Tumgik
kouchankawaii · 1 year
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2020年、パンデミックの最中に猫を飼い始めた。
茶トラ、緑の目の可愛い顔をしたオスの保護猫で,甘えん坊な性格をしている。譲渡してもらった日から私の膝の上に乗りすやすや寝る子だった。
子供の頃から猫を飼いたかった。けれども死別を恐れて27歳になるまで飼う決断ができなかったが、パンデミックで在宅勤務が増えて部屋に猫がいたらどんなに幸せだろうかという夢想が止まらなくなりタガが外れた。
廊下だけ電気をつけた暗い部屋で猫とワイヤーに羽のついたおもちゃで遊ぶ。廊下の光を受けて床のカーペットの上に躍動する猫の影が現れる。猫は影まで猫だなあと思う。猫の耳の影は三角で、生き物として全然デザインが違うということを感じる。
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kouchankawaii · 2 years
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2022/03/02の日記
 部屋の電気が明るすぎるので極力部屋の電気をつけたくなくて、昼は電気を点けず、夜は廊下の電気だけつけて過ごしたりする。間接照明としてスタンドライトをいつか買いたいと思いつつ、絶対に必要なものではないので買わないまま2年は過ぎた。
 もともと乱視が強い上に薬の副作用で若いのに既に軽度の白内障にもなっているので、電気の光は部屋のLEDでも車のライトでもなんでも全て他の人よりだいぶ眩しく見えていると思う。雨の日の夜にバスなんかに乗ると窓ガラスに付いた雨粒が反射している信号機の色、濡れて輝く道路、そしてそこに映る光、全部が全部乱視でブレブレになってフチの曖昧な丸い光のぼやぼやが、視界の中で無数の蛍みたいに見える。しかも超近視なので全体的にぼんやりしていてピントの合わない感じが幻想的で結構綺麗だと思っていた。その風景を見るのが好きだったので、学生の頃は雨の日バスに乗ったら家に帰るまでの30分間、大体は窓の外を眺めていた。街のミニシアター、寿司屋、暗い海、沢山のコンテナ、大型クレーン、リゾートホテルの無数の窓など、帰るルートの風景を未だに細かく思い出せる。
 毎日のことだが、仕事が終わってデスクから降りてカーペットに倒れ込むと構ってもらえるのを待ち兼ねていた猫が即やってきて早く遊べとおもちゃの箱を叩くので、休む暇なく猫の相手をする。
 廊下だけ電気をつけた暗い部屋で猫とワイヤーに羽のついたおもちゃで遊ぶ。廊下の光を受けて床のカーペットの上に躍動する猫の影が現れる。猫は影まで猫だなあと思う。猫の耳の影は三角で、生き物として全然デザインが違うということを感じる。
 暗い部屋の中で羽根のおもちゃを狙ってライオンのように伏せをする猫の背中は頼もしい。今日は仕事でたくさん失敗した。私は他人の機微がわからないことが多いけど今日は特にわからなかった。大人の集団の中で1人だけ子供で1人だけキチガイみたいだった。
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kouchankawaii · 2 years
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2022年2月23日の夢
 夢の中で実家のマンションのベランダから部屋に入ろうとしていた時、夕日の美しさに気がついた。私は部屋に入るのをやめて夕日を眺めた。周囲の建物は低く太陽を遮るものは何もなかった。サバンナの夕日みたいに太陽が完全にあらわになっていて、街にも空にもピンク色とオレンジ色の光がかかり綺麗だった。太陽の前を鳥が谷の部分が小さいVの字になって飛んでいた。逆光で黒っぽく見えた。ああ鳥が飛んでいると思った瞬間にそれが鳥ではないことに気がついた。鳥は隊列を変え小さな円の形になった。いつからか陰気な電子音のようなくぐもった低い音が響き始めていた。鳥はどんどん近づいてきていた。そしてそれがなぜかすぐに鳥ではなく能天使だとわかった。私が今見ていたことを彼らに知られてはいけないと怖くなって急いで部屋に入り気がつかれていなかったかと恐怖におびえた。早く過ぎ去ってくれと猫を抱きしめて目を閉じた。心臓がバクバク鳴っていた。
 タイミング的に天使が私が立っていたベランダの前を通り過ぎるだろう時に目が覚めた。かなり気が動転していて自分の部屋に帰ってきたことが理解できず今自分���どこにいるのかわからなかった。ともかくものすごく怖かった。
 単に天使が空から到来したというだけの夢なのに信じられないくらい怖くて泊まりに来ていた彼氏に怖い夢見たんだけどと言ったら彼氏が寝ながらどんな夢?と聞いてくれた。それでも深夜に喋ることも恐ろしく「朝話すね」と言って猫を撫でて彼氏に抱きついてもう一度寝た。
 二度寝したらもう一度同じ夢の世界に戻っていた。実家のマンションの部屋の中だった。私は直感的に天使は行ってしまっていたことを理解した。部屋の中には母、祖母、いとこ、叔母、普段付き合いのある親戚がみんないた。そして去年亡くなったおじいちゃんも居た。でもなぜかおじいちゃんは3人に分裂していた。何か利便性の都合で分裂したらしい。二回目の夢の方はそれ以外のことをあまり覚えていない。部屋に居たメンバーの中でおじいちゃんだけが故人である。
 私は天使が行ってしまったことはわかったが、部屋の中にいる家族に「助かったんだね」とは怖くて聞けなかった。そうして目が覚めた。現実世界には朝が来ていた。
 彼氏に夢の話をすると「週の半ばに終末を見たね笑」とギャグを言ってくれた。笑った。
 天使が夕日の中飛んでいる場面を今もまだ忘れることができない。そしてどうして二度寝して同じ世界に戻ったあとに「助かったんだね」と怖くて聞けなかったのかもまだわからない。そして一番わからないのは私がなぜ天使を怖がらなければならなかったのかということで、自分は全然キリスト教にも知識が無く、本来怖がる理由もなく、夢としては綺麗な夕日の空に天使が飛んでいるだけなのに強烈に怖かったのが自分としてもよくわからない。
やっぱり私が見たのは終末だったんだろうか。天使は赤かった。一般的に描かれる時の熾天使の羽の色に似ていた。
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