなる。軍用ドローンが何千機と襲来した時、いまの日本には対処のしようがない。   2019年4月10日、中国は尖閣防衛識別圏に攻撃能力を搭載した無人偵察機「TYW-1」を配備した。「TYW-1」は約40時間の飛行が可能であり、かつ最大離陸重量は1500キログラム、総重量300キログラム���ミサイルや爆弾を搭載することができるとされている。
中国海警が尖閣諸島にドローンを
その1カ月後の5月18日には、尖閣諸島の領海内に中国海警2308からドローンが飛ばされ、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発進している。中国はいま、尖閣領海内でドローンを飛ばし、日本がどのような行動をとるか、どこまで行えばどう対応するのかを盛んに探っている。スクランブルにかかる費用は1機あたり300万円~400万円とされており、一方の中国はドローンを飛ばすだけで済む。コストも安上がりで、戦闘機を飛ばすよりも密かに確実に情報収集が行える。
水中ドローンの恐怖
これだけではない。ドローンというと飛行型を思い浮かべる人が多いが、中国は水中ドローンの開発にも成功している。国営の中国航天科技集団が開発した魚群NH1、NH2、NH3がそれで、「NH」とはインフラ攻撃を目的に開発されたものを意味する。日本は海底ケーブルでインターネットが繋がっているが、それらを破壊されたら日本の全てのネット環境が遮断され、日本社会は機能不全に陥ってしまう。   日本もアメリカのように、安全保障の観点からドローンの技術的仕様などについて何らかのセキュリティー規制を設けることは緊急の課題だ。   日本政府は「ファーウェイとZTEの製品を政府調達から事実上排除する方針」を掲げたが、ドローンについても早急に検討すべき時にきている。中国の日本侵略は着実に始まっていることを、国民も政府ももっと自覚すべきだ。
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takahashicleaning · 4 years
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TEDにて
ケビン・ケリー: なぜ人工知能で次なる産業革命が起こるのか
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
デジタル業界の予言者ケビン・ケリーは「ひとつの雨粒が谷間へ流れていく道筋は予測できないが、その大まかな方向性は不可避なものである」と言い、テクノロジーも同様に驚きはもたらしても不可避なパターンに突き動かされているのだと説きます。
そして、あらゆるものをスマート化するという流れは、今後20年で私たちの活動ほぼすべてに大きな影響を与えると語ります。
ケリーは、人工知能(AI)を受け入れ その発展の舵を取るために押さえておくべき、AIにまつわる3つの傾向を紹介し、「20年後に最も人気になり誰もが持つようになるAIを使った商品は、まだ発明されていない。だから皆さんもまだ間に合う」と締めくくります。
テクノロジーはどこへ向かうのか!少しお話ししたいと思います。新たなテクノロジーが、次々に到来し、それがもたらすものには驚かされます。でも、実は、テクノロジーの大部分は思っているより、ずっと予測できます。テクノロジーの仕組みには、必ず傾きがあるからです。
特定の方向に働くパワー。流れがあるのです。こうした流れは、ワイヤーやスイッチ、電子にある物理、化学的な特性そのものに由来するものです。これにより同じパターンが繰り返し生み出され、このパターンによって流れや傾きができるのです。
これは、重力のようなものと考えていただいても良いでしょう。谷間に落ちていく雨粒を想像してみてください。ひとつの雨粒が、谷間へと流れていく道筋は予測できません。どこを通るかなど分からないのです。でも、大まかな方向性は、不可避なもので下へ下へと向かいます。
テクノロジーにまつわる仕組みには、流れや必然性なるものがこうして刷り込まれているので、物事がだいたいどう進むのか推し量ることができます。ですから、大きな意味ではこう言えるでしょう。電話の出現は不可避であったが、iPhoneはそうではなく、インターネットは不可避だったがTwitterはそうではなかった。
今、さまざまな流れが同時進行しているわけですが、そのなかでも特に重要だと思うのが、「なんでもかしこくする」という流れです。私は、これを「認知化」と呼んでいるのですが、人工知能(AI)としても知られています。私はこれこそが、今後20年で社会に最も影響を与える発展であり傾向、方向性、原動力のひとつになると考えています。
もちろん。それはすでに始まっています。私たちは人工知能(AI)をすでに手にしていて、AIは目に見えないところで動いています。病院の管理棟では、AIがレントゲン画像を人間の医者より正しく診断しています。法律事務所でも法的証拠をくまなく調べるのに、人工知能(AI)が使われ人間のパラリーガルよりよくやっています。
皆さんが会場に来るときに乗った飛行機の操縦にも人工知能(AI)が使われています。人間のパイロットが操縦するのは7、8分だけで残りは人工知能(AI)が操縦しているんです。もちろん、NetflixやAmazonでは裏でAIが動いていろいろお勧めをしてくれます。今は、こんなところでしょうか。
それから、ご承知のとおり。もっと先進的な側面をあらわす例としてAlphaGoが世界トップ棋士に勝利をおさめたことがあります。でも、それだけではありません。ビデオゲームをすることは、人工知能(AI)と対戦することでもあります。
さらに、最近では、Googleは人工知能(AI)を訓練し、ビデオゲームのプレイ方法を学習できるようにしました。ビデオゲームのやり方は、すでに教えていたわけですが、ビデオゲームのプレイ方法を自ら学ぶのは新たな段階になります。
これが「人工知性」です!!
私たちは、今、この「人工知性」をどんどんかしこく高めていこうとしているのです。古代からの人類が蓄積した膨大な概念。
この大きな流れのなかで十分認識されていない側面が3つあります。この3つのことを理解すれば、人工知能(AI)に対する理解もぐっと深まるはずですし、AIも受け入れやすくなるでしょう。AIを受け入れなければ、AIの舵取りなどできませんから大きな流れを受け入れてこそ実務的なことも動かして行けるのです。
それでは、この3つの側面についてお話ししましょう。
1つ目は、私たち自身の知性は、何が知性たるかをほとんど理解していないことです。私たちは知能をとかく1次元で考えがちです。音で言うなら、音量がどんどん上がるようにです。
知能指数(IQ)がまさにそうです。ネズミのような単純で低いIQに始まり、つぎが、チンパンジー頭の悪い人と高くなって行き、私のような平均的な人間が来て、それから天才といったように、このIQだけで表される知能は高くなる一方です。これは、完全な間違いです。
これは、知能ではありません!!少なくとも人間の知能ではないでしょう。知能は、むしろ、いろんな音のシンフォニー、交響曲に近いもので、さまざまな認知機能で奏でられる音が集まったものです!!
人間には、多種多様な知能があります。演繹的な思考や感情的な知能。空間的知能など。おそらく、100種類くらいの知能をみんな���っているのですが、それぞれの知能レベルの高さは、人によって違います!
そして、動物は動物でまた別の一式。さまざな知能をひと揃え持っています。私たちと同じ機能を持っていることもあるでしょう。動物も人間と同じように思考できますが、持っている知能レベルの組合せが違うので、人間より動物の方が優れている場面もあります。
例えば、リスの長期記憶は、本当に卓越したもので木の実を埋めた場所をずっと覚えていられますが、それ以外の知能はより低いかもしれません。
私たちが機械を作るにあたっても同じように設計することになるでしょう。つまり、ある種の知性は、人間よりぐんと高くするけれども、ほかの多くは必要ないので人間には遠く及ばないままという風にです。私たちは、このようにしてさまざまな知能を 人工的に寄せ集め、より変化に富んだ人工的認知能力をAIに与えようとしているのです。そして、それはもっと特化したものになっていくでしょう。
計算においては、計算機の方が、すでに、限界をはるかに超えて人間よりかしこいですね。空間ナビゲーションは、GPSの方が 限界をはるかに超えてかしこく、長期記憶においては、GoogleやBingが、限界をはるかに超えて人間より上です。
私たちは、こうした様々な思考を、人工的に取り出し抽出して、今度は、自動車に搭載しようとしています。自動運転のためですが、そうするのも、それが人間のように運転しないからです。人間と同じようには考えない。そこがミソなのです。妄想、雑念、気が散ることもなければ、フラッシュバックでコンロの火の消し忘れを心配したり、会計学を専攻したら良かったと悩んだりもしません。ただ!運転に集中するだけです。
ただ、運転に集中するだけですよ?もしかしたら、こんな宣伝文句で販売されるかもしれません。「意識ゼロ」その車には、意識がないので、さっき話したようなことに雑念はなく気が散らないんです。
つまり、私たちがやろうとしているのは、できるだけ多くの種類の特定思考を作り出すことなのです。この空間をあらゆる種類の特定思考でいっぱいにしようというのです。
ビジネスや科学の最先端の世界では、難しすぎて、人間自身の思考だけでは、手に負えないような問題も実際にあることでしょう。そんなときは2段階で対処します。新たな種類の特定思考を作り出して、私たちがそばで協働しながら、とても大きな問題。暗黒エネルギーや量子重力といった問題を解いていくのです。
つまり、未知の特定知能を創造するというわけです。意味で違った考え方をする(think different)のに、役に立つはずです。違った考え方が、創造や富、新しい経済の原動力なのですから。
2つ目の側面は、私たちが人工知能(AI)を使うことで、次の産業革命が起きようとしていることです。
最初の産業革命が起こったのは「人工動力」とも言うべきものの発明があったからです。それより前の農業革命においては、何かを作るとしたら、すべては、人間の筋肉か動物の力を使わねばなりませんでした。それ以外にやりようがなかったのです。
産業革命における大きな革新は、蒸気や化石燃料を使って、この人工動力を生み出し、それを使って何でもできるようになったことです。ですから、今では、高速道路を走りながら、スイッチをポンと押すだけで250馬力を意のままに操れます。250馬力ですよ!
さらに、そうしたパワーを応用して、高層ビルや都市、道路を作り、工場では、人力では到底、作れないほど、大量の椅子や冷蔵庫などが生み出されるようになったのです。こうした人工動力は、また送電網を通じて、すべての家庭や工場、農場に届けられ、ただ、何かを接続するだけで、誰でもその人工動力を買うことができます。
これは、新たな革新の源にもなりました。農場では、手押しポンプにこの人工動力。つまり、電気を合わせて電気ポンプが生まれました。そんな変化が、何千、何万と膨れ上がる中で、その公式が生み出したのが産業革命でした。身のまわりのあらゆるもの。私たちが享受しているこの発展は、そのかけ合わせの産物なのです。
そして、今、同じことを人工知能(AI)でやろうとしています。人工知能(AI)はネットワークを通じて、届けられますから、あの電気ポンプを手に取って、それに人工知能を足せば、スマート・ポンプができます。そんな変化が何百万と生じれば、次なる産業革命となるのです。
高速道路を走る車は、250馬力を積んでいましたが、それに250の知力が加わって自動運転車になります。人工知能(AI)は、新たな公共資源となります。人工知能(AI)は「クラウド」という、ネットワークを流通していきます。電気がそうして広まったようにです。そして、かつて電化したあらゆるものを、今度は認知化するわけです。
ここで言いたいのは、これから出てくる1万のベンチャー企業の公式は、とてもシンプルなもので何かにAIを加えるだけです。この公式こそが、私たちがやろうとしていることです。それによって、これから、次なる産業革命を起こそうとしているのです。ところで、今、この瞬間ですが、すぐにGoogleにログインすれば、AIを自ら購入して6円で100回の処理をできます。すでに手に入るんですよ。
さて、3つ目の側面ですが、それは、この人工知能(AI)に体を与えることでロボットができることです。
ロボットがボットになり、私たちが、これまでやってきた多くの作業をこなすことになります。仕事も作業の集まりですから、私たちの仕事も再定義されるでしょう。一部の作業は、ロボットがするわけですから。でも、ロボットが入ることで新たなカテゴリーができ、新たな作業も大量に生まれることになります。
これまで必要だと気づかなかったものです。ロボットによって必要になる新たな仕事。新たな作業が生まれてくるのです。ちょうど自動化によって新たに作り出されたものの多くが、それまで必要とは思っていなかったのに、今では、当たり前になくてはならないのと同じです。
ロボットは、人間から奪う以上の多くの仕事を生み出していきます。大事なのは、アイデアで、ロボットに託す作業の多くは、効率性や生産性という観点で定義されるものであることです。肉体労働であれ、頭を使うものであれ、ある作業が効率性や生産性に落とし込めるものであれば、それはボットがやります。生産性は、もうロボットのものです。私たちはとかく時間の無駄遣いに長けていますから。
私たちは、非効率なことがすごく得意なんです。科学なんて、そもそも非効率なものでしょう。次から次へと失敗することで、前に進んで行くのです。試験や実験をしてうまく行かないから進展するのであって、それがなければ進歩しません。
科学はそれ自体に効率性がほぼ、ないことで構築されています!!効率性、生産性が無いのにイノベーションや幸福を創造している?どう言うことでしょうか?おかしいことでしょうか?考えさせられますね。
技術が、すべてのことを解決できると言いますが、我々が、100倍エネルギー効率のいい乗り物を作ることができるとすれば、大枠としてこれは正しい意見です。
しかし、エネルギー効率ではなく、生産性を高めた結果、イギリスは見事に産業が空洞化してしまいました!
革新も本質的には非効率、非生産的なことです。プロトタイプを作って、��まく行かない機能しないものを試すんですから、探検も元来、非効率、非生産的ですし、アートも効率的、生産的ではありません。人間関係も効率的、生産的ではありません。こうしたことに私たちが引き付けられるのは、それが、効率的、生産的でないからです!!
もう一度言います!!エネルギー効率ではなく、生産性を高めた結果、イギリスは見事に産業が空洞化してしまいました!!
何度でも言います!!エネルギー効率ではなく、生産性を高めた結果、イギリスは見事に産業が空洞化してしまいました!!
これでもバカのひとつ覚えのように、生産性を高めますか?基本的人権も無視して・・・
効率性は、もうロボットのものです。今後、私たちはこうした人工知能(AI)と協働していくことになるでしょう。人工知能(AI)は人間とは違う考え方をしますから。ディープ・ブルーが、チェスの世界チャンピオンを破ったとき、これでチェスも終わりと思われていました。でも、実際のところ、今のチェスの世界チャンピオンは人工知能(AI)ではありません!
人間でもありません!人間と人工知能(AI)のチームです!医療診断に最も長けているのは、医者でも人工知能(AI)でもなく両者のチームです!私たちは、これからこうした人工知能(AI)と協働し、将来は、どれだけボットとうまくやれるかで給料も決まってくるでしょう。
これが3つ目の側面でロボットは私たちと違い、誰もが使うものだから敵対するのではなく協働するものだということです。敵対するのではなく協働していくのです!
さて、これからの未来はどうなるんでしょう?
今から25年先にいる人が、過去を振り返って私たちがAIを語るのを見たとしたらこう言うでしょう「それは人工知能(AI)なんかじゃない インターネットだって、25年先に使っているのと比べたらないのも同然だ」
現在、人工知能(AI)の専門家はいません。AIには多額のお金が流れており、何兆円ものお金がつぎ込まれています。非常に大きなビジネスです。でも、今後20年で期待される大躍進に見合うだけの専門家がいないのです。まだまだ始まったばかりです。まだ、すべてが始まって1時間。インターネットが始まって1時間。これから来たる未来が始まって1時間です。
これから20年後に最も人気を博し、誰もが使うようになる人工知能(AI)を使った商品はまだ発明されてもいません!!
つまり、皆さんもまだ間に合うということです。ありがとうございました。
キャシーオニールによると・・・
思考実験をしてみましょう。私は、思考実験が好きなので、人種を完全に隔離した社会システムがあるとします。どの街でも、どの地域でも、人種は隔離され、犯罪を見つけるために警察を送り込むのは、マイノリティーが住む地域だけです。すると、逮捕者のデータは、かなり偏ったものになるでしょう。
さらに、データサイエンティストを探してきて、報酬を払い、次の犯罪が起こる場所を予測させたらどうなるでしょう?
あら不思議。マイノリティーの地域になります。あるいは、次に犯罪を犯しそうな人を予測させたら?あらら不思議ですね。マイノリティーでしょう。データサイエンティストは、モデルの素晴らしさと正確さを自慢するでしょうし、確かにその通りでしょう。
さて、現実は、そこまで極端ではありませんが、実際に、多くの市や町で深刻な人種差別があり、警察の活動や司法制度のデータが偏っているという証拠が揃っています。実際に、ホットスポットと呼ばれる犯罪多発地域を予測しています。さらには、個々、人の犯罪傾向を実際に予測しています。
ここでおかしな現象が生じています。どうなっているのでしょう?これは「データ・ロンダリング」です。このプロセスを通して、技術者がブラックボックスのようなアルゴリズムの内部に醜い現実を隠し「客観的」とか「能力主義」と称しているんです。秘密にされている重要で破壊的なアルゴリズムを私はこんな名前で呼んでいます「大量破壊数学」です。
民間企業が、私的なアルゴリズムを私的な目的で作っているんです。そのため、影響力を持つアルゴリズムは私的な権力です。
解決策は、データ完全性チェックです。データ完全性チェックとは、ファクト(事実)を直視するという意味になるでしょう。データのファクトチェックです!
これをアルゴリズム監査と呼んでいます。
ヨーロッパでの一般データ保護規則(GDPR)でも言うように・・・
年収の低い個人(中央値で600万円以下)から集めたデータほど金銭同様に経済的に高い価値を持ち、独占禁止法の適用対象にしていくことで、高価格にし抑止力を持たせるアイデア。
自分自身のデータを渡す個人も各社の取引先に当たりデータに関しては優越的地位の乱用を年収の低い個人(中央値で600万円以下)に行う場合は厳しく適用していく。
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー���業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
こういう新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との
戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!
最後に、マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども達がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて個人のプライバシーも考慮)
(個人的なアイデア)
アメリカのノーベル賞受賞経済学者ミルトン・フリードマン、元FRB議長であったベンバーナンキの書籍「大恐慌論」も言うように、金融危機2008、コロナショック2020などの急落に直面する対策として、ゼロ金利、マイナス金利、金融政策が出尽くした後に、よく登場する最速実行再分配政策が、個人への緊急的な現金給付!!!
各国によってスピードは異なるが、政策閣議決定後、人間の限界を遥かに超えるスピード。1秒以内で現金到着が理想。各国競争してみれば、今後の恒久対策として中央銀行のデジタル通貨なども考慮しつつ、新産業が産まれプラスサムになるかもしれません。
MMT(Modern Monetary Theory)によると、現状の貨幣での現実的なアイデアとして、社会保障に還元される日本の消費税は現状維持しつつ、現金給付額にも消費税がかかるので現金給付額を上げて、毎月給付にすると消費税率と社会保障費下支えとが均衡状態になる?と同時に、実体経済の経済成長率「g」の下支えにも寄与する?
これらの総量が、急激な不況時の資本収益率「r」以上なら、もしかして?回復して正常な経済環境に戻る期間も短縮できるかもしれません。
<おすすめサイト>
データ配当金の概念から閃いた個人的なアイデア2019
キャシー・オニール: ビッグデータを盲信する時代に終止符を!
人類の革新。方向性のインスピレーション
人工知能が人間より高い情報処理能力を持つようになったとき何が起きるか?2019
ニック・ボストロム:人工知能が人間より高い知性を持つようになったとき何が起きるか?
フェイフェイ・リー:コンピュータが写真を理解するようになるまで
ジェレミー・ハワード:自ら学習するコンピュータの素晴らしくも物恐ろしい可能性?
ハワード ラインゴールド: 個々のイノベーションをコラボレーションさせる
アレックス・ウィスナー=グロス:知能の方程式
ルトハー・ブレフマン:貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である!
個人賃金保障、ベーシックインカムは、労働市場に対する破壊的イノベーションということ?2020(人間の限界を遥かに超えることが前提条件)
世界の通貨供給量は、幸福の最低ライン人間ひとりで年収6万ドルに到達しているのか?2017
ベティーナ・ウォーバーグ: ブロックチェーンが経済にもたらす劇的な変化
セバスチャン・スラン&クリス・アンダーソン : 人工知能(AI)とは何であり、何ではないか
セザー・ヒダルゴ:政治家をあるものに置き換える大胆な構想
人工知能にも人間固有の概念を学ぶ学校(サンガ)が必要か?2019
<提供>
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mocomocon · 3 years
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そうして夜は明ける創作雑記
2年前に頓挫していた長編が形になって一区切り、という感じです。まだまだ書きたいものはあるしあれもこれも未完成、ってやつはいっぱいあるんですが、とりわけこれは構想があってかつこの前提をベースに短編も進めていたのでなんというか、あー、ようやっと、色々な縛りから解放されるという気持ちです。以下ネタバレ独り言ふんふふん。
横須賀短編を書いた段階で二人の野分が繋げる第4駆逐隊の物語っていうふわっとしたイメージはできていたんですよ。だからホント、いや野分姉は死んでねぇんすよ、って2年間心のなかで思いつつこの話が完成してないから名前を出さずにちらちら登場するくらいに留まっていました。具体的には機械人形は笑わないのラストでヴァイオリンを演奏しているのは野分姉ちゃんなんです。
後は先に機械人形は笑わないが完成したわけなんですけれども、元々これ、このそうして夜は明けるのスピンオフ話みたいな感じなんです。機械人形は笑わないで初登場の川内ちゃん、本当はこっちで人物像を練っていたんです。そんでもって野分妹ちゃんから財布スるシーン書いてたら存外気に入ってしまい、気づけば短編集でも出張してしまいました。神通ちゃんとの短編も結構気に入っています、はい。
機械人形は笑わないもねぇ、舞風ちゃん同様、周りにすごい人がいて萎縮してしまっている次代の赤城さんっていうのをこっちのお話でさらっと言及するシーンがあったんですよ。あったんですけど気がついたらそれで一本できてたんだどういうこってぃ。まぁあの頃はあー、ひっさびさに史実とかそういうのなしの、なんか恋愛系かっきてぇ、って欲求が来てたのでいい感じに私のニーズにはまってくれたのでしょう。
頓挫していた原因として資料が思うように集まらなかったのと、後は今までのお話と違ってトラック諸島という実在する島を舞台にしたお話ってこともあって、ここを詰めるのに苦戦してしまったんですよね。グーグルマップ開いて参考図書開いてあーでもないこーでもない。しかもなまじ部分的に架空の地名を艦これさんがぶっこんでくるから大混乱ですよ、何回バニラ湾をナチュラルにベラ湾って書いたことか。ただこれを書いているときに面白いこともあって、今まですっかり忘れていたんですが昔チューク諸島ではないんですがミクロネシアのとある島にホームステイしたことがあったのを思い出したんですよね。写真だなんだとごそごそ資料を漁ってもいましたが、すっかり忘れていた記憶が鮮やかに蘇ったのもトラック諸島という舞台で筆が進む一助になりました。
後はあれですね、機械人形は笑わない以降短編集で好き勝手舞鶴だ大湊だと他の鎮守府の掘り下げを進めていたのもよかったのかなと。大湊からは北上さんと新キャラの江風ちゃんに出張してもらいました。ていうか書いているうちに江風ちゃんめっちゃ気に入ってしまいました、なぁ北上さん? 大湊所属(問題児)だしな!って暴れさせまくって途中やべぇ話まとまんねぇって頭抱えたのもいい思い出です、手のかかる子ほどかわいい笑
呉からは球磨型姉妹ですね、意図せずして軽巡は球磨型と川内型に登場が偏ってしまいあっれー?贔屓じゃないんです、いやほら雷巡必要だったし多少はね…?大井姉妹もなんか書きたいなってふわっとしつつまとまってないし、大井さんと北上さんの関係も書きたいなって思いつつふわっと定まっていません、いつものことです。
後は話の展開上しょうがないんですけど横須賀メンツもっと掘り下げたかったなーって。第6駆逐隊も那珂ちゃんも隼鷹さんもお気に入りなのです。ところで書いているうちに那珂ちゃんがどんどん川内型の一番やべーやつみたいな風格出てきちゃったんですがどうしましょうね、川内型の一番やべーやつです。川内ちゃん達より先輩で血縁関係もないんですが、那珂ちゃんは川内姉妹大好きだし、川内ちゃんも身内以外で唯一心開いている貴重な御仁です。まぁそんなんだから野分妹ちゃんに那珂ちゃん取られて面白くないんですよね川内さん、ね?
とまぁ前置きは長くなったんですが、続きましてメインの四駆ですね。四駆の中ではとりわけ野分ちゃんが好きだったので、主人公にするならこの子だなーっていうのと、今までが割りかし才能に恵まれた主人公が多かったので、それならば今回は落ちこぼれを主人公にして、落ちこぼれゆえにできるお話にしよう、ということで丙適性の野分妹ちゃんが爆誕しました。乙以上が艦艇の縁に振り回されるのならば、いやそんなの知らんし、とどこ吹く風でわが道をゆく丙適性を書いてやろうと。そんな風に書いているうちにめっちゃまっすぐでひたむきな子になりました、はい。あとは裕福な家庭で育ったがゆえの心のゆとり、とでも言うんでしょうか。普段塩対応で外見上は月属性に見せつつその実中身が太陽、みたいな性格に。野分姉ちゃんは外も中身も太陽属性です、お互い全然性格が違うからこその仲良し野分姉妹。そして見た目太陽属性なのにこの二人に振り回されまくってめっちゃ中身月属性な舞風ちゃんという関係性が爆誕致しました、メンタル乱高下させてごめんな←今作の被害者
ハッピーエンド至上主義なんで横須賀短編書いてるときにすぐハッピーしたるさかいな!って思ってたんですが2年間影のある状態で放置しててごめんな←2回目
野分姉ちゃんが甲適性っていう突き抜けた才能の持ち主なのでついつい萎縮していたんですが、まぁ先の大規模作戦の生き残りに弱い人なんて一人もいないんですよ、という。そんでもって自信がないのにフラットな目で尊敬の眼差しを野分妹ちゃんが向けるものだから色々思うところもあったんですが、最後はちょっと吹っ切れたみたいでよかったです、はい。
余談なんですが、今回の主人公である艦艇野分のテーマは‘逃げ足’です。逃げ足って書くとマイナスなイメージになるかと思うんですけど、実際トラック空襲にてさしたる損傷もなく逃げ切ったって相当だと思うんですよ。なので負い目である逃げ足は力である、ていうのを自覚して立ち上がるのが今作のテーマでした。
あとは嵐ですね、嵐は大分オリジナル要素が強くなってしまったんですが今作一のイケメンにかけたと自負しております。誰かのために強くなれる子、ってところは人である嵐ちゃんもしっかりもっていますね、うんさすが嵐。あと短編集では野分姉を出せない都合上萩風ちゃんとセットでの描写が多いんですけど野分姉ちゃんもちゃんと仲良しなんですよ、ハブられてないんです!笑 ただ野分姉ちゃんはベテラン勢なので生き残り組の時雨ちゃんや夕立ちゃんらなんかとも仲良しです。時雨ちゃんや、今回常識人枠としてあらゆる人物に振り回されてしまってすまんな。いつか時雨ちゃんのお話も書きたいっすね〜、なおネタはない。
そんなわけでpixivにもまとめたので一段落です。や〜そろそろpixiv UIきっついな、傍点互換ないのをさっぴいても長編でのページ切り替え設定だなんだがね…イラストサイトだからってのは承知なんですけども。まぁでも育ててもらったご恩もありますよって、ってことで30万字以下ならこっちにも投げ続ける所存です。
なんか他にも長編書いてた気がしたんですけどとりあえず今作で疲労困憊なのでしばらくはゆっくりしようと思います。というか、お勉強しばらく放置してたらサビつき加減がやばいんですよね、ギア切り替えてこ…。
日本語もそうなんですけど、やっぱ使ってないとなまってきちゃいますよねぇ。そんななか、あー、楽しかった、って熱中できる趣味としてお話作りがあってよかったと思うこの頃です。あー、楽しかった。
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benediktine · 3 years
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【日本の若者が深い友人関係を築けなくなった「決定的理由」 冷たい友人関係が蔓延している】 - 現代ビジネス | 講談社 : https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81466 : https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81466?page=2 : https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81466?page=3 : https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81466?page=4 : https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81466?page=5 : https://archive.ph/hLM5I : https://archive.ph/Kw6w9 : https://archive.ph/90bFM : https://archive.ph/JLo7I : https://archive.ph/OYIbb 2021.03.24 飯田 一史
 {{ 図版 1 }}
2013年の世界青年意識調査では、日本の若者の悩みの相談相手は「母」が「近所や学校の友だち」を上回っている。同様に、悩みの相談相手として友達の割合は減少し、母親は増加している、という調査結果が複数ある。40~50代以上なら「マザコンか」と感じ、若年世代の友人関係に対して何か言いたくなる人もいるだろう。
ところがその40~50代が10代だった1980年代後半にはすでに、主に心理学において、深く関わろうとしない友人関係の台頭が指摘され、当時の年長世代の一部はそれを問題視していた。
「日本の若者」は30年前から深い友人関係を築けないまま今日に至るのか。だとすればその背景には何があるのか。あるいはこの間、どんな変化があったのか。
読売新聞と朝日新聞の記事、特に人生相談などの読者からの投書欄をつぶさに辿って「友人」観の変遷を研究した『友人の社会史 1980-2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』(晃洋書房)の著者である石田光規・早稲田大学文学学術院教授に訊いた。
 {{ 図版 2 : 〔PHOTO〕iStock }}
■《友情と恋愛に熱狂した1980年代》
―――『友人の社会史』では80年代以降のことが主に扱われていますが、70年代までの友人関係とはどう異なるのでしょうか。
  石田 70年代頃までは「この人たちと付き合わなければならない」という関係性がはっきりしていました。たとえば血縁・親族関係や終身雇用を前提とした職場の関係です。地域の関係は60年代までは非常に強く、70年代には揺らぎ始めますが、地域が衰えていくのとパラレルに会社での関係が強くなっていきました。
かつての「友人」関係は、このように離脱が容易ではない固定的な関係性にかなりの程度埋め込まれていた。「あの人とはずっといっしょにいたし、友人と言えば友人なのかな」くらいの感覚だった。
80年代には人間関係がそうした様々なしがらみから解き放たれていきます。そのなかで「自発的に選んだもの」としての「友人」が浮上してくる。ただし、まだまだ60、70年代的な関係性も色濃く残っていて、だからこそ余計に、そのわずらわしさがない魅力的なものに見えていました。
≫――――――≪
―――1980年代と「友情」と言えば、1968年に創刊された「週刊少年ジャンプ」が「友情・努力・勝利」を掲げ、80年代には爆発的に部数を伸ばしたことが想起されますが、何か関係がありますか?
  石田 自由で自発的な友人関係というものが世間の中に浸透していった80年代に『ジャンプ』は部数を積み上げていきました。血縁や地域とのつながり、あるいは会社の差配で決まる上下関係とは異なり、感情的な結びつきによって作られる人間関係が80年代には社会的に前面に押し出されてきます。その典型が「友人」と「恋愛」です。
当時の社会調査によれば、80年代前半には、婚前交渉を許容する人はまだ3割程度しかいなかった。結婚を前提とせずに付き合うことは比較的珍しく、「恋愛」と「セックス」と「結婚」はあまり離れていなかった。それが80年代後半にはトレンディドラマが流行し、恋愛のための恋愛がブームになる。それと少年マンガなどにおいて友情がフォーカスされる時期は重なっていた。
そうした新しい「自由な恋愛」「自由な友人関係」は、70年代までの固定的で息苦しい関係よりも魅力的に見え、自発的な結びつきゆえに「真に心を通い合わせることができる」という幻想をまとっていた。社会調査を見ても、友人関係に対する満足度は上がり、「友人といると楽しい」という意見が増えていました。
■《近年、「家族」回帰が起きている理由》
―――しかし日本では、現在40~50代の団塊ジュニア世代が中高生だった80年代後半からすでに「あっさりした関係を望む」「親友でも本当に信用できないと感じる人が増えている」という調査結果があり、90年代以降もその傾向は続いています。つまり「最近の若者」が友達関係をうまく築けない状態が、30年続いていることになります。背景には何があるのでしょうか。
  石田 70年代までの友人関係は会社や地域の付き合いから生まれていたため、「いつこの友情が解消されるかわからない」という不安はありませんでした。ところが80年代以降、「自由で自発的なもの」に友人関係は変わり、関係を維持するために要求されるコミュニケーション技能が増えた。自分から働きかけなければならず、失敗すれば失われる関係になった。そうなればうまくいかないことも増え、あるいは及び腰になるのは当然です。
さらに90年代にはポケベル、PHS、携帯電話といった情報通信端末が普及し、友達同士が空間を共有することすら必須ではなくなりました。なんとなくグループで同じ場所に溜まっているから友達だろう、みたいなことすら減っていく。言いかえれば、さらに積極的に振る舞わないと、友人関係が維持できなくなっていった。
それが加速して負の面が顕在化していくのが2000年代以降です。各種社会調査上でも友人関係に対して抱くのは80年代半ばまでの「開放的で楽しい」という感覚よりも、「付き合っていくためには気を遣わないといけなくて心配」という側面が強くなっていく――この傾向は今に至るまで続いています。
だからこそ、近年では悩みがあったときに友人ではなく家族に相談している人が増えていますし、一部では恋愛においても「家族になるなら付き合う」というかつての恋愛観への回帰が見られます。
≫――――――≪
―――友達関係は不安定だし積極的に働きかけないと維持できないけれども、家族は気を遣わなくても壊れにくいので、家族回帰をしている?
  石田 そうですね。「人それぞれに自由に人間関係を作れば良い」と言われても、簡単にはできません。努力しないと友人はできないし、かといって全然いないと体裁が悪い。今や難しく息苦しいものになっています。実はそれは恋愛もそうだし、職場の人間関係だって、転職や有期契約が当然の流動的なものになっています。離脱しやすく、壊れやすい関係性ばかりになった。すると何かあったときに相談する相手としてラクな選択肢がなかなかありません。ゆえに、家族がベースのものに戻っていく。
学生に訊いても、「親に悩みを相談するなんて気恥ずかしい」という感覚はなくなっています。むしろ、家族になら自分のマイナスな面も見せられるけれども、友達には自己を開示しづらいから親の方が話しやすい、と。
 {{ 図版 3 : 〔PHOTO〕iStock }}
■《「親友」という幻想》
―――新聞に書かれた友人に関する記事を辿ると、90年代半ば以降、文化・芸術・芸能やスポーツの中で報じられる機会、あるいは劇や小説といったフィクションで使われる頻度が増えるが、それは現実の友人関係が困難だからこそ、願望が物語の中に投影されている、と指摘されていましたよね。ヨーロッパで中世に騎士道物語が流行し、そこで描かれた恋愛観に現実の人間が影響を受けたのと同じように、今では純粋な友情は物語の中にしかなく、人々は物語を通じて作られたイメージを現実の人間関係に求めるようになっている、ということでしょうか。
  石田 メディアがあるべき人間関係の理想の姿を映し出し、それを読者も望んでいると捉えるなら��、そう言えると思います。象徴的なのは友情を強調する高校野球に関する新聞記事の顕著な増加です。今では当たり前になりましたが、80年代までは決して多くありませんでした。
また、私のゼミの学生の聞き取り調査によれば、学生達は友人関係に対して高い理想を持ち、「でも、そのような人はいないから寂しい」と感じています。ではそのために積極的に行動しているのかといえば「自分を晒すと拒絶されるかもしれない。だからできない」。しかしお互いに自己開示しないと何でも言い合える理想の関係は手に入らない――そんな厄介なジレンマの中にいます。
「友人」はこの不安定な社会のなかでなくてはならないもの、あると良いものと捉えられている。けれども「親友」については自信を持って「いる」と言える人はおそらく今や非常に少ない。幻想に近いものになってしまっています。
≫――――――≪
■《「人それぞれ」で処理する冷たい距離感》
―――90年代中盤以降生まれのいわゆる「Z世代」の友人関係の特徴は?
  石田 物心ついたころから友人関係がデジタルに可視化されているのが特徴的です。友達やフォロワー、「いいね!」の数にしろ「グループ」にしろ、SNS普及以前までは明確な線引きはなかったものが、すべて目に見えます。自分がどの輪の中に登録され、送ったLINEに対して誰の返信がいつ来たのか/来なかったのか、あるいは、ある友人と別の友人が遊びに行っているのに自分は誘われていなかったことまでが見えている。これまでグレーゾーンで処理してきた部分が露骨に見え、線引きされてしまう。
―――スマホを使ったコミュニケーションでは、友達同士でしていたつもりの秘密のやりとりが、仲違いなどをきっかけに第三者に流出するかもしれない可能性もありますよね。
  石田 ですから関係を維持するために、より本音が出しづらくなり、より気を遣う機会が増えています。しかも今の10代~20代前半は中高時代にすでにスマホを持っていて、それがなかった時代がどんなものだったのかを知らない。人とオンラインでつながっていない状態を想像すること自体が難しくなっていて、こまめに連絡を取っていないと不安を感じる。それでいて、不用意に他人の事情には立ち入りません。
―――というと?
  石田 大学で教えていて感じますが、若い人は「人それぞれ」という言葉が好きです。誰かが何かを言ったりやったりしたことに対して「人それぞれだからね」という処理の仕方をする。これは他人の意見や多様性を尊重しているようでいて「私は関わりません」と言っているのに非常に近い。議論してもらっても「人それぞれだから」で終わってしまって意見が深まらない。
ほかにも「困ってるみたいだから、本当だったらやってあげたほうがいいんだろうな」と思っていても「人それぞれだから」踏み込まない。たとえば「サークル、やめようと思う」と言われたとしても、本人が理由を言わないかぎりは深く聞かないし、引き留めない。淡泊です。逆に何か相談したい、支援してほしいと思っている側も友人関係を維持するためにこそ遠慮して事情を話さず、助けを求められない。 「人それぞれ」という距離の置き方が主流になってしまっている状態では、本音で意見を交わすことも、ケンカをすることもとても難しい。関係性の修復が約束されておらず、あっさりと切れてしまうわけですから。
≫――――――≪
■《深い人付き合いの不要な社会を作った大人たち》
―――「最近の若い人間は……」と思っている中高年に向けてひとことお願いします。
  石田 若い世代は友人を作ることがとても難しくなっています。そしてそれは大人が作ってきた環境が原因です。
たとえば僕は団塊ジュニア世代ですが、僕らが学生のころまでは結婚できない人生を想像する人はまだ少なかったし、子どものころには就職氷河期が来て仕事に就けない人が大量に発生するなんて思いもよらなかった。それは一方では窮屈だったかもしれないけれども、そのかわりもう一方では安定していると感じられた。
しかし今では若者には将来像は不安定なものに映り、恋愛・仕事・友人……あらゆる人間関係を得るために何かしら「自分を磨け」と言われ、語学や資格の勉強からコミュニケーション能力、身だしなみまで、さまざまな場面で自分の実力を証明させられ続ける社会のなかにいます。そうなると弱い部分はとてもじゃないけど他人には見せられない。
年長世代からすると若者は「人付き合いが良くない」とか「腹を割って話ができない」ように見えるかもしれない。でも深く人付き合いしなくても回る社会をそもそも我々はつくってきたわけです。そしてその流動的な社会は、誰かと人付き合いをするために、かつてよりもはるかに人に能力と負荷を求めるものでもある。ですからその最先端に生きている若者が、複雑かつ希薄な関係性のなかで生きていくための振る舞いをするのは仕方がない。上の世代には理解しがたいものに見えたとしても、そういう社会を“われわれ自体が作ってきた”ということを、せめて認識してほしいと思っています。
 {{ 図版 4 : 『友人の社会史―1980-2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』 石田 光規 (著) : https://www.amazon.co.jp/dp/477103432X/ }}
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chaukachawan · 4 years
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遅い奴
 遅い。  遅すぎですね。今何日ですか。9日ですよ。秋公園の終演は?4日。切腹。  綺麗な臓物が出てくる自信がないので腹を切るのは止めておきますが、それにしても各方面の方々申し訳ございませんでした。
 こんな書き方をしているので自己紹介はいらないと思うのですが、Airmanです。  誰お前?へぇ、B脚本「メタフィクション:ザ・ゲーム」の脚演です。  あー………………って顔してる。今絶対あー………………って顔してますよね。そうです。もうネタバレも怖くないのでぶっちゃけますが、暗殺者の首を折ったりエルフをバットでリンチしたりするシーンで子供さんを泣かしたのは私です。その節は本当に申し訳ございません。  なんでそんな事になったのかは後々お話しするとして、いや変ですよね。後でご紹介する石英さんも言及なさっておられたのですが、何故人は役者紹介の最初に自分の名前を書かないのでしょうか?いやでも分かる。その気持ちは分かる。その方がクイズみがあって面白いって考えるんですよね。実際そういう面白さはあるんですが、「そこで面白さを取るか、役者紹介において必須の『誰が誰を紹介している』という前提を先に伝えて情報の伝達性を良くするか」というのは尽きない議論ですね?いや尽きるかも。割とすぐ尽きちゃうかも。    ようやく温まりました。  何がしたいかというと、役者紹介です。  諸々の都合で敬称略です。
・ニッキ役/でぃあ(31期)  イカレた世界のイカレた主人公を演じてくださいました………………え?。読み合わせの前段階で既に役を作ってくる?え、何イリハケ表?はー、神。  いや、そんな気はまぁうすうすしていたというか、やぁまさか本当に役を作ってきて下さるとは思いませんでしたが「ヤケに嵌まってるなぁ」という気はしたというか、凄い。役者魂。楽ステ最後のアドリブにも対応して下さるあたり、いやもうこの方は役者として域に達している気がします。怠惰ゲージがMAXになると自分で自分を傷つけて死ぬタイプの演出だったので、そうした心労を大分軽減して下さった神ですあなたは。そして場当たりの時は酷使して、というか変更点を噴出させて本っっっっっっ当に申し訳ございませんでした。なます斬りされてもおかしくなかった。というかされたかった。だってこの人が演じるニッキ本当に狂っててカッコいいんですよ。全編ふざけた勢いだけで押し通してしまいそうな役ですが、この方は締める所ちゃんと締めて下さる。そして作中でも〆るべき敵をちゃんと〆て下さる。でぃあさんに主人公お任せして本当に本当に楽しかったです。秋公演まではそんなにお話しする機会もなくて、正直ニッキというキャラクターをそこまで気に入って下さって嬉しかった。「自分以外にニッキは演じさせない」。その覚悟を、この一か月間通してしかと目に焼き付けました。
   怨霊の手が肩を撫でる。気色が悪い。  しかし中身を聞くと妙に笑える。
 負け犬が。 
 そんなんだから死ぬんだっつのバーカ。  恨み言吐いてる余裕があったら首でも締めて来いや。  テメェで持ってきたルールさも当然みたいな顔で宣いやがって。  だったら!………………殺してみろ。
 そう思ったのが、疑いなく口に出ていた。
・レミ役/児玉桃香(29期)  ペチカさん!御紹介致します、私の師です(無許可)。シザーズの時に演出としての基礎知識を叩き込んで下さった恩人です。あれ一般化してマニュアルにして後世の演出に読まれるべき。まず役者に脚本を読ませ、該当部分を一人で演じさせてみる。その上で、違和感のある部分があれば/役者さんが違和感を覚えていそうな部分があれば演出が質��を受けに行き、適宜イメージを調整する。「頑張って考えた演技の方向性を全否定してくる演出にはなってほしくない」という言葉から、演技というものがどれだけ役者さんの内的イメージによって生まれ、変わってくるかに気付けました。そうですね。生地に型を押し付けてもその型通りにはならないんですね。だから生地の元の形にある程度あった型を選んで、自分からそこに入ってもらう事が大事なんですね。オムニの最初は重大な勘違いをしていた私ですが、今回はそうでなかったのであれば有難いです………………!  余談ですが、私はPCの音声データを普段イヤホンで聞きます。諸事情でペチカさんにはキャラクターのセリフを読んで頂いた音声を送って頂いたのですが…���…………いや、もう二度としません。アレはマズい。意味合いが変わってくる。違う、そう言う個人的な目的で送ってもらったんじゃないのに、その、あの、ペチカさんの演技が上手過ぎるからぁ………………!!(涙)  完全に予想外でした。具体的にはバイノー………………何でもないです。特定の方へ後でファイルをお送りします。そして私の方からは完全に削除します。それがいい。あれは世の中から消すべきではないけど、私が持つべきものではない。本当にそう。  告解が終わり、私の黒歴史がまた一つ増えました。死んで詫びたいレベルです。ごめんなさい。
   あーあ、死んじゃった。  日用品で喉掻っ切られちゃって、死んじゃった。  これが呪い?  あっけなーい。
 ねぇ、どんな気持ち?  格下だと思って気楽に襲い掛かって、結局お仲間さんと一緒に殺されちゃって。  分かるよ。辛いよね。怖いよね。屈辱だよね。  こんなにいろいろ予想外だと、一周回って笑えてきちゃうよね。    子犬みたいな目で縋ってきちゃって。  嘘ついたら目ぇ輝かせちゃって。  裏切ったら傷付いて激昂しちゃって………………ねぇ、バカなの?  殺しに来た奴助ける訳ないよ。当たり前じゃん。    そんで、殺したらそうやって血ぃぴゅーぴゅー噴いちゃって。  あー、もぅ。
 かーわい。
・マギー役/ちゃわんちゃうか?(31期)    芸名を訳すと「違わないのではないか?」となるのではないでしょうか?御本人の知った事でしょうか?これ所謂クソリプという奴ではないでしょうか?でもエアーマン、お前の存在その物がクソだからある意味当然ではないでしょうか?それもクソリプではないでしょうか?どうでもいいのではないでしょうか?  えっと、新入生の方です。疑わないで下さい。マギー役、この人以外には務まらなかったと思います。だってFF7レベルの大剣持たされるんですもん。完全に演出の悪乗りでした。途中から刃の部分持っておられたので、あーマギーの肉体は刃の概念を理解してないんだな、つまりマギーの中でコレは鈍器のカテゴリなんだなぁと解釈してました。いや、でもマギーは強い。貞子レベルの怪物を素手で殺る。  ただの脳筋キャラにしたくなくて色々詰め込みましたし、役者さんの今までの御経験なども彷彿とさせながら「バカっぽく見えていろいろ考えてるキャラ」を目指してみたら演出の中で見事にブレまくり。最終的に丸投げしてしまったのですが、楽しんで頂けた様で何よりです(クズ)。  今思うと素のマギーは四千頭身の後藤さんみたいな雰囲気かも知れませんね。更に訳わかんねぇ。  本公演ではめちゃくちゃ暴れて下さいましたが、いつか素でカッコいいこの方を見てみたいというのはあります。実力不足でした。次回はちゃんとキャラクターを練ってきます。  
 呪い、ってくらいだから何かあんだろうよ。  ぼんやりと、ただそう思った。  根拠なんてねえけど。    だから、寝ずの番って奴をやってやった。    実際、俺はいなくてもいい。トークならあいつらの方が上手い。  
 何が来ても相討ち覚悟で殺す。  最初に死ぬなら、俺が一番良い。  何の感動もなくそう思って、色んなモンが転がった床に寝た。
 
 出た。
 出たよ。
 マジで出たよ。
 いやいやいやンだコイツ。忍者。忍者か。そこは幽霊とかそんな感じの奴寄越せや。  なんだ「呆気ない、ものよな」って。呆気ねえのはお前だよ。多分。    刀を避けたら目ぇ丸くしてやがった。  顔に一発。鳩尾にキック。めっちゃ吹っ飛んで机とか巻き込んで壁にドーン。どうでもいいけど真夜中なのにすっげえ音した。御近所さん迷惑だな。つかアイツら起きんじゃねえか。  そんで呻いて咳き込んで逃げようとしやがるから背中に乗って首をゴキッと。いっちょ上がり。
 
 いや弱っ。  呆気ねえもんだな。
・いろり役/久保伊織(29期)  正式名称がめちゃくちゃ長いバンコクの様な方です。これは私の予想ですが、ここから約10年で何度か二刀流スキルを獲得したりヒノカミ神楽を学校教育に取り入れたりトラックを異世界転生させたり未曽有の星6鯖を手に入れたりしてなんやかんやで宇宙を何回か救ってその度に二つ名が増え、最終的には「18カ月ごとに名前の長さが倍になるイケメン」という称号を手になさいます。実を言うと予想ではなく真実です。  役の名前と御本人の芸名が似ている事で同じ29期の先輩方からいじられたり演出から呼び間違え………………てません。ホントです。そんな事してません。一回位素で間違えたとかそんな事は絶対にないです。空飛ぶスパゲッティモンスターに誓って本当です。様々な人物を惹きつける魅力をお持ちの方で、もうちゃうかのイケメンといえば物理的にも精神的にもこの方に他ならない、と言った感じです。しかしアレですね。去年(2018)の新歓公演を見た直後の私に本公演の写真を見せたらマジでお前何したんとかなじられそうですね。その位今回は今までの役との差分が凄かったのではないでしょうか。ヒールとして妖しい魅力を存分に………………ヒール?あれ?主人公サイドですよね?でも陽な感じの狂気を称えた技術顧問、という中々ない、それまでのイメージとは大分違う役を最高の笑顔で演じ切って、最高に弾けて下さいました。  本当に何をなさってもそのイケボで彩って下さる、そしてノリもいいし、あと殺陣。キャスパ中の殺陣とかvs剣客とか全部この方が担当なさってます。凄いですよね。「PCを腕に巻き付けて戦ってほしい」「短剣は二種類用意してほしい」みたいな無茶振りにも応えて下さって………………いや神です。この稽古場にはなんて神が多いんだろう。  いつかこの方を主人公にしたなろう小説を書きたいです。本当にお世話になりました。
   これをこうして………………っと。  おニッキ、丁度良かった。割ったゲームのコピーガード突破したぜ……… 「なぁいろり。お前秘蔵のエロ画像とか持ってる?」  ………………いや急かよ。何だよ。持ってたとして何に使うんだよ。 「企画に………………」  ほう貴様さてはネタ切れか。 「うっせー!あーネタ切れだよ何か文句あんのかよ!」  別に?まそんな気はしてたけどな。  で、どんな企画? 「い、『いろりのエロ画像だいこうかーい』、いぇーい………………」  ハッ。 「鼻で笑うんじゃねーよお前こっちは昨日夜通しで考えたんだかんな!」  何が夜通しだ何が。  お前ら三人「企画会議ぃ」とか言って結局夜中じゅう酒飲んで暴れて近所のアパマンショップに放火してただけじゃねぇか。つーかその様子撮っときゃ良かったろ。 「いや、流石にスポンサー敵に回すのはマズい………………」  逆にそこでよく理性が働いたな。もうええわ。  で、どうすんの。俺そういうの持ってねえけど。 「は?」  いや、逆に俺がそういうのに興味あると思う?割れるゲームも弄れるコードも溢れてる世の中で何で他人の裸見て興奮すんのかマジで理解できねえ。 「あーそういやお前そういう奴だったわ………………うわ最悪」  何が最悪だよ。無いなら作ればいいじゃん。 「え、どゆ事?」  要はその辺から適当に落としてくりゃいいんだろ。『プライベートな写真を公開されて俺がひたすら困ってる』って絵が撮れればいいなら別に俺が普段使ってる奴じゃなくてもいい、それっぽくヤバい性癖の画像漁って来るわ。 「や、でも本物じゃねえとリアクションが………………」  言っとくけど俺結構演技上手いからな。死にゲー実況とか何度気ぃ使って死んでると思う? 「え、あれ演技?マジか初耳」  あぁあとな、ただ公開するんじゃ面白くないだろ。他のYoutuberみたく「お前ら三人と俺でミニゲームやって、俺が勝ったら公開阻止」みたいなルールにすれば尺も稼げる。お、そうだ。ただ公開するんじゃなくて「ネット上に公開された暗号を解けばエロ画像にありつける」みたいな形にして最終的に「釣りでした」ってやれば……………… 「いろり」  何だよ。 「………………お前、最強の友達だな」  ヘヘッ………………そういうの。『悪友』って、言うんだぜ。
  『泣きながら抱き合って何してんのかな、あの二人』 『そういう事だ、ほっといてやろうぜ』 『………………いや、ちょっと何言ってんのか分かんない』 『何で分かんねえんだよ。つか俺がツッコミかよ』 『もうええわ!』 『いや雑か。こっちサイド雑すぎだろ色んな意味で』   ・織戸役/武田聖矢(29期)  見透かされている。何を?どこまで?  物凄く頭が回る方、というイメージでした。「この場にいる方の中で、私の発言の意図をこの方だけが理解している」というシーンが何度かありました。かなり分かり辛く、さりとて特に面白くない事を言う事が多い私ですが、それでもぽにょさんには全て見透かされている。その上で何かのリアクションを返してくださる程優しい方です。演出としてぽにょさんにお世話になるのは二度目ですが、思えばシザーズの頃から言葉足らずな私の意図を汲んで下さり、最適な知恵を………………オムニの場当たりでは御迷惑をお掛けしました。ちょっとした事で自信を喪失しがちな私に優しく声を掛けて下さり、気付けば近くにいらした時に心の中で何となく癒しを求めてしまう自分がいました。物語の最後の最後に真理っぽい事を言って去っていく織戸。キャスト選考の際に何故かぽにょさんの姿が被ったのですが、いやでもカッコいいんですぽにょさん。スタッフワークではめちゃくちゃかっこいいのに、基本的に舞台上では何か叫ぶ系の可愛い役ばっかり。もっと教え説くようなカッコいい役回りの、あるじゃーん!という訳で、大分すんなり決まりました。ちゃうかで普通の人をやるぽにょさんが見られて満足ですが、もっと見たかったです。 「あれ、もういいの?」 「はい。………………もう、大丈夫です」  じゃあ、気を付けて。  大人としては無責任かもしれない一言を残して、職務に戻る。  随分しっかりした感じの子だった。  本当は誰かとはぐれてなんていなかったのかも知れない。  となると、こんな街の中を一人で………………親はどうしているのだろう。    首を振り、妙な邪推も振り払う。  この区画で育児放棄なんて珍しくもない。  あの子の境遇は自分の仕事と関係ない。  それこそ、あの子が死体にでもならない限りは。  もしくは………………  そこまで考えて、下らないと切り捨てた。  そう言えば、警察の役目を教えてくれた人。  別に、「何が悪か」までは教えてくれなかった。  それから十数年。  考えてみれば、別に大した話じゃなかったのかも知れない。 「正義」や「悪」は、道具だ。  守るべきものが「正義」。倒すべきものが「悪」。  互いにそう決めつけあってるだけで、本当にあるのは単に殴ったら殴り返されるだけ、自己責任の野蛮な世界。 「なんでマイナスの平方根があるんですか」みたいな質問みたいなもの。便利だからそこにあるだけで、それ自体に意味なんてない。  下らないけど、それで社会は回ってる。  別に壊す理由も、逆らう理由もない。  それでも、あえて「正義」を見出すなら。  廊下を歩き、仕事をする。  その事に疑いはない。  突然爆発が起こって壁が吹き飛ぶ事も、ない。    深く考えないで、前に進める環境。  当たり前が当たり前のままであり続ける。  それも、一つの正義。  それを守る事が、自分達の正義。  そう思うと、今の自分は間違っていないように思えた。  急に、暖かさを感じる。  体のどこかに熱がこもったかの様な感覚があって、それでようやく迷いが消えて………………  焦げ臭い匂いで、それが違和感に変わった。  暖かい、じゃない。熱い。    いつのまにかポケットに入れたタバコが、スーツを内側から焦がしていた。  それに気付いて、絶叫した。 ・芒役/大林弘樹(29期)  サイゴンさん。すごく優しい方です。そしてすごくエ【自主規制】アンケートを拝見しました所、御自分でなさったのであろう芒としてのメイクは「大学生とは思えない」等と評判を博していました。思えばオムニバス公演で役者メイクについて教えて下さったのもこの方だった、そんな気がします。まぶたの縁のギリギリに鉛筆を突っ込むという(役者としての通例とは言え)なかなかの恐怖体験ですが、サイゴンさんに指導していただいている最中はそんな不安もありませんでした。  本公演では主にいろり役のイッヒさんと過激なスキンシップを………………詳細は述べませんが、中々に印象的な光景でした。あとすれ違う時には【検閲済】とある事情でアドリブが多くなりがちな刑事サイドでしたが、それを自然な演技で軌道修正して下さるという点ですごく頼りになる存在でした。芒という「場を取り仕切る」役に最も馴染み、その持ち味を最大限に生かして下さったと思います。そのお陰で周りの役者さんもアドリブをぶち込み易かったのではないでしょうか。いえ私��怒りません。ただし一部のアドリブについて周囲の役者さんがどう思うかは別問題です。「悪い事は自己責任」。  文字通り予測不能、キャラと同じく胃の痛い環境の中で進行を務めて下さってありがとうございます。 「織戸の野郎、どこほっつき歩いてやがる」 「絶叫しながら廊下走ってましたよ。服に火が付いたとかで」 「何やってんだアイツ………………」  現状報告を終えた部下を見送り、溜め息を吐く芒。  学歴を鼻に掛けて露骨に見下してくる同僚は何故か辞表を提出した。  加えて最近自らを悩ませていた肩の荷がようやく降りた、そんな感覚。  芒の記憶は数週間分不自然に抜け落ちていた。  だが、その上でなおも本能が「終わった事だ」と訴える。  そんなものか。  声に応じ、その傷が癒える事を許し始める。    当たり前の様に信じていた法則が破壊される。  予測しようもない事態が次から次へと襲い来る。  白昼夢の様な経験。  省みるでもなく、懐かしむでもなく。  ただ人として、芒はそれらを「呑み込んだ」。  後には何も残らない。  それで良い。  根拠の無い確信は、何故だかある種の安心感を伴っていた。   「遅ぇんだよ。何時間かけてんだ」  険のある声色に思考が遮られる。  同じ部署の人間が作業机に部下を呆れた顔で叱り付けていた。 「おぅ、どうした」 「芒さん。聞いて下さいよ、コイツ中々作業を進めないんです」  ふぅむと唸り、当の人物を見遣る芒。  俯き、混乱した様な表情。目は泳ぎ、脂汗を流している。  屈む事で視線を合わせ、その奥の感情を見据えようと試みる。 「どうした?  ………………訳があるなら話してみろ」 「いえ、その………………」 「何だ?」  怪訝な表情が威圧となって相手を怯えさせる。  その事に気付き、芒は慌てて柔和そうな態度を取り繕う。  数秒後、件の人物は意を決して話し始めた。 「字が、読めないんです」 「読めない。前からか?」 「突然です。朝起きたら、急にそうなってて………………文字が全部ミミズみたいな記号に見えて、日本語のはずなのに全く意味が」 「下らない事言ってんじゃねえ。仮にも警察官が、そんな出まかせで仕事サボれるとでも思ったか?芒さん、コイツ人事に掛け合って更迭しましょう」 「………………いや、待て」  芒は悩んでいた。 『刑事として培われた長年の勘』なるものも、この場合は上手く働かない。  見え透いた嘘、と断じるには絶望した様な表情が真に迫りすぎている。  しかし、発言の内容が内容故においそれと信じる事も出来ない。  仕事柄、作業量の多さや精神的な負担に耐えかねて心を壊す同僚の存在は少なくない。芒自身、そうした人物を幾度と無く目にしてきた。  今回もその類の事かと結論付けた所で、  軽い眩暈が芒を襲う。  知るはずもない人物の、聞くはずもない言葉が脳裏に過る。 『呪いの渦中にいない以上、その呪いについてとやかく邪推すべきでない。  大きなお世話という物です』 『御自分の考え、常識。そうした物を一義的であると思わぬ方がいい』    気付けば体勢を崩していた。  叱っていた人間はおろか、先刻まで怯えていた人物にすら心配そうな視線を向けられている。  仕切り直す様に芒は姿勢を整え、指示を下す。 「今日はもう上がれ。んで病院行って来い」 「良いんですか?」 「おう。場所は分かるか………………というか、行けるか?」 「はい、何とか。ありがとうございます!」 「ちょっと、芒さん!?」 「この作業代わってやれ。大した量じゃねえだろ。  今の仕事があったらそっちは持ってやる」 「しかし、現状の案件は………………」 「気にすんな。なんだ、今流行ってんだろ。マルチタスクがどうたら」  少なくとも、すべき事はある。  それを続けていれば、自らの勢いが衰える事はない。  漠然とした、にもかかわらず確かなる信念を持って。  芒も、また再び歩み始めた。  件の人物が実際にとある病気を発症していたと分かるのは、先の話。 ・大下役/渡部快平  ワカさん。今年「美」に目覚めたんだな、と思いました。  思えば今年度の新歓、まさか脚選でご自分の脚本をお書きになるとは思いませんでした。それからオムニで一度脚本を通し、その美しい世界観は言うまでもなく好評を博しておられました。その後は言うまでもなく劇団内にも固定ファンをされ、舞台監督としても多くの団員から信頼を集めている凄い方です。  社会派な作品を書きたいと仰っていたのが私個人の記憶に新しいですが、それと関係があるのかないのか今回の大下という役ではめちゃくちゃ輝いて下さいました。「低学歴」を見下すあの表情。何て楽しそう。いや、ありがとうございます。「普段の様子を知っているから逆に面白い」という声が何となく理解できました。やー、面白かった。  癖も強く、中々演じたがられなさそうな大下という役の魅力をここまで引き出して下さったのはひとえにワカさんの教養というか、想像力というか、そういう部分があったからだと思います。「脚本を書く上で人間性の闇と向き合い続けたら病んだ」という逸話をお持ちなくらいなので、それだけ人間の負の側面という物を見据えて来られたのだと思います。だからあの闇の塊みたいな大下もあの仕上がりに。すごい。でも、人間の闇ってそこ止まりじゃないんですよ。RPG「ダークソウル」シリーズとかプレイした後になるにぃさんの動画とか見てみて下さい。ちなみに私は未プレイです。  未明とは言え、人の往来は少なくない。  市街地の中心地、一際大きな交差点。  行き交う各々の事情に思いを馳せるでもなく、その怪人物は佇んでいた。    薄汚れた赤いトレンチコート。  風呂に入っているのかも怪しいボサボサの髪。  中華風の丸いサングラス。  長老の様に伸びた無精髭。  所々生地がほつれ、破れた焦げ茶色のベスト。  ダボついた深緑のズボン。    全体的に浮浪者じみた風体は、少なからず衆目を集める。  その中に二つ、明らかな警戒を孕んだ視線。  ある種の殺意めいた物を背中に感じながら、怪人は動き出す。  信号は既に青。  それをちらと確認し、尾行者二名もあくまで自然な風を装って歩を進めた。  区画の発展は目覚ましいが、完全ではない。  主な通りを少し外れれば程なく「裏路地」に入る。  解体されずに放置された廃墟群。  複雑に絡み合った利権や都合が整理を許さない文字通りの暗部。  如何ともし難く、さりとて誰にとっても有用でない無法地帯。  というよりは、無の地帯。  誰もいない、敢えて足を踏み入れない、ビルに挟まれた虚無の歩道群。  尾行者は並みでない苦労を強いられていた。  第一に、通路の複雑な構造。  不規則に別れ、出鱈目に繋がったそれらの中では一歩先を行く人物の位置すら把握が困難になる。  第二に、尾行対象の挙動。  おちょくっている。  尾行者の片割れは直感した。  一つの通路へ頭を向けたと思いきや、そちらには行かない。  足を踏み入れた、次の瞬間バックステップで急に元の分岐点へ戻る。  恐る恐る様子を伺う相棒が息を呑む様子が聞こえた。  以降、対象の挙動は激しさを増す。  時折何の脈絡もなく振り返る。  明らかに不必要な動きが増える。  ゴミを拾って見せる。  何かを思い出し、腹を抱えて笑う。  立ち止まってロボットダンスを披露したかと思えば急に歩き出す。  相棒の困惑した視線を受け取る。尾行者は頷く。  意を決して身を乗り出したその瞬間、怪人は軽やかなターン。  慌てて遮蔽物に飛び込むも時既に遅し。体が急な制動に対応しきれずバランスを崩す。強かに尾てい骨を打った。  起き上がるや否や、怪人が逃走を始める。  追う相棒が怪人へ怒号を飛ばし、慌ててそれに着いて行く。  以降、仁義なき追走劇が10分程度。    息切れも激しく、明らかに許容量を超えた運動を行ったと分かる。  満身創痍の二人に目もくれず、余裕綽々と言った怪人がせせら笑う様に背中を向けて立ち止まる。  埒が明かないとばかりに尾行者は懐へ手を入れる。 「動くな」  台詞の内容、金属部品が擦れ合う音。  取り出した物を察したのか、怪人の様子が変わる。  言わずもがな、拳銃。  漸く話の通じそうな雰囲気を感じ取り、尾行者が要件を口にする。 「警察だ。署まで同行しろ」 「ちょ、流石に拳銃はマズいですよ。一応任意同行なのに」 「うるせえ。散々面倒掛けてくれやがって、この………………」 「………………何故、私が?」  くぐもった声。  対称的に毅然とした声で返す警察の片割れ。 「礼楽町付近で起きた連続不審死。  ここ最近、現場周辺にお前みたいな奴の姿が複数回目撃されてる」 「どう考えても関係者だな、テメェ。何を知ってる」  観念したかのように怪人が振り向く。  瞬間、その眉尻が上がる。 「………………織戸君に、芒さん?」 「は?」 「え、えー。うわー、意外だなぁ。もう会う事ないとばかり思ってたけど、まさかこんな感じで再会するなんて。ねぇ、二人とも元気でやってます?大事件とかない?その辺どうなんです、ねぇ」 「お、ち、近寄んな!これ拳銃!見えねえのか!?」 「安全装置外し忘れてますよ。それじゃ撃てない」 「あ、本当だ。何してんですか」 「うわ、クッソ………………つうかそじゃねえ、そうじゃねえ!」  親し気な様子で近付いて来た不審者に調子を崩され、一瞬和気藹々とした雰囲気に呑まれかける芒。  幸いにして持ち直し、根本的な問いを放つ。 「テメ誰だ!少なくとも俺の身内に浮浪者はいねえぞ!」 「浮浪者?あー、そっか。イメチェンしたんだった」 「イメチェン………………?」 「参ったな。あ、サングラス外せば分かる?」  訝しむ織戸を他所に、怪人物は一方的に自らの素性を明かそうとする。  隠されていた目元が明らかになった事でその顔立ちの全貌が見える。  髪や髭に邪魔されて輪郭が見えづらいものの、その人を食った様な独特な表情、整った各部の配置はその人物を特定するに十分だった。  今世紀最大の驚愕を込め、芒が情けなく叫ぶ。 「お………………………………大下ァ!?」 「え、そんな驚きますか。僕が僕で」 「変わったな………………というか変わりすぎでしょ!  もう原型留めてないもん!」 「そこまで言う?やー、意外だなぁ。  自分じゃそんなに変わってないつもりだったんだけど」 「いやいやいや………………あ、違う!大下テメェ!  現場近くで、そのクッソ怪しい風体で何してやがった!」  呆れも込めた激しい追及に、あっけらかんとして答える大下。 数か月前とは打って変わり、その様子には一切のしがらみを感じさせなかった。 「何って、捜査ですよ。聞き込みというか、情報収集?」 「捜査って、警察は辞めたはずじゃ………………」 「こっちの話。要は、そういう仕事があるんです。金さえあれば、普通の警察が太刀打ちできない事件の全貌を明らかにできるって約束の仕事」 「はぁ?」  只管困惑する二人を前にして、大下はマイペースに言葉を紡ぐ。 「という訳で、昔の同僚とはいえ今は部外者。  本件に介入させる訳には行きません、お引き取り願えますか」 「こっちの台詞だ!おい、今のお前が何に手ぇ染めてるかはどうでもいい。  ただな、お前の言動は明らかに捜査妨害………………」 「あーその辺の問題じゃないんですよ。こっちにも同じ事情があるって言うか………………面倒臭いな。おい!」 「はいはーい!」  大下が呼びかけ、返事を返したのは路地裏の上方。  道を挟むビルの屋上、その縁に座る小柄な人影。  妙な既視感が奇妙な風切り音に遮られる。  矢。  妖しく白い輝きを放つそれが、織戸と芒の足元に突き刺さる。  驚く間も与えず、矢は一際眩い光を放つ。  強烈な眠気によって二人が倒れるのに、そう時間は要しなかった。  効果の程を確認すべく、寝顔をまじまじと眺める大下。  その様子を見た人影が、猫じみた身のこなしで飛び降りる。  高さと質量からは想像も出来ない程に軽やかな着地音を聞き、思わず感嘆の声が漏れる。 「俺も中々かと思ったけどさ、やっぱお前は大分違うな。  2,3日でもう人間辞めやがって」 「人でなしみたいな性格した人に言われたくないなぁ。  でぇ、大下さーん。今日の分のお小遣いは?」  後ろで手を組み、上目遣いで期待を込める大下の協力者。  そのわざとらしさに若干白い目を向けながら、大下は苦々しく確認する。 「隠しカメラとか仕込んでねえだろうな」 「まっさかぁ。ケーヤクイハンだし?」 「白々しい………………」 「あ、でも報酬次第だかんね。  動画にした方が儲かるなら無許可でそっちに切り替えるし、その辺宜しく」 「………………4人分か?」 「当然でしょ。4人揃ってこぉそぉのブランドなんだし」 「なぁにがブランドだ。どぉせこないだの放火もお前らだろ。  炎上系の癖に気取りやがって、偉そうに。地獄に落ちろ」 「そんな連中頼ってメシ食ってんだし、お互い様でしょー?」 「ハッ。そうだな………………」  自嘲気味の笑いを漏らし、清々しさを湛えた顔で向き直る。  煽った相手も心底楽しそうな笑みを浮かべていた。  厚みを持った封筒を手渡すや否や、協力者は当然の様にひったくる。  苦笑いを浮かべながら、険の無い口調で嫌味を放った。 「じゃ、午後もよろしく。犯罪集団」 「どーも、似非捜査官さん」    別れの言葉もそこそこに、互いに別の方向へ歩み出す二人。  相変わらず白目を向いて横たわる織戸と芒。  それぞれの姿を、上り始めた朝日の反射光が照らしていた。   ・三珠役/遠藤由己(29期)  ハイ。説明不要でカッコよくて面白くて優しい我らが座長です。そして本公演での舞台監督です。そのゴリラとバナナと演劇に対する情熱で皆から愛される凄い方。え、完璧。欠点と言ったら作ったラーメンの生地をサークルの冷蔵庫の中で腐らせる事くらいしか思いつきません(実話。なお物体Xはちゃんと処分されました)。面白い人ってたまに人をダシにして笑いを取る、いわゆる陽なイメージがあるんですけど、この方には一切それがない。絶対に他人を責めないし、本気で人を蔑んでる所とかみたことがないし、ミスをしてもちゃんと注意して許して下さるし、もう、ちゃうかにとって太陽みたいな方だったと思います。リミッター掛けずに暴れて他人様に迷惑を掛ける事が多くて、後会話が苦手でよく人を避けがちな私にも沢山話しかけて下さったり、もう天使みたいな人です。本公演も滅茶苦茶なスケジューリングの所為で予定押しまくって、御自分が泣きたいくらいの状況においても優しい言葉で気に掛けて下さって、もう色々限界に近い様な状況でも絶対に激昂したりせず笑顔を保ち続けて下さった、それらの事へ申し訳ないの気持ちと伝えきれない程の感謝の気持ちが渦巻いております。本当に御迷惑をお掛けしました。そして、本公演本当にお疲れさまでした。  ………………はっ!「役者」紹介なのに役者としてのエンドゥーさんをご紹介出来ませんでした。カッコいいのはそうなんですけど、実際面白い、というかアドリブを多めに入れて下さる方です。  とはいえ今回はその余裕がない脚本でした。いえアドリブが悪かった訳ではなく、そうした「遊べる」部分がないような脚本だったのが良くなかったかな、と思ってます。  なので、その無念を晴らすべく脚本の方を書き換えてみます!  IFストーリー、「もし三珠がアドリブしやすい環境だったら」。 「所有者は実行ファイルをJadでデコポンした、と言ってましたが」 「デコポ………………デコンパイルの事っすか?」 「そうそう、そのデコピン」 「デコンパイルっす。ちょっと遠くなってる」 「ほう、そのデコッパチってのは大変なんですかい」 「いや惜しい。今までのに比べたら惜しいレベル」 「レコンキスタが何ですって?」 「あ大分離れた。イベリア半島の再征服活動は全く関係ないっす大下さん」 「デコレーションケーキですかな?」 「矢盛さんデコしか合ってない。というかあなたもそっち側なんすか」 「えーっと、………………ヒロポン」 「いや原型失ってるっす。何すかヒロポンって。  思い付かないからってデコポンから雑に派生すんのやめて下さい」 「ちゃんぽん」 「クーポン」 「ピンポン」 「じゃんけんぽん」 「NEXCOニシニッポン」 「ポンで畳みかけないで下さい。  そもそも『デコンパイル』にポンつかねーから!」 「えっと、何の話でしたっけ………………」 「忘れてんじゃねーよ!」  結論:話が進まない。  おあとがいけないようで。  本式のIFは後で書きます。予告しよう。長いよ。 ・矢盛役/石英(29期)  入団当初、まだ人間性を獲得しておらず暴れまくっていた頃の私は(今思うと大分失礼な発言ですが)ある方に似ている、と言われた事がありました。無論見境がない分私の方がヤバかったらしいですが………………お察しの通り、その方が■■さんです。一目見たとき「あ、キャラ被ってる」と思ってしまいました。眼鏡、あと敬語キャラ。後者が特に大きかった。しかし聞いて下さい、色んな意味で暴走する私と違って■■さんは落ち着いた凄い人なんです、言わば私の上位互換。ああでも■■さんを私ごときの上位互換だとか言ったらそれはそれで無礼度がマッハ有頂天、どうしよう、みたいな事になったのでとりあえず私はフードとマスクとサングラスを着用しました(全くの無関係)。  この方の普段の振る舞いを見るとまず「人間科学ってすげぇ」という感想が溢れてきます。人間に精通している。どう言えば伝わり、どうすれば動き、何をやっても大丈夫なのか把握しておられる気がします。そして私の取り扱い説明書を持っておられる貴重な方です。通訳さんとして大分お世話になりましたし、この公演中「この方にしか理解できないだろうなぁ」みたいな事も大分お話させていただいた事があります。あと照明の「チーフ補」を務めて頂きました。もう、諸々神の様なお方です。私にとっては最高神。  お世話になった事を箇条書きしていったらそれだけで脚本が一個できるレベルで御迷惑をお掛けしました。役者として?めっちゃくちゃ上手い方です。脚本の理解に掛ける執念と言え、プラス私の脳内を推察できる方なのでもうそれはシンクロです。不明点などどんどん質問して下さって、本当に有難うございました。長台詞ばっかりでごめんなさい、でもカッコよく決めて欲しかった、啓蒙の高いカッコよさを存分に示してほしかったのです!よって後悔はありません、お疲れ様でした!なんて鬼畜な私ぃ! 「それで、話というのは何ですか。久保田君」    昼下がり。  どこにでもある喫茶店。  二人の客が会話を始める。 「………………お願いがあるんです」 「ほう、お願い」 「ええ。自分が、死んだ後の事を」  尋ねた方の人物が片眉をひそめ、もう片方を吊り上げる。  薄布で出来た黒のローブ、頭には二本の蝋燭。  奇態な格好が衆目を集める事は、何故かなかった。  相対する紙袋を被った人物、久保田についてもそれは同様だった。 「死ぬとはまた縁起でもない。一体何に首を突っ込んだんです?」 「………………他愛もない、呪いの類です。  ネット上に転がってて、まだ誰も傷付けた事がない様な」 「それを、消そうとしたのですな?」 「そうです。でも………………」 「上手く行かなかった。なるほどなるほど」  オカルトじみた服装の人物、矢盛。  最も酷薄な、かつ当たり前の言葉を選び、相手に向けて躊躇なく吐き出す。 「まぁ、自業自得でしょうな。  どんな理由があったかは知りませんが、その辺に転がる呪いに手を触れるなどあってはならない事。無論君ならば良く分かっていたはずです。  その上で、なぜその様な真似を?」 「………………子供」 「はい?」 「子供が作った呪いなんです、それは」  矢盛の脳内を様々な推測が去来する。  亜事象………………呪いを含む、超常現象。  それらを構築する知識を子供が得るのも、あり得ない話ではない。  しかしながら。 「一体なぜ?」  爆弾を作る知識を偶然手に入れた子供、そのどれだけが実際に爆弾を作ろうとするだろうか。倫理的な問題は省くにせよ、手間は掛かる。一歩間違えれば自らの身に危険が降りかかる。「面白そうだから」という目的だけで殺人兵器を完成させる物は、まずいない。  誰かに殺意でも抱いたのだろうか。それでは「誰も傷付けていないまま、呪いがネットに流れている」状況と矛盾する。誰を狙って?  久保田の答えは、そうした矢盛の疑問を更に深める事となった。 「芸術………………多分、そんな感じだと思います」 「どういう意味です?」 「その子は、その呪いを一つの作品として完成させたんです。  誰かを殺すことも、その一部として」  要領を得ない答えが返る。  様々な疑問を飲み込み、矢盛は最低限の解釈で応じた。 「………………ただの子供では、ないと」 「ええ」 「しかし、それならますます意味が分からない。  君、なぜそんな人物を敵に回したのですか?自分の命すら危険に晒して」  沈黙。  紙袋の上から、その表情は窺い知れない。   「………………守りたかったんです」 「誰を。何から?」 「その子をです。このままだといずれあの子は、あの呪いは、誰かを傷付ける。それだけじゃ済まない、いずれあの子自身も復讐に遭って殺される。  誰かを殴れば殴り返されて死んでしまう、それをあの子は!」 「お、落ち着いて。あ、どうもすいませんね店員さん。  ほら。一旦食べて落ち着きましょう」 「あ、すいません………………」  立ち上がっていた久保田が気を取り直し、椅子に座る。  紙袋の所為で悪くなった視界は、プレートを持ったまま困惑する店員の存在を捉えていなかった。  矢盛の注文はパンケーキ。久保田はフレンチトースト。  すぐさまナイフ��入れ、舌鼓を打ちながら互いに考えを整理する。  もきゅもきゅ。  全てを胃袋に収める頃には、矢盛はある程度その理解を纏めていた。  紙ナプキンで口元を拭い、再び話を切り出す。 「つまり、アレですな。  亜事象世界のシンプルで残酷な掟からその子を庇護したかったと。  その子、ひいてはその呪いに関わるにあたって、どうしても君自身が狙われる必要があったと」 「ええ。道を踏み外したとはいえ、あの子にはそれだけの才能がある。  若い芽が摘まれるなんて、俺には耐えられない」 「正義感の強い君らしいですな。  誰かを殺めようとする子供すらそこまで気に掛けるなど。  しかし、才能というのは呪いを作る事だけですかな?」 「どういう事です?」 「いや何。先程から話を聞いてみると、何か君自身その呪いに感銘を受けた節が感じられると思いまして」 「………………一つ、見ていただけますか。  呪いに関わる画像なので、あまり」 「その程度気にしていたら亜事象家などやっていられませんよ。是非」  促され、久保田はポケットから一枚の紙を取り出す。  画像がプリントされたそれを見て、矢盛はただ美しいと感じた。  中世のそれを思わせる、ファンタジー的な街並み。  山肌の質感。自然な光。現実には存在しえない、だが「何処かにあってもおかしくない」とすら感じさせる趣ある建築。細部に至るまで生々しく描写された人、生物、その他全て。  最新のCG技術ですら再現出来ない程の光景、一枚の紙に映し出されたそれですら矢盛の心を掴むには十分だった。 「ほう、なるほど……………亜事象で生成した光景、ですか。  ここまで見事な物は見た事がありません。しかし、呪いと何の関係が?」 「呪いのゲームのスクリーンショットです。  この世界の中で悪行を犯したプレイヤーは裁きを受ける」 「何と。要はグラフィックがめちゃくちゃ綺麗な呪い版UNDERT〇LEと。  はー、確かにこれは危険ですな。良い評判に騙されてその辺の一般人が手を出してしまうかもしれない」 「でしょう?  こんなに美しい物が作り出せる子なのに、勿体ない」 「ちなみに『子供』というのは、何故?」 「追われてる時に何回か姿を見ました。  やってる事と言い体格と言い、少なくとも大人じゃない気がして」 「ほーん………………」    納得しかけた所で、本題から逸れた事を思い出す矢盛。  そも、久保田から自分に託された願いとは何であったか。  AM6:00。  日が昇り、矢盛は「吸血鬼」の亡骸が崩れ去るのを確認する。  亜事象の研究家として適宜警察等の公共機関に協力し、必要に応じて自ら手を下してほしい。  丸投げともとれる雑な願いに対し、事実矢盛はやり遂げるに至った。  身勝手に命を賭け、死んでいった久保田。  その行いに、何らかの意味があったのか。  確かめる術もないまま、弔いを胸に矢盛は佇む。  もう、あの姿のままで相まみえる事はない。  路地裏の静寂が、惜別の情を静かに包んでいた。  昼下がりの喫茶店。  甘味を味わい尽くし、席を立とうとする二人。  今生の別れを前に、矢盛が希望的観測を口にする。 「時に、久保田君。  怨霊を、信じますか」 「………………信じます」 「そうですか………………」  根拠もなければ、証拠もない。  ただ、「そうであれば良い」だけの噂。 「この世界は、産み落とした物を無碍にはしないそうです。  例え姿形が変わろうとも、今ある物は残り続ける」    矢盛が久保田から視線を外す。   「いずれ、また会いましょう。  互いが互いに出来る事をやり尽くした、その後で」  その声は、心なしか震えていた。  応える久保田も、また死の恐怖を掻き消すように声を張る。 「ええ。負けません。  必ず、この世に想いを遺します」  それが、矢盛の聞いた久保田の最後の一言となった。 ・玉池役/堀文乃  らめるさん。お世話になるのはシザーズ以来ですね。  いや、プロです。上手い。それっぽく投げたイメージの解像度を物凄く引き上げて下さる神です。それだけに学生役にとどめるのが申し訳なかった。前座コントで見た様な虚無感の演技然り、もっと幅広い顔があるはずなのにそれを見る事が出来ないっ………………!!!!あ、ああ悪役!次は悪役をお願いします!!!フリーが濃すぎた影響か、今回の役は割と常識的に見えたかもしれませんがホントにすごいんです。楽しみ方とか喜び方とか満面の笑みがもう輝くような感じだし、「草」の言い方とか「あミスった」とかすごい自然だし、推しに遭えた感情で限界に達するムーブとか安易に共感できて、もう玉池やってもらってよかったなぁと。配役に関する個人的な妄想をもう少し広げると、そうですね………………次はめっちゃクールな役も見てみたいし、自然に微笑みながらサラッととんでもない事を語るようなにこやかサイコパスも見てみたいし、逆に怒涛のツッコミをお任せしまくるのもいっかなぁ、あーでも笑顔が見れない、何をお願いしても笑顔で演じ切ってくれそうな感じがあるからこそその笑顔がもっと輝いてほしい、はぁよすぎでしんど。でも一番しんどいのは勝手に色々言われてるご本人かもしれませんね。この辺で止めにしときます。 ・多賀役/岡山桃子  この方の優しさをフルコースで体験しました。いや音響。音響。舞台上の役者の動きに合わせて音が鳴ったりするんですが、今回はその回数が3桁を超えたそうです。やーすごいですね。誰のせいなんでしょう。下手人は大集会室の床に土下座の要領で頭を叩きつけまくって脳漿をぶちまければいいのに。すいません私ですごめんなさい。でも全然キレないんですこの方。慈悲の化身か。本当にしんどい思いをさせて申し訳ございませんでした。  役者としてですが、可愛らしい役をする事が多い方だと思ってます。それだけに今回はただ可愛いというよりも大人しい感じの役だったというか、そこまであざとさに向いてなかったというか、むしろカッコいい部分もあったかもしれない?スタッフワークとかで人間性的なカッコ良さを発揮する人が舞台上でそうなれないのに耐えられなかったんだよ!!!!!(謎の告白)何でしょうね。そう考えると今回はまだ役にイケメンさが足りなかったかも知れないです。でもいつかどちゃくそイケメンな役を演じさせてみたい。そして全国のみこた………………みこさんランドの住民の村を焼きたい。見てみたくないですか?私は見たい。  久保田inにその片鱗はあった気がする。目覚めよその魂………………!! ・中西役/lulu  ラブノートからの………………ペチカさんの所でコレ書くんだったー!!先に言っておくと、luluさん/児玉桃香さん/中戸太一さん/サミュエル・ツヤンさんの4名とは2018オムニB脚本「LOVE NOTE」メインキャストからの仲です!なのでこの5人はこの脚本に揃ってました!懐かしー!  え、役者として?この御方を誰だと思ってるんですか。luluさんですよ。初登場からその圧倒的なカリスマ性で固定ファンを大量に獲得、今やその影響力は政財界の域を超えを揺るがさんとしているluluさんですよ?真実はさておき、私も稽古場で「ルルさんに逆らうんですか?」という脅し文句を使った事があります。怒られました。いやでもカッコいい。キャスパも凄い。一回ぐらい主役やってほしい。というか最近「殺されるならこの人かな」みたいな感情が芽生えてきています。気持ち悪いですね。今作ではツッコミ役の学生としてこれ以上ないほどリアルで引き締まるような演技を披露して下さいました。  本公演では演出補佐も務めて下さいました。そう考えると演技面ここどう思いますか、みたいな感じでもっと御意見を求めれば良かったのかな、と思うシーンが山の様にあります。いやでも十分ですね。キャスパしかり、学生サイドの監修しかり、「一つのシーンが演出の手を経ずにほぼほぼ完成する」という夢の様な事例を作って下さってありがとうございました!luluさん最高!  マッカブランカによる前代未聞の生放送企画から3週間後。  一切の情報を残さず、件の4人は消息を絶った。  遺されたのは、一瞬の安寧。  あるいは……………… 「玉池ぇ、いい加減立ち直んなよ。  別にマッカが死んだって決まった訳じゃ………………」 「アァアァアァアァァァ………………」 「しょうがないよ。あれからすっかり落ち込んじゃって。  夜も眠れず食事も喉を通らない、唯一体が受け入れるスタバの新作メリーストロベリーケーキフラペチーノで辛うじて生きながらえてるんだって」 「弱ってるにしちゃ主食がハイカロリーだな」  あるいは、死んだ目の玉池。  生気を感じない瞳の下には幾重にも隈ができ、顔色は青白さを通り越して純白、あらゆる問いかけに対して「マッカしゅき」としか返さぬ有様。  ゾンビ。  端的に表現すれば、それそのものとしか言い様がなかった。 「どうすんのコイツ。てか何でこんななってんの?」 「何日か前からおかしかったっちゃおかしかったんだよね。  最初こそ『大丈夫。マッカは生きてる』って怖いくらいの笑顔で言ってたんだけど、段々『マッカニウムが足りない』とか『まばゆい推しの記憶があたしを生かし、同時に苦しめるんだ』とかうわ言いい出すようになって」 「しまいに教室のど真ん中でカッター持って『我ガ臓器ヲ捧ゲマッカヲヨビダス』とか叫びやがった、と」 「止めてなかったらホントに切腹してたかもね………………」  多賀が玉池の様子をみやる。  焦点の合わぬ視線が虚空を見据え、時に痙攣しては弛緩していた。  その様に呆れ、中西が眉間を指で抑える。 「勘弁してよ………………このままじゃウチらまで変人扱いじゃん。  玉池、どうしてもマッカじゃないとダメなn」 「いい訳ないでしょぉおぉぉぉおおおお!!?!?!?!?!?!?」 「うわっ………………」 「二度とあたしに向けてその言葉を放つな、それはあたしにとっての禁句だ、いいか。故郷に替えが利かない様に」 「おかえり玉池」 「ただいま多賀。一生の推しはずっと代えられない。他人がどうだか知らないけど、あたしにとっての推しYoutuberは今後一生、何があっても絶対、どんな不幸や災難があたしを襲おうとも、間違いなく、確実に、マ、ッ、カ、ブ、ラ、ン、カ、だ分かったかぁ!!!!!」 「離せ」 「あいだだだだだだギブギブギブ!!!」  激昂しながら中西に掴み掛かり、結果手酷い反撃を受ける玉池。  野に咲く花を見るかの様な面持ちで眺める多賀。  最早、日常であった。  関節技を解かれるや否や、玉池が喚く。 「あー中西余計な事すんなよぉ、何も言わなきゃあたしは今も虚ろで空虚な夢の中を一人さみしく泳いでいられたのにぃ」 「『虚ろ』と『空虚』は同じだよ」 「るっさい。あー、やだなぁ。これから何十年もマッカのいない世界を生きてかなきゃいけないのかぁ。退屈だなぁ、いっそ死んでやろうかなぁ。しかし死ぬと言っても色々方法はある。転落、焼死、窒息死………………」 「お前は何がなんでも過去公演ネタをやらないと気が済まんのかい」 「え、じゃあ何?信じてればいつかあたしの目の前にドラゴンに乗ったマッカブランカの4人が来てくれるとでも?」 「いや知るかよ。勝手に信じてれば」 「ハクジョーな事いうなよー友達だろー?」 「とち狂った挙句クラスみんなの前で割腹自殺しようとするような奴を友達とは呼びたくない」 「ひどい………………え待って何の話」 「記憶すらねーのかよ最悪だな」 「二人とも」  縋りつく玉池、邪険にする中西。  二人が、多賀の声によってようやく異変に気付く。  周囲を見れば、クラスメートも同様に騒いでいる。  薄暗い。    教室のみならず、学校全体を覆う影。  窓から見えるは硬く、煌びやかに輝く固い鱗の群。  古典的RPGじみたドラゴン。  何かを振り落とさんと、必死に暴れ翔んでいた。  そして、その背中には。 「視聴者のみなさーん、おっひさー!  待たせたお詫びに今回は特大スペシャル!何とみんなの目の前でドラゴンの解体実況をやっちゃいまーす!いぇーい!」  多賀や中西にとっても見覚えのある、クロスボウを抱えた小柄な人物。  背後にはいつもの3人。  謎の空撮ドローンに向かって手を振りながら声を張る、その様は。    玉池が、弾けた。  枯れかけた草木が生命の輝きを取り戻すかの如く、弾けた。  肌は瑞々しさを取り戻し、四肢には宿るは火事場の馬鹿力。  特に邪魔だった訳でもない中西の足を掴んで持ち上げ、後ろに放り投げる。  宙を舞う中西。  飛距離は5m。  壁に激突。  駆け寄る多賀。  唖然とするクラスメート。  それら全てを完全に意識から外しながら、玉池は。  力の限り。  喉が割れんばかりの大声で、叫んだ。 「マッカじゃああぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁぁあぁああぁあぁあぁあぁああぁぁぁああああっぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁっぁあぁああぁあぁぁああああああぁあぁぁあぁあぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁあぁあぁあああぁぁああぁああぁああぁあああああああああぁああぁあぁんっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」    教室のガラスが、一斉に吹き飛ぶ。  クラスの大半が耳を抑え、うち幾人かは失神する。  数百人分のそれに匹敵する声量の応援を受け、レミがそちらに手を振る。  玉池の視力、今や5.0。  無論その仕草を捉え、その精神が天へと召されゆく。  推し、即ち神。  自らの声が神に届けられる。  この世の何物にも耐え難い自己肯定の証左、狂おしい程の悦楽に呑まれながら玉池は有頂天であった。    ふと、側頭部に違和感を覚える。  足。  どす黒い殺意を纏った中西の飛び回し蹴りが、玉池の頭蓋に横から深く食い込み、破壊する。  必死に止めようとした多賀は、既に振り払われていた。  ああ、何だ。  たった、それだけの事か。  意識が、徐々に霞となって消える。  机や椅子を薙ぎ倒し、玉池の体が床へと零れ落ちる。  暖かい布団に包まれ、微睡みに墜ちるかの様に。  怒り冷めやらぬ中西の幾度とない踏み付けを食らっても、なお。  玉池は、笑顔であった。      ………………駄目だ。耐えられない。  一つのキャラにつき一つの物語を書かないなんて、そんな馬鹿な。  待てよ、僕の仕事は………………こんな風に、想像する事。  文字によって、頭の中の世界を描く事じゃなかったか?  そうだ。  何を忘れていたんだろう。  これはあくまでも本編後のアフター/IFストーリー。  役者紹介は、その口実に過ぎない。  ハ………………ハハハ。そうだ。それこそが、僕の! 「ちょっと待って」  ………………誰だ? 「お世話になった人、迷惑をかけた人。  その人たち全てに感謝と謝罪の念を述べ、過去を供養する事。  その大切さを、君は忘れている」  何を、言って………………ぐっ!?  ぐ、ぐあ………………あが、ぐあぁあぁああぁああぁああ!!!  できません………………  私の仕事は、公式二次創作を、書く事だから………………!!! 「違うって。  君の仕事は、役者紹介だよ」                                      -transmission complete-  ぐ、ぎゃぁあぁああぁああぁああぁあ!!!!!!!  あ、あ……………… 『メタフィクション:ザ ゲーム』に、接続。    マジですいません。  流石に十勇士ぐらいはまとめます。
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eelica · 6 years
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今年の10曲(アイドル編)2017
では今年のBest album 15枚に引き続き、2つ目の今年���10曲(アイドル編)に行きたいと思います。 まず大前提として、1グループ/アーティストから1曲というのを決めてます。あとアルバム15枚に含まれている曲は選ばないようにしています。 ちなみに2015年版、2016年版です。アルバムと同じくリリースの日付順に並べています。 01.믹스 (MIXX) - 사랑은 갑자기 (Love Is a Sudden)
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Chiko Entertainment所属、中国の浙江華策影視(ファチェクメディア)がプロデュースした5人組ガールズグループMIXX。元々は4人でしたが5人になりこの曲でカムバック。3人中国人、2人韓国人の構成です。 あまりメンバーの事を知らないので調べていたら私が全面的に信用しているアジア圏のアイドルについて書いているMuMuMagさんのこの記事が完璧にカバーしていたので詳しくはこれを見て下さい。 2016年に出たOh Ma Mindもこの曲も、どちらも自分のミックスに入れるぐらい本当に好きで、程よくゆるい雰囲気をうまくR&Bで表現出来ている曲だなと思います。全く無名の事務所でもこのクオリティの曲を出して成立させられるK-Popに懐の深さを感じます。 (もう解散しちゃったグループですが)メンバーの平均身長がかなり高く、リアが175cm、ミアが174cm、一番小さいヒユでも160cmで、ダンスプラクティス動画なんかを見るとヒユがめちゃくちゃ小さく見えます。私は背がでかい女性は最高!思想なので、韓国のガールズグループは背が大きめの女性が多くて嬉しい限りです。
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ちなみにこの曲発表以降、3月半ばに突然グループの解散が発表されました。主な理由として、中国側のパートナーが一方的にパートナーシップを終了し中国人メンバーを無断で中国に帰国させ、韓国側は努力したが中国側が全く応じてくれず仕方なく解散になった、とのことでした。その時のニュース記事がこちら。記事にも書いてあるように2016年頃からTHAAD(終末高高度防衛ミサイル) 問題による韓中間の政治的問題で、香港やマカオなどを除く中国大陸内での韓国アーティストの公演等はほぼ全くと言っていいほどになくなったり、中国の音源サイトでもK-popというジャンルが抹消されるなどの動きがありました。2017年10月には関係修復などのニュースもあり、以前ほど悪い状況ではないようですが、昔からどんな事務所でも中国人メンバーの脱退などは一悶着ある事が多いので、かなり難しい問題かとは思いますが今後はこのような事が減ると良いですね。 02.비투비 (BTOB) - MOVIE
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Cube Entertainment所属の7人組ボーイズグループBTOB。アルバムFeel'eM収録のタイトル曲MOVIE。 音楽番組で初1位を獲ってから歌い上げる系の曲が多かったBTOBですが、ついに、こういう曲調の曲がやってきた!!!!年末にある授賞式でバラード賞を獲るほど歌は上手いのですが、それ以外にも作曲やラップの才能があるメンバーもいるグループで、色々な面を見せる事が出来るのにそれを活かせないのは勿体無いなと思っていたので、この曲が発表された時本当に嬉しかったです。もちろん以前から良い曲はたくさんあるのですが、ここ2年ぐらいでK-Popにハマった方はこの曲が出るまで授賞式のレッドカーペッドで面白写真を出すグループという認識だけだった方も多いのでは…。 作曲はラップ担当のイルンと、아이엘(IL)。ちなみにアイエルというのは、元C-ClownのRay(キム・ヒョニル)。ヒョニルの最後のイルを取ったのかな…。アルバム15枚の記事見た方は分かると思いますが、C-Clown、才能の宝庫なのでは…?となりますね。個人的にはこのコスプレをしている時のステージがとても好きです。
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あとBTOBは日本活動もかなり活発にしていて、この曲の日本語版も出たんですが、これがK-Popアイドルの日本語曲にしては"例外的に"とても良いです。
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イルンのラップ(0:39~)の違和感のなさ!!!ミニョクのラップ(2:01~)は韓国語版とフロウもかなり違うので最初聴いた時はびっくりしましたが、Mnetのインタビューで自分で書いたと答えていたそうで(ソースがなくてすみません)、才能!?!?!?!?となりました。 このアルバムの発売後に、メンバーが一人ずつソロ曲をリリースしていくPiece of BTOBというプロジェクトも発表になり、誰の曲も本当に良かったんですが、個人的にはプニエルのThat GirlとイルンのFancy Shoesが好きです。(しかし何故か2人のはちゃんとしたMVがない…。)
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ソロプロジェクトで全員曲が出た後にBrother Act.というアルバムを出していて、アルバムが出た直後に1theKチャンネルの最高企画、Run to you(アイドル達が色々な所でゲリラライブをする企画)に参加し、動画が上がりました。(Run to youシリーズマジで本当に最高なので、youtubeで런투유と検索して是非見てみて下さい。ほとんど日本語字幕ついてます。私は特にWINNERのReally Really回とKISUMのYou & Me回が好きです。)ソウルの若者の街、新村の交差点でBrother Act.のタイトル曲그리워하다(Missing you)とMovieを披露しています。私でも行ったことのある、あーあそこか!となるような場所で、突然こんな事が起こったら…と想像して少しドキドキしたりしました。
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03.갓세븐 (GOT7) - Q
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(フルバージョンのステージがなかったので7人いるこちらを。フルバージョンのが全然良いので是非音源聴いてみて下さい。どうでも良いですがこの時のステージはタイ人メンバーBamBamがものもらいになりサングラスをかけて出演した回です。) JYP Entertainment所属の7人組ボーイズグループGOT7。FLIGHT LOG3部作のうちの最後、FLIGHT LOG : ARRIVALに収録のQ。 今年は香港出身のジャクソンが中国でソロ活動を始め、今後は日本活動に参加しないと発表したことが話題になりました。 Qは作詞作曲がDef soul(リーダーJBの制作時の名義)、Mono Treeという作詞作曲家集団のGDLO。(Mono Treeに関してはこちらの方の記事が分かりやすいかと。) GOT7は他のメンバーも作曲や作詞、振り付けに参加したり、良い感じで後天的な自作アイドルになってきたなという感じがします。Def soulはFLIGHT LOGの1作目、DEPARTUREから名前が載るようになり、2016年のベストアルバムでも挙げたHomerunなんかもDef soulが作曲に関与しています。 このQのステージは、どの回を見てもみんななんかニコニコ(ニヤニヤ?)してて見てるこっちも楽しいし、とにかく多幸感がすごい曲です。 公式の動画ではないですが、6月にタイで行われたツアーでのQの動画。
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バンコクはムアントンタニの1万人収容出来るインパクトアリーナです。コンサートで使用される会場ではバンコク内で2番目に大きい会場で、タイ人メンバーがいるというのもありますが、とにかくタイでの大人気が伺えます。個人的に好きなのでタイには年1、2回行くのですが、バンコク中心部の鉄道駅に広告がでかでかと貼り出されていたり(韓国のファンがお金を出して掲示するようなものではなく飲料会社の公式のもの)、音楽チャートランキングトップ10で洋楽ばかりが並ぶ中6位に韓国語の彼らの楽曲がチャートインしていたりします。 もちろん理由は色々あるでしょうが、ジャクソンの日本活動不参加は他のメンバーに比べて中国での活動もあるのに日本語曲をプラスで覚えないといけない等言語的な面での負担もあるでしょうし、タイなら曲は韓国語のままでいいし、タイでこれだけ人気だったら日本語オリジナル曲を出したりここまで力を入れて活動しなくても良いのに…とも思いますが、程々にお金を出してくれる人がそれなりの数いるというのは大切なんでしょうね。(タイは貧富の差が大きく出してくれる人は出してくれるがトータルすればきっと日本のが多い。勿論私の感覚です。) FLIGHT LOG : ARRIVALの次のアルバムとして7for7というアルバムを出したり、7つをくっつけると1つになるネックレスを作ったり、「7」をやけに強調する行動を取っているので、今後が本当に心配です。(ちなみにJYPにはDAY6というバンドベースのグループもおり、1人脱退しメンバーは今5人…。日本デビューが決まりタワレコがめちゃくちゃプッシュしてます。) 年末の年越し歌謡祭でのTeenagerのステージがめちゃくちゃカッコよかったので貼っておきます。
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04.빅스 (VIXX) - 桃源境 (도원경)(Shangri-La)
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Jellyfish Entertainment所属の6人組ボーイズグループVIXX。 2016年は今年の10曲にも書いたようにグループでたくさんミニアルバムを出しましたが、2017年はVIXX LR(メンバーのLeo、Ravi)やラビのソロ活動などもありVIXXとしてはこの曲が入った桃源境(アルバム名)1枚のリリースとなりました。 韓国のアイドルグループは特に毎回違った雰囲気のコンセプトを掲げてカムバックすることが多いですが、VIXXはここ何年か世界観の作り方が他のグループに比べて異常に凝っているなと感じます。平均身長183センチでみんな訳分かんないくらい足長いし、それぞれが雰囲気を持っているので、プロデュースする方も楽しいだろうなぁと思います。だからこそ日本活動での適当なバラードが許せない。(あくまで個人の感想です。) 2017年の大晦日にあったMBCというテレビ曲の年越し音楽番組でやった桃源境のステージが本当に本当に凄くて、とりあえず見て下さい。
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赤いアイメイクの最高さ、そして扇子のバサッて音に思わず声が出てしまう…。9月に横浜アリーナで開催された、色々なグループが出演するKMFという公演でVIXXを初めて生で見て、しかも桃源境も見たはずなのに、こんな良い曲というかパフォーマンスに合った曲だったっけ…?みたいになりました。このパフォーマンスが好評で話題になり、動画サイトでの他のステージも含めて再生回数が一気に跳ね上がり、年が明けて1月6日の音楽番組で再度披露することに。韓国の音楽番組はそのステージや音楽番組が終わるとすぐにYoutubeに動画が上がることで有名(?)ですが、局によっては別で定点カメラや誰々フォーカスカムなんていう物を準備している所もあります。ということで1月6日の音楽中心(音楽番組の名前)での桃源境定点カムを貼っておきます。
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桃源境の動画だらけですが、この1theKのLet's Dance企画のやつも、今までの気合の入った彼らからは想像の出来ない騒ぎっぷりが楽しめますので是非どうぞ。日本語字幕付きです。
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前述のVIXX LRのアルバムWhiper、RaviのソロアルバムR.EAL1ZEもまた違った方向性で良いので是非聴いてみて下さい。 05.아스트로 (ASTRO) - Baby
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Fantagio所属の6人組ボーイズグループASTRO。FantagioはPicturesやMusicとレーベルが分かれていて、Fantagio Musicの方はもともとHellovenusというガールズグループを管理するためにPledisエンタと合作して作った会社で、Pledisが手を離したためFantagioの子会社になったそうです。元々はN.O.Aという名前の俳優事務所として始まり、その部分がFantagio Picturesになったそう。なので今も役者を何人も抱えています。 ASTROは2017年2枚のアルバムを出して、1枚目のタイトル曲がこちら。2枚目のタイトル曲Crazy Sexy Coolも本当に良くてどっちを選ぶかとっても迷いましたが、この爽やかさを上手くこなせている感じからこっちかなぁと。でもCrazy Sexy Cool(個人的にはめっちゃTLCを思い出す)もめちゃくちゃ良い、少し大人になったASTROって感じなので良かったら見て下さい。
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個人的にはデビュー時からASTROはこう、今一歩、爽やかさはとっても良いんだけど曲がいまいちピンと来ない状態が続いていたので、ここでドンピシャのものが来て勝手にとても嬉しがりました。2017年はLAでやったKCONでのダンスステージがとても良かったのが特に印象に残っています。(公式の物がなかったのでファンカムです)
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この2番目に踊ったラキがバレエやジャズダンスをやっていたので、あまり他の子たちがやらないような振り付けをダンスに取り入れていてとても目を引きます。ターンが本当に綺麗だなといつもダンスを見ていて思います。2016年にMnetでダンスに秀でたアイドルの子たちが出るHit the stageという番組があり、そこでのステージもとっても良かったです。
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海外のファン向けにやっているArirang TVのAfter school clubという番組で披露したムンビンとラキのダンスもとても好きです。
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Fantagioはつい先日、代表のナ・ビョンジュンが最大株主である中国系企業に一方的に解任されたとニュースになりました。Weki Mekiという一番後輩(デビューして日の浅い)のガールズグループはカムバック予定が無期限延期になったりと、既に活動に影響が出てきていてかなり心配な状況です。 06.Knock - 열어줘(Open Up)
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これは実に説明が難しい…。プデュという社会現象…。青春…。MnetというCJグループの持つチャンネルの、Produce101というサバイバル番組で、最初101人の練習生から最終的に11人に絞られ、グループとしてデビューし期間限定で活動をするという企画を、2016年に女子が、2017年に男子が対象となり実施されました。 女子はI.O.Iというグループとして11ヶ月活動し解散、男子はWanna Oneとして現在活動中です。 番組の序盤はみんなの知っている定番曲のダンスを考えたりアレンジしたりしながらこなしつつ段々と人数が減っていくんですが、35人になった時点でわざわざオリジナル曲が5曲与えられ、グループに分かれてみんなでステージを作っていきます。その中の1曲がこちら열어줘(ヨロジョ)。作曲はVIXXのFantasy、The Closer、桃源境、HotshotのJellyなどを作り、BTSのFireやEXOレイのwhat U need?、SHEEPの作曲に携わったDevine Channel。一番組の何分かのステージにわざわざ最前線のトラックメイカーが曲提供してくれるって凄いですよね。2017年のアルバム15枚のLOONAの所でも書きましたが、ちょうどJinsoulのSinging in the rainが出るタイミングと重なって、早くDJでつなぎたい!と思った良いFuture bass2曲が同時期に出ました。 メンバー(?)を最終順位の順番に書くと、MMOエンタ所属のカン・ダニエル(1位)、Pledisエンタ所属かつNU'ESTのカン・ドンホ(13位)、BrandNew Music所属のイム・ヨンミン(15位)、CUBEエンタ所属のユ・ソノ(17位)、Crekerエンタ所属のチュ・ハンニョン(19位)、Choonエンタ所属のキム・ヨングク(21位)、Starroadエンタ所属の髙田健太(24位)です。順位を決めるのに韓国の電話番号を持った、国民プロデューサーと呼ばれるファンたちに投票券が与えられ、普段アイドルに興味のない幅広い世代まで投票に参加し半ば社会現象となりました。韓国の電話番号を入手するのはなかなか難しく、日本でこの番組を追っていた人たちは自虐して自分たちのことを非国民などと言っていました。 5曲中この曲が現場投票で一番票が入り一位になったので、Mnetの持つM Countdownという音楽番組でステージを披露しました。
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カンドンホは既に2012年にNU'ESTとしてデビューし活動してきましたが、それ以外の子達はみんな練習生という。ユソノに至っては15歳で練習生期間半年…。まだ少しぎこちなさは感じますが、この番組をきっかけに知り合った子たちとここまでのステージを作れるというのは本当に凄いし、韓国のアイドルの層の厚さを感じます。 途中披露したステージも練習生の子たちが大半とは思えないクオリティの高さで、特に好きなものをいくつか貼っておきます。 Super JuniorのSorry Sorry
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BTSの상남자(Boy In Luv)
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2PMの10점 만점에 10점(10 out of 10)
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オリジナル曲も全て曲としてとても良いので、是非。 プデュ1では「PICK ME」だった表題曲がシーズン2では「나야나 (PICK ME)」(ナヤナ、俺だ俺という意味)となり、その後も一部ではよく使われる流行語と化しました。シーズン1の時も最初聞いた時はダッッッサイ曲だなぁと思いましたが、相当中毒性の高いEDMで、番組を見進めながら各所で刷り込まれると、最後には無条件に好きになっているような曲です。
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男子のナヤナがこちら。
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この動画見て思い出したけど、メインMC?アドバイザー?みたいな立ち位置の人が、女子はチャン・グンソク、男子はBoAなんですよ。チャン・グンソクはちょっと説得力に欠けますが、日本の私の世代なんかは誰でも知ってるように、BoAの説得力は本当にすごい。的確な人選だったし、よくBoAもその役を受けたなと思いました。 プデュ2が放映当時、日本のものも含めてこんなにリアルタイムでテレビ番組の生放送を追ったのは小学生ぶりとかで、最終回の放映時にどこか場所を借りてみんなで見ようかと企画しそうになった程入り込みました。番組側での票操作疑惑など色々悪い噂もありましたが、(友人がよく言うのですが)追っていた当時は青春だった…。 この社会現象に乗り遅れるな!と他の放送局もMixnineやThe Unitなどのサバイバル番組を始めましたが、練習生やデビューしてすぐの今まさにグループとして活動しなきゃな子達、再起を試みる子達とごちゃごちゃでイマイチ視聴率も人気も上がらずな状態です。 そして2018年、この流れを汲んだ(Produce101シーズン1と2の番組プロデューサー監修の)AKB48の出演するサバイバル番組「Produce48」が始まるそうで、AKBファンもK-PopファンどちらにもWin-Winの逆でzero sum gameっていうかマイナス…?一体どうなってしまうのやら…。という感じです。 07.VAV - ABC (Middle of the Night)
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A Team Entertainment所属の7人組ボーイズグループVAV(読みはブイエイブイ)。VAVはかなりメンバーの出入りがあり、7人→8人→7人→6人→7人とこんな感じの人数変遷です。 2017年2月、Monsta Xを作るためのサバイバル番組NO.MERCYに出ていたユノ(VAVではエイノという名前)がVAVに加入することで一瞬話題になりました。更にこのタイミングでRyan S. Jhun氏を統括プロデューサーに迎え入れ方向性の大刷新を行いました。今までの楽曲のうーん、悪くないんだけどピンとこない…状態だったものが、明らかにRyan S. Jhun氏を入れたことで音源が強い(?)グループとなりました。彼のWikipediaを見れば明らかですが、SHINeeのViewを作ったLDN Noiseの次に名前が連ねられていたり、Married to the music、Red velvetのDumb Dumb、NCT Dreamの마지막 첫사랑 (My First and Last)、EXOのTouch itなど近年のSMのヒット曲には大体作曲で参加しています。と、いうことでユノが加入して満を持して2月に発売されたシングル曲がこれ。
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クラップの音とベースがMarried to the musicを彷彿とさせます。めっちゃ良い曲。次。5月に出たシングル。
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レゲエです。これをこなすの、凄いな…。正直ダンスがこれでしっくり来ているのかどうかは分からないです。(一応ダンスバージョン)
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そして7月に出た今回のABC。コード運びなんですかね?とにかく多幸感が凄い。AstroのBabyとかもそうですが、多幸感が凄いソングが本当に好きなので、もうこの曲は本当に最高。そして11月に出たシングルがこちら。
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シングルしか出してないにしたってこんな毎回めちゃくちゃ良い曲出すグループいないですよ。Ryan Jhun様々…。 今後も良い曲を期待しつつ、そこが一番難しいんですが、もう少しグループとしての人気も出るとより良いなと思います。 08.소녀시대 (Girls' Generation) - All night
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SM Entertainment所属の9人組ガールズグループ少女時代。ってそんな説明をする必要もないと思いますが一応。今年のアルバム15枚のソヒョンの所でも書きましたが、今は5人です。 Holidayという曲が今回のアルバムのタイトル曲で、どちらの曲も80年代!バブリー!最高!って感じなのですが、All nightの一晩中遊ぶぜ!踊るぜ!からのサビのベースラインが突然マイナー調でディープハウスっぽくなる所がより好きです。 この曲にはDocumentary Ver.も存在し、メンバーそれぞれが本人にとって少女時代とは、初舞台がどうだったかみたいなインタビューに答えていて、解散前の最後のアルバムになるんじゃないかという方もいましたし、実際私もそう感じました。そしたらまぁ解散ではなく3人が契約満了って結果でしたが…。笑(笑い事ではない) アルバムも全体を通してとっても良くて、もうそうなってしまったから言えるけど8人での最後のアルバムがこれで良かったのではと個人的には思います。 しんみりしてしまった���前述のHolidayの音楽番組のステージを見ましょう!
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このもうデビューして10年の少女時代というグループの子達に大阪の��ばちゃんが着てそうなうるささの衣装を着せてスニーカー。スタイリスト凄い。 スヨンがかろうじて似合ってるかな…いや…みたいな感じです。でもこんなあっぱれな曲出来るの、今SMには少女時代かSuper juniorぐらいなので役割を果たしてる感じがして私はとても好きです。しばらくはまたソロの活動が多いのかなと思いますが、5人でアルバム出すのかなぁ…。2017年末に統括プロデューサー、イ・スマンがベトナムで基調講演を行い、NCTベトナムチームを作るなんて言ってましたし(ソース)、今年もSMの動向が気になる所です。 09.EXID - Too Good To Me
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(MVなどがないアルバム曲なので、カムバックショーケースで歌ったこちらの動画を) Banana Culture Entertainment所属の5人組ガールズグループEXID(VAVと同じく読みはイーエックスアイディーですよ)。今はリーダーのソルジがバセドウ病で一時的に活動休止中です。この曲が入っているアルバムFull Moonの録音には参加しましたが、音楽番組出演など活動には参加せず、2018年年初に手術を控えています。すぐ治るような病気ではないですが、今年は活動に復帰出来ると良いなぁ…。 曲は聞いて分かるように2step。(2stepに関しては2016年のベストアルバムのSHINee、1of1の所で言及してます。)しかも作詞作曲をラッパーのLE(エリー)がやっています。自分のラップの詞はもちろん、他の曲の作曲にもたくさん携わっています。彼女はプロデューサーでもあり、EXIDでデビューする前はアンダーグラウンドシーンでラッパーとして活動していた経歴もある、アイドルとしては珍しいタイプで、インタビューで自分が芸能人という感覚がないという話もしていました。 アルバムで結構色んなジャンルに挑戦していたり、2016年の1stフルアルバムSTREETからソロ曲も増えてきていて、今回のFull Moonに入っているジョンファのソロ曲ALICEもシンサドンホレンイ作曲のとっても良い4つ打ちです。 Full moonのアルバムリリース直後、EXIDも前述のRun to you企画でタイトル曲のDDDをやっています。
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LEちゃんラップうめえ…ハニは何でこんな訳分かんない髪色似合うんだろ…ソウルの街中で突然こんなパフォーマンス始まったら確実に気が狂うでしょ…。という感想です。同じタイミングで彼女たちのブレイクのきっかけとなった위아래(UP&DOWN)も披露しています。
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ちなみにブレイクのきっかけと言いましたが、EXIDは2012年にデビューしてからメンバーを入れ替えたりしばらく売れない日々を過ごし、2014年のこの曲のリリースでも本来の活動期間よりも短く活動を終了しました。その後Youtubeにファンが上げたハニのファンカムがきっかけに話題になり、音源の発売から3ヶ月後にチャートで1位を獲得、音楽番組での活動を再開するまでになりました。そのファンカムがこちら。
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健康的にセクシーなのって韓国だと結構一般的だけど日本だとあまりない枠なので、日本の女性アイドルとかにハマれない方には良い選択肢だと思うんですけどどうなんでしょう…? 10.더보이즈 (THE BOYZ) - 소년 (Boy)
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Creker Entertainment所属の12人組ボーイズグループThe Boyz。韓国語だとTheが"ド"発音になり、長音が短く発音される事が多いのでドボイズと呼ばれています。2017年12月6日デビューなのでまだデビューして1ヶ月足らずです。夏頃にイケメン粉食店というメンバー達が食堂をやる企画があり、Produce101に出ていたメンバーもいたこともあって(6曲目ヨロジョのチュハンニョンです)デビュー前からとても人気です。最近はアルバムリリース日(彼らの場合はデビュー日)にショーケースをやるのが普通なのですが、The boyzは慶煕(キョンヒ)大学の平和の殿堂というホール(キャパ約4500人)でショーケースをやりました。この規模はデビューショーケースでは異例で、Seventeenが4枚目のAl1を出したリリースショーケースでオリンピックホール(キャパ約4000人)を使ったので、もちろん事務所がどれぐらいの規模を設定するか戦略等もありますが、かなりの人気度と言って過言ではないかと思います。 私もイケメン粉食店からまんまとハマった人間で、これでデビュー曲とかがダサかったらどうしたら良いんだろうとデビューまで気が気じゃなかったのですが、まさかの4つ打ち!かっこいい!良かった…となりました。 全ての動画コンテンツが最高だなぁという時期なのでどれも良いんですが、明けましておめでとうということで花郎っぽい衣装で途中ちょっとふざけた感じでBoyを踊るこの動画が最高です。
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あとはこの10曲の中だとAstroのやつもあるんですが、MnetのYoutubeの中での派生チャンネルM2にて2016年ぐらいから始まった企画のリレーダンス動画。これもめちゃくちゃ良いです。どのグループの曲も最後にNGカット集みたいなのがあって、それもとても良い。
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彼らもRun to you企画をやっていて、女子高2つ、ショッピングモールで曲を披露しています。見て分かる通り、高校生の時に学校でこんな経験したら人生狂っちゃうでしょと…と思うと同時に世代のせいかV6の学校へ行こう!を思い出しました…。
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興味を持った方は是非、保健所に営業許可を取りにまで行って食堂をやるという本気度の高い企画を是非見てみて下さい。全て公式で日本語字幕がついています。食堂での担当を割りあてられる事もあって、8話全て見終わった後には12人の顔と名前が一致しているはずです。
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彼らの所属するCreker Entertainmentというあまり聞かない名前の事務所ですが、LOEN Entertainmentのレーベル的な立ち位置として存在する事務所で、LOENは韓国最大の音源配信サイトMelonを運営しつつ、Crekerと同列にIUのいるFave Entertainment、子会社にStarshipエンタ、Plan Aエンタなどを抱え、Bighit、Cube、FNC、MBK、Pledisなど挙げればキリがないほどの数の事務所のCDの流通を担っています。ということで資金は潤沢にあるはずなんですがもう既に日本デビューの予定が立てられていて、今のところ日本での活動って資金稼ぎでしかないので、矛盾が生じていて日本のファンは混乱しています。(主観的) ということで2017年の1年を振り返った日記でした! 惜しくも10曲に入らなかったけど最後まで悩んだリスト、一応貼っておきます。
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daisuke-fhg · 5 years
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セイコーエプソン&産業用ロボット
ニュース(セイコーエプソン&産業用ロボット)
 韓国エプソン(株) 代表取締役社長 渋沢泰夫氏に聞く - 韓国プリンター市場でトップシェア - 産業用ロボットの供給も急拡大
 電子デバイス産業新聞 2018/11/22
  「韓国の消費者とのコミュニケーション拡大を通して、エプソンブランドのさらなるイメージアップを目指している。我々にとって韓国のB2B市場は重要で、未来成長動力になるはずだ」。
 こう語るのは、スマート工場向けの需要増によって、産業用ロボットの供給が急拡大している韓国エプソン(株)代表取締役社長の渋沢泰夫氏である。
 ソウル市江南区テヘラン路という有名オフィス街の高層ビルに位置する韓国エプソンは、プリンターやプロジェクター、商業向けプリンター部門で韓国市場トップシェアを堅持している。「高い知名度を生かし、2018年は韓国エプソンのB2B市場に対する第2の飛躍を目指す」(渋沢氏)。
 同社は1996年に設立され、資本金14億ウォンで90人の従業員を擁する。18年度の売上高は約1380億ウォン(約138億円)を達成する見通しだ。渋沢氏は1961年に長野県で生まれ、山梨大学電気工学科を卒業した。83年にエプソン(旧信州精機)に入社し、エンジニアとしてエプソンアメリカ勤務などを経て、2014年から現職に就いている。
 同社は韓国においてプリンターやプロジェクターなどで名を馳せているが、グローバル市場では産業用ロボットをはじめ、スマートグラスやセンシングシステムなど多様な分野で強みを発揮している。
 韓国産業界によれば、産業用ロボットの導入実績を表す指標である韓国の「ロボット密度」は、1万人あたり531台で世界トップ水準である。
 渋沢氏は「先端産業時代を迎え、エプソンの匠人精神のモットーである省小精(省エネ・超小型・超精密)をベースとした品々が世界市場で脚光を浴びている。とりわけ、産業用ロボットは韓国市場でスマート工場の需要が増えているため、急速に成長している」(同)と、エプソンが提供する「省小精の価値」を強調する。つまり、いつでもどこでも簡単・便利で安心して製品を使える世界を創造し、顧客の無駄、手間、時間、コストを徹底的に省くのがエプソンの使命なのである。
 韓国における産業用ロボットの成長も著しい。15年時点で韓国の産業用ロボット販売量は前年比55%増の3万8285台を記録した。10〜15年まで年平均2桁成長率をみせ、中国に次ぐ注目マーケットとなっている。
 「11年に韓国の産業用ロボット市場に参入して以来、17年度は売上高ベースで300%増の成長を収めている。今まで積み重ねてきた信頼によって韓国大手企業などにも取引先が多角化し、18年度��さらなる高成長が期待されている」(同)と説明する。
 韓国エプソンは、現状で業界トップを堅持するプリンター、プロジェクター、商業向けプリンター部門でも様々な新製品を展開し、主導権をさらに強固にしていく考えだ。また、高い環境性能や高速印刷、低いランニングコストの実現を通じて、韓国企業の生産性向上とコスト低減に寄与したいとしている。
 このため同社は、17年末から超高速インクジェットA3複合機2機種、超大容量インクジェットA3複合機1機種などを含める8機種の新製品を公開し、B2B市場での取り組みを強化している。
 渋沢氏は「超高速・超大容量のインクジェット複合機の出荷によって、複合機、プロジェクター、産業用ロボットなど全分野を網羅するB2Bラインアップが完成できた。今後、韓国のB2B市場でも安定的な成長基盤を整えて、シェア拡大に拍車をかけていきたい」と意気込む。
 韓国のビジネス環境について渋沢氏は「ビジネスに臨む商取引において日韓の違いは確かに存在する。しかし、韓国は国際的に精通した優秀な若者が毎年数多く輩出されており、半導体をはじめとする最先端産業のインフラが我々のビジネスを成長させる基盤となっている。当社は、韓国の人々に信頼され、社会と共に発展する、開かれた、なくてはならない会社でありたい」と語り、韓国市場でのさらなる成長に夢を膨らませている。
(聞き手・ソウル支局長 嚴在漢)
 19年3月期予想、エプソンが上方修正 想定為替レート、円安に見直し
 信濃毎日新聞 2018/10/31
  セイコーエプソン(諏訪市)は30日、2019年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正した。想定為替レートを円安方向に見直すことによる増収効果で、売上高は7月の前回予想を400億円上回る1兆900億円(前期比1・1%減)に修正。日本基準の営業利益に当たる事業利益は前回予想と同じ800億円(同7・0%増)、純利益は20億円上回る600億円(同43・4%増)に見直した。
 10月以降の想定為替レートは1ドル=110円、1ユーロ127円で、ドルで10円、ユーロで2円それぞれ円安に見直した。同日発表した18年9月中間連結決算は売上高が前年同期比1・0%増の5323億7700万円、事業利益が2・6%減の274億円、純利益が34・8%増の202億1千万円だった。
 インクジェットプリンターで主力の大容量インクタンク搭載モデルは中南米地域で苦戦したが、新興国、先進国で好調を維持。プロジェクターはヨーロッパとアジアを中心に高価格帯の高輝度モデルが伸びた。一方、産業用ロボットは米中貿易摩擦の影響を受けて中国、台湾の取引先の設備投資意欲が「急速に減退」(財務経理部)したという。
 碓井稔社長は都内で開いた決算説明会で、米中貿易摩擦などを業績のマイナス要因に挙げたが、「他地域の需要拡大を取り込み、新製品の販売を確実に実施していく。全体に与える影響は限定的」と説明。「外部環境の変化に対応した施策を展開し、計画の達成を目指す」と強調した。
 9月に発生した北海道の地震で被災した千歳事業所(千歳市)については、今後、売上高で約20億円、事業利益で約10億円の損失が出る見通しだと明らかにした。約10億円を投じて生産設備の復旧を急ぎ、11月中旬には被災前の状況に戻れるとした。
 エプソン、産ロボ生産に新ライン 豊科事業所で月内稼働
 日刊工業新聞 News ウェーブ 21  2018/09/04
 日刊工業新聞社
セイコーエプソンは豊科事業所(長野県安曇野市)に産業用ロボットの生産ラインを設置し、月内に稼働する。双腕ロボットなど組み立て難易度の高い製品を中心に複数のロボットを生産する。生産ラインを順次拡張し、最終的に2025年度に中国広東省深セン市の工場を含めた生産能力を現状比3・5倍に引き上げる。
豊科事業所はロボット関連事業の研究開発を手がけ、試作向けの生産ラインを設けている。同事業所内に延べ床面積3522平方メートルの生産スペースを整備し、量産向けの組み立てラインを新設する。高��度要素開発から、設計・量産技術の確立、製造までのサイクルを効率良く回し、新製品立ち上げ期間の短縮や、組み立て効率化技術を強化する。
同社は2月に双腕型ロボット「ワークセンスW—01」を投入。力覚センサーを各腕に1台ずつ、カメラを頭部に4台と各腕に1台ずつ搭載する。豊科事業所では難易度の高い同ロボットなどを生産し、“マザー工場”として技術開発や人材育成の役割も担う。
同社はロボット事業の売上高を20年度に17年度比約8割増の400億円、25年度に同4・5倍の1000億円に高める方針だ。
 けいざいズーム信州=ロボット減速機、信州で生産加速 世界的な需要背景 メーカー火花
 信濃毎日新聞 2018/09/03
  産業用ロボットの関節に欠かせない「減速機」の増産合戦が、県内を舞台に繰り広げられている。小型の減速機で80%以上の世界シェアを握るハーモニック・ドライブ・システムズ(東京)は、安曇野市に新工場を建設して生産能力を倍増させる計画。モーター大手の日本電産(京都市)も、子会社の工場を上田市に開所して増産を急ぐ。世界的なロボット市場の成長を背景に、両雄が火花を散らしている。
   (森健一朗)
<ハーモニック・ドライブ—安曇野拠点、技術に自信 日本電産—上田に工場、価格で勝負>
 「ロボットの需要に減速機の供給が追い付いていない。ライバルメーカーより早く増産体制を整え、需要を一気に取り込む」。日本電産の子会社で減速機製造の日本電産シンポ(京都府長岡京市)の西本達也社長は、ハーモニック社への対抗意識を隠さない。
 同じグループの日本電産セイミツ(上田市)の本社工場にある空きスペースを使い、4月に開所した上田工場の月産能力は1万台。2019年9月までに4万台に引き上げる計画だ。長岡京市の本社工場も増強、フィリピンではグループ企業のモーター工場を減速機工場に転換し、20年3月までに全体で月産20万台の体制を整える。
 「長野県は日本電産グループの拠点が集まっており、建物や人員を融通してもらえるので立ち上げが早い。精密加工業の集積地で、部品調達や人材獲得もしやすい」と西本社長。「世界中のロボットメーカーの担当者が安曇野市にあるハーモニック社の拠点を訪れており、交通の便が良い上田なら自社にも足を運んでもらえる」とも話し、したたかな計算をのぞかせる。
 減速機は、高速回転するモーターの動力を、歯車などを通じて適度に減速して伝えると同時に、回転する力(トルク)を高める装置。中でも構造がシンプルな「波動歯車式」は小さく軽くできる。米国の発明家が考案した原理をハーモニック社の前身企業が1964年に実用化し、それ以来、同社が圧倒的な世界シェアを握ってきた。
 西本社長は「徹底的な自動化で生産性を高め、現状でもハーモニック社より2割安く提供できる。フィリピンの工場が本格稼働すれば、4割安くできる」と説明。先行するハーモニック社に価格で勝負を挑み、シェア拡大を狙う。
   ■  ■  ■
 安曇野市に主力生産拠点があるハーモニック社も増産に動く。昨年12月に同市内で取得した工場用地に、新工場2棟の建設を決定。約120億円を投じる。工場用地と同時に取得した既存棟2棟も順次改修しており、21年3月までに安曇野での月産能力を20万台に引き上げる。米国とドイツでも増産し、同年3月期中にグループ全体で月産28万台体制を整える計画だ。
 長井啓(あきら)社長は「競合がいようといまいと、やることは同じ。顧客の要望に応え、技術を進化させ続けて信頼を得ていく」と強調。「コストを下げる努力はもちろんするが、製品の性能に対する正当な価格で提供していくスタンスは変わらない」とし、価格勝負を仕掛ける日本電産の手法とは一線を画す。
 強気のスタンスは「技術的な優位は揺るがない」という自信の裏返しでもある。1970年に安曇野市で減速機の本格生産を始めてから半世紀近く。「現在の製品に行き着くまでに、いろいろな経験を積んできた。これを基に、さらに小型で軽く、力が出る製品を生み出していく」。これまでで最少となる外径5ミリの減速機の開発にも成功し、用途の研究を進めている。
 日本電産に加え、産業用ロボットが爆発的に普及する中国でも、地場の減速機メーカーが台頭しつつある。長井社長は「自動車産業も複数のメーカーが競い合って発展してきた。本気度の高い競合の登場は刺激になり、自社の進化も加速させる」と語り、日中それぞれで力を付ける新たなライバルの挑戦を、正面から受けて立つ構えだ。
<人手不足受けロボット市場拡大 25年3兆円超予測>
 人手不足や新興国の人件費高騰を受け、産業用ロボット市場は拡大を続けている。国際ロボット連盟(本部・ドイツ)によると、2017年に世界で出荷された産業用ロボットは前年比31・6%増の38万7千台で5年連続の増加。調査会社の富士経済(東京)の予測では、世界の製造業向けロボットの市場規模は25年に3兆3140億円となり、1兆821億円だった17年の3倍以上に成長する見通しだ=グラフ。
 中でも加速度的に普及するとみられているのが、製造現場などで人と一緒に作業する「協働型」のロボットだ。富士経済の予測では、17年に世界で488億円だった協働型ロボットの市場規模は、25年に12・1倍の5900億円に拡大。小さくて軽い波動歯車式の減速機がたくさん使われる見通しで、メーカーが増産を急ぐ一因になっている。
 ロボット製造を手掛ける県内企業も事業拡大に動いている。日本電産サンキョー(諏訪郡下諏訪町)は、半導体ウエハーの搬送用ロボットを生産する新工場を伊那市に建設し、生産能力を2・5倍に引き上げる。セイコーエプソン(諏訪市)は、最も効率的な動きを自ら判断して2本のアームで作業する「自律型双腕ロボット」などの新たな生産ラインを安曇野市の拠点に設け、9月に稼働する。
 組み立て・搬送「自律型ロボ」 エプソン、安曇野で生産 豊科事業所、来月から
 信濃毎日新聞 2018/08/23
  セイコーエプソン(諏訪市)は22日、最適な動きを自ら判断し、2本の腕で組み立てや搬送を行う「自律型双腕ロボット」などの生産ラインを豊科事業所(安曇野市)に新設し、9月に稼働させると発表した。人手不足やものづくりの高度化を背景に、需要の伸びが見込めるロボット事業を強化。2025年度に産業用ロボットの生産能力(台数ベース)を現状の約3・5倍に引き上げる。
 既存の建物を改装して設けた新しい生産ラインは、延べ3500平方メートル余。産業用ロボットは現在、一部の外注を除いて中国・深〓の工場で量産しているが、自律型双腕ロボットをはじめとする製造が難しいモデルの生産は今後、豊科事業所が担う。
 同事業所で働く従業員は現在約1500人。産業用ロボットの研究開発・試作のほか、プロジェクターや眼鏡型情報端末「モベリオ」の設計・開発拠点にもなっている。ロボットの研究開発部門と生産現場を近づけることで、開発から量産までのサイクルを効率化。人材育成も進める。
 エプソンはロボット事業を将来的な事業の柱の一つに位置付けており、25年度に同事業の売上高を1千億円(2018年3月期は246億円)に引き上げる目標を掲げる。介護や家事支援といったサービス分野への参入も視野に入れており、豊科事業所では人と並んで作業できるように安全性を高めた「ヒト協調型ロボット」も開発している。
【字解】土ヘンに川
 セイコーエプソン・広丘事業所(工場ルポ)
 化学工業日報 2018/08/07
  セイコーエプソンは、長期ビジョン「エプソン25」達成のため、インクジェット(IJ)イノベーションに力を入れる。碓井稔社長は「最もコアとなるのがプリントヘッドであり、競争力の源泉である」と強調する。今夏、長野県塩尻市の広丘事業所にプリントヘッドの新工場(9号館)を竣工させた。IJデバイスの最先端工場を訪れた。
 新宿駅から特急に乗ること2時間半、広丘事業所のある塩尻市に到着する。夏は昼夜の気温差が大きく、ぶどうなどの果物、ワインの生産に適した気候。一帯は中央アルプスや南アルプスに囲まれ、水資源に恵まれている。こうした背景から精密部品や電子産業の集積地となっている。
 広丘事業所はプリンターの企画設計、コアデバイスの研究開発および生産拠点となる。1970年に竣工した。敷地面積は21万1810平方メートル、東京ドーム4・5個に相当する。約5800人の従業員を抱える。
 このほど竣工した広丘事業所9号館は、IJプリンターのコアデバイスとなるプリントヘッドの前工程を担う。建築面積1万653平方メートル、延べ床面積4万6915平方メートル、地下1階・地上5階建て。クリーンルームを備える。従来、諏訪南事業所(長野県富士見町)が前工程を担ってきたが、フル稼働のため広丘に追加拠点を設けた。
 「プレシジョンコア」と呼ばれる同社のプリントヘッドは、電圧を加えることで収縮するピエゾ素子の機械的な動きによりインキ滴を吐出する。熱を使わないことや、インキの量を正確にコントロールできることが特徴。非加熱のためヘッドの耐久性が高く、低消費電力を実現するため、環境負荷を低減できる。
 各ノズルが異なる制御で、10億分の7グラム程度の微細なインキ滴を1秒間に5万発噴射できる。IJプリンターの画質と速度を決めるコアデバイスだ。IJ技術に加え、MEMS(微小電気機械システム)技術、自社の産業用ロボットの組み合わせで高品質・高効率生産を両立している。
 日本国内に拠点を置いたことについて碓井社長は「プリントヘッドは半導体プロセスを用い、非常に基礎的な研究開発をベースにしている。広丘には研究開発部隊があるので、ここがベストな選択と判断した」と語る。
 年度内にも本格稼働する見通し。広丘事業所の生産体制が整ったことで、従来型プリントヘッドに加え、プレシジョンコアの外販も進める。より多くのパートナーとの関係強化を図ることで、デジタル印刷が加速する商業・産業領域において確固たる地位を築く。
(中尾祐輔)
 セイコーエプソン - 広丘の新工場が竣工 - IJヘッドの能力3倍へ
 電子デバイス産業新聞 2018/07/26
  セイコーエプソン(株)(長野県諏訪市大和3—3��5、∴0266—52—3131)は、約255億円を投じて、2016年秋から建設していた広丘事業所(長野県)内の新工場「9号館」が竣工したと発表した。最先端のインクジェット(IJ)プリントヘッド「PrecisionCore(プレシジョンコア)プリントヘッド」のコアとなる構成部品プレシジョンコアプリントチップを生産する。18年度内に稼働開始予定だ。
 新工場の規模は、S造り地下1階地上5階建て、建築面積1万653square(m)、延べ床面積4万6915square(m)。既存工場と比べてスペース生産性20%増を計画し、工場内に研究開発機能も備えている。生産技術などの開発を推進し、プリントヘッドの品質や生産性向上にも重要な役割を果たす。
 将来的には、プレシジョンコアプリントチップの生産能力を現在の約3倍に拡大する計画だ。同製品は現在、長野県の諏訪南事業所で製造しており、新工場の稼働で2拠点体制となる。また新工場は、災害対策に優れた建物構造・設備を採用し、事業の継続性も強化している。
 広丘事業所はプリンターの企画設計拠点、コアデバイスの研究開発・生産拠点として、国内外の生産拠点と密接に連携。コアデバイスの開発・生産で得た先端の生産技術・ノウハウを海外生産拠点に展開し、グループの総合的なモノづくり力の向上に貢献している。今回新設した9号館のほか、商業・産業用大型印刷機の試作・量産、デジタル捺染のテストラボ機能を備えた新棟(イノベーションセンターB棟)の新設も予定しており、研究開発・生産基盤をさらに強化する。
 同社のマイクロピエゾ技術を活用したプリントヘッドは、電圧を加えると収縮するピエゾ素子の機械的な動きでインクを吐出する。熱を使わず、インクの量を正確に制御できることが特徴。非加熱のためヘッドの耐久性が高く、低消費電力で環境負荷が小さい。
 プリントコアプリントヘッドは、ノズルを個別に制御し、10億分の7g程度の非常に微細なインク滴を1秒間に5万発噴射できる技術。IJプリンターの画質と速度を決定する非常に重要なコアデバイスであるため、生産にも非常に高度な技術が必要という。同社が20年以上にわたり培ってきたIJ技術と、1000分の1mm単位の超微細加工が可能なMEMS技術を融合し、さらに自社の持つ産業用ロボットも駆使して、高い品質と生産性を両立する完全自動生産ラインを実現している。
 卓上型小型射出成形機の新興セルビック エプソンが子会社化 産業用ロボット事業強化
 信濃毎日新聞 2018/06/04
  セイコーエプソン(諏訪市)は1日、卓上型の小型射出成形機と関連部品の製造販売などを手掛ける新興セルビック(東京)の全株式を取得し、同日付で完全子会社化したと発表した。精密な部品を製造できる新興セルビックの独自技術を生かし、市場拡大が見込まれる産業用ロボットの事業強化を図る。
 新興セルビックは1987(昭和62)年設立で、社員7人。プラスチック成型金型メーカーとして成長し、2017年8月期の売上高は1億5800万円。買収額は明らかにしていない。
 エプソンによると、一般的な射出成形機は小さいものでも長さ2メートルほどだが、新興セルビックの射出成形機は同70センチほど。金型に材料を流し込む技術などに優れ、高い精度の精密部品を製造できる強みを持つ。独自技術は低コスト化や省スペース化などにもつながるという。
 エプソンはロボット事業を将来の柱と位置付けており、26年度3月期に売上高1000億円を目指す。同分野での多様なニーズに応えられるよう、新興セルビックの独自技術を生かして事業展開を進めるとしている。
 県内新製品=エプソンが産業用ロボ2機種の受注を開始
 信濃毎日新聞 2018/05/31
  ☆エプソンが産業用ロボ2機種の受注を開始
 セイコーエプソン(諏訪市)は30日、ともに産業用ロボットの新機種で垂直多関節型「N6」=写真=と水平多関節型(スカラ)「T6」の国内向けの受注を開始したと発表した。標準価格はN6が税別240万円、T6が同89万4000円。N6は、独自開発した長さ1メートルの折りたたみ式アームにより、従来機よりも設置スペースを約75%削減した。
 セイコーエプソン、産業ロボット拡充、可搬重量6キロで省スペース
 化学工業日報 2018/05/31
  セイコーエプソンは30日、可搬重量6キログラム対応の産業用ロボットとして、産業用6軸ロボット(垂直多関節型ロボット)「N6」と産業用スカラロボット(水平多関節ロボット)「T6」2機種の国内受注を開始したと発表した。主に小型電子機器部品、自動車電装小型部品の組み立て搬送や、パレット上に小型部品を積み上げるパレタイジングなどの用途に展開する。
 「Nシリーズ」は独自に開発した折りたたみ式アームにより、省スペースで効率的な動作を実現する。新モデルN6は、アーム長を1000ミリメートルへロングアーム化した。1000ミリメートルアーム長ながら同社6軸ロボット「C8XL」(1400ミリメートルアーム長)と同等の高さにアクセスできる。棚との距離を詰めて設置できるため、設置スペースを約75%削減できる。
 「Tシリーズ」は、本体とコントローラーを一体化させ設置の簡素化と使いやすさを追求した。モーターのバッテリーレス化により、低ランニングコストを実現した。T6は、より重く大きな物品の搬送に対応した。一度に2つ持てるような、ダブルハンドなどの重いハンド搭載も可能。工場の生産性向上に貢献する。また、AC100ボルト電源による稼働が可能なため電源環境を気にせず設置でき、工場の省エネ化を図ることができる。
 BtoB事業加速、エプソンが18年戦略発表
 NNA - 韓国版  2018/05/30
 セイコーエプソンの韓国法人、韓国エプソンは29日、ソウル・江南で2018年事業戦略発表会を開き、「ビジュアルコミュニケーション」と「産業用ロボット」、「ビジネスプリント」の3分野を軸にBtoB(企業間取引)事業を拡大していくと明らかにした。
ビジュアルコミュニケーション分野では、特にプロジェクター事業に力を入れる。プロジェクターは高精細な画質を得られる高光量製品を投入して、シェアトップを目指す。会議などで用いる一般的なプロジェクターに加え、近接投影できる製品やサイネージ用製品などラインアップを拡充する計画だ。
韓国では教育現場でペーパーレス化が進み、代わりにプロジェクターを使用するケースが増えている。エプソンは、そうした教育需要の取り込みも目指す。現在、タッチパネルのように投影した画像をタッチし、文字を書いたり、画面を操作したりできる製品を販売している。
また、映写されたスクリーンに向けてボールを打つ「スクリーンゴルフ」や「スクリーン野球」などインドアスポーツでも需要拡大を期待している。
産業用ロボットは、力の入れ具合を精密に調整できる「フォースセンサー」を搭載したロボット「Tシリーズ」を新たに投入する。また、アーム型ロボットの供給も拡大し、さらなる成長を図る。2017年の韓国エプソンのロボット売り上げは前年比375%増だった。
主力のプリンター事業は、企業の業務効率を向上させるトータルソリューションを引き続き提供していく考えだ。
韓国エプソンの渋沢泰夫社長は「セイコーエプソンは、最適なビジネスソリューションを提供するため、絶えず努力している。韓国エプソンも第4次産業革命をけん引する企業として頭角を現すだろう」と述べた。
 FAプロダクツら - ロボット展示場を小山市に開設へ
 電子デバイス産業新聞 2018/05/18
  (株)FAプロダクツ(東京都港区新橋5—35—10、∴03—6453—6761)ら3社は、産業用ロボット関連の常設展示場「Smart FActory Conductor LABO」(スマラボ、写真)を5月16日に開設した。場所は栃木県小山市で、規模は約300square(m)。複数の産業用ロボットならびに工場向けIoTシステムを体感でき、システムインテグレーター(SIer)の教育の場としても活用する。
 スマラボは、FA関連のIoT技術に強みを持つFAプロダクツ、SIerの(株)オフィス エフエイ・コム(栃木県小山市)、ロボット導入の構想設計を手がけるロボコム(株)(東京都港区)が共同運営する。物流、食品、自動車/機械、IoTの4ゾーンに分け、製造業や物流業で使われる産業用ロボットのソリューションを10種類以上展示する。
 施設内には、安川電機、ファナック、ユニバーサルロボット、デンソーウェーブ、セイコーエプソン、日本電産シンポ、三菱電機、ライフロボティクスのロボットを設置。10種類のカメラ、センサー、ロボットハンドなどの周辺機器、ORiN(オライン)などのオープン通信規格によるソリューションも提案できる。展示はすべてシステムとしてパッケージ化されており、企業が最小限の打ち合わせ工数で導入を検討でき、エンジニアリング費用も最小限に抑制できる。
  セイコーエプソン首位 県内企業売上高 昨年の上位100社 伸び率1位は綿半
 中日新聞 2018/03/29
  【長野県】帝国データバンクは県内企業の昨年の売上高で上位百社のランキングをまとめた。総売上高は四兆四千五十億円でほぼ横ばいだが、五年ぶりに前年を下回った。
 リーマン・ショック後の二〇〇九年に総売上高は大きく減り、一三年から回復基調にあった。一四年は前年比9・6%と一九九〇年以降、最大の増加率だったが、徐々に上げ幅は縮小し、昨年は0・02%の減に転じた。
 増収企業は前年の一昨年より十三社増え、三分の二に達した。担当者は「全体的に見ると、景気は堅調といえる」と分析する。
 セイコーエプソンが伸び率を減らしたが、前年に続き首位を守った。伸び率が最も大きかったのは、二〇一六年四月にグループ企業の合併で発足した建設業の綿半ソリューションズで356%増。同業のマツヤを吸収合併し、商号を「アップルランド」から変更したスーパーのデリシアは伸び率三位で、売上高でも十六位から九位に上昇した。
 ランキングには金融機関や事業協同組合などは含めていない。連結決算を採用する企業も含め、単体の売上高で比較した。(安永陽祐)
 ■県内企業の2017年売上高順位
 順位      社名        業種             売上高    伸び率
 (1)(〃)  セイコーエプソン  電子応用装置製造       7379億円  ▲6.2%
 (2)(〃)  ミネベアミツミ   ベアリング製造        4525億円   0.3%
 (3)(〃)  マルイチ産商    総合食品卸          1774億円   2.2%
 (4)(〃)  新光電気工業    半導体パッケージ製造     1325億円  ▲1.8%
 (5)(〃)  日本電産サンキョー モーター・産業用ロボット製造 1032億円   7.2%
 (6)(〃)  ツルヤ       スーパーストア         847億円   4.4%
 (7)(9)  竹内製作所     建設機械製造          789億円   4.2%
 (8)(10) 鍋林        医薬品・化成品等卸       734億円  ▲2.7%
 (9)(16) デリシア      スーパーストア         714億円  57.2%
 (10)(7) 三公商事      遊技場             677億円 ▲15.7%
 ※()内は前年の順位。〃は前年と同じ順位。売上高は1億円未満切り捨て。▲はマイナス。
 セイコーエプソン、産業用ロボット大きく育て、よりスマートに省人化
 化学工業日報 2018/01/18
  セイコーエプソンは、ロボティクスソリューション事業を拡大する。スマートファクトリー化や省人化の流れに対し、人の高度な作業を代替したり支援したりするロボティクスソリューションで市場を開拓していく。同事業の売上高は近年急速に伸びており、2017年度は前期比30・2%増の220億円を目指す。25年度に1000億円の目標を掲げるが、碓井稔社長は「毎年30%以上で伸びれば達成はあっという間」と自信をみせる。同事業に関連するM&A(合併・買収)も検討している。
 セイコーエプソンは腕時計の組み立てロボットを内製化して以来、約30年間にわたりロボットを開発している。腕時計だけでなく、プリントヘッドといった精密機器・部品の組み立てもロボットで行っている。近年は外販に注力しており、中国の家電および自動車関連市場を主戦場に大きく成長している。
 同社のロボットは省エネルギー、小型・精密といった特徴を持つ。ロボット自身が自在に加減して探り、ならい、はめ合い、押しつけ機能を実現した力覚センサー、ロボットに部品の向きや形を正確に認識させる画像処理技術も強み。世界シェア1位のスカラロボット、小型垂直ロボット、デバイスおよび各種オプションを揃える。人間の作業に近い動作ができる双腕ロボットも今冬から世界で順次発売する。
 碓井社長は同事業について「絶好調ではあるが、もっと事業規模を大きくしたい。よりスマートで、人間の作業を簡単に切り替えられるロボット開発に力を入れていく」と語る。接着剤の塗布、ねじ締め、スナップフィットなどはとくに省人化のニーズが高いという。
 同社は、ロボットコントローラーが距離センサーの入力からロボットおよび塗布装置を一体で制御することで、高速でむらのない塗布を低価格で実現するソリューションを完成させた。距離センサーに連動させ、ロボットから塗布対象までの高さを高速で一定に保持する。ロボットの速度をディスペンスコントローラーに出力し、速度に応じて塗布量を自動調整して液だまりのない塗布を実現する。
 また、搬送作業をロボットに代替させるため、部品の高速搬送に必要なロボット、ビジョン、フレキシブルフィーダーをパッケージ化して提供するソリューションも用意している。フィーダー上の部品の状態をビジョンで認識し、ロボットが最も効率的にピックアップできる部品の分布・位置・姿勢に自動調整する。
 販売面ではパッケージ化を重視。ロボット需要の高まりで、導入工数の増加やシステムインテグレータの不足が課題となっているが、パッケージ化によって簡単に導入できる点を訴求する。
 セイコーエプソン - 双腕ロボットを開発 - デンソーも発表
 電子デバイス産業新聞 2017/12/28
  セイコーエプソン(株)(長野県諏訪市)および(株)デンソーウェーブ(愛知県知多郡)は、産業用双腕ロボットを発表した。うちセイコーエプソンは、双腕型産業用ロボット「WorkSense(ワークセンス)W—01」(写真)を開発した。「見て、感じて、考えて、働く」といった要素を持つ自律型ロボットで、2018年2月までに発売する予定だ。
 ワークセンスには、頭部カメラ(4個)やアームカメラ(2個)が搭載されており、人間の目のようにワークを認識。設置場所を変更してもプログラムを変更せずに即座に作業が行え、7軸アームの経路、姿勢、障害物の回避を自ら考える。また、自社開発の力覚センサーを搭載したロボットアームで繊細な組立や搬送作業を実現でき、部品を押さえながらネジ締めするといった左右別々の作業にも対応が可能だ。
 一般的な産業用ロボットのように装置に組み込み、固定して作業を行うのではなく、必要な場所に機体を移動させ単独で人に代わって組立や搬送などの作業を実施できる。多品種少量やジャストインタイム方式の生産が要求される自動車関連を主なターゲットとしている。
 デンソーウェーブも双腕型ロボットアームを備えた「マルチモーダルAIロボット」を発表した。製品化の時期などは未定。ロボットアームには不定形物を扱える多指ハンドを装着し、ディープラーニングとVR(仮想現実)技術を用いることで、複雑なプログラムを組むことなく、人が人に作業を教えるのと同じようにロボットに作業を学習させることが可能だ。
 開発は、自動計測制御装置の事業を手がけるベッコフオートメーション(株)や、人工知能(AI)ベンチャーの(株)エクサウィザーズと共同で実施。筋電義手ベンチャーのイクシー(株)が多指ハンドを提供し、AIロボットの研究で知られる早稲田大学の尾形哲也教授がアドバイザーとして参画している。11月29日〜12月2日に東京ビッグサイトで開催された「2017国際ロボット展」では実機を展示し、ディープラーニング技術で学習した双腕型ロボットがタオルを畳んだり、サラダを盛りつけたりするデモを実施した。
 エプソンが産業ロボ拡充 3機種や「ヒト協調」型、来年度投入
 信濃毎日新聞 2017/11/28
  セイコーエプソン(諏訪市)は27日、いずれも産業用ロボットの新機種で垂直多関節型の「N6」「VT6」、水平多関節型(スカラ)の「T6」の計3機種を2018年度に発売すると発表した。隣で人が作業できるよう、垂直多関節型とスカラの安全性を高めた「ヒト協調ロボット」を同年度に投入する方針も公表。産業用ロボットの品ぞろえを拡充し、製造現場の幅広いニーズに応える。
 「N6」は発売済みの「N2」の後継で、可搬重量を3.5キロ増の6キロに強化。アームも55センチ長い100センチとした。小型電子機器部品や車載部品の搬送、医療製品の棚入れ、棚だしの生産性向上を図ることができるという。
 「VT6」は、ロボットの導入や維持管理の費用抑制をコンセプトに開発。コントローラーを本体に内蔵して配線を不要とし、省スペース化を実現した。「T6」の可搬重量は、従来機種「T3」の倍の6キロに向上させた。
 同社が同日、都内で開いたロボット事業の戦略説明会で、ロボティクスソリューションズ事業部の吉田佳史事業部長は「ヒト協調ロボット」について、人が近づけば作業を減速し、接触すれば動作を停止する機能を盛り込むと説明。「人手不足などにより、産業用ロボットは世界的に市場が拡大している。製品ラインアップを充実してシェアを拡大する」とし、25年度のロボット事業売上高目標1000億円の達成に意欲を示した。
 エプソン、BtoB事業加速 東南アの産業用ロボットに商機
 NNA - シンガポール版  2017/11/02
 セイコーエプソンは世界的にBtoC(企業と消費者間の取引)からBtoB(企業間取引)事業へのシフトを加速する。今後の最重要事業の一つとして、製造業を中心に今後確実に需要が拡大する見通しの産業用ロボット分野に注力。人工知能(AI)や3Dプリンターの研究・開発(R&D)も推進し、プリンターやスマートグラスなどの既存製品とともに、次世代スマート社会のインフラ企業となることを目指す。シンガポール現地法人エプソンシンガポールの設立35周年を祝う記念式典で10月31日、セイコーエプソンの碓井稔社長が明らかにした。
■インダストリー4.0が追い風
セイコーエプソンは今年3月に日本で、産業用スカラロボット(水平多関節ロボット)の新シリーズ「T3」の販売を開始。今回初めて東南アジアで正式にお披露目した。
中国での人件費高騰に伴い、企業が生産拠点を東南アジア地域に移転する傾向にあることから、今後域内での需要拡大を見込む。各国政府や企業が取り組む、ロボットやITを活用して製造業の生産効率化を図る「インダストリー4.0」も追い風だ。
T3は、電子機器部品や小型自動車部品の検査工程への単純搬送などに適したもの。ロボット本体とコントローラーを一体化したり、配線を簡素化したりすることで省スペースを実現したのが大きな特長で、バッテリーレスモーターを採用し、バッテリー交換作業を不要にすることで維持コストも低減した。
現在、日本、中国、米国、欧州の工場で採用されている。インドネシアの工場で行った実証実験では、同ロボットの導入により、3年間で約12万7,000米ドル(約1,446万円)相当のコスト削減につながった。
同社の安藤宗徳営業本部長はNNAの取材に対し、「T3はスマートフォンなど精密な電子機器を扱うのが得意。ロボットを構成する精密な主要部品を内製することで、ロボットによる精度の高い作業を可能にしている」と説明した。
T3は同社の力覚センサーシステムとも連携が可能。水晶圧電方式を採用した同センサーは高感度で、6軸方向の微細な力も検出できるという。例えば、ねじを締めるなど従来のロボットが苦手な繊細な動きも、力を加減することで人間のように「当たりを付けながら」(安藤氏)行うことができる。
安藤氏は、詳細な時期は未定としたものの、デュアルハンドロボット(1台で2本のアームを持つロボット)も「近く発売する」と明かした。
■3D印刷にイノベーション
セイコーエプソンは3DプリンターとAIの開発にも力を入れる。碓井社長は「3Dプリンターが登場してからある程度時間がたったが、身の回りに3Dプリンターを使って作られたものは見当たらず、ほとんど普及していないのが現状」と指摘。既存の3Dプリンターは、利用できる樹脂の種類が限られ、生産性も低く、「これではイノベーション(技術革新)とは言えない」という。このため、あらゆる種類の樹脂を使える3Dプリンターを開発し、同業界に「本当のイノベーションを起こす」考えだ。同社では現在、電子機器や機械式腕時計などの精密機器の部品を効率よく製造できる3Dプリンターの開発に取り組んでいる。
またAI分野では、力覚センサーと機械学習を組み合わせることで、(例えば初めて行き当たったドアの)鍵穴に鍵を差し込んで解錠するといった作業ができるロボットなどを開発中だ。
■産業利用向けスマートグラスも
式典では、眼鏡型ウエアラブル端末モベリオの最新シリーズ「BT—350」と「BT—2200」も、域内で初めてお披露目された。
これまでのシリーズに比べてより商業・産業利用を意識しており、BT—350では多人数が使うことを想定し、丈夫さや軽量さなどを追求。BT—2200は、水ぬれなどハードユースにも対応する堅固さを備え、ヘルメット型ヘッドセットモデルも用意した。
現在シンガポールでは、物流倉庫向けソリューションを提供するポケット・テクノロジーズなど複数の企業で、新シリーズの実証実験が進行中。高級ホテル「ソー(SO)ソフィテル・シンガポール」では今年3月に、1世代前の「BT—300」が導入され、利用客向けに拡張現実(AR)を使ったバーチャルガイドを提供している。
セイコーエプソンの前身のエプソンは1982年にエプソンシンガポールを設立。35周年を祝う式典は南部セントーサ島にある高級ホテルで催行された。碓井社長は「次世代の社会は情報通信技術(ICT)をインフラとするスマート社会になる。当社はこのインフラを支える企業を目指す」と話した。
 検証2016/産業用ロボット−逆風も拡大基調継続
 日刊工業新聞 2016/12/05
  産業用ロボット市場は2016年の1年間を通して、おおむね良好な状態を保った。為替変動の逆風はあったものの、全体的な需要は拡大基調が継続。労働力不足、人件費高騰などを要因とした製造業の自動化ニーズは依然として強い。ただ、ロボットメーカー同士の競争は激化している。17年は各社の差別化戦略が本格化しそうだ。
 「高水準が続いている」と販売状況を分析するのは川崎重工業の橋本康彦常務執行役員。自動車分野向け溶接ロボ、半導体分野向けクリーンロボが中国、日本などで好調だ。17年3月期の成長目標を台数ベースで前期比20%増に設定していたが「(目標を)確実に上回る」と予測する。
 ファナックの稲葉善治会長も「(販売量は)もっと増える」と強気だ。このため、17年春をめどにロボットの生産能力を現状比1・2倍に高め、さらなる需要拡大に備える。
 だが、輸出が主力のロボット業界にとって、為替変動の影響は避けられない。安川電機は為替を理由にロボット事業の17年3月期業績予想を下方修正。また、ファナックの16年4—9月期連結決算はロボット部門の売上高が前年同期比4・5%減と減収に転じた。川崎重工でも金額だと成長率は台数ベースの半分程度にとどまる。
 それでも各社の幹部は悲観していない。「為替を除けば計画通り」と安川電機の小川昌寛執行役員ロボット事業部長は言い切る。先進国の労働力不足、新興国での人件費高騰など、実需面では追い風の要因が豊富だ。17年も「受注が堅調なので総じて良い状態が続く」(小川事業部長)といった声が多い。
 需要の拡大が続く一方で、メーカー間の競争は激しさを増している。不二越、ヤマハ発動機、セイコーエプソンなどロボットでは中堅に甘んじていた有力企業が、相次いで新戦略を打ち出しているのも昨今の特徴だ。これら挑戦者側が、先行する大手にどれだけ迫ることができるかも、17年の見どころとなる。(藤崎竜介)
(記事に対するお問い合せはFAX・03−5644−7098まで)
 インタビュー - セイコーエプソン(株) 取締役常務執行役員 ロボティクスソリューションズ事業部長 福島米春氏 - 25年度までに売上高1000億円規模へ - 折りたたみ式やセンサーを投入
 電子デバイス産業新聞 2016/08/11
  セイコーエプソン(株)(長野県諏訪市大和3—3—5、∴0266—52—3131)のロボット事業が好調だ。グローバルでトップシェアを持つスカラロボットを中心に、折りたたみ式新型アーム構造採用の6軸ロボットや高精度の水晶の力覚センサーなど商品群の拡充も図っている。今回、同社の取締役常務執行役員でロボティクスソリューションズ事業部長の福島米春氏に話を伺った。
 —貴社の産業用ロボット事業の概要から。
 福島 もともとは自社の腕時計の組立に用いるロボットを内製したのが始まりで、そのノウハウを生かし1983年から外販も行うようになった。製品としては、スカラロボットと垂直多関節の6軸ロボットをラインアップしており、うちスカラロボットではグローバルでトップのシェアを持つ。当社の強みは省エネルギー、小型化、高精度を実現する「省・小・精の技術」にあり、産業用ロボット製品もこれら要素に強みを持つ。また、腕時計の組立が出発点になっていることから精密加工に関するノウハウも豊富で、用途別では電機・電子が半分以上を占めている。
 —生産体制や需要動向について。
 福島 ロボット製品の生産は豊科事業所(長野県安曇野市)と中国・深〓市の拠点で行っている。両拠点はほぼ同等の生産能力を有しており、すべての製品を生産できる。そのため、需要動向や為替などを勘案しながら、その都度最適な生産体制を柔軟に構築できる。販売面では近年需要が増加しており、2015年度も当社が展開する市場や分野で全般的に堅調に推移し、ロボティクスソリューションズ事業部の売上高は154億円となった。16年度も全般的に堅調に推移すると見ており、2桁%以上の増収増益を見込んでいる。
 —新製品について。
 福島 6月からロボット用力覚センサー「S250シリーズ」と新型の小型6軸ロボット「N2—A450」の国内受注を開始した。そのうち「S250シリーズ」は当社が強みを持つ水晶圧電方式を採用した高剛性のセンサーで、0・1Nというわずかな力を感じることができる。この高感度性能を生かし、従来では難しかった繊細な部品の組立や、結合部の隙間が少ない部品同士のはめ込み作業などを自動化することが可能だ。
 —ロボットの新製品の詳細を。
 福島 新しく開発した折りたたみ式のスリムアームを採用した6軸ロボットで、装置の設置占有面積は600×600mmと従来機に比べ約40%削減し、人と同等のスペースで作業が可能だ。電子機器や自動車部品分野での小型部品の組立や搬送などに最適で、前述のセンサーと組み合わせることで、より高度な作業にも対応できる。このほか自律思考型の双腕ロボットを17年度に市場投入する準備を進めており、従来のような製造現場の直接業務はもちろんのこと、間接業務・バックヤード作業への導入も目指していく。
 —ロボットに搭載する電子デバイスについて。
 福島 近年はスマートフォンなどの民生機器に搭載されている部品でも性能が高く、ロボット製品への採用を検討するケースがある。ただ、製品サイクルが早く、長期間使用するロボットでは使えないといったケースもあり、対応に苦慮することがある。そのほか、リーク電流が少ないアナログ部品や、省エネ化を図るうえでSiCなどの次世代パワー半導体などには期待を寄せている。また、当社には社内に電子デバイスを扱う部門もあり、この連携を強化し内製部品や周辺部品を増やすことも検討している。先に述べた水晶の力覚センサーもその一環だ。ロボット自体の性能向上はもちろんだが、こういった製品群を充実させ、かつ簡単に利用できるようにすることでお客様の生産性の向上に貢献していきたい。
 —今後の方針を。
 福島 当社の販売網は全世界に広がっているが、ロボティクスソリューションズ事業としてはまだ開拓できていない地域も多く、まずは販売地域の拡大に取り組んでいく。また、ロボットが導入できていない分野や工程も数多くあり、先に述べた新しいロボット製品などを中核にして用途幅を広げていきたい。そのために安全性の向上、簡易なティーチング、さらなる小型化、周辺部品を含めたソリューションの拡大などを、当事業部だけでなく、セイコーエプソン全社横断的に進めていき、25年度までにロボティクスソリューションズ事業部の売上高を1000億円規模にしていくことを目指す。
(聞き手・浮島哲志記者)
 エプソンの産業ロボ、受注を開始 6つの関節、省スペース化
 信濃毎日新聞 2016/06/22
  セイコーエプソン(諏訪市)は21日、アームが折り畳める垂直多関節型ロボット「Nシリーズ」を初めて商品化し、重さ2・5キロの荷物を持ち運べる「N2—A450」の受注を開始したと発表した。電子機器や自動車分野などで小型部品の組み立てや搬送に適している。
 「N2—A450」は六つの関節がある6軸ロボット。設置面積は60センチ四方で、従来機種より4割ほど削減した。人と同じくらいの作業スペースで設置できる。重さは約19キロ。同ロボット用の力覚センサー「S250H」も受注を開始した。装着することでわずかな力も検出し、より微細な部品の組み立て作業の自動化が可能になる。
 同社は、ロボット事業を将来の柱の一つとして育てる方針。生産現場の人手不足や工程の複雑化で産業用ロボットの需要が高まると見込み、2025年度の売上高1千億円を目標に掲げている。価格はロボットが190万円(税別)。力覚センサーは69万円(同)。
 セイコーエプソン、ロボット事業の2ケタ成長持続、中国に加え欧米も
 化学工業日報 2016/03/11
  セイコーエプソンは、ロボット事業を加速する。中国市場で製造業向けに産業用ロボットの需要が拡大し続けていることに加え、欧米では医薬品や食品業界向けに伸長している。2016年度の売上高は前期比15〜20%増となる見通し。現在の主力はスカラロボットや6軸ロボット。今後ラインアップを拡充し、年2ケタ成長を持続する。16年度から始まる3カ年中期経営計画の期間中には「開発中の自律双腕ロボットをコマーシャルベースにのせる」(碓井稔社長)。
 セイコーエプソンのロボット事業は、自社製造のウオッチ精密組み立てロボットの内製化から始まった。その後30年以上にわたり、ウオッチだけでなく同社のインクジェットプリンターヘッドの製造などでロボットを使用し、ライン構築のノウハウを蓄積してきた。同社自身がロボットのユーザーであるため、顧客のニーズの正確な把握、適切なサービス展開を可能としている。
 中国市場を中心に拡大してきた。電子部品や自動車関連の組み立て工場向けに拡大を続けている。これまでは人件費上昇などがロボット需要増加の背景にあった。最近ではこうした理由に加え、工場の人員不足を補う目的でロボットの需要が高まっている。従来、中国の製造ラインでは女性が過半数を占めていたが、レストランや化粧品店などサービス産業に人材が流れる傾向にあり、多くの工場では慢性的な人員不足に悩んでいる。
 また、同社のロボットは欧米市場でも拡大している。電子や自動車産業だけでなく、医薬品や食品の包装向けにもロボットが浸透しつつある。一方、競合の多い日本市場では後発となっている。他社にない力覚センサーの搭載や、さらに小型化し差別化を推進、競合を猛追する考え。またグローバルで技術的知見を持った営業マンを増やす。技術サポートも含め提案力を強化する。
 ロボットのラインアップ拡充も重要なテーマ。6月には新小型6軸ロボットを投入する。設置面積を従来比40%カットし、タクトライムを約30%短縮させた。また、次期中計中に自律型双腕ロボットを市場投入する方針。ロボット単独で自律的に判断し、さまざまな作業に対応できるため、自動化経験の少ない製造現場でも導入・管理が容易となる。「技術に加え、事業として成立するためのアプリケーションの開発も進んでいる」(同)と話している。
 【2016 成長への展望】セイコーエプソン社長・碓井稔さん(60)
 フジサンケイビジネスアイ  2016/01/08
  ■オリジナリティーを訴求し足場作り
 −−2015年度は中長期経営計画の最終年度だ
 「事業の進むべき方向感がだいぶ定まってきた。核となる強い技術を顧客価値とし、他社が作っていない商品を市場に出せるようになった。最先端のインクジェットプリントヘッド技術『プレシジョンコア』を開発したほか、ウエアラブル機器の分野でも、GPS(衛星利用測位システム)ソーラーウオッチ『アストロン』のセンシング技術などをベースに、健康プログラムの領域にも参入している」
 −−16年度を起点とした新中長期経営計画の目標は
 「18年度を最終年度とする3カ年計画に加え、10年後を見据えた計画も示したい。具体的には、ROS(売上高経常利益率)10%以上の早期達成などを目指すが、数字に引っ張られるのではなく、オリジナリティーを徹底的に訴求するビジネス構造を築いていくのが重要だ。山登りと同じで、ルートを決めないと目的地には到達できない。しっかりと足場を作りたい」
 −−ロボティクスの分野にも注力している
 「海外の人件費の上昇などを受け、製造業界では自動化が大きな課題となっている。プリントヘッドを製造する自社の国内工場の自動化に取り組んでいる。ここで培った技術をベースに、産業用ロボットのラインアップも強化している」
 −−具体的には
 「5月には、折り畳み式の新型アームを搭載し、省スペース効果がある『Nシリーズ』を発売する。このほか、自律型双腕ロボットの開発も進めている。採算に乗るか、人間に代わるパフォーマンスができるかといったことを考慮し、タイミングを慎重に精査するが、17年には商品化したい」
 −−他の新商品は
 「今年は、使用済みの紙を原料にして、水を使わずに新しい紙を作るオフィス製紙機『ペーパーラボ』などの新商品も発売する。コンシューマー向けのインクジェットプリンター『カラリオ』も国内ではかなり浸透してきたが、それ以上に顧客を感動させる商品も出していきたい」
 −−世界経済の動向をどう見るか
 「新興国では大容量インクジェットプリンターの販売が好調だ。主な海外生産拠点は中国・アジア圏にあり、ドル高と新興国通貨安が続くと、製造コストの上昇を販売価格に転嫁するなどの対応をせざるを得ない。リオデジャネイロ五輪が開催され、プロジェクター需要も見込めるが、楽観できる年ではない」
                   ◇
【プロフィル】碓井稔
 うすい・みのる 東大工卒。1979年信州精器(現セイコーエプソン)入社。2002年取締役、07年常務。08年6月から現職。この間、生産技術開発本部長、研究開発本部長を歴任した。長野県出身。
 セイコーエプソン ロボット事業、売上高1000億円に 10年で6倍目標
 フジサンケイビジネスアイ  2015/11/20
  セイコーエプソンは19日、ロボット事業の売上高を今後10年間で現在の6倍超に引き上げ、1000億円を目指す計画を表明した。人間の目のように物体を3次元で認識し、力の加減もできる自律型双腕ロボットの実用化を急ぐほか、生産分野以外にもロボットの活躍の場を広げ、収益の柱に育てる。
 先進国で少子高齢化が進み、生産現場を中心に人手不足が顕在化しており、同社は生産ロボットの需要の拡大を見込む。さらに、介護や家事支援といった新たな需要の掘り起こしも狙う考えだ。
 同社は、インクジェットプリンターヘッドの製造などにロボットを使用し、ライン構築のノウハウを蓄積した。
 2011年からは産業用ロボットの世界最大市場である中国・深セン市で生産を手掛けており、旋回アームを備えたスカラロボットでは世界トップシェアを誇る。
 一方、同社は世界で初めて折り畳み式アームを備え、省スペースで生産性を向上させる新小型6軸(垂直多関節型)産業用ロボット「Nシリーズ」の第1弾を来年5月に発売することも発表した。
 設置面積は人間が作業する場合と同規模の60センチ四方で、従来機種から約40%削減したほか、重さも3分の2に軽量化した。12月2日開幕の「2015国際ロボット展」に出展する。
 けいざいアイ=アーム畳める産業ロボ、エプソンが開発 「6軸」で世界初 売上高1000億目標
 信濃毎日新聞 2015/11/20
  セイコーエプソン(諏訪市)は19日、アームが折り畳める産業用の垂直多関節型ロボットを開発したと発表した。同社によると、六つの関節がある「6軸ロボット」では世界初。省スペース化や作業速度の向上につながるとしている。生産現場の人手不足や工程の複雑化などで産業用ロボットの需要は高まるとし、ロボット事業の売上高を、2025年度までに現在の6倍強の1千億円とする目標を掲げた。
 新開発のロボットは「Nシリーズ」として来年5月に発売予定。60センチ四方の場所で作業が可能で、設置面積を従来機種より4割ほど削減した。周囲との衝突を避ける余分な動作も不要で、同社のシミュレーションでは作業時間を3割ほど短縮できた。精密部品の挿入や、検査装置への製品のセットなど、複雑な動きが求められる工程での需要を見込む。価格は既存の6軸ロボットと同程度の見込みで、年間2千台の販売を目指す。
 同日都内で開いたロボット事業の戦略説明会で、セイコーエプソンの福島米春常務は「部品の小型化や工場のIT化が進む中、小型、軽量、スリムで動きが高精度なロボットの活躍の場は広がる」と強調。エプソンは産業用の水平多関節型(スカラ)ロボットでは世界シェア首位だが、6軸ロボットのシェアはまだ低いとし、「その分市場開拓の余地が大きい」と述べた。
 セイコーエプソン、ロボットで500億円めざす、医薬・食品向け拡大
 化学工業日報 2015/06/12
  セイコーエプソンは、ロボティクスソリューション事業を拡大する。中国での省人化ニーズを背景にスカラロボットや6軸ロボットの需要が急速に拡大。2014年度にはIFRS(国際財務報告基準)での売上収益が156億円となり前年度比で倍増。同様の傾向が欧米や日本でもみられ、継続的な需要拡大が見込まれることから、同社では電子部品の組み立てに加え、医薬や食品業界にも作業領域を広げることでさらなる成長につなげていく。「中期的にはまず300億円、そして500億円の達成を目指す」(碓井稔社長)。
 事業拡大の牽引役は中国で、人件費高騰や人手不足などを背景に、産業用ロボットの需要が増加している。現在はスマートフォンの組み立てや、自動車の電装化の流れを受け、車載用電子部品の組み立て向けに伸びている。昨年度はスマホの大口案件が加わったこともあり、売上収益が急増した。15年度はこの需要が落ち着くため、前期比3%増の160億円を計画している。
 成長戦略の柱は「ユーザーの裾野と作業領域を広げること」(同)。期待する食品業界ではパッケージへの封入、医療業界では注射器の組み立てなどへの展開を見込む。また、ロボットの精度を高めるため、センサー類も拡充する。画像センシングによってロボットの作業をより効率的かつ実用的なものにし、アプリケーションを広げていく。
 早期の投入を目指すのが、自律型双腕ロボット。対象物と作業シナリオを教示するだけで、ロボット単独で自律的に判断し、さまざまな作業に対応できる。従来、作業レベルの難度やコストの制約により、やむを得ず人手に頼っていた領域の自動化を図る。人が使う汎用的な道具をそのまま利用できるほか、3次元空間上で対象物の位置・姿勢を正確に認識する機能を有しているため、ロボットの設置場所を変更しても即座に作業を開始できる。「双腕ロボットが普及すれば500億円は達成できる」(同)。
 さらに「販売体制、サービス体制を強力に作っている。商品の仕込みにも力を入れ、ラインアップを拡充していく」(同)としている。
 セイコーエプソン、産業ロボ事業強化、14年度売上高160億円予測
 化学工業日報 2015/01/09
  セイコーエプソンは、産業用ロボット事業を強化する。スカラロボットや6軸ロボットを中心に展開。内製センサーとソフトウエアの組み合わせによって振動に強く高い制御機能を有する。人件費が高騰する中国市場で拡大が続いており、車載向け電子部品工場での採用が増えている。「今年度の売上高は150億円もしくは160億円突破の可能性がある」(碓井稔社長)。自立型双腕ロボットなど、さらなる技術革新を図る。
 セイコーエプソンのロボット事業は腕時計の組み立てが原点。独自の精密メカトロニクス技術やスマートモーションコントロール技術によって高精度・高速・高耐久性・小型を実現している。世界シェアトップクラスのスカラロボットをはじめ6軸ロボットも揃える。多彩なラインアップで世界の工場の自動化を推進している。
 売上高は2012年度約30億円、13年度約70億円、今期は150億〜160億円を見込み、右肩上がりの成長を続けている。最大の需要先は中国市場。全体の3分の1を占め「非常に好調」(同)という。
 拡大の背景にあるのは人件費高騰と自動車の電装化。自動車への電子部品搭載が増加するとともに、世界の工場である中国で生産が拡大している。人件費増大の解決策として、同社の産業用ロボットに注目が集まっている。また、景気回復で息を吹き返した米国やドイツの自動車業界向けにも採用が増えている。「ロボット単体で売るのではなく、使い方を含めて提案しながら対応しているので引き合いは極めて良好」(同)。
 主力のスカラロボットは幅広いアーム長、最大可搬重量の組み合わせから選べる製品体系で、顧客は用途に合わせて選ぶことができる。6軸ロボットは独自のスマートモーションコントロール技術によって、高速・高精度な位置決め、精密な軌跡制御機能を充実させた。斜めや潜り込みのある組み立てや梱包作業、立体形状のシーリング作業に適している。
 ロボットの高機能化、FA(ファクトリーオートメーション)、産業機器分野で新たな価値を創出することを目指すなか、現在自立型双腕ロボットの開発を進めている。さまざまなアプリケーションを想定しているが、将来的にはプリンターの組み立てにも活用できるよう技術革新を推進していく。
 セイコーエプソンが機構改革と人事
 信濃毎日新聞 2014/09/12
  セイコーエプソン(諏訪市)は11日、10月1日付の機構改革と人事を発表した。センサーや産業用ロボットに関する技術開発の連携を強めるため、インダストリアルソリューションズ事業部とセンシングシステム事業部を所管するセンサー産業機器事業セグメントを新設する。人事は次の通り。
 【本部長・事業部長】
 ▽センサー産業機器事業セグメント担当 技術開発本部長福島米春▽事業基盤強化本部副本部長 経営企画部長兼営業企画部長片桐勝▽技術開発本部副本部長(ビジュアルプロダクツ事業部副事業部長)下斗米信行▽インダストリアルソリューションズ事業部副事業部長(エプソン中国出向)滝沢武彦
 【部長級】
 ▽総務部長(プリンター総務部課長)三原彰▽兼総務部長 VP総務部長矢満田恵三▽兼企画渉外部長 広報IR部長花岡敏雄▽財務経理部長(VP事業管理部長兼VP総務部長)瀬木達明▽ブランド・コミュニケーション企画部長(営業企画管理部長)イアン・キャメロン▽調達企画部長(生産企画・貿易管理部長)中野克洋▽ロジスティクス企画部長(同)柳沢一幸▽安全企画部長(安全推進部課長)小林由文▽兼IP企画渉外部長(兼IP渉外グループ課長)特許技術部長越野一夫▽ソフトウェア品質・生産技術部長(BS企画設計部課長)静幸恵▽兼Cプロジェクト部長 ソフトウェア企画設計部長中村一男▽IJ要素開発部長(IJ要素開発部課長)山田陽一▽IJ要素技術・製造部長(IJ要素技術・製造部課長)羽毛田和重▽兼商業プリンター総務部長 プリンター総務部長兼要素総務部長兼総務部長土田英文▽プリンター企画設計部長(プリンター企画設計部課長)山中剛▽同(BIJ推進プロジェクト部長)富井剛▽同(同)松尾恭宏▽同(BIJ推進プロジェクト)細野聡▽同(LP・SCN事業推進部長)吉塚健▽兼プリンター生産技術部長 プリンター合理化推進部長御船真也▽商業プリンターCS・顧客支援部長(エプソンヨーロッパ出向)田辺雄健▽BS企画設計部長(BS事業戦略推進部長)藤川雅史▽VP・CS品質保証部長(VP・CS品質保証部課長)中内洋▽VP事業管理部長(VP事業管理部課長)太田和宏▽VP要素開発部長(VP事業戦略推進部)宮坂浩一▽VP企画設計部長(VP要素開発部長)矢崎正幸▽兼VP事業戦略推進部長 VD営業・技術サポート部長内田雅秀▽IS企画設計部長(IS企画設計部課長)山藤宏之▽W商品開発部長(W開発設計グループ課長)古川常章▽W生産部長(Wムーブ生産グループ課長)両角政仁▽デバイス管理部長(デバイス総務部長)総務部長巾崎聡▽同(IC管理部長)本沢直人▽同(TD生産企画管理部長)則松力▽デバイス営業部長(TD営業部長)岸本明▽同(同)杉浦孝昌▽同(IC営業部長)坂下知正
 碓井エプソン社長インタビュー、一問一答 「ビジネス向け転換を推進」
 信濃毎日新聞 2014/06/14
  碓井社長の一問一答は次の通り。
 —2014年3月期決算は純利益が過去最高となった。
 「収益構造を変える改革の成果が着実に表れてきた。ただ、家庭向け中心から産業・ビジネス向けへの転換に向けた体質づくりはまだ十分ではない。過度に売り上げや利益を追うのではなく、自分たちが目指すビジネススタイルの確立を図っていく」
 —具体的には。
 「シェアが低い分野を重点的に伸ばす。インクジェットプリンター事業の中で、レーザー式が主流のオフィス市場は新たに開拓できる領域だ。大容量インクタンクを備えた新興国専用モデルの販売は14年3月期に約300万台と、前期から倍増した。新興国のプリンター市場は5千万台近くあり、安くきれいな印刷を求めるニーズが強い。専用モデルを伸ばせる素地がある」
 —プリンター以外では。
 「プロジェクターのうち、(建物などに映像を投影する)プロジェクションマッピングに使うような大型機種のシェアはまだ低く、性能面などを考えると伸ばせる。今月末に発売する眼鏡型情報端末の新商品は、実際に使ってもらいながら、一般やビジネス向けでニーズを開拓したい」
 —3Dプリンターを5年以内に投入する方針を示した。
 「現在の性能ではそれほど市場が広がるとは思えない。やるからには、例えば3Dプリンターで作った部品を自社の産業用ロボットで組み立てるなど、量産に対応できるものを目指したい」
 エプソンの水平多関節型ロボ生産 豊科事業所から中国に順次移管へ 「雇用影響なし」
 信濃毎日新聞 2013/11/27
  セイコーエプソン(諏訪市)は、産業用ロボットのうち豊科事業所(安曇野市)で手掛けている「水平多関節型」の生産の大半を、中国・深〓の工場に移管する方針を決めた。中国で生産ラインの自動化需要が高まっていることを受け、現地生産でコストを抑える。豊科事業所では他の分野の生産を強化しており、「雇用に影響はない」(広報IR部)としている。
 水平多関節型ロボットは、精密部品の組み立てや搬送に使われる。エプソンは年間の生産台数を公表していないが、現在は豊科事業所と深〓がほぼ5対5の割合で生産。計画では、1年後に3対7まで深〓での生産比率を高め、2年後には少量生産の特注品を除いて深〓に移す。
 豊科事業所の人員や生産態勢は、「6軸型」と呼ぶロボットやラベル印刷機など、産業分野の生産強化に振り向けるという。
 エプソンによると、製造工程を自動化する産業用ロボットは、人件費が上昇している中国を中心に需要が急拡大している。エプソンは水平多関節型ロボットで世界シェアトップ。今後もセンサー技術などを組み合わせて使いやすさを高め、事業規模を拡大していくとしている。
【字解】土ヘンに川
【字解】土ヘンに川
【字解】土ヘンに川
【字解】土ヘンに川
 深層断面/市場つかめるか双腕ロボット
 日刊工業新聞 2013/11/25
  産業用ロボットメーカーが、人間を模した「双腕ロボット」の開発を加速している。双腕ロボットは胴体部に2本の��ボットアームやビジョンセンサーなどを取り付けたロボットで、主に製品の組立作業で活用されている。セイコーエプソンや不二越、スイスABBが相次ぎ試作機を発表。事業参入が相次ぐ一方で、現在双腕ロボットを手掛ける安川電機や川田工業は拡販に苦心している面もある。双腕ロボットの課題と可能性を探った。(鳥羽田継之)
 スカラー(水平多関節)ロボットで世界トップシェアを持つセイコーエプソンは、2015年をめどに双腕ロボット事業に参入する。同社の双腕ロボットは頭部と手首にビジョンセンサーを搭載している。ビジョンセンサーで得た情報をもとにアームの軌跡を自律変更する機能を持つ。今後は自社のプリンター工場で試験的に導入を進め、得られたデータを基に、広く販売できる機種に仕上げていく考えだ。
 世界4大ロボットメーカーの一角、スイスのABBも双腕ロボットの投入をうかがう。モーター出力を低めに設定しており、人間との協調作業が可能。展示会では人間とロボットが作業を分担して部品を組み立てるデモを行い、来場者を驚かせた。15年の商品化を予定している。
 不二越も双腕ロボットを完成。9月に発売した小型ロボット「MZ07」を2台ボディーに取り付け、ビジョンセンサーも組み合わせた。「今後はアームの小型化など改良を施しつつ、製品化に向け市場調査を行う」(赤川正寿ロボット事業部長)方針だ。
 ≪「高価格」普及の壁≫
 ■2つの悩み
 参入企業が増加し注目を集める双腕ロボットだが、製造現場での活用は遅れている。他社に先駆けて05年に製品化した安川電機も12年の販売台数は約500台規模とみられ、川田工業の双腕ロボットも12年の販売実績は数十台にとどまる。販売が伸び悩んでいる大きな理由は二つ。「高価格」であることと、「双腕ロボットが絶対必要な仕事がまだ少ない」ことだ。
 小型のロボットアームは、参入企業の増加もあり市場価格は現在100数十万円まで値下がりしている。これに対し双腕ロボットの市場価格は700万円前後。特殊なロボットアームを2本使ううえ、胴体部分の回転機構などがあり単純比較できないものの、導入を検討する企業にとっては、まだ割高な印象を与えるようだ。安川電機、川田工業とも「販売台数が伸びれば量産効果で値段を下げられる」と見込んでいるが、値段が下がらなければ普及も進まないジレンマを抱える。
 また「双腕ロボットが絶対必要な仕事」が確立されていないのも課題だ。双腕ロボットと、ロボットアームを2台並べるケースは一緒という意見は業界に根強い。川崎重工業の橋本康彦執行役員は「双腕ロボットをシリーズ化することは考えていない」と話す。ファナックの稲葉清典専務も「産業用ロボットが人型である必然性は見あたらない」と厳しい見方をしている。
 ■生産規模拡大
 双腕ロボットの市場拡大にはやはりコストダウンが必要であり、そのためには需要拡大が不可欠だ。安川電機は双腕ロボットの生産台数を増やすため新用途を積極的に開拓している。従来の機械部品組み立てだけでなく先端研究分野での単純作業代替などバイオ分野でも販売を進めている。
 川田工業も現在の電機・電子分野だけでなく、食品分野なども将来市場として見込む。新分野開拓が進めば、量産化に一歩近づきそうだ。
 もうひとつの課題である「双腕ロボットが必要な仕事」についても、その可能性を指摘する声が上がっている。メーカーより現場に近く、実際に工場で自動化システム構築を手掛けるシステムインテグレーター(SI)からだ。
 ■人手置き換え
 三明機工(静岡市清水区)の担当者は「双腕ロボットはロボット2台を並べるケースに比べ設置面積が小さく、治具などが不要のためロボット回りをすっきりできる」と利点を説明する。ロボットアーム2本を使い自社で双腕ロボットを開発するウエノテクニカ(群馬県桐生市)も「組み立てなど人手作業を置き換えるには最適」とし、さらに「将来人間とロボットが協調作業する時代が来たときに、双腕型の方が動きの軌道を予測しやすく安全面で有利」と分析する。
 【組み立て用途に期待】
 双腕ロボットの開発に乗り出す企業が後を絶たない理由は、ロボット化が遅れている組み立て用途での販売増につながると期待しているからだ。双腕ロボットはシルエットが人間に近いため、人間が行っている作業の置き換えが比較的容易だ。多品種小ロットの仕事が増える先進国の工場では、複雑作業を自動化できる双腕ロボットが役立つ可能性は大きい。また先進国で実績を積み上げれば、賃金上昇に悩む新興国でも双腕ロボットの需要は高まるだろう。
 国際ロボット連盟(IFR)のグドルン・リッツェンバーガー事務局長も「現在の組立工程は多くを人手に頼っている。今後は双腕ロボットの導入がさらに増える」と予見している。
 人型ロボットが工場内を歩き回り、人間と一緒に作業する。映画やアニメで描かれた「未来の工場」は実現するのか。全ては、ロボットメーカーの双肩にかかっている。
 【事例/モジュール組立作業も楽々】
 群馬県にある自動車部品工場では、安川電機の双腕ロボットが複数台稼働。製造ラインの最終工程で、組立作業に従事している。これまでは主にベテラン技術者によって行われていた作業だが、熟年社員が退職時期に入ったことや、「今後日本の市場規模が縮小するなかで新たな雇用は増やせない」(同社社長)との判断から双腕ロボットを使い始めた。双腕ロボット導入により、繁忙期の人件費抑制や品質安定などのメリットがあったという。今後はさらに双腕ロボットの導入を増やし、より多様な作業を自動化していく方針だ。
 グローリーの埼玉工場(埼玉県加須市)では川田工業のNEXTAGEを多数導入。現在は4ラインで13台が稼働しており、貨幣処理機のモジュール部品の組み立てを手掛けている。金属部品だけでなく、樹脂製ベルトのような柔らかい部品も2本の腕で器用につまみ上げ、モジュールに組み込み。ベルトの張りの調整など一部の工程は人手が必要となるが、ほとんどの工程をロボットのみで実現した。自動台車で移動して別の工程の仕事を担当する「副業化」も実現。「人による生産に比べると作業スピードは遅いが、夜間作業も実現すればトータルでは大幅なコストダウンになる」(グローリー)という。今後は4台のNEXTAGEを新たに稼働し、合計5ラインをロボット化する計画だ。
(記事に対するお問い合せはFAX・03−5644−7098まで)
 エプソンが「自律型双腕ロボット」開発 効率的な動き、自ら判断
 信濃毎日新聞 2013/11/06
  セイコーエプソン(諏訪市)は5日、最も効率的な動きを自ら判断して、2本のロボットアームを使って部品の組み立てや搬送などの作業をする「自律型双腕ロボット」を開発したと発表した。これまで人手に頼らざるを得なかった難しい作業の自動化も容易になる。工場で自動化できる作業を広げるロボットとして、2015年度内の商品化を目指す。
 開発したロボットは、部品や道具の位置や姿勢を搭載されたカメラで正確に認識。アームの先に付けた「多目的ハンド」で、さまざまな形の対象物を「握る、つかむ、挟む」といった作業をこなす。「ドライバーでねじを回す」といった繊細な作業も力を加減しながらできる。最短の軌道を自動的に割り出すことが最大の特徴で、複雑なプログラミングが必要ないという。
 エプソンによると、同社は組み立て・搬送などの工程に使う水平多関節型の産業用ロボットで世界シェアトップ。自律型双腕ロボットは、こうしたロボット技術に加え、画像処理やソフトウエア、センサーなどの技術を組み合わせて開発した。6〜9日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる「国際ロボット展」で初公開する。
 県内新製品=動作速度を向上させた産業用ロボット セイコーエプソン
 信濃毎日新聞 2013/11/06
  ☆動作速度を向上させた産業用ロボット
 セイコーエプソン(諏訪市)は5日、電子部品などの搬送・組み立てを自動化する水平多関節型の産業用ロボットの新製品「H8シリーズ」=写真=を発売した。従来機種より動作速度を20%向上させた。高さ58センチ、重さ20〜21キロで、同クラスのロボットとしては業界最小・最軽量を実現したという。
 アームの長さは45センチ、55センチ、65センチの3種類。運搬できる最大重量は8キロ。「高速モード」から「低振動モード」に切り替えることで、より繊細な組み立て作業の自動化にも対応できる。価格はオープンで、予想市場価格は160万円から。
 産ロボ生産、中国シフト−大手各社、即納体制に
 日刊工業新聞 2013/02/07
  産業用ロボットメーカーの中国生産シフトが止まらない。大手メーカーの安川電機、不二越は2013年から相次ぎ中国生産をスタート。川崎重工業も中国生産に向け検討を進めている。中国は人件費の高騰もありロボット需要が急増中。国際ロボット連盟(IFR)の予測によると14年に3万2000台が新規導入される世界最大の需要国となる見通しだ。各社は現地生産による即納性を競い、需要を取り込む。(鳥羽田継之)
 安川電機は常州市で同社初の産業用ロボット工場を建設する。すでに現地で生産テストを始めており、6月から量産を開始。部品の現地調達を拡大し、機械加工品の内製化を高めることで、製造コストを抑え日本製同様の品質を実現する。
 不二越も2月に稼働する張家港市の油圧機器工場で、産業用ロボットの製造ラインを設置する。当初計画では油圧機器と工具の製造を予定していたが、現地のロボット需要増加を踏まえロボット製造もスタート。中国生産により、同社のロボット生産量は1・5倍へと増加する。
 川崎重工業も、蘇州市の油圧機器工場などを候補に検討を進めている。明石工場(兵庫県明石市)でロボットを製造しているが、建物は老朽化しており拡張余地も少ない。ロボットによる自動生産ラインを構築するスペースもないため、コスト削減やリードタイム短縮の面からも中国生産は待ったなしの状況だ。
 そのほかセイコーエプソン、パナソニックなどが小型ロボットや電子部品実装機を中国で生産。JUKIや東芝機械も中国生産に向けた検討を進めている。
 中国生産を始める会社が増える一方、国内生産を堅持する会社もある。ファナックは山梨県忍野村にある月産5000台のロボット工場から世界にロボットを供給。稲葉善治社長は「集中生産ロボットによる自動化が最大のコスト削減であり、海外生産は絶対ない」と断言する。三菱電機も海外生産は行わず、名古屋製作所のみで小型ロボットを生産する方針だ。
 各社が中国生産に踏み切るのは、納期短縮やコスト削減だけが理由ではない。「日本と違いロボットの即納を求めることもある」(南善勝安川電機取締役)という中国市場のスピード感と旺盛な需要に応えることが主目的だ。ロボットを導入した自動化工場を中国に設けることで、工場をショールームとしてアピールしロボット販売に弾みを付ける狙いもある。
 しかし、中国生産には技術・ノウハウの流出リスクがつきまとう。産業用ロボットは比較的日本が優位性を持つ分野だが、根幹となる技術が流出すれば優位性が崩れる可能性もある。現地調達、現地生産の拡大に伴い、各社には一層の技術流出対策が求められている。
(記事に対するお問い合せはFAX・03−5644−7098まで)
 セイコーエプソン、スリム・軽量アームで高速化した6軸ロボット発売
 化学工業日報 2012/12/11
  セイコーエプソンは、垂直6軸型産業用ロボット2商品を12月下旬から順次発売する。併せて産業用ロボットコントローラー「RC700」と画像処理オプション「Vision Guide7・0」も発売。スリムで軽量なアームと高速性を実現しており、加工機への搬送作業や小型成形機からの取り出しなど軽量物のマシンテンディング向けなどに販売する。
 新商品は、サイクルタイムを従来機比で20%短縮し、可搬重量を4キログラムに向上した「C4」と、作業スペースを有効活用できるスリム&ロングアームモデル「C4L」の2製品。従来機の高速・高精度な作業とコンパクトな設置性はそのままに、高可搬でも振動を抑制することで加速度を向上させ、負荷3キログラムで標準サイクルタイムは0・43秒と20%短縮した。可搬重量も3キログラムか��4キログラムに向上、アーム長も従来の600ミリメートルに加え900ミリメートルタイプを追加した。
 エプソン、中国で産業用ロボ拡販−車向け提案強化
 日刊工業新聞 2012/12/05
  セイコーエプソンは産業用ロボット事業の拡大に乗り出す。同社のロボットはスカラー(水平多関節)型と小型の垂直多関節型が2本柱で、精密性の高さが特徴。日本のほか欧州・中国などで電機・電子部品の組み立てに使われている。今後は中国で一層の拡販を行うと同時に、自動車部品の組み立てにもロボットの提案を強化する。現在のロボット事業の売上高は約50億円で、5年後をめどに150億円への拡大を目指す。(鳥羽田継之)
 同社のロボットは、可搬質量20キログラム以下の小型タイプがメーン。スカラー型がシェア22%で世界トップ、垂直多関節型はシェア6%で世界5番手となっている。同社は小型ロボットの世界市場が、12年の460億円から15年に約530億円へと拡大すると見込んでおり、特に中国での生産自動化の動きが原動力になるとみている。中国市場攻略のため、戦略機としてスカラー型の「LS」、垂直多関節型の「C4」を開発。生産拠点も豊科事業所(長野県安曇野市)から、中国・深センの工場へと移した。現地生産による短納期化と低価格を武器に、販売を伸ばす。
 また同社のロボット事業は、スマートフォンやタブレット端末の部品組み立てなど電機・電子分野への売上比率が高く、変動が激しいのが課題。最近はハイブリッド車(HV)の普及もあり自動車の電子制御化が進んでいることから、今後は自動車部品分野にもロボットを販売し事業の拡大・安定化につなげる。「現在の自動車部品分野の売上高はロボット事業全体の約30%程度だが、17年ころまでに約40%まで伸ばす」(平尾英雄技術開発本部副本部長)方針。プリンター事業で構築したグローバル販売・サービス網を生かし、中国以外の新興国でもロボットを拡販する。
 碓井稔社長は「産業装置事業の中で産業用ロボットは最も成長が期待できる分野。特に中国は好調が続くだろう」と期待を語る。碓井社長の言葉通り、中国では人件費の高騰や湾岸部の人材不足のため、電子部品の組立工程にロボットの導入が進んでいる。同社のロボット事業がさらなる成長を遂げるには、中国での生産自動化ニーズをいかに取り込みシェアを広げるかにかかっている。
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  エプソン産業分野 売上高3倍目標に 15〜17年度
 中日新聞 2012/12/05
  セイコーエプソンは四日、事業説明会を開き、産業分野の年間売上高を二〇一五〜一七年度をめどに、一二年度見込みの約三倍の三百億円に増やす中期目標を明らかにした。工場の生産ラインで使う産業用ロボットなどの売り上げを伸ばし、収益の柱に育てる考えだ。
 ロボットは自動車やスマートフォン(多機能携帯電話)の製造用などを強化し、一二年度見込みの約五十億円を百五十億円以上へ引き上げる計画。得意とするインクジェット技術を応用した産業用印刷機の販売にも力を入れる。
 次世代テレビで採用が増えると期待される有機ELパネルに関しては、製造技術や材料を他社に提供し、収益につなげる方針だ。
 県内新製品=動作速度を向上させた産業用ロボット セイコーエプソン
 信濃毎日新聞 2012/12/04
  ☆動作速度を向上させた産業用ロボット
 セイコーエプソン(諏訪市)は3日、産業用ロボットの新製品「C4シリーズ」を12月下旬に発売すると発表した。電子機器の組み立てや、自動車部品の搬送などに使う垂直6軸型ロボットで、従来機種に比べ標準的な動作にかかる時間を約20%短縮。従来より1キロ重い重さ4キロの物まで運べるようにした。
 アームの長さが60センチの「C4」=写真右=と、90センチの「C4L」=同左=の2機種を用意。想定価格は「C4」が約190万円、「C4L」が約200万円。2機種で年間100台以上の国内販売を見込む。ロボットの制御装置、部品の形状などを認識できる画像処理システムも同時に発売する。
 セイコーエプソン、8インチウェハ高耐圧CMOSプロセス向けにシルバコPDKの提供開始
 JCN Newswire  2012/08/28
 Yokohama, Aug 28, 2012 - (JCN Newswire) - 株式会社シルバコ・ジャパン(代表取締役: アイヴァン・ぺシック、以下シルバコ)は、セイコーエプソン株式会社(代表取締役社長: 碓井稔、以下エプソン)が8インチウェハ高耐圧CMOSプロセス向けに、シルバコPDK(プロセス・デザイン・キット)の提供を開始したことを発表します。
エプソンは6インチウェハで展開していた高耐圧CMOSプロセス0.35umWRJを新たに8インチウェハへと拡大する中、これまで同様シルバコPDKを採用し、こ��たびお客様への提供を開始しました。
提供されるシルバコPDKは、エプソンとの協力関係のもと開発されたものです。本開発は、両社の5拠点にまたがるプロジェクトでしたが、2007年から続くパートナーとしての信頼関係の下、円滑に開発が進められました。
今回のシルバコPDKの提供により、お客様は、競争力の高いエプソンの8インチプロセスと洗練されたシルバコのミックスドシグナル・デザインフローを利用することが可能になります。
シルバコ・ジャパンのジェネラルマネージャー古井芳春は次のように述べています。「長年パートナーとして携わってきたエプソン様の高耐圧CMOSプロセスで、新たにリリースされる8インチウェハにおいてもシルバコPDKが提供されることを大変嬉しく思っています。本8インチプロセスとシルバコ独自のトークン・ライセンスは、お客様のROI向上に大きく貢献することを確信しています。」
概要: セイコーエプソン株式会社
セイコーエプソンは、プリンター・スキャナー・液晶プロジェクター・パソコンなどの情報関連機器、水晶デバイス・半導体・高温ポリシリコンTFTなどの電子デバイス、ウオッチ・眼鏡レンズ・産業用ロボットなどの精密機器、その他における開発・製造・販売・サービスを行っています。精密メカトロニクス技術を基盤とした3つのコア技術(マイクロピエゾ・3LCD・QMEMS)を極め、プリンティング・プロジェクション・センシングの領域で、お客様の期待を超える製品・サービスを生み出していきます。
創立: 1942年5月(創立70周年)
連結売上高: 8,779億円(2012年3月期)
http://www.epson.jp/company/
概要: SILVACO, Inc.
SILVACO, Inc.は、TCAD、回路シミュレーション、およびIC CADソフトウェア・ツールのリーディング・ベンダです。SILVACOのツールは、ファウンドリにおける半導体プロセスの開発や、デザイン・ハウスにおけるアナログ/ミックスド・シグナル/RF ICの設計に使用されています。SILVACOが提供するPDKベースの統合設計フローは、他社製設計プラットフォームとのインタフェースを備えています。SILVACOは、世界中の主要地域に事業拠点を構え、グローバルなプレゼンスを有しています。
http://www.silvaco.com/
概要: 株式会社シルバコ・ジャパン
株式会社シルバコ・ジャパンは、1989年に現在のSILVACO, Inc.(米国)の日本支社として設立、1995年に日本法人として登記されました。シルバコ・ジャパンは、日本のTCADおよびEDAソフトウェア業界におけるリーディング・カンパニーを目指し、技術サポート体制と営業の強化、研究開発環境の構築と拡充に全力をあげています。事業拠点を横浜本社および京都オフィスに構え、充実したサービスを展開しています。
http://www.silvaco.co.jp/
お問合せ先:
社名: 株式会社シルバコ・ジャパン
住所: 〒244-0801 横浜市戸塚区品濃町549-2 三宅ビル4F
担当: ジェネラルマネージャー 古井
TEL: 045-820-3000
FAX: 045-820-3005
 エプソン、ロボット向け位置決め機能向上の画像処理システム発売
 化学工業日報 2011/09/08
  セイコーエプソンは、産業用ロボットに作業部品の形状や位置、方向を高速、高精度で認識させるロボット向け画像処理システム「Vision Guide」を9月から発売した。組み立てや搬送作業に必要な位置決め機能にフォーカスしたもので、多品種少量生産に最適な製品としている。
 Vision Guideは、明るさが変化しても高速、高精度に認識できる幾何学パターンマッチング(形状認識)機能を搭載しており、高い生産性や品質の安定化が期待できる。エプソン製のロボット、コントローラーに最適化したシステムで、ロボットとの併用で自動化した生産ラインの設計自由度を高めることができる。
 人手不足、作業効率の改善、品質の安定などの要求から産業用ロボットを生産ラインに導入する動きが高まっている。従来、専用の位置決め装置を用いてロボットの設計が行われていたが、生産ラインを変更する場合には品種ごとに装置が必要となることから、画像処理システムの需要が増えているという。
 同社では、産業用スカラロボットについても「LSシリーズ」にアーム長600ミリメートル、可搬重量6キログラムの「LS6」を追加、今月から販売開始する予定。
 ロボ受注「増加」5割・海外依存強まる−本社アンケート
 日刊工業新聞 2011/11/09
  2011年の産業用ロボット生産額が10年実績の5570億円を上回りそうだ。日刊工業新聞社が実施したアンケートでは中国、東南アジアなどの設備投資拡大を受け、産業用ロボットメーカーの約5割が受注は「増加」と回答した。ロボット事業の収益は「増収増益」が33%と「減収減益」の4%を引き離した。ロボット市場は08年秋のリーマン・ショックからV字回復した10年を上回り、成長を続けている。(7面に関連記事)
 日刊工業新聞社は10月にロボット事業の受注や業績などのアンケートを実施し、産業用ロボットメーカー11社、部品・周辺装置やサービスロボット関連企業44社の計55社から回答を得た。回答企業全体では「11年度の受注計画」について前年度に比べて「増加」と回答したのが全体の49%で、「減少」の5%、「横ばい」の35%を引き離した。
 受注水準は08年秋のリーマン・ショック前に比べて「80%未満」が31%だった。ただ産業用ロボットメーカー11社に限ると半数以上がリーマン・ショック前の8割程度に戻るとみている。11社のうち海外売上比率が50%を超える企業は7割で、このうち中国だけで20%以上の企業が3割にのぼった。収益の海外依存が鮮明になっている。
 日本ロボット工業会がまとめた産業用ロボットの受注額(会員46社分)は、11年7—9月期が前年同期比3・1%減の1026億円と8四半期ぶりのマイナスだった。電子機器の投資が端境期を迎えており、受注全体の40%近くを占める電子部品実装機の落ち込みが響いた。ただ自動車向け溶接ロボットは好調に推移。新興国で中長期の需要増が期待され、業界大手は総じて受注が堅調に推移すると見ている。
 ■産業用ロボット各社の需要の見方■
 ○ファナック・稲葉善治社長−自動車関連の需要が強い。中国も急成長。しばらく高原状態が続く
 ○安川電機・津田純嗣社長−中国の投資スピードは数年前の想定よりも早い。数年間は上昇基調
 ○川崎重工業・山口雅敏執行役員−半導体・液晶製造設備向けは停滞しているが、自動車向けは堅調
 ○不二越・田中佐千夫取締役−中国の自動車投資案件が少し延びているが、春節が終われば一気に戻りそう
 ○三菱電機・小平紀生主管技師長−スマートフォン組み立て向けが非常に好調。今年度は過去最高の出荷台数に
 ○ヤマハ発動機・藤田宏昭執行役員−ロボット売上高は計画を上回りそう。欧米の景気低迷の中国への波及を懸念
 ○デンソーウェーブ・柵木充彦社長−11年度受注は前年度比2割増の計画。先行き不透明なため顧客も少し慎重
 ○ダイヘン・清原裕次副社長−リーマン・ショック前からの回復は国内7割、米国8割、欧州9割。中国は非常に好調
 ○セイコーエプソン・平尾英雄技術本部副本部長−景気先行きは心配だが、現時点で欧米、アジアとも堅調で、計画通り
 ○東芝機械・坂元繁友取締役−中国の半導体、液晶向けは調整局面に入ったが、欧州は堅調
 ○アイエイアイ・石田徹社長−東日本大震災の影響で5月以降は厳しかったが、9月以降に持ち直した
 ○ABB(日本法人)・高屋政一副社長−国内の設備投資は少ないが、アジアの工場で稼働する案件の受注は好調
 ○KUKAロボティクスジャパン・安藤晃二社長−製造業の海外展開にともない、輸出が伸びている
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 県内新製品=価格抑えた産業用ロボット セイコーエプソン
 信濃毎日新聞 2011/07/01
  ☆価格抑えた産業用ロボット
 セイコーエプソン(諏訪市)は30日、産業用ロボットの新製品「LSシリーズ」=写真=を発売したと発表した。中国など新興国の製造業で生産工程の自動化の動きが出ていることに対応。従来の主力シリーズより価格を3割程度抑える。
 新製品は、組み立てや搬送などの工程に使う「水平多関節型ロボット」。スマートフォン(多機能携帯電話)や車載用電子部品といった小型の電子機器のメーカーの需要を見込む。価格は専用コントローラーとセットで115万5千円から。
 ニッポン産業 いざ反転攻勢(3)ロボット
 日刊工業新聞 2011/01/28
  モノづくりの現場でロボットの活用が広がっている。これまでの3K(危険、きつい、汚い)の仕事をロボットが担ってきたが、現在は製品の組み立てなどの手作業をロボットに転換する流れが強まっている。製造業を取り巻く事業環境の変化に応じてロボットが進化している。
 日本精工の子会社で自動車部品を製造しているNSKステアリングシステムズ(前橋市)の前橋工場(総社プラント)は2010年末に電動パワーステアリングの組み立てロボットを導入した。「海外の生産拠点に勝つためには、もっと自動化を進めなければならなかった」。前橋工場の生産部門を率いる藤代裕取締役はこう言い切る。
 前橋工場では手作業でハンドル周りの部品や減速機、モーターの組み付けをしていたが、自動化により「生産効率や品質を向上する」(藤代取締役)と意気込む。
 ただ、単純にロボットを導入するだけで自動化を実現できるわけではない。前橋工場では毎朝の始業前に全従業員が集まり、前日の製品不良を検証するなど生産ラインの改善や品質向上に日夜取り組んでいる。このようにして蓄積したノウハウがあればこそ、人の作業をロボットに置き換えられるわけだ。
 日本企業のグローバル展開の主戦場は中国などの新興諸国に移った。円高の定着もあり、海外生産シフトは加速する一方だ。国内の製造拠点が海外と同じことしかできなければ、土地や人件費が高い分、競争に勝つことはできない。『国内工場の役割は何か』という根本的な問いをあらためて突きつけられている。
 この解の一つが海外工場の手本となる『マザー工場』の役割だ。高い生産性や品質を実現し、生産技術やノウハウを移植することが使命になる。生産性や品質を高める方策として現場のロボット化が期待されている。
 【パラレルリンク普及/ターゲットは組立工程】
 多くの製造現場で、すでに部品加工などの前工程は自動化されている。現在のターゲットは最終組み立てなどの後工程だ。「組立工程は作業者の入れ替わりが激しく、品質のバラつきが大きい。熟練の技をロボット化し、国内からグローバルに生産技術を発信したい」。パナソニックの野村剛生産革新本部長はパラレルリンク機構ロボットを開発した理由をこう説明する。同社ではカメラモジュールなど精密部品やプリント基板の組立工程にロボットを導入し、自動化を目指している。
 組立工程の自動化ニーズに対応し、産業用ロボット各社も積極的に動いている。ファナックは6自由度の構造のパラレルリンク機構ロボットを展開し、部品の向きを変えたり、斜めに挿入したりといった複雑な動作を提案している。安川電機は人の腕と同じ七つの関節で、2本同時に動く双腕ロボットを組立工程に適用している。製品梱包などの組み立て以外の新しい用途にも広げる考えだ。
 川崎重工業は社内の各カンパニーの工場に垂直多関節ロボットを導入した。金属片の研磨、バリ取りなどの工程のノウハウを蓄積し、外販につなげる考え。三菱電機は天井からつって設置するタイプの水平多関節ロボットを開発し、据え置き型に比べて動作領域に制限がないロボットとして人が密集した生産ラインへの導入を狙っている。
 国内の生産現場が迫られているもうひとつの流れは多品種少量生産への対応だ。例えば自動車メーカーは国内で単一車種が売れなくなったことを受け、単一車種の生産ラインを海外に移し、国内工場は多くの車種が生産できるラインに見直す動きがある。国内工場は従来よりも生産数量が少ない一方、多様な生産ラインが並ぶレイアウトになった。このため各車種の生産ライン間を行き来する搬送ロボットの需要が高まっている。
 こうした動きに合わせて不二越は搬送ロボットの提案に力を入れている。自動車産業に限らず、家電製品や機械部品においても多品種少量生産の流れは強まっている。専用機械にはないロボットの汎用性が改めて注目されている。
 【中国の需要急伸に勝機/エンジ力強化がカギ】
 ロボット化の要求が強まっているのは日本だけではない。中国の需要も伸びている。急速な経済成長を背景に工場作業者の賃金が高騰しており「あと5、6年で先進国並みになる」(大手機械メーカー幹部)。それだけに生産ラインに並んで組み立てる人海戦術は厳しくなる。
 中国で自動化を提案する際に重要となるのがエンジニアリング機能だ。ロボットを導入する工場に対して周辺の搬送・制御機器までを含めた生産ライン全体を設計、構築することが求められる。現地企業では高度な生産技術を持った人材が不足しているため、こうした要求が高い。
 このため安川電機は上海でエンジニアリング事業を始めた。従来はロボット販売に専念していたが、サービス技術者を増員し、案件を掘り起こしている。成都や重慶など内陸部でも同サービス拠点と人員を拡充する計画だ。川重も10年に工場エンジニアリングを専門に請け負う100人体制の新組織を立ち上げた。外部のエンジニアとも連携しながら、受注活動に取り組んでいる。ファナックも中国市場で「人員増強に取り組む」(稲葉善治社長)としている。
 中国の現地企業のロボット導入の背景にあるのは人件費の高騰だけではない。性能が向上し、人以上に高度で生産性の高い仕事ができるようになったからだ。現地企業は手作業よりも生産性が高く高品質のラインを構築する意向だ。
 【異業種も攻勢/市場を活性化】
 ロボット市場の成長をにらんで異業種の企業も攻勢をかけている。家電大手のパナソニックは、自社製品の組立工場向けロボットを開発。当面は社内活用だけだが「外販も検討している」(野村本部長)としている。
 精密機械メーカーのキヤノンもロボット事業を本格展開している。産業機器事業で現状比2倍以上の売上高1兆円を目指す計画で、ロボットなどを組み合わせた製造ソリューションに乗り出す。グループ内で真空機器やダイボンダー、製造管理システムを手がけているため、この自動化のノウハウを生かして産業用の知的ロボットの開発に取り組んでいる。
 セイコーエプソンも水平多関節の小型ロボット事業を伸ばそうとしている。15年度までにロボットなどFA機器事業の売上高を現状比で2倍にする計画だ。この一環でシンガポールとブラジルの販売拠点に産業用ロボットの専門組織を設置した。現地の電子機器組立工場に導入を提案する。
 こうした参入によって産業用ロボット各社との競争激化といったマイナス面が懸念される。しかし、市場のすそ野が広がり、活性化につながるプラス面の方が大きそうだ。製造現場により深くロボットが入り込み、モノづくりを進化させるだろう。
(記事に対するお問い合せはFAX・03−5644−7098まで)
 ビジネス交差点=セイコーエプソン 中国で産業用ロボット販売強化 人件費上昇で需要高まる
 信濃毎日新聞 2011/01/25
 [セイコーエプソン(諏訪市)]
 セイコーエプソン(諏訪市)が中国市場で産業用ロボットの販売を強化している。急速な経済成長で製造業の人件費が上がり、人手に頼っていた工程を自動化する動きが強まっているため。現地法人の営業担当者を順次増員しており、2013年度の販売台数は本年度見込みの4倍を目指す。
 北京の現地法人に09年、産業用ロボット専任の営業担当者を2人配置したが、想定以上の需要の伸びで10年度は7人に増やし、11年度は10人態勢とする。ロボットを含む精密機器事業の10年度売上高は前年度比16%増の670億円の見通しで、うちロボット関連は3倍に増える見込みだ。
 中国は安く豊富な労働力で「世界の工場」の地位を確立したものの、昨年は日系企業などで賃上げを求めるストライキが続発。エプソンによると、労働者がサービス業への志向を強めているほか、これまで人材の供給源だった内陸部への工場進出が増えている事情もあり、特に沿岸部で人手不足が深刻化していることも要因という。
 本格進出が遅かった中国市場の開拓で、主力の水平多関節型ロボットの世界シェアは10年に金額ベースでトップに立つ見通しだ。昨年4月には台湾でも産業用ロボットの販売を開始。11年度にはシンガポールにも営業担当者を置き、東南アジア市場の開拓を図る。
 同社が造る産業用ロボットは、腕時計の小さな部品を組み立てる生産設備がルーツ。FA営業技術グループの畠山剛課長は「精度の良さが受け入れられている。世界中に拠点を持つエプソンの強みを生かし、拡大する需要を捉えていきたい」としている。
 セイコーエプソン、高速・高精度組み立ての垂直6軸ロボット発売
 化学工業日報 2010/12/15
  セイコーエプソンは14日、6軸(垂直多関節型)産業用ロボット「ProSixシリーズ」として新たに「S5シリーズ」を発売したと発表した。PSシリーズの後継機種で、より小型部品の高速・高精度組み立てが行え、かつスリム設計で高いスペース効率を実現した製品。
 S5シリーズは、PSシリーズと比べヒジ(第3関節可動部)のサイズは約2分の1だが、ロボット体積の46倍(S5)、87倍(S5L)と1・7倍の動作エリア容積。第5関節の動作範囲は10%向上、器用な手首の動きを可能とする。
 また、標準サイクルタイムは0・4秒台で、高い繰り返し位置決め精度プラスマイナス0・02ミリメートル(S5)を実現している。
 同社では、標準仕様に加えクリーンルーム仕様、防塵・防水性を高めたプロテクション仕様の製品もラインアップする。
 県内新製品=高速・高精度の産業用ロボット セイコーエプソン
 信濃毎日新聞 2010/12/15
  ☆高速・高精度の産業用ロボット
 セイコーエプソン(諏訪市)は、垂直多関節型の6軸産業用ロボット「ProSix(プロシックス)シリーズ」で、電子機器などの高速・高精度の組み立てに対応した新製品「S5」=写真=の販売を始めた。2機種で、年度内に100台、来年度は300台の販売を見込む。
 S5は、標準的な動作にかかる時間を従来機種より0・05秒少ない0・44秒に短縮。反復動作に伴う位置決めの誤差は従来の0・03〜0・05ミリ以内から0・02ミリ以内に抑えた。可動部を小型化した一方、稼働範囲は1・7倍に拡大。医薬分野などでの使用を想定し、クリーンルーム仕様も選べる。価格はS5が204万7500円から、アームの長いS5Lが215万2500円から。
 新興国で産業用ロボット直売:セイコーエプソンが新部門
 NNA - シンガポール版  2010/12/06
 セイコーエプソンは新興国向けの産業機器事業を強化する。現地法人のエプソン・シンガポールに先ごろFA(工場自動化)向け産業ロボットの専門部門を設置。同社が強みを持つ精密組み立て用産業ロボットの販売サービス業務を拡充する。工場の移転や労働力の縮小などで今後需要が高まるであろう東南アジア市場で、外販を強化していく方針だ。
セイコーエプソンの広報担当者は、NNAの取材に対し「エプソン・シンガポール内に先月、専門の部署として設置した。中国では、電子機器組み立て工場での人件費高騰や労働市場で出稼ぎ労働者の絶対数が減るとみられることからFAが加速しており、中国の現地法人が同様の部門を設置して営業を強化している。東南アジアでも工場の移転が相次いでいることなどから、今後需要の拡大が見込まれると判断し、設置に踏み切った」と説明した。
これまでは代理店を通じて営業、販売活動を展開してきたが、今後は同部門が中心となり、既存の代理店と並行して営業を進める。人員は営業を担当する技術者を2人新たに配置するが「営業活動が活発化したら人員の増強も視野に入れている」(同担当者)。担当する範囲はシンガポールのほか、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン。特にタイとインドネシアを重点地域と位置づけている。新興市場として注目されているベトナムとインドについては「新興市場への展開を強化することを経営戦略としており、現在検討している」と述べるにとどまった。
セイコーエプソンの扱う産業ロボットは、スカラ・ロボット(水平多関節ロボット)と6軸ロボット(垂直多関節型ロボット)が主力製品。もともと自社の腕時計の組み立て用途で開発されたもので、携帯電話やハードディスク駆動装置(HDD)などの精密機械組み立てに適している。東南アジア市場でのシェアや売上高については明らかにしていないが、同担当者は「同種の産業ロボットは全世界で数百億円規模の市場で、当社は世界市場ではトップクラスのシェアを誇る。2015年までに売上高を現状から倍増する計画を打ち出している」と話す。
日本ロボット工業会が8月に発表した産業用ロボットの生産出荷に関する今年4〜6月期の統計によると、海外市場では中国向けの生産が中心で、中でも溶接用や電子部品実装用が伸長している。自動化に伴う設備投資の活発化などで、急激な需要拡大が進み、中国向け輸出は昨年同期を上回ったという。
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叡王を取ったら「八冠」は取らせない 高見六段が語った天才への対抗心 - ライブドアニュース
「こんな雑魚で良いんですか?」会議室に入ってくるなり、重々しい空気を察してか、自虐的なネタで場を和らげる将棋界のエンターテイナー高見泰地六段。今年からタイトル戦に昇格した叡王戦七番勝負では第3局を終え、金井恒太六段に3連勝。初の栄冠まであと一歩と近づいている。先輩からも後輩からも将棋関係者からも、そしてファンからも愛される24歳は、将棋界の現在(いま)をどのように見ているのか。大学時代の苦悩、同世代のライバル、将棋の観戦術、10代の天才への対抗心…一度しゃべりだしたら止まらない!1万字に及ぶ超ロングインタビューをお届けする。(編集部)
高見泰地 六段(5月24日公開)
永瀬拓矢 七段(5月25日公開)
増田康宏 六段(近日公開予定)
豊島将之 八段(近日公開予定)
佐々木勇気 六段(近日公開予定)
高見泰地(たかみ・たいち)六段 1993年生まれ。神奈川県横浜市出身。石田和雄九段門下。2005年、6級で奨励会に入会。11年、四段。14年、五段。18年、六段。叡王戦を勝ち抜き、決勝七番勝負で金井恒太六段と対戦中。地元チームである横浜ベイスターズの大ファン。―タイトル戦に昇格した叡王戦では七番勝負に進出し、金井恒太六段と頂点を争っていて、第3局が終わった時点で、高見さんが3連勝です。(取材日=2018年5月15日)内容ももちろん重要ですが、結果で勝ち星を先行させたいというのは、番勝負で思っていることですね。3局やって3勝0敗以上の結果はないので、もちろんいいんですけれど、3局戦ってみて相手の金井先生の強さというのがヒシヒシとわかってきました。(千日手を入れて)4局なんですけど、指し直し局も含めると、金井先生の強さというのが、曲がりなりにも分かってきたような感じがしています。やっぱり盤を挟んでみないと分からないですから。―あと1勝で、念願のタイトル獲得となりますね。そう簡単にタイトルは手にできないというのもわかっています。私が今、舞い上がっているんじゃないかと感じている人が多いと思います。
むしろその真逆なんですよ。異常に冷静になっている感じです。
自分がタイトル戦に出る前には、そういう感覚になるとは思っていませんでした。「いつか出て、あと1勝になったら大変なんだろうな」と思ってたんですけど、逆ですね。「あとどうやったら1回勝てるかな」と、冷静に考えている状態です。―5月12日、第3局の千日手局は後手番の高見さんが不利になって、途中は金井六段が勝勢と言われていましたが、難解な局面でした。金井さんは頭を抱えていましたが、手を変えられずに引き分けとなりました。自分はむしろあの千日手の局面というのは、
金井先生から打開してもらった方が勝機があると思っていました。
そういう雰囲気を出していたから、相手もそれでセンシティブになってきた可能性もあると思います。
叡王戦で3連勝、タイトルまであと1勝に迫った。
(写真:ドワンゴ提供)―現在ではコンピュータ将棋が強くなって、ソフトが形勢を評価値として、数値化されたスコアで表示するようになり、観戦のスタイルもずいぶんと変わりました。点数だけ見たら先手が必勝に見えますけれど、実際に対局していればたぶん、普通の人は打開するのが難しいと思います。評価の数字が高くても、将棋は一手で逆転しちゃうんですよね。だから例えば、自分から打開する手があっても、そこでの正解は一通りしかないんです。なのでやむを得ず、千日手のほうのレールに乗ってしまったような。不利ではあったかもしれませんが、自分は勝ちを探していたぐらいなので、精神状態は悪くなかったです。―3連勝で師匠の石田和雄九段が、一番喜ばれているのではないでしょうか。高見さんはいつも師匠に、結果などを電話で報告したりするんですか?しないですね。こう答えると師匠孝行じゃないって言われそうですけど(笑)。基本はあんまりしないですね。普段は逐一ではなく、大きな結果の時だけ師匠に報告すべきと思っています。負けた時は連絡するのはむしろありだと思うんですけど、小さい結果で「勝ちました」と報告しても、何かにつながるわけでもないですし。ただ、叡王戦の準決勝で丸山(忠久)先生に勝つことができて決勝進出した時は、親よりも先に電話しました。そしたら「見てたよ。ネットで見てたよ」と言われたんです。そんな師匠ですね。―タイトル戦に対局者として出てみて、初めて分かったことはありますか?
孤独です。すさまじい孤独ですね。
羽海野チカ先生原作の漫画『3月のライオン』に出てくる宗谷冬司名人が、本当に何十年も孤独というか、一人でやっている世界だっていう描写があって、本当にそういうものだなと思いました。普段の将棋会館での対局って、大広間で何局も一斉に指されるじゃないですか。でもタイトル戦は、一局だけポンってあって。盤側に記録係はいますが、あとは運営側のスタッフの方々は対局者の邪魔にならないよう、大変に気を使われて、対局室の外に出ているわけですよ。そこで対局室が隔絶された空間になっているというか。普段の対局では昼食休憩、夕食休憩は、相手の対局者と同じ部屋で取っています。しかしタイトル戦だと、大勢でガヤガヤとならない。対局者はそれぞれの控え室で一人です。本当に孤独ですね。結構ビビりますよ。すさまじいですよ。この孤独に勝てる人がタイトルを取れるんだろうと思いました。宗谷名人じゃないですけど、羽生(善治)先生とかはすごい孤独の中でずっと戦っているんだなと。そうしたことは、出てみて初めて分かりました。羽生先生に対する尊敬の念が、ますます増しました。並の精神状態じゃ、たぶん生きていけないと思います。
―最近とても好調のように思われるんですけども、何か好調の要因というのは?大学卒業ということに尽きますね。自分は高校3年生の秋に四段に昇段して、棋士になれたんですけど、高校が(立教大学の)付属だったということで、行く選択をしたんですよね。それは今でも後悔とかではないんですけど。同世代みんなが高校を卒業して、大学に行ったのはほとんどいなくて、自分とあと数人なんですよ。高校生で棋士になった中で進学したのは僕だけです。だから「なんで?」っていうふうにみんなに思われるところもあったと思うんです。―最近では高校だけでなく、大学に進学する奨励会員、若手棋士も増えてきました。学業と将棋を両立するのは、やはり皆さん、苦労されるところもあるのですね。実際、大学生活が思ったより大変で。しかも、対局との兼ね合いで、4年で卒業しきれなかったんですよね。5年目までいっちゃって、その時は本当につらかったですね。1、2年くらいの時に辞めようかと思ったんですけど、辞めても将棋に勝��るかも分からないし。あと一つ参考にしたのが、(早稲田大学を卒業した)中村太地先生と広瀬(章人)先生です。広瀬先生は在学中にタイトルを取られたので、桁違いです。中村先生は卒業して一気に活躍されてますね。(中村太地と高見泰地で)同じ「たいち」でも、優等生の方の「たいち」先生です(笑)。大学を卒業してすぐにご活躍されていて、そうした存在を見れば、自分も「今は力を蓄える時期」と思うことはできました。とはいえそれ以上に、自分が4年、5年と学生をやっている間に、自分の同世代が活躍している方が、気になっていましたね。―対局に勝ったら次の対局がついてしまい、試験を受けられずに単位を落とすことが決まってしまう、という状況になってしまったとか。1勝2単位です(笑)。一つ勝つと、その次の週とかも対局が入るから、2単位落とすとか。2勝で4単位とか、頭の中で計算をすることになって…。でも勝つ以外にないんです。がんばって勝つんですけど、勝てば勝つほど…。勝てば対局料は入ります。しかし、留年すると、1年間の授業料が余計に100万円掛かるわけですよね(笑)。何をやってるんだろうと思いますよ(笑)。でもやっぱり、将棋を第一にやってきましたので。―大学は真面目に通っていましたか?文学部だったんですけれど、ゼミには必ず出席しなくてはいけなくて。将棋の公式戦はだいたい、朝の10時に対局が始まります。早い時は昼ぐらいに終わるんですけど、(持ち時間6時間の順位戦など)一番遅いのは、夜中の0時ぐらいまで掛かるんですよ。夜中の3時ぐらいに終わることもあります。3時だともう家には帰れません。それで朝9時の1限を入れている時はきつかったですね。授業受けてから家に帰っていたので。何やっているんだろうという感じですよね。―大学に行ってプラスとマイナス、いずれもあったと思います。そうした点で、これから将棋界の後進へのアドバイスはありますか?そんなアドバイスできる立場ではないですけど(笑)。大学に行くかどうかは結構大きな選択です。大学に行って普通にやっていたら、将棋の方がうまくいかない、思うように強くなれない、勝てないこともあると思います。自分の場合のポテンシャル、キャパシティではそうでした。藤井(聡太)さんならどうするかっていうことだと、たぶんそれでもやっていけると思うんですよね。だから、その人次第だと思います。ただ
大学に行ったことが無駄になることはないと思いますね。
大学に行っている間は、結構つらいこともありました。活躍できなくて歯がゆいとか。平日は、自分は講義を受けているのに、同世代のみんなは将棋の研究をしている。
自分が講義の知識が増える間に、みんなは将棋の知識が増えているので、それは本当にきつかったんですけど、自分の頑張り次第なので追い付けない差ではなかったです
―ここ1、2年で将棋という分野が、社会的なブームになりましたね。環境が変わりましたね。自分の私生活も、去年大学を卒業して。プラス将棋ブームということで、生中継だとか、解説などを担当させていただく機会も増えましたし。皆さんから注目していただいているというのは、ヒシヒシと感じています。自分は
運がいいな
って思いますね。例えば、大学入った瞬間にこれだけのブームだと、自分は絶対乗り遅れたと思うんですよ。ちょっと蚊帳の外になりかねなかったかなと。卒業する頃にブームになって、ちょうどスッと入れたというか。―上には羽生世代という強い人たちがいて、下からは藤井聡太さんが現れてきた。一方で高見さんら20代の世代で、活躍している棋士が増えている。ここ最近っていうよりもずっと、自分がデビューした時から存在感がある世代だと思っています。自分と同い年と、プラスマイナス1歳を一番意識しています。もっと下には、もちろん今高校にあがった藤井さんがいるんですけど、
層の厚さはこの世代が一番
だと思っています。この世代は本当、すごいですよ。その世代に自分が一緒になってやってやれているっていうのは、いい環境にいるなと思って。なかなか追い付くのが難しいような先導者もいれば、ライバルと言えるような存在も周りに多いのはいいと思います。―ライバルと思っている人は誰でしょうか?同い年ですね。(名字の頭に)八と三がそれぞれ付く人。二人とは本当に小さい時からやっていて、誰かが活躍すると、それに呼応するように絶対ほかの二人が活躍するんですよ。だからそういう面では、刺激をいつももらっている存在で。あとは斎藤慎太郎さんです。すごい活躍されていて。自分が意識しているだけですよ。向こうはたぶん気にしてない(笑)。自分よりもランク的には上に行っているとは思うんですけど、同い年だし、彼にできて自分にはできないことはないと思うようにして、いつも彼の将棋を見て勉強しています。
―同じ石田和雄九段門下の佐々木勇気六段、それから内藤國雄九段門下ですが、石田九段経営の柏将棋センター出身である三枚堂達也六段。こうした同世代を意識することはあるんですか?同門で同世代はその二人しかいないんですよ。勇気は年齢が一つ下というのがあり、あんまり意識はしないんですよね。一つ上にも同じことが言えて、永瀬(拓矢)さんとか菅井(竜也)さんとかはそんなに意識していなくて。活躍しているな、すごいな、自分も頑張ろうとは思うんですけど。―一方で「黄金世代」と呼ばれる羽生善治竜王の世代というのは、どういう存在でしょうか?それはもうすごい「高い壁」で。40代になってもタイトルを保持して頂点に君臨する人が複数いて、今も活躍されている。恐ろしいことです。やっぱり層が厚くて、強い世代なんだなとは思います。だから、憧れの存在ですね。でも、
その次の世代で、そういう人たちが出るとしたら僕らの世代だと思うんですよね。
30代の方には申し訳ないですけれど。今の23、24、25の世代が、「羽生世代」のように何世代って言われるか分かんないですけど、40代になっても粘っている未来っていうのが、自分の中では想像できます。その一員となっていれば一番嬉しいんですけど。―1月に朝日杯の本戦1回戦で、羽生さんと対戦されました。ちょっと圧倒されました。その時、自分は確か7連勝中で、結構調子が良かったんです。「これで勝てなかったら…」と思うぐらいに。「勝てるチャンスはある」と思っていました。でも、結果は無残でした。自分の中では「このぐらい戦えるだろう」ってイメージで指していたのが、羽生先生には、もうすべて見透かされているような感じで。でも、羽生先生と指せたことはすごく良かった。また当たりたいです。―本戦1回戦で高見さんが負け、その次の2回戦で前年度優勝者の八代弥さんも、羽生竜王に負かされていました。同日に2人。あれは忘れられない日になると思います。「たぶん、羽生先生に2人同日に負けることはこれから生涯ないだろうね」と、2人でその日の夜に話し合いました。だから、これは悔しい日だけど、「記念すべき日」でもあるという話になりました。
羽生善治竜王(写真=読売新聞/アフロ)―“プロの見る将”とご自身で言われています。アマの見る将の人たちに改めて伝えたいことはありますか?インターネット中継などを、自分よりも見ている人は、たくさんおられると思います。その上で、プロ棋士としての目線でいうと、
対局者にしか分からない景色とか雰囲気、そういう時の本人たちの葛藤とか、そうしたところに注目していただければと思います。
もちろん、それは対局をしている本人しか分からないものなのですが、例えば優勢から逆転負けするのは、人間ならではの対局心理が働いているわけです。「優勢だから大事にいこう」だとか。人間同士の対局で、なぜ逆転勝ちが多いかというと、「ちょっと悪いかな」って思っている方は、思い切って踏み込みが良くなるんですね。「将棋は逆転のゲーム」と言います。人間同士がやっているから、精神的な「勝ちたい」という思いと、追い上げている人がかけてくるプレッシャー、それぞれ感じるプレッシャーの度合いが違うから、逆転というのが起こりやすいと思っています。自分は結構逆転が多いタイプなんですけど、
弱いとか強いとかよりも、そうしたドラマを見てほしいなと思います
。もしも優勢になった方がずっと勝ちきって、それが素晴らしいというのであれば、コンピュータ将棋選手権を見てくださいと言いたくもなりますね。本当、レベルの高い棋譜を見たいというのであれば、コンピュータ同士でいいと思いますよ。羽生先生が言われていたように、
「勝敗だけならジャンケンでいい」って。その言葉は本当に素晴らしい言葉だと思っています。
必死に戦うから、そういうドラマが起こるんで。でも、まずはファンの方には、気軽に楽しんでもらえれば一番いいですね。ネット上でコメントしながら。―いつもニコ生で高見さんを見ているイメージなんですけど、高見さんはニコニコ派ですか?それともアベマ派ですか(笑)?両方なんですけどね(笑)。(叡王戦七番勝負に登場しているので)ニコ生派って言うべきなんでしょうけど、ホントに両方で。今はどちらにも成長させてもらったというか。驚いたのは、画面ごしだから誰が見ているか分からないじゃないですか。そうしたら、外でファンの方から、いきなり声を掛けられることがあって。若い方なんですよ。男女関係なく。「あれ、解説で見たんですけど」って。秋田県で声をかけられたこともあります。思っている以上に、将棋のインターネット中継は、影響力がありますね。イベントとかだと目の前にファンの方々がおられますが、インターネットはどれほどの方に見られているか分からない。1万人、2万人、10万人とかそういう規模なので、そういうありがたみは感じますね。その分しっかりしなきゃなんですけど。―高見さんのレポート、解説は好評だと思いますが、何か気を付けていることなどありますか?同業の棋士を悪く言うとかはしないようにしています。本人には冗談でも伝わればいいけど、その棋士を真剣に応援しているファンの方を傷つけないようにとは思っています。もし炎上するなら、自分が炎上する側でなければと思います(笑)。周りを楽しませるようにと思って、やらせていただいています。―ネット中継で解説を担当する際に意識する棋士、参考にしたい棋士。「この人の解説はうまい」「この人をマネしたい」という棋士っています?木村(一基)先生。それと藤井猛先生です。そのお二人の先生はもちろん「面白い」っていうのは、観てる人の中ですごいプラスポイントだと思います。その上で、「対局者への気使いを忘れない」というか。面白おかしく言ったとしても、対局者をおとしめるようなことは絶対に言わない。思いつきで適当なことを言っているように見えて、実は深く計算されているというか。お二人のもともとの性格がいいんでしょうけど、変な言葉は出てこない。自分は結構思いつきで言うからいつか地雷踏んじゃいそうで(苦笑)。木村先生と藤井先生に、どうしたらそういう解説ができるのか、聞きに行きたいぐらいですね。
―師匠の石田和雄九段は大変なお酒好きですが、弟子の高見さんは、お酒はいかがですか?大好きとまでは言いませんが、飲みます。白ワインが好きです。昔は日本酒だったんですけど。―普段、対局が終わったあとに、みんなで飲みに行くことはありますか?自分は対局のあとの予定は入れないようにしています。長引いてでも、何時まででも戦っていたいと思っているので。たとえ夕方に終わりそうな対局であっても、7時、8時から飲もうという約束は入れないようにしています。当たり前のことですけど。誘われていたとしても、「行けたら行くけど人数には入れないでくれ」っていう感じで。対局の後に予定を入れて雑念が入ると、良くないです。―それは師匠の教えを忠実に守ってますね(笑)。師匠は対局が終わったあと、早く飲みに行きたいから、早く決めようと思って何回も逆転負けしたと、しみじみ振り返っておられました(笑)煩悩の塊じゃないですか(苦笑)―予定を入れないにしても、終わった後、その場で関係者と誘い合って、飲みに行くことはありますか?自分は一応スケジュールを大事にしていますけど、タイミングがあったり余裕がある時は行きますし、声を掛けてもらえるうちが華なので、対局がちょうど同年代が一緒に終わるタイミングとかがあれば、もちろん夕飯食べようってなったりしますけど。流れ次第ですね、完全に。お酒基本一人では飲まないので、誰かがいないと家でも飲まない。日本酒だと「日高見」(ひたかみ)が好きです。宮城県の��おひさまの日に「高見」っていい名前ですよね。作った人に感謝したいです。御礼に行きたいと思ってるんです。―普段はスマホを持たれていますよね。「将棋連盟モバイル」が入っていると思いますが、他にはどういうアプリを使ったりしてるんですか?もちろんLINEは、本当によく使わせてもらっています。若手同士の連絡だと、メールはほぼ無いです。ただ、もちろんですけど、将棋連盟からの対局通知は、メールで来るようになっていて。それがいつかはLINEで来る日があったら面白いんですけどね。LINEが来て、スタンプで「了解した!」って。―研究会のLINEグループとか、たくさんあったりするんですか?ありますね。さっき言った、(名字に)八と三がつく人との3人のグループがあって。本当に、普段はくだらないやり取りしかしないんですけど。―「将棋は才能か、努力か」というテーマについてどうお考えでしょうか?自分がコメントする立場にあるか分からないですが、
どうみても才能かな
と思います。―一方で、努力と言ってる人の代表は永瀬さんですね。永瀬さんは別なんですよね。あの人は「努力する才能」が飛び抜けてるから。それはそれで才能なんですよ。永瀬さんは「泥臭い」とか言われてるけど、ある程度の才能がなかったら、どう考えても棋士にはなれないですよ。なったとしても、あれだけ勝てるわけがない。だから、永瀬さんの言う「努力」は、努力を一番しているからこそ重みがある言葉であって。それを度外視したとして、本当は才能だと思ってると思いますよ、永瀬さんも。
永瀬拓矢七段(写真=浦田大作)―永瀬さんは地方の子ども大会で挨拶した時に、「将棋は才能が関係ないゲームです」と言っていたらしいですね。それは、お子さんに対する心配りじゃないですか?「みんな頑張ればいいんだよ」って、小学校の時に教えてあげれば。
自分自身、今は将棋は「効率」だと思ってます。
例えば昔は、棋譜をコピーするためにわざわざ将棋会館に行っていた。コピー機がない時代には、手で書き写していた。情報化社会の今は、ネットを通じてプロ公式戦の棋譜がリアルタイムで見られて、さらに解説のコメントも見られて、将棋ソフトも普及しているわけですから。たくさんの情報がある中で、それをいかに効率よく、自分のものにするかが重要だと思います。うんうんうなって十何時間考えていたとしても、一つの局面をうまく消化できない人は、最後まで消化できないと思うんです。でも、効率よくいろいろツールを駆使して、読み筋などもコンピュータと自分を照らし合わせて、研究会のパートナーをうまく見つけてやって。そうしたことによって、いくらでも時間を短縮できて、消化のスピードが速くなっていくと思うんですよね。―コンピュータ将棋が強くなって、将棋観は明らかに変わったと思います?はい。勉強時間を長く掛けるよりも、やはり効率というか、それによって進歩した人がいますし、この先もどんどん増えてくるでしょう。その使いこなしができない人は、やっぱりちょっとずつ刀がさびていくようにというか。刀を研いでいくために、どういう使い方をしていくか。抵抗がある方もいると思うし、自分もガチガチにソフトを使っているわけではないんですけど。でも新たな戦術、例えば戦国時代で例えると、弓矢とか刀で戦ってる時に、火縄銃が現れたように、その使い方を先に得る方が織田信長のように天下に近付く。誰がタイトル保持者になってもおかしくないし、誰が失冠してもおかしくない。そんな群雄割拠の時代だと思います。―その群雄割拠の中、突如現れた藤井聡太さんという新星についてどうお考えでしょうか?もちろん強いんですけど、本人がいたって冷静なのがまたいいところだと思いますね。
あれだけ若いと、ちょっと調子に乗っちゃっても無理はないと思うんですが、そうしたところが一切なく、冷静なのが恐ろしいです。
将棋の強さについてはもう、改めて語ることはないと思います。棋士ならばみんな知ってるから。それよりも、精神のブレなさとか。普通の中学生があれだけ注目されちゃったら、絶対ちょっとバランス崩してしまいそうなところを、盤上だけに一心に向かっている。本当に同じ将棋の棋士としてそこは見習わなくてはいけないというか。9歳も下ですが、純粋に「カッコいいな」と思います。藤井さんが出てきたことで、自分もこの一年間ぐらい、将棋で成長できた部分はすごい大きいと思うんですよね。だから、自分たちの世代に後ろから着火させてくれたというか、火を点けられたような感じがしていて。そういう面では、本当に特別な存在ですね。「彼は間違いなく上に行く」と皆さん言っています。だからといって、自分たちの世代の厚みは変わらないものなので、「そこでいかに戦えるか」という点を意識してますね。この世代が止められなかったら、藤井さんはたぶん間違いなく、タイトルを独占してしまうと思ってますね。それが何年後になるか分かんないですけど。
自分が今期、叡王を取ったら「八冠」は取らせないですね。
バラエティ番組でも、サービスということもあるのでしょうが、ベテランの先生が「藤井君は間違いなく七冠か八冠を取る」とか言うことがあるじゃないですか。あれは本当に頭に来るんですよね。ああいうの見ていると、情けないというか、あり得ないなと思って。
朝日杯で棋戦初優勝を飾った藤井聡太七段(写真=日刊現代/アフロ)―「君たち悔しくないのか」という谷川浩司九段の檄がありました。高見さんはやっぱり悔しかったんですね。
当たり前です。というか、もうショックでしたね。
しかも、自分は(予選を勝ち抜いて)朝日杯の本戦に入れてたわけですよね。羽生先生という分厚い壁に阻まれてしまったものの、自分さえ頑張っていれば、藤井さんの優勝を阻止することができたわけですよね。それができなかったのもまた自分の実力です。実際に勝ち抜いた藤井さんの優勝というのも現実です。「悔しいな」と思いつつ(藤井優勝、六段昇段を伝える)号外を取りに行って。悔しくないわけはないんです。それはきっと谷川先生も分かってらっしゃると思います。あの時は、自分もタイトル戦(叡王戦七番勝負)に出られることが決まってたので、悔しいけどこれを励みにして、と思いました。
自分はみじんも負けてるつもりはないというか。先にタイトル戦に出られたわけですから。9歳も下の人にそう思うのもあれですが、張り合う気持ちはあります。
だから「自分は違う大舞台で頑張ろう」という糧(かて)、モチベーションにはなりましたね。―叡王戦七番勝負で全力を尽くされて、初の叡王位を目指すのが当面の目標として、その上で、今後の高見さんの目標は何でしょう?もし叡王を取れたら…笑われるかもしれませんが、複数のタイトルを狙いたいと思っています。そうでなければ、
叡王戦で対戦した先生や、主催者の方にも申し訳ない
。「なんで、こいつがここまで来たんだ?」とか思ってる人も、中にはいると思うんですよね。だけど、将棋っていうのは、今までの実績とかで決まるものじゃなくて。
「勝つことは偉いことだ」って誰かが言ってたと思うんですけど、まさにそういうところで見返したい。
皆さんのイメージを覆したいというのがありますね。対局の日程が決まれば、その日に勝つことだけしか考えないわけです。そういう積み重ねで、ここまで来ています。叡王戦なんてどこかであっさり負けたらもう終わりだったわけですよね。それがなぜか、蜘蛛の糸をたぐり寄せるように、それは確率の低い、細い糸だったかも知れないけどここまで来れてるっていうのは、諦めずにやってきた結果だと思います。将棋はテスト勉強とは大きく違います。テスト勉強だと、努力をすればそれに比例して点数が上がっていくじゃないですか。しかし、将棋は違います。自分が強くなる一方で、対戦する相手も強くなります。スポーツと同様で、自分が強くなったというのが見えにくい世界なんですよね。対人の競技っていうのはそこが本当に難しいところで、ギリギリ勝てなかったりすると、「ダメなのかな…」と思ったりもするんですけど、実は強くはなってるわけですよね。そういうところで勝ち抜く難しさというのがあります。大学を卒業してからちょっとずつは良くなってきたものの、まだこれからもずっと努力しないと勝ちきれない世界だと思っています。
インタビュー=松本博文(将棋中継記者)
写真=浦田大作
デザイン=桜庭侑紀
ディレクション=金 泳樹
企画・プロデュース=森 和文
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socialmoviesblog · 6 years
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■「ピンクと水色の映画」のメモ
▼通常国会が始まった。それに関連してもいるが「若い層ほど安倍政権を支持する説」に興味がある。といっても「安倍ガー」みたいなことを言いたいわけではない。「安倍政権批判」が主眼ではない。
▼おそらく「なぜなの?」」と聞けば「アベノミクスのおかげで就職内定率があがった」とか「平和勢力のいう絶対護憲のようなものにリアリティを感じない」とか、よく言われているような、ある意味ごもっともな意見が出てくるのだろう。
▼ただ、そういう個々の指摘よりも、自分的には、支持の底流を流れているものというか、安倍政権を支える「気分」のようなものに興味がある。 
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▼自分的には現政権の特徴は「���きうる限り現状を変えずに”今”という時間を永続させること」、言いかえれば「今とは違う未来を作るために力を尽くす」のではなく「“今”の維持を妨害するノイズを排除し続けることに力を尽くす」ことにある、と思っている。
▼もちろん「今とは違う未来を作る」といってもこれだけ早いスピードでテクノロジーが進化し、それが社会にも大きな影響を与える状況では、未来予測など困難だし、未来社会の構想などもっと困難だろう。野党が「対案」を出せないのも、彼らがふがいないということもあるが、このことが本質だろう。
▼けれど、気になっているのは「今とは違う未来を作る」のが困難なので「消去法的」に現政権を支持している…というよりも「今とは違う未来を作る」という発想や意思そのものまで消滅してしまっているのではないか、ということだ。
 ▼先に、「現政権の特徴はできうる限り現状を変えずに”今”という時間を永続させること」だと書いた。だが、これはどういうことか?
▼たとえば現政権の柱ともいえる「アベノミクス」をみてみる。それは、企業やビジネスマンに特段の現状変更を強いることなく、日銀がお金を大量に刷って国債や株を買いさえすれば、株高→円安→輸出増→物価上昇→賃金上昇が起きる。その結果、「豊かな日本」を維持することができると言っている。
▼だから政府は異次元に金融緩和をすればよく、そのリスクを指摘する議論にはそれを封殺する「理論」で対処すればよい、となっている。
▼そして実際にも名目GDPは、民主党政権時の2009-2012が4兆円増だったのに対し、2012-2016では44兆円増で大幅UP.
(実質GDPは同期間で民主28兆増 自民22兆増)
▼さらには失業率も改善され、バブル期並みの2.8%にまで下がった。
▼また有効求人倍率も全県で1を超え、就業者数自体も51か月連続で増加した
▼よって「日銀がお金を刷ったので、豊かな日本は維持できた」としている。
 ▼しかし現状はどうか?
▼名目GDPが44兆円増加したというが、2012年以降は震災の復興需要が年平均4.3兆円あった。つまり、アベノミクスでなくても21.5兆円分は自然に生み出せた。逆に言えばアベノミクスで生み出せた名目GDPは約半分の22.5兆円(年平均4兆強)ということになる。
▼さらに、就職内定率上昇、失業率低下、有効求人倍率増、就業者増もアベノミクスの成果というが…正社員セクターでは2012年以降、団塊世代が大量に定年退社している。その分の穴を新卒大学生で埋めているのであって、内定率改善は政府の経済政策でなくてもそうなるのではないか?
▼また「失業率低下は経済政策のおかげ」というが失業率回復は2009年からのトレンドだ。経済政策というか「景気循環」の話ではないのか?(これについては2012年以降の回復率はそれまでより大きいので、やっぱり経済政策のおかげだという議論もある)。
▼加えて有効求人倍率や就業者数自体も増加しているが、これは新たな産業が生まれて、そこに雇用が必要となったため生じているというよりは、人口減により人手不足となった従来分を一度辞めた団塊世代と、主婦層が非正規社員となり埋めている場合が多い。
▼これも経済政策のおかげというよりは人口構造から自然とそうなる流れだったのではないか?
▼ちなみに、彼らはフルタイム雇用ではないので賃金が低くなりがちで、それに引っ張られて正社員セクターでも、賃金が上がりづらくなる。加えて社会保険費の増加により企業は毎年、折版分の負担を増やしている。会社からすれば「毎年、正社員には保険を上乗せしてんだよ。このうえ賃上げなんてできるかよ」という話になる。これが賃金がなかなか上がらない理由とされている。だとすれば、賃金が上がりづらい状況でインフレにしようとすれば、実質賃金は低下することになる。
 ▼とはいえ「結果オーライでも各種数値が伸びてるんだからいいじゃないか。やらなくても伸びた部分に加え、やったことで株高や、円安によるドル円換算での利益増が起き、さらに得をしたのだから。」という言い分もあるだろう。
▼しかし、やったことで負ってしまっているリスクもある。
 ▼たとえば「国債を大量に発行すれば国の財政が危ない」という指摘。だが、これには「いや、政府の借金は誰かの資産。日本では政府への金の貸し手はほとんど日本人。だから、政府は国民の預金から金を借り、その返済を国民にする。とすれば、お金が政府と国民の間をぐるぐると回っているだけで財政破綻などない!未来の世代に借金を残すというが、むしろ国債利払いという資産を残している」という反論が用意されている。
▼しかし「政府が国民の預金から金を借り」といっても現実には、預金者の多数派である年金世代は、年金だけでは足りないので毎年70万円程度の貯金を取り崩しており、その金が企業に回り内部留保となっている。
▼だから国民⇔政府をぐるぐる回るのではなく、企業⇔政府をぐるぐるまわるのだし、その内部留保は、多くは海外進出や海外企業買収に使うために貯められているので社員(国民)にはあまり還元されないか、どちらかといえば海外に出ていく運命にある。これで「国民―政府間をグルグル回り続ける」といえるか?という問題がある。
▼さらに現在では、企業⇔政府どころか、銀行は企業が預けた金で国債を買ったら1日後には、もう日銀に売ってしまっている状態。だから国債約370兆が日銀に貯まり(全国債の40%)、国債をもっているのは同行と、地方等の中小金融機関がメインになった。
▼これでは「国債が政府と国民の間でグルグル論」はあまり意味をなさなくなるし、今度は、「日銀がそんなに国債を抱えていたら危険なのではないか?」という危惧が生まれてくる。
▼すると、ここにも反論(御用理論?)が用意されている。
▼「いや、日銀は政府の子会社のようなもの。だから両者一体のものとしてバランスシートを統合できる。そうすれば政府の負債(政府が発行した国債)と、日銀の資産(政府から買った国債)がプラスマイナスで相殺される。よって日本に”財政問題”など存在しない」のだと。
▼しかしながら、日銀は政府から直接国債を買ったのではない。具体的には政府が普通の銀行に売った国債を、日銀が普通の銀行から買い取ったのだった。とすれば、日銀が普通の銀行から国債を買う時には、日銀から普通の銀行に、その分のお金が支払われていることになる。そのお金はどこにあるか?普通の銀行が持っている日銀当座預金口座にある。
▼ここにあるお金は預金である以上、我々が銀行に預金したら金利がつくのと同じように、金利がつく。今は「マイナス金利」なので払わなくてよくなっているがプラス金利になれば、日銀が普通の銀行に利払いをせねばならなくなる
▼たとえば2%の長期金利が上がれば、6兆円ほど日銀は利払いせねばならないそうだ。それは日銀の自己資金から払うことになるが、8兆円程度しか彼らはもっていない。だからこうした状態が何年も続くと危うくなる。
▼また、金利が上がるということは、国債の価格が下がることでもあるから日銀の資産である国債の価値も目減りする。2%上昇だと約46兆の評価損だそう。となると日銀が破たんに近づく。もちろん政府が救済するだろうが、金は税金から出すことになるだろう。
▼また、金利が上がれば中小の銀行が持っている国債の価格も下がる。すると中小の銀行の資産が目減りするので経営が危うくなり、「あそこの銀行が危ういぞ」という噂が立てば庶民たちの「取り付け騒ぎ」も起きやすくなる。
▼そういうと、「じゃあ2%の金利なんていつ上がるんですか?」という反論が待っている。未来のことなので「いつ」なんて言えるわけもないが、そういうと「言えないんですね!?もう~頭も悪いうえに不確かなこと言わないでくださいよ~。」と切り返されるのが常となっている。
▼しかしながら、インフレになれば金利も連動して上がる。で、2%のインフレにするのが「アベノミクス」じゃなかったのか?むしろ、いつ上がるかはこっちが聞きたい話だ。逆に言えば、「じゃあ2%の金利なんていつ上がるんですか?」という人は、アベノミクスでは2%のインフレ目標の達成は不可能だと思っていることになる。ということは、アベノミクス推進派は「2%のインフレ率上昇なんて本当は不可能」と知っていながら「2%のインフレを目指せ」と言っていたことになる。これは欺瞞ではないか?(注1)
▼言い換えると、日銀は「2%のインフレ目標達成」に「失敗することで」サバイブしている。逆に「2%のインフレ目標達成」に「成功すれば」今度は自身のサバイブに失敗するということになるのだ。
▼つまり、アベノミクスは、単に日銀がお金を刷ってさえいれば、他の人は特段何をしなくても「豊かな日本」となり無問題!というわけではなく「いくばくかの利益」と引き換えにリスクを未来に付け回しながら「できる限り”今”を永続させる」ことを選んでいるのだった。
 ▼また、安全保障政策についても似たことが言える。
▼たとえば今話題になっている「9条改正問題」。政権の言い分では「3項に自衛隊を明記すれば、今まで曖昧な立場だった彼らの地位が保障され、士気も上がって抑止力が高まる。そして今までどおりの安全な日本が維持できる」という。
▼しかし、素朴に考えて3項に自衛隊を明記しただけでは事態は何も変わらないだろう。自衛隊の士気だって、彼らの大半は真面目で実直なのだからもうすでに十分高い。
 ▼加えて、2015年の「安保法制」にも似たところがある。あそこでの趣旨は「これまで抑制されていた集団的自衛権を(部分的に)認める」ということだった。
▼実際には、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある限り(集団的自衛権の行使が可能)」という文言になってしまったことで、行使が想定されている8事例では、ほとんど使えなくなってしまった。
▼たとえば、有名どころでもある「邦人輸送中の米輸送艦の防護」。これは、アメリカの艦船が日本人を救助して乗せてくれている時、そこにミサイルが飛んできたら、自衛隊はこのミサイルや発射主を攻撃できる…という意味。そもそもそんなことが現実にありうるのか?という問題はある。だが、それを差し置くとしても、先の文言がついてしまったことでアメリカの艦船を守れなくなった。なにしろ米艦船が1つ2つ攻撃されたくらいでは「(日本)国の存立が脅かされ」はしないのだから。他の7つは詳述しないが以下同文という感じ。
 ▼また、もし仮に「集団的自衛権を認める」ことを宣言できたとしても、今度は別のリスクが発生する。
▼政権の言い分では「集団的自衛権の行使を容認すれば、アメリカを守ることができるようになる。すると、アメリカ側も、ならば日本を守ろうという気持ちが強くなり、同盟力が強化される。すると、それを知った中国や、北朝鮮は、日本攻撃に躊躇するだろうから抑止力もあがる」という。
▼しかし「行使を容認します」と言っただけでは「空手形」や「口約束」に過ぎない可能性がある。それが本気であることを示すには実際、行使してみせなければならない。でなければアメリカだって「本気」になってはくれないだろう。
▼とはいえ、行使するとどうなるか?たとえば、北朝鮮がグアムに向けて撃ったミサイルを日本が集団的自衛権行使で迎撃してみせたならどうか?当然、北朝鮮は怒るだろう。そして反撃もありうるだろう。
▼けれども逆に迎撃しなければどうか?「なんだ?集団的自衛権のアレは口約束だったのか?」と思われ「だったら俺らも守ってやらないよ」とアメリカに言われてしまうかもしれない。
 ▼つまり、「3項に自衛隊を記します」「集団的自衛権を行使します」と言いさえすれば(書きさえすれば)、特段、誰も何もしなくても「安全な日本」という現状が維持できる…と考えているようだが、実際には、そのことで未来にリスクが付け回されるのだった。
 ▼しかし、興味深いのは、いくらこうやって指摘しようと、おそらく国民の多くが(とりわけ若い層が)「だったらその策を批判しよう」という気にはならないことだ。むしろ「たとえ未来にリスクがあろうとも、できる限り”今”を永続させてくれ!」と思っているのではないか。そこに興味がある。それを支��る「気分」についてよく知りたい。
▼そして、その気分を知ることができるのが「ピンクと水色の映画」だと思っている。これは、それらの映画群のタイトルがたいてい「ピンク色」か「水色」で書いてあることから自分が勝手に命名したものだ。「青空をバックに白のロゴ」というパターンもあるが、それも「水色の1バリエーション」ととらえたい。
▼それらはたいてい「イオンシネマ」とか「ワーナーマイカルシネマズ」とか、そんなような所で上映されている。
▼映画の舞台はたいてい学園で、若手イケメン俳優と美少女女優が出てきて、くっついたり離れたりするので、女子中高生が観ていることが多い。
▼若干、書き方に悪意があるように思う人もいるかもしれないがww、そこはおっさんが若い子をひがんでいるのだからしょうがない(笑)。
▼さておき、要するに、若い子向けの「青春映画」なのだが、若い子向けな分、彼ら世代の「気分」が反映されているとも思う。実際に、自分が観てみて興味深かった作品には「共通する傾向」があるように感じられる。
▼その傾向こそが、さっきからずっと書いて来た「気分」を知る手がかりになるとも思っている。以下、いくつか作品を例示しながら思ったことを書いていきたい。
  ●「君の膵臓を食べたい」
■まずは昨年スマッシュヒットの人気どころから。
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■物語は、とある学園から始まる。主人公はそこで教師をしている志賀春樹(小栗旬/北村匠海)。実は、彼はこの学園の卒業生だった。そんな彼は、管理を任された図書館で、生徒の栗山(森下大地)と話しているうち過去を思い出す。
■彼は高校時代、この学校の図書委員だったが、ある日、同じく委員になっていた山内桜良(浜辺美波)の秘密を知ってしまう。春樹は病院に行った際、桜良が置き忘れたと思しき「共病文庫」と書かれた日記を読んでしまった。そこには、彼女が膵臓の病を患っており余命わずかだということが書かれていた。
■たじろぐ春樹の前に「読んだわね」と桜良が現れる。だが、勝手に読んだことをとがめるかと思いきや、彼女は「死ぬ前にやり残したことを一緒に手伝ってほしい」と春樹に告げる。
■けれど、桜良は突然「君の膵臓を食べたい」なんてことを言い出す予測のつかない女の子。ちなみに「膵臓を食べたい」の真意は「昔は、自分の体に悪い部位があると、他人の体にある同じ臓器を食べれば病気が治るとされていた」ため。
■ともあれ、以降2人は、一緒に福岡に旅行に行ったり、ホテルに泊まったり、負けたら「真実を言うか?挑戦をするか?」ゲームをやってみたり…と、残された月日を過ごしていく。
■すると、これまで「自分の半径1m 見えないバリア張った別世界」だった、閉じこもりがちな春樹の心は、天真爛漫な桜良によって開かれていく。
■だが、桜良の親友でもある恭子(北川景子/大友花恋)とも知り合ったり、彼女の元カレ(桜田通)の襲撃なども乗り越え、2人の絆が結ばれていったある日。入院した病院から退院し、久々にデートすることになっていた桜良は、春樹との待ち合わせ場所に向かう道すがら、突如、通り魔に襲われ命を落としてしまう…
■待ち合わせ場所に来なかった桜良を不思議に思いながらの帰り道、ニュースで事態を知った春樹は愕然…
■しかし、後日、桜良の実家に線香を上げに行った際、春樹は彼女がつけていた日記を桜良の母からみせてもらう。そこには…
◆置き忘れた「共病文庫」の盗み読みから始まって、春樹が今までとってきた行動は、ほぼ桜良の計画どおりだったこと。
◆彼女は周囲の誰とも話さない春樹に「自分を持った強さ」を感じ、友人になりたくて、また周囲にも彼の良さを知ってもらいたくて接近計画を立てたこと。
◆本当は病気で死ぬことが不安でたまらなかったが、春樹の存在が心の支えになったこと
…などが綴られていた。
■日記を読みながら号泣する春樹。そして彼は、日記の最後に書かれていた「残された恭子と友達になってほしい」という桜良の願いを実行するべく走り出す。
■桜良の思いに彼女の死後も寄り添うこと…それは、「君の膵臓を食べたい」=「君の心の中でずっと生きていたい」という桜良の思いに従うことでもあった…。
………
▼この映画が興味深いのは、主人公の春樹が昔も今もずっと同じ学校に居ることだ。
▼同ポジで過去シーン/現在シーンを行き来する演出も、この「ずっと同じ場所に居る感」を補強する。加えて、時を超えて桜良の思いを叶えるため走る姿もそう。登場人物たちは、いくら年をとろうと「永続する今」を生きているように感じられる。
▼また、桜良の日記に書かれていたことも興味深い。それによるなら、映画内の春樹の行動はほとんど「桜良の敷いたレールの上」を歩いていただけということになる。
▼「ずっと続く今」の中で「シナリオどおり送られる生活」…
▼自分で未来を切り開くよりも、未来に行うべき行動にすらレールが敷かれている………つまり「未来」は未知のものではなく「今の延長」となっている。
▼「ノイズなき“今”」…それが永続することに(若い)人々は感動を覚える…
▼実際、桜良がずっと「膵臓の中」に居続けたら、春樹は次(の恋)に進むことなどできないだろう。逆に言えば「桜良と春樹の輝いた日々」を永続させるためにこそ、彼女は唐突に命を落とし、そして「彼の中に生き続け」なくてはならなかった…と言えないか?
▼この徹底して未来を欠いたストーリーテリングがとても興味深い。
  ●「RE:LIFE」
■次は、時空SFチックな青春モノ。
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■主人公の海崎新太(中川大志)は、27歳で失業中のニート。大学時代の同級生と久しぶりに飲みに行く時も、嘘をついてスーツを着込み、自分の境遇をごまかす「人生オワタ」な日々…
■そんなある夜、酔いつぶれて歩く彼の前に1人のうさんくさそうな男子・夜明了(千葉雄大)が現れる。話を聞けば、彼は、ある研究所の職員で、そこで行われる実験の被験者を探しているという。
■その実験とは、被験者を若返らせる薬を飲ませ、1年間の高校生活をやり直してもらうこと。「人生もう終わりだ」「もう一度やり直したい」…そんなふうに思っている人は、本当にやり直せた時、変わることができるのか?を調べたい、ということなのだろう。
■こうして高校生の見た目になった新太は、転校生という設定のもと2度目の学生生活を「リライフ」することに。
■最初はうかつにもタバコを吸ってしまい問題視されたり、学生時代の知識など忘却の彼方のためテストが赤点だったり、「同世代」とはまるでノリが違ったりと散々…。「エラい選択をしてしまった。もう、誰の記憶にも残らず1年間をつつがなく乗り切りたい」とヘコむ新太。
■だが、学生生活を送るうち、成績は抜群だが人との付き合い方が壊滅的に下手な日代千鶴(平佑奈)。なんでもできるキレるやつだが、女子の気持ちだけは読めない大神和臣(高杉真宙)そんな彼をもどかしく思う狩生玲奈(池田イライザ)…など、個性的な「同世代」と知り会っていく。
■そして、不器用さゆえに1歩前に踏み出せずにいる彼らをみて、1年後の実験終了時には彼の記憶が仲間から全て消えてしまう運命にあった新太は、全身全霊で訴える。
■「今という時はもう戻ってこない!今を大切に生きろ!」
■「何おっさんみたいなこと言ってんだ!?」とバカにされながらも、その言葉に背中を押され、人生を一歩前に進めることができた仲間達。
■そんな彼らを見届け満足すると共に、1年が終わり、彼らの記憶から消えていく新太。
■そして実験終了後…新太は、就職前に志していた教員を目指し試験に合格。教師として高校に再び舞い戻ってくる。するとそこには同じく新任女教師として赴任してきた千鶴の姿が!実は彼女も「リライフ」被験者だったのだ!記憶は消えているため互いのことを知らない2人。だが、彼らは教師としてもう一度学園生活を送ることとなった。
………
▼2度目の高校生活を送る新太は、それが終わっても高校生活。しかも「同級生」まで一緒…ここでもまた「永続する学園生活」のモチーフが描かれる。
▼そして、全てが終わった視点から振り返り、語られる「一瞬一瞬を真剣に生きろ!」という“今”への執着。
▼フィクションの力で未来を描く「SF設定」をとりながらも、そこに「未来」の姿はない。ひたすらな“今”への執着と、その永続を願う思いだけがある。そして、その“今”への執着に人は感動し、映画館を出た後も“今”だけを見て生きていく…
▼いや、そこには「この大切な“今”はいずれ無くなってしまうんだ。だからこそ貴重なんだ。」という悲壮感すら読み取れるかもしれない(「けものフレンズ」における背景の廃墟のような…)。
▼いずれにせよ、ここでも未来は決定的にその姿を欠いている…。
●「僕は昨日の君とデートする」
■こちらは、より複雑な青春時空SFストーリー。
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■主人公の冴えない20歳の美学生・南山高寿(福士蒼汰)は、ある日、電車の中で人生初のひとめボレをする。相手は福寿愛美(小松菜奈)。これまで女子とまともにつきあったこともなかったが、この期を逃せば彼女に会えなくなると電車を降りた彼女を追いかけて思いを告白。
■名前を名乗り「連絡先を教えて欲しい」と意を決して告げるが愛美は「携帯持ってないの」との答え…。「体よく断られたか…」と悲しむ高寿だったが、「きっとまた会えるよ」とは彼女は言う。
■そして後日、高寿が公園で絵を描いていると後ろから女子が。愛美だった。
■「偶然の再会」だと思いうれしがる高寿。それがきっかけて2人はデートすることに。
■だが、つき合ううち、昨日あったことも忘れていたり、突然、涙したり…と彼女の不思議な一面に気付いていく高寿。
■やがて、その真実が明かされる。実は彼女は、高寿(我々)とは別の時空間を生きていたのだ。愛美は、高寿(我々)とは時間が逆方向に流れる世界の住人だった。
■つまり、人生が80年だとすると、我々の場合は、0歳、1歳、2歳…というふうに時間が過ぎていく。だが、彼女が生きる時空は、80歳、79歳、78歳…というふうに時間が流れるのだった。
■そして5年1度、30日間だけ、2つの時空は1つの地点で交わり、2人は出会うことができるという。愛美が昨日あったことも忘れてしまうのはそのためだった。
 ■なぜなら…
 高寿:1日 2日 3日 4日 5日…
   …5日  4日  3日  2日 1日 :愛美
 …といった感じに時が過ぎているので、高寿にとっては4日目でも、愛美にとっては2日目となってしまう。だから高寿が「3日目は×だったよね?」と聞いても、愛美はまだ3日目を経験していないため「??」となってしまうのだった。
■この仕組みを知った時、彼はあることに気付く。それは少年時代の記憶。当時、高寿は公園の池でおぼれてしまうが、その際、1人の女性に助けてもらう。その女性こそ、逆方向に時空を辿ってきた30歳の愛美であったと。
■だが、真実を知ると高寿は絶望してしまう。なぜなら、自分がいくら彼女と大切な思い出を積み重ねようと、まるで共有できないのだから。
■それでも彼女のことを心から愛していた高寿は、30日が過ぎるころ、5年後の再会を約束し、最初に出会った駅で「つかの間の別れ」をする。
■その後、5年おきに若くなった彼女と出会い、思いの継続を確認する高寿。そんな彼は30歳の夏祭りの日、迷子になった5歳の愛美を捕獲。かつて自分が少年時代に池でしてもらったように「大丈夫だよ」と告げ、その場を去って行くのだった…。
………
▼これも主人公の高寿目線でみれば「キミスイ」と同じく、進むべき人生のレールがあらかじめ敷かれている状態。未来は「未知」ではなく「現在の延長」だ。
▼20歳の時に体験した「大切な“今”」を守るために、彼は、その後の人生でも「祭りの日」のように、絶えず若き愛美を守り続けなくてはならない。途中で彼女に「何か(ノイズ)」あっては、20歳の「大切な“今”」を体験できなくなってしまうのだから。
▼だから彼にとっては、25歳の時にすべきこと、30歳の時にすべきことが決まっている。
▼「大切な“今”」を守るために、それを妨害するノイズを絶えず排除し続けながら、未来に敷かれたレールの上を歩いていく…。
▼とはいえ、その「レール歩き」の成否は、5歳の時、愛美に助けてもらったという「運命の出会い」によって半ば担保されているといっていい。
▼そして、そんな「レール歩き」がうまく行ったと思えた時、人は「大切な20歳の1か月」が守られたと安堵し感動する。
▼ここにおいても「大切な今」への執着と、それを妨害するノイズの排除による「現在の永続化」が主題化されている。
   ●「1週間フレンズ」
■今度は、純粋なSFではないものの、実質的に「時空SF」となっている作品。「川口春奈はかわいいなあ」と素直に思ってしまった。また、山崎賢人君の雰囲気がよくて人気がある理由が分かった気がした。また、賢人君の幼なじみ役の高橋春織ちゃんが、にゃんこスターの子にしかみえない(笑)。さておき、おおまかなストーリーはこうだ。
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■主人公は高校生で漫画部所属の長谷祐樹(山崎賢人)。彼は1年の3学期の終わりごろ、図書館で1人の女子と出会う。藤宮香織(川口春奈)だった。
■その出会いは「最悪」なものだったが、彼は後日、帰りの電車内でウトウトし急いで駅を降りた際、図書館で借りた分厚い本を車両内に置き忘れてしまう。
■「しまった…」と、焦る長谷。だが、その時、閉まるドアの隙間から本を投げてパスしてくれた女の子が。香織だった。
■これに運命を感じた長谷は、学年が上がり幸い香織と同じクラスになると「彼女と友達になりたい」と思うようになる。そして、持ち前の陽気さを活かし、何度も彼女に「友達申請」をしていく、のだが…
■香織はなぜか毎回つれない態度。電車内では本をパスしてくれたのに…
■また、1週間が過ぎて登校時に会った時も…「友達になって下さい?あなた誰?」という態度…これには愕然とする長谷。
■だが、数学教師の井上(戸次重幸)から長谷は、驚きの事実を知らされる。
■実は、香織は中学時代にある事故に遭い、記憶が1週間しか持たない体になっていた。
■長谷が何度「友達申請」しても「ごめん」と、つれない態度だったのは、どうせ友達になっても1週間で忘れてしまい、彼を傷つけてしまうから…と憂慮してのことだった。
■それを知り苦悩する長谷。だが、彼はあることを思いつく。それは「交換日記」。
■1週間交代で交換日記をし、そのノートを彼女が随時見返せば、自分たちが何をしてきたかをずっと覚えていられるのでは…と考えたのだ。
■この提案を受け、最初は渋ったもののOKする香織。以後、2人は交換日記を通じ「1週間フレンズ」としての関係を築いていく。
■だが…2人のクラスに転校生が。九条一(上杉柊平)だった。実は彼は中学時代の香織の同級生。
■九条はイケメンのため同学年の女子たちの憧れの的だったが、意中の人は香織だった。
■そして一旦、家の仕事の都合で北海道に転校になる日、「告白の答え」を香織に求めてきた。彼女は「OK」を言おうと九条の待っている場所に向かったのだが…
■その道すがらを同級生の女子たちに見られてしまい「九条君をぬけがけしないでよね!」と問い詰められ、その場を逃げたところを車にはねられる…という展開に。記憶が1週間しか持たなくなったのはそのせいだった。
■最初は、中学生時代の記憶を思い出せない香織だったが、九条と触れ合ううち、当時の記憶が甦る。すると、都合の悪いことに(よいことに?)、代わりに長谷との思い出を喪失してしまう。そして香織は、「アタシ、中学時代に彼が好きだった」と、九条とよりを戻していく
■一方、「1週間フレンズ」となった長谷は、彼女に恋心を抱き、告白をしようと考えていたのだが、香織の記憶が復活したため、思いを告げられずじまい…
■失意の彼は、これまで書いた日記を火にくべ燃やしてしまう…
■だが…その後、偶然が重なって、香織は図書館である分厚い本を手にとることに。あの日、電車でパスした本だった。
■開いてみると、そこには「長谷と香織のこれまで」が漫画研究会の絵心を活かした「パラパラ漫画」で描かれていた。
■それを読んだ香織は、自分がこれまで長谷と過ごしてきた大切な日々を思い出す。
■そして、イケメンを振り切り、長谷の元へダッシュ。「私と友達になって下さい!」そう言って彼に手を差し出すのだった…。
………
▼これもイジワルな見方かもしれないが、運命の出会いがもたらした「1週間フレンズ」という「大切な時間(今)」を永続させるため、主人公が記憶を失ったJKのメモリーを交換日記を通じてひたすら「歴史修正」する物語にみえる。
▼もちろん「歴史修正」といっても意図的に何かを書き換えたわけではない。それでも、たいてい自分に都合の悪いことは書かないだろうし、よいこと中心に書くだろう。だから、日記以外に情報がない香織からしたら「長谷くんはいい人」と思うのも当然だろう。
▼意中の女子高生が「敷かれたレール」を着実に辿って「大切な時間」に至るよう記憶を「誘導」していく。
▼「敷かれたレール」を外れそうなノイズ(中学時代のイケメン同級生)が登場し、日記で作った記憶が「上書き」されれば、さらに「パラパラ漫画」で上書きし返す…
▼そうやって一瞬一瞬が輝かしい「大切な今」の永遠化を目指す。そして、その永続化が達成される光景をみて、人々は感動し涙を流す…
▼ここにも「大切な今」の永続化と、それを妨害するノイズの排除というモチーフが描かれている。
  ●「サクラダリセット」
■実はこの記事を書こうと思ったのは本作を観て、かなり奇異な感じを覚えたからだ。大まかな流れはこう。
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■舞台は太平洋側に位置する、とある地方都市・咲良田市。
■そこに住む人たちのおよそ半数は、特殊な能力を持つ能力者。その能力は千差万別だが皆、「咲良田を出ると能力を忘れてしまう」という共通点がある。
■さらに咲良田の能力者は「管理局」という都市の公的な機関によって管理されており、管理局から依頼されて能力を発動する者もいる…。
■そんなこの街で暮らしているのが主人公の高校生・浅井ケイ(野村周平)。いつも冷静沈着で頭の回転の速い彼は、「記憶保持」という能力の持ち主。それは見聞きしたことを完全に覚えて忘れないというもの。
■そんな彼には相方的存在がいた。同級生の女子生徒・春埼美空( 黒島結菜 )だ。彼女は「リセット」という能力を持っている。この「リセット」は、世界を最大3日分まで巻き戻す能力。厳密には「前回セーブした��ころまで」となり、セーブを行なわないでいると3日巻き戻るという。
■だが、その能力を発動すると、周囲はもとより彼女自身もリセット前の記憶をなくしてしまう。ただ、1人だけ忘れない存在が。それがケイだった。だから2人はいつも基本ペアで行動している。
■加えて美空には、一度不用意に「リセット」を発動したせいで人を死なせてしまった(救えなかった)過去がある。だから、頭の切れるケイと一緒にいなくては、自分はまた過ちを犯してしまうと考えていた。
■そんな彼らはある日、学校の部活動の1つであり、管理局の下部組織でもあった「奉仕クラブ」から呼び出され依頼を受ける。
■依頼内容は「佐々野宏幸という76歳の男性の、失われた能力を取り戻せ」というものだった。そこで佐々野に会いに行くケイたち。
■ここから事態は複雑な展開をたどり、紆余曲折があるのだが、おおよそこうなる。
■佐々野にはかつて恋人がいた。その女性は「魔女」(加賀まりこ)とも呼ばれており、未来を予知する能力を持っていた。そこで「管理局」は彼女を活用。咲良田の街の未来について絶えず「予知」させ、よからぬことがあればそれを事前に取り締まるという体制を築いた。
■その後、「魔女」は何十年もこの街の未来を予知し、今では老女に。そして「名前のないシステム」とも呼ばれるようになった。ちなみに、彼女はかつて街の未来のために市の外から当時10歳のケイを呼び寄せていたことも後々判明する。
■だが、老女となった彼女は寿命がきたのか「あと10日で死んでしまう」運命に。佐々野老人がケイたちを呼び寄せたのは、かつての彼女が死んでしまう前に、一目会うのを手伝ってほしいと考えたからだった。
■そのことを知ったケイは、美空や特殊能力を持った仲間たちの力を借りて、2人を再会させることに成功。そして、2人は咲良田を出て、能力を忘れて余生を送ることを決めたのだった。
■一方、去り際に魔女は「自分の後継者がいる」こと、それはケイの知っている人物であることを告げていた。
■彼女の名は相麻菫(平佑奈)。かつてのケイの同級生(仲がよかった)であり2年前に不慮の事故で死んでしまった女の子だった。なお、美空が自分1人で能力を使わなくなったのは、彼女の死を救えなかったせいでもあった。
■だが、特種な能力を使う仲間達と知り会ったケイは、その能力をたくみに組み合わせ、相麻菫(のコピー)を復活させることに成功。
■そして、復活した彼女は魔女の予言どおり「2代目の名前のないシステム」にならんとしていた。
■しかし、それを阻む者が。管理局の室長・浦地正宗(及川光博)だった。彼はあることが理由で能力者がいる咲良田市を、深く憎んでいた。そのため自身が持つ「対象の時間を巻き戻す」能力を使って、能力保持者たちの記憶を「能力を持たなかった時代」まで巻き戻し、彼らの能力を奪っていたのだった。
■「咲良田からすべての能力をなくしたい」…それが彼の密かな野望だった。
■そんな彼は初代魔女が消えたことを期に、その野望=「サクラダリセット(聖なる再生)」を実現に移そうとしていたが、2代目魔女・菫が現れたことを知り、彼女を消しにかかる。
■だが、それを阻止しようとしたのがケイたち。
■そして阻止する過程で、ケイたちは浦地がこの街を憎んでいた理由を知る。
■それは彼の両親の過去に関わっていた。かつて浦地の父は「特定の記憶を消す能力」を持っており、母は「指定したものを失わない」という能力を持っていた。
■管理局は、それを知ると、幼い浦地のスキをついて2人を拉致。互いの能力を発動させたまま、長い眠りにつかせてしまった。咲良田市が今のようになったのは、それ以降のことだった。
■つまり、咲良田を出ると人々が「能力を忘れる」のは、父が咲良田の外に向けて能力を発動しているからで、逆に、街の中にいると能力保持の記憶を忘れないのは、母が咲良田の内側に向けて能力を発動しているためだったのだ。
■浦地は自分の両親を奪ったことと引き換えに今の平穏を保っている咲良田が許せなかった。だから、「咲良田からすべての能力をなくしたい」と願っていたのだった。
■そのことを知ったケイは、学校の屋上に浦地を呼び出すと「カルネアデスの板」という議論を引きながら、彼に咲良田の消滅を踏みとどまらせる。
■「カルネアデスの板」とはこんな議論だった。
一隻の船が難破し、一人の男が板切れにすがりついたのだが、もう一人すがりつこうとする者がいた。しかし、二人とも掴まると板が沈むため、最初の男は、後からきた者を水死させた。これは許されることか否か?
■これを聞き、「自分が助かるために他者を犠牲した人間は当然のことをした」と答える浦地に対し、ケイはこう言う。「僕なら、ふたりとも生き残れる道を探します」。
■そして、またも仲間たちの能力を巧みに組み合わせて行動を起こし、浦地の両親から、能力を取り出したうえで、時間を決めて、その能力を保持する人間を交代する策を実現させる。つまり、浦地の両親を救うことと、咲良田市を維持することを両立させたのだった。
■こうしてケイや美空たちは再び咲良田の街で、元の高校生活を送ることとなった。
………
▼実際にはストーリーはもっと複雑なので興味のある人は作品をみてほしい。
 ▼ともあれ先にも書いたがこの作品を観た時、ちょっと奇異に感じた。「普通と逆だな」という印象を持ったのだ。
 ▼何が「普通と逆」なのか?
 ▼この手の話だと普通は、浦地の世代の方が、咲良田を元のまま維持しようとし、それに若い世代であるケイたちが反発するのでは…と思ったのだ。
 ▼たとえば、古い世代である浦地は「能力を失った人たちがこの街を出て暮らすなんて、どんな苦労があるか分かっているのか!?」なんて言い出し、現状維持を図る。
 ▼それに対し、ケイたちの世代が「こんな異常な状態を維持しているのはおかしい!たとえ苦労があろうとも人々に新しい未来をもたらすんだ!」とか言って反逆する。
もしくは、能力を維持したまま街の外に出る策を編み出し、その力を使って世界中の人々の苦しみを救う…とか。
 ▼しかし、この映画は、まるで逆だ。古い世代が街を壊そうとし、若い世代が現状を維持しようとする。「カルネアデスの板」といった難しい例題を引き、深淵な議論を展開しはするが、やっていることは「今の永続化」なのだ。
▼「泣いている人たちの苦しみを取り除くために、自らの能力を使いたい」と言ったようなことを映画内で美空たちも言っているが、彼らはそれを街の外へ拡張しようとは、みじんも考えていない。
▼「街の外」や「現状を変える未来を作り出そう」という志向が、主人公たちからはキレイに消去されている。能力も高く、頭もいいはずなのに…
▼そこがとても奇異に感じられたのだ。
 ▼「できうる限り現状を変えずに”今”という時間を永続させること」、言いかえれば「今とは違う未来を作るために力を尽くす」のではなく「“今”の維持を妨害するノイズを排除し続けることに力を尽くす」こと。
 ▼「ピンクと水色の映画」の多くに通底するこうしたモチーフについて何を思うべきか?「それではいけない」と思うべきか、それとも「やむをえない」と思うべきか、それとも「これこそが新たな時代のモードなのだ」と思うべきか…?今後も映画を観続けながら考えてみたいと思う。
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憑屋よもやま話第四回『南雲一行』
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というわけでよもやま話も第四回。南雲一行、具体的にはシノノメ、ミカヅキ他アヤカシ組、藍銅のお話です。
ネタバレにつき続きからどうぞ
猿鳶東雲について
当初は私が忍者という概念が好きだから忍者を出そう!という超適当なノリで生まれたヤツでした。それも軽薄な忍者が好き。いや堅物な忍者も好きですが、まあそこはそれ。そんな超短絡的な動機で、話に絡ませやすいように主人公とはマブダチってことにしておこう!と「自称」南雲仁の親友として登場と相成りました。この時点ではさほど彼の過去については詳しく考えていません。
その後話を詰めていく過程で、僧侶と忍者が友達ってどういう繋がり?っていうところから本編のあの流れで友だちになった、っていうところまで漕ぎ着けました。
南雲と出会った当初のシノノメは食うに困った親に売られ、生ける武器『鋼刃衆(※1)』の武器のうちの"一本"として活動していました。人権ゼロの鉄砲玉。そんな彼に与えられた任務の一つが、神楽宮暗殺の任務でした。政治的な実権こそ握らないものの、神楽宮は日ノ国でも強大な法力を持つ人物なんで命を狙う人間なんてゴマンといたわけです。そんな人らの鉄砲玉としてその時向かわされたのが名無しの少年。のちの猿鳶東雲だったわけです。
で、そこで出会った仁少年に「死んでもいいとかいうな」と叱責され、これまでの人生で躾けられたことはあれど叱られたことのないシノノメ少年はカルチャーショックを受けるわけです。しかもそのあと命を狙った相手には許されて逃され、ある意味で途方に暮れたわけです。失敗したから戻ったら死ぬしそれでいいと思っていたけど、命を粗末にするなと怒られ、その言葉が頭にこびりついて離れず、なぜだか戻ることが出来なかった。そこで彼の人生が変わりました。ちなみに仁少年が彼に怒ったのは、南雲に関するよもやま話でも書きましたが殆ど八つ当たりに近い動機なのですがまあシノノメ少年は知る由もありません。ある意味相手のことを思っての言葉よりも八つ当たりだからこそよかったのかも。
その後仁、キクリに再会し、名前を与えられ、彼らと普通の子供のように遊んで、そこで初めて彼は人間性を獲得しました。嬉しい、楽しいという感情をぼんやりながらも得て、そこからようやく猿鳶東雲という人間の人生が始まったわけです。
それからは紆余曲折あり忍の師朧月の銀狐(※本編SS・忍の心得に登場)に拾われて忍者としての道を歩み出します。現在のシノノメがおちゃらけたムードメーカーになっているのは師の影響が強いです。特に女好きになったあたりは。ただ、彼が身をおくこととなったコーガの里に来た当初は少年漫画のライバルキャラのようなクールボーイでした。何があったの?ちなみに現在のコーガの若き当主とはほぼ同期でマブの戦友だったりします。
ともあれ、修行時代に人格形成が行われ今に至ります。現在の性格になったのは関わった人の影響もありますが、仕事上関わった人間から人間性をトレースして『どのような振る舞いをすると効率よく相手を油断させることが出来、かつ周囲に溶け込めるか』を研究した結果でもあると思われます。とはいえ、打算で作り上げた人格も時間が経てば立派に彼の『性格』足り得るものになっている筈。
忍者になれたことは彼の人生としてはかなり大きな意義となりましたが、仕事柄汚れ仕事は多く、そのことで南雲やキクリ���大して引け目が出来てしまっているところがあります。そのあたりがSS・ヒトゴロシの夜などで言及されている話。南雲やキクリ、出会った後はヨマなど、生まれ育ちの悲惨さもあり周囲の人々に対して無意識的に『自分よりも綺麗なもの』として認識しがちなところがあります。自分一人で汚れ役を買って出ようと考えるところがあるのはそのあたりが原因。そして軽蔑はされてもいいけれど相手に気負わせるのは嫌だ、というところにそういった部分を隠す理由があります。結果自分を軽視しがちなのも生まれに由来がありますが、ただこのあたりについては幼少期に南雲に叱られたこともあり何も考えなしに自分を犠牲にしようということはありません。手を汚すのは厭わないけれど、死ぬのは御免。何故なら仁ちゃんが怒るから。そんな感じ。
ちなみにシノノメが決め台詞として言っている、「音無し、香無し、名無し、その功天地造化の如し」の元ネタは「音も無く、匂いも無く、智名も無く、勇名も無し。その功、天地造化の如し」という言葉。万川集海という忍術書に書かれている言葉です。音も匂いもなく功績が残っても誰も知らない、名前も残らない。天がそうしたように思わせる…という意味だそうで。シノノメがこれを決め台詞にしてるのは師に教えられたのと、あと口に出すとカッチョイイからだけであって別にこれを言っている時はこれの意味するところを意識はしていないです。ただ、生き方はそれに沿うようにしてはいるそうですが。
デザイン関係の話をします。実は殆ど一発デザイン。ほぼ決定稿となったのがこちらです。
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この頃はわりと全体的に頭身低めでデザインしていました。変更点は指ぬきグローブじゃなくなったところくらいかな?余談ですが巾着袋に入っているのは兵糧で、クナイや手裏剣などは服の内側に隠していたり忍術で召喚したりしています。
あと、髪~顔の作りに関しては猿鳶の『猿』を念頭に置いて猿っぽくしています。もみあげが内側に来ているところと、眉毛が末広がりなところ。猿っぽくない?そうでもない…?垂れ目は趣味です。なんとなく、女ったらしは垂れ目にしろと遺伝子がそう囁く気がしています。
ちなみに初期配色案はこちら。
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今よりちょっと胡散臭い気がします。ただ、南雲、ヨマともに紫要素の多い配色だったのでコイツまで紫にしたら色が偏るな…と考えてボツにした。…ような気がします。
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あとこちらが幼年期のラフ。おまけに南雲氏も。立ち絵とはほとんど変わっていません。
※1)鋼刃衆…『人鍛冶師』という人を武器として作り変える刀工集団により『打たれた』人間武器の集団。心を殺し、刀として、或いは暗器として日夜誰かの命を奪うために生きるモノたち。起こりは憑屋より100年ちょっと前、日ノ国における戦国時代から。それなりに平和になって暫く経つ今でもその行いと技術は連綿と続いています。今なお日ノ国の各地で暗躍し、そして鉄砲玉の如く彼らは死んでいっています。何度か仕事をこなし、実績がついてそれなりに高価な『武器』になると武器としての銘が与えられます。それまでは名無し。シノノメはまだ銘が与えられる前の状態で南雲たちに出会ったわけです。
ミカヅキたちの話
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超初期の南雲withアヤカシズ。つららがニーハイ履いてるとかビミョ~な変化がありますが基本コレから変わっていません。
まずミカヅキについてですが、アヤカシをお供に旅をするという話なわけでわかりやすく、こう、ピカチ●ウみたいなマスコットがほしいというところから生まれました。で、どんな妖怪を引き合いに出すかとなった時に、猫又あたりが一番ポピュラーでわかりやすいだろうと思ったのですが、猫又って属性、何…?となり単純な猫又にするのは没。その後少し妖怪について調べて、火車という存在に行き着きました。猫!火属性!実にわかりやすいじゃあありませんか。まあ実際の伝承の火車は死体を奪い去るというわりとおどろおどろしい存在ではありますが、ミカヅキはまだ仔猫なのでそのへんはご容赦を。南雲につかず、火車として大成していたらそういう方向に行っていたかもしれません。
実はミカヅキはこの最初の4体の中では一番南雲とは付き合いが浅いアヤカシです。それでも常に一緒にいるのはなんだかんだで一番馬が合うから。と、霊装時の相性がいいから。子供なので裏表がないところが南雲的に気に入ったのでしょう。ミカヅキの方も、南雲のツンデレ気質を理解しているのでなんとなく放っておけなくてついてきています。懐いているとも言う。
出会いはミカヅキの住処だったところを荒し回っていた大アヤカシを南雲が退治して云々、という感じ。
お次につらら。彼女はわかりやすくお色気要員と、わかりやすい妖怪要素を担っています。というか、初期4体は全体的にわかりやすさを優先して選定をしてはいますが。
彼が他に誰を想っていても南雲仁を愛している、愛に生きる乙女。とはいえ、別に南雲仁とは添い遂げられなくてもいいと思っています。誰かを想っている状態が楽しいから南雲に恋をしている感じ。両思いになると溶けてしまうさだめを持っているので一方的に片思いさせてくれる南雲だからこそ真っ直ぐ愛することが出来るというか。
SS・みんなの南雲でも描かれたことですが、つららはどうにも優しくて甘い女なので愛する人の哀しみを勝手に分かち合いがちな女性です。愛し合って自分が消えてしまったら、自分は満足だけれど相手はその喪失の哀しみを負わなければいけない、それはイヤ、だったら私を愛さないような人を愛そう、みたいな。勿論、南雲の心根の優しさもしっかりと理解してそこもきちんと、というかそこをメインに愛しています。
南雲との出会いは、昔惚れた男に騙されて見世物小屋に売り飛ばされ、見世物にされていたところを助けてもらったとかです。
ショウキチ。泥田坊という妖怪が元ネタです。微妙にマイナーなんだろうか。どうなんだろう。とにかく土属性のアヤカシをねらなきゃいけないから、わかりやすそうな妖怪を…と選んだのが泥田坊でした。デザイン的には記述にある特徴をマイルドに、デフォルメして描いただけで特に捻りはないです。
イズモの守護していた村の村民で、死後アヤカシとなってからは生前の恩義もあってイズモと交流を持っていました。南雲との関係もそこからで、4体の中では一番南雲と付き合いが長いアヤカシです。イズモ亡き後、南雲がスサノオへ行くまでは彼が面倒を見ていました。南雲からすればもうひとりのおじいちゃんみたいな感じです。親戚の喧しいおじいちゃん、の方が近いか。南雲がスサノオから旅立ち、憑屋として活動をはじめた折に再会。レギュラーメンバーとして南雲の助けとなるべく彼と契約をします。
コクリコ。みんな大好きヤタガラス。でも足は三本ない。とはいえ、この人鳥姿は省エネモードで鳥モードはちゃんと足が三本あったりするのではないでしょうか。今考えました。
鳥キャラは、まあ趣味ですね。趣味です。案外つららとはいいカップルというかコンビのような気がします。お七イベントのあたりとか。元はイズモの住んでいた山の住人で、イズモや南雲とは普通に近所付き合いのような間柄。イズモが生きていた頃はショウキチほど密な関わりはなく、イズモの死後に一人になった南雲の様子をチラチラ覗いてこっそり守っていたような感じです。同じ山に住むよしみというか、まあコクリコさんはいい鳥なので。南雲と契約したのはショウキチと同じルート。ちなみに第二幕で仲間にできる天狗のミカゲさんとは犬猿の仲という裏設定がありますが、そもそもヤタガラスと天狗の種族仲自体があまり良くなかったりします。鳥種問題。
ところで普段くっついてるミカヅキはともかく、他の3体や河童の平太とかは時々出てくるけど普段どうしてるの?という話ですが。作中で霊装図鑑として閲覧できる『霊帖』がまんま契約書とワープの座標指定を兼ねています。仲間になったアヤカシを霊帖に登録し、霊帖を通じて仲間にしているアヤカシに呼びかけると霊帖を標として遠く離れた場所にいるアヤカシが南雲の元へ来るためのワープポイント、『霊門』が発生します。それを通じて戦闘時などに彼らを呼び出して霊装しているわけです。これがあるから付け外しに1ターンずつかかるんだ!まあそれはこじつけですが。なので、普段は皆思い思いの場所でテキトーに気楽に生きてます。
ところで作中では合計26体のアヤカシを仲間にできるわけですが、何故今までも憑屋として活動していたのに初期アヤカシは4体なのか?という疑問があるかと思います。それは実は殆どのアヤカシに大して南雲が契約期間を設定しているからです。今回で言えば神楽宮からのお使いを終えるまで、というような感じで。というのも、人でないものとの契約を十も二十も記しまくった霊帖なるものを遺して死ぬなんてことがあったら悪用されないからです。あとは契約維持に多少なりとも霊力のコストがかかるから。恒常的に裂けるコストは基本10体までが限界です。なので、ほとんどのアヤカシは期間限定。考えてみれば最終幕なんて神霊レベルの存在を仲間にしまくっているわけですからコストは相当やばいことになっているはずです。そのコストを顧みず、自分の体を代償にしてまで契約しまくって逆に喰ってしまっているのがアザミですが。その結果がアレですよ、アレ。
藍銅について
和物と言えば落ち武者だろ!
彼の存在についてはこの短絡的な一言につきます。何故侍ではなく落ち武者だったのか、過去の自分に聞いてみたいところですね。そんな動機から誕生したのが作中屈指のピュアキャラ、藍銅くんでした。どうしてもござる口調の侍が出したかったというのも誕生の動機の一つです。
藍銅について言えば、これを話さず何を話すかというのが孔雀との因縁です。実は当初はここまで濃い関係性にする予定はなく、そもそも藍銅もシナリオでちょろっと出てきて霊装入りするだけのキャラの予定でした。が、ちょっとアブない人斬りキャラを出したい、というところから孔雀が生まれ、折角だから昔ライバルだったみたいな設定にしておこうと決めたが最後…でした。よもやこんなにアレな関係になるとは…。
孔雀を狂わせてしまったのは藍銅だけれど、彼には全くそんなつもりがあるはずもなく、また孔雀もそれを理解してもらおうとは思っていなかったので結局最後の最後まで和解することなく二度の別離となりました。おそらくこの二人は出会わないのが最善だっただろう、とは思えますが、それを本人たちがそう思っているかは全く否。藍銅は切磋琢磨できるよき友人に恵まれた、と思っていますし、孔雀も自分に生きる指標を与えてくれたという点で、出会わない方がよかったなんて微塵も思っていません。孔雀のこのへんの思いに関しては次回あたりの彼のよもやま話で。
ともかく、他人から見たらどうであろうが彼らにとって最後は殺し合う仲になったとしてもそれまでの過程で得た優しい時間は得難いものだったのです。だからこそ、藍銅は二度目の決闘の終わりの時も孔雀の想いを理解したいと思っていましたが、まあ、無理でした、と。それでも今度は地獄で、と冗談のような口約束を遺された孔雀の刀に向かって出来るようになったあたり、理解は出来なくても死んだ後くらいは彼の望みに沿ってやろうと妥協は出来るようになったのではないでしょうか。
何が悪かったかと言えば、藍銅も孔雀も悪いことはなかった。いや孔雀はやったことは悪いですが、まあ双方個人自体には問題はなかったのです。ただ出会ってしまって、孔雀の方が心の釦を掛け違えて闇を深めて、一方藍銅は幼少期から全く変わらずに何一つ歪まずあまりにも真っ直ぐ正しく育ってしまって、そのコントラストが惨劇悲劇の引き金となったというか。このあたりのこと、具台的には孔雀の心の内に何があったのかはいずれ公開されるであろうスピンオフ『憑屋異譚蒼龍戦史』で詳しく物語として綴りたいと思います。彼だって藍銅と出会ってすぐに狂っちゃったわけじゃないんです、最初は普通に憧れてたんです本当だよ…。
ところで良心の塊のような藍銅という青年ですが、生き死にに関しては元々戦国時代の戦人であるためシビアです。とはいえ何もものを思わないというわけではなく、SS・ヒトゴロシの夜に語られた通り、守るために殺すことに関しては自分なりの信念と考えを持っています。人を殺した場数で言えばシノノメより多く、さらに正面切って正々堂々叩き切っているので、ある意味ではシノノメの大先輩というか。だからこそ、あのSSでシノノメを諭す役割に回っていたわけです。
ちなみに基本幽霊なので霊体ですが、満月に近い月の夜や南雲のような霊力が高い人物が近くにいる、黄泉比良坂洞のような霊力が満ちまくってる場所にいる、そもそも禍ツ夜が来ていて土地自体の霊力が高まっている、などなど条件がある程度揃っていれば数分~数十分ほどは実体化出来ます。実体化と言っても生者に対してだと藍銅が一方的に触れられるだけで、早い話がポルターガイストや心霊現象みたいな状態になります。肩が重い、みたいな。生者からは触れられません。一方相手が霊体やアヤカシのような霊力で体の殆どが構成されている存在、孔雀のようにめちゃ強い霊力で常に実体化しているような相手だと普通に干渉ができます。最終幕の孔雀戦ラストで彼を斬り伏せられたのもそのため。
二刀流についてですが、彼は礼儀正しい人間ですが蓋を開けば非常に脳筋なので、一本より二本の方が強いだろう!という単純な考えで二刀流で戦っています。とはいえ、本来二刀流は隙が出来やすいはずなのでそれで大成してしまったあたり、天賦の才能があったというか。一応刀一本でも戦えはしますが、本人としてはバランスが悪い気がするので二本の方が戦いやすいようです。
デザインの話です。
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初期デザインがこちら。基本は今とほとんど変わりませんが、現デザインの方が全体的にスッとしています。動きやすそうといいますか。刀も手ぶらになりましたね。現在は戦闘時にヒュンッと出て来るという設定になっています。この頃は名前が未定で、端っこに「落ち武者」と書かれているのがシュールというかなんというか。
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初期案全身図。袴がビラビラしていたり鉢巻があったり要所要所相違点が見受けられますが基本はさほど変わっていません。コテコテの侍を意識してデザインしています。THE・侍って感じの。右目の三本傷は孔雀につけられたものという設定ですが、最初期は「傷があったほうが落ち武者っぽい」というだけの理由で描かれており、孔雀につけられたというのは後付の設定です。
享年は25歳ですが、顔は美青年というよりは青年と少年の中間あたりで描いています。童顔というか、なんというか。私がこの手の顔を描くのが好きだというのもあります。ちなみに美しさイケメンぶりのベクトルは違いますが、アザミと並んで作中でトップクラスの美形の設定です。立ち振舞であまりそう見えないというのがミソで、黙って遠くを見据えていると非常に美形で絵になる、という想定です。アザミがマイナス方面の、人を拐かす美貌なら藍銅はプラス方面の、単純に人を惚れさせる類の美形という感じです。えーあの俳優さんカッコイー!みたいな。
以上、今回のよもやま話はなかなか長くなりました。次回はアザミ一行、というかあの問題児二人組に関して何か書こうかなという感じです。
よろしければ次回もお付き合いくださいませ。ではまた。
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■10/29放送 DHCシアター「真相深入り!虎ノ門ニュース」  いつも長文で読むのしんどいわ~という方も、今日は我慢して読んで下さい。  外国人労働者の受け入れ拡大法案についてです。  今日はもうそれに関連する部分のみ起こして、他はカットさせてもらいました(それでもいつもより長い)。  オールドメディアでは報道されない内容です(虎ノ門ニュースは全般にいつもそうですが、今回は特に)。  「人手不足だから外国人受け入れを拡大したい」とされてきた建設業界にも懸念の声があることや、政府はこれを4月1日に施行しようとしてますが社会保障の面で全く間に合わないこと、やがて外国人参���権にもつながっていくこと、など。  このまま見切り発車させたら、後々大変なことになるのは目に見えています。  実は今日の番組動画、「一部映像の不具合」を理由にお昼頃に一度削除されまして…。  修正版がUPされるまでに約4時間もかかりました。  青山さんが派遣会社と自民党議員の癒着に言及したので圧力かかってカットされたのでは?…なんて話もSNSで出回ってましたが、そこの発言はちゃんと残ってますし、他の箇所も私が見た感じ、カットされたと思える箇所はなかったです(私は毎回まず、ほぼリアルタイムで一通り見た後、書き起こし作業をしています)。  結局「一部映像の不具合」とは何だったんですかね~?  ※元動画はこちら(10月30日午前0時現在)。URLが変更される(修正版がUPされる)こともあります。その場合は、DHCシアターの再生リストから、たどって下さい。但し、アーカイブは2週間の公開です。 ※この書き起こしは要旨であり、一字一句この通りではありません。 ※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。  内容紹介ここから____________________________ (★)オープニング  外国人労働者を、非常に乱暴な法律で、事実上の移民にしていこうと、いう政策に真っ向反対してまして。  で、先週は、月曜日からその部会が、月火水木金と、こんなの僕は今まで一度も見たことないですけど、集中して頑張ってやってるというよりは、もうとにかくこの臨時国会で上げてしまおうというのがあって。  で、金曜日に部会了承ってことになってたのが、不肖私も含めて、反対論が、安倍総理やその他の方々、首脳陣が思ってらっしゃった以上に強いことが分かったので、ま、そこは自由民主党の、僕はいま一員なので、こういう言い方、しにくい、したくないけど、客観的に言って良識が働いて、金曜日はいったん流したんです。  で、流したからよけいに、金曜日の夜から、ま、僕には一切来ないんですけど、僕以外の議員には、月曜日に必ず上げるようにという、ま、要請が、非常にあってですね。  それで僕には一切来ないから、僕は知らないはずが、ま、苦しんでいる議員の方々から、これかなりたくさんの人から…。  で、僕の方からは一言も問い合わせてないです。  いわゆる根回しというのも一切してません。  それぞれの議員の良識に、あるいは国を思う気持ちに待つ、あるいは外国人の方々の人権を大事にする気持ちに待つために、僕からは一切言ってませんが、たくさんの議員の方からお話が寄せられたんですけれども。  ま、ブログにも書いたんですけれども、ブログよりこの虎ノ門ニュース見てる方の方がやっぱり多いんじゃないかなと思いますから、重なっても申し上げるとですね、要は連絡してこられたのは、そういうわけで自分は今日月曜日の部会には行けないと。  青山さん頑張ってねってことなんです(笑)。 (居島一平:託されちゃってるんですね、青山さんにね…(苦笑))  いや、託されちゃってるというか、まあ、そんなことないですけども、それは現実なんで。  それで、それが金曜日の深夜から土曜日の早朝にかけてです。  それで実はですね、中身は未来永劫申せませんが、この土日、だから昨日とおとといは、当然国会ありませんから、それから自由民主党の部会もありませんので、ま、地方も含めて、様々な国民の方々にお会いをして、なぜ僕が反対してるかっていうことをお話ししました。  で、国民の方々っていうのは皆それぞれの選挙区に議員いらっしゃるわけですから。  その国民の声の出方によっては、今日月曜日、本来、ま、出席を回避しようと思ってた議員の方もお見えになるかもしれません。  今日の午後遅くっていうか、夕方なんで、まだ分かりません。  但し、今日月曜日の午後遅く、ないし夕方ってことでもお分かりだと思いますが、まだ僕以外の人はみんな選挙区にいるわけですよね。  僕は選挙区を待たないので。  全国比例と言ってもみんな事実上の選挙区はあるんです。  出身地の周辺だったり、あるいは支持してもらってる団体の本拠地だったりね。  そういうの僕は一切作りませんから、今こうやって月曜日の朝、ていうか、だから月曜日に虎ノ門ニュースを設定してもらってるわけですけど。  火曜日以降だったら国会日程で使うから。  話を元に戻すと、冒頭(オープニングトークが)長すぎますけれども、まだ選挙区で国民の声が議員に届く可能性があります。  それを全部集約して、今日の月曜日ということになりますが、まあ、皆さんがいたずらに楽観してはいけないので申し上げると、まあ、さはさりながら押し通す構えです。  で、その時に、この虎ノ門ニュースで何度も何度も申しましたが、僕は政治記者の時から、あるいは政治記者になる前の信念として、政党に属する議員っていうのは党議拘束は守らないといけません。  これが、自分のご都合は論外ですけども、自分の意見で党の決めたことに従ったり従わなかったりする、これは政党政治じゃないんで。  で、政党政治じゃない政治って何かと言うと、議員がそれぞれバラバラになってることですから、そのバラバラになってる状態で、権力を、国民の声に従って、良い意味でコントロールすることは不可能です、バラバラってのは。  だから逆に政党は必ず必要で、その政党は、今の自由民主党をはじめとする既存の政党を、志を高くしていくことが必要だから、僕は内部に入ってるわけで、そうすると党議拘束は守らないといけないので。  僕自身は処分を恐れることは全くありませんけれど、僕を実は、支えるわけじゃなくて、僕と共鳴、連携している議員は、びっくりするぐらいこの2年3ヶ月で増えましたから、そういう方々のマイナスにならないように、連携が保たれるように、党議拘束は守ろうと思ってます。  だから今日、月曜日の朝にお見えになった熱心な方々(ギャラリー)、あるいは、いま生で見てくださってる熱心な方々、あるいは後で一生懸命見てくださる方々にとっては、僕が自由民主党の決定を守るってことに、不満もたくさんお持ちになると思います。  今いい格好してやってるわけじゃなくて。  祖国と世界のためになるかどうかだけが判断の基準です。  もう一度申しますが、外国の国民も日本の国民と同じように全く、主権の存するその国家の下での、守られるべき人々であって、日本に来られた時にも、その人権、権利守らなきゃいけないのに、この、いま政府が用意した法律は守れません。 (1)安倍首相 習近平と首脳会談 (2)尖閣周辺の中国船 6日連続 (3)安倍首相がインド・モディ氏を別荘招待 (4)日朝接触で実質進展なし 北朝鮮大使 (以上省略) (5)改憲へ意欲 安倍首相が所信表明演説 (超ざっくり起こし)  政権の首脳陣の一部(複数)から言われた。 「青山さん、びっくりしたよ。9条改正は結局安倍総理のおっしゃってきた、自衛隊合憲と書くだけで押し通そうとした。そこに青山案を含めて違う案が出てきて、党内で支持が多くなったので、ちょっと付け加える」 「青山さんの言った『自衛権の発動は妨げない』を、細田・前本部長が取りまとめた『自衛の措置は妨げない』、これは入れないと聞いてたが、入れてるよ」  最終的にどうなるか分かりません。  今日、虎ノ門で言ったので潰れるかもしれない(笑)。  のに、なぜここで言ったかというと、暗い話ばっかりだから。  国民が下を向いてしまうと、できることもできなくなるので。  これ条件闘争じゃない。  たとえば外国人労働者の受け入れ拡大はもう認めます、その代わり憲法改正は僕の案を入れて下さい、てなことはやらない。  これを政治だと思ってる人が与野党問わず国会議員に圧倒的に多いから、みんな嫌になってる。  僕は妥協して、法案の修正を言ってるわけですから。  本当はこの法案の根本思想に僕は間違いがあると思ってるけども、棒を飲むようなことをもし言うとしたら、それは自分のことを考えてるってことです。  それは自分がいい格好したい、とにかく突っ張って、自分への支持は失いたくない、それ違います。  だから法案をこうやって変えましょうってことは言いますが、でも憲法改正と外国人労働者の問題を取引したりしてません。  だからこれは(「自衛の措置は妨げない」が入れられてるというのは)、総理官邸はじめ安倍総理も含めて、まともに考えてくださってるってことだと思うので、このままになるかどうか分かりませんが、そういう確たる情報が来たのは事実です。 (6)臨時国会 補正予算案・入管難民法で論戦 (ざっくり起こし)  入管難民法…、入管法改正案と普通言ってますが、オールドメディアが注目しているようでいて、しかし報道の仕方が世論を誘導してるってことも気が付いてください。  月曜日に読売はじめ2つぐらい世論調査が出てきて、外国人労働者の受け入れ拡大に賛成が5割以上で、反対してるのは3割台だと。  それから移民も、賛成反対が同じぐらいで、移民だからといってみんな強く反対じゃないという世論調査がドッと出されて。  こういうオールドメディアの仕切りにごまさかれないで、ご自分の頭で考えてください。  あるいは地域の実情、ご自分の働いてる職場で考えてください。 (7)移民阻止へ米軍派遣容認 メキシコ国境  要するに米軍派遣って、アメリカに入りたいっていう人を殺害するのかと。  そんなことはできないから、よけいに、トランプさんといえども、移民国家のアメリカの大統領といえども、移民を増やしすぎるとこうなるという典型例ですから。  アメリカだけでなくヨーロッパでもどれほどみんなが困ってるかってことを、なぜ日本が考えないのか。  なぜ考えないのか、日本は国際社会の一員じゃないと思ってるところがどこかにあるんですよ。 (8)中国がトランプ氏携帯盗聴 米紙 (ざっくり起こし)  僕のルートではこれは間違いない。  証拠はあるが示すことはできない。  インテリジェンスに関わることは言えない部分もあるが、間違いなくそうです。  トランプ大統領だけじゃない。  安倍総理をはじめみんな基本的に盗聴されてる。  が、これが殊更に出てくるのは、トランプさんの再選阻止。  お金も人も利益供与も、ここまでかというぐらいガンガンにやってる。  中国が今回ひとつ勉強したのは、やっぱり中国系アメリカ人の誕生を急がないと、こうなると(米中貿易戦争でやられると)。  それもすごく加速させてる。  Money、Money、Money。  日本にも当然来ます。  立憲民主党とか社会民主党ではない。  ほとんど効果がないから。  もちろん自由民主党。  したがって、外国人労働者の問題、いま本部会で議論してると、何となく皆さんの言いぶりにベトナムはじめとして東南アジア諸国のイメージが漂っている。  入り口はひょっとしたらそうかもしれないが、最終的にはチャイナ、チャイナ、チャイナ。  中国人の方がドーンと来て。  たとえば今の法案の致命的な欠陥は、上限がないわけです、事実上。  あるあるって言ってるけど、ないんですよ。  ということは最終的には中国がその気になったら、日本の業界はほとんど中国人の労働力に依存。  中国はすごい独裁だから、「行くな」と言ったら、中国人はパッと全員引き上げる。  すると日本の各業界はもう人が全然いない。  ということは中国共産党に日本経済の根っこを握られるってことであって。  そのことだけ考えても、もうこの法案は国を売るに等しい。 (★)トラ撮り! コーナー★外国人労働者の受け入れ拡大法案(先週の自民党部会) 今日は枚数は12枚だけなんで、写真をきっかけにお話をみんなで一緒に考えたいと思います。 今日はこうやって例外的に文字も入れていただいてるんですが。(居島:法務部会…) はい、これだからちょうど一週間前、先週の月曜日この虎ノ門ニュースに参加してから、国会に出て、その後、自由民主党本部に移動して、これキックオフなんですね。 それで外国人労働者の受け入れ拡大っていう法案、入管法改正案っていうのが、部会に出てきたわけですね。 これは本当は、だいたい労働の問題ですから厚生労働省でしょう? すると厚生労働部会のはずですよね。 あるいは合同部会のはずですよね。それ全部法務省がかぶった形になって、法務部会でまずキックオフが開かれたわけですね。 
長谷川部会長です(中央奥)。 長谷川会長って参議院議員ですけど、例えば、よさこい祭りに関連して、一種の起業家であって、ものすごくユニークな人材で有名な人なんですけど、ま、非常な負担をかぶって部会長を務められるんですが。 このキックオフを見ていただくと、このへん(右側)は役所ですからね。 しかもちょっとびっくりしたのはそのキックオフは、法務省しか来ないんですよ。 これさっき言った通り、だいたい労働問題だから厚生労働省だし、それから外国人の方々の社会保障をどうするんですか? だから当然、厚生省、旧厚生省でしょ? だから厚労省、必ず来なきゃいけないし、それからもちろん外務省だったり、あるいは農業の現場を考えると、農水省も来なきゃいけないし。 でしょ? 全然来ないんですよ。 だからお役人の数も普段より何となく、少ないわけじゃないけども、そう多くないでしょ。 で、議員はたったこれだけ(左側)ですよ。 
で、これでキックオフが始まったんですが、その時に配られた資料がですね、本当は1週間でどれぐらい出たかというと、これぐらいです。 それやってると当然番組に収まらないから、もうごく一部だけ持ってきたんですが。 たとえばキックオフで配られた資料がですね、表紙で言うとね、この「新たな外国人材の受入れ制度等について」ということで、これ法務省の、それも入管局だけの資料になってるわけですけどね。 で、新たなっていうのは、まあ、いわば正直に言ってるわけですよ。 今まで単純労働はダメって言ったのが、単純労働の労働者も受け入れて、それを1号という、人間を、はっきり言うと勝手に分類して。 そして、その中で特殊技能を身につけたり、日本語をある程度話せるようになった人は2号となって、で、この方々は家族連れてきて良し。事実上、これ誰が見ても永住を認める方向になってるわけですよ。 で、逆に言うと1号の人は家族連れてきてもダメとなってるわけですよね。 もし僕たちが1号2号と分けられたらどうですか? そうでしょ?同じ人間ですよ? 中国の方だろうが、どこの方だろうがね。 だから、そういうことも含めてこう、新たな制度ってこと法務省は認めつつですね、で、これまでの経緯ってこう書いてるわけですよ。 
で、最初にですね、この今年の2月20日の経済財政諮問会議。 経済財政諮問会議ですよ? はっきり言うと、法務省ほとんど関係ないじゃないですか。 そこで総理の指示が出たと。 総理大臣指示、ね。いの一番に、「深刻な人手不足が生じて」おり、と。ね。 要するに、人手不足は深刻なんだから、外国人だろうが、何だろうがとは言わないけども、要するに外国人の方々を受け入れないと、日本の経済成り立たないってことが、いの一番に、法務省の所管じゃない話として、これ出てくる。 これ自体が異常ですが、僕が立って発言してるのはですね(最初の画像参照)、持ってる紙はこれです、だから。 この紙を見ながらですね、「深刻な人手不足が生じて」おりっていうのが、まるで、もう予め分かってるように書いてあるけれども、この法務省の事前説明、っていうか僕は、本当は参議院議員に当選した直後、2年3ヶ月前にですね、法務省の人が、こないだも言ったと思うけど、キャリア、ノンキャリそれぞれ、極秘裏にお見えになったんですよ、議員会館に。 その時に法務省がおっしゃったのは、要するに法務省はこういう制度、反対ですと。やっぱり国家の安寧や、治安の維持について言うと、これは不安な要素が多いと。
したがって、少なくとも厳しい条件にすべきなのが、自由民主党の先生方は、っていうか、これ本当は法務省は自由民主党と言わずに、先生方はと。 でもこれはっきり言って、野党のほうじゃなくて与党のことを言ってるわけですよ。 先生方は業界団体の支援もあるので、もう行け行けばっかりなんですと。 で、我々が今まで聞いてるのは、っていうか本当は調べてんだけど、青山先生はどこの業界の支持も受けてない、団体支持も断られて出てこられたそうですねと。 はっきり言うと、頼みですから、公平な意見をお願いしますと言われたんで。 いや、僕は、選挙中の話もそうだし、全く意見同じですねと。 それがですね、この法務省が、所管じゃないことまでこう入れて、全部背負わされて出てきたわけですよ。 それでこの「深刻な人手不足が生じて」おりっていうのは、一体どうやって法務省は確認するのかと。 
それでこれは、この後ヒアリングが予定されてるから、週半ばに、その時にも言いますがと言った上でね、僕のところに実はたくさんのご意見が寄せられてると。 寄せられただけじゃなくて、実は僕はそれを手がかりにして、介護の現場、介護でしょ、農業でしょ、そして旅館業ね、それから病院ね、こういうところに本当は行って、直接現場で話を聞いてますと。 それからその現場だけじゃなくて、そこから、もう簡単に言うとクビになった、たとえば病院なら病院はクビにした事実はないと言うけど、本人に会うと私はクビにされたという人も、実は、匿名でしか話せないけど、お会いして、目を見て話をして、その上で、よーく僕に伝わるのが、日本人の、日本国民の就業機会が確保されてないと。 例えば介護で言うと、介護が一番人手足りないと言われてるけど、まず僕と青山千春博士は、僕の母、それから千春のお母さんも今まであんまり言ってないけど、長年介護したんですよ。 
で、最後は例えば僕の母で言うと、もう亡くなったから、と言っても全部個人の秘密は明かせないけど、こんな大きい癌がお腹にできたので、もうそれいつ破裂するか分かんないから、介護付きの病院に入れたわけですよ。 それまでは自宅、あるいは自宅周辺で、いろんな工夫をして介護してて。 だから介護の現場はある意味、当事者として知り尽くしてるわけです。 で、その時に我が母は、東京弁が嫌いで、コミュニケーションに苦しんだ上に、外国人の方が一生懸命介護してくれるんだけど、もう何言ってるか分かんない、お互い分かんないから、母は最後の日々を苦しんで過ごしたんですよ。 でもその時にずいぶん話し合ったから、そこからのルートもあって、介護の現場の人に話を聞くとですね、まずあえて僕が総括して言うとですね、優遇されてるのは若い人だけですよ、日本国民の中で。 
例えば男性で40の声聞くと、40ですよ?まだ全然お元気っていうか、バリバリの中核的労働力が、40になると、こうされ出して(手で押す仕草)、もう50とかになると男性は特に全然ダメで。 それで例えばずっと介護のプロとしてやってきた人が、40過ぎたら急にこう、圧がかかってきて、そしてもう辞めざるを得なくなって、いま無職ですと。 それで自分の知り合いで言うと、例えば、女性は比較的介護の、若い時は20代は優遇されるわけですよ。 やっぱり介護に何となく向いてるって感じで。 それが20代の終わりぐらいに結婚なさって、子育て10年なら10年やって戻ろうとすると、また大きな壁があって。 こういう方々は、実際には就業できる方々だというケースが多いのと、それから若い人で引きこもりでしたっていう人が、その引きこもりをご自分の努力やあるいは家族の努力で克服しつつあっても、全然社会は受け入れてくれない。 だから引きこもりだけじゃなくて、様々な問題で就業できなかった若い労働力っていうのを、ちゃんと社会と協調して、望む仕事はできるようにって努力を社会がほとんどしてないと。
 もう一回言いますが、40代以上の中高年って言われる、だから60、70の方々はもちろんのこと、そういう方々と、それから女性の、特に専業主婦だった人で元の職場に戻れない人、それから若い人で様々な事情があって、本当は社会のために働きたいけどなかなかできない、虎ノ門、一生懸命ご覧になってても社会が受け入れてくれないっていう人々を、放置したまま、なぜこのように、さっき見せたように、人手不足が深刻化って簡単に言えるんですかと。 実は労働の現場ではやっとアベノミクスのおかげもあって、賃金が上がろうとしてる時に、こうやって外国人が来ると、外国人の低賃金に合わせて、要するに賃金を抑えたままできるっていう現実があるから、何のことはない、外国人の方々を大歓迎して入れるっていうんじゃなくて、安い賃金のまま、外国人を利用すると。だから日本国民と外国の国民双方にとって、深刻な人手不足が生じたっていうこのスタートからして、本当はおかしいじゃないですかと。だから少なくともこの法案の中に、日本国民の就業機会をちゃんと確保するっていうね、いの一番のそこから入れないと、そもそもここからしておかしいって話から、こう始まったわけです。 
それがキックオフで、そして次の写真出してくれますか。 これ翌日、火曜日ですが、火曜日からヒアリングが始まったわけですよね。 そのヒアリングっていうのが、まず業界なんですよ。 これがその時の資料ですが、例えば業界の中で、最初に発言なさったのが、これ順番はたまたまですよ、建設業界の方なんですよね。 実名はありますが、これは影響大きいので伏せますが、僕はさすがに日本はすごい国だと思ったのはですね、人手が足りなくて困ってるというニュアンスの話もありましたが、同時にですね、3点、この法案に、問題点を指摘なさったんですよ。
 自由民主党議員がやるべきを、ちゃんと建設業界の中から、人手が足りないと言われてる業界の中から、3つ指摘なさってですね。 これまず、日本人労働者の賃金がようやく上がり、処遇が改善されようとしてる時にちょうどこの制度なので、明らかに、日本人の処遇改善にストップをかけることになりかねないと。 それが第一点。 
第二点は、建設現場は危ない現場もありますと。 その時に日本語能力に課題があって、コミュニケーションが難しいと、その外国人の方に危険が及ぶことになりかねず、それに引きずられて日本人の従業員にも、危機が及ぶことがありますと。 それから三つ目。 これも感心して聞いたのは、仕事が減りますと言われたんですよ。 だからこれってさっきの人手不足って話は、仕事は減らないっていう条件でしょう? 安倍総理自身がそうおっしゃってるわけでしょう? でも現場から仕事は減りますと仰ったんです。 これはもちろん、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの後に、少なくともいったんは建設業の需要は減りますということを踏まえておっしゃってるんだと思います。 そういう言い方はされませんでしたが、でも仕事は減りますと言われて、仕事が減った時に、外国人労働者の方が不法労働者になる懸念があるけれども、一体それをどうやって対処されるんですか。
 で、ここ(手書きの部分に)ペケ(×)って書いてあるのは、この法案のどこを読んでも、そのことが書いてありませんと。 そのことを言われて、こういうことを放置したまま、外国人の現場労働者を受け入れると、我々は元請けとして、これ建設業界ってのは、ご存知の通り、元請けがあって、下請け、下請け、下請けって制度ですよね。 元請けの責任こそ問われることになるので、私はこれを発言しますというふうに言われてですね。 それでこの(23日の)部会の写真は本当は業界の方々このへん(写真に映ってない右側)に座ってらっしゃってね、お顔写るの良くないと思ったんですね。 だから写ってる写真は使ってません。 このあたり(奥の方)は全部お役人です。 で、少し議員(手前)が増えてきたの分かるでしょ。 でも多くはお役人なんですよ。 
それと、この業界のヒアリングの時だけ、ドアが閉められなくて、メディアがそのまま聞いてたんですよ。 それで僕はですね、建設業界の代表の方に、よくぞありのままを言ってくださいました、これは政治の責任として我々が法案修正をしなけりゃいけませんと、いうことを申し上げると同時に、例えば介護の業界の大半の方は、とにかく足りない足りない足りないとおっしゃるから、僕は今みんなに申し上げたのと同じようなことを言って、もちろん丁寧にですよ、来ていただいてるんだから、丁寧にお答えをお願いしたところ、そういう人もいるんですか?って。 これはね、そんなことありえないですよ。そういう人もいるんですかって認識のはずがないです。 
もちろんよくご存知ですよ。 もちろん介護は、働く人も給料が安いけども、業界として利益率に課題があるのかもしれない、かもしれないっていう程度にしときますが。 これも実は、中にいる人はいろんな意見があるんですよ。つまり特定の、例えば人材派遣会社のようなところが利益をむさぼりすぎだと。この人材派遣会社と、この自由民主党のある議員たちの癒着は、僕は問われて然るべきだと思う。これ背景に人材派遣会社の利権があるのは間違いないですから。 今のも問題発言で、当然また例によって苦情殺到すると思いますが。 元から苦情殺到してるから(笑)。
 それで、自分の方が業界内を知ってるなんてそんなこと絶対に言わないけれども、しかし足りない足りないって言ってて、ある日突然、建設業界の方のお話だけじゃなくて、例えば僕は憚りながら理系の学会でも発表してますから、当然そういう分野の話はよく聞いてて、聞いてるっていうか、いちおう僕の専門分野の中にもう入ってますから。 で、かつてシンギュラリティっていう言葉がよく言われたんですが、特異点っていうね。 ある日突然、人間よりAIの方が、人工知能が上回る日がやってくると言われたんです。 これ実はもうほとんど死語です、現場では。 というのはすでに食い込んでるんですよ。 
ある日突然入れ替わるんじゃなくて、もうすでにどんどんどんどん入れ替わっていってる、進行してるわけですよ。 そうすると、例えば建設とか介護とか、ロボットやAIができるはずがないと思ってた分野こそ、ある日突然、ではなくてじわじわと、仕事がなくなっていくことを予想しなきゃいけない。 これは介護だけじゃなくて、農業の方から、施設農業って話があってですね。 施設農業って普通に言ったらビニールハウスとかそういうことを言うわけですよ。 でもここにAIとかICT、そういう先端技術を入れると、実は例えば野菜を工場で作るって話はご存知でしょ? 野菜を工場で作るとなるとイメージ悪いかもしれないけど、要は太陽とか台風とかそういうのに左右されなくなるわけです。 これはほとんどAI管理になっていくんですよね。 日本でこういうAIとかICTなどの先端技術を使った農業がどれくらい行われてるかというと、これは政府統計ですけど1.4パーセントですよ。 
だから現状では人手が足りなくても、実は日本はそれでもAIやICT、あるいはIOTの先端技術国なので、これはどんどん行くとですね、この1.4は低いからよけいに急カーブで上がることがあって、その時に余剰人員が出た時に、建設業界の方がおっしゃった通り、外国人の方々をどうするんですかと。 そういうことを、いま業界の方々にお聞きしてるところです。 はい、次出して下さい。 24日。 これがまたヒアリングなんですよね。 これは今度はですね、自治体からのヒアリングだったわけです。 それで、これやっぱりね、ちょっと町の名前出すと申し訳ないんで、岩手県のある市の市長さんが、まず冒頭発言されたんですが、とにかくこの法律じゃ足りないと。 ちょっとここ見てくれますか。 これね、いちおう今、特定技能職種っていう奇妙な日本語ですけど、例えば今やった建設とかね、介護とか、農業とか、宿泊、造船っていうふうに指定してるでしょ。 これを全部拡大してくれと。 全業種で。
 で、これ1号も、最長5年になってるけど延長してくれと。 つまりこれ全体におっしゃってるのは、とにかくこの法案にある規制を全部取っ払って、どんどん人を入れてくれないと、もう町としてやっていけないっていうお話をまずおっしゃったわけですよ。 で、これがひとつの町ですよね。これ自治体のヒアリングと言いながら、来られてるのは2市1県なんですよ。 で、もうひとつの町は中部地方ですが、ここもとにかく外国人入れないと町そのものが成り立たないと。 あともうひとつは県ですが、この県も基本的には同じ話であって。 そして僕はですね、これ部会はちゃんと公平に運営されてるんですよ。 運営されてますが、しかしこれをもってね、つまりもう無制限にほぼやってくれって言う町を筆頭にね、これが自治体の意見ですと。 日本は1700も自治体があって、これがヒアリングですと言われるのは…。業界のほうはいちおう特定業種を指定してるから、ある程度それは網羅してるけども、自治体のほうは全然網羅できてないですと。
 長谷川部会長はちゃんと公平に運営されてるから、僕に反論されて、じゃあこれに反対だと、外国人受け入れ拡大に反対だという自治体があったら、言って下さいと。 これはいろんな自治体に声をかけたっていうことなんでしょうが、じゃあ自治体で、自治体として外国人受け入れ拡大反対と、政府がこうやっててですね、なかなか言えないっていう現実も実際にあると思う。反対まで言わなくても、外国人が増えたために、大変住民との軋轢がこうやって起きたり困ってるって話は当然、当然じゃなくて現にあるんで。 市長さんも町長も、それから僕の場合、村長からもその話を聞いてるし、住人からも聞いてるわけです。 住人から聞いてるからそういう苦情にあったんで。 そういう方が呼ばれてなくてですね。 
で、その上で僕はこれは自治体の方もね、さっきの業界の方と同じで、わざわざ自由民主党本部に足を運んでらっしゃるから、あなたの言ってることはっていうそんな言い方絶対できないから、さっきの市長さんも、あなたはって言い方せずに、全体にお聞きしますと言ってですね、そうやって制限なく外国の方を受け入れていくっていうのは、実質もちろん移民ですと。 国連の定義の移民と日本は違うっていう立場ですから、僕はだからいちおう移民と違うと言ってきましたが、こうやって制限外したら、それは…、制限外したら移民っていうよりは本当は、アメリカでもヨーロッパでも制限ついてるんですよ?だからもっと上行く移民国家になるってことですから、当然、市長、あなたの次の次ぐらいは外国人の市長ですねと。 なぜか。必ずそうやって事実上移民で永住されたらですね、日本国民でなくても、帰化されてなくても、参政権を要求しますよ。 だって僕らがそうだったらどうですか。 そうでしょ? 
働くだけ働いて、でも働き方の、今回の法案が示すように、働き方の基本は政治が作るのに、政治に一切発言できないって、それで外国人は納得する…、こんな差別的な人間観、ないですよ。 当然参政権を要求されて、それはまず地方から始まって、だから市長が外国人になり、ね。 僕はいわゆる日本人って言葉、普段ほとんど使わないのは、いろいろご意見あるでしょうが、右翼の人からこれも攻撃されるんですが、帰化されたら日本国民ですよ、それは。 その上で、帰化じゃなくて、例えば中国の方だったら中国共産党との密接な関係を作りながら、ま、帰化されてもそういう場合もありますよね、でもそういう人たちが市長になり、そしてそれを背景に国政の参政権を要求し、それを自治体の方に言うんじゃなくて、自由民主党の先生方お聞きですかと。 あるいは法務省以外も(部会に)ちょっと出るようになってきたから、役所の方々お聞きですかと。そういう日本にするんですかと。 だからこれ自治体のヒアリングでそういう意見を申したんですが、これも公平を期すために言っておくと、自由民主党の議員の中から、どなたかって言いませんが、その問題と外国人の人手がほしいって話は、切り離すべきだというご意見があって、僕は非常に首傾げましたよね。切り離したら終わりでしょう。 
でもそういうご意見も僕はもちろんヤジったりしないで、ちゃんと聞きました。 で、4日目(25日)の法務部会は、何があったかというと、これはですね、今までと写真が位置関係が違うんですよね。 ここ(右側)に首脳陣がいらっしゃる、長谷川部会長をはじめ。 それでヒアリングの対象者がこのへん(手前、写ってない場所)にいらっしゃって。 これ満杯で入れなかったんですよ。 今度は経団連と、それから労働組合の連合と、日弁連、この三者からのヒアリングだったわけです。 
で、その時に僕はこれ座ってる状態で写ってるけど、本当は例によって一番最初の方に発言しましたが、これ例えば経団連が出した外国人材の受け入れ、ね、もう受け入れが前提になってる、それ基本的な考え方ってなってるわけですよ。 その時に僕が聞いたのはこの二つなんですよ。 ①、P2って書いてるでしょ。 経団連の資料の2ページ目に、何が書いてあるかというと、「企業が取り組んできた女性や高齢者などの国内人材活用や、待遇改善などの努力に影響を与えないよう十分に配慮すること」。 こうやって書いてあるけど、これだけだったらどなたでも、どこでも、常に言えるわけですよ。 しかし実経済を預かってる経済団体として、本当は、政治家の責任として、あるいは政治の、あるいは総理官邸や、僕ら自由民主党の議員の責任として、これをちゃんと具体的に法案に書き込めっていうのが、まともな話ではないんですか。
 それが、政府と同じように、漠然とした話だけにしてるんだったら、経済団体の存在理由も問われるんではないですかと申し上げて、それから事実上の移民になっていく時に対して、経済界としての考え方がほとんどないわけですけれど、これ法案をお読みになったらそれはもう自明の理ですが、どうお考えですかっていうことをお聞きして。 実は、人数が増えてくると発言時間も絞らなきゃいけないから、連合と日弁連に聞く時間はなくなったんですけども、経団連からは、とても頭の良さそうなお答えでしたが、何も答えてないと言わざるを得ない。 一般的なお答えが、いや、ちゃんと努力してますというお答えがあっただけでありました。 それで、次出してくれますか。 これが金曜日の最終的な部会で、部会長いらっしゃいますが(左端)、部会長は大変なプレッシャーを受けてらっしゃったと思います。 
というのは、これで取りまとめてくれと。 そうしないとですね、何が起きるかというと、4月1日施行っていうのを、もう安倍総理はじめ政府は既定事項としてるわけですよ。 これ何で4月1日かというと、要するに業界からの要望が非常に強いからで、それを綺麗な言葉で言うと、政府として危機意識を持ってるからってことになるわけですよね。 4月1日から施行って��とはですよ、今国会、会期、異常に短いでしょ。 だいたい開会遅かったですよね。 それから今後も安倍総理は海外出張に行かざるをえないのがたくさんあります。 訪中だけじゃなくてですね。 でもその短い会期内で成立させてしまわないと、4月1日施行には間に合わないんですよ。 
したがって、これはブログに詳しく書いたんですが、自由民主党が与党でいる間はですね、はっきりした法案成立の手順があって、まずこういう部会で了承を得ないと上に上がらないんですよ。 で、部会で了承を得たら初めて総務会に上がって、で、総務会で了承が出たら、やっと国会に法案が出て、まず衆議院の委員会で審議して、委員会で可決されたら本会議に上がって、本会議で可決されたら僕のいる参議院に送ってくる。 参議院に送ってきたら、その時にはもう党の会合はなくて、参議院の法務委員会で審議をして、可決されたら本会議に上がってくる。 そういう委員会っていうのは限られた数しか所属できないんで、僕は法務委員会に所属してません。 
経済産業委員会の所属ですから。 予算委員会は別枠。 従って法務委員会にはタッチできません。 傍聴に行くだけです、皆さんと同じように。 でも本会議に出てきた時には、その出てきたやつは党議拘束、必ずかかるんで、僕はそこで賛成票を投じなきゃいけない。 そうすると、それまでの間に、その法案審議を実現できるかどうかが、もうすべてになる上にですね、実はこの2回目以降、特に、明らかになった重大な事実が、これは自見はなこさんっていうね、僕の同期の…。 自見はなこさんって、本当に立派な、優しい小児科医なんですよ、もともとはね。 選挙に出たために、議員になったために本当に苦労されてるんですが、この自見はなこさんを事務局長にして、例えば橋本岳さんってこれもプロも含めてワーキンググループで議論した話があって。 というのは、皆さんご存知の国民健康法ってあるでしょ。 
これ実は敗戦後間もない頃に作られた法律で、その時には僕らのような人はみんな死んでたわけですよ、一家の大黒柱と呼ばれた人達が。 だからそういう大黒柱を失った人たちに、どうやって病気の時に健康保険がちゃんと行くようになるかって、そういう法律ですよ、基本的に。 それ以降、基本的に改正してないんですよ。 だから何を言ってるかというと、外国人とか、もう全然想定してないわけですよ。 だから外国人をこうやって、制度的に、今までの技能実習生とかね、そういう要するに見せかけで受け入れるんじゃなくて、まともに受け入れるんだったら、その外国人の方々の社会保障、健康保険もそうだし、年金もそうだし、あるいは生活保護もそうだし。 で、今はそれを不正に外国人が手にしてる部分もあるから、国民の怒りが、一部とはいえ、ものすごく積もってるわけですよ。不信感すごく強くなって、外国人に対する憎悪にも繋がりかねない状況にあるわけです。これまともに制度設計しなきゃいけないでしょ。これ自見はなこさんがちゃんと勇気を持って、僕の同期ですけど、発表したのは、繰り返し発言したのは、間に合いませんと、4月1日は。
 それで、自見さんの発言は間に合いませんだけだけども、僕のルートで色々調べたら、1年半かかるんですよ。今から1年半ですよ?どんなに急いでもです。で、この制度設計しないと、不正がまかり通ることになりかねない上に、外国人の方々も真面目にやってたら、社会保障がない状態で働くことになるじゃないですか。これ日本は世界のつまはじき者ですよ、こんなことすると。1号2号に分けたり、社会保障がないまま働かせたり。 だから、この部会での了承は見送って下さいと要求し、その時に、いわば慰撫するためにですね、決議案なるものが出てきて、この決議は今後、党の言うことちゃんと聞いて下さいって決議なんです、要は。
 でもこの法律が成立して施行された後にも、党の意見聞いて下さいって。 だから成立が前提になってるから、この決議案もダメですって言ったら、決議案だけでも通してくれないかっていう雰囲気だったですけど、これは他の議員が頑張ってくださって、それは見送りになったわけです。 時間があと4分30秒ですか。 今日全部言い切るのは無理ですけれども、この部会で、本当は長谷川岳部会長の良識ですよね、見送ったわけです。 この決議案も、それから元の法案の了承も。 そして、次出してくれますか。 これどうですか、これ同じ日ですよ。 つまりね、ふだん部会って1時間で終わるんですけど、2時間10分か20分ぐらいやったんですよ。 すると最後はもう、ほとんどいないわけです。 もちろん皆さん忙しいからですけど、幸か不幸か僕も暇じゃないんですよ。 僕もこの後に予定があって、ショートメールも使ってですね、とにかく予定を繰り延べてもらって、人に迷惑かからないようにして残るんですが、そういうことする人はほとんどいなくて。 でも部会を通すか通さないか、この最後に決まるんですよ。 だから遅刻、早退はダメなんですよ、基本的に。 いろいろご事情あるだろうけど。 最初から来て、いろいろ予定はあっても、こういう国の在り方を変えるようなことは、ずっといなきゃいけないっていうのが基本です。 でももうそれは呼びかけだけです。 但し僕自身はそうしてます。 これがもう最終段階ですね。 さあ部会が、でもとにかく(了承を)見送って終わりました。 
はい、次出してくれますか。 そうすると、こうなったわけです。 国会に存在しないことになってる僕ですが、この時はたぶん、記者クラブで話したんでしょうね。 ドッと集まってきてですね。 で、こういう質問される方はちゃんと、どうして反対ですか、オン・ザ・レコードでちゃんと反対理由を言ってくださいって言われたんで、僕はきちんと当然話したわけです。 でもここにたまたまフジテレビの人が写ってますが、カメラマンに責任はないけども、フジテレビの報道だと、反対しますということだけ切り取って、だからこの右派みたいな野郎が反対だと言ってるというね、フジテレビがそこまで意図したかどうかは僕には分かりませんが、でも見てる人の中で当然そういう反応が起きました、僕のところに。 僕は門戸開いてますからいろんな人が来るので、そういう話もありました。 でも外国人労働者の問題が、国民的な大問題だっていうことは、おかげでオールドメディアを通じてでも、みんなに伝わったかもしれないと思うんです。
※ちなみにこちらはテレ朝「報ステ」。Twitterで画像を見る★外国人受け入れ拡大で異論(自民党法務部会) 青山繁晴議員「反対です。実態は移民じゃないですかと。実態が移民なのに違うというのはどうしてですかと。それ自体が妙な話ですよね」 このニュースに行く前(CM前)にも青山さんが「反対です」と言ってる場面が映ってた。#報ステ 最後まで頑張って!
但し、26日金曜日の法務部会でいったん見送りになったから、さっき今日、番組の冒頭で異例の形で申し上げた通り、今日の月曜日の午後遅く、あるいは夕方に開かれる法務部会では、どうでも通そうとなるから、だから通す側からたくさん水面下で働きかけがあって、僕の方は、国会議員への働きかけは誰一人してない。 しません。 その代わり、国民の側に対して、実は土日でできる範囲はお話をいたしました。 その結果どうなるか、今日、虎ノ門ニュースが終わってから…、僕は坂道上がって国会行くまでに暗殺されるかもしれないし(笑)。 まあ暗殺される国の方がまだ分かりやすいんですけど。 さあ、もうちょっと違う写真があるんです。※以下略。 10月23日の外交部会で、「日中通貨スワップ反対」「パンダを高いレンタル料で受け入れるんだったら自前資源をメタンハイドレートも含めてちゃんとやって下さい」「一帯一路に協力するのは間違い」と主張。 10月23日の領土特命委員会、竹島に韓国の国会議員が上陸したことを受けて開かれた緊急の会合だが、数名しかいない。今後どういう行動をするか話し合った。 時間がなくなったため、これらの話は来週に持ち越し。____________________________内容紹介ここまで 
今日(10月29日月曜日)の夕方に開かれた法務部会。 3時間以上も議論が続いたらしいですが、結局、了承されてしまいました。 ただ、青山さんは最後まで頑張ってくれたようで、NHKがこのように報道しています。<自民法務部会 出入国管理法の改正案を了承(2018年10月29日 21時59分 ) 外国人材の受け入れ拡大に向けた法律の改正案をめぐって、自民党法務部会は、29日、山下法務大臣の出席も得て議論を行い、改正案を了承しました。 外国人材の受け入れ拡大に向けて、新たな在留資格を設ける出入国管理法の改正案について自民党の法務部会では、先週了承を得たい考えでしたが、慎重論が相次いだため、29日夕方から、改めて会合を開きました。 冒頭、党の厚生労働部会の小泉・部会長が、外国人の受け入れ拡大にあたって医療保険制度の不正利用を防ぐ対応を強化することなどを政府に求める決議を法務部会の長谷川部会長に手渡しました。 このあと議論を行い、29日も「受け入れる外国人の規模が明確になっていない中で、議論することは困難だ」などの意見が相次いだため、途中から、山下法務大臣も加わりました。 そして、外国人を受け入れる業種を決める際には、党側の意見も聞くことなどを求めたのに対し、山下大臣は、前向きに対応する考えを示したことから、29日午後8時すぎ、部会として、改正案を了承しました。 自民法務部会長「議論尽くした」 自民党の長谷川法務部会長は、記者団に対し「全会一致ではなかったが、議論を封殺することなく、最後まで賛成・反対双方の意見を出してもらった。議論を尽くしたので、不満を持っている人は1人もいないと思う。改正案の成立に向けて、全力を尽くしたい」と述べました。 自民・青山氏「外国人の社会保障の設計間に合わない」 改正案に最後まで反対した自民党の青山繁晴参議院議員は記者団に対し、法案は了承できないとしたうえで「4月1日から施行させることになれば、外国人の社会保障の設計が間に合わず、外国人の人権に問題が生じる。また、就労したいと思っている日本の中高年齢者や女性などへの支援も不十分で解決されないままだ。今後の国会審議を通じて少しでもよい方向にいくことを願う」と述べました。 山下法相「よい制度にしていきたい」 山下法務大臣は、自民党の法務部会に出席したあと記者団に対し「さまざまな意見をうかがったがいずれも、よい制度にしようという各議員の思いだ。部会での議論を受け止めて、しっかり対応し、日本にとってよい制度にしていきたい」と述べました。 番組の中で青山さんからも説明がありましたが、この後は総務会に上がって、そこで了承されたら国会に法案が出て、衆議院の委員会で審議…という流れです。 最初から既定路線なので、法案がひっくり返る可能性は限りなく小さいでしょうが、反対している国民が大勢いると分かれば、あるいは何かが変わるかもしれません。 政府は11月2日にも改正案を閣議決定したい考えですが、閣議決定は「内閣の意思を閣僚間で確認し決定したに過ぎません。法律として制定するには国会の承認を得なくてはいけません。内閣の意思決定のみでは法律として制定されていないので国会で否決されれば法律は制定されません」(こちら参照)。 皆様、ぜひ関係各所に声を届けて下さい。○首相官邸http://www.kantei.go.jp/jp/iken.html○自由民主党https://www.jimin.jp/voice/○法務委員会 委員名簿(平成30年10月24日現在)http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_iinkai.nsf/html/iinkai/iin_j0030.htm あと、皆様お住まいの選挙区の議員さんにも!
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takahashicleaning · 3 years
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TEDにて
ジョイ・サン: 資金援助の新しい形
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
2014年時点では、テクノロジーが、世界で極貧にあえぐ人達に直接現金を届けることを可能にしつつあります。
私たちもそうすべきでしょうか?熟練の援助従事者であるジョイ・サンが、示唆に富んだ講演で貧しい人達を助ける2つの方法を紹介します。
経済学者たちは、これを「条件なしの現金給付」と呼び、文字通り条件なしで現金を支給します。
現代貨幣���論(MMT)に近いアイデアです。
ベーシックインカムを導入することで、軽犯罪を急激に減少させる効果が確認されています。
ベーシックインカムを導入することで、軽犯罪を急激に減少させる効果が確認されています。
ベーシックインカムを導入することで、軽犯罪を急激に減少させる効果が確認されています。
開発途上国の政府は、これを何十年もやってきましたが、今になって初めてこれまでの経験や新しいテクノロジーを駆使して支援を届けるモデルの実現が可能になりました。
インターネットや金融工学のイノベーションの発達のおかげで可能になっています。そこで、私たちが立ち上げたのが「GiveDirectly」です。
私たちは貧しい人達に現金給付を行う初の民間団体です。まずAndroidなどのスマートフォンを手にお宅を訪れます。お名前をうかがい、顔写真と小屋の写真を撮ります。そして、GPS座標を取得します。
その日の晩、クラウドコンピューティングに全データを送るとそれぞれのデータが専門家チームによって確認されます。この際、衛星画像などが用いられます。
そして、またお宅にうかがって、もし、スマートフォンをお持ちでない場合は簡易なスマートフォンを買ってもらい、数週間後、そこに送金します。
5年前には、実現不可能に見えたことが、今では、効率的に腐敗の心配もなく行うことができます。
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
なお、ビックデータは教育や医療に限定してなら、多少は有効かもしれません。それ以外は、日本の場合、プライバシーの侵害です。
通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理の強化と強力な暗号化は絶対必要です!
さらに、オープンデータは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が
望むように再利用・再配布できるような形で、商用・非商用問わず、二次利用の形で入手できるべきであるというもの。
主な種類では、地図、遺伝子、さまざまな化合物、数学の数式や自然科学の数式、医療のデータやバイオテクノロジー
サイエンスや生物などのテキスト以外の素材が考えられます。
ヨーロッパでの一般データ保護規則(GDPR)でも言うように・・・
年収の低い個人(中央値で600万円以下)から集めたデータほど金銭同様に経済的に高い価値を持ち、独占禁止法の適用対象にしていくことで、高価格にし抑止力を持たせるアイデア。
自分自身のデータを渡す個人も各社の取引先に当たりデータに関しては優越的地位の乱用を年収の低い個人(中央値で600万円以下)に行う場合は厳しく適用していく。
現実世界には、2つの金融の仕組みが長い年月をかけて構築されており、預金者からお金を借りてお金が必要な人に仲介業者(銀行の金融機関)を通じて貸し出すことを「間接金融」といいます。
代表的な間接金融の商品が「銀行からの貸し出し(自らの預金が源)」「手形」です。
日本は、こちらに重点が置かれていますが、世界では直接金融が主流かもしれません。
もう一つの仕組みとして、お金を必要とする相手に直接お金を出資するのが直接金融と言います。
主な直接金融の商品に有限責任の「株式」「債券」があります。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家もこちらの分野です。
こういう新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との
戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!
マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども達がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて個人のプライバシーも考慮)
(個人的なアイデア)
Don tap scott is “block chain revolution”, such as Uber, Airbnb, TaskRabbit and Lyft. We are talking about shared economies. It is that equal peoples generate wealth together and share. It is a very powerful idea.
ドン・タプスコットが「ブロックチェーンレボリューション」の中で、UberやAirbnbやTaskRabbitやLyftといった。共有経済について話題にしています。対等な個人がいっしょに富を生み出し、共有するというのは。とても強力なアイデアです。
But, when you tell me that kind of company does not really share it! ! In fact, the success of these companies is due to not being shared. Furthermore, unless it is a country with high inflation, deflationary spirals will occur and gradually wages will not rise. The only solution at the moment is to tax and distribute widely to platform firms taking de facto standards with redistribution of wealth. This is important! ! I say.
でも、私に言わせるとそういった企業は本当に共有をしてはいません!!実際、これらの企業が成功しているのは、まさに共有しないことによってなのです。さらに、高インフレの国でないとデフレスパイラルが起きてしまい、次第に賃金が上昇しなくなります。現在の唯一の解決法は富の再分配でデファクトスタンダードをとっているプラットフォーマー企業に課税して広く配分するということです。ここが重要!!と言っています。
As a personal feeling, I think that around the dawn of Google until the financial crisis 2008 is the ideal form of redistribution. It might be even better if you incorporate block chains and virtual currency here.
個人的な感覚としては、金融危機2008までのGoogle黎明期の頃が再分配の理想形と思っています。ここにブロックチェーンと仮想通貨を組み込めば、さらに良いかもしれません。
As for the virtual currency, there are possibilities that three scenarios will merge into the hybrid in the future.
仮想通貨については、今後、3つのシナリオがハイブリッドに融合していく可能性があります。
First, virtual currency like bit coin substitutes investment and speculation. Second, platform firms taking the de facto standards issue and use virtual currencies. Third, we will utilize the virtual currency issued by central banks to support individuals with lower annual income (policy of the executive branch like helicopter money)
第一は、ビットコインのような仮想通貨が投資や投機を代用していく。 第二は、デファクトスタンダードをとっているプラットフォーマー企業が仮想通貨を発行、活用していく。 第三は、中央銀行が発行する仮想通貨を年収の低い個人の下支え用に活用していく(ヘリコプターマネー的な行政府の政策)
Current age of artificial intelligence. As other extended ideas such as MBS, REIT and ETF of effective monetary policy measures that began to be utilized after the financial crisis by the central bank, compensation other than options to raise taxes.
現在の人工知能時代。中央銀行による金融危機以降に活用し始めた有効な金融政策手段のMBS、REIT、ETFなどの他の拡張アイデアとして、賠償金をかける、税金アップ以外の選択肢。
In other words, central banks in each country actively purchase and forcibly buy industrial individual securities of platform companies that deflate goods other than the large public goods affecting low-income people who are currently de facto standards Support
つまり、いっそのこと現在デファクトスタンダードをとってる低所得者に影響大な公共財以外の財をデフレストリーム化させてるプラットフォーマー企業の産業個別の証券を各国の中央銀行が積極的に買取り、強制的に下支えして
Idea to stabilize price inflation by indirectly offsetting declines in prices by increasing the income of low-income earners by making profits on securities funded by basic income. Perhaps there is also the effect of increasing real GDP?
証券上の利益をベーシックインカムの原資にすることで低所得者の収入を増やし物価の下落を間接的に相殺させ物価を下支え安定化させるアイデア。もしかして、実質GDPも増加していく効果もあるかも?
In addition, central banks of neutral countries can improve redistribution function at basic income, as Plato says, it is possible to prevent the rise of populism which negatively falsifies dissatisfaction of the disparity which is the blind spot of ideal democratic politics maybe.
さらに、中立の各国の中央銀行がベーシックインカムで再分配機能を向上させることで、プラトンが言うように理想の民主政治の盲点である格差の不満を負に扇動していくポピュリズムの台頭を予防できるかもしれません。
In some ways, the information industry is also similar to credit markets.
情報産業はある意味、信用市場に似ているためもあります。
バイデン大統領は2021年。
財務長官にイエレン就任した際の経済対策の一環
「世界が相互に結びついたことのもう一つの結果が30年に及ぶ法人税率の引き下げ競争だった」
というマクロ経済学の結果を明示した前提で各国の多年の法人税引き下げ競争を終わらせ、20カ国・地域(G20)で協力して共通の最低税率を設ける国際的な取り組み
法人税に世界的な「最低税率��を設定することで合意するよう調整していると言います。
実現が遠い世界的なデジタル課税よりも現行法の範囲での現実的な提案をしたかもしれない!
日本国憲法尊守を前提で、こんなアイデアはどうだろうか?
幸福がポイント。
ベーシックインカムは、現在の社会保障にプラスしていくことを前提条件として考慮しています!
もう一度。
ベーシックインカムは、現在の社会保障にプラスしていくことを前提条件として考慮しています!
さらに、中央銀行のデジタル通貨で光熱費料金もある程度、補助金という形で個人単位を補助し、実質的に料金を下げて欲しい。
電気やガス事業は、国防と密接で独占せざるを得ないから競争して、むやみにインフラ崩壊させるよりもデジタル通貨でベーシックインカム形式の光熱費補助にも特化して欲しい
「合成の誤謬を最小限に抑えること前提」
毎月国民一律皆給付ベーシックインカムは最優先だが、財源がない場合に備えて、特化オプションをそろえて柔軟に機動的に実行できる環境も重要です
「合成の誤謬を最小限に抑えること前提」
光熱費は毎月の消費なので貯金に回りづらいから庶民の生活下支えになる。しかし、競争しすぎてもデフレスパイラル競争になるから、光熱費領域は慎重に設計することが肝要。
内閣府の「マイナンバー制度の定義」は「マイナンバーは社会保障、税、災害対策の3分野で複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されます」
基本的人権侵害にあたるため、他分野へむやみに拡大するのは危険です。
金融の概念で分けられてはいる名称だが・・・
既存通貨に色は付かないので行政府が勝手に決めてる概念という前提で以下に展開します。
1、贈与。2、寄付。3、金融の貸付。
違いは、言葉の定義。
1、親族内。 2、他人同士で金利ゼロ返済不要。行政府経由なら「給付」という言葉の定義になる。サンデルの言う強者から弱者にマネーが100%流れれば善悪ない。 3、他人同士で金利ゼロか有りの返済付きで場合によりマイナス金利もある。
この場合、既存通貨は、追跡できないことが問題点。弱者をしつこく追跡することは法律違反で独占禁止法の優越的地位の濫用になります。通貨や人間が悪いわけではない場合が多い。
なら、政治資金規正法改正して、既存通貨の他に追跡できるデジタル通貨の形式で政治家限定で歳費支給したらどうなるだろうか?現状の歳費支給にプラスしてデジタル通貨分もプラスするから給与アップになる。追跡できるから不正もできない。
政治家への既存通貨での寄付は厳格に条件を決めた範囲内で政治資金規正法で透明化するのはいいこと。現実的に現状このルートは、デジタル通貨にせず、日本の場合は検察当局の存在理由も維持するためもあります。将来的にはデジタル通貨に完全移行が望ましいけど。
政治家からの既存通貨での弱者個人(選挙区内)への寄付は、自らの裁量で年収の低い弱者(選挙区内)だけに行うなら善性に沿うかもしれない。法律化しても問題ない。こちらも将来的には、デジタル通貨なら自動で透明化、効率化できます。
なお、国内の格差縮小にも貢献できるだろうし、万が一、強欲大中法人が賃金を下げてしまっても政治家が下支えできるという政治家本能やお互いの幸福も社会システムに組み込めます。
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