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#しかし作り手の意図をかんじさせないぐらい自然に感情移入できるキャラ作りが さすがというかんじがいたします。
sanctuaryknocker · 5 months
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Cyberpunk 2077 DLC Phantom Liberty
“塔” Endが思ったより良すぎて4回クリアした。(笑
なんだ。。この春のうららかな陽射しのようなEndは? 思ったよりいいじゃん・・
客観的にみて、このEndは3年前に本編を発売日に買ったとき想定していたノーマルEndだった、のだが、実際プレイしてみて、ここまでよいとは思わなかったので少し驚いている。
映画であれ小説であれこの手の結末って、自分としては大きなお世話だ、というか。自然に帰れみたいなのも同じく、大きなお世話。でもこの”塔”Endは違った。
DLC部分の中盤以降、選択肢がことごとく良く、これだ!!と思う選択肢が多い。 それに対して、各キャラのリアクション(セリフ+3Dモデルの表情づけ)が、人間こういう反応するよなと思えるものが続々と続く。その結果、話の展開が、納得できるまま進んでいく。 一ヶ所だけ話の前後が合わないとこがあったが、最後まで10個か20個かそれくらいの選択肢をくぐりぬけ、最後の展開へ突入!! 各キャラめっっっちゃ人生のあるあるが、次から次へと畳み掛けられ!! (知り合いにこういうやついるわ、あいつもいるわ、こいつもいるわ・・、このモブみたいな奴も現実にいるわ・・)、最後に偶然(必然?)の出会い。
ものすごく、じゅーよーなこと、を、会話の中ですらっと言われる。
そして、アップになる主人公、穏やかな陽光輝く街並み、そして歩き出す主人公。はじまるエンドロールと各キャラからのその後のビデオメッセージがつづく・・・
最高かっ!!? (笑
自分でこれだ!!と思う選択肢を選び続けて、その結果として一個一個納得した上で展開してエンディングに至るというのは、他のメディアではできないゲームならではの強力なもの。それを以前ONE〜輝く季節へ〜で幾度となく体験したが、今回はそれに近しいものがある。
で、2回目、別の展開があることを期待しつつ、別の選択肢でやってみよう、と、おもっ、た、の、だ、が、、、、
なんかちがう。 前に出てきた選択肢も出てこない。 前回話が食い違ってると思ったところは直ったが、なにもかもいまいち・・・ 残念感が漂う結果に・・・ 同じ結末、だが、経過の会話が違うっっっ。ちなみにソンソミのことが済んだ前後くらいからあとの選択肢のこと。さっき見たのと違うんだが・・。
なんでだろう、と3回目ソンソミ対処法を変えて、これまで選んでない選択肢選んでいったら、もっとひどい。。。
たまったま、1回目初見で自分で最良と思う選択肢を選んでただけだったのね・・・ 余計なことしなければよかった・・(笑 1回目の感動がどんどんなくなってしまうじゃないか!!(笑
どのルートを選んでいようが、同じEndへいく、が、各キャラのちょっとした動作や会話が変わったり無くなったりするので、印象が大幅に違う。
で、ぼけーっとこれまで早送りしてたスタッフロールを見てたら・・・英語スタッフのとこで、ジョニーの声優がキアヌ=リーブスご本人?・・今知ったよ、それ。(笑
それで、思いたったのが、英語でやってみたら、どうなるん?
ということで4回目は英語でクリアしたのだが・・・
英語だと、かーなーりー印象違う。
同じセーブデータでインターフェイスと音声と字幕をすべて英語にしてスタート。(インターフェイスを英語にしないと音声を英語にできなかったと思う)、そして、初見のとき自分でこれだ!!と思う選択肢をそのまま追従、して、やってみたのだが・・・
まず、選択肢の並ぶ順番がところどころ違った。(なぜだ?) 声優の演技が、どのキャラが出てきても、なんか、結構つめたい・・ なんだか、主人公に対して、完全に人生の落伍者、この先はBAD ENDと決めつけて、あんたやっちまったね・・・という感じでどのキャラの声優もそんな先入観ありき、で、演じられてる印象だった・・・まるでお通夜みたい。 で、Mistyだけそんな態度とは違って暖かい、しかも、声優の演技もセリフひとつひとつにすごく熱が入っていたし、しっかり力を込めて大事なセリフ、あなたの未来はこれまであなたが生きていた世界にはない、と言ってくれるし・・・・・でも、この流れだと、Mistyだけがやさしいから、逆に悲しくなってしまうじゃないか!! (笑
デラマンも、すげー冷たい。 日本語のとき、すんげーいいこと言ってくれる(あの一言でデラマン好きになった(笑)のに、英語だと、同じセリフ(もちろん言語の違いによる言い回しや微妙なニュアンスの違いはある)のところ、とーてーもー無味乾燥で冷たい。 まさしく、英語(原語)のナイトライダーのK.I.T.T.が冷たい嫌なやつだったのが、日本語(吹替)では、人間をサポートしてくれる頼れる相棒になったのと同じだ!! (笑
同じシナリオの同じ部分をやっているとは思えない。(笑
と、いうわけで、初見で思った以上の良Endを体験できたのは、たまたま選択肢が自分でこれだ!!を思うものだったこと、そして、日本語の声優さんたちの演技のおかげだった。ということがわかった。 特に男Vの声優さんが終盤へ進むにつれて、すごく良い演技が多くって、ほんとこういう目にあったら俺もこういう声が出ちゃうよな・・と、つくづく心に染み入ったところもあり、日本語でプレイできて本当によかった!!
それだけでなく、どのキャラもモブ的な人も、声優さんの演技と3Dモデルの表情のリアクションがいちいち合ってたと思う。 大統領にしても、こちらの選択肢への反応がいちいちつくってあって、どの選択肢でも、人間ってこういうとき、こんなふうに顔や仕草に出るよな・・と思えるリアクションがたくさんあったし。声もあってた。 どこまで意図的かは、わからんけど。 もちろん、顔の表情がおかしくなってることも結構あり、明らかにバグってたり、どこ見てんだ?みたいな。特にソロモン=リードが。(笑)
あと、日本語訳が、1960年代1970年代くらいのSF小説をさらっと見てないと出てこない単語じゃないか?と思う箇所がいくつかあった気がする。偶然かもしれないが。それを置いておいても、文章が全体に良かった。
「このまちは、資本主義による人間ミンチ製造機」とか、ジョニーは、DLC部分開始あたりから、たまに良いこと言う。 ふだんは、反体制とか、てめえは昭和の古代遺跡かッッッ!? 記憶回路の奥に引っ込んでいろ!!って言いたくなる感じだが。 キアヌは好きだしJohnWick全部BD買ってるし…しかしジョニーは…DLC部分は良かった。(笑 ジョニーの英語音声は・・・(略)。ソロモンリードの中の人の声の演技は良かった。タケムラの英語声優も日本語訛りの英語だったのが良かった。(演者は日本人?日系人? なんちゃって日本人ではない発音だった) まぁ、ジョニーより、Vがバカすぎて最初から最後まで感情移入できなかったが。顔も自分に似せようとしてもキャラメイクで目を大きくできないし・・・この世界は目の大きい人間はいないのか、とおもったら、UsCracksのストーカーミッションやったら青い子めっちゃ目大きいし! 自分の人生のあるあるとむっちゃ被ってた。このミッションだけはVに感情移入した。(笑
Vには感情移入できなくとも、このゲーム買ってみて良かったかも。この20年ろくにゲームとかできない生活だったので、コロナで在宅になって、ゲームって今どうなってるの? なんか、やってみるか、と買ってみた。 最初の発売日のバージョンで一番やって、次に1.6くらいのとき見てないEndも全部見て、正直面白くもなくつまらなくもないかんじだったのだが、 2.0で刷新されたパークが、
ダッシュ (バーチャロンか?)
空中ダッシュ (バーチャロンか?)
アンタッチャブル = ダッシュすると軽減発生率+100% (バーチャロン(OMG)の踏み込み無敵か!?)
追い風 = 空中ダッシュでスタミナを消費しない (バーチャロンでセンターウェポンキャンセルで無限ダッシュか?)
雷鳴一閃 => 善逸かっ!! 強近接攻撃時射程内の敵に自動的に跳躍 (バーチャロンのダブルロックオンか?) 空中でも発動(ゼロラムみたいなことできるか!?そうなのか!?)
と、おもって、少し期待してやってみた、だけ。 思ったのと違ったけど。(笑 空中機動もなんか違う、が、ボディを全部Legendaryに変えて”空中アクロバット”つーパークを取得したら、結構思うように動けるようになったが。 バーチャロン(OMG)の戦闘システムでオープンワールドRPGができたら、ゲーム廃人になる自信あるわ。 だれか、つくって!! (笑
そして、DLC部分は導入がなんていうか、ソンソミ出てきた瞬間絶対だめだろこれ、Vはバカか?と思い2回くらいDLC全否定の選択したが。英語でやったら、Sonて出てきてSongじゃないんか? それよりDogTownって閉鎖空間じゃないんか? 入ったら出てこれないのかと思ったら、検問で出入り自由、つーか、なにこの中国(大陸)<=>香港 国境 みたいなとこ!! 大統領にソンソミ運んでいく国境、右端の外交官政府関係者のみの優先レーンとかもそうだし・・(あれはナイトシティ国境/都市の検問か?)
さらに、DLC部分のあるシーケンス(隠れて出て隠れて出てを繰り返すやつ)が、本当にひどかった・・。 このミッションのBGMは、二度と聞きたくない、(BGMに罪はない、つか、BGMはどの曲も最高なのだが) 本当、さ、プレイヤーに馬鹿の一つ覚えを強要するゲームって、害悪だよ。(笑 しかし、昨日DLC部分のサントラをどうしても聴きたくなってSpotifyで聞いてみたら、この部分のBGMもすんなり聴けた。トラウマは無くなったみたいなので、やっと今日、この文章を書いている。(笑
BGMといえば、DLC発売前か後のVer.2.0のとき、オープニングBGMがいきなり音色から作り直されていて「すげーな、このゲームのBGM、この3年でいろんなとこでパクられてたか��、音色から作り直したのかな」と思ってたら、先月、Apple AirPod Pro(第2世代 USB-C)を買って、昨日サントラ(2020年にダウンロード)聴いてたら、Ver.2.0のときのBGMの音色に聞こえる。 一方、ゲームは、2.0以降やってない(笑)ので、昨日2.02にして起動してみたら、もとのBGMに戻ってる・・・。 なんか、2.0は、空間オーディオでの音色になってた・・・の・・・? BGM自体は変わってない・・んだな。空間オーディオの音だったんだな・・(笑
とりあえず。。あとは女Vだけやってない、が、1年くらいして忘れた頃にでもやってみようかなぁ。 あ、でも隠れて出るを繰り返すあれは二度とやりたくないから、もういいわ。(笑
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hokuto-yuasa-journal · 6 months
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20231111
『ザ・クリエイター』を見た。
場末のシネコンの平日のレイトショーとはいえ予約画面では私を含め6人だけ。で実際来てたのは3人という。
毎度のことだが、だだっ広い空間で数人で見る映画というのはなんとも寂寥を伴う時間である。
27世紀の後半に地政学的理由とロジスティクスの諸問題(華僑のマフィアに物資を横流す東欧系移民の地方役人、アドラステアという木星系の民間軍事会社崩れの海賊による輸送船への度重なる襲撃等)で足指の末端が壊死するかのごとく徐々に衰退し遺棄された土星の植民衛星の居住区で残り数人となった住民が数世紀前の映画を精神のモルヒネ代わりに摂取する。
映画の上映が終わった後でクソ田舎のイオンからそんな現実にうっかり帰着したとしても何の疑問も持たず小さな部屋に帰って回し車に飽きた鼠のように眠り(最近では夢も見ない。)朝になれば人工太陽で育つトウモロコシ畑の作業に従事する。
か細い光と痩せた土で無理に累代を重ねた植物たちは病気がちで、かけた手間に対してその実りは少ない。
かつての恋人は私がケプラー1649cから帰る船で冷凍睡眠装置に入っている間にウラシマ効果の影響も相まってキンシャサの病院で老衰で死んだ。彼女はブッディストだったがマントラを上げられるモンクが見つからず結局死後に洗礼を受けてカトリック式で葬られた。
深圳生まれの髪の長い横顔の美しい女だった。
とまあ中二が昨夜の急な性の目覚めにうろたえて、日直日誌に唐突に書き綴る妄想SF超大作はここまでとしてですな、本題の映画は結構面白かった。
ニール・ブロムカンプとかと同じ破傷風になりそうな汚ねえ未来みたいな好きなSF観。異形頭好きとしても満足度は高い。
そういえばニール・ブロムカンプって『チャッピー』以降あんま名前聞かなくなったけどどうしたんだろう。
自然や日常の中に巨大な構築物がある風景はスウェーデンの画家のシモン・ストーレンハーグの世界観を真っ先に思い浮かべたが調べてみると関わってないらしい。
他にもアトムや火の鳥、AKIRA、ブレードランナー、弐瓶勉、ベトナム戦争映画諸作品、ザ・ロックのSEALs全滅シーン、キューブリックのA.Iなど色々思い浮かべる。
今作の主人公でTENETでも主役だった俳優がデンゼル・ワシントンの息子だと知って驚いた。かーちゃん似か。
主人公の右腕がロボット義手なのは『もののけ姫』におけるアシタカの呪われた右腕となんか似てる。人と人ならざるものとの境に立つという神話論的なキャラ。
章が変わるたびに英語タイトルの下にネットで拾った勘亭流の偽もんみたいな毛筆書体で日本語のタイトルが出てくるのが一々なんか気が散る。
他にも劇中に『ノマド』と呼ばれる巨大衛星兵器が出てきて、それに抗議するデモ隊のプラカードにMSゴシックみたいな書体で「もうやだ遊牧民」と書かれていて意図せず笑かしにきたり、街頭のスクリーンに映る指名手配犯の顔写真の横に(重要指名手配とかでもなく)「募集中」と書かれている。
どうせ日本人しか感じないような小さい違和感でもそのわずかなほつれから全部の緊張感がばらけてく感じがする。AIが生成したそれっぽくもどっかが破綻してる画像と似ている。
この手のサイバーパンクって言語のリアリティを精査するみたいな発想にはならないのだろうか。ある種のシュールさとかカオスが逆にいいみたいな感じなのかな。
ブライアン・イーノが「虎山を取れ(その戦略的理由によって)」という中国の京劇のポスターを偶然見てそこに詩情を感じて"Taking Tiger Mountain (By Strategy)"というアルバム作ったと細野晴臣のラジオで中沢新一が話していたが、それ聞いてから日本人が謎英語Tシャツ着たり、外人が謎漢字タトゥー入れるのも別にそれはそれでいいんだとも思うようになった。
そういう意味ではそこに生起するポエジーみたいなものがあれば何でもいいのかもしらん。
最近の映画は相当中国系の資本が入ってんのかなと素人目にも気になる。スターウォーズやマトリックスの続編も中国系の俳優が重要な役で出てくるし、以前見た『メッセージ』というSF映画も美化された白髪の中国人の高級軍人が物語の鍵を握る。
劇中で「ニューアジア」と称された、いわゆるゾミアとか呼ばれる中国と東南アジア国境辺りの地域が舞台で、直接に中国は出てこないがエンディングで紅い旗が象徴的にたなびいていて妙に印象に残る。これは被害妄想というか気のせいかもしれない。
ヒロインは香港系英国人だが、以前より露骨に中国を前に出さず、ケン・ワタナービや黒人の主人公を使って有色人種対西側世界という構図や反米意識を刷り込む手法かと勘ぐってついつい構えてしまう。
お前ら本当は仲間だろ?近現代史を思い出せと。
アメリカは北朝鮮のプロパガンダ映画ぐらい古典的に嫌な描き方されていて手段を選ばず衛星兵器で爆撃しまくるし、マッカーサー風の司令官や軍人たちはAIロボットやアジア人に対して冷酷だ。
アメリカ軍が使う爆弾に手足が生えた自走式の自爆ロボがバグなのか攻撃前に急に自我があるかのように振る舞いだし惜別の挨拶を始めるが、さっさと行けと足蹴にするあたりは人間の傲慢さや醜悪さがよく出ていた。
機械も物も命も全て等価とする東洋的な価値観と、西洋世界のあくまで人間とそれ以外、隷属する道具としての機械や物や自然という振る舞いのどちらが野蛮か、その是非を始終暗に問われてくる。
オリバー・ストーンの『プラトーン』の農村の襲撃と尋問のオマージュらしきシーンを見てると確かにアメリカってインディアンから黒人、日本、朝鮮半島、ベトナム、中南米、中東とこういうことずっとして来たんだよなクソがと段々ムカついてくる。
というか怒らされている。
ただチベット的な描写やダライ・ラマのようなチベット仏教における転生した高僧みたいな子供のイメージは中国共産党的にはどうなんだろう。勝手な想像だがここらは映画会社と監督側で相当コンフリクトがあったんじゃないだろうか。
まあ半可通が適当に考えれるような簡単な構図ではないですわな。
中東然りロシアの戦争然り、世界はなんて複雑なのだろうか。
あと気になったこと何かあったかな。
映画が終わって夜中帰る時のモールの煌々と明るいのに人が誰もいない仮想現実みたいなあの感じ。レンダリングが間に合わなくてたまに体の一部がローポリで描写されてる。
でもあの空間の雰囲気案外嫌いじゃないんだな。
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usono-musuko · 6 months
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2023年10月31日
「教育は生きる活力がある子に対する「生きる戦術」としては有効に機能しますが、その根源の活力を賦活させるのは容易ではありません。」
「人が良心を売る値段の相場はだいたい300万円です。」
「もうシネコンは上映中作品のポスターなどなく、近日公開作のポスターだけを貼るようになってしまった(少なくともイオンシネマは)。シネコンの外に看板もなく、ネットで予約した客だけを相手にしている。道ゆく人を惹きつけ、劇場に誘うという発想は死に絶えた」
「オッサンが最近推しになったアーティストに「初期のビートルズみたい」というのは、他のファンからしたら的外れでキモいかもしれないけど、猫が虫の死骸をくれるようなもので、本人からしたら最大限の愛情表現なんてすよ。」
「「黙っている事はただ言わなかっただけで嘘を吐いている訳ではない」 営業の研修で一番最初に教わった事だなぁ…」
「最初の目的が達成するか消えたのに「まだまだ問題はあるはずだ」と団体の維持のための目的というか間違い探しをやりだすと、いずれ被害妄想の間違い探しをするしかなくなる。そらどの団体でも誰でもおかしくなる。問題が解決したら解散、のジョジョ第三部形式が健全なのだなと思う。」
「これは人生のネタバレだけど、お金を払って学ぶことよりもお金をもらいながら学ぶことのほうが大きい。」
「深夜営業のスーパーで、つい亡き夫の分まで買いそうになった食材を棚に戻しながら、なんか急にメンタルが落ちて動けなくなった時、くぐもった音しか出ないスピーカーから流れてくる日向坂の「君しか勝たん」に不意に勇気づけられ、この世は「大芸術」だけで出来ているわけではないのだと改めて実感する」
「安田均の物語は常に乾いている」
「送り雛の御影遙で俺の性癖は作られた でもオミスが好き」
「嗚呼、もう一度母とお散歩がしたかった。」
「10万円分くらいエロゲ買って 最も楽しく興奮し世界の王になったような気分になれるのは帰り道
「この世は金ばかりじゃないのはそうだと思うけど8割くらい金でどうにかなる世界だなって最近気付いた 残りは仁義と人情」
「(機甲創世記モスピーダ) 最初に受け取って戦いの個人的な理由に成ってたモノを 最後に宇宙に放つことで物語が終るの綺麗」
「>企画的にやりたかったのは小規模の歩兵部隊でロードムービーするSF版コンバット!だから
レギオスは偶にチェックメイト・キングツーすると飛んでくる存在で良かったんよな 老兵たちのポルカ とか好きなんだ俺」
「長く生きてると完治しない心の生傷が多いからな…」
「>kanonは誰かが幸せになっても誰かが不幸になる陰湿なゲーム 奇跡の椅子取りゲームじゃけぇ…」
「人生はいつだって「そんなはずじゃなかった」がスタートの合図。」
「だからせいぜい、自分の周囲 2,3 親等程度に届く範囲で、なんかワルそうでそうでもないすこしわるい、みたいな言動を繰り返して余生をやり過ごそうとする。「階級を裏切れない」的な真面目さあればこそのかなしみだ。たとえ人生パッとしなくたって、卑怯者にだけはなりたくないのだ。���
「伊勢の「佐瑠女神社」っていう芸事にご利益がある神社があって、それに肖ろうとするタカラジェンヌ、舞妓さん、アイドルなんかが千社札や名前入りステッカーを手水舎に貼りまくるんだけど、久しぶりに見てみたら個人でやってるYoutuberの自作シールだらけになってて時代の移り変わりを感じた。」
「おれにとってメチャクチャいい日だったのに、インターネットの向こう側のひとにとっては最悪な日だったり、その逆だったり、同じだったり、まあ関係ない時間がバラバラに、しかし確かに同期して流れてる、ということを確認できるのが痛快だったんだよなー。いまでも痛快だ。」
「自分が正義の側に立ったときが危ないんじゃなくて、他人を人間扱いしなくなったときが危ないんだと思うよ。正義の側に立っても、敵対する相手を人間扱いすることはできるし、正しいことをしたいという願望を軽んじるのは良くないし、あと正義を冷笑してても他人を人間扱いしないのは結局ヤバイ。」
「「女ウケを考えて服を着れるか!」と豪語していた友人が婚活で試しにウケそうな服を着たところ手応えがあったのでそういうのも好きになったと話すのを聞いて『好きなポケモンで勝てるよう考えるよりガブリアスを好きになった方が早い』という格言を思い出した」
「>テレビとリアル将棋への興味がないから藤井くんがどれくらい話題になってるのか分からん 日本でしかプレイされていないローカルボードゲームの結果を主要新聞は次の日全紙一面で報じた」
「「議論や意見交換としての会話」と「毛づくろい的な役割としての会話」は似て非なるモノで、むしろ決定的な断絶がある。
前者には中身のないどうでもいい話題は邪魔になるが、後者もまた、しっかり考えなきゃいけない中身の濃い話が邪魔になる。わりと決定的に国境がある感じ。」
「供給が絶えて久しい推しキャラを顕現させられるのは 本当に助かるよね生成AI」
「羽田で検査場抜けて混雑したところから地方のエリアに行くにつれてだんだん人が少なくなっていくあの瞬間が好き」
「(バビル2世 ザ・リターナー) かつて幼い日にTVにかじりつき、バビル2世の活躍に胸躍らせて応援した、我々おっさん世代の代表として、彼は今ここに登場したのである。
頑張れ伊賀野!」
「20年前のムチムチ巨乳キャラが、今では一般並乳扱いになった。ゾルトラークなんだわ」
「人生でまともな展望を持てなくなった人が行き着く「生きがい」の一つが 「その場で相手を言い負かす」ことですよ、という見解を聞いて、深い納得感と切なさに包まれるなり。」
「高校生とき「源氏物語は生粋のクズ男の所業が羅列してあるだけで面白くありません」と国語教師に言ったら「あの話はその背後にある女達の怨念がメインテーマなのだ」と返されたのでたまに学校教育はいいこと言うんだよな」
「責任は無限に重い(地球よりも、ひとの命よりも)。そして責任というものは原理的に人間が負い切れる、果たしきれるものでは、ないということもわかっている。だから途中で死にたい。責任を負うと誓いながら、責任を果たす前に死ぬことさえできれば、それこそがキズのない人生、美しい人生になる。
ようするに「威勢のいいことを言って、ヤバくなる前に居なくなる」」
「大学の出口のすぐ外に講義ノート屋ってのがあって ノートを勤勉に取った学生がそこに講義を写したノートのコピーを売り、勤勉ではない学生が一部500円(過去問付き)で購入するというデケェシノギが行われててそれがなかったら俺は大学を卒業できなかった」
「>じゃがいも警察は一時期よく見たけどミニスカパンチラ警察を見たことはない ジャガイモもエロければ良かったのにな」
「若いころ、おじさんたちが子供の写真を待ち受けにしてる意味がわからなかったけど、最近はわかる。「仕事めんどくさい」「無職になったって構わない」とか思ったとき正気に戻るためだ。」
「自分の定義で言えば、「人手不足とは組織内にいる人格的・能力的に問題のある人間を排除できない状態のこと」ってことよね。」
「>うちはカレーといえばシーフードだったからちくわカレーだった ギルティなママの味…」
「お客さんがコンテンツを消費する速度がトールキンの時代とは違うからねえ。客の求めに応じて安くて早い定食出してるのに、「鰹節から出汁を取れ」みたいなこと言われたら、クリエイターさんも辛かろう。ナーロッパの登場は世界観設定のコストを下げるための必然だと思うんだよなあ。」
「インターン生に毎朝「楽勝?」と聞いてる。 「何か質問ない?」と聞くと大抵無いと答えるから。 なので敢えて「楽勝か?」と聞くと「楽勝では無いです…」と返答くるので「じゃあどこが楽勝じゃないポイントですか?」と話を進めると、本人自身まだ上手く言語化できてない懸念点を引き出して相談できる」
「日本人にボルドーのフルボディが合わないんだよ 赤ならブルゴーニュのヴォーヌロマネの無銘なら10000円程度で飲める それかいっそ白の極甘口だな ソーテルヌはイケムは別にして特段の当り年でない限り10000円程度で一級が飲めるからお得」
「ボルドー(特に左岸)のいいやつは早飲みしても固すぎて全然美味しくないことが多い 濃くて早飲みできるのとなるとカリフォルニアとかがいいんじゃないかな」
「ちゃおホラーの狂気は異常 今井康絵は「間違った方向にアグレッシブ」で最高」
(ニセモノの錬金術師) 正気ってのは個人の欲望と世界の常識との折り合いがついてる状態 この世界は個人の力が強過ぎて折り合いをつけるのが難しいのでだいたい狂人になる」
「>戦わなきゃ生き残れない能力バトルを考えた場合
狂人にならないほうが不自然ってこったな 皆んな戦ってる最中は策略以外だと基本相手の話は全く聞かないのが合理的ではあるけど狂人ばっか感が強くなる一因だと思う そりゃ敵を完全に無力化しなけりゃ話もクソもないってのは分かるけど同じ言葉を話す相手をああまで無視して戦えるってのが違う価値観の人たちの話なんだなって感じさせる」
「蓋し世の中のトラブルの95%は対人関係のトラブルである、そのトラブルの殆どは他人を近寄せ過ぎ/近寄り過ぎが原因である。以前、老タクシー運転手が「車間距離を取る」ことの重要さを力説してくれたが、あれは強力な人生訓そのものであった。」
「コンテンツはいつ覇権になると思う? 他媒体に進出した時…違う コカコーラとコラボした時…違う お母さんがタイトルを認識した時…違う 乳が盛られた絵なら知らんコンテンツでもRPするオタクくんがエアプ作家が描いたエッチピクチャをRPした時さ!
という理論からフリーレン覇権認定した、たった今」
「高校生とき「源氏物語は生粋のクズ男の所業が羅列してあるだけで面白くありません」と国語教師に言ったら「あの話はその背後にある女達の怨念がメインテーマなのだ」と返されたのでたまに学校教育はいいこと言うんだよな」
「>もう漢文にしろよ 放邦之悪役令嬢 嘗我之転生聖女 獲自由己及妖狼 無双可現代知識 又楽可迷宮配信」
以上。
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Cult of the Lamb (Steam)
トレイラー動画のアニメが可愛くクオリティも高そうで気になっていたので、リリース直後にプレイ。タイトルに「カルト」って入れるのって結構すごくない??海外ではそうでもないのかな。
とにかく絵が可愛かった。とくに教団の連中とインタラクションしてるときの表情や動きがすごく良い。これで没入感というか感情移入できて、教団の運営パートに引き込まれたところがある。
とはいえ何度も繰り返し見るイベント(説教とか)がちょっとダルいと感じたことも事実。スキップできても良かったような。あと「教条」とか馴染みが無い単語が多くて頭に入ってこなかった。キリスト教の文化に慣れてればまた違ったのかな。タイトルといい少し対象年齢を上げている気がするけど、まあしょうがない。
聖戦パートで時間が止まらず、教団からの通知や時間経過が速すぎるのが気になってバトルに集中できないところがあった。教団のことを意識させるのは意図的なんだろうけど、一番奥まで潜ると教団をずっと放置することになり、その間にかなり教団が悲惨なことになっていくのがわかるので集中力が削がれて…それが教団に思い入れがあるぶん苦しい体験だった。
教団の管理を自動化する仕組みはたくさん用意されているけど、まだ足りないというか。完全に自律的に運営できるようにして欲しかったな。そこまでやっちゃうと遊ぶ意味も無くなるけど、エンドコンテンツとして…
システム的に綺麗だなと思ったのは、教団の管理パートと聖戦パートが上手くゲームサイクルを作っていること。具体的に言うと、教団を良好な状態にしてやることが無くなる⇒信者を増やすために聖戦に行く⇒戻ってきたら教団が荒れてる⇒以下ループ となっている。
演出とメカニクスの調和も良いなと思った。教団や信者にあの手この手で(施設やオブジェを設置できるとか、名前や見た目を変えられるとか)愛着を持たせているのが効いていて、信仰度や満腹度、病気や死を何とかしたいという気持ちが自然に湧くようになっている。
プレイ前はカルト宗教の表現によっては自分の趣味と合わないかも?と少し心配していたけど、プレイしてみるとカルト宗教にありがちな儀式や関係性を上手くゲームに落とし込んでいた。必要以上のフェチズムや悪趣味さは無く、可愛いキャラとエグい設定のバランスを上手く取っていた気がする。とはいえ労働させたり死後は肉を剥ぐなど信者を徹底的に資源として扱えるようになっているところはちょっとウッとなったが。
あとtwitch連携がゲームとマッチしていて楽しかった。カルトと配信の仕組みって相性が良いのかな。一対多数のコミュニケーションという共通点がある。だとすると、配信がカルト化していく怖さもまたあるということ…?ちょっと示唆的で今を象徴するゲームになったなと思った。
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hiroku-toku-fukaku · 2 years
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「共感性」 「没入性」 「物語への没入」 「物語_没入感」 「没入体験_強い」 「没入力」 「影響を受けやすい」
今この状態の言語化のために、奔走している。
何を言いたいのかというと、「物事への共感性が高い?」「物語に没入し過ぎてしまう」という観点で、私にはずば抜けた才能があるかもしれないと、今、思っていた。思っていたというのは、実際はそうではなかったようだと、序文を書く途中で既に発覚したから。
ことの発端は最近読んだ一冊の本。良い本で、久しぶりに小説を難なく読み切った。何年ぶりだろう。大学生活で小説や物語を完読したことはなかったかもしれない。ただ、困ったことに、本を読み始めてから「ポエマリーモード※」に入ってしまった。特に厄介なのが、頭の中をめぐる思考の全てが「物語調で繰り広げられること」。例えば、朝髪の毛に少し癖がついていて、それを「なおそう」と、思ったとする。ただそれだけの行為で済むはずなのに、こんな感じになる →「ふと、耳元でくるりと縁を描いた束が目に入る。私は寝ていただけなのに、一体どうしたらこうなるものか。ーーと、そんなことを考えながら nnn は、適当に頭から蛇口のシャワーを充てた。」長い、永いながい。今ここで書いている文章も、やたらと言い回しがくどかったり、比喩表現が多いだろう。それも「ポエマリーモード」のせいなのだ。
少し前は、全ての思考が大豆田とわ子のナレーション風に再生されてしまて困った。「nnnの1週間、こんなことがあった」に始まり、「これ、大学でお弁当を買った大豆田nnn子・・・」という具合に、自分の行動全てをドラマのナレーション風に音声化されてしまうのだ。
前置きは長くなってしまったが、なんでこんな話を始めたかというと。どうやら私は「物語に没入する力」が、人よりも少し優れているらしい。高校野球ドラマの「ROOKIES」を見た時は、当時小学生そこらの私が、高校生の彼らに恋焦がれてしまって(でも当然会えない)、1週間くらい大変だった。夢を見たし、どんな夢だったかまで覚えている。彼らの握手会へ行く夢。動物園のふれあい広場でウサギに触れるみたいに、まばらにパイプ椅子があり(膝にはタオルを敷いて)、そこにドラマの登場人物たちが座っている。人間の握手会というよりも、ROOKIESと一緒に動物と触れ合うコーナーみたいになっていた。変な夢。また脱線してしまった。
この没入感にピッタリの言葉がある気がしていて、冒頭にある通り、とりあえず調べまくった。ようやくしっくりきたのが下記
「エンパス(empath)」とは、「エンパシー(empathy)=共感、感情移入の力」とも呼ばれる、「共感力、共感力の高い人」という意味の言葉です。 人並みはずれて共感力が高く、生まれながらにして人の感情やエネルギーに敏感な気質の人をそう呼びます。
私はエンパスなのか!と思いながらチェック項目をたどると、、、
相手に合わせるのが得意
人の話を聞いていると、自分の感情が相手と混ざり合って分からなくなる
他人の悩みを自分のことのように感じて一緒に悩む
体調の悪い人と一緒にいると、同じ症状で苦しむので病院が苦手
「あなたはどうしたいの?」と聞かれても、自分の本心が分からない
人の話を聞きていると、まるで実体験のようなデジャヴを感じる
他人の嘘が分かる
自分でも気づかぬうちに、他人の隠された意図を汲んで行動してしまう
相手が何も言わなくても、本音に勘づく
残酷なニュースは、つらくて見られない
悪口を聞いているだけで具合が悪くなる
人が怒られていると、自分が怒られているようにつらい
犬や猫など、ペットの気持ちが何となくわかる
他人や霊的なものに影響され、自分の感情が動いてしまう
土地や場所などの悪いエネルギーを受け取ってしまう
一緒にいる人に似ていく。自分が変わっていく
相手の気持ちや考えを想像するあまり、思い込みや勘違いをよくする
小さな物音で起きるほど眠りが浅い
人混みや満員電車が苦手 など
そこそこしか当てはまらなかった(笑うところ)
さて、私は昨日からチェンソーマンを再び読み始めた(2回目)。チェンソーマンは悪魔の世界の物語、戦争の悪魔、銃の悪魔、のように、「人から恐れられている概念」そのものが悪魔と呼ばれキャラ付けされている。人から恐れられているものほど、その力は強大なものとなる、という設定。(アンパンマンは、あんぱんモチーフの主人公が愛と勇気のためにたたかう物語)
動植物や概念などあらゆるものの名前を持って生まれてくる、人知を超えた怪物。人間がその名前を恐怖・嫌悪するほど力を増すとされている。種を問わず血を補給することで、力の維持や増強、損傷の急速な回復が可能。|Wikipediaから引用
これはもの凄い漫画で、物語の気狂いぷりと、画力と、ユニークさと、すぐに期待の斜めの方向へ向かう感じも含め、その読者たちを虜にした。私もその漫画に虜で、特に、一話読むごとに読者たちの感想コメント欄をのぞく。すると、私の気づかなかった伏線を知ることができたり、他の読者の声に共感できたりして良い。主人公はチェーンソーの悪魔で、血を飲むと色々回復する。悪魔である登場人物たちはよく、血を欲しているのだが、私も、ここ数週貧血状態に悩まされている。部屋が動から静へと気配を変え、どんより重たい雰囲気を帯びたように見えるのも、完全に漫画の世界観に影響を受けてしまっている証拠。あれはあまりいいものではないのだ。没入し過ぎて、身体の体力をまるごと持っていかれる。かなり深く影響を受け、もうしばらくは抜け出すことはできないなと思っていた。そこに一件の連絡。最近やっと出会えた友人から、知らぬ間に定着してしまったフォーマットにのせて、おだやかでやわらかなメッセージを受け取った。笑い声が、声に出てしまった。思わず笑ってしまって、思いのほか一瞬で漫画の世界から抜け出した。
ここまで書いて、何を記録したくて文を綴り始めたのかを忘れた。
※:アウトプットされる言葉の多くが詩的、な自身の状態を示す自作用語。少し遠回りで、心地よい装飾がなされてしまう。ちょっと重たいくらいに華美。だから、最近は会社で日報を書きたくない。あんなもの、定量的に事実を述べてなんぼなんだから。
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sesameandsalt · 2 years
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職場でもらってきたポスター(年末、カレンダーだの何だのもらえる日本の会社の謎の儀式…)
兵長だ!!わーいと思って家で正式に開けたら
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このミカサのでかさにたまげた!!😲😲😲 下のほうじ茶(スケール比)ほうじ茶持てんべ、このねーちゃん エレン好き好きアッカーマンさんたちポスターだったんすね。バチバチしてら…クールビューティなお二人さんですね そしていよいよファイナル・シーズンパート2、開幕!!!!!!!🎊😭😭😭😭
#クッッッッッソ🤣😂😂😂やっぱり ウォールオブTHOMSONは罠だった、 無言で阻んできよるの…罠だとわかってたのに 好きだし泣いてしまった…#クッッTHOMSON…何故 しかしカカシ、THOMSONの隙間から見た昨晩、激アツ!!!ファイナル・シーズンパート2開幕、#直前にやってたNHKNEW-Sの視聴率凄そうだなと思ってみてたらOPが始まった まさかのクサヴァーさんオープニング入り!!!!!(要る?)#しかもなんでかちょっと朧気… はっきりうつさないところがさらに必要なのか放送禁止なのかクサ(ヴァーさん)らしい これ絶対我々の会話見てますよ#ハンジさんの格好よさに震えた…普通のマンガだったらリヴァイを抱え川に飛び込むなんて一大スペクタクルシーンだけど、#進撃は色々なことが同時に起こりすぎて…ちょっとした出来事のようなそれがクールで恐ろしいね…なんかもう!とにかくハンジさんかっっっけーーーー#ジーク戦士長の裸は pobiさまの声がはっきり聴こえた…みててくれよって…(クっソ笑った)#ジークの奇行を通してテレパシーをするという 進んだ霊能力を我々は持ってしまったことが分かった…#さすがは裸も戦士長の風格がありましたね。 エレン派のひとたちも どういう表情で見つめてたんですかね。#なんなんですかねあの間とあの一集団 あの目線😭😂🤣 ぜったいぶらぶらしてたもん ジーク…#あのやろ~~~#お顔がいつもとろ~んとしているせいでしょうか? じわじわ笑いを誘う、彼・・・真っ直ぐな目で、髭面なのにちょっと口が半開き#唖然としてるような、なにかに深く感動してるかのような…#あの顔(表情)のままで少女(始祖ユミ?ちゃん)に身体作られているトコとか なんであんな面白風味だせるんでしょうか…#「ものすごく長い時間だったような…一瞬だったような…」#完全にはじめて風俗(ソープ)行ったオッサンのセリフですよね。#アルミンくんはやはりエレンくんを信じていましたね、アルミンが出ると あ、こういうストーリーだったねと、我に返ります。#金髪少年がクサヴァーさんをいったん引っ込めます。 コニーが口を開くといつも泣ける。 感情の代弁者という役割なのでしょうか…#しかし作り手の意図をかんじさせないぐらい自然に感情移入できるキャラ作りが さすがというかんじがいたします。#笑いもとれるキャラはいちばん泣かせるもんですよね。#…という事は?#クサ…さん、あなたはいつかワタシを泣かせますか?#あなたが大泣きしようとボクぁ誘い泣きなんてしませんからね!💦💦💦#でも…最終回まで期待してます…♡ おっっもしろかったーーー#ちなみに、 我の、”せ”の変換は、戦士長 でした 無茶苦茶笑った、呼吸止まるかと思った かんっっぜんにpobiさまの ”せ”と繋がってしまうなんて…#こんなこと(呪い)、あるミン?
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hakenanime2022 · 2 years
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完成披露上映会イベントレポート
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本作公開に先駆け、吉岡里帆、中村倫也、尾野真千子、吉野耕平監督、原作者の辻村深月先生にご登壇頂き、完成披露上映会を実施いたしました! 「ハケン(覇権)」の称号をかけたアツいドラマを展開する本編のキャラクターたちさながらの熱量で、本作に込めた想いや見どころを語り尽くしました!
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キャスト陣は、劇中でアニメの頂点「ハケン(覇権)」を争う2つのアニメ作品、『サウンドバック 奏の石』(通称『サバク』)と『運命戦線リデルライト』(通称『リデル』)のテーマカラーをイメージした衣装で登場。『吉岡は満員大入りの客席に感激しながら、登場して早々に本作について「シンプルに自信作です!」と堂々とコメント。「やっと観ていただけるのがとても嬉しいですし、必ずみなさんに刺さるんじゃないかと、丁寧に撮ってきました」と自信をのぞかせた。
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アニメ監督やプロデューサー、声優や制作現場のスタッフをはじめ、とにかくアニメ作りを支えるたくさんの人々の姿や思いが描かれる本作。それぞれが演じた個性的なキャラクターとの共通点を聞かれると、新人アニメ監督の瞳役の吉岡は、作品作りへの熱い思いがあるものの周囲にうまく伝えられない瞳の不器用なキャラクター性を挙げ、「本当は燃えているんだけど、どこか冷めて見られたりとか、瞳と同世代なのでわかるなと思う」としみじみコメント。久々の新作で復活を図る伝説の天才わがままアニメ監督・王子を演じた中村は、吉野監督からのオファーにさかのぼって言及。『水曜日が消えた』の撮影の終盤に「中村さんにぴったりの役があるからオファーしていいですか」と言われ、原作を読み「めちゃくちゃかっこいい役じゃん!これが俺にぴったりなの?」と歓喜したことを明かし、仕事に対するスタンスや、シンプルで筋道が通った王子のキャラクターに共感していたことを語った。、天才・王子に振り回されながらもその才能を守るために手を尽くすチーフプロデューサー・有科香屋子役の尾野は、「香屋子のような熱いところ」を共通点に挙げ、これに対し中村は「包容力があるところが似ている」、吉岡は「尾野さんはとにかく愛がある。好きです!」と突然の告白で思わず尾野が照れ笑いを浮かべる一面も。
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 前作『水曜日が消えた』で長編監督デビューを果たした吉野監督は、「初監督」を務める立場の瞳に感情移入していたことを明かしながらも、「一方で僕はおじさんでもあるので、根岸(前野朋哉)や越谷(古館寛治)などの素敵なおじさんたちも大好きです!」と、劇中の“おじさんキャラ”たちへの確かな愛をアピールした。またお互いの印象の話題になると、共演者たちの仲の良さが伝わるやりとりに、会場はさらに大盛り上がり!
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 続いてステージには、原作者の辻村深月先生が登壇。一足先に映画を鑑賞した辻村先生は、映画化について開口一番「幸せです!」と語り出し、「自分で書いたので物語は知っているのに、先がどうなるんだろうというドキドキがあって、原作で大事にしてほしいところをひとつも削らず監督が表現してくださって、感謝を覚えました」と熱意たっぷりにコメントした。また、原作者としてキャスト陣のハマり役っぷりについても興奮気味に語り、王子役の中村については、「映画化の話が来た時に中村さんが演じてくれたら嬉しいと伝えていて、王子役か決まった時に部屋で『やったー!』と叫んだ」と、念願叶ってのキャスティングだったことを明かした。尾野については、「香屋子は王子監督と作品を守る役柄。監督を信じて守ろうとする香屋子のキャラクターを演じ、表情一つで覚悟が伝わるシーンがたくさんあって嬉しかった」とその演技を絶賛。そして瞳役の吉岡については、「最初は『吉岡里帆の映画を観るんだ』と思ったのに、開始2分で吉岡さんを忘れるぐらい、瞳だと思った」と言い、「私の描いた瞳が成長していく感じがあったし、瞳だからこその表情や演技をされていて、こんなに幸せなことがあっていいのか」と興奮気味に語った。対する吉岡は、「本当に感謝しかない。原作を読んでこの映画のお話を頂いた時、この仕事をしていて心が折れそうになる瞬間や悩んでいるときの解決方法を作品が教えてくれて、もっと自分のことを信じていいんだよと背中を押され、心がほぐれていく感じがしました」と、原作に救われていたことをコメント。「瞳を演じて、みんなで一本の映画を作る行為と、本編でのアニメを作る思いが完全に重なって、人に作品を観てもらえることの幸せを感じたし、好きなものがあればどんな状況でもがんばれると教えていただいたので、これからの人生にとってもお守りになるような作品になりました」として、あらためて『ハケンアニメ!』が自身にとって大切な一本となっていることを明かした。さらに辻村先生は、映画の“生みの親”である吉野監督に対し「映像化を“お願いする”よりも、スタッフの一員として迎えてくださり、一緒に映画作りをさせていただいた気持ちでいっぱいです。最高の形で映像にしてくださってありがとうございます!」と大絶賛と共に感謝の気持ちを語った。 続いて、映画にちなみ、ゲスト陣が「これだけは負けない!“ハケン(覇権)”を取れる!」もの触れる場面も。さらにイベントでは、残念ながら登壇することができなかった柄本佑から届いたビデオメッセージも上映した。
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最後に、主演の吉岡から映画を���しみにしているファンへメッセージが贈られた。「今日来てくださったみなさん、ここいにるメンバー、そして作り手のスタッフのみんな…本当に好きなものを貫く愛で溢れています。そして、この作品にその思いを閉じ込め���います。仕事や何かに一生懸命になったことがある方、挫折したり悩んだりしたことがある方、そのもう少し先の希望的メッセージが伝わるんじゃないかと信じています。みなさんにどうか刺さりますように、この映画をどうぞどうぞよろしくお願いいたします」さらに吉岡は、「この映画はぜひ、一番最後まで観ていただきたいです。エンドロールで流れる主題歌(ジェニーハイ「エクレール」)の歌詞もすごく素敵で、本当に素晴らしいラスト…最後まで観ていただけたら分かると思います!」と熱くコメントし、会場を盛り上げた。
今後の続報もお楽しみにお待ちください!
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benibame · 2 years
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YUMENIKKI-DREAM DIARY-とはなんだったのか②「黒い影」の正体について。窓付きは何から逃げているのか
2018年に発売したゲーム「YUMENIKKI -DREAM DIARY-」(以下、DD)について、今回も長々と考察や感想を書き散らかしていきます。一応前回からの続きですが、読まなくても大丈夫かと思いますので時間があれば目を通してみてください。
YUMENIKKI-DREAM DIARY-とはなんだったのか①ゲームの解釈と当時の時流について
第2回目となる今回はDDのラスボスこと「黒い影」について、奴は何者なのか。目的は何か。なぜ窓付きを追うのか。それらについて考えていこうと思います。
①黒い影の特徴について
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黒い影はDDにおいてラスボス的存在として扱われています。DD公式からラスボスと明言されてはいませんが、ほかの敵キャラとは一線を画す容姿や動き、そしてエンディング直前に現れるといったことからラスボスと言って間違いない存在です。
しかしこの黒い影は、作中では商店街とマンションの2か所のみでしか登場しないため、ボスとしての存在感は非常に薄いと言わざるを得ません。登場する際は専用ムービーが流れるため強敵感がありますが、黒い影から直接攻撃はしてくることなく、ただ追いかけてくるだけであるため敵キャラとしても弱いという印象です。例えば桟橋にいる鳥人間は奇声をあげながら窓付きに突進し噛みつくという物理的かつ暴力性の高い攻撃をしてきますが、黒い影はゆっくりと窓付きを追いかけ、捕まるとリスタートになるだけで攻撃的な印象は受けません。鳥人間のほうがよっぽど恐ろしい存在に思えます。
また、黒い影の外見の特徴としては、窓付きの倍ほどある巨大な体や長い腕、背中に生えた触手(もしくは羽)、煙のようなぼんやりとした外見などが挙げられます。いずれにせよDD内におけるほかの敵キャラにはない独特な造形であり、黒い影が特別な扱いであることが分かります。
演出面でも、専用ムービーが流れ、その際に近くの照明(商店街では街灯、マンションでは蛍光灯)が消えること。周りにいた敵キャラが逃げ出すといった演出があります。このことから黒い影は明るい場所を好まず、かつ容姿をはっきりとは見せない(見えない)存在であり、ほかの敵キャラが逃げ出すほどの強力な存在であることが読み取れます。
黒い影の特徴をまとめると以下の通りです。
出現場所は商店街・マンション~屋上の2か所のみ
煙のように出現する
身長は窓付きの2倍ほど
ぼやけた黒い体に大きい手、背中に触手もしくは羽のようなもの
ほかの敵キャラが逃げ出すほどの存在
追ってくるだけで物理的な攻撃はしてこない
しかしマンションの塔屋を破壊するほどの怪力?
照明やライトを消すもしくは破壊する
これらの特徴をとらえたうえでも、黒い影の正体は何者なのか、なぜ窓付きを追うのかは不明のままです。存在自体を探ったところで多くのヒントが得られないため、周りの状況や周辺環境から探っていくしかありません。
そもそも、黒い影を含め夢の世界のすべてのものは窓付きの夢の中における存在です。世界もキャラクターもすべて窓付き自身が生み出したものであるという前提条件がある以上、この黒い影も窓付きの心の中にある何らかの心情・記憶・感情などが具現化したものであると考えられます。つまり、黒い影の正体を考えることは窓付きの心理状態を考えることと同義と言えます。夢の世界にヒントが乏しい以上、窓付き自身についての考察は避けて通れません。窓付きは何を考え、何を経験してきたのか。そして窓付きは何から逃げているのか。現実世界における窓付きについて考えていきます。
②鮮明すぎる夢という違和感
原作ゆめにっきをプレイしたことがある人にとって、DDの世界観について「夢の世界が鮮明かつ具体的すぎる」と思った人もいるかと思います。コンビニ・商店街・デパート・学校など、個々の世界と出てくるオブジェクトの解像度が高く、夢の世界とは思えないほど鮮明に存在しています。これは原作と比較するとよく分かります。
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(左:原作における「デパート」 右:DDにおける「デパート」)
上部の画像は原作とDDで、いわゆる「デパート」と呼ばれる場所の比較画像です。このマップの中に笛の部屋があることからも、同じマップを表現したと思われます。これを見ると、DDの夢がいかに鮮明で具体的であるか一目瞭然かと思います。原作ではデパートという便宜的な呼び方はあるものの殺風景な施設であり、店舗らしいものもない無機質で入り組んだよく分からない建造物です。それに対しDDはテナントやデジタルサイネージの看板、観葉植物まで置かれていることから、デパートとしての解像度が非常に高くなっています。この場所に限らずDDの世界は現実世界を夢の中で細部まで再現している場所が多くあります。
夢の世界である以上、現実にはあり得ないヘンテコな空間や輪郭のないぼんやりとした背景があってもいいはずだし、実際に原作はほとんど具体性を伴わない世界が大半です。それに対しDDは非常に鮮明で具体的な夢を見ている。つまりDD窓付きは見たり経験したり想像したものを事細かに夢の中で再現でき、さらにそれらのオブジェクトが混合せず”あるべき場所にある”夢を見ることができるといった非常に変わった能力を持つ人間の可能性があります。
そうすると、なおさら黒い影というぼんやりした存在の異物感が強調されます。商店街の看板や観葉植物まで鮮明ではっきりと夢の中に再現できる窓付きが、どうしてあのキャラクターだけ曖昧でとらえどころのない輪郭と表現にとどまっているのか。
考えられる理由としては「窓付き自身も具体的に表現できないなにかが具現化したものだった」もしくは「窓付きが見たくない、形にしたくないものが具現化したものだった」ということが挙げられます。いずれにせよ黒い影は窓付きにとっても異質の存在であり、ほかの敵キャラにあるような明らかな敵意とは異なる理由で窓付きを追うものであると考察できます。
以上のことから、少なくとも黒い影が窓付きにとってポジティブな存在であるとは言えず、なんらかの抽象的な、漠然とした暗い心情や記憶であると考えられます。また、怪物のような見た目でありながら攻撃的ではなく強い敵意を感じられない一方で、モノや建物を破壊することすらある強力な力も持つといった性質であり、これらはDD内における他のどのキャラクターにも当てはまらない特徴になっています。
窓付きは心の中に何を抱えて、なにが影を形成しているのか。もう少し深く考えていきます。
②窓付きの読んでいる本について
2018年2月27日、海外掲示板にてある画像が投稿されました。投稿文では、窓付きが現実世界の自室で読んでいる本の画像データと紹介されています。こういうことには詳しくなく、どうやったかはわかりませんが3Dデータのテクスチャのようで、実際に使われているデータなのか真偽のほどは不明ですが、その内容はかなり興味深いものでした。
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(海外掲示板「uboachan」より引用)
文章は意図的に読みにくく加工されていますが、調べるとこれは太宰治の作品「女生徒」の一部であることがわかります。「女生徒」は青空文庫で読むことができ、検索すると当該部分が出てきます。確認しても内容が一致しています。
見た目からして小学生~中学生程度であろう窓付きの、その年頃の少女が読む本としてはかなり渋いチョイスである気がします。太宰治は説明するまでもない著名な作家ですが、「走れメロス」や「人間失格」といった教科書に載るような有名どころではなく、どうしてあえて全集を探さなければ載っていない「女生徒」という短編を読んでいるのか、少し不思議な気もします。あくまで画像の出どころは真偽不明でありゲーム上からは確認できないため確実とは言い切れませんが、あえてこの小説にスポットをあてて、窓付きの心理状態を考えてみようと思います。窓付きは「女生徒」を読んで何を考えたか、何を思ってこの小説を選び、読んでいたのか。つまるところ、DD制作陣はこの小説に何を託して窓付きに読ませたのか。
ゲーム上に考察のヒントが乏しい以上、発見された「窓付きが読んでいる本」という情報から窓付きの心情を考えていきます。
③「女生徒」の概要について
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「女生徒」は太宰治が1939年に発表した短編小説であり、読者の有明淑(ありあけ しず)から送られてきた私日記を基に改編を加えて書いたものとされています。少女の実体験に基づく新鮮かつ生々しい思考と、太宰の文学的表現による改変によって構成された作品であり、川端康成も賛辞を贈るなど高い評価を得た小説です。内容としては、ある少女が起きてから就寝するまでの1日のうちに考えたことを一人称視点で綴っていくといった独白体小説になっており、1時間程度あれば読むことができます。せっかくなので一読をおススメします。
青空文庫「女生徒」 太宰治
朝起きて、電車に乗り、授業を受け、帰宅し、家に来たお客さんと話し、夕食をとり、就寝する。女子学生のごくありふれた日常生活を淡々と描きながら、通学途中に見かけたものや人、ちょっとした会話から感じたことなどを新鮮な驚きをもって初々しく表現しています。ころころと移り変わる興味と思考、そこに過去の記憶と将来への不安が混ざり話題が拡大していく様子は思春期の強い自意識を感じさせ、若さと未熟さを巧みに表現しています。
本作の主人公である「私」は、周囲の変化を機敏に感じ取り、そこに純粋な感動を覚えるときもあれば、陰鬱な思考に陥ることもある感受性の高さが作中で読み取れます。「朝は灰色。いつもいつも同じ。一ばん虚無だ。朝の寝床の中で、私はいつも厭世的だ。いやになる」と言った一方で「けさから五月、そう思うと、なんだか少し浮き浮きして来た。やっぱり嬉しい。もう夏も近いと思う」とも考える。目まぐるしく変化する不安定な感情には若さと危うさを感じることができます。また、作中で「私」は特に他人への視線の描写が多くあり、美しい人への羨望と同時に醜い人への軽蔑。ああはなりたくないと必死に考える様子がいくつかあります。「けさ、電車で隣り合せた厚化粧のおばさんをも思い出す。ああ、汚い、汚い。女は、いやだ。自分が女だけに、女の中にある不潔さが、よくわかって、歯ぎしりするほど、厭だ。」「いっそこのまま、少女のままで死にたくなる」とまで言わしめてる様子からは、無垢な自分も変わってしまう未来への恐怖感がありありと読み取れます。
僕は太宰文学には詳しくないため図書館で太宰治の評論などを読み漁りましたが「女生徒」について論じているものはほとんどなく、この作品が太宰治の作品群にとってどのような意味を持つのか専門的な意見や解説を得られませんでしたが、僅かながらいくつかの大学の学術情報リポジトリで論文を見つけることができました。以下はその抜粋になります
「女生徒」の「私」は成熟した女性を嫌悪の対象にしている。(中略)従来の先行研究通り「女生徒」の女性嫌悪的な語りは太宰が依拠したものと思われる
太宰にとって少女とは何者であったのか。社会に対して批判精神を持たず、日常生活から遊離して夢を紡ぎ、中心ではなく周縁に位置する愛すべき存在であったのだろう。成熟した女性に対しての嫌悪感は悪意さえ感じられるが、対する少女への思い入れは随所にみられる。
(東洋大学学術情報リ��ジトリ,関根順子.2014)
冒頭部と最終部の円環構造によって、一少女の三ヶ月の<生活日記>が見事に閉じられた「女生徒」となり、「私」がしきりに感じる「やりきれない」「虚無」や「苦しさ侘しさ」も、その円環のように、夜「眠りにかけると」ゆるみ、「ゆるめ」ると「ぐうつと大きく引いて、こんどは朝まで」続き、それは、次の日も、その次の日にも、延々と繰り返されるのである。
(広島大学学術情報リポジトリ,何資宜.2007)
作中全体にただよう厭世的かつ気だるげな語り口は、大人への嫌悪と、その嫌悪する大人に日々近づいていることに対する焦燥感と諦観が入り混じったやるせなさを感じさせます。特に最終部で「私」が眠りにつく直前のセリフは、それを強調するものになっています。
「明日もまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。わざと、どさんと大きい音たてて蒲団にたおれる。ああ、いい気持だ。蒲団が冷いので、背中がほどよくひんやりして、ついうっとりなる。幸福は一夜おくれて来る。ぼんやり、そんな言葉を思い出す。幸福を待って待って、とうとう堪え切れずに家を飛び出してしまって、そのあくる日に、素晴らしい幸福の知らせが、捨てた家を訪れたが、もうおそかった。幸福は一夜おくれて来る。幸福は、――」
繰り返す同じような日々に対する不安。期待する将来像と厳しい現実に挟まれて溺れそうに息をする少女が泡沫にように発した言葉を拾い上げ、作品は終わります。全体としてはたわいもない日常のさなかに、時代に飲み込まれつつも将来に希望と、それより大きな不安を抱えながら生きる少女の思考を繊細に綴った小説であり、原案として実際の少女の日記を基に作成したなど太宰作品としても珍しい立ち位置にある存在であると言えます。
④「女生徒」は窓付きにどう影響を与えたのか
窓付きが「女生徒」における14歳の「私」に自身の姿を重ねていたのかは定かではありません。また物語もあくまで1930年代の東京が舞台であり、窓付きの夢の世界に直接影響しているとは言いにくいと思います。それでも作中に一貫して流れる「厭世観」と「強い好奇心」はDDの世界観にも感じることができます。
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(本を読む窓付き。ゲーム開始場面では基本的に読書してるか寝ている)
自分の身の回りのことに新鮮な驚きをもって接しているからこそ、輪郭がはっきりと、具合性をもって記憶に残る。そうすることで夢の中でも世界がぼやけることなく鮮明に再現されていると考えられます。窓付きは知的好奇心がとても強かったのではないか。だからこそ想像力も人一倍大きく、広大な夢の世界を作り上げる要因になったと考えられます。
また、些細な会話や言動からその意図を考えだそうとし、その人の本質的・本能的な部分を見つめようとする「私」の自意識の強い行動が窓付きに影響を及ぼしたのであれば、夢に登場するキャラクターの多くが人間の形すらしていない異形であることも理解できます。あくまでその人の本質が形になったのであり、人の形をしている必要すらなかったのではないでしょうか。他人に興味がないから人の形をしていないのではなく、他人に強い関心があったからこそ、人の形をしている必要がなかった。人の本能的な部分をかぎ分けて、象徴的な形として夢に現れる。異形のキャラクターたちは窓付きの考える人間そのものであったとも言えます。
なにより、「女生徒」は実際の少女の日記を基に作られた作品であり、作中にも日々の記録を描く日記的な要素が多く取り込まれています。窓付きも日記を書いている以上、この小説に興味を惹かれるところがあったのかもしれません。同年代の女の子が書いた日記の小説という触れ込みに興味を持った窓付きが「女生徒」を読み始め、その新鮮で鮮明な世界の描写と厭世的な空気感に感銘を受け、夢の世界に少なからず影響を及ぼしている可能性は十分に考えられます。
⑤黒い影の正体について
DDの作中において窓付きの心情を考えるヒントは多くありませんが、今回は仮定としての(そもそも画像データが本物であるかは不明のため)「女生徒」という小説の存在を挟むことによって、ある程度の予測が立てられるようになりました。そこから本題である黒い影の正体ついて考えてみます。
まず、夢の世界が鮮明であることに対して黒い影が輪郭のない、ぼやけた存在であることについては、やはり「具体性のないこと」の集合体であるが故の形状であると考えられます。小説と重ねて考えるのであれば、それは将来に対する漠然とした不安であり、自分が持つ理想の姿になれないという諦観と恐怖に近い感情だと言えます。おそらく過去に経験したであろう行動や想像した風景を夢の中で精密に再現できる窓付きが、ぼんやりとしか表現できないとすれば、それはまだ経験していないもの、すなわち未来の出来事ということになる。そしてそれは巨大な体をしている。その姿はまさに自分が嫌悪の対象としている大人の姿であり、成長した自分の姿でもある。巨大な手や背中の触手(羽?)は醜い大人もしくは醜くなってしまう自分の身体への恐怖心が形になったとも考えられます。
未来、そして成長への恐怖。それはゆっくりと自分自身を追いかけてきます。逃げても逃げても追いかけてくる。攻撃をしてこないのは、攻撃する必要がないためであり、ただ追うだけでいいのです。そして窓付きも反撃することさえできず、逃げるしか手段がない。黒い影が窓付きを追うと言うより、窓付きが黒い影から逃げていると言ったほうが適切かもしれません。ほかの敵キャラとは圧倒的に異なる別ベクトルでの恐怖と嫌悪が黒い影の実態だと考えられます。
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(黒い影から逃げきった後の自室。本の散乱から現実世界であることが分かる)
DDのエンディングは現状2種類ありますが、黒い影から逃げきるのが一応の正規エンディングになっています。黒い影を振り切って自室に戻り、明るいベランダから外をのぞいた後、再度ドアを開いて自室から出るというエンディングです。本来夢の世界である黒い影から逃げて自室に戻ったはずですが、その自室は明らかに現実世界であり、窓付きがいつ起床したか明確な描写はなく定かではありません。このエンディングは一見ハッピーエンドのように見えますが、黒い影との決着はついておらず、ただ逃げきっただけのため、判然としない終わり方ではありました。
しかし、黒い影の正体が大人への嫌悪・未来への諦観・成長することの恐怖であるならば、このエンディングの受け取り方も少し変わります。黒い影は物理的な敵ではないため、扉を閉めた程度では逃れることはできません。夢を見ている以上は延々と追ってくる存在です。あくまで僕の考察ですが、窓付きは扉を閉めた時点で黒い影の正体を理解し、受け入れたのではないかと思います。自分が大人になることへの恐怖を逃げきれないものだと悟り、諦めと同時に許容したことで夢の世界は消滅した。そこからは自室を出ることで、成長へ踏み出した…といった解釈が僕の考えたところです。
こうなるともう一つのエンディングである「宇宙船で就寝」がどう解釈していいか悩むところです。穏やかで優しいエンディングに見えますが、このエンディングは結局黒い影と対峙することを放棄し、夢の世界に留まることを選択したことになります。窓付きは夢の中でさらに眠ることで、自身の成長という恐怖から逃げることにした。おそらく二度と目覚めないかもしれない。そう考えると幸せそうなこのエンディングもバッドエンドのように考えることができます。ただし、あくまでハッピー・バッドの決定は窓付き自身がするものであり、夢に留まるか、目を覚ますか、それは窓付きの選択でしかなく、安易にハッピーエン��なのかバッドエンドなのか決めるべきではないと思います。
原作・DDどちらにおいても窓付きは現実世界の自室から外に出ようとはしません。これが「出られない」のか「出たくない」のかはゆめにっきファンの中でも考察の中心として長い間残っていた疑問でした。しかし、DDは自室から出るという原作にはないエンディングをやってのけた。おそらく窓付きという少女の今後に希望を持たせたかったのではないかと思います。ですが自室から出るには理由が必要であり、その理由としての役割を与えられたのが「黒い影」であったと思います。窓付きは黒い影を克服することで自室という殻から踏み出した。DDはストーリーや物語背景がほとんど明かされておらず各々で想像しなければなりませんが、黒い影が先述のような意味を持った存在であるならば、制作陣の考えたDDのストーリーは、窓付きの成長という物語であり、自身の中に潜む恐怖との戦いの物語であったと言えるでしょう。
長くなりましたが僕がDDについて書きたいことは大体書き尽くせました。また何かDDに動きがあれば楽しく追っていきたいところです。ありがとうございました。
【参考】
『太宰治「女生徒」試論 : 『有明淑の日記』からの改変にみる対川端・対読者意識』(何資宜)
『太宰治「女生徒」論:消された有明淑の語り』(関根順子)
『太宰治全集2』(筑摩書房)
『人と作品 太宰治』(Century Books)
『太宰治の女たち』 (幻冬舎新書)
『永遠の太宰治』(河出書房新社)
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blue-aotan · 3 years
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ハロー(´ー∀ー`)2021.4.9
PS版「ファイナルファンタジー6」プロジェクト
を今年の1/16にスタートし、4/7にようやくクリアできました。プレイ時間は44時間でしたが、長かったw
ストーリーが面白くてね。私はFF7より好きかもしれない( ˊᵕˋ )
キャラクター総勢14人という大所帯RPGでしたがw
それぞれのキャラクターにもストーリーがあり、昔のRPGならではのシステムの不便さなどはありましたがそんなのも気にならないほどのキャラの魅力・世界観・音楽・ストーリーどれをとっても本当に素晴らしいゲームだったなぁと思いました。
ただね、ウーマロとゴゴを仲間にするのは自力では無理があったと思うw
私はもうほぼ攻略を見ながらプレイしてたので、自分で考えたりすることを放棄したお陰でこの時間でクリアできたのだと思いますが、途中自力でしてたら挫折しそうだなーって思うシーンは何度かありました(笑)
地図が分かりづらかったり、ワールドマップの移動も苦労した部分が沢山ありました。
メニュー画面も、つけてるアクセサリーの効果の表示などがなくて「これ何だっけ」と何度も付け外ししたりw固有スキルについての説明も戦闘中は見れなかったりね
途中パーティを3つに分けて下さい、とかいう指示が何度か出た時も「え〜全然育ててないキャラいるのに!つらい!」ってなった事もありましたw
大所帯だと捨てキャラが必ずいて、育てなくて大丈夫だったり、RPGによっては控えメンバーも経験値が少しは貰えたりするシステムがあったりして、メインキャラだけ育ててればいいみたいな私の弱い心を突いてくるFF6。
(FF6はもちろん戦闘メンバーしか経験値がもらえません)
ストーリーは長いので紹介はしませんが←
FF6のテーマは「愛」だなぁと思いました。
男女の愛はもちろん、家族愛だったり兄弟愛だったり、そして自分自身を愛するというテーマもあったのかなと思います。
全員が主人公なんだけども、中でもティナが中心人物であり、自分の過去を思い出せずにいて魔法が失われた世界で魔法を使える存在として帝国に操られている所から物語が始まります。
帝国の操り人形から抜け出した時、自分の存在と心に向き合い、自分にできる事を模索したりする部分がとても印象的でした。
幻獣と人間のハーフであり、出自はとても複雑なのですが前向きなのよね…
愛したい、愛されたいって気持ちがあるんだけど、船の上でレオ将軍と話した事があって、その後にレオ将軍はケフカに殺されてしまうんですよね…涙
レオ将軍のお墓の前でティナが「もっとあなたから色んな事を教えてもらいたかった…」って言うんですけど、この台詞が切なかったです。
レオ将軍がパーティにいる状態でステータス画面を見て驚愕しました。2頭身キャラの時は男気に溢れてて「ザ・漢」みたいなモラルも節制も持ち合わせているかっこいいキャラだったのに、ステータス画面のレオ将軍を見た時のガッカリ感たるや、、、
私としては田村由美さんの「BASARA」の雷蔵さんみたいな豪快だけど常識人みたいなwそんな勝手なイメージあったんだけど、ひょっとこなのかなって…
ギャグかなって…
見ないようにしました←
でもこのゲームって発売されたの1994年なんですよね。
当時でこういう遊び心満載のシステムとかストーリーは本当に開発した方のアイディアとか努力がとても詰まってたんじゃないかって、今現在してても感動したのでそう思わずにはいられなかったです。
プレイヤーを楽しませたいって気持ちがすごく伝わってきたし、途中操作キャラが変わったりだとかそれぞれのストーリーで進行したりとか、幽霊が仲間にできたりとか、競売に参加できたりだとか。
特に私が一番好きだったのが、敵モンスターのオルトロス戦。
何回も出てきて笑ったし、何より可愛い。本当に可愛い。
このオルトロスに出会えただけでもFF6をしてよかったなと思いましたw
「タコですみません」
とか
「まるっきりタコじゃん」
とか、敵の台詞なのかってくらい気が緩みますw
オルちゃん描いてもらっちゃうもんねーで私は爆死しました←
そんなオルちゃん、私も描いちゃったもんねー←
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私としてはこのFF6で新鮮だなと感じたのは、ティナに相手がいないまま終わった事でした。大体恋愛要素のある映画でも漫画でもゲームでも、パートナーがいて当たり前に終わっていくものじゃないですか。
始めからちゃんと相手が用意されているのです(現実と違って←
出会うべくして出会い、用意された設定で恋愛し、終わるw
でもティナにはいなかった。エドガーは好きそうではあったけど、あの人は世の女性全員に言ってるのでww勝手に除外させていただきましたw
そこが私がFF6を評価したい部分でもあります。
(何様
(評論家気取り
あと一度世界が崩壊してしまうことにも衝撃でしたね。
崩壊から一年も経過してしまっていることにもびっくりでした。
ストーリーの進行については早すぎると思った展開も多々あったと思います。
それぞれのキャラの話も短くて、もっと掘り下げて進行するとか丁寧に描くという部分では現代のゲームに慣れてしまっている為か物足りなさも感じるかもしれません。
ただ昔の、古き良きRPGの中でこその発見があるというか。
説明の足りなさや、補足の少なさや、ストーリー進行の未熟さ(言い方が悪いですが、決して批判している訳ではありません)、そこに感じる不自由さと不便さの中でこそ生まれる想像力や発想力や工夫力があったんだよって。
そういうことなんだよね?
(誰やねん、ほんでどういうことやねん
ムービーに慣れすぎてしまっている現代のゲーマー、説明義務を当たり前とするこの世の中で。
ここはこういう気持ちだったのかな
キャラが何を感じているんだろう
そういう想像がこのゲームの魅力なんじゃないか
なんて思ったんだよね
これはFF6に限らずだと思う。
私がゲームを愛する理由
それはやっぱりみんなと旅がしたいんだ
色んな世界に行って、現実とは違うどこかへ行きたいんだ
自分ではない、誰かを通して見て
現実では知ることのない感情を知って
新しい自分に会える
それは映画でも漫画でもそうなのです
っていつも言うことが壮大になって心が宇宙へと飛んでしまう私ですが←
最後はラスボス手前の最後のセーブポイントでのFF6のキャラのステータス画面を晒して終わりにしたいと思います。
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反省点:ウーマロは制御できないキャラなので控えメンバーでよかったかも
ちなみに、すけロックはスケベのすけ(ひどい
ここにいないキャラの名前:
リルム→リびんぐルム
ガウ→にガウり
そういえばラスボスで私やらかしてしまったんですよ。
最後は12人で戦うってスタイルだったんですね。(パーティは4人なので死んだキャラは自動入れ替え)
何を血迷ったのかメインの4人だけ現時点での最強装備にして、他のメンバーは素手とか装備全外してるキャラが何人もいて、その状態でラスボスに挑んでしまったのですw
ラスボスのケフカは何と第4形態まであって、そりゃー死ぬわなってくらいぼろぼろ死んでったのですがクリアできました←
(翌日に全員装備ばっちりにして行ったら、誰も交代せずにクリアできてあっさりでした)
唯一の心残りは、エドガーの名前を「エドガらんぽ」にしなかった事です←
でも、セリスの劇とかセッツァーの話とか、カイエンの過去とかストラゴスの狂信者入りなど見所は沢山あって、ぜひリメイクをお願いしたいですよね←
FF7リメイクよりもFF6の方がリメイクしてほしいよねまじで。
ここまで読んで下さった皆さんに、ストラゴスの台詞を送ります。
まだまだ若いもんには負けんゾイ
(何の感動もない←
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lolowv0 · 3 years
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狛枝凪斗のキャラ評と考察
ネタバレ
スーパーダンガンロンパ2のキャラクターごとの考察のつもりだったが狛枝だけ文章量が増えすぎたので分割した
後半が個人的に面白いと思います
‣狛枝凪斗
彼の人柄はさておき、先ず彼の”超高校級の幸運”について考えよう
狛枝は幸運の才能を自分の意思では駆使できない酷い欠陥のある力と称している。これは狛枝の”自信の無さ”に繋がっており、本編中でも「自分が望んだ結果とは違う幸運」になることは証明されている。狛枝は不運を自覚しており、それを甘んじて受け入れようとはしていない。それが幸運の予兆だとしても、望まぬ不運は出来るだけ避けたいし、明確に嫌な事として記憶している。(通信簿やアイランドモードでの台詞を参照) また、自分の思想が独善的であることを理解したうえでそれを振りかざしている。そのせいで周囲は離れていき、親兄弟や身寄り、友達や知り合いすら居ない状況になった。(両親は事故死のため当時の狛枝の思想とは無関係) これは才能に関係ない自業自得に思えるが、彼がそういう性分になった原因を全て”才能”に委ねていることから、己の思想に不足している部分があるとは自覚していない節がある。尤も、人と接してこなかった以上考えが独善に寄るのは必然だろう。人と触れ合う機会が極端に少ないということは、彼が他者の”表面”しか見ることができなくなったことにも起因していると思われる。
これらは裏を返せば自分の才能は本来ならば誰からも認められるような絶対的な力であることを理解されない反動であり、つねに他者に理解されたがっていた。
‣日向との関係
狛枝は他者について深くを知ろうとしない。彼が興味を持つのは対象が「”希望”であるかどうか」という点のみである。
物事の本質を見ようとせず、表面上のものしか見れない彼には日向の中に眠る”超高校級の希望”を見抜けなかったし、同時に他の”超高校級”たちと違って凡人でしかなかった日向には対等に接しようとしていたのだろう。
「キミからは…才能ある者が醸し出すある種独特のオーラというものを感じない…」
上記から狛枝は日向を自分と同等の価値の人間と見なしており、予備学科である事実が判明した後はさらに見下した態度をとるようになっている。また、日向は5章までの学級裁判で狛枝の持っている情報に頼る場面があったことから、彼が自分の計画の障害になるとは思っていなかったのだろう。自分の事を卑下していると思いきや、本心では”与える立場”に居ようとしていたのである。そうした日向への過小評価と自分の才能への慢心が、計画の失敗へと繋がった。
しかし、同時に心の底では日向の内面も知りたがっていたのかもしれない。通信簿イベント6で日向の共感を得るためにたとえ話をしたのは、自分の理解者が欲しかったからだと言う。そのために狛枝はあえて大衆向けに書かれた本を引用したのだが、これは日向がそういった話で共感を示すのかどうかを試したのであり、狙い通りの結果を得られて満足している。つまりは日向の”価値観”を知ろうとした。(ここでの狛枝の話は目的に過ぎないため嘘かどうかは重要ではないが、基本的に通信簿の全ての内容に嘘は無いと思われる)
日向の「理解できないものを理解できないまま放って置くことはできない」という考えが、狛枝の成長のきっかけになり得たのかもしれない。
‣狛枝の価値観
狛枝の価値観は作中で明確に否定されている。
「英雄になる必要なんてないんでちゅよ。無理に誰かに認められなくてもいいんだからね。」 「他人に認められなくても、自分に胸を張れる自分になればいいんでちゅ。」
上記のウサミの台詞は狛枝の才能に対する価値観と英雄主義を否定したものだ。また、七海や田中の信条も、狛枝とは相反するものとなっている。日向創を主人公とした物語における狛枝の立ち位置は絶対的な敵であり、カムクラを内包した時点からその位置は江ノ島盾子になる。
まず狛枝の「他者の考えに不寛容で、内面を知ろうとしない」考えは、修学旅行の目的である「他の生徒と仲良くして希望のカケラを集める」というルールによって否定される。 次に「才能を”絶対的な希望”として尊重する」考えは、5・6章の七海やウサミの台詞で否定された。
「才能を持つっていう事は、その才能に縛られるって事でもあるんだよ。」
そして「才能は生まれ持ったものであり、努力では決して覆らない」という考えはカムクライズルと日向創の存在によって否定されている。
狛枝は彼自身にとって正当なヒーローであり物語においてはアンチヒーローの役割を果たしている。
神話との関連性
‣英雄願望
狛枝の「”超高校級の希望”になりたい」という欲望は、言い換えれば英雄願望である。彼の思い描く”超高校級の希望”像とは、皆に讃えられ、偉業を後世まで伝えられ、銅像が建てられるようなものであることは5章での彼のビデオメッセージから分かるが、それはまさしく神話などに出てくる英雄と呼ばれるような存在ではないだろうか。
‣グングニルの槍
狛枝の腹を貫いた凶器は、無印1章で江ノ島(戦刃)を貫いた凶器と同じ”グングニルの槍”である
グングニルの槍とは
北欧神話の主神オーディンが持つ槍。この槍は決して的を射損なうことなく、敵を貫いた後は自動的に持ち主の手もとに戻る。 また、北欧神話にはフェンリルという狼の姿をした巨大な怪物が登場する。ラグナロク(北欧神話における終末の日)でフェンリルとオーディンは戦うことになる。オーディンはグングニルの槍でフェンリルを貫いたのだが、怒り狂ったフェンリルはグングニルもろともオーディンを飲み込んでしまう。
戦刃むくろが所属していたのは「フェンリル」と呼ばれる傭兵部隊であり、神話と同じようにグングニルで貫かれるが、彼女は反抗できぬまま死亡する
‣左手
神話において、神が両性の場合には「右側が男性で左側が女性」という配置がつねに守られていた。(例:アルダナーリーシュヴァラ)また、ラテン語のsinister(「左手」)は「邪悪な」、「魔女のような」という意味を持つ。反対に、dexter(「右手」)には「神聖な」、「運のよい」という意味がある。
上記のことから狛枝が江ノ島の”左手”を自分に移植したことにも何らかの意図があったことを読み取れる
‣讃美歌と磔
狛枝は自分が死ぬ際、仕掛けであるモノクマパネルが倒れる音をかき消すためにMP3プレイヤーで讃美歌のようなものを大音量で流していた。敢えて讃美歌を選んだ理由があるとしたら?また、狛枝の死体は”左手”と両足を柱に縛り付けられて腹を槍で貫かれている、いわゆる「磔刑」のような状態であった。 ここで問題とする点がひとつ、磔刑といえばキリストが有名であるが、磔にされたキリストの脇腹を突き刺したのは”ロンギヌスの槍”であり、”グングニルの槍”ではないという点。つまり、狛枝とキリストを関連付けることは出来ないのである。
‣火の英雄
狛枝の設定画にはそのキャラクターデザインについて「髪の毛は常に形状が不安定で”炎”が揺れているようなイメージに」と書かれている。何故”炎”をイメージしたものなのか、それを考えるにあたりギリシア神話に出てくるプロメーテウスについて簡単に説明する。
プロメーテウスは、ギリシア神話に登場する男神。神から”火”を盗んで人類に与えた存在として知られる。ギリシア神話におけるトリックスター的存在であり、文化英雄としての面を有する。
プロメーテウスはゼウスの反対を押し切って人類に火を与えるが、これがゼウスの怒りを買い、コーカサスの山の頂に”磔”にされ、生きながらにして肝臓を鳥についばまれるという拷問を受ける。肝臓をついばまれるというのはつまり腹を突かれるということである。狛枝のキャラクターデザイン及び死に様は、これになぞらえているのではないだろうか。
‣死の崇拝
以下エーコ著『永遠のファシズム』より引用
神話学において、「英雄」はつねに例外的存在ですが、原ファシズムのイデオロギーでは、英雄主義とは規律なのです。その英雄崇拝は「死の崇拝」と緊密にむすびついています。(中略) 原ファシズムの英雄は、死こそ英雄的人生に対する最高の恩賞であると告げられ、死にあこがれるのです。原ファシズムの英雄は死に急ぐものです。そのはやる気持ちが、実に頻繁に他人を死に追いやる結果になるのだということは、はっきり言っておくべきです。
ここで前回の記事に「命を懸けてでも」と書いたことを訂正する。狛枝にとっては「命を懸けてこそ」意味があるのだ。狛枝の「希望のためなら喜んで死ぬ」という考えは上記に当てはまるだろう。
‣狛枝凪斗の誕生日
4月28日は英雄の日(バルバドス) 英雄の日と定められている日付けは他の国にもいくつか存在するが、何故バルバドスなのかは不明
バルバドスはカリブ海に位置する立憲君主制国家である。珊瑚礁が多い島国であり、バルバドスを含めた6つの独立国をウィンドワード諸島と呼ぶ。ジャバウォック島は5つの島と中央の島、計6つの島からなるが、形や配置に類似性はない。また、バルバドスの国旗には三叉戟という槍のマークがあしらわれているが、意図したものかどうかは分からない。
以上のことから、狛枝の人間性と英雄主義が密接に絡んでいることが推測できる。彼の”才能”に縛られた人生とその反動により培われた盲目的な価値観は、平凡かつ自由的な主義を持つ多くの人にとっては理解が及ばない範疇にまで達してしまったのである。
人間の貪欲・不正から「浄化」された理想世界実現のための自己犠牲は、凡人が英雄的気分を味わう方法となっている。彼らは快適主義下で暮らすよりも、「崇高な理想」のために、「荘厳さ」の中で死ぬことを選ぶ。そういった壮絶な死は、英雄的行為と見なされる。
(I・ブルマ, A・マルガリート著『反西洋思想』)
総評 考えれば考えるほど面白い 色々と深掘りができるし行動に説得力を持たせるだけの材料が存在していて素晴らしい 無限に考えることが出来る まだ足りない部分もあると思うが現時点でのまとめでした
いずれ他キャラ分も書く
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狛枝の好きなシーン
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higashiazuma · 3 years
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歯車の塔の探空士 「???号」のかがやき 生命点0点目
カリーナ号の冒険を見届けた数日後。GMは、新たな探空士たちと卓を囲んでいました。 体験卓ということで声がけをし、ルールブックが無くても参加できるよう準備をしていましたが、なんとこの卓のPLさんたちは全員ルールブックを購入済み。 ならば…やるしかないでしょう。このシステムの醍醐味である、飛空艇の設計を!! 大いに盛り上がったプリセッションをお楽しみください。
!注意! 初心者によるてんやわんや進行、身内ノリ、茶番などが大量に含まれます。苦手な方は回れ右です。
GM : では、歯車の塔の探空士、セッション開始したいと思います! 良いセッションにしましょう、よろしくお願いいたします! シシィ : よろしくお願いします~! ミカゲ : よろしくお願いします!!!! ミル : よろしくおねがいします! マーム : よろしくお願いします! GM : では最初にキャラメイクの詰めをしていきましょう~ 盤面上の自分のキャラに、名前や年齢性別などつけてあげてください
【多機能オーブン型コッペリア】 マーム : ママっぽい方が覚えやすそうだったので名前の方にした シシィ : マーム!! GM : マームさんのキャラデータに(リトルキッチンシリーズ)の銘がついてることに気付いて口からお茶が出るところでした マーム : ネタのつもりでやっているのでたくさん笑ってください GM : どんどんやってください マーム : やった!お許しを得た! マーム : 50年前はコンパクトな最新型でしたが、今はリトルといいつつ、かなりデカいはずです ラップトップパソコンなイメージ GM : 機能を盛りすぎた結果どんどんサイズが シシィ : なるほどwww マーム : この「ホットミルク」専用モードはいるのかな? GM : すごい!ホットミルクのための20もの完璧な工程が!? シシィ : ホットミルク専用モードwww ミカゲ : wwwwwww マーム : ホットミルクのためにダイヤルが3,4つついてる マーム : マニュアルが分厚い
※マニュアル全10冊+保証関係の冊子+追加機能カタログ+保守メンテナンス用冊子とかわさわさついてくるやつ。
【キャラ絵を設定しているときの会話】 ミル : デフォルト立ち絵 リットラなのでサイズ感で正解を引いてしまった気がする マーム : 始まる前から正解し続ける㍑さん ミカゲ : 完璧だ GM : ㍉㍑ ミル : ばれた GM : なんだって シシィ : なるほど…!! マーム : mLなのか マーム : たまにはデシリットルも使ってあげて欲しい ミル : 兄か父が怪しいですね シシィ : なるほどねwww マーム : 祖父にガロンとか強そうなのがいそうですね GM : ガロン強そう
※ファイアーがエムブレムするゲームでお城守ってそう。
【オッケーデスカ?】 GM : 全員個人情報の入力よろしいでしょうか! マーム : はい!正しく個人情報を漏洩しました GM : 漏洩たすかります!ありがとうございます!
※たすかります。
【探空士スキルを決めよう】 シシィ : 年を微妙に悩んでますが、初期キズナどころで決めます! GM : はい大丈夫です! GM : では探空士スキルを割り振りましょう! シシィ : はーい! GM : 回避運動持ちの方~ シシィ : あ、確かそれだった気がする! マーム : ツタを大きく伸ばして回避の運動~ GM : ちゃーんちゃちゃーんちゃちゃーんちゃーん
※ラジオ体操第二。
GM : 他にいなければフネの舵はシシィさんに一任するということでよろしいでしょうか マーム : おまかせできたら助かりますワ! ミカゲ : お願いします! シシィ : がんばりまーす! ミル : わーいおねがいしまーす シシィ : 私の胃を守るためにがむばってくれ…… GM : では探空士スキルのところに記入をお願いします! シシィ : はい! GM : 次、弾道学持ちの方~ マーム : どうだっけ!?その辺がとりたかったな~と思ってたけど話し合いを忘れてしまった GM : ここで話し合ってくれて全然良いのですよ ミカゲ : コッペちゃんが弾道大学を志望してた気がする マーム : 人権ないけど弾道大卒業していい? GM : 探空士学校弾道学専攻ブッコワスゾコースですね シシィ : ブッコワスゾコースwww マーム : コッペリアとして合格したからカウントされなくて合格枠が一人あいた マーム : いやむしろ、カウントされないからもうもぐりでとったかもしれない ミカゲ : そこにないのでなかったコペ権
※そこに無ければ無いですね。
GM : 弾道学ユニットを搭載したのかもしれない マーム : 教室にあるオーブンとして弾道学を学びました GM : ソレダ ミル : 設備!! シシィ : なるほどな!? ミカゲ : ホットミルク出しながら学んできたのか… マーム : 休み時間になるたびにパンを温める学生たちが後をたちませんでした シシィ : なんていい教室なんだ…… マーム : 少し別の設備と動かすとすぐ水蒸気ブレーカーが落ちました
※きっと旧式なので燃費が悪い。
GM : では探空士スキルに記入をお願いいたしますね!他に弾道学専攻したい方~ マーム : 確か誰かは被るんだよね GM : ですね。他にいなければお二方は鳶職です。頑張ってマルチに駆け回ってください! ミル : とびとびが やりたい 得意そう マーム : 飛び級コースですか ミカゲ : 能力的に鳶職で修理人を目指す感じです GM : はい!では探空士スキル欄に「鳶職」と記入をお願いします! ミカゲ : 記入しました! ミル : エンダーマンくらい移動します マーム : チェスト隠さなきゃ…… GM : リットラはガチでエンダーマンみたいな距離移動するので怖いなと思います ミル : しゅっ シシィ : ガチのやつだ! GM : 鳶職お二人は、記入したら「移動力」を1点増やしてください! シシィ : 素早いものが多い ミカゲ : こっそり湯沸かし器でカップラとか作ってよう シシィ : 素早さの活かし方www GM : これでミルさんの移動力がシシィさんとマームさんの二倍になるわけです シシィ : ふぁ マーム : なんてこと!カップラは��ーブンでブンしてくれ! GM : カップラはブンしたら焼けるのでは!? マーム : 大丈夫ですワシシィさん!私たちが力を合わせれば……! シシィ : そうだ!それだ!!合体! ※なんで? マーム : シュン! GM : 植物と機械が合わさりさいきょうにみえる シシィ : ほんとだ。すごく最強だ ミカゲ : 「まずいんだが」 GM : あーっとしかしここで味に駄目出しが入ったーー ミカゲ : だめだ力がでないもうだめだ シシィ : 死ぬなミカゲーっ マーム : 出発する前から一人倒れてしまった GM : かわいそうに system : [ ミカゲ ] 移動力 : 3 → 4 system : [ ミル ] 移動力 : 6 → 6 GM : 移動力おっけーです!ありがとうございます! ミル : ココフォリアに悪戦苦闘してる間にカップラーメンとミカゲさんがダメになってしまった
※なんでだろうね。
マーム : 私員数外だからドッジボールでもずっと外野なんだ……ミカゲさんが倒れても助っ人に入れない…… マーム : 代理になれない…… GM : ずっと外野、最強では マーム : やっぱりぶつけられても永遠にセーフ!判定が入って永遠に内野にいるほうがより悲惨だろうか ミカゲ : 判定してもらえないコッペ… シシィ : コぺ虐ぅ GM : シシィさん、キズナの処理ですが、もう決めてしまいますか?シナリオ開始してからにしますか? シシィ : あ、どっちがいいでしょう! GM : 決め打ちしたいか、流れでなんとなく決めたいか シシィ : 正直、積極的にキズナをぶんどりにいこう……と思っているので、誰でもウェルカムなんですよね シシィ : 生命点を回復したい子よっといで的な マーム : 楽しそうだけど備品だし主人公として映える人がよさそうだな~と思っていた 誰がいちばんケガするポジなのかな? GM : データ的な処理が始まるのはフライトフェイズからなので、私としては導入終わってから決めてもらっても大丈夫です! シシィ : 流れできめる~~それもいいなぁ…! シシィ : あ、じゃあそうします!>導入終わってから GM : はーい!ではそういうことで! マーム : はーい!
【飛空艇を作ろう】 ※GMも初の飛空艇設計ということで、途中までルールがふわふわしたまま進行します。途中で正規ルールに修正されますので生温かく見守ってください。
GM : では皆さんお待ちかねかもしれない、飛空艇の建造を行います! 場にはサンプルとしてアルバトロス級のデータをご用意しています シシィ : やったーー!!建造だーー!! ミカゲ : ふーね!ふーね! ミル : (あわててルルブをめくっています) GM : 基本的なルールはP54からですね。ご相談のうえ、納得のいくフネを作ってください マーム : 基本的にデータ詰めるのがあんまり得意ではないので、フィーリングで希望を出してきたいな~ 面白そうな奴…… どれどれ GM : 原則的には、パーツの底辺が繋がっていて移動経路が確保されていればオッケーです。パーツの上下には、はしごかエレベーターが無いと移動できません GM : 武装系パーツの威力の見方 Dxx(攻撃範囲:P104参照)/x(攻撃回数) シシィ : どの設備も魅力的でとても悩む…… ミカゲ : 船の図書室にとても浪漫を感じる シシィ : すごくロマン マーム : いいとおもいますワ! ミル : 殺人光線がある!(完全に名前だけ見て言っています)
※運命の一言であったという。
マーム : 私もすごく気になっていますワ! マーム : 火炎放射器か殺人光線はどっちかの文字列があったら心強くて愉快だなあと思う マーム : 火炎放射器にはこれからの(空戦の)常識を変えるって描いてあるし…… シシィ : なにそれかっこいい ミル : 人間への……憎悪がある……?って震えています マーム : 違いますワよ!新しい常識には適応したいだけですワよ! マーム : まあでもこの船人間さんいないよね ミカゲ : 殺人光線、説明文に「これを使うぐらいなら大砲を使った方がマシ」と書かれてて、俄然好きになってしまった シシィ : wwwww マーム : やっぱり殺人光線は必要じゃない? GM : GMですが船員が物騒です マーム : 毎日プールの消毒槽みたいに殺人光線を浴びるの
ミカゲ : 船たるもの光線くらい出せなきゃな
シシィ : そうだね、船だもんね GM : 「船たるもの光線くらい出せなきゃな」で声が出ました ミル : チッチッチ、ただの光線じゃないよ、怪しげな光線 ミル : しかも効果音はビビビ マーム : そこなの!そこ!かわいい! マーム : でも効果が実はよく分かっていないんだ 何を選んでるのかなこの数字は GM : 例えばD46だと GM : 着弾点がここだとして GM : これが攻撃範囲ですね(P104) GM : D46/1なのでこの攻撃を1回 マーム : ほう……?ほう……?
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マーム : なるほどね!Dがまんなかで位置をあらわしているのか ありがとうございます GM : カノン砲を試射してみましょうか GM : D/4 D/4 > [縦4,横9],[縦6,横8],[縦6,横10],[縦3,横8] ミカゲ : 着弾点をDとして、指定された周囲の数字マスにも着弾だ 789 4D6 123 シシィ : テンキー!
※天才の洞察力。
ミル : すうじがいっぱいあってすうじがいっぱいあるなっておもいました GM : 「D/4」だと攻撃範囲はD(1マス)で、4回撃つのでこんなかんじ!
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マーム : 待ってくれ……すごく軽い気持ちで遊覧飛行に来ようと思ってたんだけど結構……この船墜ちる!? マーム : 楽しくなってきちゃったな ミル : 攻撃範囲がD!なるほど ミカゲ : 意外と生き急ぐなこのコッペ GM : そのための回避運動 GM : オラわくわくすっぞ シシィ : ひっ ががががむばる マーム : もう保証対象年過ぎちゃったからね マーム : あとは打ち上げ花火だよ マーム : 夢だった弾道大学も行けたしね…… ミル : 移動力が6もあるので自分だけ逃げ延びられないか考えています GM : 飛空艇は空の孤島なんだよなぁ シシィ : おちるときは皆一緒だよ! ミル : 移動力が6あるのに!?!??! GM : 一蓮托生! ミル : リットラなので蓮の上でスペース取らないですしね シシィ : 座布団あげたい>蓮の上でスペース取らない GM : 蓮の上…員数外… マーム : 座布団を配置するか マーム : バリスタでコーヒーいれよう?って思ったら違った モンハンのバリスタだ マーム : 操縦系と機関系が一つ必要なんだね GM : ですです マーム : 操舵系でご希望ありますかみなさま! マーム : 今私は革張りがめっちゃウケるなというところだけ読んでいる GM : ぶるじょわ GM : 操縦系と機関系が一つ あとは員数分の「居住性」を持つパーツが最低限必要です。倉庫も依頼に必要なので配置してほしい気持ち マーム : よし倉庫を配置しましょう! マーム : なんか転がり込んでくるみたい! ミル : しゅっ ミル : 難易度をいくつにする系がほしいとか ありますかね GM : 判定の難易度は基本的に2d6で7になるので、難易度下げる系はシンプルに便利です ミル : かっこいい革張りはかっこいい シシィ : なによりかっこいい革張り マーム : 革張りはかさばるようだし、効果がなんかちょっと玄人っぽさありますよね……ネタとして好きなんですけど! ミカゲ : 快適な革張りいいな マーム : あとはしごって1列バーって配置しておけばいいのかな GM : 連続しておかなくても大丈夫ですけど、連続してたほうが導線はスマートになるかなあと ミル : 使いやすいとこに一列ばーってやっとくと多分まとめて駆け上りたい時にS字クランクせずに済む なるほど ミカゲ : 候補に入れておいて、はみ出しそうなら考えよう>革張り シシィ : 回避しやすいのがいいかなぁ 革張りすきだけど シシィ : うんうん マーム : 了解です!ありがとうございます!
※この時点ですでに全員「革張りの操舵輪」にだいぶ心を動かされている。
ミル : 逆に回避の難易度を上げることもできますよ!!(どうして)
※「コックピット」のこと。1×2マスの省スペース設計。ただし回避の難易度は8となっております。
ミカゲ : 自ら追い込んでいくスタイル GM : デモ 省スペース ダヨ! シシィ : ドオシテ
※「回避運動」担当のかぼそく震える声。
ミカゲ : あと人数分の船室? マーム : 3人分でいいですからね!と思ったけどNPCさんが…… マーム : 倉庫におすまいアリエッティなのかしら GM : アリエッティです GM : 倉庫はNPC1名を収容しておけるので ミル : しまっちゃえる マーム : 親近感を感じます シシィ : しまっちゃう庫 マーム : 機関系がホブゴブリン気になるな……フライクリスタルとマッドブイエイトはなんか使い方が難しそう マーム : めちゃくちゃ好きなんですけど GM : マームさんは「員数外」なので「居住性」があるパーツを必要としません もちろんあえて船室を用意することもできます ミル : アホの科学者が発明したどうしようもない装備、ちょくちょくあってつい誘惑されます
※機関系パーツで言えば「マッドブイエイト」のこと。玄人探空士たちはこれと「突撃衝角」でヒャッハーしてるっぽいのが、公式タグで散見されます。
マーム : いいんですよ、私は……私は革張りの操舵輪のところに住みますから マーム : めっちゃ快適 GM : 一番快適なとこだぁ マーム : モノなんで消防法的にも大丈夫ですわ お気になさらず シシィ : 私の中の提督心が宮沢式発動機改二!!!て騒いでるけど、 速力と燃費がいいやつがよさげだね GM : 宮沢式は省スペースなので被弾しにくいメリットはあります マーム : 速力と燃費があるんだねえ シシィ : メリットがあった! ミカゲ : フライクリスタル、ミカゲのHPで燃素を補えるのか
※運命の気付き。
シシィ : えっまじ マーム : かまたき?ができなくなるらしいぞ マーム : ご飯食べられなくなるかも知れない ミカゲ : じゃがりこあるから大丈夫 マーム : ならいいか GM : フライクリスタルは燃素を燃やすかわりに命を燃やすので シシィ : 命を燃やす船…… マーム : フライクリスタル揚げる? マーム : いや!速力が2しかないぞ ミカゲ : 速力2 ミカゲ : 命を燃やして速力2 マーム : 速力が2しかないということがどういうことかはわからないんだけど GM : メリットは、いちいち燃料投入しに行かなくていいとこですかね GM : 速力はイニシアチブチェックで同値になった時に速力が高い方が優先されます ミル : もっと燃やして燃やしてって声かけるの、やだなあ(そっと命を燃やす側からのがれる) マーム : 防御力が0になるけどMPの消費が0になる装備とかと同じくらいやりこみゲーマー向けな気がする GM : 燃費は…戦闘でラウンド終了時に1ずつ減っていくんですが、0になって放置してると航行不能になります シシィ : つまり毎ターン命を… GM : 皆で命を削れば大丈夫❤
※本来、フライクリスタルは「魔法スキルを修得しているキャラクター」の生命点を使用しますが、GMは全員の生命点を使用できると勘違いしたままセッションが進行します。ご了承ください。
シシィ : 命!皆で削れば怖くない! マーム : 私はコッペちゃんなので燃料にはなりませんワ マーム : 魔法使えないと思うんだ多分 マーム : ゴミに出すときも粗大ゴミのシール貼らないとダメだと思う GM : 魔法使えなくても消費対象に選べるから大丈夫です^^
※本来は消費対象に選べないのでだいじょばない。
シシィ : やったね! ミル : よかった! ミカゲ : 全員等しく命を燃やす船になれる マーム : いのちの輝きじゃん マーム : まかせてくださいよ…… マーム : この船に貢献できることを嬉しく思います マーム : 中の人が漏れ出しすぎてキャラクター性が分からなくなってきた GM : 特攻兵のそれだあ GM : キャラクター性は歪むもの ミカゲ : 開発者の人格が漏れてしまう ミカゲ : 今ピックアップされてる装備だけでもだいぶ愉快になってきたな!! GM : スゴイフネダァ マーム : 私、殺人光線さえあれば笑いがこみ上げてくるので、どんな船でも実は満足できますワ マーム : カップヌードル食べたくない?湯沸かし器いる? ミカゲ : カレーヌードル食べたい シシィ : 湯沸し器はなんか他のパーツとシナジーがあったし、置いてた方がよさそうな感じする ミル : シーフード味がいい シーフード……? マーム : 効果が簡単そうでいいですよね湯沸かし器 不得意を得意にでしたよね GM : 見張り台 スゴイサムイ 湯沸かし器でお茶ノム アッタカイ 見張り台 サムクナイ マーム : シナジーもあるのか!流石蒸気機関だなあ ミカゲ : 役立つ!!! シシィ : さむくない!! マーム : 見張り台もおすすめされてる気がする カートに入れて良い? ミカゲ : 偵察系かな? マーム : この湯沸かし器を買っている人はこんな見張り台も買っています! GM : 見張り台で偵察判定をして手に入る「手がかり」は、道中表を振り直せます マーム : ですね!p64 ミル : いろんなみはりだい!! ミカゲ : 二人で入れるデートスポットみたいな展望デッキもあるのね シシィ : 展望デッキも良さそう…洗濯物とか干せそう ミル : 相手は付属してこない シシィ : デートスポットを洗濯物干しにしてしまった ミカゲ : 生活感 ミカゲ : かなしい 一人でお茶入れて一人で洗濯物干す マーム : 員数外なのでデート相手に入らないんですね GM : なぜ偵察系パーツは物干し台になるのか ミル : そこに洗濯物があるから
※???「チュン……」
マーム : 私とデートしても「一人で何してたの?怖……」って言われる GM : 「え…コッペリアと…」「備品とデートしてたの…?こわ…」 マーム : あまりにかわいそう マーム : 展望デッキも好きです!兵器足りなくなったりするかな?おけるかな? マーム : あ、展望デッキも白湯でしのげってかいてある GM : サムイヨ マーム : カートにいれる?あとでまとめて注文しよう ミカゲ : お空の上だもんなあ GM : 操舵系の「ブリッジ」でも偵察判定できたりする サムクナイ シシィ : なるほど…! ミル : すごい マーム : 色的に赤が足りない気がする…… マーム : お弁当の彩り的に ミル : たんぱく質系ですね シシィ : 彩は大事 ミカゲ : 武器を調達だ マーム : どれが実用的なのかピンときてないんですよね マーム : 殺人光線はピンときたんですけど ミル : 殺人光線はだって 殺人光線だもの シシィ : ビビビ マーム : ビビっと来ましたね GM : 純粋に手数の多い兵装は楽しいと思います マーム : 独特な発射音からポンポン砲と呼ばれている……ラピッド砲…… マーム : これ、これあったらギャグ補正で生き残れる気がしませんか? マーム : 墜ちても次のセッションの時には治ってそう ミカゲ : るるぶに「小さなパーツを取得するほど飛空艇全体は強力になっていく」と書いてあった GM : P70ですね マーム : フライクリスタルしまってぜんぶファルコネット砲にする?9マス マーム : すごいTASとかがやりそう GM : 面積が狭いと被弾する確率が下がるということです マーム : GMの解説!天才的だ! マーム : フライクリスタルって人の命を燃やしておきながら9マスで速度2なの? GM : ソウダヨ マーム : 好きになっちゃう…… ミカゲ : でかいほど格好の的に! ミカゲ : 殺人光線といい「何でそれを船に?」みたいなラインナップが揃ってて、好きになっちゃうこの船 GM : 「釜炊き」分のアクションをしなくていいのが長所ですよろしくね💗 シシィ : かわいい……好き マーム : 私としてはかなり完璧な船だと思うんですが、どうも感覚がわからなくて、GM的に「やめとけ」ってところはありますか マーム : 今のこの最高の船に…… GM : 武装はもういっこあったほうがいいかなとは GM : 自由移動枠が三人いて、今だと二人しか攻撃に参加できないので マーム : ありがとうございます! ミカゲ : ヤッター!武器積もうぜ! マーム : やっぱり彩りなんだよ
※そのりくつはおか…いや合ってるのか…?合ってる気がしてきた…ウン……
シシィ : あー3つあったほうがいいか…! ミカゲ : ひとり1武器 シシィ : 長射程とかついてるのはなにかボーナスがありますか? GM : 射程に関してはP60です! ミル : ほうほうほう シシィ : ありがとうございます! GM : 長距離はレンジが「長距離」の時の「難易度上昇」を無視できて GM : 短距離はレンジが「長距離」だと攻撃回数が1回になるデメリットがあります ミカゲ : おお~~~~~ マーム : リボー砲が必殺っぽいアクションがあるようだ…… GM : 武装3つというか、3マス分ですね マーム : けど横3マス……あ、殺人光線の隣あいてない? シシィ : あ、なるほどなるほど! GM : リボー砲は誰かがアクションでパーツを使用してからでないと砲撃できない浪漫砲となっております ミル : 殺人光線は2マスで2人入れるからあと1マスが必要? シシィ : ロマン砲だー! マーム : ロマン砲なのですか!ちょっと弾道大学では習ってないかも…… ミル : ロマン!すき!! マーム : やっちゃう?合体攻撃? ミル : できるかな!?できるかな!!? ミカゲ : 浪漫乗せていこうぜ マーム : 被空挺はロマンでとんでいますからね マーム : ロマンが尽きたときには墜ちます GM : ツイッターァだったらいいねしてました GM : パーツ決まったら導線考えつつ良き感じに配置していってくださいね~ マーム : リボー砲カートに入れました ミカゲ : 当船は浪漫と皆様の命で飛んでいます マーム : GM!普通お船ってぎっちぎちに配置するもんですか? マーム : お弁当のように? GM : 卓によります!! ミカゲ : 船室とはしごの間の空白を埋めないと、全員見張り台経由で移動することになる? ミル : なんか大事なパーツは外ににがしてあげろって記述をどっかで! シシィ : あったあった真ん中よくないって マーム : 大事なパーツって殺人光線かな? GM : パーツ間は上下移動できないので GM : 現状だと船室二か所と図書室と展望デッキに入れませんね マーム : ひどい導線をつくったせいで船員2人が遭難した ミカゲ : 船内で孤島ができてしまったな GM : でも導線考えると真ん中にあったほうが行きやすい…というジレンマ シシィ : ああ~~~ マーム : じゃあたてにながいやつははじっこがいいかな マーム : 機関パーツだし……ってことであってるのかな ミル : (パーツ取得上限をみています) GM : 全マスみっちみちにしても良いんですよ GM : なお戦闘 ミル : 52ページの上限が……! GM : あ、そうだそうだ失念してた!
※マジで失念していました。ミルPLさんありがとうございます。ここから正規ルールでの飛空艇の設計が始まります。
ミカゲ : (ニョリニョリパーツが動いていてとても楽しい) ミル : にょりにょりってかわいい GM : 機関系はどっちかいっこですね マーム : 命を燃やすか…… ミル : 迷いなく修羅の道突っ込んでてすき シシィ : 安定でいくか、命を燃やすか… GM : 偵察系もどっちかいっこ ミカゲ : 見張り台or展望デッキ マーム : ぐう……おまかせします マーム : はしご6つとってって書いてあるけどサンプルが5つだなあ GM : 6つ同時取得なので、何個か破棄しても良いのよ ミル : 6階建てにするときは6つなんだきっと ミカゲ : 適度にこう…生命回復の手段を画策しつつ、いのちを燃やしてみたい… シシィ : なるほどなるほど
※ロブスターMkⅣとフライクリスタル、選ばれたのはフライクリスタルでした。
GM : グッバイエッビ シシィ : 燃やしていこう いのち ミカゲ : いのちの燃える船へようこそ ミル : もえちゃっちゃ…… マーム : お客様、こういう船は初めて? GM : で、設備系もどっちかいっこ…なので、図書室or湯沸かし器ですね マーム : うおあおおおおおおおおおおおおおおそれはつらい シシィ : おーのー! ミル : 追加取得枠はそしたら砲撃系ですかの? マーム : 命燃やすから凍えてもいいんじゃない? マーム : カップヌードルは諦めて貰うけど…… ミカゲ : 図書室か湯沸かしかー! GM : ですね、武装もまずどっちか避けてもらって… GM : ハブられた子たちで敗者復活戦みたいな ミル : なるほど シシィ : 敗者復活www ミル : すごい ロマンの塊みたいな船に見える GM : ちなみに大きいパーツは底面マス意識すると導線確保しやすくなりますよ ミカゲ : 中央の殺人光線の輝き好き ミル : 殺人光線の輝き 見えた時にはだいぶやばいやつだ! マーム : 殺人光線と隣の部屋は可哀想だなあってくっつけられないでいる マーム : 私はいくらでもなんですけれども ミル : 底面マスを通って移動ってことは、でっかいパーツの上側と接してるパーツから飛び降りて移動はできないですか? マーム : 飛び降り、ダメージありましたね…… ミル : あっ あるんだ こわい ミル : ただでさえ命が燃えるのに GM : 飛び降りて移動はできますが、「落下」扱いになり、着地地点で移動が終了します GM : 落下距離1マス×1d6ダメージです ミカゲ : 結構あぶない当たりどころがある数字だ ミル : 移動力が6あるのですが!!(移動力信者) 多分そんなことしないで歩いて行けってことだ GM : レビテーションとかファーリィの飛翔能力があればペナルティなしですけどね! ミル : なるほどお! シシィ : なるほどお! ミカゲ : あ、図書室or湯沸かし 湯沸かしでカップヌードル食べられたら良いです! マーム : うう……図書室はみんなの心の中に入れましょうか…… シシィ : そうだね……いつか増築(できるのか?)しよう…… GM : 偵察系2つのオーディションは展望デッキ当確ですかね シシィ : 展望デッキに一票ぅ…! ミカゲ : 広い物干し台がほしい! ミル : デートスポット! ミカゲ : ロマンチックだね……(SE:はためく洗濯物音) GM : では最後に、好きなカテゴリからパーツ1つなので敗者復活戦ですかね シシィ : なんか機関系は上にパーツおくより、下にパーツ置いたがいいって書いてある(ヒントに) マーム : ねぇ、聞こえる?この駆動音。命が燃える音よ…… ミル : そうだ 命燃やしてた シシィ : ロマンがチックだ…… ※私の知っているロマンがチックとちょっと違いますね。 マーム : これ違うな 世界を滅ぼして見る奴だな マーム : 世界が終わってるときにやるやつだわ シシィ : 敗者復活! ミカゲ : 武器をもういっこ? ミル : GMおすすめはやっぱり武装ですの? マーム : GMのおすすめが武器でしたかしら GM : ハイ ミル : 圧をかけてしまった GM : でもPL同士で納得できるのが最良だと思います GM : 俺はこいつと旅に出る(フライクリスタルゥ)的な ミカゲ : 命を燃やしながら革張りと展望台で、現状とても納得のいく船です マーム : 私、殺人光線さえあればあとはなにもいりませんワ! シシィ : こんな素敵な船がおちたら泣いちゃうから、武装でよいと思います! ミル : 短射程ちゃんじゃない武装がいてくれると心強いです シシィ : あ、殺人光線、短射程か…! マーム : なに砲にしよう 一人一個じゃないって聞いて直感で……強そうだからリボーがいいなーって言っちゃったけど別に専用じゃなかったんですよね マーム : リボーちゃんでいいのかな GM : 短射程武器でも操舵士がイニシアチブ取り続けてレンジキープすればいいんですよ(ニッコリ) マーム : フライクリスタルちゃん、ふわふわだからね シシィ : でもこの船の速力は、、、 ミル : フライクリスタルでね ミカゲ : 短距離しか飛ばないビームで愛しさが増してしまった GM : びびび(距離減衰) シシィ : かわいい マーム : リボーを展望デッキの上あたりにはりつけていいのかな ミカゲ : リボーちゃんで良いですよ! GM : 展望デッキは「外周限定」なので マーム : アッ GM : 外の空気が吸えるところにおいてあげてくださいね ミカゲ : 船室1個よせる? ミル : デッキは一番外側!なるほど! GM : 形になった! ミカゲ : やんややんや!!!!! マーム : 上の出っ張ってるはしごいる?あれロマン?
※初期取得分のはしご6個分をそのまま縦にだーっと並べて配置している。
マーム : ロマン部? ミル : ロマン部 マーム : なんか潜水艦だったらあそこから狙われそう ミル : よりによってそこが壊れて「上のはしごー!!!!」って全員で泣くやつ GM : はしご、「耐久無視」ついてるのであっても困らないんですよね実は ミカゲ : 予想外の強さ シシィ : あ、機関系ってどうなんだろ、P70に上に置くほうがいいよ~て書いてあったんだけど GM : 機関系というか、縦に長いパーツはってことですね シシィ : あ、なるほど。縦に長いパーツ マーム : フライしてみた……あっそうなんだ GM : 上にならはみだしても底面マスで繋がってるけど、下だと底面マスが遠いのでちょっと困る GM : って感じです ミル : ははあん マーム : フライ返ししてみたよ
※フライクリスタルの位置を交換してみたよ、の意。
マーム : 殺人光線を浴びなきゃ命を燃やせなくなってかなり愉快だからコッチが好きかも知れない シシィ : wwww GM : 革張りの総舵輪…もうちょっとアクセスしやすいとこだと修理しに行きやすいかなぁと GM : とはいえ移動力6リットラがいるしなあ ミル : おおお マーム : ど、どう?倉庫がGoogleマップで徒歩5マスになったかもしれない シシィ : 隣接した! ミル : した! シシィ : 室近な職場だ! GM : あとはいかがですかね乗員の皆さま マーム : みんな自分の部屋を決めなよ! ミカゲ : わーいお部屋だーーーー GM : あっ、自室決めるのいいですね! GM : すごく良い!!
※GMは1卓目で某PCさんの船室と某NPCの船室が吹き飛んだのを知っている。
ミル : ��の絶妙にあいたところにもう一部屋ぶちこむかどうか ミカゲ : 空き部屋だ マーム : あ、それはいいですね GM : 船室はプレイヤー人数分なので、取得できますね シシィ : お部屋増えた!やったー! シシィ : じゃあせかっくなんで、操舵近いとこを! マーム : 一人だけお部屋離れてたらさみしいだろうし…… マーム : かわいいシルエットになってきたな GM : パーツ数が11個で、3で割って切り上げなので耐久度4で~…
※飛空艇シートの耐久度、速度、燃費を埋めていくGM。
GM : ヨシ! ミル : やったー! シシィ : やったー!! GM : リボー砲の下の部屋騒音すごそうですね シシィ : どっかんどっかん ミル : ほんとだあ マーム : うるさいところ私置き場にしておく? ミル : もしかしてロマンはしごとかコッペパンルームとかのおかげで耐久ちょっと上がった? ミル : はしごはちがうか マーム : 私オーブンなので……湯沸かし器に近いと安心しますし マーム : いや、対抗意識燃やしちゃうかも知れないな GM : 船室(調理スペース) シシィ : 湯沸し器に近いと安心するオーブン、ときめいちゃうな ミル : やんややんや ミカゲ : 弾道大学出だし、リボーちゃんへのアクセス良いとこ合ってる気がする マーム : 弾道大学でみんながオーブンを待ってるときに……湯沸かし器に群がるカップヌードルを持った学生たち…… マーム : 私はオーブンなので、ただブンするしかなかった GM : かなしいかこが シシィ : ライバルだったか……
※湯沸かし器の隣の船室に「マーム置き場」と記入するGM。
マーム : マーム置き場にしていただきましたわ!ありがとうございましたわ! マーム : というわけでカップヌードルを沸かすときは私の部屋の前を通って貰いましょう ミカゲ : ブンをオススメされそう GM : ボーダレスしたいだけなのに視線を感じる… マーム : じ…… GM : 貴方はカァップヌゥドゥにお湯を入れようとしますが…ここで聞き耳を GM : いえなんでもないです ミカゲ : ブゥン……(かそけき音) GM : ヒッ マーム : リボー砲がうるさいからな…… GM : 1d100とか振って数字大きい順にお部屋とっぴしたらどうですかね マーム : 殺人光線へのアクセスが近い部屋が誰のものになるかが気になる ミカゲ : シシィちゃんが革張り部屋の近くだよね ミル : 移動力が6あるので!!!!!気にしないです!!!! シシィ : あ、一番下のにしようかなと!希望者いなければ! GM : たぶんドアの外からみょんみょん(アイドル音)言ってる GM : シシィさんのネームプレートかけときました シシィ : やったー!ネームプレートだー! ミカゲ : じゃあカップヌードルにお湯入れに行きやすい上から2番目のお部屋にしたいです! マーム : もしかして㍑さんはあれか……3駅とか マーム : 平気で動くタイプかってぼけをかまそうとして途中送信してしまった GM : あまりにもつよい ミル : しゅっ シシィ : 行くのか…殺人光線…
※殺人光線最寄り徒歩10秒の船室という胡散臭物件を船長がカップラしたいという理由で取りに行ったことに動揺を隠せない(と思われる)シシィPLさん。
ミカゲ : これでブンもお湯も入れ放題よ マーム : 最高の環境を手に入れましたね GM : ネームプレートかけときました~ご確認ください ミカゲ : わーい! お部屋だー! ミル : わーいわーい ミル : (跳ね回る) GM : あざといリットラだ!! マーム : かわいすぎん!? シシィ : かわいい! マーム : 寝てたら上から天井にぶつける音とか聞こえるのいいなー GM : では…これで完成としてよろしいでしょうか! ミカゲ : はーい!! マーム : 最高の船になってしまった…… シシィ : はーい! マーム : ありがとうGM!大丈夫です! ミル : わーい!
【飛空艇の名前をつけよう】 GM : では仕上げです!フネに名前をつけましょう! シシィ : 名前!! ミル : elonaの名前ロール表みたいなのどっかにあった! ミカゲ : お名前どうしよう!!! いのちのかがやき くらいしか思い浮かばない シシィ : それだよ ミル : それだわ マーム : いいと思う GM : いのちのかがやき号 ミル : いのちのかがやき号 GM : オッケーデスカ? シシィ : オケデス! マーム : Brightness of life号 マーム : 決まってしまったな…… マーム : 最高の名前が…… ミカゲ : 決まってしまったわ…… シシィ : あ、なんかすごいかっこいい GM : 英語にします? ミル : 最高のやつだ GM : ブライトネスオブライフ号 ミカゲ : かっこいい! マーム : バーニングのほうかもしれない ミカゲ : 燃やし始めたwwww GM : バーニングライフ号 シシィ : wwwww ミル : 生き急ぎ感が出た マーム : いのちのかがやき号いいな…… マーム : なんかこのいのちのかがやきという要素が入っていれば私は全てが最高ですね……英語でもひらかなでも…… ミカゲ : ひらがなの、NHK教育っぽい響き マーム : なのでおまかせいたしますワ! シシィ : なやましい!どっちも好き! GM : どうするーあいふるー マーム : ダイスに聞きますか? ミカゲ : そうだ、ダイスに聞こう シシィ : それでもよきよき! ミル : 賛成! マーム : ミルさんがはねてる マーム : かわいすぎる マーム : 口に含みそうになる ミカゲ : ブンしないでペッして マーム : しまったついうっかり収納してしまった GM : チンされちゃう ミル : オーブンにも1人入れられるってことですか シシィ : そうか、口含む=ブン!になるのか…! マーム : 1,ブライトネスオブライフ号 2、英語表記 マーム : 3.いのちのかがやき号 マーム : とかでいいですか? ほかなんかなければ……GMおねがいします! ミル : わーいわーい ミカゲ : 3択オッケーです! GM : 私!? GM : じゃあ振りますね マーム : えへへ やったあ
GM : 1d3 (1D3) > 3
シシィ : wwwwww マーム : NHKですね ミカゲ : いのちのかがやき号が爆誕だー! シシィ : いのちのかがやき!いのちのかがやき!! ミル : 大好きになっちゃった ミカゲ : 船内にパプリカ流しておこう GM : では船名は「いのちのかがやき号」に決まりました! GM : ではいのちのかがやき号の栄えある船長を選出してください! マーム : 個人的にはいのちのかがやき=ミカゲ君の血液という気がするんですが シシィ : それそれ ミル : すごくわかる シシィ : これどう考えてもみかげっちの船だ… ミカゲ : 僕のいのちのかがやき号 GM : 語弊 マーム : すごい笑っている ミカゲ : 船室で回復ロールしか出来ない マーム : この船に人権はないのか シシィ : そんなミカゲくんの部屋横に殺人光線なのスゴク笑う ミル : いのちをなんだとおもってるんだ ミカゲ : 多分…えーと、家ですっごい我侭を言ったら船をつくってもらえたけど、燃料をくれなかったので自前で飛べるようにしたようなアレで。 マーム : 燃料をくれなかった シシィ : かわいそうだ!!! GM : 家の倉庫に眠ってたフライクリスタルをえんやこらと マーム : 最高の設定ができてしまったな GM : 素晴らしい… GM : では…船長はミカゲさんで良いですか? ミカゲ : 革張りがほしいって通したら機関が自分になってしまった シシィ : wwwwww マーム : そこに予算かけちゃったんだ GM : みんなも命をささげてあげてね! ミル : 古めのシステムらしいし フライクリスタルくん とても正解の音 マーム : あ、私も倉庫から出てきていい? マーム : それかヤフオクで競り落として欲しい…… ミカゲ : ヤフオクwwww シシィ : ヤフオクwww
※コッペリア、オークションに出品されがち。
ミカゲ : うちの倉庫から出てくるかい、マーム マーム : いいの!?出てきたい!! GM : なぜコッペリアは競売に出されるのか ミカゲ : やったー!! マーム : やったあ!ご主人様が見つかったぞ! ミカゲ : お前も頑張っていのちを燃やしてくれ ミル : よかったよかった GM : 燃料(いのち)目当てwwwww マーム : ブンならまかせてくださいませ マーム : 私のオーブンはいつでも燃えていますワ! マーム : 命まで燃やすとは思わなかったですけれども……まあ……誤差ですワ!
GM : それでは諸々決まりましたので…導入に移ろうと思います!
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keredomo · 3 years
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『八月の光』、分厚いですよね(後半)
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 後半です。前半ではクリスマスとジョアナを中心に愛と承認についてうだうだ書きました。後半では腹を括って書ききれなかった「信仰とはなにか」問題について書かねばなりません。書き切るためにも、とにかく気合でページを進めるのみです。デスマーチ……(私はものを読むのが得意でない)。  後半で取り扱う人物がまー軒並みクズでして、奴隷労働をさせられることになった怒りをフォークナーに癒してもらうために読み始めたはずが、より一層怒り狂うはめになりました。
【主な登場人物】
リーナ・グローヴ:神がジェファソンに導き給うた。そろそろ産まれそう。
ジョー・ブラウン:自分が作った酒でアル中になるバカ。
ジョー・クリスマス:愛した女を殺し家を燃やして逃走中。賞金首。
ジョアナ・バーデン:愛の渦に飲み込まれ死亡。享年44歳。
バイロン・バンチ:おれがリーナを守る!夫に会わせてやるからな!
ゲイル・ハイタワー:実はバイロンとマブダチ。本は結構読むらしい。
 それでは参りましょう。悪態が炸裂して大変なことになりそうです。
【目次】
383ページ 頭蓋骨に蛆が詰まっているとしか思えない
395ページ 「確信」への憧憬  
403ページ ハイタワーの受け取った「おつり」
474ページ まるで死が賜物であるかのように
495ページ 黒人の神様
498ページ 罪を抱えきれない弱い人間
526ページ リーナの出産
574ページ このタイミングで新キャラ出すの何なの
631ページ ハイタワーの死/リーナの再出発
やっと読み終わりました(656ページ)
383ページ 頭蓋骨に蛆が詰まっているとしか思えない
 前半冒頭で「走る下半身」として紹介したジョー・ブラウンという男がいましたね。こいつの名前は偽名です。リーナの夫になることから逃れるために町を移り、名を変えました。本名(かどうかも怪しいが)ルーカス・バーチ、バイロン・バンチと名前が似ていた偶然がリーナを彼のそばまで運んできたのです。必然でしょうね。  このクソ野郎は、リーナから逃げて流れ着いたこの町に同じく流れ着いたストレンジャーであったクリスマスとつるんで密造酒の製造販売で儲けようとするのですが、脳が5gくらいしかないのであちこちでヘマをやらかしてクリスマスに睨まれます。とはいえクリスマス自身もストレンジャー特有の警戒心があり他に仲間にできそうな人もなく、同じくストレンジャーであるブラウンと一緒に過ごすことを選びました。宿のない彼をジョアナに与えられていた小屋に招いて共に暮らすようになると、ブラウンはクリスマスとジョアナが男女関係であることを知るようになります。へえ、こいつはおもしれえや。あの北部人の女とね。のみならず、クリスマスが酩酊して「自分には黒人の血が流れている」と独白するのも聞く。いよいよこいつの弱みを握ってやったぜ。こいつは使えそうだ。  それで、火事の現場に偶然居合わせたブラウンに容疑がかかった際、相棒クリスマスの複雑で繊細な事柄をぜんぶ、ぜーんぶぶちまけて、自分の利益に替えようとするわけです。我が身の安全とクリスマスの首に懸かった賞金の千ドルのために、知ってることをすべて警察に打ち明けて、「あいつが殺したんだ!あいつが悪人だ!」と喚く。「俺は何もかも知っている!犯人を明らかにしたんだから千ドルよこせ!」とぎゃんぎゃん叫ぶ。なんなんだこの下劣野郎は。最悪すぎる。
ブラウンはしゃべりたがった、熱心に大声でしゃべりたがり、どうやら彼がそうするのも千ドルの賞金が欲しいためだとすぐに明らかになったのだった。 「おまえは共犯証言をして自分の罪を軽くしたいわけかね?」保安官が尋ねた。 「俺はそんな証言したくねえよ」ブラウンは表情も声もやや荒っぽく、突っかかるように言った。「誰がやったか俺は知ってるんだ、千ドルくれれば話すんだ」
 ちょっと頭蓋骨に蛆が詰まっているとしか思えないですね。それとも、この時代、1930年代のアメリカの南というのは、ここまで人を貶めなければ自分が生き延びることができないような時代だったのでしょうか。
 2020年を生きる私はブラウンのキャラクターに対してはっきりと憎悪をもっていますが、当時の土地や時代のことや、信仰のもう手に負えないほどの形骸化のことに鑑みるに、彼が神を無視し、慣習を無視し、父親となってこの世に囚われることを拒み、逃げ、逃げ続け、この世に反抗して生きられるのならば何だってやる、という態度を選択するのももしかすると一つの生き様なのかもしれない、とわずかな同情の余地をもつこともできます。彼の発言や行動の迂闊さと利己心をみるに、そこまで確固たる思想があるとはまったく思えないけど、絶対ないとは言い切れないよね。
 もちろん、どう擁護しようと、こいつのせいでリーナは孕んで共同体から疎外され、こいつのせいでクリスマスはリンチに遭って死ぬわけです。  ですが、彼を悪であると断じていいのかどうかはわかりません。
 リーナはすごく晴れ晴れしく旅を続けています、この男を追う旅を。この小説のラストシーンは再びリーナの歩みで締めくくられるのですが、そのリーナの姿の晴れやかなことといったら。生きる勇気をもらえるラストシーンです。この美しさ、晴れ晴れしさは、未読の方には是非読み通して味わっていただきたいものです。  クリスマスは、これは想像にすぎないけれど、多分ジョアナを殺して一人になった時からずっと死にたかったのだろうと思います。二人で死ぬつもりだった女を一人で死なせて、彼はもう生きていくことはできなくなったような気がする。二人で死のうとしていたような女を一度人生に置いて、それから再び一人になるということはできないような気がします。
 ジョー・ブラウンの存在は、「引き金は意思を持たない」ということを示しているのかもしれません。事実、この世には、明確な意志で以って引かれる引き金なんかほとんどないのです(私たちが抗いながらも自殺に憧れる理由でしょうか)。
395ページ 「確信」への憧憬  
 これまでこの記事では愚昧な男バイロン・バンチと追放された牧師ゲイル・ハイタワーのことにはほとんど触れずにきました。どちらも物語の主要人物なのですが、どうも魅力に欠いて、それは彼らに主体性がないからだと思います。自己についても他者についても社会についても責任を有していない。呆れたことですが、一般的なことかもしれません。  動くことはもちろんsurviveするための能動的選択ですが、不動のまま耐え続けることもまた生き延びるための一つの選択肢でしょう。とくに共同体から疎外されては生きてゆかれないような状況では、動くことのほうが愚策であることが多い。  バイロンとハイタワーの両者は「耐える」ことを選んだ者でした。  ある側面では、この小説の結末について思えば、これはそういった「どこに自分を見出せばいいかわからない」ような生を生きてきた彼らを救済する物語であるとも言えるかもしれません。
「彼女はいまあなたがしているように僕を見つめてて、それから言ったんです、『その黒ん坊の名は何というの?』まるで神様が見るみたいに、人間の嘘から知りたいことだけを、尋ねもせずに、見つけだしちまうんです」
 バイロン・バンチがリーナに恋をするのも頷ける話です。確信を持つ人間は、従い続ける人間にはあまりにも眩しく見えるものでしょう。
 バイロン・バンチは、よりによってジョアナの死体と家が燃え上がっているまさにその時にジェファソンにたどり着いたリーナと偶然出会って恋に落ちます。「ルーカス・バーチ(下半身ジョー・ブラウン)を探していたら、バーチじゃなくてバンチならここにいるっていろんな人に言われたわ。バンチってあんたなのね。」みたいな感じで話します。今書き出してみて気づいたけど、売野機子の描く物語の登場人物にこういう話し方をする子がけっこういますね。『かんぺきな街』とか。
 バイロンがリーナを保護し、彼女の望みを叶えるためにブラウンに会わせてやろうとするその健気さ、甲斐甲斐しさというのは、明らかに当時理想とされていた男性像から逸脱したものです。言ってしまえば性役割が反転しています。ここがリーナというキャラクターの底知れなさで、この人、主語が一貫して「あたし」なんですよね。前半の登場人物紹介で「電波」と書きましたが、彼女を電波と言わしめる社会順応性のほうがどう考えても悪ですね。
403ページ ハイタワーの受け取った「おつり」
 『いかん、わしはせんぞ。わしはお役ご免の株を買ったんだ』。それがいまは口でしゃべる言葉ほどになって、繰り返し、執拗に、主張するように、『わしはそのために支払ったのだ、値段をごまかしはしなかった。誰にもそうは言わせんぞ。わしはただ平和が欲しかっただけだ。言い逃れもせずに彼らの値段どおり払ったんだ』。
 『 』は作中人物が頭の中で考えた会話や独白を示すそうです(原文では ‘ ’ )。ゴシック体(原文はイタリック)となっている“意識の中を走る「思考の流れ」”との違いが相変わらずよくわかりませんね。より強く現実に即している思考ってことなのかな。
 本書ではバイロン・バンチとハイタワーの対話に少なくない紙面が割かれているのですが、この箇所ではバイロンがハイタワーにクリスマスを助けるための嘘をついてくれないかと懇願します。  バイロンはハイタワーに頭を下げつつ、「悪人と同様に善人にも負債が——償わねばならぬ負債が——あるとあなたに言いましたね」と話しています。ハイタワーはそんなこと、つゆほども承知していない。  先に「耐える」者として触れたとおり、そして上記の引用からも見て取れるような、「ただ悪事を犯さないというだけで“善人”である」というスタンスをとっていたハイタワーには、自分が支払わなければならない負債なんか到底あるとは思えないのです。  しかしその後、ハイタワーはほとんど自らの意志で「おつり」を受け取ることになりました。
 この場面の前後で、クリスマスの祖父母が新たに登場します。ここにきて新キャラ出すのやめろ。クリスマスの(微妙にたいしたことない)出生の秘密が明らかになると同時に、前半で触れた孤児院の「番人」はクリスマスの祖父だったことが判明します。孤児院のシーンでの描写でも完全にヤバい男でしたが、何がどうなってあんなにヤバかったのかが明らかにされて私も安心しました。詳しくは後ほど。
474ページ まるで死が賜物であるかのように
それでいてなおその音楽は冷酷で執念ぶかい性質を持ち、用心ぶかくて、わが身を犠牲にする情熱もなく、頼み、懇願するのだが、それは生をではなく、死を請い願っているのであり、他の新教音楽と同様、人々に生命を禁じるその高い調子は、まるで死が賜物であるかのように、死を請い願っているのだ。
 ハイタワーが今は自分の所属先ではなくなってしまった教会、そこで奏でられるパイプオルガンの音色について回想しているこの箇所は、明らかにイエス・キリストを擬人化(擬人化?)した挙句クリスマスに重ねている文章ですね。  この、クリスマスの心情を髣髴とさせる一節をハイタワー(堕落した牧師)の思念として描き出すのもなかなか皮肉に満ちていながら、……もしかすると、「わかりあえなさ」を強調しているのかもしれません。
この人々は喜びや陶酔には耐えられぬようであり、そこから逃避するために暴力と酒と喧嘩と祈りを用い、破滅するときにも、また、同様に、きまって暴力を用いるのだ だから彼らの宗教も当然のことに、彼ら自身やお互いを、十字架上に追いあげるようなものになるのだ と彼は考える。この音楽の内奥には、あの人々が明日はせねばならぬと知っているものに対する彼らの宣言と献身とが聞きとれるように思える。また、前の週は奔流のごとく過ぎ去り、明日に始まる来週は深淵であり、いまだけは瀑布(ばくふ)の落ち口に集まった水の流れが一つに調和して厳粛で朗々たる響きをあげているといったふうなのだ、それも弁明のためでなくて自らの落下を前にしての末期の挨拶であり、それを神へではなくて鉄棒のはまった監房に死を待つあの男へであって、その合唱ばかりか他の二つの教会の音楽も聞えてくる監房にいる男に、彼らは喜んで磔のための十字架を建てようとしているのだ。(太字箇所はここではゴシック体)
『というのも、あの男を憐れんだりすればそれは彼ら自身への疑問を生むことになるからだ、彼ら自身を憐れむ希望と必要を生むことになるからだ。だから彼らは喜んであの男を磔にする十字架を建てるのだ、喜んで。それが恐ろしいことなのだ、まったく恐ろしい、恐ろしい』
 思念はイエス・キリスト、クリスマス、そしてハイタワー自身が民衆から受ける仕打ちを重ね合わせながら、自己を守るために他者の理解を拒むという民衆的暴力の陰惨さに辿り着きます。  この箇所を他人事として棚上げすることは許されないように思われます。私たち��他者を拒むとき、それが暴力の行使にあたることにはほとんど気づきません。しかしそれは、『八月の光』あるいは聖書に描かれる実際上の血祭りとなんら変わりないと、ここにはっきりと記されていました。
 ハイタワーとクリスマスは、それこそクリスマスの死の瞬間まで一切、直接に接触することはありません。隠居しているハイタワーは、クリスマスの存在を知ってはいるものの、バイロンの噂話で聞きかじる程度です。  こうしてかつての自分が民衆から受けた迫害にあらためて思いを馳せる夜を経たことで、その後ハイタワーはクリスマスを暴力と死から逃そうとする行動をとることになるのですが、結局守りきれず、無力感に包まれたままハイタワーもまた孤独に息をひきとりました。
 直接に愛し合うことのない人間がほとんど唯一の理解者としてこの世に存在しうるということは、絶望でしょうか。それとも希望でしょうか。自分が生きながらにして享受できない救いははたして救いなのでしょうか。生前評価されなかった画家を死んでから愛でるというおこないの下劣について、私たちはどう折り合いをつければいいのでしょうか。
 死が賜物であると宣べるとき、私たちはこの生の耐え難い無力感から解放されることの安堵に支配されてしまうのでしょう。その安堵に抵抗し続けることの困難に、それでも立ち向かわなくてはならないのですが。
495ページ 黒人の神様
『坊や、なんであっしばかり見つめとるだね?』するとその子(引用者注:孤児院時代のクリスマス)は言った、『おじさん、どうして黒ん坊になったの?』それで黒ん坊が言った、『あっしが黒ん坊だなんて誰が教えたい? ええこの白人の父(てて)なし子め!』するとその子が言うんだ、『ぼく黒ん坊じゃないよ』、そして黒ん坊が言った、『おまえはそれより悪いだ。自分が何だか知らねえんだから。それもだ、これからずっと一生知らねえだ。おまえは行きて、そいから死ぬだがそれでも死なねえままだ』
 呪いがすごい。この呪詛によって、人種差別の罪、暴力でもって黒人を奴隷として使役してきた白人の罪のすべてがクリスマスに注がれています。神なき人の子に重すぎる原罪を背負わせるのやめろ。
そしてその子が言うんだ、『神様は黒ん坊じゃないよ』、そしてその黒ん坊が言うのさ、『おまえは神様が何だか知ってるにちがいねえな、だっておまえがどんな人間かは神様だけが知っとるんだからよ』。
 「神様は黒ん坊じゃない」!  その次の黒ん坊のセリフもまたすごいものですが、「神様は黒ん坊じゃない」という一節に衝撃を受けました。そうだよな、黒人の歴史においては、キリスト教が布教される(あるいは強制される)その担い手は白人だったわけで、それは書物ではなく口承と絵図とモチーフのみによって教えられたわけで、イエス・キリストは黒人の姿をしていない……。一度も考えたことがなかった。黒人にとっては、神の子は自分と同じ肌の色をしておらず、よりイエス・キリストの姿(と思い込まされているもの)に近い白人たちのほうが上等な生き物であると思わされてきたのかもしれない。白人たちも当然その傲慢に染まっていたことでしょう。聖書におけるイエスの肌は褐色であるにもかかわらず。  ここで私が割って入って「神様は黒ん坊でもないけど白人でもありませ〜〜ん残念でした〜〜〜!」と叫びながらハリセンでクリスマスの頭をはたけたら何か変わっていたかもしれません。悔やまれます。
 その直後の黒ん坊のセリフ「おまえは神様が何だか知ってるにちがいねえな、だっておまえがどんな人間かは神様だけが知っとるんだからよ」、こっちが真実ですね。どんなに正しいことに触れても、それが正しいと知らなければ受け取ることは叶わないのはやるせないものです。私もきっとおびただしい正しさを取りこぼして過って生きているのだろうな。
 それにしても、構造が明らかになるにつれフォークナーの筆力にひれ伏すばかりです。私事ですが、ここ何年かは、複雑きわまりない人生から「咀嚼可能なていどに簡易化をほどこした物語」を抽出することに取り組んできましたが、そろそろ「複雑な物語構造を組んで現実を再構築する」ということに取り組んでみたい気がしています。
498ページ 罪を抱えきれない弱い人間
 クリスマスの祖父について少し触れておきたいと思います。老ハインズと呼ばれている、町で噂のキチガイ爺です。「番人」の描写の時もやたらと神神神神言ってましたが、この人もまたあんまりよろしくない形で神と共にあり神を都合よくつかって救われたがっている人です。彼は常時、神と会話(対話でなく会話です)をしています。
老ドック・ハインズはあれが馬車に乗って出てゆくのを見送ってから、神様がおいでになるのを待っとると神様がやってきて老ドック・ハインズに申された、『おまえも行ってよろしい。おまえはわたしの仕事を果した。あとはもう女の悪業しか残っておらぬが、それはわたしの選んだ手先に見張らせる値打ちもないものじゃ』。
 クリスマスを孤児院から養父母に引き渡したあとのシーンですね。老ハインズは自分を神の使者だと思っているようです。  彼の一人芝居の滑稽さには正直ちょっと笑ってしまうのですが、直後に来るシーンはかなり切実で泣けてしまいます。
夜になると彼は言った、『神様、あの父なし子は?』そして神様が言われた、『あれはまだわたしの大地を歩いておる』、そして老ドック・ハインズは神様と連絡をとっておってそして晩になると彼は言った、『神様、あの父なし子は?』そして神様が言われた、『あの子はまだわたしの大地を歩いておる』、そして老ドック・ハインズはなおも神様と連絡をとっておって、そしてある夜に彼はもがいたり荒れくるったりしてから大声で叫んだ、『あの父なし子、神様! わしは感じます! わしは悪魔の歯と牙を感じます!』そして神様が言われた、『それはあの私生児じゃ。おまえの仕事はまだ終っておらん。彼はわたしの大地の汚れであり憎しみなのじゃ』
 ぐううう……(ぐうの音)。いやね、今となっては「私生児くらいでそんな……」という感じですが当時は気が狂うほどの罪だったんでしょう。自分の手から放してしまった孫をずっと気にして、不安にかられて、神様、神様と唱え続けている老ハインズの哀れな姿に胸が締めつけられます。ついに不安も苦しみも罪の意識も自責の念も背負いきれなくなり、ハインズは神様に「彼はわたしの大地の汚れであり憎しみなのだ」と言わしめてしまいました。  貶めることで安堵しようとする。人間のそういう弱さはよくわかります。自分の罪を自分で抱えきるには人間は弱すぎる。老ハインズと同じことを私もよくやっていると思います。でも、人間が弱いからと言って、自らその弱さを手放しに許すことは堕落にほかなりません。生きる以上、私たちはこの弱さに抗っていかなければならない。
526ページ リーナの出産
 さて、物語も終盤にさしかかっています。ついにリーナが出産するのですが、ブラウンが彼女を匿うことにしたのは実はジョアナ・バーデン邸の一角、クリスマス(とブラウン)が寝泊まりしていた小屋なんです。  クリスマスがジョアナを殺して家を焼いたそのすぐそばの小屋でリーナの子が産まれた瞬間、そこには、大人になったクリスマスに再会することで罪を許されたいと願ったものの叶わなかったクリスマスの祖父母(老ハインズら)と産婆役のハイタワーが集い、ここまできてもなお事態を我が事とみなしていなかったために医師を連れて来るのが間に合わなかった情けないバイロン・バンチが遅れてやってきて……なんというか、すごい構図ですね。ゴーギャンの『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』(1897-98)を思い出します。
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 ゴーギャンこれ。好きなんだよね。
『哀れな女だ』と彼は考える。『哀れにも不毛な女。あと一週間だけ生きのびておれば、幸運がこの場所に戻ってきたものを。この不毛の破滅した土地に運と生命が戻ってきたものを』。
 ハイタワーはリーナの小屋に医師役として通いながらこんなことを考えますが、ほんとにそうかなあ。ジョアナとクリスマスが破滅し、家が燃え上がって何もかも失われてしまったからこそ、ここに新たな生命が芽吹いたんじゃないのかな。わからないけど、そんな気がします。世界は運動し続けるもので、とどまることはないと思う。
574ページ このタイミングで新キャラ出すの何なの
 おい、もうほぼ読み終わろうとしているこのタイミングでなぜまたも新キャラを登場させる。すごい度胸だフォークナー。登場させたペラッペラの新キャラにクリスマスを惨殺させる役割を担わせるのに何の意図があるんだフォークナー。  この新キャラ(警官パーシイ・グリム)は物語に颯爽と現れて颯爽とクリスマスを殺して消えます。なんなんだ。
 留置所から逃げ出したクリスマスはハイタワーの家に駆け込み(クリスマスの祖母が彼に会いに留置所へ行き、ハイタワーが守ってくれるはずだと説いたためです)、ハイタワーも彼を追っ手の警官グリムから守ろうとするのですが、空しくクリスマスはグリムに撃たれて殺されてしまいます。
他の連中が台所に着いたとき、テーブルは横にのけられ、グリムは死体の上にかがみこんでいた。彼が何をしているのかと近づいて、一同は男がまだ死んでいないのを知った、そしてグリムのしていることを見たとき、彼らの一人は咽喉のつまった叫びをあげ、壁のほうへよろめいていって嘔吐しはじめた。グリムもまた、血だらけの大ナイフを背後に投げすてながら飛びさがった。「これで、きさま、地獄に行っても白人の女にいたずらできないぞ」と彼は言った。
 このシーンは……ちょっとあまりにも悲惨で口を噤んでしまいますが……。直後に「尻や腰のあたりの切り裂かれた服の間からは」という記述があるので、おそらくそういうことですね。一体、警官には正義の名の下にそんな仕打ちをおこなう権利があるというのでしょうか。正義は最悪。いや……マジで最悪ですね正義……。正義によって私刑が正当化されると思っている人間は本当に吐き気のする悪でしかないですね……。おえ。
彼らはこの澱んで僧院めいた薄暗さの中へ、いま彼らが彼にしたばかりの残酷な夏の光に似た何かを持ち込んだのであった。  その光の残映は彼らの上に、彼らのまわりに、ただよっていた——それは光の持つ恥知らぬ残忍酷薄な明るさともいえた。
 「八月の光」が何であったのか、端的に述べられた箇所です。  柔い光は人に優しく、あたりを照らして私たちに景色を与え、世に温度と色彩をもたらし、それは恩寵というべき恵みです。しかし、あまりにも強い光は私たちから視力を奪い、体を灼熱に焦がし、すべてを奪いつくす暴力と転じます。それは私たちの力ではどうにも操ることのできないもの、畏怖すべき自然です。  このグリム然り、『異邦人』のムルソー然り、どうも「太陽のせい」で人は道を踏み外しがちになるようです。それはお前が常日頃からきちんと責任について考えておらず、また畏れという意識のもとに生きてないからだと思います。バーカ。
631ページ ハイタワーの死/リーナの再出発
『いずれにせよ、人間の手で神様に非難や責任を押しつけえないものが、何かあるにちがいないのだ。どこかにあるにちがいない』。
 終わりから2番目の章はハイタワーが息をひきとる間際におこなう回想に充てられています。祖父の栄光、父の真面目さ、自殺させた妻のこと、などなど。相変わらずあまり反省の様子は見受けられませんが……。初めて知ったのですが、死ぬ間際にはアメリカ人にも走馬灯が見えるようです。
 それでも、上に引用したハイタワーの独白は、「八月の光」を否定しうる力強い一節に違いありません。この小説に登場した人物には、神を信じるのではなく、神に責任を転嫁したり、神を都合よく利用したり、神にすべてを預けて破滅へと堕ちていったりする者も多くありました。まともに神を信仰していたのは記憶の限りではリーナくらいでしょうか。  別に神を信仰することが圧倒的な是ということもなく、神のかの字も口にしないジョー・ブラウンのあっぱれな逃げっぷりもそれはそれでよかろうと思います。人倫には悖るし、局部を切り取られるべきはクリスマスではなくこいつなわけだが……。
 自分を手放してしまうこと、抗うことを諦めてしまうこと、すべてを「八月の光」のせいにして責任を取らないまま都合よく救済されようとすること。生きるという重圧からの解放に誘惑され、ともすれば抗い難く飲まれてしまうそういった堕落に抵抗し続けることこそ、私たちが生きるこの世界にたいする責任を果たすことに繋がるのかもしれません。
 ちゃっかり逃げおおせたブラウンを追って、リーナは再び立ち上がります。今度はバイロン・バンチも一緒です(残念ながらまだまだ片思いの模様。)。
『逞しいもんだ。男どもがあんたを踏みつけにして行っちまうと、あんたおはやつらの残したものを集めて、また進むというわけだ』
 そのとおり。私たちは何度踏みつけにされても立ち上がるのです。
やっと読み終わりました(656ページ)
 読み終わったぞーーー!!!ワーーー!!すごかった!!!  軽い気持ちで書き始めた感想文のために2周もするはめになり、私もリーナと一緒にずいぶん遠いところに来た気分です。私の読解力の低さゆえ一読では読みきれないところが結構あったので、こうして精読する機会を得られてよかった。
 しかしフォークナーの筆力えげつないな……。 
 と言うのが今は精一杯です。人の人生を初めから終りまで描き切るようなことは、今の私には逆立ちしたってできっこありませんが、「人の人生を初めから終りまで描き切るようなことも人間には可能なのだな」ということをこの20代の終りに初めて知れたので、おそらくこれから先、見ようとするもの、見えることをわかっているので見ようとすることができるもの、が格段に増えてくると思います。とても嬉しい。嬉しいな。精読できてよかったな。
 追うリーナ、逃げるブラウン、彷徨うクリスマス、助けるジョアナ、閉じるハイタワー、従うバイロン。人間同士を物語によって絡めあい、多様な生き様を浮き彫りにしつつ、フォークナーはけっしてその是非を問わない。善悪を診断しない。評価を下さない。優れた小説とはかくあるべし、というまさにお手本のような作品でした。これは個人的な感触にすぎず、後日もっと学びを深めたあかつきには撤回することになる謂いかもしれませんが、多くの小説においてはテーマがすでに正義を帯びているような気がします。気がするだけだけど……。
 というわけで、拙い感想文に長々とお付き合いくださり本当にありがとうございました。長かったでしょう……。読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます。  最後に、フォークナーがノーベル文学賞を受賞した際のスピーチより有名な一節を引用して締めくくりたいと思います。
I believe that man will not merely endure: he will prevail. He is immortal, not because he alone among creatures has an inexhaustible voice, but because he has a soul, a spirit capable of compassion and sacrifice and endurance.
 ——私は、人間とはただ耐えるだけの存在ではなく、打ち克つことのできる存在であると信じています。人間は永遠の存在です。あらゆる生き物のうちただ人間だけが尽きることのない声をもっているから、というわけではありません。人間に魂があるからです。他者を思いやり、自己犠牲を厭わず、忍耐強く耐え抜くことのできる精神を人間が備えているからです。
訳は拙訳でした。全文はこちら↓ https://www.nobelprize.org/prizes/literature/1949/faulkner/speech/
 リーナの旅は続く。わたしは次は何を読もうかな。
(2020/05/17 16:21)
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hananien · 4 years
Text
【S/D】サムと忘却の呪い(仮)1~4
ツイッターに画像で投稿しているS/D小説です。一万文字超くらい。まだ続きます。
もし魔女のロウィーナが、将来自分を殺す男になると知って攫い、殺してしまうつもりだった幼少のサムに情がわいて、自分の子として育てることにしたら? そしてハンターが”魔女狩り”に特化した集団だったら? という妄想から生まれた小話です。シーズン12の11話「忘却の呪い」をオマージュしています。アリシアやマックスという12から登場する魔女キャラにも出てもらってます(彼らはハンターだけどここでは魔女として)。
連載中の小説を書きたいとは思うんだけど宿便状態なので、ガス抜きに小話を書いてる現状です。なのでお気楽な感じで読んでもらえると。。
 サムの養い親である魔女いわく、日のあるうちの森は獣の領域。だから理性ある魔女や魔法使いは夜に活動し、昼間のうざったい太陽が地上を照らしている間は絹のシーツに包まって体力の回復に努めるのだという。サムにいわせれば怠惰の言い訳にすぎないが、夜更かしな魔女たちの生態がいとおしくもあった。何より夜の彼女らはサムなど足元にも及ばぬほど鋭い英知と魔力の使い手だ。ならば彼女たちと少しばかり生態の異なる自分が、早起きして夜の”活動”の手助けをするのは義務であるし喜びでもある。獣の領域というなら早朝の森は狩りをするのに恵まれた環境だ。彼女たちはウサギのシチューが大好きだけど、そのウサギがどこで泥の毛皮を脱いできて鍋に飛び込んでくれ���のかは考えたがらない。
 自分が何者であっても、森を歩くのが好きな男に変わりはなかっただろうかとサムは想像する。下草を踏むたび立ち上る濡れて青い土のにおい。罠にかけた小さな獣をくびくときすら、森はサムと獣のどちらをも憐れんで祝福してくれる。森はサムのびっくり箱だ。彼は自分の生まれた場所を知らない。だけど彼の親がこの森の入口に彼を捨てたとき、赤ん坊と森のあいだに絆が生まれ、その瞬間から森がサムの故郷になったのだ。※
 そうだ。森はいつもサムを驚かせてくれる。かくれんぼで遊んでいた七歳の彼を、その懐の深さで半月のあいだかくまってくれ、養い親をすっかりやつれさせてしまった時のように。
 その日、狩りを終えたサムの目の前を、遅寝のウサギが飛び跳ねていった。茂みの奥に逃げ込んだウサギを彼は追いかけた。腰には今日のぶんの収穫が下げられていたけれど、もう一匹恵まれたって困ることはない。
 茂みの中から黒い毛皮が現われた。サムは手を伸ばそうとしてひっこめた。黒くもなかったし、毛皮でもなかった。朝露で濡れた短いブロンドがゆっくりとサムのほうを向いて、彼はアッと息をのんだ。魔女がウサギを化かして僕をからかおうとしているのか。そうでなければなぜこんな場所に、サムの知らない男がいる?
 ところがブロンドの男の懐からさっきのウサギがぴょんと飛び出して、サムの脇を通ってどこかへ行ってしまった。「バイ、うさちゃん」と男はいった。寝ぼけたように、低くかすれた、それなのに、ぞっとするくらい、やわらかな声だった。
 「僕はサム」と、サムはいった。まぬけ、と森がささやくのが聞こえた。もしくは自分自身の心の声だったかもしれない。
 男は重たげなまぶたを持ち上げて、サムを見上げた。 
 「やあ、サム」
 新緑、深い湖、砂金の流れる小川。男の瞳は輝いていた。
 森はまたもサムに驚きを与えてくれた。彼は恋多き魔女たちに囲まれながら、自分が恋することが出来るとは思っていなかった。
 この時までは。
 昼過ぎから始まるブランチの席で、気もそぞろなサムに、養い親のロウィーナはけげんな視線を送る。
 「今朝のウサギ、ちょっと血抜きが甘いじゃない? 生臭いのは嫌よ、われわれは吸血鬼ではないのだから」
 「そう?」 サムはぼんやりと答える。「そうかな? それ、缶詰の肉だけど」
 「サミュエール」 ロウィーナの視線がますます冷たくなる。
 「今朝の狩りは空振りだった?」 行儀よくパンをちぎってアリシアがたずねる。彼女は見た目だけではなく、実年齢もサムとさほど離れていない若い魔女だ。母親のターシャ、双子のマックスとともに、ここロウィーナの屋敷に下宿している。
 「今朝の狩り……」 思いもかけぬ収穫があったことを姉弟子にどうやって伝えればいいだろう。いや、とサムは意識の中で首を振る。
 魔女のなわばり意識の強さといったら、狼人間が可愛く思えるほどだ。人間が――しかもどうやら”記憶があやふや”な、身元の怪しい――神聖な魔女の森に入り込んだと知れたら、ロウィーナははっきりと戦化粧をして森へ勇み、彼を排除しかかるだろう。双子のアリシアとマックスも、彼らは敵とみなした人間に容赦はしない。つまり、明日のシチューの中身が決まるってことだ。
 サムはぶるっと震えた。靴の底から顎の奥まで震えは伝わってきた。春の始まりに色づく枝先のように初々しく、美しい彼の瞳が、よく炒めてから煮込んだ紫玉ねぎの横に浮かんでいるさまを思い浮かべて。彼の肉つきのよい白い二の腕を調理するときの甘い香りを想像して。彼の肉を食べる――残酷なはずの行為が甘美な誘惑に感じる自分にうろたえて。
 だめだ、だめ。そんなことにはさせない。彼のことは秘密にする。
 「今日は、思ったより暖かくて」 サムは本当のことだけを口にする。「血を抜くのが遅すぎて、ダメにしちゃった。毛皮だけはいで、肉は捨てたよ」
 「また寄り道をしたんでしょう。狩りのあとはすぐに帰ってこなきゃだめよ。獲物を持ったままウロウロしないの」 ロウィーナは血のような葡萄ジュースで唇を湿らせる。
 「でないとあなたが獲物にされるわ」
 サムはこっそりと屋敷を抜け出し、森の男を見つけた場所まで急ぐ。
 彼はそこにいなかった。けれどたどり着いた茂みの変わりようを見て、逃げたわけじゃなさそうだと安堵する。ただの茂みだったそこは、下草が踏みならされて空き地に変わり、中心の地面は掘られていて、男が簡易なかまどを作ろうとしていたことが見て取れた。
 がさがさ音がして、薪になりそうな枝を腕に抱えた男が戻ってきた。サムの顔を見ると一瞬で表情が明るくなる。「サム!」 男は枝を足元に落としてサムに近づいた。その両手がわずかに広げられているので、サムは自分がハグされるんだと気づいた。
 サムが躊躇いながら上げた腕の下に、男の腕が入り込んできた。肩甲骨の下に巻き付いた腕がぎゅっと彼の胴体を締める。”抱きしめられた”んだ。魔女たちはサムによく触れたがるけど、頬にキスしたり腕を組んだりするだけだ。
 こうして誰かに真正面から抱きしめられるなんて、初めての経験だ。他人の体温を腹で感じるのも。
 なんて心地がいいんだ。
 「また来てくれたんだな」 男はそのまま顔だけを上げて、同じくらいの高さにあるサムの目を見てにっこり笑った。
 サムはまぶしくてクラクラした。まるで、ああ、彼は太陽みたいだ――魔女や魔法使いが忌み嫌う太陽――けれど彼らが崇める月を輝かせる光の源。
 「来るっていったじゃないか」 サムはゆっくりと、舌が絡まないようにいった。ハグに動揺したなんて、彼の笑顔にクラクラしたなんて、知られたら、あまり恰好がつかない気がした。恋に長けた魔力使いの男女のスマートな駆け引きを思い返し、取り澄ました顔を作る。「ほら、パンとジュースを持ってきた。昨日から何も食べてないって、ほんとう?」
 「ありがとう!」 男はサムのぺたぺたと頬を叩いて感謝を表した。――状況を考えれば、それは感謝のしぐさで間違いないはずだ。サムにとってはあまりに親密すぎたので、すぐには思い当たらなかった。だけど、男は四六時中、出会った人間の頬をぺちぺちしてますとでもいうように平然として、その場に屈むとリュックの中を探りだす。
 サムは早まる動悸を抑えるため、こっそり深呼吸を繰り返した。
 「どうかな、憶えてないんだ。何も憶えてない」 男は瓶の蓋を捻って開け、すぐに半分を飲み干した。よほど喉が渇いていたんだろう。きれいに反った喉のラインを必要以上に凝視しないようにサムは気をつけた。「ほんとに、参ったよ。腹が減って、おまえの捨てていったウサギを焼こうと思ったんだ。でも火を熾す道具が見つからなくて」
 「何も憶えてないって、どうしたの? どうしてこの森に入ったんだ? 町からそんなに遠くはないけど、ここが魔女の森だってわかってるだろう? それとも、よそから来たの?」
 「それが、わかんねんだ」
 「何も憶えてないの? 自分の名前も?」
 彼は、驚いたように目をしばたかせた。まるで自分に名前あることすら、失念していたように。
 その様子に異様さを感じて、サムはまさか、と思った。記憶喪失の人間が、”自分の名前を思い出せない”と悩むことはあっても、”自分に名前があること”を忘れて明るく振る舞うなんてことがあるだろうか。この異様さは、まじないの気配に通じる。彼の様子は、身体的、精神的な後遺症による記憶喪失であるというよりも、呪いによるダメージを受けている状態だと思ったほうがしっくりくる。
 でも、まさか。だれが彼を呪うっていうんだ? 中世ならともかく、このセンシティブな時代に魔女が人間を呪うなんてありえない。
 「うーん、たぶん、Dがつく気がする」 男が考え込むと眉間にしわができた。「D、D……ダリール、ディビット、違う……。デ……デレック? パッとしねえなあ……」
 「ダンカン? ダドリー?」
 「うーん?」
 「ドミニク? ドウェイン?」
 「ドウェイン? いいかもな。おれをそう呼ぶか?」
 「それがきみの名前なの? 思い出した?」
 「うーん? 多分違う気がする。でもいかしてるよな」
 サムは首を振った。彼の愛嬌に惑わされてはいけない。「もう少し、思い出してみようよ。デイモン、ディーン、ダライアス、デイル……」
 「それだ!」
 「デイル?」
 「いや、もう一つ前の」
 「ダライアス? ディーン?」
 「ディーンだ!」 男はうれしそうに歯をむき出して笑った。「おれの名前はディーンだ。それに、思い出したぞ。おれには弟がいる」
 「いいぞ。どこに住んでいたかは?」
 男はさらにしわを深くして考え込んだが、しばらくしても唸り声しか出てこない。
 サムはちらばった薪を集めて、かまどの枠を組み立てた。気づくとディーンがじっと見つめていた。
 「何も思い出せない」 あっけらかんとしていた少し前と違って、悲しみに満ちた声だった。「どうしちまったんだろう。おれ。ウサギを抱いて、おまえを見つけた。それ以前のことが、何も思い出せないんだ」
 「たぶん……たぶんだけど、きみは呪われたんだ」 サムは慎重に言葉を選んでいった。「魔女のことは、憶えてる……というか、知ってるだろ? 今ではそんな悪さをする魔女は少ないけど、トラブルになる自覚もないまま、彼女ら――彼かもしれないけど――を怒らせて、呪われるってことも、ないわけじゃないんだ」
 「呪われた?」 ディーンは大きな目を限界まで開いた。「おれが? どうして?」
 「わからない。もしかしたら違うかも。でもきみ、どこにも怪我はないようだし、記憶がないっていうのに、やたら気楽だったろ。それにここは魔女の森だよ。人間は入ってこない。基本的にはね。なのにきみがここにいるっていうのが、魔女が関わっているっていう証拠にならない?」
 「おまえはずいぶん賢そうに話すんだな」 ディーンは鼻をすすった。水っぽい音がした。「何が証拠になるっていうんだ。おれはどうすればいい? どこに行けばいい」
 「ここにいればいい」 サムは火種のないかまどを見つめて、それから首を振った。「ここじゃだめだ。ここは屋敷から近すぎるし。僕の家族に見つかったらディーンが危ない」
 「何をいってるんだ? 怖いぞ」
 「大丈夫。もっと奥に、今は使ってないあばら家があるんだ。たぶん僕しか知らない。そこにディーンをかくまってあげる。僕は魔法使いなんだ――まだ一人前じゃないけど。いろんな本を読める。それに、僕の親はすごい魔女なんだ、ディーンにかけられた呪いを解く方法をきっと知ってる」
 「まて、待てよ。おまえが魔法使い? おまえの親が魔女? おれに呪いをかけたのはその魔女じゃないのか? ここはその魔女の森なんだろ?」
 「ロウィーナは人に呪いなんてかけないよ。そんなにヒマじゃないんだ」
 「わかんないだろ」 ディーンの声に水っぽさが増した。と思ったら、彼はぽろりと涙をこぼしている。サムは頬を叩かれた時以上に衝撃を受けた。こんなに静かに泣く人は見たことはなかった。
 「ディーン、ごめん。泣かないで」 折れた薪の上に尻を乗せて、膝を折りたたんで小さくなっているディーンの横にしゃがみ込む。「大丈夫だよ。僕が守ってあげる。記憶を取り戻してあげるから」
 ディーンはサムを見つめて、まばたきもせずまた二粒涙を落した。サムを奇跡を見守っているみたいにじっと彼を待った。やがて彼は赤いまぶたで瞳を覆って、小さくうなずいた。
 「わかった。おまえを信じるよ」
 あずまやに移動して寝床を整えた頃にはもう日が暮れかけていたので、サムは急ぎ屋敷に戻らないといけなかった。夕食にはコックを雇っているとはいえ、実際に食卓を作るのは女主人であるロウィーナの指示をうけたサムだ。
 「また何か食べ物を持ってくるよ。遅くなるかもしれないけど、夜中までには必ず」
 「サム、おれの記憶、戻るよな?」
 小屋の質素な木戸を開けたサムは振り返る。戸の影で彼の不安そうな顔の半分が隠れてしまっている。サムより年上に見えるのに、心内を素直に伝えてくる瞳だけをみるとディーンは幼い子供のようだ。このまま留まりたい思いでいっぱいになる。
 彼が人間ではなかったら。彼が記憶ではなく、過去を持たない精霊だとしたら、それは森がサムに与えた贈り物なのではないか。
 彼を森の精霊だといって屋敷に連れ帰り、ターシャやマックスが連れているような使い魔として側に置く。何も知らず、誰と繋がりもない彼の唯一の主人となる。彼の食べるもの、着るもの、行動の範囲の一切をサムが指図し、彼のすべてを支配する。それがサムに、許されているとしたら?
 あるいは彼をこのままここに留め置いて、二人で秘密の生活を続ける。ディーンには記憶を取り戻す方法がなかなか見つからないといっておけばいい。小屋を出ればいかに危険かを言い聞かせれば、逃げられることはないだろう。
 違う。僕は彼を支配したいんじゃない。ただ彼に――
 「キスしたいな……」
 「えっ」
 「えっ、あっ、いや」 妄想が強すぎて声に出ていたと知ってサムは慌てた。
 「き、君の記憶は戻るよ、僕にまかせて。でも、いったん戻らなきゃ。ロウィーナは僕が家にいると思ってる。彼女は僕の部屋に勝手に入ったりしないけど、ディナーの準備に遅れたら魔法の鏡で覗かれるかも。僕がいないことがばれたら大騒ぎになる、森に捜索隊が出されたら大変だ。僕が行方不明になったのはもうずっと前のことなのに……」
 「サム、おれにキスしたいのか」
 「えっ」 サムは片手で戸にすがりつきながら唇をこすった。「なんで?」
 「なんでって、そういっただろ? おれは、憶えてる」
 そういって、自分の唇の感触を確かめるように、ディーンは舌をそろりと出して下唇を噛む。赤い舌と、暗がりでもきらりと輝く白い歯が、熟れたベリーのような唇から覗いた。サムは狩人の本能で手を伸ばした。指先が唇に触れ、湿った感覚がした。頬を滑った指が、耳たぶに触れると、そこは唇よりも熱かった。ディーンはため息を吐いた。
 「サムの手、でっかいな」
 ディーンは少し俯いて、サムの手が自分の項を包み込めるようにした。サムは夢心地で一歩近づき、両手でディーンの頭を抱く。後ろで木戸が閉まる音がする。ガラスの嵌っていない窓が一つあるだけの小屋の中は真っ暗になった。
 ディーンは目を閉じたままゆっくりを顔を上げた。親指の付け根に彼の穏やかな脈動を聞く。野性の鹿に接近を許されたときのように誇らしく、謙虚な気持ちになった。サムは初めてキスをした。
 何をいわれるかとひやひやしながら屋敷に戻ったが、ロウィーナは不在だった。かわりにアリシアがキッチンを取り仕切っていた。気が緩んだサムは今度はアリシアににやけ顔が見られないかと心配するはめになった。味見をして、雇いのコックにしょっぱいわね、でもこれでいいわ等と指示を出しながら、アリシアはサムを観察している。魔女というのはみんなそうだ。気安いふりをして他人の心を探るのに余念がない。
 食卓が完成するころにロウィーナとターシャが帰ってきた。二人が揃って出かけていたことにサムは驚いた。何か大きな事件があったのかと思い、それからあずまやのディーンのことがばれたのではないかと怖くなる。
 ロウィーナは冷静を装っていたけどイライラしているのは明らかだったし、ふだん泰然としているターシャもどこか落ち着きがない。
 「二人でどこに行ってたんだ?」
 食事が始まってしばらくして、マックスが尋ねた。サムは二人の魔女の答えを待つ間、ろくに呼吸もできなかった。ロウィーナがグラスを煽ったので、ターシャが話し出した。
 「ロックリン家よ。招待状を出しに行ったの。とんでもないことを聞かされたわ。大事が控えているから心配ね。おかしなことにならなければいいけど。ロウィーナ……」
 「ギデオンが死んだこと?」 ロウィーナはその話題を口にするのも腹立たしいとばかりにターシャをにらんだ。「大したことじゃないわ、あの腐った三つ子が今までそろっていたことが不吉だった。わざわざ私たちに話したのはサムの儀式にケチをつけるためよ。なめられたもんだわ、たかが数十年ばかりアメリカに入植したのが早いからって」
 「ロックリン家? 私もあいつらは嫌い。でもしょうがないわ、あっちは由緒正しいドルイドのスペルを持ってる」 アリシアがみんなの顔を見回す。「私たちにあるのは……実地で身に着けた薬草学に、星占術、たくさんの水晶。あちこちの流派を回って極めた最先端の魔法術。あれ……全然悪くないかも?」
 「さしずめ野草派ってとこだな」 マックスが調子を合わせる。「雑草と自称するのはやめておこう。でも、サムの儀式は予定どおりやるんだろ?」
 「もちろんそのつもりよ」
 「僕の儀式って?」 みんなが当然のようにいうから、サムは何か重要な予定を自分だけ聞き逃していたのかと焦った。ロウィーナとターシャ親子はともに定期的に魔法の儀式を行う。サタンへの忠誠を示し、魔力を高めるためだ。子どもにはまだ早いといって、いつものけ者にされていたから、どうせ自分には関係ないと思ってよく聞いていなかったのかも。
 「僕も儀式に参加できるの?」
 それを熱望していたのは覚えているが、ディーンを匿ってる今は避けたい。
 「いいえ、そうじゃない。サム。”あなたの”儀式よ」 サムが言い訳を探す間もなくロウィーナはいった。
 彼女は背筋をピンと伸ばしてサムを見た。「あなたはもう十六歳。サタンに忠誠を誓って一人前の魔法使いになる時が来たの。小さいころに教えたでしょ、森のストーンサークルで儀式を行う。この土地に住まう全ての魔女と魔法使いの立ち合いのもと、新しい魔法使いの誕生を祝うのよ」
 サムはあっけにとられた。「そんな――大事なことを、なんで――もっと前に、言ってくれなかったんだ」
 「逃げちゃうと困るでしょ」 アリシアがあっさりといってのける。「多感な思春期の子どもに”おまえは十六歳になったら”死の書”にサインしてサタン様の下僕になるんだ、それまで純潔を守れ”なんていったら大変なことになる。私もマックスも、知らされたのはその日の夕方。まあそれまでも、男の子と仲が良くなりすぎないように見張られていたけどね」
 「その反動が今きてる」 マックスが気だるそうに顔を向けて、双子はほほ笑んだ。
 「その日の夕方だって?」 サムは仰天した。「まさか、今夜?」
 「まさか。今日は招待状を出しただけ。儀式は明日の夜」 ロウィーナはため息を吐いて再びカトラリーを持つ手を上げる。「まあ、だから、明日の昼間の勉強はお休み。あなたは寝ていなさい。真夜中に始め、明けの明星が昇るまで行うのが通例なの。初めての儀式だから特に長く感じるものよ。主役が居眠りなんて許されませんからね、しっかり寝ておくことね」
 「私たちもその助言がほしかったわ」 双子が嘆くと、ターシャが「私の若いころなんてもっとひどかった。真夜中に叩き起こされて……」と話を始める。サムはそれを耳の端で聞きながら、味のしない肉を噛み締めた。大変なことになった。
 ストーンサークルはディーンをかくまっているあずまやのすぐ近くにある。ただの天然のアスレチックジムだと思っていた古ぼけた巨石にそんな使い道があったなんて知らなかった。
 ディーンを別の場所へ移す? いや、他に森に彼を隠せるような場所なんて思い当たらない。もしも永久に彼を森に閉じ込めておくっていうなら別だ――大木のうろ、崖下の洞窟、そういった場所を幾つか知っている――そこを拠点に家を作ることができる。何週間、何か月、何年もかけていいなら、サムは彼のために新しい屋敷だって建てられる――だけどそうじゃない。そうはならない。ディーンの記憶を取り戻して、彼の帰る場所を思い出せてあげるんだ。
 「ロウィーナ……聞いていい?」 サムは何でもないふうに装って質問した。「人の……記憶を消す魔法ってあるだろ? 難しいのかな?」
 当然ながら、何でもないふうに答えてくれる魔女はいなかった。みんながサムの顔を見るので、サムは急いで唐突に変な質問をした正当な理由を披露しなければならなかった。
 「思春期に……」 喉にパンが詰まったふりをして咳をする。「その、儀式のことを聞かされたって、ああそう、って受け入れる子もいるかもしれないだろ。まずは話してみないと。隠すのはあんまりだ。それで、すごくその子が嫌がったり、自暴自棄になるようなら、その時は記憶を消す魔法を使えばいいんじゃないかと、そう思ったんだ。ただ思いついたんだよ」
 一瞬、間があいて、マックスが「ひゅー」と口笛を吹くまねをする。「その考え方、俺は好きだな。冷酷で、合理的で。さすが、ロウィーナの一番弟子」
 ロウィーナは口元でだけ微笑み、ゆっくりと首を振った。「そうね、でも少し、短絡的よ。一時的に記憶を奪うことは、ハーブの知識があれば簡単にできる。だけど人の記憶を完全に消し去るのはとても難しい魔法なの。呪いというべきね。そんなものは仲間に使うべきじゃない」
 「一時的なものだったら、ハーブを使えば治る?」
 「ええ。ジュニパーベリー、それとほんの少しのベラドンナ……」 ロウィーナはスープをすすりながらすらすらと必要なハーブの種類を挙げていく。サムは記憶しながら、どれも屋敷の薬草庫や温室から拝借できるものだと思って安心した。「……マンドレークの頭をすり鉢にしてそれらを混ぜ合わせ、魔力を溜めた水に浸す。それを飲むのよ。簡単でしょ」
 「それは記憶を失わせるほうのレシピじゃない?」 薬草学に長けたターシャが口を出す。ロウィーナはそうだったわと頷いた。「記憶を戻すほうなら、ベラドンナを入れちゃだめだった。だけどそういったハーブの魔法は時間とともに解けるから、ふつうはわざわざ作らないのよ」
 「記憶をあれこれする魔法はドルイドが得意だったわね。ロックリン家にも伝わってるはずよ、あの書……」 ターシャは訳ありげな微笑みをロウィーナに向ける。「”黒の魔導書”。あれのせいで多くの魔女が高いプライドを圧し折ることになったわ。まあ、でも、今ではちょっと時代遅れね」
 「あいつらの頭は中世で止まっているのよ」 ロウィーナは憎々し気につぶやいて、ツンと顎を上げた。
 その夜中、各々が部屋に戻ってそれぞれの研究や遊びに没頭している時間、サムが眠っていることを期待されている時間に、彼はこっそりとベッドを抜け出してキッチンに忍び込んだ。用意したリュックサックにパンと果物を詰め込む。早くディーンのところに戻りたかった。空腹で不安な思いをさせたくないし、新しいランプを灯して暗闇を払ってやりたい。それになにより、彼と話がしたかった。記憶がなくてもかまわない。彼の声を聞いていたい。彼にどうして僕とキスをしたのと尋ねたいし、どうして僕がキスをしたのかを話して聞かせたい。もう一度キスをさせてほしいといったら彼は頷いてくれるだろうか。サムは期待でうずく胸を押さえた。断られないだろうという確信がそのうずきを甘いものにした。
 「サム?」 暗がりからロウィーナが現われてサムの心臓は押さえたまま止まりかけた。冷蔵庫のドアを開けてうずくまる養い子をしばし見下ろして、ナイトドレスにローブを羽織った彼女はふと目元をやわらげた。
 「眠れないのね。儀式の話をしたから」
 「う、うん。そうなんだ。喉が渇いて……」 サムは冷蔵庫のドアを閉めて立ち上がり、足元のリュックを蹴って遠ざけた。暗いから見えないはずだ。
 「心配することはないわ。あなたはただそこにいて、”死の書”にサインをすればいいだけ。あとは私たちの長い祝福を聞いていればいいのよ。夜が明けるまでね」
 「勉強はたくさんさせられてるけど、夜更かしの授業はなかったな」
 「何をいってるの。あなたが毎日遅くまで本を読んでいること、呪文や魔法陣の勉強をしてることは知ってるわ」 ロウィーナはそういってサムを驚かせた。彼女は手を伸ばしてサムの伸びた前髪を撫でつけてやった。
 「情熱のある、熱心な生徒を持って光栄だわ。あなたはきっと、偉大な魔法使いになる。私にはわかる。あなたがほんの赤ん坊のころからわかってたわ」
 「森で僕を拾った時から?」
 んー、とロウィーナは目を細めて考えるふりをした。「やっぱり、あなたが自分の足でトイレまで歩いていけるようになった頃かしらね」
 サムは笑って、自分を育てた魔女を見つめた。彼女の背丈を追い越してもうずいぶん経つ。彼女がサムの身体的な成長について何かいったことはなかった。けれど時々、彼女が自分を見上げる目が、誇らしく輝いているように思える瞬間があって、サムはその瞬間をとても愛していた。
 「ロウィーナ」
 「なあに」
 「僕、成人するんだね」
 「魔女のね。法律的にはまだ子ども」
 「ロウィーナのおかげだ。僕、あなたの子どもであることが誇らしいよ」
 ロウィーナの目が輝いた。
 「まだまだ独り立ちはさせないわ。もう少し私のしごきに耐えることね」
 「覚悟しとくよ」
 ロウィーナは冷蔵庫を開けて水のデカンタを取り出した。キッチンを出ていこうとする彼女の柳のような後ろ姿に息を吐いて、踏みつけていたリュックを引き寄せる。何か思い出したようにロウィーナが振り向いて、サムは慌ててまたリュックを後ろ脚で蹴った。
 「いくらでも夜更かししていいけど、明日の朝は狩りに行っちゃだめよ。食事の支度は双子に任せるから」
 「なんで?」
 ロウィーナは肩をすくめた。「ロックリン家のギデオン。彼が死んだのは夕食の時にいったわね。死体が森で見つかったのよ。彼らの領地は森の東側だけど、ハンターはそんなこと気にしないわ」
 サムはギクリとした。「ギデオンはウィッチハンターに殺されたの?」
 「魔女を殺せるのはウィッチハンターだけよ」
 「だけど、そんなのニュースになるだろ」
 「正当な捕り物ならハンターは死体を残さないし、カトリーナの様子じゃ何かトラブルを隠してる。だけど巻き込まれるいわれはないわね。しきたりだから、明日の儀式には彼ら――生き残った二人の嫌味なロックリン家――も呼ぶけれどね。森にはハンターがひそんでいるかもしれない。目撃者がない状況でハンターと遭遇したら、やつらがいうところの違法行為がなくても逮捕されるわよ。だから、サミュエル、明日の儀式にみんなで行くまでは、森に入っちゃだめ」
 「わ、わかった」
 ロウィーナが行ってしまうと、サムは念のために一度部屋に戻って、ベッドサイドのランプを付けた。それから温室に忍び込み、ハンガーに吊るされているマンドレークを一根、それと必要なハーブを掴んでリュックに詰める。温室の裏口からこっそりと抜け出したサムは、二階で休むロウィーナに心の中で詫びながら、パーカーのフードを深くかぶって、まっすぐ森へ向かった。
◇ ◇ ◇
ツイッターにも書いたけど設定だけは壮大。このあと・というかいま書いてるのは三部作のうちの一部でディーンとは別れて終わる。そしてサムは魔女の権利向上のために戦う革命戦士もどきになり、ハンターのディーンとは敵対関係に。。というロミジュリな。でも大ボスはUKの賢人か悪魔かチャックにでもして魔女もハンターも同じ側で戦うんだな。(そのあたりはボヤボヤ)最終的な問題は二人が兄弟だってどうやってばらすか、ばらした時の反応はどうするかだけど、その時にはもうやることやっちゃって覚悟できてるサミさまになってるだろうからきっとなんとかなる。
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nemosynth · 4 years
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<海外シンセ興亡記 I : Oberheim Xpander review>
●メーカー名
Oberheim
●機種名
XP-1 "Xpander" 1984 年発売。定価 69 万8千円
「オーバーハイム・エクスパンダー」という名称が有名だが、実は XP-1 という型番がある。
MIDI 生誕1年後に発売された MIDI 音源モジュール。そんな早い時代に鍵盤を無くすとは、いさぎよい! しかもデスクトップ型なので、操作しやすい。
●音源方式
アナログ減算方式 + マトリクス・モジュレーション
・VCO 2基 ・VCF 1基ステートバリアブル仕様 ・VCA 2基 ・EG  5基 ・LFO 5基 ・FM プロセッサー1基 ・ラグプロセッサー1基 ・ランププロセッサー4基 ・トラッキングジェネレーター3基
恐らく史上初の、複雑モジュレーションを可能にした単体(非モジュラー)シンセ。そのモジュレーションの仕組みは、音創り用パラメーターの数々を、変調源たるソースと変調先たるデスティネーションとに振り分け、それらの間を、あたかもモジュラーシンセであるかのようにパッチングすることで成立。たとえば、EG をソースに、VCA をデスティネーションにすれば、VCA が EG によって開閉する。そんなんあたりまえやん、と思うなかれ、そこはデフォでは切り離されていて、いちいちユーザーがつながないといけない。つまりモジュラーシンセと同じ。
むろん、ものほんのモジュラーとは違い、Xpander では、パッチコードでつなぐのでは無く、ソフトウェア処理。操作も、表示画面上にあるデスティネーションヘ、ソースをアサインし、デプスを設定してゆく。音声経路こそ、従来のヴィンテアナログシンセと同じく、オシレーター、フィルター、アンプという順番に固定されているが、変調経路は縦横無尽に、ユーザーが決定できる。
この、膨大な可能性を提示する複雑なモジュレーション・システムを、Oberheim 社は 「マトリックス・モジュレーション」 と呼び、これは同社の商標であるとともに、のちにはメーカーを越えて同様の機能が広がって採用され、これらに対し 「モジュレーション・マトリクス」 というふうに単語をひっくり返した表現が、広く一般に使われるようにまでなった。
●同時発音数 
6音。
1パート6音ポリとして使う他、6パートマルチ音源にもなり、そのとき各パートはモノシンセになる。MIDI 制定の翌年、早くもマルチティンバーを実現していたのも、先見の明。
●内蔵エフェクトの性能と傾向
無し。
でも VCO は元来ピッチが不安定だから、和声時に自然にコーラスかかるね。
●内蔵波形、プリセット��傾向
三角波、鋸歯状波、PWM 波。VCO2にはホワイトノイズもある。なお各波形は独立して On / Off できるので、組合せて出力する事もできる。
プリセット音色からは、ややおとなしく音圧に欠けるような誤解を受けてしまうが、本来はフィルターでこもらせても抜けてくる厚い粘りのある音。 音を自作してみれば分かる。バンド・アンサンブルの中でもしっかり抜けて聞こえ、下から支えてくれる良い音。FM 変調なども過激。時としてマトリクス・モジュレーションならではの、変態な効果音がプリセットされているところは流石。
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●エディットの自由度と可能性
なんと言っても目玉は、史上初のマトリクス・モジュレーション。
音色ごとにメモリー可能で、ソース 27 個、デスティネーション 47 個、最大モジュレーション系統数は 20 系統。今でこそ当然だが、単一のソースを複数のデスティネーションへパラったり、複数のソースから単一のデスティネーションへマージしたりなんていうのが簡単にできるのもソフト処理ならでは。
このおかげで、ヴァーチャルモジュラーシンセの先駆者的存在と、よく言われる。しかも何がすごいって、モジュレーション部分はソフトウェア処理であるにしても、演算結果の全てが最終的にはフルアナログの VCO、VCF、VCA へ反映されるのが凄い。今でこそモジュレーションマトリクスを持ったシンセは多くのメーカーから出ているが、この当時はそんなものは他に例が無く、なおかつすべてが純アナログ音声経路に反映されるところが、'80 年代ならではの過渡期なハイブリッドぶりを思わせるとともに、今となってはトレンドになった、時代に先駆けた、あたらしいポイント。 以下、これについて、要所要所にて解説する。
オシレーターから音声経路順に、各ブロックを解説すると、まず VCO の直後にて「FM VCA」と銘打たれた FM 変調プロセッサーがあり、VCO2で、VCO1ないし、VCF カットオフをリニア FM 変調できる。自己発振させたフィルターにかけると、線形 FM とはいえ、アナログならではの下品な FM 音色になる。これは後の時代に、なんと AKAI をふくむ種々の Oberheim 系の機種に受け継がれた。
なお「FM VCA」の名は、FM 変調のデプスを専用 VCA にて制御することに由来し、その仕組み自体は普通だが、名前の付け方がきちょうめんと言えるかも。
「Multimode VCF」と名づけられたフィルターは、多彩なステートバリアブルフィルターであり、それまでの常識をやぶる計 15 タイプもある。フルアナログにして、こんだけ多彩な VCF というのも凄い。フェイザーっぽく位相を変える一種のオールパス・フィルターになるモードまであり、'80年代らしくないどころか、今でも遜色なく多彩。 またノッチフィルターでレゾらせばとんでもないドンシャリも出るところが、他機種のノッチフィルターとは違う。他のシンセにおけるノッチフィルターでは、単にノッチの幅が可変するだけなのだが、Xpander のそれはノッチとして凹むヘリとなる「両岸」が強調され、結果、上に凸のレゾナンスピークを2つつくるため、ど迫力のドンシャリになる。と思うのだが、ソフトによるエミュレーションを見てると、どうも挙動がちがう。なんで?
VCA が2基もあるのも、他に例をみない。2基あるおかげで、マトリクス・モジュレーションの中で真価を発揮する。なんせ VCA へエンベロープなどをいちいち手作業で接続し、それで VCA を駆動しない限り、VCA が開かないのでなんの音すら出てこないという徹底ぶりは、お手軽シンセに溺れた自分に喝を入れてくれる。まさにモジュラーと同じ。
ラグ・プロセッサーは、入力された制御信号を遅延させる、要はポルタメントなどに使えるモジュール。
EG は5基もあり、ADSR 型だが、打鍵によるゲート信号だけでなく、LFO などで周期的に EG へトリガーをかけることもできるため、繰り返し EG をループさせることが可能。マトリクス・モジュレーションによって、最大半時間におよぶ長大なるエンベロープを実現可能。それを途中で止めるには、チューニングボタンを押せば良いという裏ワザがあった。
LFO も5基あり、たとえばそれらをヤマハ FM 音源で言うところのオペレーターに見立て、LFO でアルゴリズムを組み、LFO 同士で周波数変調や振幅変調をかけることにより、ありえないくらい複雑な LFO 波形を得ることができる。ややゆっくりしたレート同士で乗算すると、なお面白い。
LFO 波形には、上昇鋸歯状波、下降鋸歯状波、三角波、矩形波、S/H 波、ノイズ、そしてさらに他のモジュレーションソースからの信号をクォンタイズするモードまであった。独自のラグ・プロセッサーを装備しているので、ディレイヴィブラートなども簡単。
3基のトラッキング・プロセッサーでは、5つのポイントにて値を設定することで、たとえば複雑なキースケーリングに使えたりした。
4基のランプ・プロセッサーもあり、これはアタックタイムだけの EG と思えば良い。
これらのおかげで、モジュラーばりに自由度の高いモジュレーションの組合わせが可能。
ただし、全般的な音のキャラとしてはブラスや厚いパッド向き。これは、EG が初期のソフトウェア処理であるためにアタックが遅くなまってしまうためで、食いつきが良くなく、シンベなどには、あんまり向いてはいない。
プリセット音色には、ありきたりなエンベロープで VCA を駆動するなんてフツーのシンセみたいな事をせず、VCO、VCF、VCA の全てを前述の複雑怪奇な変調をかけた LFO 群のみで、くすぐっているものあったりする。すると、最初にポロロンと適当に弾いただけで、あとは延々と音が小粒に細切れになりながら無限に鳴り続ける。まるで無数のゴム球スーパー・ボールが無限階段をはねまわり、各々勝手きままにバウンスしながら、そこいらじゅうに散らかっていくかのようで、文字どおり、おもちゃ箱をひっくりかえすように楽しい。言わば、シンセ版ししおどし。
怪奇 LFO 群を低速にしホワイトノイズを通した VCF を変調すれば、宇宙からエンゼル・ヘアーが降って来たような騒ぎになる。エンゼル・ヘアー? '70年代 UFO 現象ネタ、といっても「本物」は音がしないらしいが。
この、のちの時代で言う「モジュレーション・マトリクス」のために、Xpander には当時の IBM パソコンの倍の処理能力を持たせたという。が、それでも最大 20 系統までしか使えないのでご理解ください、というような謙虚な表現が、取扱説明書に書いてあったりする。おおらかな時代。
操作系は、いわゆるツマミストなアナログとは違い、メニュー・ダイヴせねばならないが、階層が表裏の2つしかないのと、デスクトップ型の形状、三つもある蛍光管表示、そして6基の無限エンコーダーノブに助けられて、まだ楽な方。その蛍光管ディスプレイ(FLD, VFD)にしても、16 セグメントもあり、英数字しか表示しないとはいえ、いわばハイレゾ表示。しかも LCD のような視野角が無いために、どこからでも視認できるのが長所。
フロントパネル右半分には、モジュラーぶりを示すブロックダイアグラムも描いてあるばかりか、その図解のなかに各ブロックに直結したエディットページへ一発で遷移するボタンまで配置されているので、分かりやすい。
●拡張性
直接に拡張できる機構は無いが、MIDI 受信可能メッセージ種数は多い。CV / Gate も受信できて、しかも MIDI へ変換送信できるため、CV / Gate to MIDI インターフェイスになる。
CV / Gate 入力は、6ペアもあり、6音ポリに対応する。Oct / V 対応であり、リアパネルに、ずらっと計 12 個もの入力端子がならぶさまは壮観。
マルチ音源にもなるので、6パートを個別に CV / Gate で制御することもできるばかりか、2パートは MIDI で、4パートは CV / Gate で制御するという芸当もできる。これにより、MIDI  とアナログ制御信号とのネットワークの中で、かなめとなる音源モジュールとして活躍できる。
MIDI によるバルクダンプのみならず、カセットテープ・インターフェイスも装備し、それで音色データをセーヴ / ロード可能。
●あなたにとっての長所
マトリクス・モジュレーション、しかもアナログ回路で音を加工できて、なおかつ MIDI で演奏可能。
VCO シンセでベロシティで表情がつくというのは、実は結構レア。ヴィンテで言えば、クローマやポラリス、ローランド MKS-80、AKAI VX600、AX73 とか VX90 くらいか。でも裏を返せば、他にあまりなくてレアなのである。
この機種における、フィルターでこもらせても抜けて聞こえる音の太さや、アナログならではのホワイトノイズのきめ細かさなどなど、胸がすくような素性の良さは、やはり他に代えるものがない。 で、そこへきて音色ごとに切り替え可能なマトリクス・モジュレーションによ���、複雑かつ繊細な表現が、最後には VCO、VCF、VCA に反映されるという、まさに逸品同士の組合せも感動的。
音やキャラが違うとはいえプロフェット5より安定してるし、ヴィンテージにしては比較的軽量コンパクトだから、リハスタに Xpander と MIDI ケーブルだけ持っていくというのも、おもいっきりツウでかっこいい。
音源モジュールではあるが据置型なので、エディットしても手が疲れない。演奏中に、各オシレーターのローテーション・トリガーの実態が、ディスプレイに表示されるのも面白い。しかもボイスごとにパンニングを決定できるので、アルペジオを弾くと音像がアニメのように左右に動くのもおもしろい。 
また、ROM バージョンにもよるらしいが、サービスモードに入ってディスプレイチェック機能を駆動すると、1セグメントずつ単独に発光してチェックさせてくれるあたり、踊る蛍光表示がクリスマスツリーなんかより、ずっとずっとずーっと楽しい。
意外にリアパネルがクール。これは観客に見せたい。ロゴもかっこ良ければ、ずらりと並ぶ端子群も壮観。そのリアパネルに並ぶ怒濤の端子群に証明された CV-MIDI 変換機能も良い。なんせかつて私の機材の四分の三は、MIDI に対応して無かったので!
ある日、オシレーターが1基だけ「ぱぁ」になって、5音ポリになった。でも暫くすると自然治癒して6声に戻った! たましい入っとんのちゃうか!? これわ長所か!?
●あなたにとっての短所
どこをどうモジュレートしているのか常に把握するのは、慣れないと難しい。慣れるのも難しい。探そうにもデスティネーションからソースをいちいちたぐるしかないので、ソースをいじろうにも、どこまで影響範囲が及ぶのかが、なかなか分からない。のちの Matrix-12 では、逆引き機能があったという。ここはコ��グ Z1 などに軍配が上がる。
理屈っぽく考え込まないと音づくりできない、というのも、なかなか構えさせる。
ほんとうのモジュラーというわけでは無いので、例えば 10 基の VCO からの音を1基の VCF に突っ込むことで音色を太く歪ませるような、おきて破りなモジュラーの醍醐味が味わえるわけでは無い。あくまでモジュレーションの経路が、想像を絶する自由度を有し、しかも音色ごとにメモリー可能で CV / MIDI 対応なのがメリット。それもアナログの分際で、MIDI 対応と。
MIDI でピッチベンドかけると、操作子を動かしつづけない限り値がゼロに戻る! ベンドアップしてホールドするような奏法をすると、ホールドに入るや否や、突如としてピッチが元に戻る。これは MIDI 黎明期ならではの、規格解釈の混乱か?
CPU が初期のトロいしろものなので、MIDI によるリアルタイムぐりぐりさせると、もたるらしい。マトリクス・モジュレーションにまかせるのが吉。
EG アタックも、初期のソフト演算によるものなので、とろい、アタックもなまるのでシンベではなくブラス向き。
フィルターを閉じても抜ける良い音してるのに、プリセットからは、そうは感じられにくい。
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●その他特記事項
Xpander は、VCO、VCF、VCA からなり、音声経路で言えばフルアナログシンセなので、とかくアナログ原理主義者からも崇拝される伝説的な名機として、語り継がれている。
だがその威力は、アナログにとどまらず、先進的かつ野心的なデジタル技術の恩恵によるところが大。
そのデジタルとは、MIDI であり、史上初のマトリクス・モジュレーションであり、FLD を用いた操作性である。
まず、MIDI。
Xpander よりさらに前にも、Oberheim は、OB-Xa をデスクトップ型音源モジュールに改造し、OB-Expander という機種名で発表した事があったが、実際には販売されなかったらしい。どっかで写真だけ見たことがある。この幻の機種には、MIDI 前夜に Oberheim が企画していた独自のデジタル通信インターフェイスが搭載されており、MIDI 以前にして、MIDI のように情報を送受できるシステム提案の一環として発表されていた。その実用化は、さらに前の OB-X 後期型、シリアル番号 803600 以降にはじまり、独自のパラレル通信プロトコルであった。
そもそも Oberheim 社を創設したトムおじさんは、'72 年に、史上2番目のデジタルシーケンサー DS-2 を発売。それでミニモーグや Odyssey を CV/Gate 駆動しているうちに、シーケンサー駆動時には手弾きできないというので、音源モジュールの名機 SEM こと Synthesizer Expander Module を開発したのが、同社シンセの発端だったのだから、音源モジュールや電子楽器データ・ネットワークについては老舗も老舗。独自の通信プロトコルを開発するに到ったのも、MIDI 音源モジュール Xpander を、さしずめ MIDI 時代の SEM のように開発したのも、当然のことであろう。
ネットワークの中で動作するシンセ、その在り方を、始祖 DS-2 から、SEM から、パラレルバスから、OB-Expander から、ついに Xpander にいたるまで模索。モーグに象徴される、内在するモジュラーではない。外部にモジュラーをもとめる電子楽器。
しかしその通信ケーブルたるや、パラレル転送による高速通信を重視するあまり、当初あたりに電波をばりばりにまき散らすフラットケーブルだったらしく、それはその後、MIDI の登場によりついえ去った。'83 年のナム・ウィンターにて、シーケンシャルの prophet-600 とローランド Jupiter-6 そして JX-3P とが MIDI 接続されるというセレモニーが行われ、MIDI は公式に誕生したのである。
MIDI 以前から、情報通信ネットワークの中で動作するシンセのあり方を模索し、DCB をつくったローランドと同じく、その道では老舗の Oberheim。老舗すぎて、自分たちの通信システムのほうが MIDI より高速であるため、ネットワークとしての優位性から MIDI 制定には参加せず、乗り遅れたのであった。自社フォーマットの優位性にこだわりすぎて MIDI に乗り遅れたメーカーは、他にも PPG などがある。
MIDI 制定にかかわったのは、海外ではデイヴおじさんの Sequential Circuits 社のみであり、それ以外はすべて日本企業、ヤマハ、コルグ、カワイ、ローランド、この合計5社だけであった。
ただ、MIDI 制定を遠巻きに眺めるだけだったトムおじさんは、やはりただものではなかった。MIDI 制定に乗り遅れたくせに、その翌年には Xpander という MIDI 音源モジュールを開発、成功している。しかもその機種がまた、ただものではない。たった1年で開発したとは思えない。
ここで MIDI を使うことで、音源モジュールという概念が、あらためて大きくはっきり打ち出された。
だがコンパクトにまとめるなら、別にただの箱でいい、OB-8から鍵盤を取り外すだけでいい。しかしそこを工夫し、その結果、他にはない抜きん出た個性を思いついてきたのが、Oberheim 社のえらいところ。
その、かなめが、次のデジタル技術、史上初のマトリクス・モジュレーション。
MIDI 誕生からたった1年後、それまでの OB シリーズから一転、史上初のマトリクス・モジュレーションを搭載したのが、この Xpander。MIDI が誕生してからわずか1年後に、いわば MIDI モジュラーシンセをつくってやろうという、先見性というか、もはや野心すらをも垣間見れる。
かつてモジュラーシンセであれば、ひとたびパッチングし終わったら、演奏中リアルタイムにケーブルをかえるのは至難のわざ。しかしマトリクス・モジュレーションであれば、音色ごとに一発で複雑怪奇なパッチングも呼び出せる。しかも、MIDI で遠隔操作で音色切替ができる。
ベロシティのようなリアルタイム MIDI 制御で表情がつくのも、大きな利点。既存の発想を超えて、MIDI でトリガーされたノートが、音源モジュール内部にてドミノ倒しの如く各部へ伝播し、あやつり人形のように多数の糸を引いて膨大なパラメーターをモジュレートするというコンセプトは、すさまじいの一言に尽きる。
マトリクス・モジュレーションの次は、それをコンパクトにまとめるための、デジタル技術を利用した操作性。
FL 管ディスプレイを三つも搭載し、さらにエンドレスにぐるぐる回る、ロータリーエンコーダーノブを6つも配することで、モジュラーシンセなら当前だったおびただしい数の物理操作子やスパゲティ工場爆発状態のパッチケーブルを、一切排することに成功。すっきりとコンパクトなデスクトップ型の音源モジュールに、まとめあげることができた。
なんせ:
・VCO 2基 ・VCF 1基ステートバリアブル仕様 ・VCA 2基 ・EG  5基 ・LFO 5基 ・FM プロセッサー1基 ・ラグプロセッサー1基 ・ランププロセッサー4基 ・トラッキングジェネレーター3基
計 24 基ものモジュールを内蔵。しかも6ボイス分が必要となれば、144 基のモジュールからなる巨大モジュラーシンセ。各モジュールがユーロラック 10 HP 幅だとすれば、1,440 HP すなわち、標準的な 84 HP ユーロラック型の収納ラックで 17 個分以上と、ありえないビッグサイズ。それをデスクトップ型とはいえ、小脇にかかえられるコンパクトかつ軽量な音源モジュールに収納したのだ。
この、MIDI、マトリクス・モジュレーション、そして新タイプの操作性。
これら三つのデジタル技術の恩恵により、それまで存在しえなかった新感覚のシンセモジュールが誕生。
つまり MIDI とは、単にマスターからスレーヴを鳴らす、というだけの単純なものではなく、演奏中ですらリアルタイムで音色を切り替えられる「プログラマブル・モジュラーシンセ」とでもいうべき、ありえない壮大な可能性と表現力とを秘めていたのだ。それを見事、具現化した Xpander。MIDI の可能性を見抜き、それを熟知していた Oberheim。さすが、MIDI に先駆け独自の通信インターフェイスを開発していただけのことはある。音色は変化してこそ音色、動きのある音、動いてナンボである。
時間軸上で動く音、それを実現するための、デジタルであり、それこそが、楽器におけるデータ通信の本質。するどく本質を見抜いたトムおじさんの眼力、そこに見えていたものとは?
MIDI ネットワークの中で泳ぎ回り、本体内部にも巨大なモジュレーションのネットワークが複雑怪奇に存在する。外在するモジュラー、内在するモジュラー。外部ネットワークの中で泳ぎ回り、内部ネットワークでもって変調し音創りする。入れ子になったネットワーク。フラクタルネットワーク網、フラクタルシンセ、などと言ってもいい。
まさに新感覚の音源モジュール。
そしてこれはデジタル、すなわちソフトウェアの勝利。他の米国製シンセたちと同様、単体機でありながらも搭載されているソフトウェアの勝利であった。MIDI への反応も、マトリクスモジュレーションも、どちらもハードシンセ内部にてソフトで処理されて行われる。まだまだ PC / Mac 上のソフトが生まれたての存在でしかなく、専用ハードウェアの存在が揺るぎなかった時代に、時代に先駆けてソフトウェアによる可能性をみせつけた、最初の成功例。
さらには、かつて TOTO が3台4台とスタックして愛用したという音の良さも、特筆すべきであろう。
MIDI とマトリクスモジュレーションという、2つのデジタル・ネットワーク、2つのデジタルモジュラー・アーキテクチャー。これがヴィンテ・アナログシンセ最後の栄華をいろどることになる。
それら新しいテクノロジーの勃興、すなわちモジュラー、ネットワーク、ソフトウェア、これらが生み出されるにいたった背景とは、なんだったのか。
それは、テクノロジーが世界を結びつける、テクノロジーによって世界はつながる、という、ここにも約束された技術社会的未来を無邪気に信じた、健全な未来観である。そのかなめは、つながる、であった。
’70 年代の終わり、映画「スターウォーズ」と「未知との遭遇」が封切られたとき、あの箱庭宇宙に登場するおびただしい数のけったいな異星人たちとの共存が、まだまだ夢見られていたこと。世界は多様性に富み、それをテクノロジーがつなげ、多彩な夢のような未来社会を率先して切り拓くのだ。あたかも現代ネット社会にて、片時も肌身離さずモバイルギアを握りしめてつながりたがる若い世代のように、人々もまた若く時代の最先端に飛びこみ、尖端にて風を切り、テクノロジーによって世界がつながるのだ!と無邪気に信じ込んでいた。
MIDI によって、電子楽器は、単に通信できるようになっただけでなく、音源モジュール、各種 MIDI コントローラー、単体シーケンサーなどへと因数分解していったように、これまでになく多彩な存在へと分化した。まさに生物多様性の如く、カンブリア爆発の如く、多種多様な進化をうながされ、電子楽器は多彩な黄金時代を迎えた。
そして、多様な地球社会を鏡に映し出したかのような当時の未来観が今、未来を信じられない人々に対し、たとえ信じられなくとも、理解できなくとも、���れでもなお(denn noch!)、少なくとも共存はできるはずなのだと、メッセージを投げて託す。
世界はつながりたがっていた。
だからこそ、みんなでテクノロジーに裏打ちされた楽器でもって、テクノロジーに裏打ちされた音楽をかなでようと。
その帰結はさておき、そのこと自体は、今も昔も変わらないはず。
その後に発売された Matrix-12 は、Xpander を2台分搭載した史上最大規模のアナログ・ポリシンセだが、高価なわりに入出力系の端子は大幅に削除されてもいるあたり、ひょっとしたらモジュールである Xpander をスタジオ仕様、Matrix-12をステージ・モデルと位置付けたのかも知れない。 やがて6音ポリの鍵盤モデル Matrix-6が発売されるにあたり、 Oberheim は日本製の低価格路線を研究したようで、1ボイスあたり2基の DCOを採用し(それでも音は太かったような気がする)、マトリクス・モジュレーションも 20 ソース 32 デスティネーションに整理、LFO の数なども限定することで使いやすくスリム化した。それでも 29 万8千円。当時このマト6を DX7と併用するのが、カネ持ち息子ハコ入り娘のあかしであった(私ではない)。ほんとうのカネ持ちは Xpander と DX とを併用した(私ではない)。当時、大学の学園祭を Matrix-6たった一本だけでがんばるという、こだわりのキーボーディストな学生が時々いたものである。 続く Matrix-1000 では、Matrix-6の機能をそのままに1,000音色をプリセットして1Uに押し込め、事実上プリセット音源に徹することで、手軽に多彩な音を提供した。
Oberheim のアナログシンセ技術は、AKAI へも提供された。AX73 以降の AKAI の VCO シンセ AX73、VX90、VX600では、VCO 出力で VCF のカットオフを周波数変調するワザが使えるが、これぞ Oberheim からもたらされたもの。さらに VX600 には、16 ソースと 18 デスティネーションが駆動できるモジュレーションマトリクスが搭載された。その後しばらく、同社のウィンドシンセ用に VCO 音源モジュールが発売されるが、中には7ソース 10 デスティネーションの簡易モジュレーションマトリクスをさりげなく採用した機種 EWI3020m があったり、ニッチで面白かったものである。
いずれにせよ「モジュレーションマトリクス」という発想は、程度の差こそあれメーカーを越えて普及。エンソニック VFX や、Oberheim から転職したエンジニアを持つ Alesis、Waldorfの諸製品、コルグ Z1、ローランド XV シリーズなどへと、姿形を変えて受けつがれ、21 世紀に入って大々的に再発見されることになる。
さて、そのモジュレーションであるが。
わざわざマトリクス化しなくとも、例えばベロシティやアフタータッチで PWM をかける、つまり弱いタッチで太い矩形波 → 強いタッチで個性的なパルス波にするなどは、デジタルであってもすでにローランド D-50 で可能であった。ヴィンテアナログの Jupiter-8 / JUNO-6にいたっては、エンベロープによる PWM、つまり最初はパルス波 → ディケイするに従い音が太い矩形波になるという、フィルタースィープと似て非なる効果を演出することができた。
なぜかその後しばらく、忘れられがちな、ささやかな機能一つで、音の表情は生き生きとするもの。音はネタで勝負か? 確かに面白い波形を選ぶセンスは重要。ライブラリー全盛期の今ならなおさら。DJ が所有する膨大なアナログ盤の数々だってライブラリー。だが、DJ だってスクラッチもする。ややもすると平板になりがちな PCM 波形でも、ensoniq VFX のようにスタートポイントをベロシティでずらす事で、驚くほど動的に表情がつく。この動的な音色変化という醍醐味! しかし、ささやかながら気が効いたモジュレーションを隠し味に、表現力を持たせることの重要性は、めんどうくささもあってか、しばらく忘れられていたらしい。
私が知るなかで、はじめて Xpander を凌駕したであろう大規模なモジュレーションマトリクスを搭載してきたのは、KORG Z1 のモジュレーションリスト機能、あれは便利! そして、そのあとしばらく間をおいて、21 世紀に入ってからソフト・ハードを問わず多くのシンセに「モジュレーションマトリクス」の名で、装備されていくことになる。Arturia がアナログシンセ・ルネッサンスの波に乗って、ミニ鍵アナログシンセ MicroBrute を出したときに、小さなパッチパネルを用意し、それに「モジュレーションマトリクス」と銘打っていたのは、象徴的ですらある。
けっきょく Oberheim 社は倒産したが、Xpanderは、きたるべきソフトウェアの時代をじゅうぶんに予感させるものでありながら、ほんとうに凌駕されるまで十数年も待たなければならなかった。
そして Xpander の音は、今後も永遠に新しいであろう。
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natukusa · 4 years
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ウーユリーフの処方箋|公式サイト
いい感じの世界観にみえてふらふらとインストールし、今日公開された3章ラストまで一気に遊びきりました。ミト押しです。
このゲームの所感は、クリアしたときに読み返したら面白いかなあと思って長々まとめておきます。
早速ちょっと整理ができていないのだが、ゲーム内ゲームである乙女ゲーム版ウーユリーフの処方箋(ややこしい)とは、「異世界から召喚されたヒロインが、その世界の乙女ゲーム専門制作会社に勤めつつ、従業員のイケメンたちと恋をはぐくむゲーム」という理解でいいんだろうか。キリオじゃないけど設定盛りすぎである。
さておき。
「イケメンたちを襲う異形のモンスターとなり果てた、乙女ゲームのヒロイン」という、一般に流布する「乙女ゲームなるもの」をメタにパロディしまくった強力パンチから始まるプロローグ。
例えばライトノベル分野で現在流行している「乙女ゲームのキャラに転生する」形式もこれらの仲間なのだが、このように文化が認知・成熟すれば、自然とお約束というものは生まれるし、お約束というものが生まれればそれをあえて解体して、新たな知見を生み���す行為も往々にして行われるわけで。乙女ゲームもその段階なんだなあと、まあまあ乙女ゲームを遊んできた一プレイヤーとしても思ったりしながら進めていく。
(ところで本日公開された三章では、登場人物の一人であるノゾミが乙女ゲームの現状を、約20年前にもなる美少女ゲームブームになぞらえて語るオタクの姿に「俺俺、俺だよ俺!」とデジャヴュを感じたりなんだりしなくもない)
「好みでも何でもない女とキスなんかしたくない」と、キリオのヒロインに対する評価は辛らつだ。もし彼をはじめとしたゲーム内キャラクターたちに自由意思に見合った裁量権があれば、好みじゃないヒロインとも無関心でいられただろうが、攻略対象とヒロインという強制的な関わりを運命づけられたことにより、個人間ではかえって嫌悪……なんなら憎悪を抱いてしまったのがキリオというキャラクターなのだろう。
キリオのヒロインに対する言葉には、乙女ゲームを嬉々として遊びイケメンたちを消費する、現実(この場合はマツリのいた世界ではなく、我々の世界のこと)のプレイヤーへの風刺も多分に含まれていると感じる……そう思っていたら、三章ではメーカーに入り込む談で、早速このあたりのことにも触れている。思ったより早かった。やはり、このゲームにおける乙女ゲーム・乙女ゲーム市場への批判性とは、もったいぶって引っ張るのではなくあくまで序盤のジャブ程度の要素なのかも。
そんな消費構造に思いをはせる一方で、2章でナビゲーション役の大樹ウーユリーフの明かしたゲームキャラクターのコンセプトを聞く限り、この物語の目的とはどうもそういった「ゲームシステムとい虎の威を借りた横暴なプレイヤー」を断罪するだけのものでもないように感じている。
大樹ウーユリーフのいう、乙女ゲームの攻略対象たるもの・乙女ゲームのヒロインたるもの論は、端的にいえば我々の世界にもまだまだ蔓延る「男たるもの」「女たるもの」という旧来的な規範意識に近似している。実際に、我々の世界とそう変わらない価値観で生きてきただろうマツリも「いつの時代の話だ」と聞いて呆れる始末。ゲーム世界における男女の規範意識がどの程度なのかは確証は得られないが、マツリとキリオでその点においてはそう違わない価値観であるように見える。
ここでふと、ヒロインから見たこの世界とはどんなものだったのだろう、と想像をめぐらす。
ヒロインと恋することを運命づけられたキリオが内心でヒロインのことを嫌っていたように、ゲーム世界の住民であってもゲームシステムに沿った価値観で生きているとは限らない。
モンスターになる前のヒロインの人物像は、たいてい地味で垢ぬけない人物として語られる。一方の攻略対象たちは、大樹ウーユリーフの言葉から察するに高い社会性と資質と自負をもった人物であると想像できる。
スペックと自立心の高い男性たちの中で、地味で受け身の女性が一人……その構成員の一人であったキリオは、ヒロインがモンスター化する前から内心で好みじゃなかった全く関心がなかったと吐露するし、もしかしたらそこには軽んじた感情さえあったかもしれない。
異世界から飛ばされ見知らぬ世界で、斜陽産業に差し掛かったメーカーに就職し、自分に対して複雑な感情を抱く高圧的な男性に囲まれている。唯一の味方になってくれるだろう補助キャラクターの大樹ウーユリーフは、穏やかな顔で「男性とはそんなもの。女性とはこうあるべき」という価値観を隠さない。ヒロインからみたこれらの人間関係とは、「嬉しいハーレム世界」というよりは「肩身の狭い状況」なんじゃなかろうか。それもかなり強烈な。
ヒロインはそんな世界で殺人を犯したという。そこまで至ってしまった経緯が私の想像の通りであれば、(決して殺人行為の罪を無効としないことは前提に)その心中を全く理解できないわけではない。
あと個人的にあのモラハラ大樹は燃やしたい。今すぐ燃やしたい。大樹を燃えカスにするミニゲーム頼んますよSEECさん。
話変わって。
ウーユリーフから罰を受けたヒロインは、逆に大樹の召喚能力を奪い、現実世界からイケメンたちを呼びだし続けているという。そんな行為は、マツリのいた現実世界では「男たちが特定のゲームをインストールした途端に失踪する」という形で現れる。
ゲームに興味のある男性ばかりではないし、女性向けとうたわれたゲームを自発的にインストールするケースは限られるだろうが、それでもゲームは常にインストールされているという。ということは、現実世界における彼らの端末にゲームをインストールする別の存在がいる可能性は高いし、いるとすればゲーム世界のヒロインが放った刺客であろう。この刺客とは、ゲーム序盤に登場したキャラクター「更紗」ではないか。
普段からゲームに限らず物語コンテンツに興味の薄いマツリに、更紗はわざわざ「乙女ゲーム版ウーユリーフの処方箋」の存在を教え込むし、実際にマツリがゲームをインストールされる直前に連絡を取ってきたのは更紗(の番号)だった(ここの演出怖くてよかったね~~)
現実世界からイケメンを呼び込む手段として、現実世界を自在に動き回る更紗を送り込む。攻略対象にふさわしい人物をみつければ、それとなく近づいて交友関係を築いて連絡先を得て、機会を見てゲームデータを送りこむ……というのが、更紗というキャラクターの役割なのではないだろうか。
そういえば、キリオ本来の女性の好みは「都会的で自立した女性」だという。基本的に女性キャラクターがいない本作だが、ほとんど唯一の固有キャラクターとして登場する更紗は、垢ぬけた容姿を持ちながらも男性とも友人関係を築ける、まさにキリオの好みと一致するような人物だ。
もし、ゲーム世界のヒロインがキリオたち攻略対象らに対して殺意を持つほどに追い詰められていて、さらに自在に外見を操れるアバターを得たとしたら、地味で受け身な自分とは全く異なる、更紗のようなキャラクターを作る可能性は高いんじゃないだろうか。
また発想を少し飛躍させると、この更紗こそが黒幕である可能性もあるだろう。いまでこそ艶やかな女性のように見えるが、その過去にはゲーム世界のヒロインのようにルックスの良い男性全般に鬱屈した感情を抱いており、その復讐心の発露として呪いのゲームをばらまいている……というのもありえる筋ではないだろうか。
このあたりは色々想像(妄想)が働く個所だが、最終的に外れることも含めて今後の楽しみということで。
話を変わって。2章終盤に見たヒロインの行動範囲の変化についても考えをまとめたい。
2章終盤で、それまでロビーには出現しなかったヒロインが、ロビーの中まで追いかけてきたという描写がある。これまでの決まった行動が変化するということは、その前段階で別の変化があったと思われる。展開からいえばこれは直前にマツリと失業ロボが、ロビーの大モニタを修理したことだろう。
まだはっきりとしたことは言えないが、「困ってるロボを助けてハートを得ること」もしくは「その場にある大きなものを修理したこと」のいずれかがフラグになり、ヒロインの行動範囲を広げる要因になっている可能性は高い。マツリたちが今後ロボを助けていくにつれて、最終的にはビルの外まで出歩き、彼らの居住区にまで至る展開もあるかもしれない。
そこまで考えて、そもそもヒロインはなぜあのビルの廊下ばかり出現するのだろう。2章まではロビーにも出てこなかったし、食堂にも出現しないという。もし彼女の目的が効率よくイケメンたちと遭遇し好感度を上げることだとすれば、食糧庫でもある食堂や、往来の激しいロビーこそ重点的に見張りそうなものだが。
ここでヒロインの行動原理について整理してみる。振り返ってみれば、彼女の選択肢はイケメンたちに親切に挨拶したりなんだりしているだけの行動だ。あのヒロインからみた世界とは、まだ普通の乙女ゲーム世界そのものであり、ゲーム世界を楽しんでいる=イケメンたちとの交流を楽しんでいる認識である可能性は高い。
さらに三章のヒロインは「ときめき」を探しているかのように言葉を発したことから、彼女はあんな姿になってもまだメーカー勤務者の職務として、より良い「ときめき」を探すために、イケメンたちとの交流()を重ねているのかもしれない。
余談だが、このあたりの設定は、ホラーゲーム「SIREN」の屍人を思い出す。SIRENシリーズの屍人とはいわゆるゾンビ型モンスターなのだが、実は彼らにも一定の自我があり、彼らの視点では屍人こそ美しく幸福に満ちた世界に生きている存在だ。屍人からは常人こそが屍人のように見えていて、そんな常人を屍人世界に親切心で導こうとしている。しかし常人からみれば、これらは攻撃行為に他ならない(シリーズ作によってこのあたりの設定は差異がある)
ともあれ、ヒロイン自身はあんな姿になった後も(もしくはあんな姿になったからこそ)、いまでもゲームを楽しんでいるのだ。
三章に入ると、ロビーにもいけるようになったことから、ロビー内のマンホールから侵入できる秘密の水路にも行動範囲を広げている。一方で、エレベーターでしか行けない10階には現れないという。確かに、あの体躯と手足では、暗号コードの入力なりエレベーター内への侵入なりは難しいのかも。
ヒロインの体躯が通り徒歩で行ける場所であればよいなら、やはりビルから飛び出して、外を出歩くイケメンたちとの交流()に勤しみそうなものだが、そういうことはしない。
思うに、彼女が行動できる範囲とは、物理的に歩いていける距離である以上に、ゲームとして安定した空間なのではないか。2章のとある分岐では、あの世界に「バグ」の概念があり、マツリたち呼びだされた人物たちも影響しうることが示唆されている。あのロビーの壊れた大モニターとはゲームにおけるバグ=本来意図しない動作をしている個所であり、それを直すことによってゲームは本来の姿を取り戻し、プレイヤーキャラであるヒロインも広々と行動できるようになっていくのでは。
となると、ヒロインが出現しないという食堂も、一見普通にみえて実は何かのバグを抱えた個所なのかもしれない。もしくは、プレイヤーには開示されない領域、システム裏の扱いなのではないか…。
発想を変えてみる。ヒロインは、明確な目的をもってビル内部の一部にだけ立ち歩いているのではないか。
大樹ウーユリーフから罰を受けたと同時に、ウーユリーフに対して厳重な封印を施した彼女は、つまりはその時点まではビルの外にいたはずだ。ゲームシステムというあの世界における物理法則に縛られてビルから出られないなら、大樹のふもとにいた話は矛盾が生じる。彼女は何か明確な動機があってビル内部にとどまっているのかもしれない。その動機が、ロビーの大モニタ修理に伴って方針転換されて、ロビーにまで進出するようになったのではないか。
……とまで考えるも、今の段階はビルの中がどうなっているのかも不明なので、具体的な動機を想像するのは難しい。このあたりも、今後の開示を楽しみに待つつもり。
最後に、ラストレジェンドについて。
露骨にマツリとの関係性が暗示されているし、イメージカラーや名前のロジックからいってもマツリ以外の4人のメインキャラクターたちとも関係ある可能性は高い。
例えば、彼ら5人は過去に現実世界で出会っており、ラストレジェンドの展開はその当時を暗喩する……とも考えられるが、それにしては5人とも全く面識がない風だし……記憶をなくしているのもありそうだが、そうだとしても経歴が結構ばらばらっぽい。
またキリオの問題もある。彼自身は純ゲームキャラクターであり、マツリのいた現実世界とは関係がないはず……と思っていたら、三章ではそんな彼が過去に現実世界にいたことが示される。マジで?
そもそもあの現実世界が真に「現実」なのかどうかも疑うべきかもしれない。ゲーム世界と現実世界とは、同じ時空に存在する同一世界の一地域でしかなく、彼らは単に2地点を移動しているだけ、ということもあり得るのか。キリオはかつてゲーム世界地域から現実世界地域へと移動し、そちらの地域で芸能人として活躍するべくラストレジェンドの誰かとして参加していた……とかね。
またもう一つ考えられることとして、一見ラストレジェンドが現実世界におけるなんらかの暗喩であり、ゲーム世界に迷い込んだ登場人物たちに関係があるように見えて、その実キリオだけは現実世界に根を下ろした人物ではなく、ここの座席が一つ浮く。イケメンは次から次へと投入され��いるので、キリオ以外のまだ見ぬ登場人物が鎮座する可能性はあるが、もう一人だけ異世界からやってきた名前を持った登場人物が存在している。つまり、ヒロインだ。
ヒロインもまたゲーム世界においては異世界からやってきた存在であり、彼女が本来トゥルーエンドで帰るはずだった現実世界とは、マツリたちがいた現実世界であると説明されている。であれば、現実世界におけるヒロインがラストレジェンドの関係者であり、最初にこの世界に呼び出された登場人物である可能性もまたあるのではないか。
そうなると、ヒロインとは本当に女性なのかどうかもちょっと怪しいんじゃない…? キリオは折に触れて「男だから抱っこしたくないわけじゃないからね」と、なんとなーくジェンダー規範に関する価値観を口にするし、ロボットたちに性別はなく好きな口調で好きにふるまっている様に祭りは「自由だな」と口にする。ここから垣間見える、このゲームにおける性規範意識とは「ヒロインだからといって女性であるとは限らない」ということもありえるのではないかなあと。
ちょっとこの辺りは自分の中でもふわふわしており、だいぶ隙のある論になっているので、また折に触れてみ返したい。
続きの感想記事はこちら。
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gkeisuke · 5 years
Text
190925 Tokyo 7th シスターズ
書かなくてはならないことが溜まっている気もするけど、ナナシスの話をします。ナナシスの話をしたいので。
***
自己評価と自己肯定感が低い人間なので、私は、基本的には私より周りの方が優れていると思いながら生きている。
同時に「ポケモン自己分析」でカイリキータイプという結果が出たことをずっと引きずっている。診断結果は残酷なほどに正しかったが、自己肯定感が低いカイリキー、完全にバケモノなので。
この性格、仕事をする上で、めちゃくちゃよろしくないことが最近ハッキリしつつある。他者からどう評価されるか以上に、自己衛生上よろしくないことが分かってきた。
バーンアウトという症状を見つけて、いや完全に俺やんけ……となり、先週の水曜日はもろもろも重なって、割と精神的な限界を感じたので、4月から配属された仕事内容について、本当に余裕がないし、適性も無いので無理ですと上司に告げた。
昨年、生活はボロボロだったのだけど、仕事の方は非常に上手くいっており、今年はその逆になってしまった。
ただ、生活も仕事も同じで、これまで適当にやっていた部分を、丁寧にやらなければ、もう維持できなくなってきたということなのだろうと思っている。
自分の身の丈を知ること、自分が出来ないことを直視し、それが理由で何かを捨てなくてはいけない時間は、仕事だろうが生活だろうが、とても苦しい。
上司は理由と心身共に限界に近いことを話したら、すぐに配置転換と業務の整理に動いてくれた。また、これまで人に相談するのは自分の弱さを見せるようで怯んでしまっていたけど、自分より優れていると思っている人たちにアドバイスを求めたら、あまりにもあっけなく物事が解決したりもした。
昨年の生活と同じで、自分の弱さや小ささを自覚し、ダメージを受けて苦しんだ後は、それでも自分が譲れないものは何なのか、そこに踏み止まるにはどうすればいいのかを己に問うていく。
ワンリキーから順調に進化を重ねてきてた私は、今さら他のポケモンにはなれない。ただ、エスパータイプや飛行タイプを相手にしろって言われたら、他のポケモンに任せられる環境を整えることが大事なのだろうと思った。
***
何の話だ……。ナナシスの話ですが、ここ数日、全然文章を書けなかったのは、上記のような状況を抱えていたからというのがありました。基本的にこれは日記なので、脈絡のあるキレイな文章を書くつもりがない!
ただ、今週は心身が疲れていたので、やりたいことをやり、やりたくないことをやらないようにして過ごしていた。
月曜日は後輩から『アンダー・ユア・ベッド』のトークイベント付き上映に誘われていたのだけど、ベッドの下に潜る体力は確実に無かったので、オファーを断ってしまった。すまぬ……。
本日は歯医者に行った後、久々に近所にある日本一の規模を誇る岩盤浴施設に行こうと思っていた。
漫画を読み潰しても良かったのだけど、次に巨大岩盤浴施設に行ったら、施設のWi-Fiをフルで利用してナナシスをやろうと思っていた。
ハンモックに揺られながら、疲れたら温泉に入り、お腹が空いたらフードコートでご飯やスイーツを食べ、眠くなったらちょうどよい温度の岩盤浴で寝る。完璧な休日だ……と思い、充電バッテリーとiPod touchを持って岩盤施設に向かった。
***
チュートリアルと聴いていた『EPISODE.1.0』をクリアし終えた時、日付が変わっていた。結果、久しぶりにマジで1日中ゲームで遊んでいた。舐めていた……思った以上に凄まじい密度のテキストだった。
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完全に説明を忘れていたのだけど、私にとってのナナシス観は楽曲が ゴリゴリに先行している。
ナナシスからインスピレーションを受けたヨシダさんのTシャツを購入し、ルーツとなった楽曲くらいは知っておかなければ、オタクとしてカッコよく着こなすことは出来ないと思い、昨夏からアルバムを聴き始め、既に私の生活に欠かせない音楽の一つとして浸透しつつある。
ナナシスの楽曲たちは、アイドルコンテンツにも拘わらず、アイドルを知らなくても、物語を知らなくても、楽曲一発で、どうしようもなく分からされてしまうような強烈な説得力を持っている。
ただ、それは「物語を知らずにいていい」「アイドルたちのことを知らずにいていい」ということとはイコールにはならないので、楽曲が本当に素晴らしいからこそ、彼女たちがどういう人たちなのかをもっと知りたくはあったのだ。
基本的には、ポイントを消化しながらすごろくのようなマップを1マスずつ進んでいき、イベントマスに止まるとストーリーコミュが流れる。
『EPISODE.1.0』 は1マップ5話構成で、最後まで見ると、そのアイドルがナナスタという事務所に加入するまでの物語を追うことが出来る。ギャルゲーで言うところの、各キャラのルートに移行するまでの1周目の物語であった。
いや、割と本当に久しぶりに『ギャルゲー』をやっている感覚ではあったのだ。
テキストゲームを全くやっていない訳では無く、1年前はアイドルマスターシャイニーカラーズというソーシャルゲームを夢中でやっていたのですけど、最近のアイドルゲームというのは「アイドル」と「プロデューサー」の距離感というのが徹底されているなと思ったのだ。
個人的にも「アイドルがプロデューサーに恋愛感情を向けてくるのが嫌だ」という意見を多く見かけるようになっており、なるほどな~と思っていたのだけど、シャニマスは特に「アイドル」と「プロデューサー」という関係性の壁を意識していたように思えた。
ナナシスは現状、一部のアイドルが支配人(※俺のことなのだが)に対してめちゃくちゃ恋愛感情を向けてくるな……という感想があった。
それがいいとか悪いとかではなく、テキストゲームに1日中没頭する中で、テキストの中でアイドルたちに恋愛感情を向���られるという体験が、何やらめちゃくちゃ懐かしい感じがした。 
ただ、オタクなので、ちょっと優しくされただけで勘違いしてしまったという可能性も十分に考えられる。
個人のエピソードとしては、臼田スミレさんがめちゃくちゃ良かった。
単純に可愛くてニヤニヤするおじさんになってしまったのと、スミレさんが所属する『SiSH』というユニットの楽曲たちが非常に好きなので、こんなイノセントな感情を胸に秘めながら『プレシャス・セトラ』を『さよならレイニーレイディ』を歌っとるのか……と思ったら、死ぬほどグッときてしまった。
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3人のストーリー観た後、このイラスト見たら「5億点では?」となってしまった……。
角森ロナさんもよかった。七咲ニコルになりたいから、七咲ニコル"みたいに"なりたいへの転換。私はこの文脈に弱い。
***
ただ、きっとこの物語の根底にあるのは、始まりの春日部ハルのストーリー『ノッキン・オン・セブンズ・ドア』であったのだろうなと思った。
「キミは何がしたい?」
幾度となく繰り返される問いかけ。
直接的に使われなかったとしても、ナナシスの楽曲たちが問い続けてきたのは、常にその言葉であるように思った。
何もかも上手くいかなくなって、理想と現実のギャップに打ちのめされて、それでも心の奥底に捨てられずに残っている何か。
それを信じて、それを大切にして生きろよと言われている気がした。
自己評価と自己肯定感が低い人間なのだけど、だからこそ、唯一、誇りに思っていることがある。
私は、大切な人たちが救われたもの、命をかけて大切にしているものを、投げかけてもらえることが多い人間であると思っている。
これは、本当にとてもとても幸せなことなので、私はせめて自分が尽くせる限りの誠意を持って、その魂の投げかけを受け止められる人間で在り続けたいなと思っている。
それは、その人が魂を込めて投げてきたモノの中には、意図せずとも、その人が伝えたい意志やメッセージが詰まっていると思っているからだ。
そういったものを、ちゃんと見つけられる人間でありたいと思う。それは誰かのためである以上に、私のためにそう在りたいのだ。
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コニーさんの言葉を胸に留めて、明日からの日常を過ごしていきたいなと思いました。
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