190311
このままでは2012年や13年の悪夢が再発する。
タスク借金地獄ェ…
人間描けない。メカ無理って言う人の気持ちわかる。
ある程度のクオリティと自然さを両立させようとしたら、絵作りというものは計算では追いつかない。8割型覚えゲーだ。
計算でやってたら遅すぎるし「なんか…下手な人特有のアレがでてるな…」ってなる(別に普段から出てるけど、自分ですら耐え難いレベルになる)。
いやいやいや… だからこそそういう不得意分野から逃げてきたし、免除してもらってたんだろうが…バカだ。似たような弱点持ってそうな方々、ちゃんと弱点を強みに変えてらっしゃるじゃないの。
自分、そこにトラウマ発生(アート方向挫折)したから超・中途半端なとこでフラフラしてる。その優柔不断さのツケだ。無理矢理時間作って画塾的なものなり通信講座的なものなり受けて、基礎デッサン力上げておくべきだった。
もしくは3Dの下敷き環境完璧にする方向だけどそっちに振ると絵柄が「硬く」なるんだよな。しかも当人は絶対それに気づけない、もしくは気づいていても知らんぷりする。そのうち段取りの多さと自力で描けなさがコンプになって、必要以上に技術バカ、頭でっかちになってゆく。僕のフォトショ病といっしょ。
楽しくて希望に溢れている時ほど、あとで冷静になると恥ずかしい(自分の劣ってる部分が「普通レベル」になった事にはしゃいでいるだけの、ものごとのハードル設定が低い人の)はしゃぎ方をしているものだ。
今、グリザイユ塗りとそれに付随するグラデーションマップのカスタムで頭が湧いてたが、んなもん関係ねぇ。デッサン取れねぇ… 地面がぬかるんでいる土地の上に基礎工事手ぇ抜いてデザイナーズハウス建てても無意味っしょ…
実力不足だ…ただ、ただ、下手だし遅い… ハック、ハック、ハック、作業ハックしたい。泣き言無限につづくわ…
いつもの
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【白】4
車に揺られること数十分。
到着したところは、住宅もまばらな寂れた場所。
そんなところにぽつんとある、風変わりな建物だった。
所謂デザイナーズハウスのような、洒落た見た目のアパルトメント。
その入口らしきところから、白衣の女の人が一人出てくるところだった。
「さっすがオバセ!タイミングばっちり。」
そう言ってハツムラ先生は車の扉を開けた。
「ちょっと待っててね~、事情さくっと伝えてくるから。」
先生は白衣の人に手を振ると、そのまま行ってしまう。
そうして二人は親しげに話し始めた。
内容は車の中からだと分からなかったが、
話の最中、白衣の人の方が微かに顔を強張らせたように見えた。
しかしそれは一瞬で、納得したように頷いたのを見たハツムラ先生は満足そうに笑顔になり、
そのままこちらに戻ってきて、車の扉を開けてくれた。
「お待たせ!早速だけどオバセ先生を紹介するね。」
僕は車から降りて、おずおずと白衣の人の前に立つ。
「こちら、オバセ先生。この診療所の院長さん。」
「よろしく、ヒトツバ君。
院長っていっても、ここで患者さんを診ているのは私だけなんだけどね。」
そう微笑みながら手を差し伸べてくるオバセ先生。
僕は俯いたままその手を取ってさっと握手を済ませた。
「君の事情については私からオバセ先生に伝えてあるからね。
じゃあオバセ、私ちょっと学校に連絡入れるから、あとはよろしく〜。」
ハツムラ先生は踵を返して車に戻っていく。
残されるオバセ先生と僕。
「よーし、じゃあ私たちも行きましょうか。
ヒトツバ……カズキ君。うん、カズキ君。
まずは君の状態について、もう少し調べさせてもらうね。
診察室に案内するよ。」
そう言って先生はちょいちょいと手招きをする。
僕は俯きながらも、先生の後について診療所の中に入った。
建物の中は、病院のような雰囲気があまりなかった。
入口には診療所の看板が掛けられていたものの、
中は小さなホテルのような雰囲気があり
建物内の道も入り組んでおり、不思議な造りをしているようだった。
「さ、ここが診察室だよ。」
案内された部屋も、病院のそれではなく
どちらかというと研究室に近しいものであった。
「はい、ここに座ってね。
早速なのだけど、カズキ君にはいくつか検査を受けてもらいたいんだ。
といっても注射とかはしないから安心してね。」
先生はそういうと、薄型のタブレットを持ってきた。
「問題形式の検査になります。あまり深く考え込まずに回答していってね。
そこそこ量があるから、適宜休憩してやりましょう。」
そして僕は、渡されたタブレットでテストのようなものを解くことになった。
内容についてはそこまで難しいものは無かった。
だが、大半はやはり記入することができず、数問に時間をかけて何とか回答していくこととなった。
1、2時間くらい経っただろうか。
検査は終わり、先生は僕の回答を確認しながら、ひとり頷いたり唸ったりしていた。
「ふーむ。うーー……ん。
なるほど。これは顕著というか何というか………なるほど。
やっぱり、感情の発露、いやそれを外へ発出する際に何らかの阻害を受けているみたいだ。
ユイの推測は間違ってなかったみたいね……。
確かにこれは、うちで診るのが良さそうだ。」
そういってタブレットから顔を上げると、先生は穏やかな目で僕に説明してくれた。
「今、君は意見や感情といった、自我が伴うものを表現することが難しい状態なんだ。
所謂“無言症”と呼ばれるものに近いかな。」
無言症。耳慣れない言葉に僕は顔をしかめる。
しかし先生は安心させるように言葉を続けた。
「けれど心配しなくて良いよ。結果を見る限り、重篤な状態にはまだ至っていない。
これから紹介する療法を用いれば、1週間くらいで元通りになると思う。
一般的には薬物療法などが主流なのだけど、
君は14歳ということで、若年向けにもっと効果的な療法があるんだ。
実物を見ながら説明した方が早いからね、また一緒に来てくれるかな?」
よいしょ、と立ち上がる先生。
僕も素直に席から立つ。
学校からここまで押し流されるようにやってきてしまっていたが、
検査を受けている間に、先生のまとう穏やかな空気に僕は少し毒気を抜かれていた。
そうして先生と僕は診察室を後にする。
「ここは御覧の通り、診療所といってもシェアハウスみたいな感じでね。
患者さんに泊まってもらいながら24時間サポートするような所なんだ。
患者さん一人ひとりに担当がいるからね、そういうことができるんだよ。」
先生はパッタパッタとスリッパを鳴らしながら話す。
しかし医者は先生一人だけじゃなかったっけ、と思う僕の心を読んだかのように先生は続ける。
「医者の立場は私一人だけなんだけどね。
さっき言った専門療法のための担当っていうのはいくつもいる。
それから私にも助手が居てね。それはまた後で紹介しよう。」
いたずらっぽく笑う先生。はてなが増えるばかりの僕。
そうしているうちに、ふと視界が明るくなった。
僕たちはいつの間にか外に出ていた。
「ここは診療所の中庭。
ここを中心にして、患者さんたちの部屋と繋がっている。
今は君の他に一人しかいないけどね。」
それはそれで良いことだけども、と付け加えながら先生は建物の一角を指差した。
「あの窓のある部屋が君に泊まってもらうところ。
この建物は迷いやすいからね。部屋から出る時はこの庭を目指すと良いよ。」
そしてまた建物の中に入っていく。
部屋までの道のりはそこまで難しくなく、目的地にはすぐに到着した。
「はい、ここが君の部屋。
あまり物はないけれど、必要なものはそろってるはずだから確認してね――」
先生がそう言い終わるか終わらないかのところで、
バタバタという大きな足音に遮られた。
「カズキは。カズキはここでしょうか。」
聞き慣れた堅い声。
声の方に視線を向けると、そこには声の主である僕のお母さんと、険しい顔のお父さん、
さっき別れたばかりの学校の先生たちが困ったような表情で立っていた。
「カズキの母です。お話を聞き、こちらに伺いました。」
「すまんオバセ、勢いがすごいもんで連れてきちゃった……」
部屋は助手君に聞いたよ、と申し訳なさそうなハツムラ先生。
「……かしこまりました。
こちらからご連絡を差し上げる予定でもありましたので構いません。
これからご説明を――」
「いえ、その必要はありません。」
お母さんは被せるようにオバセ先生を遮った。
「カズキ、先生たちを困らせては駄目でしょう。
話は家で聞いてあげるから、帰りますよ。」
そういって僕の腕を掴むお母さん。
僕は抵抗もせず引っ張られるままになる。
しかし今度は、そのお母さんの手をイオノ先生が止めた。
「失礼ながら、それは逆効果かと。
オバセ先生は専門家です。まずはしっかりお話を聞いた方がよろしいかと。」
意外な気迫を見せたイオノ先生に
僕だけではなく、他の先生たちもお母さんも驚いて固まった。
「……納得できるようなご説明をいただけるんですよね。」
沈黙を破ったのは、ここまで静観していたお父さんだった。
今日は家で仕事をしていたから、お母さんの剣幕もあって一緒にやってきたのだろう。
その言葉に我に返ったオバセ先生は平静さを取り戻して答える。
「はい、勿論。
ただ、少し込み入ったお話もさせていただくかもしれませんので、
先に親御さんとお話させてください。
それまでカズキ君はここで待っていてもらいます。」
それを聞いたお母さんがまた声を上げようとしたところで、
オバセ先生がぐいと僕を部屋に押し込んだ。
「……ごめんね、あとで話の続きをするから。」
そう、悲しそうな笑顔を僕に向けて、扉を閉めた。
部屋の外ではまた一悶着あったようで、大人たちの声がひしめき合っていたが
しばらくしてその喧噪も過ぎ、部屋は静寂に包まれる。
それでも僕はぼうと突っ立ったままでいた。
お母さんたちの声や先生たちの表情が、頭の中でぐるぐると渦巻き、
いよいよ何も考えられなくなってきたところで、
ふと、小さく何かの音が聞こえてきたのだ。
僕は突然の物音にビクッと肩を震わせて、音のした方向を見る。
そこには部屋の隅に置かれたアンティークの机があった。
その上に、小さな山のような盆栽のような模型が置かれている。
音はそこから聞こえてきていた。
僕は誘われたようにふらふらと近づいていって、その模型を覗き込む。
その中には更に小さなオレンジ色のネズミのようなフィギュアが飾られていた。
否、そのフィギュアはなんと動いてすらいたのだ。
それは僕の顔を見上げると、丸い後ろ足で立ち上がり、また不思議な鳴き声を発しながら首を傾げる。
その時僕は何を思ったか、その生き物らしきものに掌をそっと差し出した。
すると、それは興味深そうに僕の指を見たり匂いを嗅いだりしていたかと思うと、
器用に前足と後ろ足を使ってちょこんと掌に乗っかて来た。
その瞬間、胸のうちにふわりと温かなものが広がるのを感じた。
僕は驚いて、オレンジ色のそれを模型の上にぽとりと落としてしまう。
それと同時に、頬に何か流れていることに気が付いた。
あれだけ学校では出なかった涙が、堰を切ったかのように流れ出していたのだった。
これが、僕のリヴリーセラピーを担当する「サナ」との最初の出会いだった。
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